WO2010125940A1 - 弾性波装置 - Google Patents

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Abstract

 周期分極反転構造を有し、電極形成が容易であるだけでなく、良好な共振特性を得ることを可能とする弾性波装置を提供する。 矩形板状の圧電体2の第1の主面2a上に第1の電極3が、第2の主面2b上に第2の電極4が形成されており、第1,第2の電極3,4が、それぞれ、第1の端面2cと、第1の主面2aまたは第2の主面2bとのなす端縁から第2の端面2dと、第1の主面2aまたは第2の主面2bとのなす端縁に至っており、圧電体2において、第1の端面2cと第2の端面2dとの間に複数の圧電体領域P1~P7が形成されており、複数の圧電体領域P1~P7の分極軸方向が、周期的に反転されており、第1,第2の端面2c,2dで励振された弾性波が反射される端面反射型の弾性波装置1。

Description

弾性波装置
 本発明は、共振子や帯域フィルタなどに用いられる弾性波装置に関し、より詳細には、周期分極反転構造を有する圧電体を用いた弾性波装置に関する。
 従来、共振子や帯域フィルタとして様々な弾性表面波装置が用いられている。弾性表面波装置では、一様に分極された圧電基板の上面に、一対のくし形電極からなるIDT電極が形成されている。このIDT電極に交番電界を印加することにより、隣り合う電極指間に電界が印加され、弾性表面波が励振される。
 他方、下記の非特許文献1には、IDT電極を用いない弾性表面波装置が開示されている。図12は、非特許文献1に記載の弾性表面波装置を模式的に示す模式的正面断面図である。弾性表面波装置101では、圧電体102が周期分極反転構造を有する。
 周期分極反転構造とは、圧電体の複数の圧電体領域の分極軸方向が周期的に反転されている構造である。例えば、圧電体102では、複数の圧電体領域102a~102iの分極軸方向は、図示の矢印で示す通りである。この分極軸方向は、隣り合う圧電体領域で異なっている。例えば、圧電体領域102aの圧電体領域の分極軸方向と、圧電体領域102bの圧電体領域の分極軸方向とは逆方向となっており、圧電体領域102bの分極軸方向と、隣りの圧電体領域102cの分極軸方向とが逆方向となっている。
 そして、圧電体領域102b~102hの上面に、第1の電極103が形成されており、下面に第2の電極104が形成されている。第1,第2の電極103,104は、圧電体領域102b~102hが設けられている領域において、第1,第2の主面を覆うように形成されている。従って、非常に細い電極指を有するくし形電極を形成する必要がないので、第1,第2の電極103,104を容易にかつ安価に形成することができる。
 また、IDT電極を用いた弾性表面波装置では、電極指間の短絡を防止するためにパッシベーション膜を形成しなければならなかったりするのに対し、弾性表面波装置101では、パッシベーション膜を省略することもできる。
 下記の非特許文献2には、IDT電極を用いた端面反射型の圧電表面滑り波共振子が開示されている。図13は、非特許文献2に開示されている圧電表面滑り波共振子111を示す模式的正面断面図である。
 圧電表面滑り波共振子111では、分極軸方向が一様である圧電基板112上に、一対のくし形電極からなるIDT電極113が形成されている。IDT電極113は、互いに間挿し合う複数本の電極指113aを有する。ここでは、圧電基板112の対向し合う第1,第2の端面112a,112bで、圧電表面滑り波を反射させることにより、端面反射型の共振子が構成されている。すなわち、反射器を設けることなく、第1,第2の端面112a,112bで圧電表面滑り波を反射させている。この場合、第1,第2の端面112a,112bは、端面に沿うように設けられる電極指113aの幅方向中央に位置するように、最外側の電極指113a1,113a2の幅が残りの電極指113aの1/2とされている。それによって、リップルのない良好な共振特性が得られると記載されている。
