JP2008088149A - アクロレイン製造用触媒及びそれを用いたアクロレイン製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】石油に由来しない原料であるグリセリンを用いてアクロレインを得ることができる新規なアクロレインの製造に触媒と、アクロレインを効率よく製造する方法を提供することにある。また本発明の好ましい形態として、気相脱水反応によりグリセリンからアクロレインを高選択率で得ることができる形態を提供することも目的とする。
【解決手段】グリセリンを、ヘテロポリ酸触媒の存在下で反応させるアクロレインの製造方法。前記ヘテロポリ酸触媒は、ケギン構造を有するアクロレインの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクロレイン製造用触媒及びそれを用いたアクロレイン製造方法に関し、石油に由来しないグリセリンを原料に用いてアクロレインを製造する方法に好適なものである。より詳しくは、グリセリンを触媒を用いて脱水することによりアクロレイン又はアクロレイン水溶液を製造するのに好適なアクロレイン製造用触媒及それを用いたアクロレイン製造方法に関する。本発明は、アクロレイン又はアクロレイン水溶液を製造する場合、原料であるグリセリンが再生可能資源である植物油由来の物も使用できるため、アクリル酸やメチオニン等の重要な化学物質の原料であるアクロレインを再生可能資源から効率よく製造する方法を提供することができる。
グリセリンを原料とするアクロレインの製造方法は、工業原料を製造する方法として有用であり、種々の方法が検討されている。グリセリンの脱水によってアクロレインを製造する場合、次のような利点がある。すなわち、アクロレインは、通常、プロピレンの気相酸化により製造されているが、原料のプロピレンは化石資源であり、将来的な資源枯渇や、大気中の二酸化炭素増大等が懸念されるところである。一方、グリセリンの脱水によってアクロレインを製造する場合、原料として用いるグリセリンは、植物油から得ることができ、また植物油のエステル交換によるバイオディーゼル燃料や、石鹸製造の際の副生成物として得ることができる。したがって、グリセリンを原料とすることができる方法においては、グリセリンが植物由来であることから再生可能であり、資源枯渇の心配がなく、その炭素源は大気中の二酸化炭素であることから実質的に大気中の二酸化炭素増大に寄与しないといった利点を有することになる。
アクロレインの製造方法としては、触媒を用いてプロピレンを気相酸化する方法が一般的であり、現在では工業的にもこの方法が一般に採用されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。また、石油に由来しない原料を用いるアクロレイン製造方法として、グリセリンの脱水反応をもちいる方法が提案されている。たとえば、リン酸を触媒担体に担持させた触媒をもちいるアクロレインの製造法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。また、超臨界水中の酸触媒によりアクロレインを製造する方法も検討されている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開平8−3093号公報 特開平8−40969号公報 米国特許2558520号広報 Fuel66巻 1987年 1364頁〜1371項
しかしながら、上記特許文献1及び2で示されるようなプロピレンを気相酸化する方法は、石油由来のプロピレンを原料とするものであるため、石油資源の枯渇と大気中のCO濃度増加による地球温暖化を抑制するためには、化石資源に依存しない原料を用いてアクロレインを製造する方法が要望されている。また、上記特許文献3や非特許文献1に記載のグリセリンの脱水反応によるアクロレイン製造はその解決方法の1つであるが、多価アルコールの脱水反応に適した触媒は見いだされておらず、アクロレインを効率よく製造できる有効かつ安定な触媒は未だ報告されていない。
そこで本発明の目的は、石油に由来しない原料であるグリセリンを用いてアクロレインを得ることができる新規なアクロレインの製造に適した触媒と、アクロレインを効率よく製造する方法を提供することにある。また本発明の好ましい形態として、気相脱水反応によりグリセリンからアクロレインを高選択率で得ることができる形態を提供することも目的とする。この場合、高濃度のグリセリン溶液を用いた場合でも高収率でアクロレインを得ることができ、それによって高濃度のアクロレイン溶液を直接得ることができるような形態、更に、経時的な触媒劣化の少ない形態を提供することも目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、天然由来の油脂から容易に得ることができるグリセリンを原料としてアクロレインを製造することを検討した。そして、グリセリンを、ヘテロポリ酸触媒の存在下で反応させるアクロレインの製造方法により、効率よくアクロレインが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、グリセリンを、ヘテロポリ酸触媒の存在下で反応させるアクロレインの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
