JP2002353771A - 弾性表面波素子 - Google Patents

弾性表面波素子

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JP2002353771A
JP2002353771A JP2001158473A JP2001158473A JP2002353771A JP 2002353771 A JP2002353771 A JP 2002353771A JP 2001158473 A JP2001158473 A JP 2001158473A JP 2001158473 A JP2001158473 A JP 2001158473A JP 2002353771 A JP2002353771 A JP 2002353771A
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finger
transmission
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JP2001158473A
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Kouji Ihata
光詞 井幡
Koichiro Misu
幸一郎 三須
Tsutomu Nagatsuka
勉 永塚
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数範囲でのフィルタ通過帯域の分散
形遅延線として動作し、リップル等を低減し、加工が容
易でコストを低減する弾性表面波素子を得る。 【解決手段】 弾性表面波素子100は、発信電極3a
及び受信電極3bを備え、発信電極3aは第1取り出し
電極5と、第1取り出し電極5の長辺部から延出した複
数の第1発信電極指6と、第1発信取り出し電極5に対
向して設けられた第2発信取り出し電極7と、第2発信
取り出し電極7から延出し、各第1発信電極指6の間に
1つずつ配置された第2発信電極指8とを有し、受信電
極3bも発信電極3aと左右対称に第1受信取り出し電
極10と、第1受信電極指11と、第2受信取り出し電
極12と、第2受信電極指13とを有している。取り出
し電極5,7,10,12が傾斜し、各電極指6,8,
11,13の幅及び間隔が各取り出し電極7,12に近
づくに従って小さくなることにより、発信電極3aで発
生した表面波が反射する電極指の数を減少し、広い周波
数範囲のフィルタ通過帯域を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば通信機あ
るいは電子機器の回路に用いられる弾性表面波素子に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波素子は、一般的に通信機のア
ナログ信号のフィルタ等に用いられている。図13は、
従来の弾性表面波素子の構成を示す模式図である。図1
3において、弾性表面波素子1は、圧電部材2と、この
圧電部材2の表面に貼り付けられたすだれ状電極体3と
を備えている。
【0003】圧電部材2は、例えば圧電セラミックのよ
うな圧電素子であり、特定の方向に圧力を加えるとその
大きさに比例した電気分極が生じ、また電圧を与えると
その大きさに比例した応力が発生して変形する圧電効果
を利用するものである。この効果を利用して応力から電
圧へ、あるいはその逆の変換に利用できる。
【0004】すだれ状電極体3は、表面波を発生する発
信電極3a及びこの表面波を受信する受信電極3bを有
している。また、この発信電極3a及び受信電極3bが
左右対称になっている。
【0005】発信電極3aは、電気端子4に電気的に接
続された帯状の第1発信取り出し電極5と、この第1発
信取り出し電極5から間隔をおいて平行に延出した複数
の第1発信電極指6と、第1発信取り出し電極5に対向
して設けられ、接地された帯状の第2発信取り出し電極
7と、第2発信取り出し電極7から第1発信取り出し電
極5に向けて平行に延出し、各第1発信電極指6の間に
配置された複数の第2発信電極指8とを有している。即
ち、第1発信電極指6及び第2発信電極指8がそれぞれ
交互に重なるように平行に配置され、すべての第1発信
電極指6がその端部で第1発信取り出し電極5に接続さ
れ、すべての第2発信電極指8がその端部で第2発信取
り出し電極7に接続されている。この延出方向に垂直な
方向に受信電極3bが設けられている。
【0006】受信電極3bは、発信電極3aと同様に、
電気信号である電圧を読み取る受信手段(図示しない)
に接続された受信端子9に電気的に接続された帯状の第
1受信取り出し電極10と、この第1受信取り出し電極
10から間隔をおいて平行に延出した複数の第1受信電
極指11と、第1受信取り出し電極10に対向して設け
られ、接地された帯状の第2受信取り出し電極12と、
第2受信取り出し電極12から第1受信取り出し電極1
0に向けて平行に延出し、各第1受信電極指11の間に
配置された複数の第2受信電極指13とを有している。
即ち、第1受信電極指11及び第2受信電極指13がそ
れぞれ交互に重なるように平行に配置され、すべての第
1受信電極指11がその端部で第1受信取り出し電極1
0に接続され、すべての第2受信電極指13がその端部
で第2受信取り出し電極12に接続されている。
【0007】次に、動作について説明する。電気端子4
に入力電圧である電気信号が加えられると、隣り合う第
1発信電極指6及び第2発信電極指8の間に電位差が生
じ、圧電効果により圧電部材2にその電位差に比例した
歪みが発生する。この歪みは周期的に変化し、図14に