「Lamb wavetransducers built on periodically poled Z-cut LiNbO3 wafers」 JOUNAL OF APPLIED PHYSICS 102, 114107 (2007) 「自由端面の反射を利用した圧電表面すべり波共振子」 日本音響学会講演論文集 p.351(1976)
 非特許文献1では、前述した周期分極反転構造を有する弾性表面波装置101が開示されているが、ここでは、周期分極反転構造を有するトランスデューサの原理が示されているだけである。従って、励振された弾性波のエネルギーを閉じ込めるための反射器については記載されていない。従って、第1,第2の電極103,104が対向しているトランスデューサ部分の側方に、圧電体領域102a,102iが設けられている構成が示されているにすぎなかった。
 他方、非特許文献2に記載の圧電表面滑り波共振子111は、上記の通り、従来のIDT電極113を設けた弾性波共振子の一例を開示しているに留まるものであった。
 本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、電極構造の簡略化及び低コスト化を果たすことができ、パッシベーション膜等を省略することができる周期分極反転構造を有する弾性波装置であって、励振された弾性波を一対の反射部分間に閉じ込めて良好な共振特性を得ることを可能とする、しかも小型化を進めることが可能である、弾性波装置を提供することにある。
 本発明によれば、対向し合う第1,第2の主面と、第1,第2の主面を結んでおり、かつ対向し合う第1,第2の端面と、第1,第2の主面を結んでおり、かつ対向し合う第1,第2の側面とを有する矩形板状の圧電体と、前記圧電体の前記第1の主面上に形成されており、前記第1の端面と前記第1の主面とのなす端縁から前記第2の端面と前記第1の主面とのなす端縁に至っている第1の電極と、前記圧電体の前記第2の主面上に形成されており、前記第1の端面と前記第2の主面とのなす端縁から前記第2の端面と前記第2の主面とのなす端縁に至っている第2の電極とを備え、前記圧電体において、前記第1の端面と前記第2の端面との間に位置している複数の圧電体領域の分極軸方向が、第1の主面から第2の主面に向かう第1の方向または第1の方向とは逆方向である第2の方向とされており、前記複数の圧電体領域の分極軸方向が第1の端面から第2の端面に向かう方向において周期的に反転されており、前記第1,第2の電極間に電圧を印加して励振された弾性波が前記第1,第2の端面で反射され、端面反射型弾性波共振子として機能する、弾性波装置が提供される。
 本発明に係る弾性波装置のある特定の局面では、前記複数の圧電体領域において、隣り合う圧電体領域の分極軸方向が逆方向とされている。
 本発明に係る弾性波装置の他の特定の局面では、上記圧電体がLiTaOまたはLiNbOからなる。
 本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記圧電体がLiTaOからなり、前記第1,第2の電極がAlまたはAlを主体としており、前記第1の端面から第2の端面に向かう方向において、オイラー角が(0°,0°,0°)の圧電体領域と、オイラー角が(0°,180°,0°)の圧電体領域とが交互に配置されており、前記第1,第2の端面が、圧電体領域の外側の境界に位置している。
 本発明に係る弾性波装置のさらに別の特定の局面によれば、前記複数の圧電体領域における圧電体領域の対数と、LiTaOからなる圧電体の膜厚と、第1,第2の電極の膜厚とが、下記の表1に示すいずれかの範囲にある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 本発明によれば、圧電体が、周期分極反転構造を構成している上記複数の圧電体領域を有しているので、第1,第2の電極の形成が容易でありかつ第1,第2の電極形成コストを低減することができる。しかも、励振された弾性波が第1,第2の端面で反射されて第1,第2の端面間に閉じ込められるので、良好な共振特性を得ることができる。さらに、反射器を必要としないため、小型化を図ることが可能となる。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る端面反射型の弾性波装置の斜視図及び正面図である。 