WO2024043345A1 - 弾性波装置 - Google Patents

弾性波装置 Download PDF

Info

Publication number
WO2024043345A1
WO2024043345A1 PCT/JP2023/030814 JP2023030814W WO2024043345A1 WO 2024043345 A1 WO2024043345 A1 WO 2024043345A1 JP 2023030814 W JP2023030814 W JP 2023030814W WO 2024043345 A1 WO2024043345 A1 WO 2024043345A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
electrode
electrode fingers
finger
fingers
electrode finger
Prior art date
Application number
PCT/JP2023/030814
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
翔 永友
克也 大門
Original Assignee
株式会社村田製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社村田製作所 filed Critical 株式会社村田製作所
Publication of WO2024043345A1 publication Critical patent/WO2024043345A1/ja

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/145Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/25Constructional features of resonators using surface acoustic waves

Abstract

フィルタ装置の小型化を進めることができ、かつ通過帯域の帯域幅を広くすることができる、弾性波装置を提供する。 本発明に係る弾性波装置10は、圧電層14を含む圧電膜と、圧電層14上に設けられており、第1のバスバー22と、第1のバスバー22に一端がそれぞれ接続されている複数の第1の電極指25とを有し、入力電位に接続される、第1の櫛形電極17と、圧電層14上に設けられており、第2のバスバー23と、第2のバスバー23に一端がそれぞれ接続されており、複数の第1の電極指25と間挿し合っている複数の第2の電極指26とを有し、出力電位に接続される、第2の櫛形電極18と、平面視したときに、第1の電極指25及び第2の電極指26が並ぶ方向において、第1の電極指25及び第2の電極指26と並ぶように、それぞれ圧電層14上に設けられている複数の第3の電極指27と、隣り合う第3の電極指27同士を接続している第3のバスバー24とを有し、第1の櫛形電極17及び第2の櫛形電極18とは異なる電位に接続される、第3の電極19とを備える。互いに最も近い位置に配置されている第1の電極指25及び第2の電極指26の間に、第3の電極指27が配置されている。第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27が延びる方向と直交する方向を電極指直交方向としたときに、複数の第1の電極指25、複数の第2の電極指26及び複数の第3の電極指27のうち少なくとも1種の電極指が、電極指直交方向において2本以上連続で配置されている、連続電極指を含む。

