JP4608662B2 - 不飽和アルコール製造用触媒およびそれを用いた不飽和アルコール製造法 - Google Patents

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Description

不飽和アルコール製造用触媒およびそれを用いた不飽和アルコール製造法に関し、特にジオールから不飽和アルコールを製造する方法に好適なものである。
クロチルアルコールに代表される不飽和アルコール類は化成品中間体、医薬品中間体などとして用いられ化学工業上重要な物質である。従来、このような不飽和アルコールは、クロトンアルデヒドのような不飽和アルデヒドの部分水添によって製造されていた(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、このような製造法は、二重結合部分が水添されやすく、過剰水添された飽和アルコールが副生成物として多量に生成し、工業的には効率の悪い反応であった。
これに対し、上記反応の課題を克服する新たなプロセスとして、酸化セリウムを触媒に用い、両末端ジオールから不飽和アルコールを製造する方法が提案されている(特許文献3参照)。この方法では、例えば1,3−プロパンジオールからアリルアルコールを、1,3−ブタンジオールからクロチルアルコールおよび3−ヒドロキシ−1−ブテンを、それぞれ製造することができる。また、上記方法を用いて1,4−ブタジオールから3−ブテン−1−オールも収率よく製造することができる(特許文献4)。さらに、酸化ジルコニウム触媒や塩基処理した酸化ジルコニウムを用いると1,4−ブタジオールから3−ブテン−1−オールを収率よく製造することができる(非特許文献1、非特許文献2参照)。
西独国特許公開第2515422号公報 インド国特許出願公開第1987-CA996号公報 特開2004-306011号公報 特開2005-238095号公報 Catalysis Communications、6巻、2005年、480頁〜484頁 Journal of Molecular Catalysis A、243巻、2006年、52頁〜59頁
しかしながら、上記特許文献3及び特許文献4に記載の技術では、例えば1,3−ブタジエンとテトラヒドロフラン(以下、THFという)の生成以外に生成した3−ブテン−1−オールが副反応によりアルデヒド、不飽和アルコールに転化してしまい、不飽和アルコールの選択率を低下してしまうという課題がある。また、上記非特許文献1及び非特許文献2に記載の技術では、例えば生成した3−ブテン−1−オールから副反応によりアルデヒド、不飽和アルコールに転化を抑えて、不飽和アルコールの選択率を上昇できたものの1,4−ブタンジオールから併発するTHF生成をさらに抑制することが課題である。
そこで本発明の目的は、上記従来の技術課題を解決し、不飽和アルコールの製造に適した触媒と、両末端ジオールから不飽和アルコールを副生成物の生成を抑制して、効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、希土類金属酸化物の中で酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウムに代表される成分を含む物質を触媒として、高効率でジオールの1つの水酸基のみの脱水反応を行わせることができることを見出した。すなわち、ジオールから不飽和アルコールを製造することができるという本発明を完成するに至った。
従って、本発明は具体的には以下の手段を採用する。
まず、第一の手段として希土類金属酸化物を触媒100重量部中に10重量部以上含有する触媒とする。
また、第二の手段として酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウムの少なくともいずれかの希土類金属酸化物を含有する触媒とする。
また、第三の手段として酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウムの少なくともいずれかの希土類金属酸化物のみからなる触媒とする。
なお、第一乃至第三の手段において、これら触媒はジオールから不飽和アルコールを製造するために用いることが望ましく、またこのジオールは両末端ジオールであることが望ましい。
またこれら手段において、製造される前記不飽和アルコールは、2−メチル−2−ペンテン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールからなる群のうち少なくともいずれかであることも望ましい。特に、原材料を1,4−ブタンジオールとして3−ブテン−1−オールを生成される場合、アルデヒド、飽和アルコール等に分解することなく、3−ブテン−1−オールを効率よく得ることができる。