図2(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る端面反射型の弾性波装置のインピーダンス特性及び位相特性を示す図である。 図3(a)は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置のインピーダンス特性及び位相特性であり、反射端面が圧電体領域の外側の境界に位置している場合の結果を示し、(b)は、反射端面を圧電体領域の中央に位置させた場合のインピーダンス特性及び位相特性を示す図である。 図4は、LiTaOの厚みd/λを0.65とした場合の端面反射型の弾性波装置のインピーダンス特性及び位相特性を示す図である。 図5は、LiTaOの厚みd/λを0.69とした場合の端面反射型の弾性波装置のインピーダンス特性及び位相特性を示す図である。 図6は、LiTaOの厚みd/λを0.73とした場合の端面反射型の弾性波装置のインピーダンス特性及び位相特性を示す図である。 図7は、(a)は、本発明の一実施形態の弾性波装置におけるメインの応答と、スプリアスの応答の電気機械結合係数kと、LiTaOの厚みd/λとの関係を示す図であり、(b)は、メインの応答の電気機械結合係数に対するスプリアスの応答の電気機械結合係数の比であるスプリアスレベル(ksp /kmain )と、LiTaOの厚みd/λとの関係を示す図である。 図8(a)は、本発明の一実施形態の弾性波装置におけるメインの応答と、スプリアスの応答の電気機械結合係数kと、Alからなる第1,第2の電極の厚みh/λとの関係を示す図であり、(b)は、メインの応答の電気機械結合係数に対するスプリアスの応答の電気機械結合係数の比であるスプリアスレベル(ksp /kmain )と、Alからなる第1,第2の電極の厚みh/λとの関係を示す図である。 図9(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置において、スプリアスレベルが小さい範囲と、第1,第2の電極の厚みh/λと、LiTaOの厚みd/λとの関係を示す各図である。 図10(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置において、電極指の対数を18対とした場合のスプリアスレベルが小さい範囲と、第1,第2の電極の厚みh/λと、LiTaOの厚みd/λとの関係を示す各図である。 図11(a)は、本発明の一実施形態の弾性波装置におけるメインの応答と、スプリアスの応答の電気機械結合係数kと、複数の圧電体領域の対数との関係を示す図であり、(b)は、メインの応答の電気機械結合係数に対するスプリアスの応答の電気機械結合係数の比であるスプリアスレベル(ksp /kmain )と、複数の圧電体領域の対数との関係を示す図である。 図12は、従来の周期分極反転構造を有する圧電体を用いた弾性波装置を示す模式的正面断面図である。 図13は、従来の端面反射型のBGS波を利用した圧電表面滑り波共振子を説明するための模式的正面断面図である。
 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
 図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性波装置の斜視図及び模式的正面図である。
 弾性波装置1は、矩形板状の圧電体2を有する。圧電体2は、本実施形態では、LiTaOからなる。圧電体2は、対向し合う第1,第2の主面2a,2bと、第1,第2の主面2a,2bを結んでおりかつ対向し合う第1,第2の端面2c,2dと、第1,第2の主面2a,2bを結んでおりかつ対向し合う第1,第2の側面2e,2fとを有する。
 圧電体2の第1,第2の主面2a,2bの全面を覆うように、第1,第2の電極3,4がそれぞれ形成されている。従って、第1の電極3は、圧電体2の第1の端面2cと第1の主面2aとのなす端縁から、第2の端面2dと第1の主面2aとのなす端縁に至るように形成されている。同様に、第2の電極4は、第1の端面2cと第2の主面2bとのなす端縁から、第2の端面2dと第2の主面2bのなす端縁に至るように形成されている。
 本実施形態では、第1,第2の電極3,4は圧電体2の第1,第2の主面2a,2b上にAlを蒸着により成膜することにより形成されている。