Description

弾性波装置
 本発明は、弾性波装置に関する。
 従来、弾性波装置は、携帯電話機のフィルタなどに広く用いられている。近年においては、下記の特許文献1に記載のような、厚み滑りモードのバルク波を用いた弾性波装置が提案されている。この弾性波装置においては、支持体上に圧電層が設けられている。圧電層上に、対となる電極が設けられている。対となる電極は圧電層上において互いに対向しており、かつ互いに異なる電位に接続される。上記電極間に交流電圧を印加することにより、厚み滑りモードのバルク波を励振させている。
米国特許第10491192号明細書
 弾性波装置とは、例えば弾性波共振子であり、例えばラダー型フィルタに用いられる。ラダー型フィルタにおいて良好な特性を得るためには、複数の弾性波共振子間において、静電容量比を大きくする必要がある。この場合、ラダー型フィルタにおける一部の弾性波共振子の静電容量を大きくする必要がある。
 弾性波共振子の静電容量を大きくするためには、例えば、弾性波共振子を大型にすることを要する。よって、当該弾性波共振子をラダー型フィルタに用いる場合には、ラダー型フィルタが大型になりがちである。特に、静電容量の小さい厚み滑りモードのバルク波を利用する弾性波共振子を有するラダー型フィルタは大型化してしまう。
 本発明者らは、弾性波装置の構成を以下の構成とすることにより、弾性波装置がフィルタ装置に用いられた場合に、大型化せずして好適なフィルタ波形を得られることを見出した。当該構成とは、入力電位に接続される電極、及び出力電位に接続される電極の間に、基準電位などの、入力電位及び出力電位と異なる電位に接続される電極を配置する構成である。
 加えて、本発明者らは、単に上記構成を採用しても、十分に通過帯域の帯域幅を十分に広くできないおそれがあることも見出した。
 本発明の目的は、フィルタ装置の小型化を進めることができ、かつ通過帯域の帯域幅を広くすることができる、弾性波装置を提供することにある。
 本発明に係る弾性波装置は、圧電層を含む圧電膜と、前記圧電層上に設けられており、第1のバスバーと、前記第1のバスバーに一端がそれぞれ接続されている複数の第1の電極指とを有し、入力電位に接続される、第1の櫛形電極と、前記圧電層上に設けられており、第2のバスバーと、前記第2のバスバーに一端がそれぞれ接続されており、前記複数の第1の電極指と間挿し合っている複数の第2の電極指とを有し、出力電位に接続される、第2の櫛形電極と、平面視したときに、前記第1の電極指及び前記第2の電極指が並ぶ方向において、前記第1の電極指及び前記第2の電極指と並ぶように、それぞれ前記圧電層上に設けられている複数の第3の電極指と、隣り合う前記第3の電極指同士を接続している第3のバスバーとを有し、前記第1の櫛形電極及び前記第2の櫛形電極とは異なる電位に接続される、第3の電極とを備え、互いに最も近い位置に配置されている前記第1の電極指及び前記第2の電極指の間に、前記第3の電極指が配置されており、前記第1の電極指、前記第2の電極指及び前記第3の電極指が延びる方向と直交する方向を電極指直交方向としたときに、前記複数の第1の電極指、前記複数の第2の電極指及び前記複数の第3の電極指のうち少なくとも1種の電極指が、前記電極指直交方向において2本以上連続で配置されている、連続電極指を含む。
 本発明によれば、フィルタ装置の小型化を進めることができ、かつ通過帯域の帯域幅を広くすることができる、弾性波装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の模式的正面断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態における第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。 図4は、参考例の弾性波装置の模式的平面図である。 図5は、本発明の第1の実施形態及び参考例の通過特性を示す図である。 図6は、奇数モードを説明するための、参考例の第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。 図7は、偶数モードを説明するための、参考例の第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。 図8は、音響結合型フィルタにおいて通過帯域が形成されることを模式的に示す図である。 図9は、d/pを限りなく0に近づけた場合のLiNbOのオイラー角(0°,θ,ψ)に対する比帯域のマップを示す図である。 図10は、本発明の第1の実施形態の変形例における第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。 図11は、本発明の第2の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。 図12は、本発明の第2の実施形態における第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。 図13(a)は、厚み滑りモードのバルク波を利用する弾性波装置の外観を示す略図的斜視図であり、図13(b)は、圧電層上の電極構造を示す平面図である。 図14は、図13(a)中のA-A線に沿う部分の断面図である。 図15(a)は、弾性波装置の圧電膜を伝搬するラム波を説明するための模式的正面断面図であり、図15(b)は、弾性波装置における、圧電膜を伝搬する厚み滑りモードのバルク波を説明するための模式的正面断面図である。 図16は、厚み滑りモードのバルク波の振幅方向を示す図である。 図17は、厚み滑りモードのバルク波を利用する弾性波装置の共振特性を示す図である。 図18は、隣り合う電極の中心間距離をp、圧電層の厚みをdとした場合のd/pと共振子としての比帯域との関係を示す図である。 図19は、厚み滑りモードのバルク波を利用する弾性波装置の平面図である。 図20は、スプリアスが現れている参考例の弾性波装置の共振特性を示す図である。 図21は、比帯域と、スプリアスの大きさとしての180度で規格化されたスプリアスのインピーダンスの位相回転量との関係を示す図である。 図22は、d/2pと、メタライゼーション比MRとの関係を示す図である。 図23は、d/pを限りなく0に近づけた場合のLiNbOのオイラー角(0°,θ,ψ)に対する比帯域のマップを示す図である。 図24は、音響多層膜を有する弾性波装置の正面断面図である。 図25は、ラム波を利用する弾性波装置を説明するための部分切り欠き斜視図である。
 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
 なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の模式的正面断面図である。図2は、第1の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。なお、図1は、図2中のI-I線に沿う模式的断面図である。図2においては、各電極を、ハッチングを付して示す。図2以外の模式的平面図においても同様に、電極にハッチングを付すことがある。
 図1に示す弾性波装置10は、厚み滑りモードを利用可能に構成されている。弾性波装置10は音響結合型フィルタである。以下において、弾性波装置10の構成を説明する。
 弾性波装置10は、圧電性基板12と、機能電極11とを有する。圧電性基板12は圧電性を有する基板である。具体的には、圧電性基板12は、支持部材13と、圧電膜としての圧電層14とを有する。圧電層14は圧電体からなる層である。一方で、本明細書において圧電膜とは、圧電性を有する膜であって、必ずしも圧電体からなる膜を指すものではない。もっとも、本実施形態では、圧電膜は単層の圧電層14であり、圧電体からなる膜である。なお、本発明においては、圧電膜は、圧電層14を含む積層膜であってもよい。本実施形態では、支持部材13は、支持基板16と、絶縁層15とを含む。支持基板16上に絶縁層15が設けられている。絶縁層15上に圧電層14が設けられている。上記に限定されず、支持部材13は支持基板16のみにより構成されていてもよい。あるいは、支持部材13は必ずしも設けられていなくともよい。
 圧電層14は第1の主面14a及び第2の主面14bを有する。第1の主面14a及び第2の主面14bは互いに対向している。第1の主面14a及び第2の主面14bのうち、第2の主面14bが支持部材13側に位置している。本実施形態では、圧電層14はニオブ酸リチウムからなる。具体的には圧電層14は、ZカットのLiNbOからなる。もっとも、圧電層14は、回転Yカットのニオブ酸リチウムからなっていてもよい。あるいは、圧電層14は、LiTaOなどのタンタル酸リチウムからなっていてもよい。本明細書において、ある部材がある材料からなるとは、弾性波装置の電気的特性が大幅に劣化しない程度の微量な不純物が含まれる場合を含む。
 圧電層14の第1の主面14aに、機能電極11が設けられている。図2に示すように、機能電極11は、1対の櫛形電極と、第3の電極19とを有する。1対の櫛形電極は、具体的には、第1の櫛形電極17及び第2の櫛形電極18である。第1の櫛形電極17は入力電位に接続される。第2の櫛形電極18は出力電位に接続される。第3の電極19は、本実施形態においては、基準電位に接続される。なお、第3の電極19は、必ずしも基準電位に接続されなくともよい。第3の電極19は、第1の櫛形電極17及び第2の櫛形電極18とは異なる電位に接続されればよい。もっとも、第3の電極19が基準電位に接続されることが好ましい。
 第1の櫛形電極17及び第2の櫛形電極18は、圧電層14の第1の主面14aに設けられている。第1の櫛形電極17は、第1のバスバー22と、複数の第1の電極指25とを有する。複数の第1の電極指25の一端はそれぞれ、第1のバスバー22に接続されている。第2の櫛形電極18は、第2のバスバー23と、複数の第2の電極指26とを有する。複数の第2の電極指26の一端はそれぞれ、第2のバスバー23に接続されている。
 第1のバスバー22及び第2のバスバー23は互いに対向している。複数の第1の電極指25と複数の第2の電極指26とは互いに間挿し合っている。第1の電極指25及び第2の電極指26が延びる方向と直交する方向において、第1の電極指25及び第2の電極指26は交互に並んでいる。
 第3の電極19は、接続電極としての第3のバスバー24と、複数の第3の電極指27とを有する。複数の第3の電極指27は、圧電層14の第1の主面14aに設けられている。複数の第3の電極指27同士は、第3のバスバー24により電気的に接続されている。
 平面視において、第1の電極指25及び第2の電極指26が並ぶ方向において、第1の電極指25及び第2の電極指26と並ぶように、複数の第3の電極指27がそれぞれ設けられている。よって、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27は、一方向において並んでいる。複数の第3の電極指27は、複数の第1の電極指25及び複数の第2の電極指26と平行に延びている。
