JP2001168677A - 弾性波遅延線 - Google Patents

弾性波遅延線

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JP2001168677A
JP2001168677A JP34789699A JP34789699A JP2001168677A JP 2001168677 A JP2001168677 A JP 2001168677A JP 34789699 A JP34789699 A JP 34789699A JP 34789699 A JP34789699 A JP 34789699A JP 2001168677 A JP2001168677 A JP 2001168677A
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delay line
electrode fingers
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wave delay
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JP34789699A
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Shuzo Wadaka
修三 和高
Koichiro Misu
幸一郎 三須
Kenji Yoshida
憲司 吉田
Kouji Ihata
光詞 井幡
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、製造上のバラつきにより、適正な屈折
補正が行えず特性が劣化するという課題があった。 【解決手段】 複数の電極指3と、複数の電極指に交互
に結合された外側及び内側のブスバー4A、5A、6
A、7Aとが圧電性基板上に構成されたすだれ状電極を
入出力一対1A、2A備え、複数の電極指3が弾性波の
伝搬方向に対して角度θだけ傾斜して配置され、かつ複
数の電極指の間隔pが弾性波の伝搬方向に沿って少しず
つ変化した弾性波遅延線において、内側のブスバー4
A、5Aは、角度θの方向に沿って階段形状であり、外
側及び内側のブスバーに交互に結合した一対の電極指が
交差した交差部に対応した内側のブスバーの箇所を階段
形状の単位段とする。また、単位段の幅WをW=2p、
単位段の高さHをH=W・tanθとする。 【効果】 屈折や反射による特性劣化を少なくすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通信機器や電子
機器等の回路で使用され、弾性波を伝搬する弾性波遅延
線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の弾性波遅延線について図面を参照
しながら説明する。図17は、従来の圧電性基板上に形
成され傾斜させたすだれ状電極(以下、IDTと記す;
InterDigital Transducer)を用いた弾性波遅延線の構
成を示す図である。
【0003】図17において、1は入力側IDT、2は
出力側IDT、3はアルミニウム(Al)等の電極指、4
及び5は内側のブスバー、6及び7は外側のブスバーで
ある。入力側IDT1および出力側IDT2は複数の電
極指3が配列間隔pでならんでおり、配列間隔pは伝搬
方向に沿って変化している。また、入力側IDT1およ
び出力側IDT2の傾斜角度をθ、ブスバー4、5の傾
斜角度をψとする。
【0004】つぎに、前述した従来の弾性波遅延線の動
作について図面を参照しながら説明する。
【0005】図17に示す弾性波遅延線において、ブス
バー4、6に印加された電気信号により、ブスバー4、
6に接続された2本の電極指3が交差する部分(以下、
交差部と記す)で電界が発生される。入力側IDT1
は、圧電性基板上に形成されているため、上記電界によ
り、上記圧電性基板は歪みを生じ、これが弾性波となっ
て励振され、電極指3に対し垂直な方向に伝搬する。そ
して、出力側IDT2で受信された弾性波は、励振と逆
の過程を経て、再び電気信号に変換される。
【0006】また、各交差部では、電極指3の配列間隔
pが弾性波の2分の1波長となったときに最も強く弾性
波が励振される。このため、入力側IDT1と出力側I
DT2とで広い周波数範囲にわたって電気信号と弾性波
を変換できるように、入力側IDT1と出力側IDT2
は、電極指配列間隔pを徐々に変化させている。すなわ
ち、このようなIDTを用いれば、広い周波数範囲にわ
たる通過帯域を得ることができる。
【0007】図17に示す弾性波遅延線は、入力側ID