 弾性波装置1では、圧電体2が周期分極反転構造を有する。すなわち、圧電体2は、第1の端面2cから第2の端面2dに向かう方向において、複数の圧電体領域P1~P7を有する。ここでは、複数の圧電体領域P1~P7は、第1の側面2eから第2の側面2fに向かって延ばされており、第1の主面2a側からみた場合、細長い矩形ストリップ状の平面形状を有する。また、各圧電体領域P1~P7の幅は等しくされている。ここで幅とは、圧電体領域P1~P7において、上記第1の端面2cと第2の端面2dとを結ぶ方向の寸法をいうものとする。また、圧電体領域P1~P7の長さは、圧電体2の長さすなわち第1の側面2eと第2の側面2fとを結ぶ寸法とされている。
 なお、本実施形態では、第1の端面2cと第2の端面2dとを結ぶ方向の寸法が、第1の側面2eと第2の側面2fとを結ぶ方向の寸法よりも短くされていたため、上記のように幅及び長さを定義した。しかしながら、本発明においては、第1の端面2cと第2の端面2dとを結ぶ方向の寸法は、第1の側面2eと第2の側面2fとを結ぶ方向の寸法よりも長くてもよい。
 上記複数の圧電体領域P1~P7は、分極軸が厚み方向とされているものの、隣り合う圧電体領域の分極方向が逆方向とされている。より具体的には、圧電体領域P1,P3,P5,P7が、図示の矢印で示す方向に分極軸方向を有する。この方向は、第1の主面2aから第2の主面2bに向かう方向であり、この方向を第1の方向とする。
 圧電体領域P2,P4,P6は、第1の方向とは逆の第2の方向に分極軸方向を有する。
 従って、複数の圧電体領域P1~P7は、第1の端面2cから第2の端面2dに向かう方向において、交互に第1の方向または第2の方向に分極されている。本発明における周期分極反転構造とは、このように、分極方向が周期的に反転する構造をいうものとする。
 本実施形態では、第1,第2の端面2c,2dにおいて、厚み方向に交互に複数の圧電体領域P1~P7が分極反転されていたが、必ずしも交互に分極反転される必要はなく、周期的に分極方向が反転されている構造は全て周期分極反転構造に含まれるものとする。もっとも、好ましくは、第1の方向が分極軸方向であるn個の圧電体領域(nは1以上の整数)と、第1の方向とは反対方向である第2の方向に分極軸方向が揃っているn個の圧電体領域(nは1以上の整数)とが交互に配置されることが望ましい。なお、第2の方向に分極軸方向が揃っている圧電体領域の数は、第1の方向に分極軸方向が揃っている圧電体領域の数より1個多くてもよい。あるいは1個少なくてもよい。すなわち、n+1個、あるいはn-1個でもよい。
 上記周期分極反転構造は、本実施形態では、圧電体領域P1,P3,P5,P7において、LiTaOのオイラー角が(0°,0°,0°)であり、圧電体領域P2,P4,P6において、LiTaOのオイラー角を(0°,180°,0°)とすることにより実現されている。
 そして、第1,第2の端面2c,2dは、圧電体領域P1及びP7の外側の境界面により構成されている。言い換えれば、圧電体領域P1,P3,P5,P7を構成している上記オイラー角が(0°,0°,0°)のドメインと、オイラー角が(0°,180°,0°)であるドメインとが交互に配置されており、端面2c,2dはドメインの外側の境界面に位置している。
 なお、第1,第2の電極3,4は、第1,第2の主面2a,2bの全面を覆うように形成されていたが、必ずしも第1,第2の主面2a,2bの全面をそれぞれ覆わなくともよい。例えば、第1の電極3は、第1の端面2cと第1の主面2aとのなす端縁から、第2の端面2dと第1の主面2aとのなす端縁に至るように形成されておりさえすればよい。すなわち、第1の電極3は、第1,第2の側面と第1の主面2aとのなす各端縁にまで至らずともよい。第2の電極4についても同様であり、第1,第2の側面2e,2fと第2の主面2bとのなす各端縁には必ずしも至らずともよい。
 次に、弾性波装置1の動作につき説明する。