 本明細書において平面視とは、図1における上方に相当する方向から、支持部材13及び圧電膜の積層方向に沿って見ることをいう。なお、図1においては、例えば、支持基板16側及び圧電層14側のうち、圧電層14側が上方である。さらに、本明細書において平面視は、主面対向方向から見ることと同義であるとする。主面対向方向とは、圧電層14の第1の主面14a及び第2の主面14bが対向し合う方向である。より具体的には、主面対向方向は、例えば、第1の主面14aの法線方向である。
 以下においては、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27が延びる方向を電極指延伸方向とし、電極指延伸方向と直交する方向を電極指直交方向とする。第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27が並んでいる方向を電極指配列方向としたときに、電極指配列方向は、電極指直交方向と平行である。本明細書では、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27をまとめて、単に電極指と記載することがある。
 図3は、第1の実施形態における第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。
 第1の電極指25及び第2の電極指26の間に、2本ずつの第3の電極指27が設けられている。本実施形態においては、第3の電極指27が連続電極指である。連続電極指とは、電極指直交方向において、2本以上連続で配置されており、かつ同じ電位に接続される電極指である。以下においては、電極指直交方向において2本以上連続で配置されている連続電極指を1組の連続電極指と記載することがある。
 1組の連続電極指を1本の電極指とした場合における、複数の電極指が並んでいる順序は、第1の電極指25から開始した場合において、第1の電極指25、第3の電極指27、第2の電極指26及び第3の電極指27を1周期とする順序である。よって、複数の電極指が並んでいる順序は、第1の電極指25、第3の電極指27、第2の電極指26、第3の電極指27、第1の電極指25、第3の電極指27、第2の電極指26…というように続く。入力電位をIN、出力電位をOUT、基準電位をGNDにより表わし、複数の電極指の順序を接続される電位の順序として表わすと、IN、GND、OUT、GND、IN、GND、OUT…というように続く。
 なお、本発明では、複数の第1の電極指25、複数の第2の電極指26及び複数の第3の電極指27のうち少なくとも1種が、連続電極指を含んでいればよい。例えば、複数の第1の電極指25が連続電極指を含んでいてもよい。この場合、第3の電極指27同士の間に、2本以上連続で第1の電極指25が設けられていればよい。
 一方で、複数の第2の電極指26が連続電極指を含んでいてもよい。この場合、第3の電極指27同士の間に、2本以上連続で第2の電極指26が設けられていればよい。これらの場合においても、互いに最も近い位置に配置されている第1の電極指25及び第2の電極指26の間に、第3の電極指27が配置されていればよい。
 本実施形態では、複数の電極指が設けられている領域において、電極指直交方向における両端部に位置している電極指は、いずれも第3の電極指27である。なお、該領域において、電極指直交方向における端部に位置している電極指は、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27のうちいずれの種類の電極指であってもよい。
 図2に示すように、第3の電極19の接続電極としての第3のバスバー24は、複数の第3の電極指27同士を電気的に接続している。具体的には、第3のバスバー24は、第1のバスバー22と、複数の第2の電極指26の先端との間の領域に位置している。この領域には、複数の第1の電極指25も位置している。もっとも、絶縁膜29によって、第3のバスバー24及び複数の第1の電極指25は、互いに電気的に絶縁されている。
 より具体的には、第3のバスバー24は、複数の第1の接続電極24Aと、1つの第2の接続電極24Bとを含む。各第1の接続電極24Aは、電極指直交方向において連続する4本の第3の電極指27の先端同士を接続している。言い換えれば、各第1の接続電極24Aは、2組の連続電極指の先端同士を接続している。そして、複数の第1の接続電極24A同士を、第2の接続電極24Bが接続している。この第2の接続電極24B及び複数の第1の電極指25の間に、絶縁膜29が設けられている。
 より詳細には、圧電層14の第1の主面14aに、複数の第1の電極指25の一部を覆うように、絶縁膜29が設けられている。絶縁膜29は、第1のバスバー22と、複数の第2の電極指26の先端との間の領域に設けられている。絶縁膜29は帯状の形状を有する。
 絶縁膜29は、第3の電極19の第1の接続電極24A上には至っていない。そして、絶縁膜29上及び複数の第1の接続電極24A上にわたり、第2の接続電極24Bが設けられている。具体的には、第2の接続電極24Bは、バー部24aと、複数の突出部24bとを有する。バー部24aから、各突出部24bが、各第1の接続電極24Aに向かって延びている。各突出部24bは、各第1の接続電極24Aに接続されている。これにより、複数の第3の電極指27同士が、第1の接続電極24A及び第2の接続電極24Bによって、電気的に接続されている。
 本実施形態では、第3のバスバー24は、第1のバスバー22と、複数の第2の電極指26の先端との間の領域に位置している。そのため、複数の第2の電極指26の先端はそれぞれ、電極指延伸方向において、ギャップを隔てて、第3のバスバー24と対向している。一方で、複数の第1の電極指25の先端はそれぞれ、電極指延伸方向において、ギャップを隔てて、第2のバスバー23と対向している。
 なお、第3のバスバー24は、第2のバスバー23と、複数の第1の電極指25の先端との間の領域に位置していてもよい。この場合、複数の第1の電極指25の先端はそれぞれ、ギャップを隔てて、第3のバスバー24と対向している。一方で、複数の第2の電極指26の先端はそれぞれ、ギャップを隔てて、第1のバスバー22と対向している。
 弾性波装置10は、厚み滑りモードのバルク波を利用可能に構成された弾性波共振子である。図2に示すように、弾性波装置10は、複数の励振領域Cを有する。複数の励振領域Cにおいて、厚み滑りモードのバルク波や、他のモードの弾性波が励振される。なお、図2においては、複数の励振領域Cのうち2つの励振領域Cのみを示している。
 励振領域Cの一方端縁部は、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27のうち、1組の連続電極指と隣接し、かつ該1組の連続電極指と異なる電位に接続される電極指の、電極指直交方向における中心である。他方端縁部は、該1組の連続電極指の電極指直交方向における中心である。励振領域Cの両端縁部間の距離をpとする。
 本実施形態では、全ての励振領域Cのうち一部の複数の励振領域Cは、第1の電極指25の電極指直交方向における中心と、該第1の電極指25と隣接する1組の連続電極指の電極指直交方向における中心との間の領域である。残りの複数の励振領域Cは、第2の電極指26の電極指直交方向における中心と、該第2の電極指26と隣接する1組の連続電極指の電極指直交方向における中心との間の領域である。これらの励振領域Cが、電極指直交方向において並んでいる。
 弾性波装置10では、機能電極11において、第3の電極19を除いた構成は、IDT(Interdigital Transducer)電極の構成と同様である。電極指直交方向から見たときに、隣り合う第1の電極指25及び第2の電極指26が重なり合っている領域が交叉領域Eである。もっとも、交叉領域Eは、電極指直交方向から見たときに、隣り合う第1の電極指25及び第3の電極指27、または隣り合う第2の電極指26及び第3の電極指27が重なり合っている領域であるともいえる。交叉領域Eは複数の励振領域Cを含む。なお、交叉領域E及び励振領域Cは、機能電極11の構成に基づいて定義される、圧電層14の領域である。
 以下においては、図3に示すように、連続電極指と異なる電位に接続される電極指のうち一方の電極指の幅をm1、他方の電極指の幅をm2、連続電極指の幅をmeとする。本実施形態では、第1の電極指25の幅がm1である。第2の電極指26の幅がm2である。第3の電極指27の幅がmeある。電極指の幅とは、電極指の電極指直交方向に沿う寸法である。
 連続電極指と隣接しており、かつ該連続電極指と異なる電位に接続される電極指と、該連続電極指との間の距離をg1とする。隣り合う連続電極指同士の間の距離をg2とする。なお、距離g1及び距離g2は、電極指の端縁部同士の距離である。ここでいう電極指の端縁部とは、平面視したときの、該電極指における電極指直交方向における端縁部である。
 本実施形態では、第1の電極指25の第3の電極指27側の端縁部と、第3の電極指27の第1の電極指25側の端縁部との間の距離がg1である。同様に、第2の電極指26の第3の電極指27側の端縁部と、第3の電極指27の第2の電極指26側の端縁部との間の距離がg1である。隣り合う第3の電極指27の、互いに近い方の端縁部同士の間の距離がg2である。
 連続電極指と異なる電位に接続され、互いに異なる電位に接続される2種の電極指のうち、互いに最も近い位置に配置されている電極指同士の中心間距離をpxとする。本実施形態では、互いに最も近い位置に配置されている第1の電極指25及び第2の電極指26の中心間距離がpxである。
 第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27はAlからなる。なお、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27の材料はAlに限定されない。あるいは、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27は、例えば、積層金属膜からなっていてもよい。
 本実施形態の特徴は、以下の構成を有することにある。1)平面視において、互いに最も近い位置に配置されている第1の電極指25及び第2の電極指26の間に、第3の電極指27が配置されていること。2)複数の第1の電極指25、複数の第2の電極指26及び複数の第3の電極指27のうち少なくとも1種の電極指が、連続電極指を含むこと。それによって、弾性波装置10がフィルタ装置に用いられる場合において、フィルタ装置の小型化を進めることができ、かつ通過帯域の帯域幅を広くすることができる。これを、本実施形態及び参考例を比較することにより、以下において説明する。
 参考例は、図4に示すように、機能電極が連続電極指を有しない点において、第1の実施形態と異なる。参考例の弾性波装置は音響結合型フィルタである。第1の実施形態及び参考例において、通過特性を比較した。第1の実施形態の構成を有する弾性波装置10の設計パラメータは以下の通りである。ここで、圧電膜の厚みをdとする。なお、第1の実施形態においては、厚みdは圧電層14の厚みである。
 圧電層:材料…ZカットのLiNbO、厚みd…400nm
 第1~第3の電極指の材料:Al
 第1~第3の電極指の厚み…400nm
 第1~第3の電極指の幅:第1の電極指の幅m1…420nm、第2の電極指の幅m2…420nm、第3の電極指の幅me…350nm
 第1の電極指及び第3の電極指の間の距離g1並びに第2の電極指及び第3の電極指の間の距離g1:等しくした。
 隣り合う第3の電極指同士の間の距離g2:140nm