次に、第四の手段として、担体物質に担持させた希土類金属酸化物を触媒に用いて不飽和アルコールを製造する方法とする。
またこの手段において、担体物質は、シリカ、アルミナ、チタニアおよびジルコニアであることが望ましい。
またこの手段において、原料としてジオールを用い、該ジオールを反応させることも望ましい。
またこの手段において、触媒重量/原料流量が0.01g−cat・h/ml以上5.0g−cat・h/ml以下の範囲にあることが望ましく、触媒重量/原料流量が0.03g−cat・h/ml以上3.0g−cat・h/ml以下の範囲にあることがより望ましく、加えて触媒重量/原料流量が0.10g−cat・h/ml以上1.0g−cat・h/ml以下の範囲にあることがさらに望ましい。
またこの手段において、250℃以上450℃以下の温度範囲内で、また275℃以上425℃以下の温度範囲内で、更には300℃以上400℃以下の温度範囲内でジオールを反応させることが望ましい。
またこの手段において、ジオールは両末端ジオールであることも望ましい。
またこの手段において、製造される不飽和アルコールは、2−メチル−2−ペンテン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールからなる群のうちのすくなくともいずれかであることが望ましい。特に、原材料を1,4−ブタンジオールとして3−ブテン−1−オールを生成される場合、アルデヒド、飽和アルコール等に分解することなく、3−ブテン−1−オールを効率よく得ることができる。
以上により、不飽和アルコール製造に適した触媒を提供することができるとともに、不飽和アルコールの副生成物の生成を抑制しつつ効率よく選択性を高くして製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本実施形態に係る不飽和アルコール製造用触媒(以下単に「触媒」ともいう)は、希土類金属酸化物の中で酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウムに代表される成分を含有することを特徴の一つとする。そしてこの触媒を用いることにより、原料のジオールを部分脱水し、不飽和アルコールを製造することができる。
触媒原料(以下触媒前駆体という。)となる希土類金属酸化物、希土類金属酸化物含有する化合物としては一般に市販されているものを用いることができ、また希土類金属の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩などを熱分解したものなど、いずれの形態でも触媒として使用することができる。
酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウムに代表される希土類金属酸化物成分を含有する触媒は希土類金属酸化物単体あるいは、他の金属酸化物等を含有するものいずれの形態でもよい。また、担体物質に希土類金属酸化物を担持させる形態も好ましい。
触媒中に含有される希土類金属酸化物と他の金属酸化物等の含有量比は、触媒活性を良好に保つために希土類金属酸化物10重量部に対して、90重量部以下が好ましい。より好ましくは希土類金属酸化物10重量部に対して、他の金属酸化物等の含有量比は40重量部〜15重量部の範囲である。触媒に好適に用いられる他の金属酸化物等の成分は、ケイ素、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウムなどの酸化物が挙げられるがこれらに限定されない。
不飽和アルコールの製造で使用される反応装置は特に限定されない。反応装置に触媒前駆体を所定量採り入れ、これを焼成、活性化して触媒とすることが好適である。たとえば、気相流通反応装置に所定量の触媒前駆体を入れ、これを焼成することにより活性な触媒層を不飽和アルコール製造装置内に形成させる。ここに、原料のジオールを供給するのが適当な方法である。
本実施形態の不飽和アルコール製造方法は、前記本発明の触媒にジオールを気相で接触させ、片方の水酸基のみの脱水反応により、不飽和アルコールを生成することが特徴である。
本触媒を用いる不飽和アルコールの製造方法における反応温度は250℃以上450℃以下の温度範囲が好ましい。原料ジオールの転化率を向上させるためには250℃以上が好ましく、副生成物であるカルボニル化合物或いは過剰脱水物の生成を抑制し、目的生成物である不飽和アルコールの選択率を向上させるためには450℃以下が好ましいためである。またより好ましい温度範囲は300℃以上400℃以下の温度範囲である。