下記の第一及び第二の手段を採用することは、本発明の好適な実施形態であるが、本発明の実施形態は、これらに限られるものではない。第一の手段として、ヘテロポリ酸と触媒担体とを有する触媒とする。
またこの手段において、ヘテロポリ酸はケイ素、リン、タングステン、モリブデンの少なくともいずれかを含有していることが望ましく、触媒担体は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアの少なくともいずれかの酸化物を含有していることが望ましいが、これらに限定されない。
またこの手段において、グリセリンは、水の含量が95重量%以下のグリセリン水として反応に供されることが望ましく、グリセリンからアクロレインを製造するために用いられることも望ましい。
また第二の手段として、グリセリンを、ヘテロポリ酸と触媒担体とを有する触媒の存在下で反応させるアクロレインの製造方法とする。
本実施形態に係るアクロレイン製造用触媒(以下単に「触媒」ともいう)は、ヘテロポリ酸と触媒担体とを有するものが好適である。そしてこの触媒を用いることにより原料のグリセリンを脱水し、アクロレインを製造することができる。ここでグリセリンの脱水反応は、グリセリンをアクロレインに転化する反応であり、原料(グリセリンもしくはグリセリン水)を気化してガス状にし、このガス状の原料を触媒に気相接触させて反応させることが好適である。本発明は、上記第一の手段のようにヘテロポリ酸と触媒担体とを有する触媒を用いることによって更に優れた効果を奏するものであるが、触媒担体を有する形態に限られず、触媒単体で用いても充分に高い効果を得ることができる。
触媒原料となるヘテロポリ酸とは、二種以上の酸素酸が縮合した無機酸素酸をいい、以下に限定されるわけではないが、具体的な例としては、ドデカタングストリン酸、ドデカモリブドリン酸、ドデカタングストケイ酸が該当する。触媒原料となるヘテロポリ酸を含有する化合物としては一般に市販されているものを用いることができ、またHPW1240、HPMo1240、HSiW1240の化学式で表される試薬を使用し、触媒原料を触媒担体に付着担持させることで触媒として使用することができる。一方、触媒担体としては、SiO、Al、TiO、ZrOを用いることができる。これらは、通常、球形、柱状、リング状、鞍状等の形状として用いることが好ましく、既に成形された担体に含浸あるいは表面に塗布するなどして用いてもよい。また、触媒担体がシリカである場合、例えば特開2004−250387号公報に記載の二元細孔を有するシリカも好適に用いることができる。なお、二元細孔を有する触媒担体については後述する。
触媒中に含有されるヘテロポリ酸の含有量は、触媒活性を良好に保つために触媒全体の50重量%以下が好ましい。より好ましくは触媒全体の35重量%以下の範囲である。触媒担体に好適に用いられる金属酸化物等の成分は、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムなどの酸化物が挙げられるがこれらに限定されない。
アクロレインの製造で使用される反応装置は特に限定されない。本触媒を用いるアクロレインの製造方法における反応温度は150℃以上450℃以下の温度範囲が好ましい。原料グリセリンの転化率を向上させるためには150℃以上が好ましく、副生成物の生成を抑制し、目的生成物でおるアクロレインの選択率を向上させるためには450℃以下が好ましいためである。またより好ましい温度範囲は200℃以上400℃以下の温度範囲である。触媒反応は、具体的には、例えば、原料を気化してガス状にし、このガスを、触媒が充填され上記の反応温度に制御された反応器に流通させるようにすればよい。反応器に流通させる際のガスの流量は、特に制限されない。また、本発明の脱水生成物の製造方法において、反応圧は特に規定しないが、モル数が増加する反応であり、圧力が低いことが平衡的に有利であることから、1気圧以下が好ましい。
上記反応温度は、220℃以上であることが好ましい。より好ましくは、245℃以上であり、更に好ましくは、275℃以上である。また、上記反応温度は、500℃以下であることが好ましい。より好ましくは、450℃以下であり、更に好ましくは、400℃以下である。