T1と出力側IDT2とが、互いに線対称な形で配置さ
れている。したがって、図18に示すように、周波数に
よって弾性波の伝搬経路が異なるために、周波数によっ
て遅延時間が変化する。
【0008】また、弾性波の伝搬経路上に電極指3が多
く存在する場合、電極指による反射等のために、特性が
劣化することが知られている。この電極指3による反射
等による特性劣化については、例えば、文献1『Spring
er-Verlag, A.A.Oliner,Topics in Applied Physics,"A
coustic Surface Waves"pp.132』、および、文献2『電
子材料工業会編,「表面波デバイスとその応用」pp.17
5』に詳しく述べられている。
【0009】図17に示した弾性波遅延線は、電極指3
が弾性波の伝搬経路に垂直な方向へずらして配置され
た、いわゆる傾斜形IDTを用いているため、電極指3
とブスバー4、5との境界は弾性波の伝搬経路に対して
角度θの傾斜を有する。文献1に詳しく述べられている
ように、このような傾斜構造とすることにより、任意の
伝搬経路を有する弾性波が横切る電極指3の数が低減さ
れ、電極指3における弾性波の反射や、不要波の励振等
の悪影響を低減することができる。
【0010】また、従来の弾性波遅延線では、入力側I
DT1とブスバー4、5と自由表面のそれぞれにおい
て、弾性波の伝搬速度が異なるために、これらの境界に
弾性波が斜めに入射すると弾性波が屈折することが報告
されている。この弾性波の屈折については、例えば、文
献3『丹羽登「超音波計測」pp224−225』に詳
しく述べられている。このため、入力側IDT1によっ
て励振された弾性波が、屈折によって伝搬方向がそれ、
出力側IDT2の所望の位置で受信されず、上記弾性波
遅延線の特性を劣化させる。
【0011】すなわち、これを防ぐため、ブスバー5の
端面の傾斜角度ψにより、出力側IDT2での弾性波の
波面が電極指3と平行になるように屈折補正をおこなっ
ている。この屈折補正については、例えば、文献4『日
本音響学会講演論文集、「SAW傾斜電極分散形遅延線
における波面ひずみの補正」,3−5−12,pp25
7−258,1980』、および、文献5『電子情報通
信学会春期大会論文集,「傾斜形チャープIDTを用い
たSAW分散形遅延線の屈折補正角の一決定法」,p
p.439,1994』に詳しく述べられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
弾性波遅延線では、ブスバー4、5の端面の傾斜角が適
正な角度を用いないと特性が劣化するという問題点があ
った。
【0013】すなわち、IDT中の伝搬速度はIDTを
形成する金属の厚みや、電極指3の幅と電極指3の配列
周期pとの比に依存するので、製造上のバラつきに起因
して上記IDT部の伝搬速度が変化する。上記屈折補正
におけるブスバー4、5の傾斜角ψの適正な値は上記I
DT部の伝搬速度に依存するので上記製造上のバラつき
により、適正な屈折補正が行えず特性が劣化するという
問題点があった。
【0014】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、屈折や反射による特性劣化を少な
くすることができる弾性波遅延線を得ることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る弾性波遅延線は、複数の電極指、並びに前記複数の電
極指に交互に結合された外側及び内側のブスバーが圧電
性基板上に構成されたすだれ状電極を入出力一対備え、
前記複数の電極指が弾性波の伝搬方向に対して所定の角
度だけ傾斜して配置され、かつ前記複数の電極指の間隔
が前記弾性波の伝搬方向に沿って少しずつ変化した弾性
波遅延線において、前記内側のブスバーは、前記所定の
角度の方向に沿って階段形状であり、前記外側及び内側
のブスバーに交互に結合した一対の電極指が交差した交
差部に対応した前記内側のブスバーの箇所を前記階段形
状の単位段とするものである。
【0016】この発明の請求項2に係る弾性波遅延線
は、前記電極指の配列間隔をp、前記所定の角度をθと
それぞれ表すと、前記単位段の幅Wを、W=2p、前記
単位段の高さHを、H=W・tanθとし、前記電極指
の幅wを、w=p/2とするものである。
【0017】この発明の請求項3に係る弾性波遅延線
は、前記電極指の配列間隔をp、前記所定の角度をθと
それぞれ表すと、前記単位段の幅Wを、W=2p、前記
単位段の高さHを、H=W・tanθとし、前記電極指
の幅wを、w=p/4とするものである。
【0018】この発明の請求項4に係る弾性波遅延線