ここで「触媒重量/原料流量」とは、触媒層を通過する反応原料の速度を示す。例えば「1g−cat・h/ml」とは、1gの触媒に対して、1ml/hの原料流量で反応を行うことをいう。触媒重量/原料流量は0.01g−cat・h/ml以上5.0g−cat・h/ml以下の範囲が好ましく、0.03g−cat・h/ml以上3.0g−cat・h/ml以下の範囲がより好ましく、さらに好ましくは0.10g−cat・h/ml以上1.0g−cat・h/ml以下の範囲である。原料である両末端ジオールの転化率を向上させるためには0.01g−cat・h/ml以上が好ましく、副生成物であるカルボニル化合物および過剰脱水物の生成を抑制し、目的生成物である不飽和アルコールの選択率を向上させるためには5.0g−cat・h/ml以下が好ましい。
反応温度と触媒重量/原料流量の比の関係は、反応温度が低温の場合は触媒重量/原料流量の比が大きい方が好ましく、反応温度が高温の場合は触媒重量/原料流量の比が小さい方が好ましい。目的生成物の選択率を向上させるためには低温で、触媒重量/原料流量の比を大きく取ることが好ましい。
原料であるジオールは、好ましくは炭素数3〜6のジオールであり、1,3−ジオール、1,4−ジオール、1,5−ジオール、1,6−ジオールなどが挙げられる。ジオールは直鎖のジオールに限定されない。ジオールの具体例は、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールである。
また、これらの原料から製造される不飽和アルコールとしては、2−メチル−2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、2−メチル−4−ペンテン−1−オール、2−メチル−1−ペンテン−4−オール、2−エチル−4−ペンテン−1−オール、2−エチル−1−ペンテン−4−オール、2−エチル−5−ヘキセン−1−オール、2−エチル−1−ヘキセン−5−オール、5−ヘキセン−1−オールなどがあげられる。
本実施形態にかかる不飽和アルコール製造方法は、ジオールから不飽和アルコールを製造するのに好適に用いられ、好ましくは両末端ジオールから不飽和アルコールを製造するのに好ましく用いられる。具体的には、1,4−ブタンジオールから3−ブテン−1−オールを、1,5−ペンタンジオールから4−ペンテン−1−オールを製造するために用いられる。また、原料のジオールは混合物であっても、同時に対応する不飽和アルコールの混合物を製造することができる。
原料のジオールは、0〜50重量%の水分を含んでもよく、反応に関与しない溶媒などが存在してもよい。
以下、実施例および比較例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例、比較例に用いた固定床常圧気相流通反応装置は、内径18mm、全長300mmの反応器を中心に構成される。反応器の上端にキャリアガス導入口と原料流入口があり、下端にガス抜け口を有する反応粗液捕集容器を有する。予め原料を加熱して気化させるために、反応器中には、原料流入口と反応層の間に気化層がある。捕集容器に捕集された反応粗液は、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製GC−8A、TC−WAXキャピーラリーカラム)にて測定し、検量線補正後、目的物の収量、原料の残量を決定し、この値から転化率(%;モル基準)、選択率(%;モル基準)を求めた。転化率は(原料の量−原料の残量)/原料の量であり、選択率は目的物の収量/(原料の量−原料の残量)であり、それぞれ反応開始後5時間の平均値である。
(実施例1)
(触媒調製)
酸化イッテルビウム(関東化学工業:純度99.9%以上、比表面積44m/g)2gをとり、500℃で2時間焼成したもの0.50gを触媒とした。また、500℃以外に600℃、700℃、800℃、900℃及び1000℃で焼成したものを用意した。また、酸化イッテルビウム以外に酸化テルビウム(関東化学工業:純度99.9%以上、比表面積51m/g)を500℃および800℃で焼成したものを用意した。
(実施例2)
(1,4−ブタンジオールの脱水反応)
上述実施例1にて調製した触媒0.50gを固定床気相流通反応装置に充填した。触媒層がある固定床常圧気相流通反応装置の上部からキャリアガスとして窒素ガスを1.8l/hの流速で流した。この窒素ガスと共に、気化層で気化させた1,4−ブタンジオール(和光純薬製、特級)10.0ml/hを供給した。反応は375℃で行った。触媒の種類による1,4−ブタンジオールの転化率、3−ブテン−1−オールの選択率およびテトラヒドロフラン(以下、THFという)の選択率を表1に示す。