反応温度と触媒重量/原料流量の比の関係は、反応温度が低温の場含は触媒重量/原料流量の比が大きい方が好ましく、反応温度が高温の場合は触媒重量/原料流量の比が小さい方が好ましい。目的生成物の選択率を向上させるためには低温で、触媒重量/原料流量の比を大きく取ることが好ましい。
また、触媒に対する原料ガスの供給量としては、空間速度として100〜5000/hr程度が好ましく、100/hr未満では、逐次反応によって収率が低下するおそれがあり、5000/hr以上では、反応が充分進行せず、転化率が低下するおそれがある。また触媒を気相脱水反応に供する方法としては、例えば、反応管の中に触媒を充填することによって触媒層を形成して行うことができる。用いるグリセリン溶液としては、水溶液を好適に用いることができる。また、グリセリンを溶解し反応を阻害しない物質であれば有機溶媒を用いてもよく、したがって、グリセリンを有機溶媒に溶解したグリセリン溶液も用いることができる。グリセリン溶液の濃度としては特に限定されず、グリセリン100質量%でもよいが、ガス濃度及び触媒に対する空間速度を調節する目的で、水や反応温度でガス状であり反応に不活性な有機物のような凝縮性の物質、COや窒素等の不活性ガスを用いて希釈してもよい。
上記気相脱水反応において、不活性ガスを用いる場合、アクロレインの沸点が低いため不活性ガスに同伴してアクロレインが排出され、反応ガスからのアクロレインの回収率が低下する場合があるので、水等の不活性な凝縮性の物質(不活性凝縮性物質)を用いて凝縮性物質とアクロレインを同時に捕集した後分離する方法によって行うことが好ましい。一方、不活性凝縮性物質を多量に用いた場合は、得られるアクロレインの濃度が低下し、回収した不活性凝縮性物質の量が増えて処理費用が増大するため、不活性ガスと不活性凝縮性物質を併用する方法が好ましい。
原料のグリセリンは、0〜95重量%の水等の不活性凝縮性物質を含んでもよく、反応に関与しない溶媒などが存在してもよい。原料のグリセリンの濃度は、5〜100重量%であることが好ましい。より好ましくは、10〜80重量%である。本発明においては、このように高濃度のグリセリン溶液を用いた場合でも高収率でアクロレインを得ることができ、それによって高濃度のアクロレイン溶液を直接得ることができる。
上記反応生成ガスは、冷却して凝縮させることにより、アクロレイン又はアクロレイン溶液とすることができ、アクリル酸やメチオニン製造用の原料として用いることができ、凝縮させて得たアクロレインを再度気化して、公知の気相酸化による方法で適量の空気や水蒸気と混合して酸化することによりアクリル酸を得ることが出来る。また、凝縮工程を省いて、例えば、現在プロピレンの2段気相酸化によるアクリル酸の製造で用いられている様な、タンデムあるいはシングル反応器を用いる方法を用いて直接アクリル酸を得ることも出来る。すなわち、前記2段気相酸化はプロピレンを酸化して主にアクロレインを生成する反応部位と、生成したアクロレインを酸化してアクリル酸を得る反応部位からなるが、このプロピレンを酸化する部位に本願触媒を設置して、原料をプロピレンからグリセリンに変換することにより、グリセリンから生成したアクロレインを酸化してアクリル酸を得る反応部位に供給して直接アクリル酸を製造することもできる。この場合、酸化反応に必要な酸化剤である空気あるいは酸素の供給は1段目の脱水反応入口からでもよいが、2段目の酸化反応入口に供給してもよい。
上記製造方法においてヘテロポリ酸が有効な理由は、一般的な固体酸触媒であるSiO・Alに比べて酸強度が強いことが多価アルコールの活性化に寄与することが1つの理由として考えられる。超強酸と呼ばれるSO 2−/ZrOなどに代表される固体では活性は高いものの酸強度が強すぎて副反応が進行し、結果的には適度な酸強度を持ったヘテロポリ酸が有効に働いているものと考えられる。また、ヘテロポリ酸は、熱的に安定であることに起因し、上記製造方法で長時間加熱して反応を行っても触媒活性が失われず、高い転化率及び選択率で反応を行うことが可能となると考えられる。
上記ヘテロポリ酸触媒としては、例えば、下記一般式(1)〜(4);
(1) ケギン構造;H80−12m−nn+m+ 1240
又は、H78−11m−nn+m+ 1139
(2) B型シルバートン構造;H80−12m4+m+ 1242
(3) ドーソン構造;H114−18m5+ m+ 1862
(4) アンダーソン構造;H48−6m−nn+m+ 24
で表される構造を有するものが好適である。
上記(1)ケギン構造に関しては、配意元素数が12の構造を、特にA型と称することがある。上記一般式(1)〜(4)において、Xは、ヘテロ元素を示し、ヘテロポリ酸を形成できる元素であれば特に限られないが、例えば、リン、珪素、ゲルマニウム、ヒ素、トリウム、マンガン、ニッケル、テルル、ヨウ素、コバルト、アルミニウム、及び、クロム等が挙げられる。Mは、配位元素を示し、配位元素としてヘテロポリ酸を形成できる元素であれば特に限られないが、例えば、モリブデン、タングステン、ニオブ、バナジウム等が挙げられる。Oは、酸素原子を表す。