は、前記電極指の配列間隔をp、前記所定の角度をθと
それぞれ表すと、前記単位段の幅Wを、W=(n+1/
4)・2p、前記単位段の高さHを、H=W・tanθ
とし、前記電極指の幅wを、w=p/2とするものであ
る。
【0019】この発明の請求項5に係る弾性波遅延線
は、前記電極指の配列間隔をp、前記所定の角度をθと
それぞれ表すと、前記単位段の幅Wを、W=(n+1/
4)・2p、前記単位段の高さHを、H=W・tanθ
とし、前記電極指の幅wを、w=p/4とするものであ
る。
【0020】この発明の請求項6に係る弾性波遅延線
は、前記電極指の配列間隔をp、前記所定の角度をθと
それぞれ表すと、前記単位段の幅Wを、W=2p、前記
単位段の高さHを、H=W・tanθとし、前記電極指
の幅wを、w=p/4とし、前記交差部の電極指間に、
幅がwの開放形浮き電極指を配置したものである。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係る弾性波遅延線について図面を参照しながら
説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る弾性
波遅延線の構成を示す図である。なお、各図中、同一符
号は同一又は相当部分を示す。
【0022】図1において、1Aは入力側IDT、2A
は出力側IDT、3は電極指、4A及び5Aは内側のブ
スバー、6A及び7Aは外側のブスバーである。
【0023】図1に示す弾性波遅延線は、ブスバー部を
階段形状にし、上記ブスバー部の各段にシングル電極1
対を配置して傾斜させたIDTを用いたものである。
【0024】図2は、図1で示した弾性波遅延線で用い
られる傾斜させたIDTを示す図である。同図におい
て、1AはIDT、3は電極指、4A及び6Aはブスバ
ーである。図中、θはIDT1Aの傾斜角である。この
IDT1Aは電極指3が交差する構造であり、電極指3
の配列間隔をpとすると、電極指3の太さwは約p/2
となる。そして、配列間隔pは弾性波の伝搬方向に沿っ
て少しずつ変化させている。弾性波は、配列間隔pが上
記弾性波の波長λ/2に近いところで強く励振される。
また、ブスバー4Aの階段の幅WはW=2pであり、高
さHはH=W・tanθである。
【0025】上記階段形状のブスバー4Aの1段を1単
位と考える。各段には幅w=p/2を有する電極指3が
配列周期pを上記弾性波伝搬方向に沿って変化させて配
置されている。
【0026】所望の分散時間を得るためには、入出力I
DTの電極指3間で励振される弾性波の伝搬距離を変化
させればよい。したがって、上記ブスバー部1単位を順
に接続していけば所望の分散時間が実現できるIDTを
構成することができる。
【0027】また、図3で示すように、電極指3間で励
振された弾性波は、ブスバー4Aとの境界で斜め入射す
ることなく伝搬するので、屈折を起こさず、伝搬方向が
それることがない。したがって、ブスバー4Aの端面で
の屈折補正の必要がなくなる。
【0028】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、上記IDTのブスバー部を階段形状にすることで、
屈折補正の必要がなく、特性劣化が低減できる弾性波遅
延線を実現できる。
【0029】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
係る弾性波遅延線について図面を参照しながら説明す
る。図4は、この発明の実施の形態2に係る弾性波遅延
線の構成を示す図である。
【0030】図4において、1Bは入力側IDT、2B
は出力側IDT、3は電極指、4B及び5Bは内側のブ
スバー、6B及び7Bは外側のブスバーである。
【0031】図4に示す弾性波遅延線は、ブスバー部を
階段形状にし、上記ブスバー部の各段にダブル電極1対
を配置して傾斜させたIDTを用いたものである。
【0032】図5は、図4で示した弾性波遅延線で用い
られる傾斜させたIDTを示す図である。同図におい
て、1BはIDT、3は電極指、4B及び6Bはブスバ
ーである。図中、θはIDTの傾斜角である。IDT1
Bは電極指3が交差する構造であり、電極指3の配列間
隔をpとすると、電極指3の太さwは約p/4となる。
そして、配列間隔pは、弾性波の伝搬方向に沿って少し
ずつ変化させている。弾性波は、配列間隔pが上記弾性
波の波長λ/2に近いところで強く励振される。また、
ブスバー4Bの階段の幅WはW=2pであり、高さHは
H=W・tanθである。
【0033】上記階段形状のブスバー4Bの1段を1単
位と考える。各段には幅w=p/4を有する電極指3が
配列周期pを上記弾性波伝搬方向に沿って変化させて配
