JP4605811B2 - 高分子ポリアミドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアミドA)を150〜350℃の温度において、この反応温度でイソシアン酸を遊離する化合物B)と反応させ、その際、使用されるポリアミドA)中で、アミノ末端基の濃度は、カルボキシル末端基の濃度よりも高いか、または同一であることを特徴とする、高分子ポリアミドの製造方法に関する。
本発明はさらに、本発明による方法により得られる高分子ポリアミド、成形体、シート、繊維および発泡体を製造するためのその使用、ならびに該高分子ポリアミドからなる成形体、シート、繊維および発泡体に関する。最後に、アミノ末端基の濃度がカルボキシル末端基の濃度より高いか、または同じであるポリアミドA)を、150〜350℃において、この反応温度でイソシアン酸が遊離する化合物B)と反応させることを特徴とする、ポリアミドの分子量を高める方法が判明した。
高い分子量を有するポリアミドは、高い溶融粘度を有し、かつ特に半製品、たとえば異形材、板または棒を押出成形するために、およびシートブロー法のために使用される。これらの加工法では、高い溶融粘度が加工性および得られる製品の品質に対して有利に作用する。従来技術による方法によれば(たとえばDE−A3923061)、2工程で高分子ポリアミドを製造している:まずたとえばモノマーから溶融縮合において低分子ポリマーが製造され、これをその後、固相縮合において高分子の最終生成物へと反応させる。
この2工程重合は煩雑であり、固相縮合を回避することができることは有利である。理想的には、分子量の向上は低分子ポリアミドに単に、所望の分子量を迅速にもたらす添加剤を添加することにより行うことができるべきである。
WO02/26865は、ポリアミド6(PA6)中のε−カプロラクタムの含有率を低減する方法を記載しており、この場合、熱の作用によりイソシアン酸を形成する添加剤、たとえば尿素を、a)PA6の重合に、またはb)PA6の溶融液に添加している。多くの実施例では、重合の終わり頃に尿素を添加している。例15では、市販のPA6顆粒に尿素溶液を噴霧し、乾燥させ、かつ240〜260℃で押し出している。尿素処理されたポリアミドの相対溶液粘度は、尿素を含有していない比較例に対してそれほど顕著に異ならず、文献中には分子量の向上に関する示唆はない。尿素添加前のポリアミドのアミノ末端基またはカルボキシル末端基の濃度に関する記載はなされていない。
上記の欠点を解消するという課題が存在していた。高分子ポリアミドを製造するための代替的な方法が提供されるべきである。有利にはこの方法は従来技術による方法よりも容易な構成であるべきである。特に該方法は固相縮合を行わずに実施できるべきである。
理想的には所望の分子量の向上は、通常の、高分子でないポリアミドに単に添加剤を添加することによって達成されるべきである。
これに応じて冒頭に記載した、高分子ポリアミドの製造方法ならびに該方法により得られるポリアミド、成形体、シート、繊維およびフィルムを製造するためのその使用、および該ポリアミドからなる成形体、シート、繊維およびフィルムが判明した。さらに、冒頭に記載した、ポリアミドの分子量を向上する方法が判明した。
成分A):ポリアミド
高分子ポリアミドを製造するための本発明による方法では、ポリアミドA)を150〜350℃において、この反応温度でイソシアン酸を遊離する化合物B)と反応させる。本発明によれば使用されるポリアミドA)中で、アミノ末端基の濃度(AEK、アミノ末端基濃度)は、カルボキシル末端基の濃度(CEK)より高いか、または同じである、つまりAEK≧CEKである。
有利にはアミノ末端基濃度は、カルボキシル末端基濃度より高い、つまりAEK>CEKである。
前記の濃度は通常、ポリアミドの質量単位あたりの末端基の数として(モルもしくは当量で)、たとえばxミリモル末端基/kgポリアミドとして定義される。
アミノ末端基の測定はたとえば指示薬の存在下でポリアミドの溶液を滴定することによって実施することができる。このために、ポリアミドA)を、フェノールとメタノールとからなる混合物(たとえばフェノール75質量%およびメタノール25質量%)中で加熱しながら溶解する。たとえばポリマーが溶解するまで、該混合物を沸点で還流させる。冷却した溶液に、適切な指示薬または指示薬混合物(たとえばベンジルオレンジおよびメチレンブルーからなるメタノール溶液)を添加し、かつグリセロール中のメタノールを含有する過塩素酸溶液を用いて変色するまで滴定する。過塩素酸の消費量から、アミノ末端基濃度を計算する。
あるいは、WO02/26865の第11頁に記載されているように、指示薬を用いずに、エチレングリコール中の過塩素酸の電位差測定によって滴定を実施することもできる。
カルボキシル末端基の測定は、たとえば同様にポリアミドの溶液を指示薬の使用下で滴定することによって行うことができる。このために、ポリアミドA)を、たとえば沸点に加熱しながらベンジルアルコール(フェニルメタノール)中に溶解し、その際、立ち管を上部に設置し、かつ窒素ガスを導通する。その後、まだ熱い溶液に、適切な指示薬(たとえばクレゾールレッドのプロパノール溶液)を添加し、かつただちにアルコール性の水酸化カリウム溶液(メタノール、1−プロパノールおよび1−ヘキサノールからなる混合物中に溶解したKOH)を用いて変色するまで滴定する。このKOH消費量からカルボキシル末端基濃度を計算する。