(実施例3)
(1,4−ブタンジオールの脱水反応)
上述実施例1にて800℃で焼成して調製した酸化イッテルビウム触媒0.50gを固定床気相流通反応装置に充填した。触媒の充填量を変更した以外は実施例2に準じた方法で反応を行った。触媒の充填量は、0.50g以外に、0.3g、1.0gおよび2.0gとした。触媒の充填量変更に伴う触媒重量/基質流量(原料ガスの触媒層内滞留時間に相当)の相違による1,4−ブタンジオールの転化率、3−ブテン−1−オールの選択率およびTHFの選択率を表2に示す。
(実施例4)
(1,4−ブタンジオールの脱水反応)
上述実施例1にて800℃で焼成して調製した酸化イッテルビウム触媒0.50gを固定床気相流通反応装置に充填した。反応温度を変更した以外は実施例2に準じた方法で反応を行った。反応温度は、375℃以外に、350℃、400℃、および425℃とした。反応温度の相違による1,4−ブタンジオールの転化率、3−ブテン−1−オールの選択率およびTHFの選択率を表3に示す。
(実施例5)
(1,5−ペンタンジオールの脱水反応)
上述実施例1にて500℃で焼成して調製した酸化イッテルビウム触媒0.30gを固定床気相流通反応装置に充填した。触媒層がある固定床常圧気相流通反応装置の上部からキャリアガスとして窒素ガスを1.8l/hの流速で流した。供給原料を1,5−ペンタンジオールに変更し、供給速度を1.77ml/hとした以外は実施例2に準じた方法で反応を行った。反応温度は400℃とした。触媒に500℃で焼成して調製した酸化イッテルビウム以外に800℃で焼成して調製した酸化イッテルビウムを用いた。触媒の相違による1, 5−ペンタンジオールの転化率、4−ペンテン−1−オールの選択率およびテトラヒドロピラン(以下、THPという)の選択率を表4に示す。
(実施例6)
(触媒調製)
硝酸イッテルビウム四水和物(純度99.9%)6.228gを水100gに溶かした水溶液を酸化ジルコニウム(比表面積100m/g)10.0gに含浸させた後、400℃2時間焼成したものを触媒(YB20)とした。また、同様な方法でYB20以外に触媒100重量部中に酸化イッテルビウム成分を30重量部(YB30)および40重量部(YB40)を含む触媒を用意した。
(実施例7)
(1,4−ブタンジオールの脱水反応)
上述実施例6にて調製したYB20触媒0.50gを固定床気相流通反応装置に充填した。触媒を変更した以外は実施例2に準じた方法で反応を行った。触媒は、YB20以外に、実施例6にて調製したYB30、およびYB40とした。触媒の違いによる1,4−ブタンジオールの転化率、3−ブテン−1−オールの選択率およびTHFの選択率を表5に示す。
(実施例8)
(1,5−ペンタンジオールの脱水反応)
上述実施例6にて調製したYB20触媒0.30gを固定床気相流通反応装置に充填した。触媒を変更した以外は実施例5に準じた方法で反応を行った。触媒はYB20以外に、YB30、およびYB40とした。触媒の違いによる1, 5−ペンタンジオールの転化率、4−ペンテン−1−オールの選択率およびTHPの選択率を表6に示す。
(比較例1)
(1,4−ブタンジオールの脱水反応)
比較のための触媒を固定床気相流通反応装置に充填した。充填触媒および反応温度を変更し、1,4−ブタンジオールの原料供給量を1.77ml/hとし、触媒重量は、0.30gとした以外は実施例2に準じて反応を行った。酸化アルミニウム(DC2282:ダイアキャタリスト製)およびシリカアルミナ(N631L:日揮化学製)を用いたときは反応温度275℃で反応を行った。酸化セリウム(和光純薬製:特級)を触媒に用いたとき反応温度を400℃および425℃に変更した。酸化ジルコニウムを触媒に用いたとき反応温度を325℃、350℃および375℃に変更した。触媒および反応温度の相違による1,4−ブタンジオールの転化率、3−ブテン−1−オールの選択率、およびTHFの選択率を表7に示す。
(比較例2)
(触媒調製)
酸化ジルコニウム(純度99.6%以上、平均粒子径10μm、比表面積100m/g)10gをとり、0.5%水酸化ナトリウム水溶液10mlを少量加えながら水分を蒸発させて含浸させたものを乾燥の後、400℃で2時間焼成したもの0.3gを触媒とした。
(比較例3)
(1,4−ブタンジオールの脱水反応)