 第1の電極指及び第2の電極指の中心間距離px:2.8μm
 参考例の設計パラメータは、距離g2が0である点以外においては、第1の実施形態の上記設計パラメータと同じとした。
 図5は、第1の実施形態及び参考例の通過特性を示す図である。図5では、S21通過特性を示している。
 図5に示すように、第1の実施形態及び参考例においては、いずれも通過帯域を得られている。第1の実施形態においては、通過帯域の帯域幅を、参考例における通過帯域の帯域幅よりも広くできていることがわかる。
 第1の実施形態の弾性波装置10は音響結合型フィルタである。図2に示すように、弾性波装置10は、第1の電極指25の電極指直交方向における中心と、該第1の電極指25と隣接する1組の連続電極指の電極指直交方向における中心との間に位置する励振領域Cを有する。弾性波装置10は、第2の電極指26の電極指直交方向における中心と、該第2の電極指26と隣接する1組の連続電極指の電極指直交方向における中心との間に位置する励振領域Cを有する。これらの励振領域Cにおいて、複数のモードの弾性波が励振される。
 なお、参考例の弾性波装置も複数の励振領域を有する。参考例における励振領域は、隣り合う第1の電極指25及び第3の電極指27の中心間に位置する領域、並びに隣り合う第2の電極指26及び第3の電極指27の中心間に位置する領域である。
 図6は、奇数モードを説明するための、参考例の第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。図7は、偶数モードを説明するための、参考例の第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。図8は、音響結合型フィルタにおいて通過帯域が形成されることを模式的に示す図である。図6及び図7中の矢印は電界の方向を示している。
 音響結合型フィルタにおいては、図6に示す奇数モード、及び図7に示す偶数モードが生じる。奇数モードとは、電気的条件が同位相のモードである。図6においては、奇数モードの1波長に相当する領域を示している。奇数モードの1波長は、隣り合う第1の電極指25及び第2の電極指26の中心間距離pxである。奇数モードの波長をλoとしたときに、λo=pxである。よって、奇数モードの半波長(1/2)λoは、0.5pxである。
 偶数モードとは、電気的条件が逆位相となるモードである。図7においては、偶数モードの半波長に相当する領域を示している。偶数モードの半波長は、隣り合う第1の電極指25及び第2の電極指26の中心間距離pxである。偶数モードの波長をλeとしたときに、(1/2)λe=pxである。偶数モードの波長λeは奇数モードの波長λoの2倍である。
 図8に示すように、音響結合型フィルタにおいて、偶数モード及び奇数モードにより通過帯域が形成される。偶数モードは、通過帯域の低域側の端部を構成する。奇数モードは、通過帯域の高域側の端部を構成する。
 図6~図8に示すモードや通過帯域は、参考例の音響結合型フィルタの構成に基づく。そして、第1の実施形態においても、参考例と同様に、奇数モード及び偶数モードにより通過帯域が形成される。このように、1個の弾性波装置10においても、フィルタ波形を好適に得ることができる。弾性波共振子として弾性波装置10をフィルタ装置に用いる場合に、フィルタ装置を構成する弾性波共振子が1個、あるいは少ない個数でもフィルタ波形を好適に得ることができる。よって、フィルタ装置の小型化を進めることができる。
 加えて、第1の実施形態では、機能電極11が連続電極指を有する。それによって、モードを制御することができ、通過帯域の幅を広くすることができる。
 第1の実施形態のように、第3の電極指27が連続電極指であることが好ましい。それによって、好適なフィルタ特性を得ることができる。
 より詳細には、図7に示すように、参考例においては、偶数モードの半波長に相当する領域において、第3の電極指27によって、質量が付加される。第1の実施形態においても同様である。もっとも、第1の実施形態においては、第3の電極指27は連続電極指である。1組の連続電極指としての複数の第3の電極指27の配置及び幅などを調整することによって、偶数モードの半波長に相当する領域において、質量の付加を容易に調整することができる。これにより、偶数モードの周波数を調整することができ、好適なフィルタ特性を得ることができる。
 図3に示す第1の実施形態のように、距離g1及び距離g2の関係が、g2≦g1であることが好ましい。それによって、連続電極指を設けたことによる、奇数モードに対する影響を小さくすることができる。これにより、フィルタ特性が劣化し難い。
 以下において、本実施形態の構成をより詳細に説明する。
 図1に示すように、支持部材13は、支持基板16と絶縁層15とからなる。圧電性基板12は、支持基板16と、絶縁層15と、圧電層14との積層体である。すなわち、圧電層14及び支持部材13は、圧電層14の第1の主面14a及び第2の主面14bが対向している方向から見たときに、重なっている。
 支持基板16の材料としては、例えば、シリコンなどの半導体や、酸化アルミニウムなどのセラミックスなどを用いることができる。絶縁層15の材料としては、酸化ケイ素または酸化タンタルなどの、適宜の誘電体を用いることができる。
 絶縁層15には凹部が設けられている。絶縁層15上に、凹部を塞ぐように、圧電膜としての圧電層14が設けられている。これにより、中空部が構成されている。この中空部が空洞部10aである。本実施形態では、支持部材13の一部及び圧電膜の一部が、空洞部10aを挟み互いに対向するように、支持部材13と圧電膜とが配置されている。もっとも、支持部材13における凹部は、絶縁層15及び支持基板16にわたり設けられていてもよい。あるいは、支持基板16のみに設けられた凹部が、絶縁層15により塞がれていてもよい。凹部は、例えば、圧電層14に設けられていても構わない。なお、空洞部10aは、支持部材13に設けられた貫通孔であってもよい。
 空洞部10aは、本発明における音響反射部である。音響反射部により、弾性波のエネルギーを圧電層14側に効果的に閉じ込めることができる。音響反射部は、平面視において、支持部材13における、機能電極11の少なくとも一部と重なる位置に設けられていればよい。より具体的には、平面視において、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27のそれぞれの少なくとも一部が、音響反射部と重なっていればよい。平面視において、複数の励振領域Cが、音響反射部と重なっていることが好ましい。
 なお、音響反射部は、後述する、音響多層膜などの音響反射膜であってもよい。例えば、支持部材の表面上に、音響反射膜が設けられていてもよい。
 上記のように、励振領域Cの一方端縁部は、第1の電極指25、第2の電極指26及び第3の電極指27のうち、1組の連続電極指と隣接し、かつ該1組の連続電極指と異なる電位に接続される電極指の、電極指直交方向における中心である。他方端縁部は、該1組の連続電極指の電極指直交方向における中心である。励振領域Cの両端縁部間の距離がpである。この場合、圧電膜の厚みをdとしたときに、d/pが0.5以下であることが好ましく、d/pが0.24以下であることがより好ましい。これにより、厚み滑りモードのバルク波が好適に励振される。なお、第1の実施形態では、厚みdは圧電層14の厚みである。
 本発明の弾性波装置は、必ずしも厚み滑りモードのバルク波を利用可能に構成されていなくともよい。例えば、本発明の弾性波装置は、板波を励振可能に構成されていてもよい。この場合、励振領域は図2に示す交叉領域Eである。
 上記のように、本実施形態においては、圧電層14はZカットのLiNbOからなる。もっとも、圧電層14は回転Yカットのニオブ酸リチウムからなっていてもよい。この場合、弾性波装置10の比帯域は、圧電層14に用いられているニオブ酸リチウムのオイラー角(φ,θ,ψ)に依存する。比帯域とは、共振周波数をfr、反共振周波数をfaとしたときに、(|fa-fr|/fr)×100[%]により表される。
 d/pを限りなく0に近づけた場合における、弾性波装置10の比帯域と、圧電層14のオイラー角(φ,θ,ψ)との関係を導出した。なお、オイラー角におけるφは0°とした。
 図9は、d/pを限りなく0に近づけた場合のLiNbOのオイラー角(0°,θ,ψ)に対する比帯域のマップを示す図である。
 図9のハッチングを付して示した領域Rが、少なくとも2%以上の比帯域が得られる領域である。領域Rの範囲を近似すると、下記の式(1)、式(2)及び式(3)で表される範囲となる。なお、オイラー角(φ,θ,ψ)におけるφが0°±10°以内の範囲である場合には、θ及びψと、比帯域との関係は、図9に示す関係と同様である。圧電層14がタンタル酸リチウム層である場合も、オイラー角(0°±10°の範囲内,θ,ψ)におけるθ及びψと、比帯域との関係は、図9に示す関係と同様である。
 (0°±10°の範囲内,0°~25°,任意のψ)  …式(1)
 (0°±10°の範囲内,25°~100°,0°~75°[(1-(θ-50)/2500)]1/2 または 180°-75°[(1-(θ-50)/2500)]1/2~180°)  …式(2)
 (0°±10°の範囲内,180°-40°[(1-(ψ-90)/8100)]1/2~180°,任意のψ)  …式(3)
 上記式(1)、式(2)または式(3)のオイラー角の範囲であることが好ましい。それによって、比帯域の値を十分に大きくすることができる。これにより、弾性波装置10をフィルタ装置に好適に用いることができる。
 第1の実施形態では、連続電極指としての第3の電極指27は、電極指直交方向において、2本連続で配置されている。なお、連続電極指が電極指直交方向において連続で配置されている本数は2本に限定されない。例えば、図10に示す第1の実施形態の変形例においては、連続電極指である第3の電極指27が、電極指直交方向において3本連続で配置されている。この場合、1組の連続電極指は、3本の第3の電極指27である。本変形例においても、第1の実施形態と同様に、弾性波装置がフィルタ装置に用いられる場合に、フィルタ装置の小型化を進めることができ、かつ通過帯域の帯域幅を広くすることができる。
 図11は、第2の実施形態に係る弾性波装置の模式的平面図である。図12は、第2の実施形態における第1~第3の電極指付近を示す模式的正面断面図である。
 図11及び図12に示すように、本実施形態は、第3の電極19が圧電層14の第2の主面14bに設けられている点において、第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、本実施形態の弾性波装置は第1の実施形態の弾性波装置10と同様の構成を有する。
 第3の電極19の平面視における配置は、第1の実施形態と同様である。よって、平面視したときに、第1の電極指25及び第2の電極指26が並ぶ方向において、第1の電極指25及び第2の電極指26と並ぶように、複数の第3の電極指27がそれぞれ圧電層14の第2の主面14bに設けられている。平面視において、連続電極指である複数の第3の電極指27は、第1の電極指25及び第2の電極指26の間に位置している。
