JP3315646B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JP3315646B2 JP17336498A JP17336498A JP3315646B2 JP 3315646 B2 JP3315646 B2 JP 3315646B2 JP 17336498 A JP17336498 A JP 17336498A JP 17336498 A JP17336498 A JP 17336498A JP 3315646 B2 JP3315646 B2 JP 3315646B2
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    • H03H9/46Filters
    • H03H9/64Filters using surface acoustic waves
    • H03H9/6423Means for obtaining a particular transfer characteristic

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性表面波フィ
ルタに関し、特に、入力電極と出力電極とが弾性表面波
の励振方向に対して垂直な方向に配置された弾性表面波
フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、携帯電話等の通信機器の小型化に
伴い、それに使用する電子部品の小型化が強く要求され
ている。特に、分波器等で用いられる弾性表面波フィル
タは、急峻な周波数特性及び機器の小型化の点で有利で
あるため、携帯電話等に盛んに利用されている。弾性表
面波フィルタは、電気信号を入力して弾性表面波を励振
する入力電極と、励振された弾性表面波を受けて電気信
号を取り出す出力電極とから構成され、入力電極及び出
力電極とも細長い電極指が櫛形に組合せられた櫛形電極
が用いられる。
【0003】また、IFフィルタ等の急峻な特性が要求
されるものには、入力電極及び出力電極とも、アポタイ
ズ、間引き等の重み付けを用いた櫛形電極が用いられて
いた。電極対数などの電極の重み付け量は、通過帯域幅
などのフィルタ特性によって決まる。要求されるフィル
タ特性が急峻であればあるほど、重み付け量、すなわち
電極対数が多くなり、櫛形電極のサイズが大きくなり、
弾性表面波の励振方向のフィルタサイズ自体も大きくな
っていた。
【0004】従来の弾性表面波フィルタの構成図を図1
8,図19に示す。図18は、アポタイズ電極31と正
規電極32とを組み合わせた弾性表面波フィルタであ
る。図19は、アポタイズ電極31と間引き電極33と
を組み合わせた弾性表面波フィルタである。
【0005】アポタイズ電極31が入力電極であるとす
ると、その電極指間で弾性表面波が紙面の左右方向に励
振され、アポタイズ電極31の左方向と右方向に進行す
る。図18及び図19においては、アポタイズ電極31
の右方向に進行した弾性表面波は、出力電極である正規
電極32又は間引き電極33に入射する。
【0006】図18及び図19に示した従来の構成で
は、フィルタの規格に依存するが、IFフィルタとして
要求される特性を満たすために、アポタイズ電極31の
電極対数は1000対程度、間引き電極33又は正規電
極32は400対程度必要である。
【0007】また、特開平9−153765号公報に
は、入力電極と出力電極とを弾性表面波の励振方向に対
して垂直な方向に2段に分け、さらにマルチストリップ
カプラを曲成して配置する構成が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のよう
に、1000対もの電極指を持つアポタイズ電極を用い
る場合には、弾性表面波の励振方向のフィルタサイズが
かなり大きくなり、さらなる小型化の要望には答えられ
ない。
【0009】また、特開平9−153765号公報で
は、入出力電極に用いるアポタイズ電極は、やはり10
00対程度の電極指が必要であるためさらなるサイズの
小型化は難しく、マルチストリップカプラを立体的に交
差させる構造を備えているため製造プロセスが複雑であ
った。また、弾性表面波フィルタのサイズを小さくする
ためには、電極対数(すなわち電極の重み付け量)を減
らす必要がある。しかし、単純に重み付け量を減らす
と、IFフィルタなどの所望の周波数特性が得られなく
なる。
【0010】この発明は、以上のような事情を考慮して
なされたものであり、入力電極及び出力電極の電極の重
み付け量を減らしても、弾性表面波フィルタの所望の周
波数特性が得られる小型の弾性表面波フィルタを提供す
ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、圧電基板
と、圧電基板上に形成された少なくとも1つの入力電極
と、少なくとも1つの出力電極と、第1及び第2の方向
転換電極とから構成され、入力電極及び出力電極のうち
少なくともいずれか1つが重み付けされた櫛形電極であ
り、入力電極と出力電極とが、入力電極によって励振さ
れた弾性表面波の進行方向と垂直な方向の位置関係とな
るように配置され、第1の方向転換電極が、前記入力電
極及び出力電極の左側近傍に配置されかつ前記入力電極
から左方向へ進行する弾性表面波を前記出力電極へ向か
う方向に転換する電極であり、第2の方向転換電極が、
前記入力電極及び出力電極の右側近傍に配置されかつ前
記入力電極から右方向へ進行する弾性表面波を前記出力