あるいは、WO02/26865の第11〜12頁に記載されているように、指示薬を使用しないで、ベンジルアルコール中のNaOH溶液を用いて伝導度測定より滴定を実施することができる。
ポリアミドA)としては、原則として前記のAEK≧CEKの条件を満足する限り、すべての公知のポリアミドが適切である。たとえば、ポリエーテルブロックアミドのようなポリエーテルアミドを含む任意の種類の脂肪族の部分結晶質または部分芳香族の構造ならびに非晶質の構造を有するポリアミドおよびこれらのブレンドが考えられる。
少なくとも5000の分子量(質量平均値)を有する半結晶質または非晶質の樹脂(たとえば米国特許文献第2071250号、第2071251号、第2130523号、第2130948号、第2241322号、第2312966号、第2512606号および第3393210号に記載されている)は有利である。このための例は、7〜13個の環構造を有するラクタム、たとえばポリカプロラクタム、ポリカプリルラクタムおよびポリラウリンラクタムから誘導されるポリアミド、ならびにジカルボン酸とジアミンとの反応により得られるポリアミドである。
ジカルボン酸として、6〜12個、特に6〜10個の炭素原子を有するアルカンジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸を使用することができる。ここではアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸(=デカンジカルボン酸)およびテレフタル酸および/またはイソフタル酸が酸としてあげられる。
ジアミンとして特に6〜12個、とりわけ6〜8個の炭素原子を有するアルカンジアミンならびにm−キシリレンジアミン、ジ−(4−アミノフェニル)メタン、ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−メタン、ジ−(4−アミノ−3−メチル−シクロヘキシル)−メタン、イソホロンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチル−ペンタン、2,2−ジ−(4−アミノフェニル)−プロパンまたは2,2−ジ−(4−アミノ−シクロヘキシル)−プロパンが適切である。
有利なポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジピン酸アミド(PA66)およびポリヘキサメチレンセバシン酸アミド(PA610)、ポリカプロラクタム(PA6)ならびにコポリアミド6/66であり、特にカプロラクタム単位5〜95質量%の割合を有するものである。PA6、PA66およびコポリアミド6/66は特に有利である。PA6は殊に有利である。
別の適切なポリアミドは、たとえばDE−A10313681、EP−A1198491およびEP−A922065に記載されているように、ω−アミノアルキルニトリル、たとえばアミノカプロニトリル(PA6)およびアジポジニトリルとヘキサメチレンジアミン(PA66)とから、水の存在下でのいわゆる直接重合により得られる。
さらに、たとえば1,4−ジアミノブタンとアジピン酸とを高温で縮合することにより得られるポリアミドも挙げられる(ポリアミド46)。この構造のポリアミドを製造する方法は、たとえばEP−A38094、EP−A38582およびEP−A39524に記載されている。
その他の例は、2種類以上の前記のモノマーの共重合により得られるポリアミドであるか、または複数のポリアミドの混合物が適切であり、その際、混合比は任意である。
さらに、トリアミン含有率が0.5質量%より少ない、有利には0.3質量%より少ない部分芳香族コポリアミド、たとえばPA6/6TおよびPA66/6Tが特に有利であることが判明した(EP−A299444を参照のこと)。低いトリアミン含有率を有する部分芳香族コポリアミドの製造は、EP−A129195および129196に記載されている方法により行うことができる。
以下の、最終的ではない列挙は、前記のポリアミド、ならびに本発明の意味でのその他のポリアミドA)および含有されているモノマーを含む:
AB−ポリマー:
PA6 ε−カプロラクタム、
PA7 エタノラクタム、
PA8 カプリルラクタム、
PA9 9−アミノペラルゴン酸、
PA11 11−アミノウンデカン酸、
PA12 ラウリンラクタム、
AA/BB−ポリマー:
PA46 トリメチレンジアミン、アジピン酸、
PA66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、
PA69 ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸、
PA610 ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸、
PA612 ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸、
PA613 ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸、