上述比較例2にて調製した触媒を固定床気相流通反応装置に充填した。触媒充填量を変更し、原料供給量を1.77ml/hとし、反応温度を350℃とした以外は実施例2に準じた方法で反応を行った。触媒充填量は、0.15g、0.3g、0.6gおよび0.9gとした。触媒充填量変更に伴う触媒重量/基質流量の相違による1,4−ブタンジオールの転化率、3−ブテン−1−オールの選択率およびTHFの選択率を表8に示す。
この結果により、酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウム以外の触媒で選択性の高かった酸化ジルコニウムでも、3−ブテン−1−オール以外にも比較的多くのTHFを生成し、目的物である3−ブテン−1−オールの選択性を上げることが難しかった。酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウム以外の触媒では、目的物である3−ブテン−1−オールは高選択的に生成しないことがわかった。
(比較例4)
(1,5−ペンタンジオールの脱水反応)
上述比較例2にて塩基処理して調製した酸化ジルコニウム触媒を固定床気相流通反応装置に充填した。反応物を1,5−ペンタンジオールに変更し、触媒充填量を0.30g、反応温度を変更した以外は実施例2に準じた方法で反応を行った。反応温度は、375℃以外に、325℃、350℃および400℃とした。反応温度の相違による1,5−ペンタンジオールの転化率、4−ペンテン−1−オールの選択率およびTHPの選択率を表9に示す。
この結果により、酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウム以外の触媒で選択性の高かった酸化ジルコニウムでも、4−ペンテン−1−オール以外にも比較的多くのTHPを生成し、目的物である4−ペンテン−1−オールの選択性を上げることが難しかった。酸化テルビウムおよび酸化イッテルビウム以外の触媒では、目的物である4−ペンテン−1−オールは高選択的に生成しないことがわかった。

Claims (16)

  1. 酸化イッテルビウムを含有する不飽和アルコール製造用触媒。
  2. 酸化イッテルビウムのみからなる請求項1記載の不飽和アルコール製造用触媒。
  3. ジオールから不飽和アルコールを製造するために用いられることを特徴とする請求項1記載の不飽和アルコール製造用触媒。
  4. 前記ジオールは両末端ジオールであることを特徴とする請求項3記載の触媒。
  5. 製造される前記不飽和アルコールは、2−メチル−2−ペンテン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールからなる群のうち少なくともいずれかである請求項3記載の不飽和アルコール製造用触媒。
  6. シリカ、アルミナ、チタニア及びジルコニアの少なくともいずれかに担持されることを特徴とする請求項1記載の不飽和アルコール製造用触媒。
  7. 酸化イッテルビウム又は担体物質に酸化イッテルビウムを担持させた触媒を用いて不飽和アルコールを製造する方法。
  8. 原料としてジオールを用い、該ジオールを反応させることを特徴とする請求項7記載の不飽和アルコールを製造する方法。
  9. 触媒重量/原料流量が0.01g−cat・h/ml以上5.0g−cat・h/ml以下の範囲にあることを特徴とする請求項8記載の不飽和アルコールを製造する方法。
  10. 触媒重量/原料流量が0.03g−cat・h/ml以上3.0g−cat・h/ml以下の範囲にあることを特徴とする請求項8記載の不飽和アルコールを製造する方法。
  11. 触媒重量/原料流量が0.10g−cat・h/ml以上1.0g−cat・h/ml以下の範囲にあることを特徴とする請求項8記載の不飽和アルコールを製造する方法。
  12. 250℃以上450℃以下の温度範囲内で前記ジオールを反応させることを特徴とする請求項8記載の不飽和アルコールを製造する方法。
  13. 275以上425℃以下の温度範囲内で前記ジオールを反応させることを特徴とする請求項8記載の不飽和アルコールを製造する方法。
  14. 300℃以上400℃以下の温度範囲内で前記ジオールを反応させることを特徴とする請求項8記載の不飽和アルコールを製造する方法。
  15. 前記ジオールは両末端ジオールであることを特徴とする請求項8記載の不飽和アルコールを製造する方法。
  16. 製造される不飽和アルコールは、2−メチル−2−ペンテン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールからなる群のうちのすくなくともいずれかであることを特徴とする請求項8記載の不飽和アルコールを製造する方法。
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