電極へ向かう方向に転換する電極であり、前記重み付け
された櫛形電極が、所望の弾性表面波フィルタとしての
周波数特性を実現するのに必要な重み付け手段を持つ電
極のうち、その必要な重み付け手段の重み付け量の最も
大きな部分である中央部を含み、重み付け手段のA%
(50≦A<100)以上の電極から構成され、前記重
み付けされた櫛形電極に含まれなかった重み付け手段の
電極によって発生されるべき弾性表面波を含むように弾
性表面波を時間遅延させ、かつ前記所望の周波数特性を
持つ弾性表面波が前記出力電極で得られるように、前記
入力電極及び出力電極と、前記第1及び第2の方向転換
電極との間隔を設定したことを特徴とする弾性表面波フ
ィルタを提供するものである。
【0012】ここで、前記第1及び第2の方向転換電極
は、櫛形電極によって構成することができる。この場合
には、入力電極から左右方向に出た弾性表面波のうち一
部の波が方向転換される。特に、前記第1及び第2の方
向転換電極が、前記入力電極によって励振された弾性表
面波の進行方向と垂直な方向に2段組みされかつ接続さ
れた2つの櫛形電極からなるようにしてもよい。
【0013】また、前記第1及び第2の方向転換電極
は、前記入力電極によって励振された弾性表面波の進行
方向と垂直な方向に2段組みされた第1及び第2の反射
器からなり、第1の反射器が、前記入力電極から出射さ
れた弾性表面波の進行方向を第2の反射器の方へ転換
し、第2の反射器が、第1の反射器から受けた弾性表面
波の進行方向を前記出力電極の方へ転換するように構成
してもよい。
【0014】このような構成を持つこの発明の弾性表面
波フィルタは、所望のフィルタの周波数特性を備えたま
ま、あるいは周波数特性の通過帯域外の抑圧度を低減さ
せて、なおかつ、弾性表面波フィルタのサイズを小さく
することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の弾性表面波フ
ィルタの構成図を示す。図1において、入力電極1はア
ポタイズ電極,出力電極2は間引き電極とする。また、
入力電極1及び出力電極2は、入力電極1によって励振
された弾性表面波の進行方向(紙面の左右方向)に対し
て垂直な方向(紙面の上下方向)の位置関係となるよう
に配置する。入力電極1であるアポタイズ電極の電極パ
ターンは、図18に示した従来用いられているアポタイ
ズ電極31の電極パターンの左半分とする。アポタイズ
電極及び間引き電極は、いわゆる重み付けされた櫛形電
極の一種である。
【0016】また、入力電極及び出力電極から紙面の左
右方向に所定距離だけ離れた位置に、弾性表面波の進行
方向を転換する「方向転換電極」3,4を設ける。この
方向転換電極3,4は、上段の入力電極1から励振され
左方向又は右方向に進行した弾性表面波を受けて、下段
の出力電極2の左方向又は右方向から出力電極2へ入射
するように方向を180°変換するものである。図1の
中で、入力電極1から左右方向へ向かう矢印と、左右方
向から出力電極2へ向かう矢印は、弾性表面波の進行方
向を示している。ただし、図1のように「方向転換電
極」3,4を正規型の櫛型電極で形成した場合、入力電
極で励振され左右方向に進行した弾性表面波のうち、一
部分は、そのまま左右方向に通りぬけて圧電基板の端部
に到達し、出力電極2に受信されない波もある。すなわ
ち、励振された弾性表面波のうち「方向転換電極」で1
80°方向を変えられた残りの弾性表面波が、出力電極
2に受信される。
【0017】図1に示すように、「方向転換電極」3,
4は、2つの正規型の櫛形電極を紙面の上下方向に並べ
て金属膜で接続した構造を持つが、金属膜以外の手段、
たとえば金属ワイヤ等で接続してもよい。すなわち、方
向転換電極3は上部の櫛形電極3aと下部の櫛形電極3
bとから構成され、方向転換電極4は上部の櫛形電極4
aと下部の櫛形電極4bとから構成される。
【0018】また、櫛形電極3a,4aの電極指の部分
は、入力電極1の電極指の部分と水平方向にほぼ一致す
るように配置される。櫛形電極3b,4bの電極指の部
分は、出力電極2の電極指の部分と水平方向にほぼ一致
するように配置される。ここで、方向転換電極3,4の
水平方向の幅をY4,櫛形電極4aと入力電極1との距
離をX1,櫛形電極4bと出力電極2との距離をX1,
櫛形電極3aと入力電極1との距離をX3,櫛形電極3
bと入力電極2との距離をX4とする。
【0019】これらの距離は、アポタイズ電極1の電極
パターンや各電極の電極指の周期,圧電基板の材料によ
って異なり、さらに、出力電極2の左方向から入射され
る弾性表面波と右方向から入射される弾性表面波との位
相がそろうように決定される。これは、入力電極1から
左方向に進行した弾性表面波が出力電極2に到達する時
間と、入力電極1から右方向に進行した弾性表面波が出
力電極2に到達する時間とが異なるので、たとえば、X
1=X3=X4とすると、互いに打ち消し合うか又は必
要な波の成分が得られず、所望の周波数特性は得られな
いからである。
【0020】なお、図1では、アポタイズ電極1の電極
パターンを図18のアポタイズ電極31の電極パターン
の左半分としたが、図18の電極パターンの右半分を利
用してもよい。また、アポタイズ電極1は、図18の電
極パターンのちょうど半分にする必要はない。図18に
示したアポタイズ電極31の電極パターンが、所望の弾
性表面波フィルタとしての周波数特性を実現するのにち
ょうど必要な重み付け手段(すなわち長さの異なる電極
指)を持っている構成であるとすると、図18のアポタ