 本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、弾性波装置がフィルタ装置に用いられる場合において、フィルタ装置の小型化を進めることができ、かつ通過帯域の帯域幅を広くすることができる。
 以下において、機能電極がIDT電極である例を用いて、厚み滑りモードの詳細を説明する。なお、IDT電極は第3の電極を有しない。後述するIDT電極における「電極」は、電極指に相当する。以下の例における支持部材は、本発明における支持基板に相当する。以下においては、基準電位をグラウンド電位と記載することもある。
 図13(a)は、厚み滑りモードのバルク波を利用する弾性波装置の外観を示す略図的斜視図であり、図13(b)は、圧電層上の電極構造を示す平面図であり、図14は、図13(a)中のA-A線に沿う部分の断面図である。
 弾性波装置1は、LiNbOからなる圧電層2を有する。圧電層2は、LiTaOからなるものであってもよい。LiNbOやLiTaOのカット角は、Zカットであるが、回転YカットやXカットであってもよい。圧電層2の厚みは、特に限定されないが、厚み滑りモードを効果的に励振するには、40nm以上、1000nm以下であることが好ましく、50nm以上、1000nm以下であることがより好ましい。圧電層2は、対向し合う第1,第2の主面2a,2bを有する。第1の主面2a上に、電極3及び電極4が設けられている。ここで電極3が「第1電極」の一例であり、電極4が「第2電極」の一例である。図13(a)及び図13(b)では、複数の電極3が、第1のバスバー5に接続されている。複数の電極4は、第2のバスバー6に接続されている。複数の電極3及び複数の電極4は、互いに間挿し合っている。電極3及び電極4は、矩形形状を有し、長さ方向を有する。この長さ方向と直交する方向において、電極3と、隣りの電極4とが対向している。電極3,4の長さ方向、及び、電極3,4の長さ方向と直交する方向はいずれも、圧電層2の厚み方向に交叉する方向である。このため、電極3と、隣りの電極4とは、圧電層2の厚み方向に交叉する方向において対向しているともいえる。また、電極3,4の長さ方向が図13(a)及び図13(b)に示す電極3,4の長さ方向に直交する方向と入れ替わってもよい。すなわち、図13(a)及び図13(b)において、第1のバスバー5及び第2のバスバー6が延びている方向に電極3,4を延ばしてもよい。その場合、第1のバスバー5及び第2のバスバー6は、図13(a)及び図13(b)において電極3,4が延びている方向に延びることとなる。そして、一方電位に接続される電極3と、他方電位に接続される電極4とが隣り合う1対の構造が、上記電極3,4の長さ方向と直交する方向に、複数対設けられている。ここで電極3と電極4とが隣り合うとは、電極3と電極4とが直接接触するように配置されている場合ではなく、電極3と電極4とが間隔を介して配置されている場合を指す。また、電極3と電極4とが隣り合う場合、電極3と電極4との間には、他の電極3,4を含む、ホット電極やグラウンド電極に接続される電極は配置されない。この対数は、整数対である必要はなく、1.5対や2.5対などであってもよい。電極3,4間の中心間距離すなわちピッチは、1μm以上、10μm以下の範囲が好ましい。また、電極3,4の幅、すなわち電極3,4の対向方向の寸法は、50nm以上、1000nm以下の範囲であることが好ましく、150nm以上、1000nm以下の範囲であることがより好ましい。なお、電極3,4間の中心間距離とは、電極3の長さ方向と直交する方向における電極3の寸法(幅寸法)の中心と、電極4の長さ方向と直交する方向における電極4の寸法(幅寸法)の中心とを結んだ距離となる。
 また、弾性波装置1では、Zカットの圧電層を用いているため、電極3,4の長さ方向と直交する方向は、圧電層2の分極方向に直交する方向となる。圧電層2として他のカット角の圧電体を用いた場合には、この限りでない。ここにおいて、「直交」とは、厳密に直交する場合のみに限定されず、略直交(電極3,4の長さ方向と直交する方向と分極方向とのなす角度が例えば90°±10°の範囲内)でもよい。
 圧電層2の第2の主面2b側には、絶縁層7を介して支持部材8が積層されている。絶縁層7及び支持部材8は、枠状の形状を有し、図14に示すように、貫通孔7a,8aを有する。それによって、空洞部9が形成されている。空洞部9は、圧電層2の励振領域Cの振動を妨げないために設けられている。従って、上記支持部材8は、少なくとも1対の電極3,4が設けられている部分と重ならない位置において、第2の主面2bに絶縁層7を介して積層されている。なお、絶縁層7は設けられずともよい。従って、支持部材8は、圧電層2の第2の主面2bに直接または間接に積層され得る。
 絶縁層7は、酸化ケイ素からなる。もっとも、酸化ケイ素の他、酸窒化ケイ素、アルミナなどの適宜の絶縁性材料を用いることができる。支持部材8は、Siからなる。Siの圧電層2側の面における面方位は(100)や(110)であってもよく、(111)であってもよい。支持部材8を構成するSiは、抵抗率4kΩcm以上の高抵抗であることが望ましい。もっとも、支持部材8についても適宜の絶縁性材料や半導体材料を用いて構成することができる。
 支持部材8の材料としては、例えば、酸化アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、水晶などの圧電体、アルミナ、マグネシア、サファイア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライトなどの各種セラミック、ダイヤモンド、ガラスなどの誘電体、窒化ガリウムなどの半導体などを用いることができる。
 上記複数の電極3,4及び第1,第2のバスバー5,6は、Al、AlCu合金などの適宜の金属もしくは合金からなる。弾性波装置1では、電極3,4及び第1,第2のバスバー5,6は、Ti膜上にAl膜を積層した構造を有する。なお、Ti膜以外の密着層を用いてもよい。
 駆動に際しては、複数の電極3と、複数の電極4との間に交流電圧を印加する。より具体的には、第1のバスバー5と第2のバスバー6との間に交流電圧を印加する。それによって、圧電層2において励振される厚み滑りモードのバルク波を利用した、共振特性を得ることが可能とされている。また、弾性波装置1では、圧電層2の厚みをd、複数対の電極3,4のうちいずれかの隣り合う電極3,4の中心間距離をpとした場合、d/pは0.5以下とされている。そのため、上記厚み滑りモードのバルク波が効果的に励振され、良好な共振特性を得ることができる。より好ましくは、d/pは0.24以下であり、その場合には、より一層良好な共振特性を得ることができる。
 弾性波装置1では、上記構成を備えるため、小型化を図ろうとして、電極3,4の対数を小さくしたとしても、Q値の低下が生じ難い。これは、両側の反射器における電極指の本数を少なくしても、伝搬ロスが少ないためである。また、上記電極指の本数を少なくできるのは、厚み滑りモードのバルク波を利用していることによる。弾性波装置で利用したラム波と、上記厚み滑りモードのバルク波の相違を、図15(a)及び図15(b)を参照して説明する。
 図15(a)は、日本公開特許公報 特開2012-257019号公報に記載のような弾性波装置の圧電膜を伝搬するラム波を説明するための模式的正面断面図である。ここでは、圧電膜201中を矢印で示すように波が伝搬する。ここで、圧電膜201では、第1の主面201aと、第2の主面201bとが対向しており、第1の主面201aと第2の主面201bとを結ぶ厚み方向がZ方向である。X方向は、IDT電極の電極指が並んでいる方向である。図15(a)に示すように、ラム波では、波が図示のように、X方向に伝搬していく。板波であるため、圧電膜201が全体として振動するものの、波はX方向に伝搬するため、両側に反射器を配置して、共振特性を得ている。そのため、波の伝搬ロスが生じ、小型化を図った場合、すなわち電極指の対数を少なくした場合、Q値が低下する。
 これに対して、図15(b)に示すように、弾性波装置1では、振動変位は厚み滑り方向であるから、波は、圧電層2の第1の主面2aと第2の主面2bとを結ぶ方向、すなわちZ方向にほぼ伝搬し、共振する。すなわち、波のX方向成分がZ方向成分に比べて著しく小さい。そして、このZ方向の波の伝搬により共振特性が得られるため、反射器の電極指の本数を少なくしても、伝搬損失は生じ難い。さらに、小型化を進めようとして、電極3,4からなる電極対の対数を減らしたとしても、Q値の低下が生じ難い。
 なお、厚み滑りモードのバルク波の振幅方向は、図16に示すように、圧電層2の励振領域Cに含まれる第1領域451と、励振領域Cに含まれる第2領域452とで逆になる。図16では、電極3と電極4との間に、電極4が電極3よりも高電位となる電圧が印加された場合のバルク波を模式的に示してある。第1領域451は、励振領域Cのうち、圧電層2の厚み方向に直交し圧電層2を2分する仮想平面VP1と、第1の主面2aとの間の領域である。第2領域452は、励振領域Cのうち、仮想平面VP1と、第2の主面2bとの間の領域である。
 上記のように、弾性波装置1では、電極3と電極4とからなる少なくとも1対の電極が配置されているが、X方向に波を伝搬させるものではないため、この電極3,4からなる電極対の対数は複数対ある必要はない。すなわち、少なくとも1対の電極が設けられてさえおればよい。
 例えば、上記電極3がホット電位に接続される電極であり、電極4がグラウンド電位に接続される電極である。もっとも、電極3がグラウンド電位に、電極4がホット電位に接続されてもよい。弾性波装置1では、少なくとも1対の電極は、上記のように、ホット電位に接続される電極またはグラウンド電位に接続される電極であり、浮き電極は設けられていない。
 図17は、図14に示す弾性波装置の共振特性を示す図である。なお、この共振特性を得た弾性波装置1の設計パラメータは以下の通りである。
 圧電層2:オイラー角(0°,0°,90°)のLiNbO、厚み=400nm。
 電極3と電極4の長さ方向と直交する方向に見たときに、電極3と電極4とが重なっている領域、すなわち励振領域Cの長さ=40μm、電極3,4からなる電極の対数=21対、電極間中心距離=3μm、電極3,4の幅=500nm、d/p=0.133。
 絶縁層7:1μmの厚みの酸化ケイ素膜。
 支持部材8:Si。
 なお、励振領域Cの長さとは、励振領域Cの電極3,4の長さ方向に沿う寸法である。
 弾性波装置1では、電極3,4からなる電極対の電極間距離は、複数対において全て等しくした。すなわち、電極3と電極4とを等ピッチで配置した。
 図17から明らかなように、反射器を有しないにも関わらず、比帯域が12.5%である良好な共振特性が得られている。
 ところで、上記圧電層2の厚みをd、電極3と電極4との電極の中心間距離をpとした場合、前述したように、弾性波装置1では、d/pは0.5以下、より好ましくは0.24以下である。これを、図18を参照して説明する。
 図17に示した共振特性を得た弾性波装置と同様に、但しd/pを変化させ、複数の弾性波装置を得た。図18は、このd/pと、弾性波装置の共振子としての比帯域との関係を示す図である。