置されている。
【0034】所望の分散時間を得るためには、入出力I
DTの電極指3間で励振される弾性波の伝搬距離を変化
させればよい。したがって、上記ブスバー部1単位を順
に接続していけば所望の分散時間が実現できるIDTを
構成することができる。
【0035】また、図6で示すように、電極指3間で励
振された弾性波は、ブスバー4Bとの境界で斜め入射す
ることなく伝搬するので、屈折を起こさず、伝搬方向が
それることがない。したがって、ブスバー4Bの端面で
の屈折補正の必要がなくなる。
【0036】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、上記IDTのブスバー部を階段形状にすることで、
屈折補正の必要がなく、特性劣化が低減できる弾性波遅
延線を実現できる。
【0037】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
係る弾性波遅延線について図面を参照しながら説明す
る。図7は、この発明の実施の形態3に係る弾性波遅延
線の構成を示す図である。
【0038】図7において、1Cは入力側IDT、2C
は出力側IDT、3は電極指、4C及び5Cは内側のブ
スバー、6C及び7Cは外側のブスバーである。
【0039】図7に示す弾性波遅延線は、ブスバー部を
階段形状にし、上記ブスバー部にシングル電極を配列周
期pで配置して傾斜させたIDTを用いたものである。
【0040】図8は、図7で示した弾性波遅延線で用い
られる傾斜させたIDTを示す図である。同図におい
て、1CはIDT、3は電極指、4C及び6Cはブスバ
ーである。図中、θはIDT1Cの傾斜角である。ID
T1Cは電極指3が交差する構造であり、電極指3の配
列間隔をpとすると、電極指3の太さwは約p/2とな
る。そして、配列間隔pは弾性波の伝搬方向に沿って少
しずつ変化させている。弾性波は配列間隔pが上記弾性
波の波長λ/2に近いところで強く励振される。また、
ブスバー4Cの階段の幅WはW=(n+1/4)・2p
であり、高さHはH=W・tanθである。なお、nは
自然数である。
【0041】上記階段形状のブスバー4Cの1段を1単
位と考える。各段には幅w=p/2を有する電極指3が
配列周期pを上記弾性波伝搬方向に沿って変化させて配
置されている。
【0042】所望の分散時間を得るためには、入出力I
DTの電極指3間で励振される弾性波の伝搬距離を変化
させればよい。したがって、上記ブスバー部1単位を順
に接続していけば所望の分散時間が実現できるIDTを
構成することができる。
【0043】また、図9で示すように、電極指3間で励
振された弾性波は、ブスバー4Cとの境界で斜め入射す
ることなく伝搬するので、屈折を起こさず、伝搬方向が
それることがない。したがって、ブスバー4Cの端面で
の屈折補正の必要がなくなる。
【0044】また、図10で示すように、ブスバー4C
との境界で反射された弾性波(以下、反射波という。)
の伝搬距離は、弾性波の波長λに対して、(n+1/
2)・λとなるので、反射波の位相は逆相となる、した
がって、反射波はお互いを打ち消し合う。すなわち、反
射波の影響を低減できる。
【0045】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、上記IDTのブスバー部を階段形状にすることで、
屈折補正の必要がなく、反射波の影響を低減できる。す
なわち、特性劣化が低減できる弾性波遅延線を実現でき
る。
【0046】実施の形態4.この発明の実施の形態4に
係る弾性波遅延線について図面を参照しながら説明す
る。図11は、この発明の実施の形態4に係る弾性波遅
延線の構成を示す図である。
【0047】図11において、1Dは入力側IDT、2
Dは出力側IDT、3は電極指、4D及び5Dは内側の
ブスバー、6D及び7Dは外側のブスバーである。
【0048】図11に示す弾性波遅延線は、ブスバー部
を階段形状にし、上記ブスバー部にダブル電極を配列周
期pで配置して傾斜させたIDTを用いたものである。
【0049】図12は、図11で示した弾性波遅延線で
用いられる傾斜させたIDTを示す図である。同図にお
いて、1DはIDT、3は電極指、4D及び6Dはブス
バーである。図中、θはIDT1Dの傾斜角である、I
DT1Dは電極指3が交差する構造であり、電極指3の
配列間隔をpとすると、電極指3の太さwは約p/4と
なる。そして、配列間隔pは弾性波の伝搬方向に沿って
少しずつ変化させている。弾性波は配列間隔pが上記弾
性波の波長λ/2に近いところで強く励振される。ま
た、ブスバー4Dの階段の幅WはW=(n+1/4)・