イズ電極31の電極パターンの弾性表面波の励振強度の
最も大きな中央部分を含み、図18の電極パターンの幅
のA%(50≦A<100)の幅を持つ電極パターンを
利用してもよい。すなわち、言いかえれば、アポタイズ
電極1は、図18の電極ハターンの中央部分を含み、図
18のアポタイズ電極31の電極パターンの幅の50%
からなる電極パターンを少なくとも備えればよく、この
ときに、アポタイズ電極1の弾性表面波の励振方向の幅
を最小とできる。
【0021】一般に、アポタイズ電極1を図18のアポ
タイズ電極31のA%(50≦A<100)の幅しか持
たない電極パターンとした場合、このアポタイズ電極1
に含まれなかった電極部分によって発生されるべき弾性
表面波が含まれるように、出力電極2の左方向及び右方
向から出力電極2へ向かう弾性表面波を時間遅延させれ
ば、所望の弾性表面波フィルタの周波数特性を得ること
ができる。この時間遅延させる量は、前記した電極間の
距離(間隔)であるX1,X3,X4によって設定でき
る。出力電極2において、左方向及び右方向からくる2
つの弾性表面波の合成波によって、図18のアポタイズ
電極31によって発生される弾性表面波と同じ強度分布
の波が得られるように電極パターンが構成される。
【0022】このような構成とすれば、図18に示した
従来の弾性表面波フィルタに比べて、フィルタの周波数
特性はそのままで、弾性表面波フィルタ自体の電極部分
の弾性表面波の励振方向の幅を縮小することができる。
その原理の概要を以下に示す。
【0023】まず、図20に従来の弾性表面波フィルタ
の構成図を示す。ここで、図1と同様に、入力電極をア
ポタイズ電極31とし、出力電極を間引き電極33と
し、両電極は、弾性表面波が励振される方向(紙面の左
右方向)に所定距離X1だけ離れて平行に配置されるも
のとする。この従来の弾性表面波フィルタでは、アポタ
イズ電極(入力電極)31で励振され、アポタイズ電極
31の左方向に進行した弾性表面波はそのまま圧電基板
30の左端に到達して消えるが、右方向に進行した弾性
表面波は、そのまま直進して間引き電極(出力電極)3
3で検出される。図20の弾性表面波フィルタをIFフ
ィルタとして使用する場合、弾性表面波フィルタの電極
部分の左右方向の幅(Y1+X1+Y2)は約60mm
以上となる。
【0024】図21は、入力電極であるアポタイズ電極
31を上段に、出力電極である間引き電極33を下段に
配置した弾性表面波フィルタの構成図を示している。こ
のように配置すれば、弾性表面波フィルタの左右方向の
幅は、長い方のアポタイズ電極の幅Y1で確定されるの
で、図20の弾性表面波フィルタよりも小さくできる。
しかし、アポタイズ電極31から励振され左方向及び右
方向に進行した弾性表面波は、そのまま圧電基板30の
左端及び右端に到達するだけで、間引き電極33には受
信されないので、この構成のままでは弾性表面波フィル
タとして機能しない。
【0025】そこで、図22に示すような弾性表面波フ
ィルタの構成が考えられる。図22は、図21の構成に
対して、圧電基板30の右端と左端に方向転換電極3
4,35を設けたものである。方向転換電極34,35
は、上下2段構成の櫛形電極から構成される。
【0026】アポタイズ電極31から励振された弾性表
面波は、方向転換電極34,35の上段の櫛形電極に入
射されると、電気的に結合された下段の櫛形電極から弾
性表面波が出力される。この出力された弾性表面波のう
ち間引き電極33の方向へ出た弾性表面波が、間引き電
極33で受信される。
【0027】図22において、アポタイズ電極31及び
間引き電極33は左右対称の電極パターンを持ってい
る。したがって、アポタイズ電極31と2つの方向転換
電極34,35との距離を同じX1とし、間引き電極3
3と2つの方向転換電極34,35との距離を同じX2
とすれば、出力電極である間引き電極33に左右方向か
ら入射される2つの弾性表面波は同位相かつ同波形であ
る。
【0028】図22の場合、アポタイズ電極31は、図
20の従来のものと同じものを用いているので、弾性表
面波フィルタの左右方向の幅は方向転換電極34,35
を設けた分だけ図20に比べて大きくなる。したがっ
て、図22の構成では、所望のフィルタ特性を満たして
も、小型化の要望には反する。
【0029】ところで、アポタイズ電極31で励振され
た弾性表面波は時間とともに振幅(信号強度)が変化す
る波である。図23に、図22の構造によって励振され
た弾性表面波の信号強度の変化のようすを示す。
【0030】ここで、図23(a)は、入力電極である
アポタイズ電極31によって励振され、入力電極から出
た直後の弾性表面波の強度分布を示している。弾性表面
波は、時間ゼロのときに、入力電極から出射される。図
23(b)は、出力電極である間引き電極33の右側か
ら、間引き電極33へ入射した弾性表面波の強度分布で
ある。ここで、弾性表面波は、時間T1だけ遅れて間引
き電極33に入射されることを示している。図23
(c)は、出力電極である間引き電極33の左側から、
間引き電極33へ入射した弾性表面波の強度分布であ
る。ここでも、弾性表面波は、時間T1だけ遅れて間引
き電極33に入射される。アポタイズ電極31は、左右
対称であるため、図23(b)と図23(c)の強度分
布は同じである。
【0031】図23(d)は、出力電極である間引き電
極33では、上記右側から入射した波と左側から入射し
た波とを同時刻においてそれぞれ合成したものが受信さ
れた弾性表面波の信号強度となる。すなわち、図23