PA1212 1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸、
PA1313 1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸、
PA6T ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、
PAMXD6 m−キシリレンジアミン、アジピン酸、
PA6I ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸、
PA6−3−T トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、
PA6/6T (PA6およびPA6Tを参照のこと)、
PA6/66 (PA6およびPA66を参照のこと)、
PA6/12 (PA6およびPA12を参照のこと)、
PA66/6/610(PA66、PA6およびPA610を参照のこと)、
PA6I/6T(PA6IおよびPA6Tを参照のこと)、
PA PACM 12ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラウリンラクタム、
PA 6I/6T/PACM PA6I/6T+ジアミノジシクロヘキシルメタンと同様、
PA12/MACMI ラウリンラクタム、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸、
PA12/MACMT ラウリンラクタム、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸、
PA PDA−T ポリエチレンジアミン、テレフタル酸。
これらのポリアミドA)およびその製造は、たとえばUllmanns Encyklopaedie der Technischen Chemie、第4版、第19巻、第39〜54頁、Verlag Chemie、Weinheim、1980、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、第A21巻、第179〜206頁、VCH Verlag、Weinheim 1992、Stoeckhert、Kunststofflexikon、第8版、第425〜428頁、Carl Hanser Verlag Muenchnen 1992(キーワード"ポリアミド"以下)、ならびにSaechtling、Kunststoff−Taschenbuch、第27版、Carl Hanser−Verlag Muenchen 1998、第465〜478頁。
有利なポリアミドPA6、PA66およびコポリアミド6/66の製造に関して以下に手短に説明する。
出発モノマーの、ポリアミドA)への重合もしくは重縮合は、有利には通例の方法により実施する。たとえばカプロラクタムの重合は、たとえばDE−A1495198およびDE−A2558480に記載されている連続的な方法により行うことができる。PA66を製造するためのAH−塩の重合は、通常の不連続的な方法により(Polymerization Processes、Interscience、New York、1997年、第424〜467頁、特に第444〜446頁を参照のこと)、またはたとえばEP−A129196による連続的な方法により行うことができる。
重合の際に、通例の鎖長調節剤を併用することができる。適切な鎖長調節剤はたとえばトリアセトンジアミン化合物(WO−A95/28443)および塩基、特にアミンである。塩基は鎖長調節剤として有利である。というのも、塩基を用いて必要とされるアミノ末端基過剰もしくは同一の濃度(AEK≧CEK)を容易な方法で調整することができるからである。適切な塩基はたとえばヘキサメチレンジアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ベンジルアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、ビス(テトラメチレン)トリアミン、4−アミノメチル−1,8−オクタジアミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、N,N,N′,N′−テトラ(3−アミノ−プロピル)エチレンジアミン、ならびに上記のジアミンである。
鎖長調節剤を使用する場合、その量はポリアミドA)を製造する際に使用されるモノマーに対して、通常、0.01〜5、特に0.1〜1.5質量%である。
得られるポリマー溶融液を反応器から取り出し、冷却し、かつ造粒する。得られる顆粒を後重合に共することができる。これは自体公知の方法により顆粒をポリアミドの溶融温度Tsもしくは微結晶溶融温度Tkより低い温度Tに加熱することにより行う。後重合によりポリアミドの最終的な分子量が調整される(粘度数VZとして測定可能、VZについての以下の記載を参照のこと)。通常、後重合は、必要であれば、2〜24時間、特に12〜24時間、継続する。ポリアミドA)の所望の分子量が達成されたら、顆粒を通常の方法で冷却する。
ポリアミドA)は、顆粒としても、チップ、カット品としても、またはその他の通常の形状で使用することもできる。場合によりポリアミドA)を、ポリアミドA)に対して0.01〜0.1質量%の含水率になるまで乾燥させる。このために通常の乾燥装置を使用して、たとえば真空下および/または高温で乾燥させることができる。