示すように、波長λの表面波として圧電部材2の表面を
受信電極3bに向かって伝達する。ここで、波長λは、
表面波が第1発信電極指6及び第2発信電極指8を一単
位として発生していることから、隣り合う第1発信電極
指6あるいは隣り合う第2発信電極指8の配置ピッチと
等しくなっている。この表面波が受信電極3bに到達す
ると、表面波の振動により圧電部材2の表面に歪みが生
じ、圧電効果による電気分極により第1受信電極指11
及び第2受信電極指13の間に電位差を生じる。この電
位差は出力電圧である電気信号として受信端子9から取
り出される。
【0008】このような構成の弾性表面波素子1は、第
1発信電極指6、第2発信電極指8、第1受信電極指1
1及び第2受信電極指13のそれぞれの幅t1、t2、
t3、t4がすべてλ/4となっている。
【0009】また、発生した表面波は圧電部材2及び各
電極指6、8、11及び13を伝達する。即ち音響イン
ピーダンスが異なる材料を繰り返し伝達する。ここで、
この音響インピーダンスの異なる材料は波長λ/2の間
隔で周期的に配置されていることから、電極指の数が多
いと、電極指間を往来する多重反射が大きくなり、リッ
プル等が発生し表面波の特性が劣化する。
【0010】この特性劣化を改善するために、第2の従
来例である図15に示すように、第1発信電極指6及び
第2発信電極指8をそれぞれ一対の第1発信電極指部1
4及び一対の第2発信電極指部15とし、第1受信電極
指11及び第2受信電極指13もそれぞれ一対の第1受
信電極指部16及び一対の第2受信電極指部17とした
弾性表面波素子がある。これらの電極指部を有する弾性
表面波素子1は波長λの中に4本の電極指が存在するこ
とになり、従って表面波が伝達する方向に音響インピー
ダンスが異なる材料が波長λ/4の間隔で周期的に配置
されていることになる。このことから、これら電極指部
は音響インピーダンスが異なる材料が通常の電極指に比
べて半分の周期で配置されているので、反射波の位相が
半波長ずれ、反射していない表面波と打ち消し合い、多
重反射による特性劣化を避けることができる。
【0011】また、第3の従来例では、より広い周波数
範囲のフィルタ通過帯域を得るために、図16に示すよ
うに、それぞれの第1発信電極指6及び第2発信電極指
8の幅及び隣り合う第1発信電極指6及び第2発信電極
指8の間隔を異なるものとし、同様にそれぞれの第1受
信電極指11及び第2受信電極指13の幅及び隣り合う
第1受信電極指11及び第2受信電極指13の間隔を異
なるものとした弾性表面波素子1としている。発信電極
3a及び受信電極3bの互いに対向する側から各電極指
の幅及び間隔は徐々に大きくなっている。即ち、第1発
信電極指6及び第2発信電極指8は受信電極3b側でそ
の幅及び間隔が最も小さく、離れるにつれてその幅及び
間隔が徐々に大きくなっており、同様に第1受信電極指
11及び第2受信電極指13は発信電極3a側でその幅
及び間隔が最も小さく、離れるにつれてその幅及び間隔
が徐々に大きくなっている。
【0012】この発信電極3a及び受信電極3bは左右
対称に配置されており、互いに対向する側の電極指から
i番目及び(i+1)番目の電極指の幅がそれぞれLi
及びLi+1で、このi番目及び(i+1)番目の電極指
のそれぞれの中心軸線間の距離がDiとなっている。ま
た、これらi番目の電極指及び(i+1)番目の電極指
の電極指間長さがSiとなっている。
【0013】また、受信電極3bでは、i番目の電極指
の中心軸線及び(i+1)番目の電極指の中心軸線の間
の中央部と1番目の電極指の発信電極3a側(以下、基
準軸とよぶ)との距離がXiとなっている。さらに、こ
のi番目の電極指と(i+1)番目の電極指とで受信交
差部Piが構成され、受信交差部Piの位置と基準軸と
の間の距離が距離Xiと一致している。さらに、表面波
波長の2分の1が受信交差部Piにおける中心軸線間距
離Diとなる周波数fiを交差部Piの中心周波数fi
とする。
【0014】発信電極3aでも、受信交差部Piに対応
する発信交差部Qiが、i番目の電極指の中心軸線と
(i+1)番目の電極指の中心軸線とで構成されてい
る。
【0015】ここで、表面波の伝搬速度が変化しないこ
とから、中心周波数fiは交差部Piの中心波長λiに
反比例する。中心波長λiは中心軸線間距離Diの2倍
の長さであるので、中心周波数fiは中心軸線間距離D
iに反比例して変化する。従って、受信交差部Piの距
離Xiに対して中心軸線間距離Diを変化させて電極指
を配置することにより、中心周波数fiを距離Xiに対
して線形変化させることができる。図17は、距離Xi
と受信交差部Piの中心周波数fiとの関係を示すグラ
フである。図17はまた、図16の受信電極3bに対応
するグラフである。図16及び図17において、受信電
極3bにおける距離Xiが増加するにつれて中心軸線間
距離Diが増加している。従って、距離Xiが増加する
と中心周波数fiは小さくなる。中心周波数fiの表面
波が発信交差部Qiから受信交差部Piの位置に到達す
るまでの時間である遅延時間τiは、すだれ状電極体3
が左右対称になっていることから、発信交差部Qiから
受信交差部Piまでの距離がiの数によってそれぞれ異
なっており、中心周波数fiに対応することが分かる。
【0016】図16における弾性表面波素子は、以下の
ようにして動作する。すだれ状電極体3の発信電極3a
と受信電極3bとが左右対称であるので、受信電極3b
の受信交差部Piに対応する発信交差部Qiにより発生
した波長λi、即ち中心軸線間距離Diの2倍の波長の
表面波は受信電極3bに向けて伝達する。このとき、表
面波は波長λiの2分の1の長さが中心軸線間距離Di