(d)が、出力電極から取り出される弾性表面波の強度
分布である。図23(b)等において、T1は、入力電
極31で励振された最初の波が、出力電極33に到達す
る時間を示している。
【0032】このように、図22に示した構成の弾性表
面波フィルタでは、左側の方向転換電極35で方向転換
された弾性表面波と、右側の方向転換電極34で方向転
換された弾性表面波とが出力電極33で合成されて図2
3(d)のような強度分布を持つ弾性表面波が取り出さ
れるが、出力電極33に左方向から入射される弾性表面
波と、右方向から入射される弾性表面波の合成後の信号
強度が図23(d)のようになれば所望のフィルタ特性
が得られる。
【0033】したがって、出力電極33で取り出される
信号強度が図23(d)のようなものとなればよいので
あって、必ずしも、出力電極に入射する前の左方向及び
右方向からくる2つの弾性表面波は、図23(c),図
23(b)に示すような信号強度を持つ必要はない。
【0034】たとえば、図1に示したこの発明の弾性表
面波フィルタの構成によれば、図23(d)に示すよう
な信号強度を持つ弾性表面波が出力電極で受信できる。
図1のアポタイズ電極1は、図22のアポタイズ電極の
左半分で構成されるので、このアポタイズ電極1で励振
される弾性表面波の強度分布は図2(a)のようにな
る。すなわち、図1のアポタイズ電極1は、図22のア
ポタイズ電極の重み付けの半分しかないため、励振され
る弾性表面波は半分の強度分布の波となる。
【0035】図2(a)〜図2(d)は、この発明の図
1の構成を持つ弾性表面波フィルタの信号強度分布を示
したものである。図2(a)のような強度分布を持つ励
振された弾性表面波が、入力電極1の右側から出射され
た場合には、図2(b)に示すような強度分布の信号と
して、出力電極2の右側から入射される。すなわち時間
T1だけ遅れて出力電極2に入射される。
【0036】一方、入力電極1の左側から出射された弾
性表面波は、図2(c)に示すような強度分布を持つ信
号として、出力電極2の左側から入射される。すなわ
ち、時間T2だけ遅れて出力電極2に入射される。ここ
で、出力電極2の右側から入射される弾性表面波(図2
(b))と、左側から入射される弾性表面波(図2
(c))との出力電極2へ到達する時刻に適当な時間差
を設ければ、2つの弾性表面波を合成した強度分布は、
図2(d)、すなわち図23(d)と同様のものにで
き、所望のフィルタの周波数特性を持つ弾性表面波が出
力電極2で得られる。
【0037】図2(b)において、出力電極2の右側か
ら入射される弾性表面波は、時刻T1からT2の間に、
出力電極2に到達するように、電極間の距離X3,X4
を設定する。また、図2(c)において、出力電極2の
左側から入射される弾性表面波は、時刻T2以降に出力
電極に到達するように、電極間の距離X1を設定する。
ここで、T1は、入力電極1で励振された最初の波が出
力電極2の右側から出力電極2に到達する時間である。
また、T2は、入力電極1で励振された最初の波が出力
電極2の左側から出力電極2に到達する時間である。こ
のように、左方向及び右方向から出力電極2に入射する
弾性表面波の到達時間に時間差を設ければ、出力電極2
における2つの弾性表面波を合成した信号の強度分布
は、図2(d)に示すものと同じものとなる。
【0038】すなわち、アポタイズ電極1の幅は、従来
のアポタイズ電極31の半分しかないが、電極間の距離
X1,X3,X4を調整することによって、従来と同様
の所望のフィルタ特性を持ち、かつ小型の弾性表面波フ
ィルタを実現できる。
【0039】図1に示したこの発明の弾性表面波フィル
タの構成では、方向転換電極として櫛形電極を持つもの
を示したが、これに限るものではない。すなわち、方向
転換電極としては、上段の入力電極から左右方向に出射
された弾性表面波を下段の出力電極へ向かう方向へ伝搬
させるような構成を持てばよい。図3,図4に、この発
明の弾性表面波フィルタの他の実施例の構成図を示す。
図3は、図1の方向転換電極3,4の代わりに、弾性表
面波の進行方向を90°回転するための斜め方向に整列
した電極指を持つ反射器(5a,5b,5c,5d)を
備えたものである。
【0040】この反射器の電極指の傾きは、圧電基板の
種類と伝搬する弾性表面波の速度によって決定される。
図5に、反射器の電極指6の傾きθrと、弾性表面波の
速度(Vx,Vy)との関係の説明図を示す。入力電極
によって励振され紙面の左右方向に進行した弾性表面波
の速度をVx,反射器によって90°回転させられ、紙
面の上下方向に進行した弾性表面波の速度をVyとする
と、次式によってθrは求められる。 θr=90°−θi=90°−tan-1(Vx/Vy)
【0041】図3に示す構成においても、図1と同様に
入力電極であるアポタイズ電極1は、図22に示したア
ポタイズ電極31の少なくとも半分の幅を持てば、図2
(d)の信号強度を持つ弾性表面波の合成波が出力電極
2で得られる。
【0042】図4は、図3の構成に加えて、さらにグレ
ーティング構造の電極(7a,7b:以下、グレーティ
ング電極と呼ぶ)を弾性表面波の伝搬路中に設けたもの
である。ここで、グレーティング電極を設ければ、グレ
ーティング構造によって弾性表面波の進行の自由度が制
限されるため、図3のように自由表面とした場合に比べ
て、弾性表面波の回折の影響が減少できる。また、この
グレーティング電極によって弾性表面波が反射するのを
防止するために、グレーティング構造の電極指の間隔