上記ヘテロポリ酸がA型ケギン構造である場合には、ヘテロ元素がリン、珪素、ゲルマニウム、ヒ素であることが好適である。上記ヘテロポリ酸がB型シルバートン構造を有する場合は、ヘテロ元素がセリウム、トリウムであることが好適である。上記ヘテロポリ酸がケギン構造を有する場合は、ヘテロ元素がリン、ヒ素、又は、ゲルマニウムであることが好適である。上記ヘテロポリ酸がドーソン構造を有する場合は、ヘテロ元素がリン、ヒ素であることが好適である。上記ヘテロポリ酸がアンダーソン構造を有する場合は、ヘテロ元素がテルル、ヨウ素、コバルト、アルミニウム、又は、クロムであることが好適である。
上記ヘテロポリ酸触媒がケギン構造を有することは、本発明の好適な実施形態の1つである。上記ヘテロポリ酸触媒がケギン構造を有することにより、熱的安定性が高くなるため、更にアクロレインの製造に適したものとなる。ケギン構造を有するヘテロポリ酸触媒としては、上記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
上記ヘテロポリ酸触媒は、ヘテロ元素がリン及び/又は珪素であることも本発明の好適な実施形態の1つである。
上記ヘテロポリ酸触媒が上記形態を有することにより、アクロレインの収率及び選択率を向上することができる。
上記ヘテロポリ酸触媒は、少なくとも1種の6族元素を含有することが好ましい。なお、上記6族元素は、ヘテロポリ酸の配位元素として含まれることが好ましい。
上記ヘテロポリ酸触媒は、配位元素がタングステン及び/又はモリブデンであることも本発明の好適な実施形態の1つである。
上記ヘテロポリ酸触媒が上記形態を有することにより、アクロレインの収率及び選択率を向上することができる。上記配位元素としてより好ましくは、タングステンである。
上記ヘテロポリ酸触媒は、ヘテロポリ酸が無機質担体に担持されたものであることも本発明の好適な実施形態の1つである。
上記ヘテロポリ酸触媒が担持型触媒となることにより、活性物質を有効に利用することができ、触媒の形状付与も容易となるため、更にアクロレインの選択率を向上させることができる。上記ヘテロポリ酸が無機質担体に担持されたものである場合において、触媒成分の担持量は1〜50重量%であることが好ましい。より好ましくは5〜30重量%である。
触媒の形状としては破砕品のような不定形でもよいが、好ましくは気相反応に一般的な球状、リング状、円柱状、サドル状、ハーフリング状等の形状が好適に用いられる。
上記無機質担体は、珪素、アルミニウム、チタニウム、及び、ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素を有するものであることも本発明の好適な実施形態の1つである。
上記無機質担体が上記形態を有することにより、活性成分のヘテロポリ酸が均一に高分散されることとなるため、更にアクロレインの製造に適したものとなり、アクロレインの収率及び選択率を向上することが可能となる。上記無機質担体は、ジルコニウム、アルミニウム及び珪素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を有するものであるか、又は、これらの酸化物、水和酸化物や窒化物、炭化物等が利用できる。また、特に珪素を含有することが好ましい。例えばこのような無機質担体としては、工業的に用いられているシリカ、アルミナ、チタニア、及び、ジルコニアの様な酸化物及びこれらの複合酸化物や混合物からなる粉末や成形担体を用いることができる。また、これらの前駆体である水酸化物、水和酸化物や塩類も用いることができる。
上記無機質担体は、酸化珪素を主成分とすることも本発明の好適な実施形態の1つである。
上記無機質担体が上記形態を有することにより、更に分散性が向上するため、更にアクロレインの製造に適したものとなり、アクロレインの収率及び選択率を向上することが可能となる。
なお、酸化珪素が主成分とするとは、上記無機質担体のうち酸化珪素が占める重量比が少なくとも50重量%以上であることを意味する。上記重量比は、80重量%以上であることが好ましい。より好ましくは90重量%であり、更に好ましくは95重量%である。
上記無機質担体は、原料としてテトラエトキシシランを用いて調製されたものであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。上記無機質担体の原料として、ナトリウム元素を実質的に含まないテトラエトキシシランを原料として用いることにより、上記製造方法における脱水生成物の選択率及び収率を更に向上することができる。