となるときに電極指は最も強く励振されるので、受信電
極3bの受信交差部Piに達するまでは、他の電極指が
この表面波によって強く励振されることはない。受信交
差部Piに達した波長λiの表面波は波長λiの2分の
1の長さと受信交差部Piの中心軸線間距離Diが一致
し、この交差部Piの電極指を強く励振する。この励振
が電気信号となり受信端子9に取り出される。発信電極
3a及び受信電極3bの各対応する発信交差部Qi及び
受信交差部Piの間の距離はすべて異なっているので、
各発信交差部Qiで発生した表面波がその対応する各受
信交差部Piに到達する時間、即ち遅延時間τiはすべ
て異なる。従って、遅延時間τiに対応する中心周波数
fiの表面波が電圧となって受信端子9に取り出され
る。このことから、弾性表面波素子1は周波数によって
遅延時間が異なる分散形遅延線として動作する。このと
き、中心周波数fiの帯域幅Δfに渡る遅延時間τiの
変化量が分散時間Δτである。
【0017】このようにして、弾性表面波素子1を分散
形遅延線として動作させることによって広い周波数範囲
のフィルタ通過帯域を得ることができる。
【0018】また、第4の従来例では、電極指による反
射等によりフィルタ通過帯域内に生じるリップルを少な
くするために、図18に示すように、弾性表面波が伝達
する方向に対して第1発信取り出し電極5及び第2発信
取り出し電極7を角度θだけ傾斜させ、第1受信取り出
し電極10及び第2受信取り出し電極12を逆向きに角
度θだけ傾斜させた弾性表面波素子1がある。
【0019】このようにして、ある第1発信電極指6及
び第2発信電極指8により発生した表面波がその伝達経
路で横切る電極指の数を低減することができ、この表面
波が電極指で反射することによる悪影響を小さくするこ
とができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来例では上述のように表面波が電極指に反射すること
による反射波の影響でリップルが生じてしまうという問
題点があった。また、第2の従来例では反射波による悪
影響は避けることができるが、同一の波長の表面波を発
生及び受信するのに電極指の幅を2分の1に小さくする
必要があり、電極指の加工が困難であるという問題点が
あった。また、第3の従来例では、弾性表面波素子1を
広い周波数範囲でフィルタ通過帯域を得ることができる
が、製造上の要請から電極指の幅が最小寸法の整数倍と
して設定され、この電極指の幅をなめらかに変化させる
にはコストがかかるという問題点があった。さらに、第
4の従来例では、電極指の数が多いときには、取り出し
電極を傾斜させるだけでは、表面波が横切る電極指の数
を低減するのに限度があり、十分に表面波が電極指に反
射する悪影響を小さくすることはできず、また、取り出
し電極が傾斜していることによって表面波が第2発信取
り出し電極7及び第2受信取り出し電極12をも横切る
ことになり、途中で表面波が取り出し電極に傾斜して横
切ろうとするときに屈折することにより、発信交差部Q
iにおいて発生した表面波が対応する受信交差部Piに
伝達しないという問題点があった。
【0021】そこでこの発明は、上記のような問題点を
解決することを課題とするもので、広い周波数範囲での
フィルタ通過帯域を得るために分散形遅延線として動作
し、表面波が電極指で反射または取り出し電極で屈折す
ることによるリップル等を低減し、加工が容易でコスト
を低減する弾性表面波素子を得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係る弾性表面
波素子は、圧電部材と、前記圧電部材に貼り付けられ、
前記圧電部材に入力電圧で歪みを発生させることにより
前記圧電部材の表面に表面波を発信させる発信電極及び
前記発信電極から伝達された表面波で生じた歪みによっ
て前記圧電部材に発生した出力電圧を検出する受信電極
を有するすだれ状電極体とを備えた弾性表面波素子であ
って、前記発信電極は、前記入力電圧が印加される帯状
の第1発信取り出し電極と、前記第1発信取り出し電極
の長辺部から延出した複数の第1発信電極指と、前記第
1発信取り出し電極に対向して設けられた帯状の第2発
信取り出し電極と、前記第2発信取り出し電極の長辺部
から各前記第1発信電極指の間に1つずつ配置されるよ
うに延出された第2発信電極指とを有し、前記受信電極
は、前記出力電圧を取り出す帯状の第1受信取り出し電
極と、前記第1受信取り出し電極の長辺部から延出した
複数の第1受信電極指と、前記第1受信取り出し電極に
対向して設けられた帯状の第2受信取り出し電極と、前
記第2受信取り出し電極の長辺部から各前記第1受信電
極指の間に1つずつ配置されるように延出された第2受
信電極指とを有し、前記発信電極及び前記受信電極は、
互いに左右対称に設けられており、前記発信電極は、各
前記第1発信電極指の幅及び隣接した前記第1発信電極
指の間隔と各前記第2発信電極指の幅及び隣接した前記
第2発信電極指の間隔とが第2発信取り出し電極に近づ
くに従ってそれぞれ小さく、前記受信電極は、各前記第
1受信電極指の幅及び隣接した前記第1受信電極指の間
隔と各前記第2受信電極指の幅及び隣接した前記第2受
信電極指の間隔とが第2受信取り出し電極に近づくに従
ってそれぞれ小さくなっており、前記発信電極及び前記
受信電極は、前記表面波が伝達する方向に対して傾斜し
ている。
【0023】また、前記発信電極は、前記第1発信電極
指及び前記第2発信電極指がそれぞれ一対の第1発信電
極指部及び一対の第2発信電極指部からなり、前記受信
電極は、前記第1受信電極指及び前記第2受信電極指が
それぞれ一対の第1受信電極指部及び一対の第2受信電
極指部からなる。