2pであり、高さHはH=W・tanθである。なお、
nは自然数である。
【0050】上記階段形状のブスバー4Dの1段を1単
位と考える。各段には幅w=p/4を有する電極指3が
配列周期pを上記弾性波伝搬方向に沿って変化させて配
置されている。
【0051】所望の分散時間を得るためには、入出力I
DTの電極指3間で励振される弾性波の伝搬距離を変化
させればよい。したがって、上記ブスバー部1単位を順
に接続していけば所望の分散時間が実現できるIDTを
構成することができる。
【0052】また、図13で示すように、電極指3間で
励振された弾性波は、ブスバー4Dとの境界で斜め入射
することなく伝搬するので、屈折を起こさず、伝搬方向
がそれることがない。したがって、ブスバー4Dの端面
での屈折補正の必要がなくなる。
【0053】また、図10と同様に、ブスバー4Dとの
境界で反射された弾性波の伝搬距離は弾性波の波長λに
対して、(n+1/2)・λとなるので、反射波の位相
は逆相となる、したがって、反射波はお互いを打ち消し
合う。すなわち、反射波の影響を低減できる。
【0054】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、上記IDTのブスバー部を階段形状にすることで、
屈折補正の必要がなく、反射波の影響を低減できる。す
なわち、特性劣化が低減できる弾性波遅延線を実現でき
る。
【0055】実施の形態5.この発明の実施の形態5に
係る弾性波遅延線について図面を参照しながら説明す
る。図14は、この発明の実施の形態5に係る弾性波遅
延線の構成を示す図である。
【0056】図14において、1Eは入力側IDT、2
Eは出力側IDT、3は電極指、4E及び5Eは内側の
ブスバー、6E及び7Eは外側のブスバー、8は開放型
浮き電極である。
【0057】図14に示す弾性波遅延線は、ブスバー部
を階段形状にし、上記ブスバー部にシングル電極を配列
周期pで配置し、各電極指3間に開放形浮き電極8を配
置して傾斜させたIDTを用いたものである。
【0058】図15は、図14で示した弾性波遅延線で
用いられる傾斜させたIDTを示す図である。同図にお
いて、1EはIDT、3は電極指、4E及び6Eはブス
バー、8は開放型浮き電極である。図中、θはIDTの
傾斜角である。IDT1Eは電極指3が交差する構造で
あり、電極指3の配列間隔をpとすると、電極指3の太
さwは約p/4となる。そして、電極指3間に、一方向
性を持つように太さが約p/4となる開放形浮き電極8
を配置する。配列間隔pは弾性波の伝搬方向に沿って少
しずつ変化させている。弾性波は配列間隔pが上記弾性
波の波長λ/2に近いところで強く励振される。また、
ブスバー4Eの階段の幅WはW=2pであり、高さHは
H=W・tanθである。
【0059】上記階段形状のブスバー4Eの1段を1単
位と考える。各段には幅w=p/4を有する電極指3が
配列周期pで配置され、電極指3間の中心からずらした
位置に開放形浮き電極8を配置しているので、電極指3
間で励振された弾性波は方向性を得る。すなわち、図1
4において、入力側IDT1Eで励振された弾性波は出
力側IDT2Eの方向へのみ伝搬する。したがって、損
失の低減ができる。また、電極指3は配列周期pを上記
弾性波伝搬方向に沿って変化させて配置されている。
【0060】所望の分散時間を得るためには、入出力I
DTの電極指3間で励振される弾性波の伝搬距離を変化
させればよい。したがって、上記ブスバー部1単位を順
に接続していけば所望の分散時間が実現できるIDTを
構成することができる。
【0061】また、図16で示すように、電極指3間で
励振された弾性波は、ブスバー4Eとの境界で斜め入射
することなく伝搬するので、屈折を起こさず、伝搬方向
がそれることがない。したがって、ブスバー4Eの端面
での屈折補正の必要がなくなる。
【0062】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、上記IDTのブスバー部を階段形状にすることで、
屈折補正の必要がなく、反射波の影響を低減できる。す
なわち、特性劣化が低減できる弾性波遅延線を実現でき
る。
【0063】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る弾性波遅延線
は、以上説明したとおり、複数の電極指、並びに前記複
数の電極指に交互に結合された外側及び内側のブスバー
が圧電性基板上に構成されたすだれ状電極を入出力一対
備え、前記複数の電極指が弾性波の伝搬方向に対して所
定の角度だけ傾斜して配置され、かつ前記複数の電極指
の間隔が前記弾性波の伝搬方向に沿って少しずつ変化し