は、入力電極1によって励振される弾性表面波の周期の
約1/1.3以下にすることが好ましい。以上説明した
図1,図3,図4の弾性表面波フィルタを製造する場合
には、形成する電極パターンが異なるのみで、図18等
に示した従来の弾性表面波フィルタの製造プロセスと同
じプロセスを用いることができる。複雑なプロセスを追
加する必要はない。
【0043】
【実施例】以下に、この発明の弾性表面波フィルタを中
心周波数70MHzのIFフィルタとして用いた場合の
実施例を示す。なお、この発明は以下の実施例に限定さ
れるものではい。入力電極1,出力電極2等がその表面
上に形成される圧電基板10は、一般的に、STカット
水晶と呼ばれている42度45分回転Y,X伝播の水晶
基板を用い、入力電極から励振される弾性表面波の進行
方向をX方向とする。また、形成される入力電極,出力
電極及び方向転換電極等は、膜厚300nmのアルミニ
ウムを用いるものとする。ただし、圧電基板10の材
料、カット方向、電極膜厚、電極材料は、これに限るも
のではなく、要求されるフィルタ特性に応じて、最適な
ものを選べばよい。
【0044】このとき、圧電基板10上に励振される弾
性表面波の速度は、3147.2m/sとなる。また、
中心周波数f0が70MHzの場合、櫛形電極の周期λ
は、弾性表面波の速度をVとすると、V=f0×λとい
う関係があるので、λ=44.96μmと決まる。
【0045】図20に示した従来例の場合、電極対数
は、入力電極であるアポタイズ電極31では1000
対、出力電極である間引き電極33では363対であ
る。また、開口長Lは80λである。電極の周期λ=4
4.96μmから、少なくとも入力電極31の励振方向
の幅Y1は、Y1=44960μm,出力電極33の励
振方向の幅Y2はY2=16320.48μm必要であ
り、入出力電極間の間隔X1を1000μmとすると、
電極の左右方向の全体長は、Y1+Y2+X1=622
80.48μmとなる。図24にこの従来例の弾性表面
波フィルタの周波数特性を示す。
【0046】これに対し、この発明の図1の構成では、
入力電極であるアポタイズ電極1の電極対数は500対
にできる。また、出力電極である間引き電極2の電極対
数は363対、方向転換電極3,4の電極対数を20対
とする。この時の入力電極の励振方向の幅Y3=Y1/
2=22480μm,X1=1mm,出力電極の励振方
向の幅Y2=16320.48μm,方向転換電極の励
振方向の幅Y4=899.2μmである。右側に進行す
る弾性表面波の時間調整を行うための自由表面域(X3
+X4)は、図2のT1(=2×X1)の距離を波が伝
わるのにかかる時間と、T2(入力電極のY3を弾性表
面波が伝わるのにかかる時間)を加えたものである。
【0047】よって、X3+X4=(2×X1)+Y3
=24480μmとなる。ここで、弾性表面波フィルタ
の左右方向の長さが最小となるのは、X4−X3=Y3
−Y2のときである。これらの関係式より、X3=91
60.24μm,X4=15319.76μmとすれば
よい。このとき、図1の弾性表面波フィルタの電極の全
体長は、Y4+X1+Y3+X3+Y4=35438.
64μmとなる。
【0048】すなわち、図22の従来のフィルタの電極
の左右方向の幅=62280.48μmに対して、この
発明の図1のものでは、26000μm程度小さくする
ことができる。一般に開口長方向の大きさは小さく、あ
まり問題とならない。図6に図1の弾性表面波フィルタ
の周波数特性を示す。図6と図24とを比較すると、ほ
ぼ同じ特性が得られることがわかる。
【0049】次に、図3の場合の構成では反射器を用い
るので、反射器の特性を考慮する必要がある。そこで、
電極の膜厚を2.1μmとする。この膜厚のとき、ST
カット水晶基板の励振方向の弾性表面波速度は3068
m/sとなる。中心周波数70MHzでは電極の周期
は、約43.83μmとなる。また、入力電極であるア
ポタイズ電極1は500対、反射器5a等の対数は50
対、出力電極である間引き電極2の対数は367対とす
る。また、弾性表面波の伝搬時間の調整のために、図4
に示すように入出力電極の周期の1/1.3周期を持つ
グレーティング構造の電極7a,7bを形成してもよ
い。
【0050】グレーティング電極7a,7bを形成した
場合、STカット水晶基板では、紙面の上下方向への弾
性表面波の速度は4646m/sとなる。この場合、励
振方向の速度Vx=3068m/s、上下方向の速度V
y=4646m/sであるので、θr=90−tan-1
(Vx/Vy)より、θr=56.56度となる。
【0051】反射器の長さY5は、反射器の電極指が、
紙面の上下方向の向きと平行な場合に必要な本数である
50周期分とすると、Y5=50本×43.83μm=
2191.5μmとなる。また、入力電極の左右方向の
幅Y3=Y1/2=21915μm、X1=1000μ
m、出力電極の左右方向の幅Y2=15910.29μ
mである。
【0052】入力電極の右方向に出た波の時間調整を行
うための自由表面領域(X3+X4)は、図2のT1
(2×X1の距離を弾性表面波が伝わるのにかかる時
間)と、T2(入力電極のY3を弾性表面波が伝わるの
にかかる時間)を加えたものから求められる。
【0053】すなわち、X3+X4=(2×X1+Y
3)=23915μmとなる。ここで、電極の左右方向
の幅を最小とするためには、X3−X4=Y3−Y2と
なるように選べばよい。上記の関係式より、X3=89
55.145μm,X4=14959.855μmとす