 圧電体2が上記周期分極反転構造を有するため、第1,第2の電極3,4から交番電界を印加すると、隣り合う圧電体領域が厚み方向において逆方向に変位する。すなわち、例えば第1の電極3が相対的に高い電位にあり、第2の電極4が相対的に低い電位にある場合、第1の圧電体領域P1は厚み方向に延び、第2の圧電体領域P2は厚み方向において縮むこととなる。従って、交番電界を第1,第2の電極3,4間に印加することにより、圧電体2が振動し、弾性波が励振される。この弾性波は、上記複数の圧電体領域P1~P7の幅方向である第1の端面2cと第2の端面2dとを結ぶ方向に伝搬することとなる。
 また、上記第1,第2の端面2c,2dにおいて、伝搬してきた弾性波が効率よく反射される。従って、励振された弾性波は、第1,第2の端面2c,2d間に閉じ込められ、それによって共振特性を得ることができる。
 本実施形態の弾性波装置1では、圧電体2が周期分極反転構造を有するため、励振用の第1,第2の電極3,4を圧電体2の第1,第2の主面2a,2bを覆うように形成すればよい。従って、電極形成に微細加工を必要としないため、電極形成を容易にかつ安価に行なうことができる。
 また、前述した非特許文献1に記載の弾性表面波装置101では、周期分極反転構造が圧電体102に設けられていたものの、反射器が設けられていなかった。そのため、圧電体102において励振された弾性波を閉じ込めて共振特性を得ることは困難であった。
 これに対して、本実施形態によれば、上記第1,第2の端面2c,2dにより弾性波が反射され、第1,第2の端面2c,2d間に弾性波が閉じ込められて、共振特性をとり出すことができる。
 特に、第1,第2の端面2c,2dが、本実施形態では、上記第1,第7の圧電体領域P1,P7の外側の境界面すなわちドメインの外側の境界面に位置しているため、伝搬してきた弾性波を有効に反射することができる。そのため、良好な共振特性を得ることができる。これを、以下において、具体的に説明する。
 図2(a)は、上記実施形態に従って用意した弾性波装置1のインピーダンス特性及び位相特性を示す図である。
 もっとも、周期分極反転構造における圧電体領域の対数は10対とした。すなわち、図1(a)及び(b)では、7つの圧電体領域P1~P7が設けられていたが、対数N=10であるため、20個の圧電体領域を第1の端面2cから第2の端面2dに向かって配置した構造を用いた。また、Alからなる第1,第2の電極3,4の膜厚hは200nmとし、圧電体2の厚みdは0.35mmとし、周期分極反転構造におけるピッチλは0.5mmとした。このλは、隣り合う圧電体領域の上記幅方向中心間距離の2倍の長さをいう。電極3,4の厚みh/λは0.0004、圧電体2の厚みd/λは0.7である。
 ここで、対数Nは、圧電体領域の総数/2である。圧電体領域の総数が偶数である20の場合、対数Nは10対となる。圧電体領域の総数が奇数である21の場合、対数Nは10.5対となる。
 また、図2(b)は、上記実施形態とは端面の位置が異なる変形例のインピーダンス特性及び位相特性を示す。この変形例では、第1,第7の圧電体領域P1,P7の上記幅方向中央において圧電体2を切断したことを除いては上記実施形態と同様に構成されている。従って、第1,第2の端面2c,2dがドメインの境界ではなく、第1,第2の端面2c,2dは、圧電体領域P1,P7の幅方向中央に位置している。
 図2(b)と図2(a)とを比較すれば明らかなように、第1,第2の端面2c,2dの位置が圧電体領域P1,P7の幅方向中央に位置している変形例に比べ、上記実施形態によれば、8MHz付近に大きな山谷比の応答の得られることがわかる。従って、端面2c,2dにおいて、伝搬してきた弾性波を効果的に反射し、閉じ込めることが可能とされていることがわかる。
 上記実験とは別に、有限要素法によるシミュレーションによっても、インピーダンス特性及び位相特性を求めた。図3(a)は、上記実施形態の構造についての結果を示し、図3(b)は、上記変形例についての結果を示す。
 なお、LiTaO及びAlの機械的品質係数Qmは、いずれも1000とし、Alからなる第1,第2の電極3,4の厚みh/λは0.0004とした。圧電体2の厚みd/λは0.7λとした。
 図3(b)では、すなわち端面2c,2dの位置が圧電体領域の幅方向中央すなわちドメインの幅方向中央に位置している場合、複数の劣化した応答が現れるだけでなく、矢印Aで示すリップルが現れていた。
 これに対して、第1,第2の端面2c,2dの位置がドメインの境界にある図3(a)では、図2(a)に示した実測値と同様に良好な共振特性を得ることができ、しかも上記のようなリップルを抑制し得ることがわかる。