た弾性波遅延線において、前記内側のブスバーは、前記
所定の角度の方向に沿って階段形状であり、前記外側及
び内側のブスバーに交互に結合した一対の電極指が交差
した交差部に対応した前記内側のブスバーの箇所を前記
階段形状の単位段とするので、屈折や反射による特性劣
化を少なくすることができるという効果を奏する。
【0064】この発明の請求項2に係る弾性波遅延線
は、以上説明したとおり、前記電極指の配列間隔をp、
前記所定の角度をθとそれぞれ表すと、前記単位段の幅
Wを、W=2p、前記単位段の高さHを、H=W・ta
nθとし、前記電極指の幅wを、w=p/2とするの
で、屈折や反射による特性劣化を少なくすることができ
るという効果を奏する。
【0065】この発明の請求項3に係る弾性波遅延線
は、以上説明したとおり、前記電極指の配列間隔をp、
前記所定の角度をθとそれぞれ表すと、前記単位段の幅
Wを、W=2p、前記単位段の高さHを、H=W・ta
nθとし、前記電極指の幅wを、w=p/4とするの
で、屈折や反射による特性劣化を少なくすることができ
るという効果を奏する。
【0066】この発明の請求項4に係る弾性波遅延線
は、以上説明したとおり、前記電極指の配列間隔をp、
前記所定の角度をθとそれぞれ表すと、前記単位段の幅
Wを、W=(n+1/4)・2p、前記単位段の高さH
を、H=W・tanθとし、前記電極指の幅wを、w=
p/2とするので、屈折や反射による特性劣化を少なく
することができるという効果を奏する。
【0067】この発明の請求項5に係る弾性波遅延線
は、以上説明したとおり、前記電極指の配列間隔をp、
前記所定の角度をθとそれぞれ表すと、前記単位段の幅
Wを、W=(n+1/4)・2p、前記単位段の高さH
を、H=W・tanθとし、前記電極指の幅wを、w=
p/4とするので、屈折や反射による特性劣化を少なく
することができるという効果を奏する。
【0068】この発明の請求項6に係る弾性波遅延線
は、以上説明したとおり、前記電極指の配列間隔をp、
前記所定の角度をθとそれぞれ表すと、前記単位段の幅
Wを、W=2p、前記単位段の高さHを、H=W・ta
nθとし、前記電極指の幅wを、w=p/4とし、前記
交差部の電極指間に、幅がwの開放形浮き電極指を配置
したので、屈折や反射による特性劣化を少なくすること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る弾性波遅延線
の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る弾性波遅延線
のIDTを拡大して示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る弾性波遅延線
のIDTの動作状況を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係る弾性波遅延線
の構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る弾性波遅延線
のIDTを拡大して示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る弾性波遅延線
のIDTの動作状況を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係る弾性波遅延線
の構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る弾性波遅延線
のIDTを拡大して示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態3に係る弾性波遅延線
のIDTの動作状況を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態3に係る弾性波遅延
線のIDTの動作状況を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態4に係る弾性波遅延
線の構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態4に係る弾性波遅延
線のIDTを拡大して示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態4に係る弾性波遅延
線のIDTの動作状況を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態5に係る弾性波遅延
線の構成を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態5に係る弾性波遅延