 図18から明らかなように、d/p>0.5では、d/pを調整しても、比帯域は5%未満である。これに対して、d/p≦0.5の場合には、その範囲内でd/pを変化させれば、比帯域を5%以上とすることができ、すなわち高い結合係数を有する共振子を構成することができる。また、d/pが0.24以下の場合には、比帯域を7%以上と高めることができる。加えて、d/pをこの範囲内で調整すれば、より一層比帯域の広い共振子を得ることができ、より一層高い結合係数を有する共振子を実現することができる。従って、d/pを0.5以下とすることにより、上記厚み滑りモードのバルク波を利用した、高い結合係数を有する共振子を構成し得ることがわかる。
 図19は、厚み滑りモードのバルク波を利用する弾性波装置の平面図である。弾性波装置80では、圧電層2の第1の主面2a上において、電極3と電極4とを有する1対の電極が設けられている。なお、図19中のKが交叉幅となる。前述したように、本発明の弾性波装置では、電極の対数は1対であってもよい。この場合においても、上記d/pが0.5以下であれば、厚み滑りモードのバルク波を効果的に励振することができる。
 弾性波装置1では、好ましくは、複数の電極3,4において、いずれかの隣り合う電極3,4が対向している方向に見たときに重なっている領域である励振領域Cに対する、上記隣り合う電極3,4のメタライゼーション比MRが、MR≦1.75(d/p)+0.075を満たすことが望ましい。その場合には、スプリアスを効果的に小さくすることができる。これを、図20及び図21を参照して説明する。図20は、上記弾性波装置1の共振特性の一例を示す参考図である。矢印Bで示すスプリアスが、共振周波数と反共振周波数との間に現れている。なお、d/p=0.08として、かつLiNbOのオイラー角(0°,0°,90°)とした。また、上記メタライゼーション比MR=0.35とした。
 メタライゼーション比MRを、図13(b)を参照して説明する。図13(b)の電極構造において、1対の電極3,4に着目した場合、この1対の電極3,4のみが設けられるとする。この場合、一点鎖線で囲まれた部分が励振領域Cとなる。この励振領域Cとは、電極3と電極4とを、電極3,4の長さ方向と直交する方向すなわち対向方向に見たときに電極3における電極4と重なり合っている領域、電極4における電極3と重なり合っている領域、及び、電極3と電極4との間の領域における電極3と電極4とが重なり合っている領域である。そして、この励振領域Cの面積に対する、励振領域C内の電極3,4の面積が、メタライゼーション比MRとなる。すなわち、メタライゼーション比MRは、メタライゼーション部分の面積の励振領域Cの面積に対する比である。
 なお、複数対の電極が設けられている場合、励振領域の面積の合計に対する全励振領域に含まれているメタライゼーション部分の割合をMRとすればよい。
 図21は弾性波装置1の構成に従って、多数の弾性波共振子を構成した場合の比帯域と、スプリアスの大きさとしての180度で規格化されたスプリアスのインピーダンスの位相回転量との関係を示す図である。なお、比帯域については、圧電層の膜厚や電極の寸法を種々変更し、調整した。また、図21は、ZカットのLiNbOからなる圧電層を用いた場合の結果であるが、他のカット角の圧電層を用いた場合においても、同様の傾向となる。
 図21中の楕円Jで囲まれている領域では、スプリアスが1.0と大きくなっている。図21から明らかなように、比帯域が0.17を超えると、すなわち17%を超えると、スプリアスレベルが1以上の大きなスプリアスが、比帯域を構成するパラメータを変化させたとしても、通過帯域内に現れる。すなわち、図20に示す共振特性のように、矢印Bで示す大きなスプリアスが帯域内に現れる。よって、比帯域は17%以下であることが好ましい。この場合には、圧電層2の膜厚や電極3,4の寸法などを調整することにより、スプリアスを小さくすることができる。
 図22は、d/2pと、メタライゼーション比MRと、比帯域との関係を示す図である。上記弾性波装置において、d/2pと、MRが異なる様々な弾性波装置を構成し、比帯域を測定した。図22の破線Dの右側のハッチングを付して示した部分が、比帯域が17%以下の領域である。このハッチングを付した領域と、付していない領域との境界は、MR=3.5(d/2p)+0.075で表される。すなわち、MR=1.75(d/p)+0.075である。従って、好ましくは、MR≦1.75(d/p)+0.075である。その場合には、比帯域を17%以下としやすい。より好ましくは、図22中の一点鎖線D1で示すMR=3.5(d/2p)+0.05の右側の領域である。すなわち、MR≦1.75(d/p)+0.05であれば、比帯域を確実に17%以下にすることができる。
 図23は、d/pを限りなく0に近づけた場合のLiNbOのオイラー角(0°,θ,ψ)に対する比帯域のマップを示す図である。図23において示す、ハッチングを付して示した複数の領域Rがそれぞれ、2%以上の比帯域が得られる領域である。なお、オイラー角(φ,θ,ψ)におけるφが0°±5°の範囲内である場合には、θ及びψと比帯域との関係は、図23に示す関係と同様である。圧電層がタンタル酸リチウム(LiTaO)からなる場合においても、オイラー角(0°±5°の範囲内,θ,ψ)におけるθ及びψと、BWとの関係は、図23に示す関係と同様である。
 従って、圧電層を構成しているニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムのオイラー角(φ,θ,ψ)におけるφが0°±5°の範囲内であり、θ及びφが、図23に示す複数の領域Rのいずれかの範囲内であれば、比帯域を十分に広くすることができ、好ましい。
 図24は、音響多層膜を有する弾性波装置の正面断面図である。
 弾性波装置81では、圧電層2の第2の主面2bに音響多層膜82が積層されている。音響多層膜82は、音響インピーダンスが相対的に低い低音響インピーダンス層82a,82c,82eと、音響インピーダンスが相対的に高い高音響インピーダンス層82b,82dとの積層構造を有する。音響多層膜82を用いた場合、弾性波装置1における空洞部9を用いずとも、厚み滑りモードのバルク波を圧電層2内に閉じ込めることができる。弾性波装置81においても、上記d/pを0.5以下とすることにより、厚み滑りモードのバルク波に基づく共振特性を得ることができる。なお、音響多層膜82においては、その低音響インピーダンス層82a,82c,82e及び高音響インピーダンス層82b,82dの積層数は特に限定されない。低音響インピーダンス層82a,82c,82eよりも、少なくとも1層の高音響インピーダンス層82b,82dが圧電層2から遠い側に配置されておりさえすればよい。
 上記低音響インピーダンス層82a,82c,82e及び高音響インピーダンス層82b,82dは、上記音響インピーダンスの関係を満たす限り、適宜の材料で構成することができる。例えば、低音響インピーダンス層82a,82c,82eの材料としては、酸化ケイ素または酸窒化ケイ素などを挙げることができる。また、高音響インピーダンス層82b,82dの材料としては、アルミナ、窒化ケイ素または金属などを挙げることができる。
 図25は、ラム波を利用する弾性波装置を説明するための部分切り欠き斜視図である。
 弾性波装置91は、支持基板92を有する。支持基板92には、上面に開いた凹部が設けられている。支持基板92上に圧電層93が積層されている。それによって、空洞部9が構成されている。この空洞部9の上方において圧電層93上に、IDT電極94が設けられている。IDT電極94の弾性波伝搬方向両側に、反射器95,96が設けられている。図25において、空洞部9の外周縁を破線で示す。ここでは、IDT電極94は、第1,第2のバスバー94a,94bと、複数本の第1の電極指94c及び複数本の第2の電極指94dとを有する。複数本の第1の電極指94cは、第1のバスバー94aに接続されている。複数本の第2の電極指94dは、第2のバスバー94bに接続されている。複数本の第1の電極指94cと、複数本の第2の電極指94dとは間挿し合っている。
 弾性波装置91では、上記空洞部9上のIDT電極94に、交流電界を印加することにより、板波としてのラム波が励振される。そして、反射器95,96が両側に設けられているため、上記ラム波による共振特性を得ることができる。
 このように、本発明の弾性波装置は、板波を利用するものであってもよい。なお、図25に示す例では、図1などに示す圧電層14の第1の主面14aに相当する主面に、IDT電極94、反射器95及び反射器96が設けられている。一方で、本発明の弾性波装置では、第1の主面14aに1対の櫛形電極が設けられており、第1の主面14aまたは第2の主面14bに複数の第3の電極指が設けられている。本発明の弾性波装置が板波を利用するものである場合、第1の実施形態、第2の実施形態及び変形例における圧電層14の第1の主面14aに、上記反射器95及び反射器96が設けられていればよい。この場合、平面視したときに、1対の櫛形電極及び複数の第3の電極指を、電極指直交方向において、反射器95及び反射器96が挟んでいればよい。
 第1の実施形態、第2の実施形態及び変形例の弾性波装置においては、例えば、支持部材及び圧電膜としての圧電層の間に、音響反射膜としての、図24に示す音響多層膜82が設けられていてもよい。具体的には、支持部材の少なくとも一部及び圧電膜の少なくとも一部が、音響多層膜82を挟み互いに対向するように、支持部材と圧電膜とが配置されていてもよい。この場合、音響多層膜82において、低音響インピーダンス層と高音響インピーダンス層とが交互に積層されていればよい。音響多層膜82が、弾性波装置における音響反射部であってもよい。
 厚み滑りモードのバルク波を利用する第1の実施形態、第2の実施形態及び変形例の弾性波装置においては、上記のように、d/pが0.5以下であることが好ましく、0.24以下であることがより好ましい。それによって、より一層良好な共振特性を得ることができる。
 さらに、厚み滑りモードのバルク波を利用する第1の実施形態、第2の実施形態及び変形例の弾性波装置の励振領域においては、上記のように、MR≦1.75(d/p)+0.075を満たすことが好ましい。より具体的には、励振領域に対する、第1の電極指、第2の電極指及び第3の電極指のうち連続電極指以外の電極指、及び連続電極指のメタライゼーション比をMRとしたときに、MR≦1.75(d/p)+0.075を満たすことが好ましい。この場合には、スプリアスをより確実に抑制することができる。
1…弾性波装置
2…圧電層
2a,2b…第1,第2の主面
3,4…電極
5,6…第1,第2のバスバー
7…絶縁層
7a…貫通孔
8…支持部材
8a…貫通孔
9…空洞部
10…弾性波装置
10a…空洞部
11…機能電極
12…圧電性基板
13…支持部材
14…圧電層
14a,14b…第1,第2の主面
15…絶縁層
16…支持基板
17,18…第1,第2の櫛形電極
19…第3の電極
22~24…第1~第3のバスバー
24A,24B…第1,第2の接続電極
24a…バー部
24b…突出部
25~27…第1~第3の電極指
29…絶縁膜
80,81…弾性波装置
82…音響多層膜
82a,82c,82e…低音響インピーダンス層
82b,82d…高音響インピーダンス層
91…弾性波装置
92…支持基板
93…圧電層
94…IDT電極
94a,94b…第1,第2のバスバー
94c,94d…第1,第2の電極指
95,96…反射器
201…圧電膜
201a,201b…第1,第2の主面
451,452…第1,第2領域
C…励振領域
E…交叉領域
R…領域
VP1…仮想平面