【0024】また、前記発信電極は、前記第1発信電極
指及び前記第2発信電極指が前記受信電極側に近づくに
従って前記第1発信電極指の幅及び間隔と前記第2発信
電極指の幅及び間隔とがそれぞれ小さくなっており、前
記受信電極は、前記第1受信電極指及び前記第2受信電
極指が前記発信電極側に近づくに従って前記第1受信電
極指の幅及び間隔と前記第2受信電極指の幅及び間隔と
がそれぞれ小さくなっている。
【0025】また、前記発信電極は、前記第1発信取り
出し電極及び前記第2発信取り出し電極が弧状になって
おり、前記受信電極は、前記第1受信取り出し電極及び
前記第2受信取り出し電極が弧状になっている。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明するが、各実施の形態における同一あるいは相
当する部材又は部位には、従来例と同一符号を付してい
る。
【0027】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1に係る弾性表面波素子の構成を示す模式図であ
る。図1において、弾性表面波素子100は、圧電部材
2と、圧電部材2の表面に貼り付けられたすだれ状電極
体3とを備えている。
【0028】すだれ状電極体3は、表面波を発生する発
信電極3a及びこの表面波を受信する受信電極3bを有
している。また、この発信電極3a及び受信電極3bが
左右対称になっている。
【0029】発信電極3aは、電気端子4に電気的に接
続された帯状の第1発信取り出し電極5と、この第1発
信取り出し電極5から間隔をおいて延出した複数の第1
発信電極指6と、第1発信取り出し電極5に対向して設
けられ、接地された帯状の第2発信取り出し電極7と、
第2発信取り出し電極7から第1発信取り出し電極5に
向けて延出し、各第1発信電極指6の間にそれぞれ配置
された第2発信電極指8とを有している。
【0030】第1発信取り出し電極5及び第2発信取り
出し電極7は、互いに平行に配置されており、表面波が
伝達する方向に対して角度θだけ傾斜している。また、
第1発信電極指6及び第2発信電極指8は、それぞれそ
の幅及び間隔が第2発信取り出し電極7に近づくに従っ
て小さくなっている。即ち、第1発信電極指6の幅t1
及び配置間隔s1が第2発信取り出し電極7に近づくに
従って小さくなり、第2発信電極指8の幅t2及び配置
間隔s2が第2発信取り出し電極7に近づくに従って小
さくなっている。また、第1発信電極指6と隣り合った
第2発信電極指8は、第1発信電極指6と対向する部分
の幅t2が第1発信電極指6の幅t1と同一であり、こ
の第1発信電極指6及び第2発信電極指8の間の長さも
第1発信電極指6の幅t1と同一になっている。
【0031】第1発信取り出し電極5及び第2発信取り
出し電極7が角度θだけ傾斜していることにより、第1
発信電極指6あるいは第2発信電極指8である発信電極
指はz軸方向に対して傾斜している。例えば、受信電極
3b側からi番目の発信電極指riはz軸方向に対して
角度θiだけ傾斜している。従って、z軸方向に対して
時計回りを正の方向、逆回りを負の方向とすると、各発
信電極指riの角度θiの総和が負の方向になるように
各発信電極指riは配置されている。
【0032】受信電極3bは、第1発信取り出し電極
5、第1発信電極指6、第2発信取り出し電極7及び第
2発信電極指8とそれぞれ対応する第1受信取り出し電
極10、第1受信電極指11、第2受信取り出し電極1
2及び第2受信電極指13とが左右対称になるように発
信電極3aに対向して配置されている。
【0033】また、発信電極指ri及び発信電指r
i+1は、発信交差部Qiを構成しており、発信電極指ri
及び発信電指ri+1に対応する受信電極指、即ち発信電
極3a側からi番目の受信電極指r’i及び発信電極3
a側から(i+1)番目の受信電極指r’i+1は、受信
交差部Piを構成している。なお、他の構成は、従来例
と同様になっている。
【0034】このような構成の弾性表面波素子100
は、以下のように動作する。図2は、この発明の実施の
形態1に係る弾性表面波素子の動作を説明する模式図で
ある。図2に示すように、まず電気端子4に入力された
電気信号である入力電圧により第1発信電極指6及び第
2発信電極指8の間に電位差が生じ、圧電効果により圧
電部材2に振動が発生する。このとき、発生する振動の
波長は隣り合う第1発信電極指6及び第2発信電極指8
の各中心軸線間の長さの2倍の長さとなる。この振動が
表面波として圧電部材2の表面を伝達し、受信電極3b
に到達する。
【0035】例えば、発信交差部Qiで発生した表面波
が受信電極3bに到達すると、発信交差部Qiに対応す
る受信交差部Piで強く励振され、この励振で電気分極
が生じ、この信号が出力電圧として受信端子9から取り
出される。
【0036】発信交差部Qiで発生した表面波は、各発
信電極指ri、ri+1の幅及び配置間隔が第2発信取り出
し電極7に近づくに従って小さくなっていることから、
発信交差部Qiのz軸方向の各位置によって波長が異な
る。即ち、第1取り出し電極5に近い発信交差部Qiで
発生した表面波の波長及び周波数は第2発信取り出し電
極7に近い発信交差部Qiで発生した表面波の波長より
長くなり、伝達速度が等しいことから、周波数は小さく
なる。
【0037】また、第1取り出し電極5に近い発信交差
部Qiで発生した表面波が受信交差部Piに到達するま
での距離を距離L1、第2発信取り出し電極7に近い発
信交差部Qiで発生した表面波が受信交差部Piに達す
るまでの距離を距離L2とすると、発信電極指ri、r
i+1及び受信電極指r’i、r’i+1がz軸方向に対して