上記無機質担体は、原料としてテトラエトキシシランを用いて調製された部位を含むことが好ましい。上記無機質担体は、上記無機質担体100重量%中、テトラエトキシシランを用いて調製された部位が占める重量比が50重量%以上であることが好ましい。上記重量比としてより好ましくは、80重量%以上である。更に好ましくは、90重量%以上であり、特に好ましくは、95重量%以上である。
上記無機質担体は、比表面積が30〜1500m/gであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。上記比表面積を有する無機質担体を用いることにより、上記製造方法における脱水生成物の選択率及び収率を更に向上することができる。
上記無機質担体が後述する二元細孔を持たないものである場合には、上記比表面積は、50〜1000m/gであることが好ましい。より好ましくは、100〜800m/gである。上記比表面積は、200〜700m/gであることが更に好ましい。特に好ましくは、250〜600m/gである。最も好ましくは、300〜500m/gである。
上記無機質担体は、二元細孔を持つことも本発明の好適な実施形態の1つである。
上記二元細孔とは、マイクロメートル領域の細孔径を有するマクロ細孔、及び、ナノメートル領域の細孔径を有するナノ細孔(メソ細孔)の両者をあわせ持つ無機多孔質材料である。上記のような二元細孔を持つ無機質担体は、物質輸送能に優れるマクロ細孔、及び、高い比表面積を持つナノ細孔の両者をあわせ持ち、機械的強度が充分であり、圧力損失も少ないため、上記製造方法に用いる触媒担体として好適であり、更にアクロレインの選択率及び収率を向上することが可能となる。
上記マクロ細孔は、0.5〜200μmの細孔径であることが好適である。より好ましくは、1〜100μmである。上記ナノ細孔は、1〜50nmであることが好適であり、貫通孔が三次元網目状に絡み合った構造を有していることが好ましい。上記マクロ細孔は、水銀圧入法又は電子顕微鏡による直接観察により測定可能である。上記ナノ細孔は、水銀圧入法又は窒素吸着法により確認することができる。
上記二元細孔を持つ無機質担体は、平均粒子径が5μ〜10mmの粒子状であるであることが好ましい。上記無機質担体の細孔容積は、担体1gあたり0.3〜4cmであることが好ましい。製造の容易さを考慮した場合には、1〜3cmであることが好適である。
上記二元細孔を持つ無機質担体を製造する方法は特に限定されないが、例えば、特開2005−281012号公報及び特開2005−162504号公報に記載の方法で製造することが好ましい。
上記二元細孔持つ無機質担体の比表面積は、400〜900m/gであることが好ましい。より好ましくは、500〜850m/gである。更に好ましくは、550〜800m/gである。特に好ましくは、650〜800m/gである。
上記アクロレインの製造方法において、アクロレインの選択率は、例えば、下記のようにして求ることが好適である。
選択率(モル%)={反応後に得られたアクロレインの収量(モル)/[反応に供したグリセリンの量(モル)−反応後に残存したグリセリンの量(モル)]}×100
なお、アクロレインの量、及び、グリセリンの量は、ガスクロマトグラフィー分析装置を用いて測定することが好ましく、例えば、島津製作所製GC−8A,TC−WAXキャピラリーカラムを用いて、測定することができる。
上記アクロレインの製造方法におけるアクロレインの収率は、例えば、下記のようにして求ることが好適である。
アクロレインの収率(モル%)={アクロレインの収量(モル)/反応に供したグリセリンの量(モル)}×100
なお、転化率、選択率のうち、工業的生産においては、転化率、選択率共に高いことが好ましいが、選択率が高いことがより重要である。その理由は、選択率が製品の品質に大きく関係し、また、転化率が低くても選択率が高い場合は、未反応原料を回収再使用することにより、最終的な収率を選択率まで近づけることが可能だからである。
上記アクロレインの製造方法においては、未反応のグリセリンを回収して再使用することができるから、グリセリンがアクロレインではない副生物へ転化することは、グリセリンを回収して再使用することができなくなくなることを意味する。言い換えれば、上記アクロレインの製造方法において、グリセリンから転化して生成する副生物の量は、グリセリンが無駄になる量である。そのため、無駄になるグリセリンの量を低減してコスト削減する観点から、グリセリンがアクロレインではない副生物へ転化する量をできる限り低減することが好ましい。
上記グリセリンから転化して生成する副生物の収率は、例えば、下記のようにして求ることが好適である。
グリセリンから転化して生成する副生物の収率(モル%)=[{反応後に残存するグリセリンの量(モル)−アクロレインの収量(モル)}/反応に供するグリセリンの量(モル)]×100