ればよい。このとき、この発明の図3において、弾性表
面波フィルタの電極の左右方向の全体の幅は、Y5+X
1+Y3+X4+Y5=42257.855μmとな
る。
【0054】したがって、図3におけるこの発明の実施
例では、図22に示した従来の構成に比べて、左右方向
の幅について24000μm程度の小型化が可能であ
る。この場合も、開口長方向の大きさは小さく、あまり
問題とならない。図7に、図3の弾性表面波フィルタの
周波数特性を示す。
【0055】次に、入出力電極の構成が異なるこの発明
の弾性表面波フィルタの実施例を示す。図8に、入力電
極及び出力電極に間引き電極を用いたこの発明の弾性表
面波フィルタの一実施例の構成図を示す。図8におい
て、出力電極2は、従来から用いられている通常の間引
き電極であるが、入力電極1は電極指の対数を一部省略
した間引き電極である。入力電極1は、左右方向の幅A
=18824.985μmであるが、電極指の対数を通
常の約半分(430対)に間引きしている。出力電極2
は、左右方向の幅B=15734.97μmとし、電極
指の対数を359対とする。また、図8において、Y5
=43.83×50対=2191.5μm,X1=10
00μmとする。
【0056】この実施例では、A+2×X1=X3+X
4、かつX4−X3=A−Bの条件を満たすように設計
すれば、入力電極で励振された弾性表面波の省略された
部分が、出力電極における合成波形によって再現され、
なおかつ、弾性表面波フィルタの左右方向の幅を最小と
することができる。上記の2つの式から、X3=886
7.485μm,X4=10957.5μmとすればよ
いことがわかる。
【0057】このとき、弾性表面波フィルタの電極の左
右方向の幅は、Y5+X1+A+X3+Y5=3307
5.47μmとなる。図22に示したような従来の弾性
表面波フィルタでは、電極の左右方向の幅は、2×A+
X1+B=54384.94μmとなる。したがって、
図8に示したこの発明の構成によれば、従来よりも21
309.47μmの小型化が可能である。
【0058】図9に、図8の弾性表面波フィルタの周波
数特性のグラフを示す。図9において、細線が従来の構
成のグラフ、太線がこの発明の図8の構成のグラフであ
るが、図8の構成の方が通過帯域外の抑圧度が低く抑え
られ改善されたことがわかる。
【0059】図10に、入力電極に間引き電極,出力電
極に正規電極を用いたこの発明の弾性表面波フィルタの
一実施例の構成図を示す。図10において、入力電極1
は、電極指の対数を一部省略した間引き電極を用いる。
入力電極1の左右方向の幅Aを17729.235μm
とし、電極指の対数を通常の約半分(405対)に間引
きしている。出力電極2は、左右方向の幅Bを219
1.5μmとし、電極指の対数を50対とする。また、
Y5=43.83×50対=2191.5μm,X1=
1000μmとする。
【0060】この実施例では、A+2×X1=X3+X
4,かつX4−X3=A−Bの条件を満たすように設計
すれば、入力電極で励振された弾性表面波の省略された
部分が、出力電極における合成波形によって再現され、
なおかつ、弾性表面波フィルタの左右方向の幅を最小と
することができる。上記2つの式から、X3=209
5.75μm,X4=17633.485μmとすれば
よい。
【0061】このとき、弾性表面波フィルタの電極の左
右方向の幅は、Y5+X1+A+X3+Y5=2520
7.985μmとなる。図22に示したような従来の弾
性表面波フィルタでは、電極の左右方向の幅は、2×A
+X1+B=38649.75μmとなる。したがっ
て、図10に示したこの発明の構成によれば、従来より
も13441.765μmの小型化が可能である。
【0062】図11に、図10の弾性表面波フィルタの
周波数特性のグラフを示す。図11において、細線が従
来の構成のグラフ,太線がこの発明の図10の構成のグ
ラフであるが、図10の構成の方が通過帯域外の抑圧度
が低く抑えられ、改善されたことがわかる。
【0063】図12に、入力電極にアポタイズ電極,出
力電極に間引き電極を用いたこの発明の弾性表面波フィ
ルタの一実施例の構成図を示す。図12において、出力
電極2は従来から用いられている通常の間引き電極であ
るが、入力電極1は電極指の対数を一部省略したアポタ
イズ電極である。入力電極1は、左右方向の幅Aを21
915μmとし、電極指の対数を通常の半分(500
対)にしている。出力電極2は、左右方向の幅Bを15
910.29μmとし、電極指の対数を363対とす
る。また、Y5=43.83×50対=2191.5μ
m,X1=1000μmとする。
【0064】この実施例では、A+2×X1=X3+X
4,かつX4−X3=A−Bの条件を満たすように設計
すれば、入力電極で励振された弾性表面波の省略された
部分が、出力電極における合成波形によって再現され、
なおかつ、弾性表面波フィルタの左右方向の幅を最小と
することができる。上記2つの式から、X3=895
5.145μm,X4=14959.855μmとすれ
ばよい。
【0065】このとき、弾性表面波フィルタの電極の左
右方向の幅は、Y5+X1+A+X3+Y5=3625
3.145μmとなる。図22に示したような従来の弾
性表面波フィルタでは、電極の左右方向の幅は、2×A
+X1+B=60740.29μmとなる。したがっ
て、図12に示したこの発明の構成によれば、従来より
も24487.145μmの小型化が可能である。
【0066】図13に、図12の弾性表面波フィルタの