 図4~図6は、上記実施形態において、LiTaOからなる圧電体2の厚みを、それぞれ、d/λ=0.65、0.69または0.73としたことを除いては、図3(a)と同様にして有限要素法によるシミュレーションで求めたインピーダンス特性及び位相特性を示す。
 図4及び図6では、矢印B,Cで示すリップルが現れているのに対し、図5では、このようなリップルが非常に小さくなっており、ほぼ抑圧されていることがわかる。
 共振特性におけるメインの応答の電気機械結合係数をkmain 、メインの応答近傍に現れるスプリアスの電気機械結合係数をksp とし、スプリアスレベルの指標としてksp /kmain を用い、スプリアスレベルを評価した。ksp /kmain が0.01以下であれば、スプリアスが十分に小さく実質上無視してよいと考えられる。
 図7(a)及び(b)は、それぞれ、圧電体2の規格化厚みd/λを変化させた場合のkmain 及びksp の変化と、上記スプリアスレベルksp /kmain の変化とを示す各図である。
 図7(a)及び(b)から明らかなように、d/λが0.69~0.72の範囲では、ksp /kmain が0.01以下となることがわかる。すなわち、d/λは、好ましくは、0.69~0.72の範囲が望ましく、それによって、上記スプリアスを無視し得るほど小さくすることができる。
 次に、上記弾性波装置1において、第1,第2の電極3,4の厚みを検討した。図8(a),(b)は、第1,第2の電極3,4のλで規格化してなる膜厚h/λを0.0001~0.035の範囲で変化させ、上記kmain 及びksp の変化と、上記スプリアスレベルksp /kmain の変化とを求めた結果を示す各図である。
 図8(a)及び(b)から明らかなように、電極膜厚h/λが0.02以下の場合には、スプリアスレベルksp /kmain は0.008以下とほぼ一定である。これに対して、h/λが0.025を超えると、スプリアスレベルが0.01を超えることがわかる。従って、好ましくは、上記電極膜厚h/λは、スプリアスレベルksp /kmain を0.01以下とするには、電極膜厚h/λは0.025以下、より好ましくは0.02以下とすることが望ましいことがわかる。
 図7(a),(b)及び図8(a),(b)の結果を総合し、上記スプリアスレベルksp /kmain を0.01以下とする範囲を求めた。結果を図9(a)及び(b)に示す。図9(a)の□は、上記スプリアスレベルが0.01以下であるd/λの上限を示し、●は下限を示す。従って、図9(b)において斜線のハッチングを付して示す領域内であれば、スプリアスレベルksp /kmain を0.01以下に抑制し得ることがわかる。
 また、IDT電極の電極指の対数を10対から18対に変更したことを除いては、上記と同様にして、スプリアスレベルksp /kmain を0.01以下とする範囲を求めた。結果を図10(a)及び(b)に示す。図10(a)の□は、スプリアスレベルが0.01以下であるd/λの上限を示し、●は下限を示す。従って、図10(b)において斜線のハッチングを付して示す領域内であればスプリアスレベルksp /kmain を0.01以下に抑制することができる。
 この図9(b)及び図10(b)に示す範囲を数値化すると下記の表2に示す範囲となる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 従って、好ましくは、表2に示すいずれかの範囲となるように、複数の圧電体領域の対数、第1,第2の電極の膜厚範囲、及びLiTaOの膜厚範囲を選択することが望ましい。それによって、メインの応答の近くに現れるスプリアスを効果的に抑圧することができる。
 次に、複数の圧電体領域の対数を3~30対の範囲で変化させ、同じく有限要素法によるシミュレーションにより電極指の対数の変化によるスプリアスレベルの変化を求めた。より具体的には、LiTaOからなる圧電体2の規格化厚みはd/λ=0.7とし、第1,第2の電極3,4の規格化厚みh/λは0.02とし、圧電体及びAlの機械的品質係数はQm=1000とし、圧電体領域の対数が3~30対の範囲で変化させた。結果を図11(a)及び(b)に示す。