傾斜しているため、距離L1と距離L2とは一致しな
い。
【0038】従って、発信交差部Qiで発生した周波数
の異なる表面波が伝達する距離が異なり、発信交差部Q
iから受信交差部Piに到達するまでの遅延時間τi
が、発信交差部Qiの表面波が発生する位置によって異
なる。このことから、弾性表面波素子100は、各表面
波の周波数によって遅延時間が異なる分散形遅延線とし
て動作し、広い周波数範囲でフィルタ通過帯域を得るこ
とができる。
【0039】また、第1発信取り出し電極5、第2発信
取り出し電極7、第1受信取り出し電極10及び第2受
信取り出し電極12が表面波の伝達方向に対して角度θ
だけ傾斜しているので、文献「H.Yatsuda,Y.Takeuchi a
nd S.Yoshikawa,"New Designtechniques for SAW filte
rs using slanted-finger IDTs",in proc. IEEE 1990 U
ltrasonics Symp. Proc.,pp.61-66」に記載されている
反射波によるリップル低減の効果を更に高めることがで
きる。
【0040】実施の形態2.図3は、この発明の実施の
形態2に係る弾性表面波素子の構成を示す模式図であ
る。図3に示すように、弾性表面は素子101における
第1発信電極指6は、一対の第1発信電極指部6a及び
6bから構成され、第2発信電極指8は、一対の第2発
信電極指部8a及び8bから構成されて、第1受信電極
指11は、一対の第1受信電極指部11a及び11bか
ら構成され、第2受信電極指13は、一対の第2受信電
極指部13a及び13bから構成されている。これら一
つの電極指部は互いに対向して設けられている。
【0041】一対の第1発信電極指部6a、6b及び第
2発信電極指部8a、8bは、それぞれその幅及び間隔
が第2発信取り出し電極7に近づくに従って小さくなっ
ている。また、第1発信電極指部6a及び6bは互いに
対向する部分の幅tが同一で、この部分でのこの第1発
信電極指部6a及び6bの間の長さsも幅tに等しい。
第2発信電極指部8a及び8bも同様な構成となってお
り、第2発信電極指部8a及び8bは互いに対向する部
分の幅t’が同一で、この部分でのこの第2発信電極指
部8a及び8bの間の長さs’も幅t’に等しくなって
いる。また、隣り合う第1発信電極指6及び第2発信電
極指8の間の長さs”、即ち隣り合う第1発信電極指部
6aの幅tの部分及び第2発信電極指部8bの幅t’の
部分の間の長さs”も、第1発信電極指部6aの幅t及
び第2発信電極指部8bの幅t’に等しい。即ち、隣り
合う幅t、t’及び長さs、s’、s”はすべて等しく
なっている。なお、一対の第1受信電極指部11a及び
11b、一対の第2受信電極指部13a及び13bも同
様に構成されている。他の構成は実施の形態1と同様で
ある。
【0042】このように構成すれば、実施の形態1と同
様の効果を奏するとともに反射波の位相が発信電極3a
から受信電極3bに向かう表面波の位相の比べて半波長
ずれるので、反射波による悪影響を低減できる。
【0043】実施の形態3.図4は、この発明の実施の
形態3に係る弾性表面波素子の構成を示す模式図であ
る。図4において、それぞれの第1発信電極指6及び第
2発信電極指8の幅及び隣り合う第1発信電極指6及び
第2発信電極指8の間隔を異なるものとし、同様にそれ
ぞれの第1受信電極指11及び第2受信電極指13の幅
及び隣り合う第1受信電極指11及び第2受信電極指1
3の間隔を異なるものとした弾性表面波素子102とし
ている。発信電極3a及び受信電極3bの互いに対向す
る側から各電極指の幅及び隣り合う電極指の間隔は徐々
に大きくなっている。即ち、第1発信電極指6及び第2
発信電極指8は受信電極3b側でその幅及び隣り合う電
極指の間隔が最も小さく、離れるにつれてその幅及び間
隔が徐々に大きくなっており、同様に第1受信電極指1
1及び第2受信電極指13は発信電極3a側でその幅及
び隣り合う電極指の間隔が最も小さく、離れるにつれて
その幅及び間隔が徐々に大きくなっている。他の構成は
実施の形態1と同様になっている。
【0044】このような構成としたことにより、実施の
形態1と同様の効果を奏するとともに、発信交差部Qi
で発生した表面波の波長の2分の1の長さは他の交差部
の隣り合う電極指の中心軸間の長さに一致せず、発信交
差部Qiに対応する受信交差部Piの隣り合う電極指の
中心軸間の長さにのみ一致する。このことから、発信交
差部Qiで発生した表面波によりその対応する受信交差
部Piの電極指が強く励振され、電気信号に変換されて
取り出される。従って、すだれ状電極体3が左右対称と
なっているので、各発信交差部Qiで発生した波長及び
周波数の異なる表面波をそれらに対応する各受信交差部
Piにおいて選択的に受信することができ、弾性表面波
素子102はより広い周波数範囲のフィルタ通過帯域を
得ることができる。
【0045】また、図5は、図4における発信電極3a
での各電極指のx軸方向の配列間隔変化を概念的に説明
する概念図である。図4において、x軸に対して角度θ
だけ傾斜させた方向、即ち第1発信取り出し電極5及び
第2発信取り出し電極7の軸線方向(以下、x−θ方向
と呼ぶ)に沿ってみてみると、各電極指の配列間隔は受
信電極3b側に近づくに従って小さくなっている。ま
た、x−θ方向に垂直な方向(以下、z−θ方向と呼
ぶ)に沿ってみてみると、各電極指の配列間隔は第2発
信取り出し電極7に近づくに従って小さくなっている。
ここで、図5において、各電極指配列の変化が小さくな
る向きにベクトルが向かっており、なめらかに変化して
いるほどベクトルの大きさが大きくなっている。各電極