また、上記アクロレインの製造方法により得られたアクロレインを酸化反応させることにより、アクリル酸を製造することができる。
すなわち、本発明はまた、上記製造方法によって得られるアクロレインを酸化してアクリル酸に転化する工程を含むアクリル酸の製造方法でもある。
本発明はまた、上記製造方法に用いられるヘテロポリ酸触媒でもある。
すなわち、本発明のヘテロポリ酸触媒は、気相においてグリセリンを脱水してアクロレインを得るための気相脱水反応に適用されるものである。上記ヘテロポリ酸触媒として好ましい形態は、上述した製造方法において述べたとおりである。本発明のヘテロポリ酸触媒は、工業的な脱水生成物の製造において活性や選択性、生産性の点から有用なものであり、上記好ましい形態によってその作用効果を充分に高めることができるものである。
以上により、アクロレイン製造に適した触媒を提供することができるとともに、石油に由来しない原料を用いてアクロレインを得ることができる。従来の触媒を用いる場合に比べて、活性(転化率、収率)と選択性共に優れた特性を示し、経時的な活性低下や選択率の低下が抑制されて、工業的な実施において経済的に有利となる。特に、気相脱水反応によりグリセリンからアクロレインを高選択率で得ることができる。この場合、高濃度のグリセリン溶液を用いた場合でも高収率でアクロレインを得ることができ、それによって高濃度のアクロレイン溶液を直接得ることができるような形態、更に、経時的な触媒劣化の少ない形態を提供することができる。また、本発明の製造方法により得られたアクロレインを酸化反応させることにより、アクリル酸を製造することができる。本発明は、グリセリンを出発物質とする工業的に有利な方法によるアクリル酸の製造方法でもある。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し得る。
以下、実施例および比較例により本発明の効果を具体的に説明する。実施例、比較例に用いた固定床常圧気相流通反応装置は、内径18mm、全長300mmの反応器を中心に構成される。反応器の上端にキャリアガス導入口と原料流入口があり、下端にガス抜け口を有する反応粗液捕集容器を有する。予め原料を加熱して気化させるために、反応器中には、原料流入口と反応層の間に気化層がある。捕集容器に−78℃で摘集された反応粗液は、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製GC−8A,TC−WAXキャピラリーカラム)にて測定し、検量線補正後、目的物の収量、原料の残量を決定し、この値から転化率(%;モル基準)、選択率(%;モル基準)を求めた。転化率は(原料の量−原料の残量)/原料の量であり、選択率は目的物の収量/(原料の量−原料の残量)であり、転化率および選択率はそれぞれ反応開始後5時間の平均値である。転化率100%は、5時間の反応中に触媒活性の低下がなかったことを意味する。
(実施例1)
(触媒調製)
シリカ(フジシリシア製CARiACT Q−6 比表面積466m/g)を主成分とする担体14gにドデカタングストケイ酸(HSiW1240、純度99.0%以上)6.0gを100mlの水溶液から含浸させた後、乾燥機中110℃で乾燥させて、ドデカタングストケイ酸の担持率が30重量%である触媒(Q6−SiW−30)を得た。同様に、ドデカタングストリン酸(HPW1240、純度99.0%以上)を上記シリカゲルに担持した触媒(Q6−PW−30)を得た。また同様に、ドデカモリブドリン酸(HPMo1240、純度99.0%以上)を上記シリカゲルに担持した触媒(Q6−PMo−30)を得た。
(実施例2)
(脱水反応)
上述実施例1にて調製したQ6−SiW−30触媒0.3gを固定床気相流通反応装置に充填した。触媒層がある固定床常圧気相流通反応装置の上部からキャリアガスとして窒素ガスを11.81/hの流速で流した。この窒素ガスと共に、グリセリン(和光純薬製、特級)10重量%水溶液1.67ml/hを気化層で気化させて供給した。反応は325℃で行った。触媒は、Q6−SiW−30以外に、Q6−PW−30、及び、Q6−PMo−30とした。触媒の相違によるグリセリンの転化率、アクロレインの選択率およびヒドロキシアセトンの選択率を表1に示す。
Figure 2008088149
(実施例3)
(脱水反応)
上述実施例1にて調製したQ6−SiW−30触媒の充填量を0.3gとして、反応温度を変更した以外は実施例2に準じた方法で反応を行った。反応温度は、325℃以外に、225℃、250℃、275℃、300℃、および350℃とした。反応温度の相違によるグリセリンの転化率、アクロレインの選択率およびヒドロキシアセトンの選択率を表2に示す。
Figure 2008088149
(実施例4)
(脱水反応)