周波数特性のグラフを示す。図13において、細線が従
来の構成のグラフ,太線がこの発明の図12の構成のグ
ラフであるが、図12の構成の方が通過帯域外の抑圧度
が低く抑えられ、改善されたことがわかる。
【0067】図14に、入力電極にアポタイズ電極,出
力電極に通常の正規電極を用いた、この発明の弾性表面
波フィルタの一実施例の構成図を示す。図14におい
て、入力電極1は、電極指の対数を一部省略したアポタ
イズ電極である。入力電極1は、左右方向の幅Aを21
915μmとし、電極指の対数を通常の半分(500
対)にしている。出力電極2は、左右方向の幅Bを21
91.5μmとし、電極指の対数を50対とする。ま
た、Y5=43.83×50対=2191.5μm,X
1=1000μmとする。
【0068】この実施例では、A+2×X1=X3+X
4,かつX4−X3=A−Bの条件を満たすように設計
すれば、入力電極で励振された弾性表面波の省略された
部分が、出力電極における合成波形によって再現され、
なおかつ、弾性表面波フィルタの左右方向の幅を最小と
することができる。上記2つの式から、X3=209
5.75μm,X4=21819.25μmとすればよ
い。
【0069】このとき、弾性表面波フィルタの電極の左
右方向の幅は、Y5+X1+A+X3+Y5=2839
3.75μmとなる。図22に示したような従来の弾性
表面波フィルタでは、電極の左右方向の幅は、2×A+
X1+B=46021.5μmとなる。したがって、図
14に示したこの発明の構成によれば、従来よりも17
627.75μmの小型化が可能である。
【0070】図15に、図14の弾性表面波フィルタの
周波数特性のグラフを示す。図15において、細線が従
来の構成のグラフ,太線がこの発明の図14の構成のグ
ラフであるが、図14の構成の方が通過帯域外の抑圧度
が低く抑えられ、改善されたことがわかる。
【0071】図16に、入力電極及び出力電極にアポタ
イズ電極を用いたこの発明の弾性表面波フィルタの一実
施例の構成図を示す。図16において、出力電極2は従
来から用いられている通常のアポタイズ電極であるが、
入力電極1は、電極指の対数を一部省略したアポタイズ
電極である。入力電極1は、左右方向の幅Aを2191
5μmとし、電極指の対数を通常の半分(500対)に
している。出力電極2は、左右方向の幅Bを1591
0.29μmとし、電極指の対数を363対とする。ま
た、Y5=43.83×50対=2191.5μm,X
1=1000μmとする。
【0072】この実施例では、A+2×X1=X3+X
4,かつX4−X3=A−Bの条件を満たすように設計
すれば、入力電極で励振された弾性表面波の省略された
部分が、出力電極における合成波形によって再現され、
なおかつ、弾性表面波フィルタの左右方向の幅を最小と
することができる。上記2つの式から、X3=895
5.145μm,X4=14959.855μmとすれ
ばよい。
【0073】このとき、弾性表面波フィルタの電極の左
右方向の幅は、Y5+X1+A+X3+Y5=3625
3.145μmとなる。図22に示したような従来の弾
性表面波フィルタでは、電極の左右方向の幅は、2×A
+X1+B=60740.29μmとなる。
【0074】したがって、図16に示したこの発明の構
成によれば、従来よりも24487.145μmの小型
化が可能である。図17に、図16の弾性表面波フィル
タの周波数特性のグラフを示す。図17において、細線
が従来の構成のグラフ,太線がこの発明の図16の構成
のグラフであるが、図16の構成の方が通過帯域外の抑
圧度が低く抑えられ、改善されたことがわかる。
【0075】
【発明の効果】この発明によれば、所望の弾性表面波フ
ィルタの周波数特性を備えたまま、入力電極によって励
振された弾性表面波の励振方向の弾性表面波フィルタの
サイズを小さくできる。また、この発明によれば、入力
電極及び出力電極の構成、及びこれらの電極と第1及び
第2の方向転換電極との間隔を適切に設定することによ
り、弾性表面波フィルタの周波数特性うち通過帯域外の
抑圧度を低減させることができる。さらに、この発明に
よれば、グレーティング電極を形成することにより、弾
性表面波の回折による周波数特性への影響を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の弾性表面波フィルタの構成図であ
る。
【図2】この発明の弾性表面波フィルタの信号強度分布
の説明図である。
【図3】この発明の弾性表面波フィルタの構成図であ
る。
【図4】この発明の弾性表面波フィルタの構成図であ
る。
【図5】この発明における反射器の傾きと弾性表面波の
速度との関係の説明図である。
【図6】図1の弾性表面波フィルタの周波数特性のグラ
フである。
【図7】図3の弾性表面波フィルタの周波数特性のグラ
フである。
【図8】入力電極及び出力電極に間引き電極を用いたこ
の発明の弾性表面波フィルタの一実施例の構成図であ
る。
【図9】図8の弾性表面波フィルタの周波数特性のグラ
フである。
【図10】入力電極に間引き電極、出力電極に正規電極
を用いたこの発明の弾性表面波フィルタの一実施例の構
成図である。
【図11】図10の弾性表面波フィルタの周波数特性の
グラフである。
【図12】入力電極にアポタイズ電極、出力電極に間引
き電極を用いたこの発明の弾性表面波フィルタの一実施
例の構成図である。
【図13】図12の弾性表面波フィルタの周波数特性の
グラフである。
【図14】入力電極にアポタイズ電極、出力電極に正規
電極を用いたこの発明の弾性表面波フィルタの一実施例