指の幅は、製造上の制約から、最小幅の整数倍のもので
あるので、x−θ方向のベクトルが小さくなる。x−θ
方向のベクトル及びz−θ方向のベクトルを合成したx
方向のベクトルは、よりなめらかに各電極指の配列間隔
が変化することを示している。
【0046】実施の形態4.図6は、この発明の実施の
形態4に係る弾性表面波素子の構成を示す模式図であ
る。図6において、弾性表面は素子103における第1
発信電極指6は、一対の第1発信電極指部6a及び6b
から構成され、第2発信電極指8は、一対の第2発信電
極指部8a及び8bから構成されて、第1受信電極指1
1は、一対の第1受信電極指部11a及び11bから構
成され、第2受信電極指13は、一対の第2受信電極指
部13a及び13bから構成されている。これら一つの
電極指部は互いに対向して設けられている。他の構成は
実施の形態3と同様である。
【0047】このような構成としたことにより、弾性表
面波素子103は、実施の形態3と同様の効果を奏する
とともに、反射波と発信電極3aから受信電極3bに向
かう表面波とが打ち消し合って反射波による悪影響を低
減することができる。
【0048】実施の形態5.図7は、この発明の実施の
形態5に係る弾性表面波素子の構成を示す模式図であ
る。図7において、弾性表面波素子104における第1
発信取り出し電極5及び第2発信取り出し電極7は弧状
に形成されている。同様に第1受信取り出し電極10及
び第2受信取り出し電極12も弧状に形成されている。
他の構成は実施の形態1と同様である。
【0049】このような構成としたことにより、弾性表
面波素子104は、実施の形態1と同様の効果を奏す
る。また、例えば、発信交差部Qiで発生した表面波が
受信交差部Piに到達するまでに、第2発信取り出し電
極7及び第2受信取り出し電極12を横切る。あるい
は、第1発信取り出し電極5及び第2発信取り出し電極
7、第1受信取り出し電極10及び第2受信取り出し電
極12が逆向きに傾斜しているときは第1発信取り出し
電極5及び第1受信取り出し電極10を横切る。例えば
図8に示すように、長辺部が直線である従来の第2発信
取り出し電極7の場合では、表面波は第2発信取り出し
電極7に傾斜して入射することになる。表面波は、異な
る部材の境界で屈折するという性質から第2発信取り出
し電極7に入射するとき、あるいは第2発信取り出し電
極7から出射するときに屈折し、第2受信取り出し電極
12でも同様な現象が起こる。屈折した表面波は、発信
交差部Qiに対応する受信交差部Piに到達することが
できず、弾性表面波素子の性能を低下させる。しかし、
図9に示すように、例えば第2発信取り出し電極7の長
辺部を曲線にすると、ミクロ的には直線が階段状に形成
されていることになり、表面波が第2発信取り出し電極
7に入射、あるいは第2発信取り出し電極7から出射す
る角度を垂直に近づけることができる。第2受信取り出
し電極12でも、あるいは第1発信取り出し電極5及び
第1受信取り出し電極10においても同様な現象が起こ
る。従って、第2発信取り出し電極7及び第2受信取り
出し電極12、あるいは第1発信取り出し電極5及び第
1受信取り出し電極10に入射、あるいはこれらから出
射するときにも、発信交差部Qiで発生した表面波は屈
折せず受信交差部Piに到達することができる。
【0050】実施の形態6.図10は、この発明の実施
の形態6に係る弾性表面波素子の構成を示す模式図であ
る。図10において、弾性表面は素子105における第
1発信電極指6は、一対の第1発信電極指部6a及び6
bから構成され、第2発信電極指8は、一対の第2発信
電極指部8a及び8bから構成されて、第1受信電極指
11は、一対の第1受信電極指部11a及び11bから
構成され、第2受信電極指13は、一対の第2受信電極
指部13a及び13bから構成されている。これら一つ
の電極指部は互いに対向して設けられている。他の構成
は実施の形態3と同様である。
【0051】このように構成すれば、実施の形態5と同
様の効果を奏するとともに反射波の位相が発信電極3a
から受信電極3bに向かう表面波の位相の比べて半波長
ずれるので、反射波による悪影響を低減できる。
【0052】実施の形態7.図11は、この発明の実施
の形態7に係る弾性表面波素子の構成を示す模式図であ
る。図11において、それぞれの第1発信電極指6及び
第2発信電極指8の幅及び隣り合う第1発信電極指6及
び第2発信電極指8の間隔を異なるものとし、同様にそ
れぞれの第1受信電極指11及び第2受信電極指13の
幅及び隣り合う第1受信電極指11及び第2受信電極指
13の間隔を異なるものとした弾性表面波素子106と
している。発信電極3a及び受信電極3bの互いに対向
する側から各電極指の幅及び隣り合う電極指の間隔は徐
々に大きくなっている。即ち、第1発信電極指6及び第
2発信電極指8は受信電極3b側でその幅及び隣り合う
電極指の間隔が最も小さく、離れるにつれてその幅及び
間隔が徐々に大きくなっており、同様に第1受信電極指
11及び第2受信電極指13は発信電極3a側でその幅
及び隣り合う電極指の間隔が最も小さく、離れるにつれ
てその幅及び間隔が徐々に大きくなっている。他の構成
は実施の形態5と同様になっている。
【0053】このような構成としたことにより、実施の
形態5と同様の効果を奏するとともに、実施の形態3と
同様の効果も奏する。
【0054】実施の形態8.図12は、この発明の実施
の形態8に係る弾性表面波素子の構成を示す模式図であ
る。図12において、弾性表面は素子107における第
1発信電極指6は、一対の第1発信電極指部6a及び6
bから構成されている。第2発信電極指8は、一対の第
2発信電極指部8a及び8bから構成されている。ま