上述実施例1にて調製したQ6−SiW−30触媒を固定床気相流通反応装置に充填した。触媒層がある固定床常圧気相流通反応装置の上部からキャリアガスとして窒素ガスを1.81/hの流速で流した。この窒素ガスと共に、グリセリン(和光純薬製、特級)10重量%水溶液1.67ml/hを気化層で気化させて供給した。反応は275℃で行った。触媒の充填量は、0.3g以外に、0.6gおよび0.9gとした。触媒の充填量の相違によるグリセリンの転化率、アクロレインの選択率およびヒドロキシアセトンの選択率を表3に示す。
Figure 2008088149
(実施例5)
触媒担体のシリカとしてフジシリシア製CARiACT Q−3(比表面積733m/g)を用いた以外は、実施例2と同様にドデカタングストケイ酸を30重量%担持として行った。
これらの結果を表4に示す。
Figure 2008088149
(実施例6)
シリカとしてフジシリシア製CARiACT Q−10(比表面積310m/g)を用いる以外は実施例2と同様にドデカタングストケイ酸を30重量%担持として行った。
これらの結果を表5に示す。
Figure 2008088149
(実施例7)
(触媒調製)
二元細孔構造を有するシリカ(B6;比表面積780m/g)担体14gに、ドデカタングストケイ酸(HSiW1240、純度99.0%以上)6.0gを100mlの水溶液から含浸させた後、乾燥機中110℃で乾燥させて、ドデカタングストケイ酸の担持率が30重量%である触媒(B6−SiW−30)を得た。
(実施例8)
(脱水反応)
上記実施例7にて調製したB6−SiW−30触媒の充填量を0.3gとして、反応温度を変更した以外は実施例2に準じた方法で反応を行った。反応温度は、325℃以外に、225℃、250℃、275℃および300℃とした。反応温度の相違によるグリセリンの転化率、アクロレインの選択率およびヒドロキシアセトンの選択率を表6に示す。
Figure 2008088149
(実施例9)
二元細孔を有するシリカをB3(比表面積548m/g)に代えた以外は、実施例7と同様に操作してB3−SiW−30を得た。
得られた触媒を用いて、下記表7に示されるように反応条件で、実施例8に準拠して試験を行った。
これらの結果を下記表7に示す。
Figure 2008088149
(実施例10)
比表面積698m/gの二元細孔構造を有するシリカ(B10)を用いる以外は実施例8と同様にドデカタングストケイ酸を30重量%担持(B10−SiW−30)として行った。実施例10で用いた触媒(B10−SiW−30)のマクロ孔及びメソ孔の大きさは、マクロ孔が2μm、メソ孔が10nmであった。これらの結果を下記表8に示す。
Figure 2008088149
(実施例11)
下記表9に示されるように反応条件を変更した以外は、実施例2に準拠して試験を行った。これらの結果を下記表9に示す。
Figure 2008088149
(実施例12)
下記表10に示されるように反応条件を変更した以外は、実施例2に準拠して試験を行った。これらの結果を下記表10に示す。
Figure 2008088149
(実施例13)
下記表11に示されるように反応条件を変更した以外は、実施例2に準拠して試験を行った。これらの結果を下記表11に示す。
Figure 2008088149
(実施例14)
下記表12に示されるように反応条件を変更した以外は、実施例8に準拠して試験を行った。これらの結果を下記表12に示す。
Figure 2008088149
(実施例15)
下記表13に示されるように反応条件を変更した以外は、実施例8に準拠して試験を行った。これらの結果を下記表13に示す。
Figure 2008088149
(実施例16)
下記表14に示されるように反応条件を変更した以外は、実施例8に準拠して試験を行った。これらの結果を下記表14に示す。
Figure 2008088149
(実施例17)
下記表15に示されるように反応条件を変更した以外は、実施例8に準拠して試験を行った。これらの結果を下記表15に示す。
Figure 2008088149
上記表1〜15において、触媒を下記方法で表記するものとする。
触媒=(担体の種類)−(ヘテロ元素の元素記号・配位元素の元素記号)−(触媒の担持量(重量%))
更に、珪素としてナトリウムを大量に含む水ガラスに代えてナトリウムを含まないテトラエトキシシラン(TEOS)を用いたものには、上記触媒の表記の後に「Na−Free」を付加するものとする。ただし、容器や他の試薬からの混入があるため、完全にナトリウムを含まないという意味ではない。
Q3とは、フジシリシア製CARiACT Q−3(比表面積733m/g)担体を意味する。Q6とは、(フジシリシア製CARiACT Q−6 比表面積466m/g)担体を意味する。Q10とは、フジシリシア製CARiACT Q10(比表面積310 m/g)担体を意味する。