 図11(a)及び(b)から明らかなように、周期的にスプリアスが大きくなり、スプリアスレベルが大きくなることがわかる。この場合、上記スプリアスレベルksp /kmain を小さくし得るのは、対数が10対、18対及び26対の場合であることがわかる。従って、スプリアスレベルを小さくするには、対数は、10対、18対及び26対、すなわち一般化すると8m+2(m=1,2,3)であることが望ましい。
 なお、上記実施形態では、LiTaOの第1の主面2aに第1の電極3が、第2の主面2bに第2の電極4が形成されていたが、ガラス基板などの他の支持体上に、第2の電極、圧電体及び第1の電極を順に形成し、かつ圧電体に上記周期分極構造を導入することにより、支持体付き弾性波装置を構成してもよい。
 なお、上記実施形態では、圧電体はLiTaOにより形成されていたが、LiTaO以外の圧電単結晶、例えばLiNbOにより形成されていてもよく、またPZTなどの圧電セラミックスにより形成されていてもよい。また、ZnOやAlNのような圧電薄膜により形成されていてもよい。好ましくは、LiTaOまたはLiNbOが、容易に良好な周期分極構造を形成できるため望ましい。
 また、上記実施形態では、第1,第2の電極3、4は、Alを成膜することにより形成されていたが、Alを主体とする合金を用いて形成されてもよい。また、第1,第2の電極3,4が、Al以外の金属を用いて形成されてもよい。さらに、第1,第2の電極3,4は複数の金属層を積層した積層金属膜により形成されてもよい。積層金属膜の場合、好ましくは、主たる金属層がAlまたはAlを主体とする合金であることが好ましい。
 1…弾性波装置
 2…圧電体
 2a…第1の主面
 2b…第2の主面
 2c…第1の端面
 2d…第2の端面
 2e…第1の側面
 2f…第2の側面
 3,4…第1,2の電極
 P1~P7…圧電体領域

Claims (5)

  1.  対向し合う第1,第2の主面と、第1,第2の主面を結んでおり、かつ対向し合う第1,第2の端面と、第1,第2の主面を結んでおり、かつ対向し合う第1,第2の側面とを有する矩形板状の圧電体と、
     前記圧電体の前記第1の主面上に形成されており、前記第1の端面と前記第1の主面とのなす端縁から前記第2の端面と前記第1の主面とのなす端縁に至っている第1の電極と、
     前記圧電体の前記第2の主面上に形成されており、前記第1の端面と前記第2の主面とのなす端縁から前記第2の端面と前記第2の主面とのなす端縁に至っている第2の電極とを備え、
     前記圧電体において、前記第1の端面と前記第2の端面との間に位置している複数の圧電体領域の分極軸方向が、第1の主面から第2の主面に向かう第1の方向または第1の方向とは逆方向である第2の方向とされており、前記複数の圧電体領域の分極軸方向が第1の端面から第2の端面に向かう方向において周期的に反転されており、
     前記第1,第2の電極間に電圧を印加して励振された弾性波が前記第1,第2の端面で反射され、端面反射型弾性波共振子として機能する、弾性波装置。
  2.  前記複数の圧電体領域において、隣り合う圧電体領域の分極軸方向が逆方向とされている、請求項1に記載の弾性波装置。
  3.  前記圧電体がLiTaOまたはLiNbOからなる、請求項1または2に記載の弾性波装置。
  4.  前記圧電体がLiTaOからなり、前記第1,第2の電極がAlまたはAlを主体としており、前記第1の端面から第2の端面に向かう方向において、オイラー角が(0°,0°,0°)の圧電体領域と、オイラー角が(0°,180°,0°)の圧電体領域とが交互に配置されており、前記第1,第2の端面が、圧電体領域の外側の境界に位置している、請求項3に記載の弾性波装置。
  5.  前記複数の圧電体領域における圧電体領域の対数と、LiTaOからなる圧電体の膜厚と、第1,第2の電極の膜厚とが、下記の表1に示すいずれかの範囲にある、請求項4に記載の弾性波装置。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
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