た、第1受信電極指11は、一対の第1受信電極指部1
1a及び11bから構成されている。第2受信電極指1
3は、一対の第2受信電極指部13a及び13bから構
成されている。これら一つの電極指部は互いに対向して
設けられている。他の構成は実施の形態7と同様であ
る。
【0055】このような構成としたことにより、実施の
形態7と同様の効果を奏するとともに、実施の形態6と
同様の効果も奏する。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、この発明
によれば、この発明に係る弾性表面波素子は、圧電部材
と、前記圧電部材に貼り付けられ、前記圧電部材に電気
信号を与えて歪みを発生させることにより前記圧電部材
の表面に表面波を発信させる発信電極及び前記表面波の
歪みによって前記圧電部材に発生した電圧を検出する受
信電極を有するすだれ状電極体とを備えた弾性表面波素
子であって、前記発信電極は、前記入力電圧が印加され
る帯状の第1発信取り出し電極と、前記第1発信取り出
し電極の長辺部から延出した複数の第1発信電極指と、
前記第1発信取り出し電極に対向して設けられた帯状の
第2発信取り出し電極と、前記第2発信取り出し電極の
長辺部から各前記第1発信電極指の間に1つずつ配置さ
れるように延出された第2発信電極指とを有し、前記受
信電極は、前記出力電圧を取り出す帯状の第1受信取り
出し電極と、前記第1受信取り出し電極の長辺部から延
出した複数の第1受信電極指と、前記第1受信取り出し
電極に対向して設けられた帯状の第2受信取り出し電極
と、前記第2受信取り出し電極の長辺部から各前記第1
受信電極指の間に1つずつ配置されるように延出された
第2受信電極指とを有し、前記発信電極及び前記受信電
極は、互いに左右対称に設けられており、前記発信電極
は、各前記第1発信電極指の幅及び隣接した前記第1発
信電極指の間隔と各前記第2発信電極指の幅及び隣接し
た前記第2発信電極指の間隔とが第2発信取り出し電極
に近づくに従ってそれぞれ小さく、前記受信電極は、各
前記第1受信電極指の幅及び隣接した前記第1受信電極
指の間隔と各前記第2受信電極指の幅及び隣接した前記
第2受信電極指の間隔とが第2受信取り出し電極に近づ
くに従ってそれぞれ小さくなっており、前記発信電極及
び前記受信電極は、前記表面波が伝達する方向に対して
傾斜しているので、前記表面波が前記第1発信電極指、
前記第2発信電極指、前記第1受信電極指及び前記第2
受信電極指で反射する数が減少し、この反射波によって
生じるリップル等の悪影響を低減し、かつ、前記第1発
信電極指及び前記第2発信電極指の部分によって発生す
る前記表面波の波長が異なり、広い周波数範囲の前記表
面波を発信及び受信できる。
【0057】また、前記発信電極は、前記第1発信電極
指及び前記第2発信電極指がそれぞれ一対の第1発信電
極指部及び一対の第2発信電極指部からなり、前記受信
電極は、前記第1受信電極指及び前記第2受信電極指が
それぞれ一対の第1受信電極指部及び一対の第2受信電
極指部からなるので、前記表面波が前記第1受信電極指
部及び前記第2受信電極指部で反射することにより生じ
る反射波の位相を前記表面波の位相に対して半波長ずら
し、前記反射波及び前記表面波が打ち消し合って前記反
射波によるリップル等の悪影響を低減できる。
【0058】また、前記発信電極は、前記第1発信電極
指及び前記第2発信電極指が前記受信電極側に近づくに
従って前記第1発信電極指の幅及び間隔と前記第2発信
電極指の幅及び間隔とがそれぞれ小さくなっており、前
記受信電極は、前記第1受信電極指及び前記第2受信電
極指が前記発信電極側に近づくに従って前記第1受信電
極指の幅及び間隔と前記第2受信電極指の幅及び間隔と
がそれぞれ小さくなっているので、それぞれの前記第1
発信電極指及び前記第2発信電極指によって発生する前
記表面波の波長が異なり、それぞれの前記第1受信電極
指及び前記第2受信電極指が異なる波長の前記表面波を
受信することができ、広い周波数範囲の前記表面波を発
信及び受信することができる。
【0059】また、前記発信電極は、前記第1発信取り
出し電極及び前記第2発信取り出し電極が弧状になって
おり、前記受信電極は、前記第1受信取り出し電極及び
前記第2受信取り出し電極が弧状になっているので、前
記表面波が前記第1発信取り出し電極、前記第2発信取
り出し電極、前記第1受信取り出し電極及び前記第2受
信取り出し電極に傾斜して入射、あるいはこれら取り出
し電極から傾斜して出射しても屈折をが起こりにくく、
前記表面波は所定の前記第1受信電極指及び前記第2受
信電極指に到達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る弾性表面波素
子の構成を示す模式図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る弾性表面波素
子の動作を説明する模式図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る弾性表面波素
子の構成を示す模式図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係る弾性表面波素
子の構成を示す模式図である。
【図5】 図4における発信電極での各電極指のx軸方
向の配列間隔変化を概念的に説明する概念図である。
【図6】 この発明の実施の形態4に係る弾性表面波素
子の構成を示す模式図である。
【図7】 この発明の実施の形態5に係る弾性表面波素
子の構成を示す模式図である。
【図8】 第2発信取り出し電極の長辺部が直線である
ときに、第2発信取り出し電極及び圧電部材の境界で表