線のIDTを拡大して示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態5に係る弾性波遅延
線のIDTの動作状況を示す図である。
【図17】 従来の弾性波遅延線の構成を示す図であ
る。
【図18】 従来の弾性波遅延線の動作状況を示す図で
ある。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E 入力側IDT、2A、
2B、2C、2D、2E 出力側IDT 、3 電極
指、4A、4B、4C、4D、4E 内側のブスバー、
5A、5B、5C、5D、5E 内側のブスバー、6
A、6B、6C、6D、6E 外側のブスバー、7A、
7B、7C、7D、7E 外側のブスバー、8 開放型
浮き電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 憲司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 井幡 光詞 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA02 BB07 DD07 DD08 DD10 DD22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電極指、並びに前記複数の電極指
    に交互に結合された外側及び内側のブスバーが圧電性基
    板上に構成されたすだれ状電極を入出力一対備え、前記
    複数の電極指が弾性波の伝搬方向に対して所定の角度だ
    け傾斜して配置され、かつ前記複数の電極指の間隔が前
    記弾性波の伝搬方向に沿って少しずつ変化した弾性波遅
    延線において、 前記内側のブスバーは、前記所定の角度の方向に沿って
    階段形状であり、 前記外側及び内側のブスバーに交互に結合した一対の電
    極指が交差した交差部に対応した前記内側のブスバーの
    箇所を前記階段形状の単位段とすることを特徴とする弾
    性波遅延線。
  2. 【請求項2】 前記電極指の配列間隔をp、前記所定の
    角度をθとそれぞれ表すと、 前記単位段の幅Wは、W=2p、前記単位段の高さH
    は、H=W・tanθであり、 前記電極指の幅wは、w=p/2であることを特徴とす
    る請求項1記載の弾性波遅延線。
  3. 【請求項3】 前記電極指の配列間隔をp、前記所定の
    角度をθとそれぞれ表すと、 前記単位段の幅Wは、W=2p、前記単位段の高さH
    は、H=W・tanθであり、 前記電極指の幅wは、w=p/4であることを特徴とす
    る請求項1記載の弾性波遅延線。
  4. 【請求項4】 前記電極指の配列間隔をp、前記所定の
    角度をθとそれぞれ表すと、 前記単位段の幅Wは、W=(n+1/4)・2p、前記
    単位段の高さHは、H=W・tanθであり、 前記電極指の幅wは、w=p/2であることを特徴とす
    る請求項1記載の弾性波遅延線。
  5. 【請求項5】 前記電極指の配列間隔をp、前記所定の
    角度をθとそれぞれ表すと、 前記単位段の幅Wは、W=(n+1/4)・2p、前記
    単位段の高さHは、H=W・tanθであり、 前記電極指の幅wは、w=p/4であることを特徴とす
    る請求項1記載の弾性波遅延線。
  6. 【請求項6】 前記電極指の配列間隔をp、前記所定の
    角度をθとそれぞれ表すと、 前記単位段の幅Wは、W=2p、前記単位段の高さH
    は、H=W・tanθであり、 前記電極指の幅wは、w=p/4であり、 前記交差部の電極指間に、幅がwの開放形浮き電極指を
    配置したことを特徴とする請求項1記載の弾性波遅延
    線。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020155968A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 太陽誘電株式会社 弾性波共振器、フィルタおよびマルチプレクサ
CN112653413A (zh) * 2020-12-16 2021-04-13 武汉大学 调节超高频体声波谐振器有效机电耦合系数的系统及方法

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JP7411334B2 (ja) 2019-03-20 2024-01-11 太陽誘電株式会社 弾性波共振器
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