Claims (10)

  1.  圧電層を含む圧電膜と、
     前記圧電層上に設けられており、第1のバスバーと、前記第1のバスバーに一端がそれぞれ接続されている複数の第1の電極指と、を有し、入力電位に接続される、第1の櫛形電極と、
     前記圧電層上に設けられており、第2のバスバーと、前記第2のバスバーに一端がそれぞれ接続されており、前記複数の第1の電極指と間挿し合っている複数の第2の電極指と、を有し、出力電位に接続される、第2の櫛形電極と、
     平面視したときに、前記第1の電極指及び前記第2の電極指が並ぶ方向において、前記第1の電極指及び前記第2の電極指と並ぶように、それぞれ前記圧電層上に設けられている複数の第3の電極指と、隣り合う前記第3の電極指同士を接続している第3のバスバーと、を有し、前記第1の櫛形電極及び前記第2の櫛形電極とは異なる電位に接続される、第3の電極と、
    を備え、
     互いに最も近い位置に配置されている前記第1の電極指及び前記第2の電極指の間に、前記第3の電極指が配置されており、
     前記第1の電極指、前記第2の電極指及び前記第3の電極指が延びる方向と直交する方向を電極指直交方向としたときに、前記複数の第1の電極指、前記複数の第2の電極指及び前記複数の第3の電極指のうち少なくとも1種の電極指が、前記電極指直交方向において2本以上連続で配置されている、連続電極指を含む、弾性波装置。
  2.  前記複数の第3の電極指が、2本以上の前記連続電極指を含む、請求項1に記載の弾性波装置。
  3.  前記第1の電極指、前記第2の電極指及び前記第3の電極指のうち、前記連続電極指に隣接しており、かつ該連続電極指と異なる電位に接続される電極指と、該連続電極指との間の距離をg1、隣り合う前記連続電極指同士の間の距離をg2としたときに、g2≦g1である、請求項1または2に記載の弾性波装置。
  4.  厚み滑りモードのバルク波を利用可能に構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  5.  前記圧電膜に積層されている支持部材をさらに備え、
     前記支持部材及び前記圧電膜の積層方向に沿って見た平面視において、前記支持部材における、前記複数の第1の電極指、前記複数の第2の電極指及び前記複数の第3の電極指と重なる位置に音響反射部が形成されており、
     前記電極指直交方向において2本以上連続で配置されている前記連続電極指を1組の前記連続電極指とし、前記第1の電極指、前記第2の電極指及び前記第3の電極指のうち、前記1組の連続電極指と隣接し、かつ該1組の連続電極指と異なる電位に接続される電極指の前記電極指直交方向における中心と、該1組の連続電極指の前記電極指直交方向における中心との間の距離をpとし、前記圧電膜の厚みをdとした場合、d/pが0.5以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  6.  d/pが0.24以下である、請求項5に記載の弾性波装置。
  7.  前記音響反射部が空洞部であり、前記支持部材の一部及び前記圧電膜の一部が、前記空洞部を挟み互いに対向するように、前記支持部材と前記圧電膜とが配置されている、請求項5または6に記載の弾性波装置。
  8.  前記音響反射部が、相対的に音響インピーダンスが高い高音響インピーダンス層と、相対的に音響インピーダンスが低い低音響インピーダンス層と、を含む、音響反射膜であり、前記支持部材の少なくとも一部及び前記圧電膜の少なくとも一部が、前記音響反射膜を挟み互いに対向するように、前記支持部材と前記圧電膜とが配置されている、請求項5または6に記載の弾性波装置。
  9.  前記第1の電極指、前記第2の電極指及び前記第3の電極指のうち、前記1組の連続電極指と隣接し、かつ該1組の連続電極指と異なる電位に接続される電極指の前記電極指直交方向における中心と、該1組の連続電極指の前記電極指直交方向における中心との間の領域が励振領域であり、
     前記励振領域に対する、前記第1の電極指、前記第2の電極指及び前記第3の電極指のうち前記連続電極指以外の電極指、及び前記連続電極指のメタライゼーション比をMRとしたときに、MR≦1.75(d/p)+0.075を満たす、請求項5~8のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  10.  前記圧電層がニオブ酸リチウムからなり、
     前記圧電層を構成しているニオブ酸リチウムのオイラー角(φ,θ,ψ)が、以下の式(1)、式(2)または式(3)の範囲にある、請求項1~9のいずれか1項に記載の弾性波装置。
     (0°±10°の範囲内,0°~25°,任意のψ)  …式(1)
     (0°±10°の範囲内,25°~100°,0°~75°[(1-(θ-50)/2500)]1/2 または 180°-75°[(1-(θ-50)/2500)]1/2~180°)  …式(2)
     (0°±10°の範囲内,180°-40°[(1-(ψ-90)/8100)]1/2~180°,任意のψ)  …式(3)
PCT/JP2023/030814 2022-08-26 2023-08-25 弾性波装置 WO2024043345A1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202263401255P 2022-08-26 2022-08-26
US63/401,255 2022-08-26