面波が伝達する方向を示す概念図である。
【図9】 第2発信取り出し電極の長辺部が曲線である
ときに、第2発信取り出し電極及び圧電部材の境界で表
面波が伝達する方向を示す概念図である。
【図10】 この発明の実施の形態6に係る弾性表面波
素子の構成を示す模式図である。
【図11】 この発明の実施の形態7に係る弾性表面波
素子の構成を示す模式図である。
【図12】 この発明の実施の形態8に係る弾性表面波
素子の構成を示す模式図である。
【図13】 従来の弾性表面波素子の構成を示す模式図
である。
【図14】 従来の弾性表面波素子の動作を説明するた
めの発信電極の構成を示す模式図である。
【図15】 第2の従来の弾性表面波素子の発信電極の
構成を示す模式図である。
【図16】 第3の従来の弾性表面波素子の構成を示す
模式図である。
【図17】 距離Xiと受信交差部Piの中心周波数f
iとの関係を示すグラフである。
【図18】 第4の従来の弾性表面波素子の構成を示す
模式図である。
【符号の説明】
100,101,102,103,104,105,1
06,107 弾性表面波素子、2 圧電部材、3 す
だれ状電極体3a 発信電極、3b 受信電極、5 第
1発信取り出し電極、6 第1発信電極指、6a,6b
第1発信電極指部、7 第2発信取り出し電極、8
第2発信電極指、8a,8b 第2発信電極指部、10
第1受信取り出し電極、11 第1受信電極指、11
a,11b 第1受信電極指部、12 第2受信取り出
し電極、13 第2受信電極指、13a,13b 第2
受信電極指部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永塚 勉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA15 AA19 BB11 DD04 DD05 DD07 DD23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電部材と、前記圧電部材に貼り付けら
    れ、前記圧電部材に入力電圧で歪みを発生させることに
    より前記圧電部材の表面に表面波を発信させる発信電極
    及び前記発信電極から伝達された表面波で生じた歪みに
    よって前記圧電部材に発生した出力電圧を検出する受信
    電極を有するすだれ状電極体とを備えた弾性表面波素子
    であって、 前記発信電極は、前記入力電圧が印加される帯状の第1
    発信取り出し電極と、前記第1発信取り出し電極の長辺
    部から延出した複数の第1発信電極指と、前記第1発信
    取り出し電極に対向して設けられた帯状の第2発信取り
    出し電極と、前記第2発信取り出し電極の長辺部から各
    前記第1発信電極指の間に1つずつ配置されるように延
    出された第2発信電極指とを有し、 前記受信電極は、前記出力電圧を取り出す帯状の第1受
    信取り出し電極と、前記第1受信取り出し電極の長辺部
    から延出した複数の第1受信電極指と、前記第1受信取
    り出し電極に対向して設けられた帯状の第2受信取り出
    し電極と、前記第2受信取り出し電極の長辺部から各前
    記第1受信電極指の間に1つずつ配置されるように延出
    された第2受信電極指とを有し、 前記発信電極及び前記受信電極は、互いに左右対称に設
    けられており、 前記発信電極は、各前記第1発信電極指の幅及び隣接し
    た前記第1発信電極指の間隔と各前記第2発信電極指の
    幅及び隣接した前記第2発信電極指の間隔とが第2発信
    取り出し電極に近づくに従ってそれぞれ小さく、 前記受信電極は、各前記第1受信電極指の幅及び隣接し
    た前記第1受信電極指の間隔と各前記第2受信電極指の
    幅及び隣接した前記第2受信電極指の間隔とが第2受信
    取り出し電極に近づくに従ってそれぞれ小さくなってお
    り、 前記発信電極及び前記受信電極は、前記表面波が伝達す
    る方向に対して傾斜していることを特徴とする弾性表面
    波素子。
  2. 【請求項2】 前記発信電極は、前記第1発信電極指及
    び前記第2発信電極指がそれぞれ一対の第1発信電極指
    部及び一対の第2発信電極指部からなり、 前記受信電極は、前記第1受信電極指及び前記第2受信
    電極指がそれぞれ一対の第1受信電極指部及び一対の第
    2受信電極指部からなることを特徴とする請求項1に記
    載の弾性表面波素子。
  3. 【請求項3】 前記発信電極は、前記第1発信電極指及
    び前記第2発信電極指が前記受信電極側に近づくに従っ
    て前記第1発信電極指の幅及び間隔と前記第2発信電極
    指の幅及び間隔とがそれぞれ小さくなっており、 前記受信電極は、前記第1受信電極指及び前記第2受信
    電極指が前記発信電極側に近づくに従って前記第1受信
    電極指の幅及び間隔と前記第2受信電極指の幅及び間隔
    とがそれぞれ小さくなっていることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 前記発信電極は、前記第1発信取り出し
    電極及び前記第2発信取り出し電極が弧状になってお
    り、 前記受信電極は、前記第1受信取り出し電極及び前記第
    2受信取り出し電極が弧状になっていることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3の何れかに記載の弾性表面波素
    子。
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