の構成図である。
【図15】図14の弾性表面波フィルタの周波数特性の
グラフである。
【図16】入力電極及び出力電極にアポタイズ電極を用
いたこの発明の弾性表面波フィルタの一実施例の構成図
である。
【図17】図16の弾性表面波フィルタの周波数特性の
グラフである。
【図18】従来の弾性表面波フィルタの構成図である。
【図19】従来の弾性表面波フィルタの構成図である。
【図20】従来の弾性表面波フィルタの構成図である。
【図21】入力電極と出力電極とを2段組みに配置した
弾性表面波フィルタの構成図である。
【図22】図21に方向転換電極を加えた構成の弾性表
面波フィルタの構成図である。
【図23】図22の構成によって励振された弾性表面波
の信号強度の説明図である。
【図24】従来の弾性表面波フィルタの周波数特性のグ
ラフである。
【符号の説明】
1 入力電極 2 出力電極 3,4 方向転換電極 3a,3b,4a,4b 櫛形電極 5a,5b,5a,5b 反射器 6 反射器の電極指 7a,7b グレーティング電極 10 圧電基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 良夫 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−83077(JP,A) 特開 昭49−34257(JP,A) 実開 平5−59959(JP,U) 特表 平5−501486(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 9/25 H03H 9/64

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板と、圧電基板上に形成された少
    なくとも1つの入力電極と、少なくとも1つの出力電極
    と、第1及び第2の方向転換電極とから構成され、 入力電極及び出力電極のうち少なくともいずれか1つが
    重み付けされた櫛形電極であり、入力電極と出力電極と
    が、入力電極によって励振された弾性表面波の進行方向
    と垂直な方向の位置関係となるように配置され、 第1の方向転換電極が、前記入力電極及び出力電極の左
    側近傍に配置されかつ前記入力電極から左方向へ進行す
    る弾性表面波を前記出力電極へ向かう方向に転換する電
    極であり、第2の方向転換電極が、前記入力電極及び出
    力電極の右側近傍に配置されかつ前記入力電極から右方
    向へ進行する弾性表面波を前記出力電極へ向かう方向に
    転換する電極であり、 前記重み付けされた櫛形電極が、所望の弾性表面波フィ
    ルタとしての周波数特性を実現するのに必要な重み付け
    手段を持つ電極のうち、その必要な重み付け手段の重み
    付け量の最も大きな部分である中央部を含み、重み付け
    手段のA%(50≦A<100)以上の電極から構成さ
    れ、 前記重み付けされた櫛形電極に含まれなかった重み付け
    手段の電極によって発生されるべき弾性表面波を含むよ
    うに弾性表面波を時間遅延させ、かつ前記所望の周波数
    特性を持つ弾性表面波が前記出力電極で得られるよう
    に、前記入力電極及び出力電極と、前記第1及び第2の
    方向転換電極との間隔を設定したことを特徴とする弾性
    表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の方向転換電極が、櫛
    形電極によって構成されることを特徴とする請求項1記
    載の弾性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の方向転換電極が、前
    記入力電極によって励振された弾性表面波の進行方向と
    垂直な方向に2段組みされかつ接続された2つの櫛形電
    極からなることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波
    フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の方向転換電極が、前
    記入力電極によって励振された弾性表面波の進行方向と
    垂直な方向に2段組みされた第1及び第2の反射器から
    なり、第1の反射器が、前記入力電極から出射された弾
    性表面波の進行方向を第2の反射器の方へ転換し、第2
    の反射器が、第1の反射器から受けた弾性表面波の進行
    方向を前記出力電極の方へ転換することを特徴とする請
    求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記入力電極及び出力電極と、前記第1
    及び第2の方向転換電極との間隔で確定される領域が、
    自由表面領域であることを特徴とする請求項1記載の弾
    性表面波フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記入力電極及び出力電極と、前記第1
    及び第2の方向転換電極との間隔で確定される領域であ
    って弾性表面波が伝播する経路に、前記入力電極及び出
    力電極よりも周期の小さい電極指からなるグレーティン
    グ電極を形成したことを特徴とする請求項1記載の弾性
    表面波フィルタ。
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