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2024043345A1 true WO2024043345A1 (ja) 2024-02-29

Family

ID=90013555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2023/030814 WO2024043345A1 (ja) 2022-08-26 2023-08-25 弾性波装置

Country Status (1)

Country Link
WO (1) WO2024043345A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0774582A (ja) * 1992-09-09 1995-03-17 Hitachi Ltd 弾性表面波装置およびそれに接続された回路およびその測定方法および通信装置
JPH0888533A (ja) * 1994-09-19 1996-04-02 Kazuhiko Yamanouchi 一方向性電極を用いたsawマッチドフィルタ
JPH11186867A (ja) * 1997-12-22 1999-07-09 Kyocera Corp 弾性表面波装置
WO2022163865A1 (ja) * 2021-02-01 2022-08-04 株式会社村田製作所 弾性波装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0774582A (ja) * 1992-09-09 1995-03-17 Hitachi Ltd 弾性表面波装置およびそれに接続された回路およびその測定方法および通信装置
JPH0888533A (ja) * 1994-09-19 1996-04-02 Kazuhiko Yamanouchi 一方向性電極を用いたsawマッチドフィルタ
JPH11186867A (ja) * 1997-12-22 1999-07-09 Kyocera Corp 弾性表面波装置
WO2022163865A1 (ja) * 2021-02-01 2022-08-04 株式会社村田製作所 弾性波装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2021187537A1 (ja) 弾性波装置
WO2023002858A1 (ja) 弾性波装置及びフィルタ装置
US20240154595A1 (en) Acoustic wave device
WO2023223906A1 (ja) 弾性波素子
WO2023002790A1 (ja) 弾性波装置
WO2022120025A1 (en) Acoustic wave device
WO2024043345A1 (ja) 弾性波装置
WO2024043299A1 (ja) 弾性波装置
WO2024034603A1 (ja) 弾性波装置
WO2024038875A1 (ja) 弾性波装置
WO2024043300A1 (ja) 弾性波装置
WO2024043301A1 (ja) 弾性波装置
WO2024043342A1 (ja) 弾性波装置
WO2024029610A1 (ja) 弾性波装置
WO2024043343A1 (ja) 弾性波装置
WO2024043344A1 (ja) 弾性波装置
WO2024038831A1 (ja) 弾性波装置
WO2023190656A1 (ja) 弾性波装置
WO2023190654A1 (ja) 弾性波装置
WO2024043347A1 (ja) 弾性波装置及びフィルタ装置
WO2022244635A1 (ja) 圧電バルク波装置
WO2023190370A1 (ja) 弾性波装置
WO2024085127A1 (ja) 弾性波装置
WO2024043346A1 (ja) 弾性波装置
WO2023136293A1 (ja) 弾性波装置

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 23857453

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1