B3とは、二元細孔を有するシリカ(比表面積548m/g)担体を意味する。B6とは、二元細孔を有するシリカ(比表面積780m/g)担体を意味する。B10とは、二元細孔を有するシリカ(比表面積698m/g)担体を意味する。上記表記方法によれば、例えば、B6−SiW−30とは、上記実施例7のように調製された触媒を意味する。
(比較例1)
(脱水反応)
市販の酸化物触媒試料として、酸化アルミニウム(DC2282:ダイアキャタリスト製)(下記16表中では、Alと表記する。)、シリカアルミナ(N632HN;日揮化学製)(下記16表中では、SiO−Alと表記する。)、シリカ(CariacteQ−6:フジシリシア)(下記16表中では、SiOと表記する。)、酸化チタニウム(和光純薬製:特級)(下記16表中では、TiOと表記する。)、及び、第一希元素化学工業製のRSC100(下記16表中では、ZrOと表記する。)に触媒を変更した以外は実施例2に準じて反応を行った。触媒の相違によるグリセリンの転化率、アクロレインの選択率およびヒドロキシアセトンの選択率を表16に示す。
Figure 2008088149
(比較例2)
温度を275℃とした以外は、比較例1に準じた方法で試験を行った。下記表17に記載される触媒は、比較例1に記載される触媒と同様である。これらの結果を表17に示す。
Figure 2008088149
(比較例3)
(触媒調製)
シリカゲル(比表面積350m/g)を主成分とする担体10gに、リン酸(HPO、純度85%)2.1gを70m1の水溶液から含浸させた後、乾燥機中110℃で乾燥させて、リン酸の担持率が15重量%である触媒(PSiO)を得た。同様に、リン酸をアルミナ(比表面積200m/g)に担持したリン酸の担持率が15重量%である触媒(PAlO)を得た。また、同様に、ホウ酸をアルミナ(比表面積200m/g)に担持したホウ酸の担持率が15重量%である触媒(BAlO)を得た。
(比較例4)
(脱水反応)
上述の比較例3にて調製したPSiO触媒0.3gを固定床気相流通反応装置に充填した。使用した触媒以外は実施例2に準じて反応を行つた。反応は325℃で行った。また、触媒をPAlOおよびBAlOに変更したとき、反応温度を300℃で行った。触媒および反応温度の相違によるグリセリンの転化率、アクロレインの選択率およびヒドロキシアセトンの選択率を表18に示す。
Figure 2008088149
この結果により、ヘテロポリ酸触媒を使った場合は、比較例1、2、及び、4に記載した種々の固体酸触媒を使った場合よりも、目的生成物のアクロレインの選択率が高いことが見て取れる。

Claims (9)

  1. グリセリンを、ヘテロポリ酸触媒の存在下で反応させる
    ことを特徴とするアクロレインの製造方法。
  2. 前記ヘテロポリ酸触媒は、ケギン構造を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のアクロレインの製造方法。
  3. 前記ヘテロポリ酸触媒は、ヘテロ元素がリン及び/又は珪素である
    ことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のアクロレインの製造方法。
  4. 前記ヘテロポリ酸触媒は、配位元素がタングステン及び/又はモリブデンである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクロレインの製造方法。
  5. 前記ヘテロポリ酸触媒は、ヘテロポリ酸が無機質担体に担持されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアクロレインの製造方法。
  6. 前記無機質担体は、珪素、アルミニウム、チタニウム、及び、ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素を有するものである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアクロレインの製造方法。
  7. 前記無機質担体は、酸化珪素を主成分とする
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のアクロレインの製造方法。
  8. 前記無機質担体は、二元細孔を持つ
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアクロレインの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のアクロレインの製造方法に用いられる
    ことを特徴とするヘテロポリ酸触媒。
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