ポリアミドA)の製造法は通常、臨界的ではない。使用されるポリアミドA)中で、アミノ末端基濃度がカルボキシル末端基濃度よりも高いか、または同じであることが保証されればよいのみである。
適切なポリアミドA)は、ISO 307ENにより、96質量%の硫酸中、0.5質量%のポリアミド溶液を用いて25℃で測定して、一般に50〜200、有利には70〜160および特に有利には90〜130ml/gの粘度数VZを有する。
これらの粘度数は通常の、および高い分子量に相応する。従って本発明による方法において通常の分子量を有するポリアミドA)以外に、高分子ポリアミドA)もまた使用し、その分子量をさらに高めることができる。
ポリアミドA)のポリマー鎖の少なくとも一部が、2以上のアミノ末端基を有している場合に、ポリアミドA)の分子量を特に容易かつ迅速に向上することができることが判明した。有利な実施態様では本発明による方法は、ポリアミドA)において、ポリマー鎖の少なくとも20モル%が、2以上のアミノ末端基を有することを特徴とする。特に有利にはこの割合は少なくとも30モル%である。
成分B):イソシアン酸を遊離する化合物
化合物B)として、150〜350℃でイソシアン酸を遊離するすべての化合物が適切である。このようなイソシアン酸源はたとえば尿素、尿素の縮合生成物、たとえばビウレット、トリウレット、シアヌル酸、ならびに前記の反応温度でイソシアン酸を遊離するその他の尿素誘導体もしくはオリゴマーまたはポリマーの尿素化合物である。このような化合物は特にカルバメート、たとえばシリルカルバメート、トリメチルシリルカルバメート、ならびにトリメチルシリル尿素またはポリ(ノナメチレン)尿素である。
有利には化合物B)は尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌル酸、シリルカルバメート、トリメチルシリルカルバメート、トリメチルシリル尿素およびポリ(ノナメチレン)尿素から選択されている。特に有利には尿素、ビウレット、トリウレットまたはシアヌル酸、特に尿素を使用する。
化合物B)はそのままでポリアミドA)と反応させることができ、その際、前記の温度に基づいてイソシアン酸が反応の間に生じる。これは有利である。あるいはイソシアン酸をまず別に前記のイソシアン酸源(たとえば尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌル酸、カルバメート)から熱分解により製造し、かつその後に、この別個に製造したイソシアン酸をポリアミドA)と反応させることができる。イソシアン酸源の熱分解は、加熱により、あるいはまた電磁線によるエネルギー入力により行うこともできる。
通常、化合物B)の量は、そのつど成分A)およびB)の合計に対して0.001〜10質量%、有利には0.01〜3質量%、特に有利には0.05〜2質量%であり、とりわけ0.1〜1質量%である。
特に有利には化合物B)を、化合物B)対ポリアミドA)のアミノ末端基のモル比が0.2:1〜2:1、特に0.3:1〜1.5:1および特に有利には0.5:1〜0.8:1であるような量で使用する。化合物B)1モルが1モルより多くのイソシアン酸を遊離する場合、相応して使用する化合物B)を少なくする。つまり前記のモル比は化合物B)から遊離するイソシアン酸に関して厳格に関連する。
化合物B)は市販されているか、もしくはその製造は当業者に公知である。
化合物B)はそのままでも、または適切な溶剤もしくは懸濁剤中に溶解もしくは懸濁しても使用することができる。溶剤としてたとえば1〜10個の炭素原子を有するアルコール、特にメタノール、エタノールまたはプロパノールが適切である。
場合により成分C):銅化合物
本発明による方法において、銅化合物C)を併用する場合に、ポリアミドの分子量が特に顕著に増大することが判明した。従って銅化合物は、特に高い分子量を有するポリアミドを製造すべき場合に併用される。
従って、本方法は有利には、成分A)およびB)に加えて銅化合物C)を併用することを特徴とする。
適切な銅化合物C)は、特に一価または二価の銅の化合物である。適切であるのはたとえば無機酸もしくは有機酸、または一価もしくは多価のフェノールとの一価もしくは二価の銅の塩、一価もしくは二価の銅の酸化物、または銅塩とアンモニア、アミン、アミド、ラクタム、シアナミドまたはホスフィンとの錯化合物である。有利にはハロゲン化水素酸、シアン化水素酸のCu(I)塩およびCu(II)塩、または脂肪族カルボン酸の銅塩を使用する。特に有利であるのは、一価の銅化合物、CuCl、CuBr、CuI、CuCNおよびCu2O、ならびに二価の銅化合物CuCl2、CuSO4、CuO、酢酸銅(II)またはステアリン酸銅(II)である。
銅化合物C)を併用する場合、その量は、成分A)、B)およびC)の合計に対して0.001〜1質量%、有利には0.005〜0.5、特に有利には0.005〜0.3およびとりわけ有利には0.01〜0.2質量%である。
銅化合物C)は、市販されているか、またはその製造は当業者に公知である。
銅化合物C)は、そのままでも、または有利に濃縮物の形でも使用することができる。濃縮物とは、銅化合物を大量に、たとえば濃縮物に対して1〜30質量%の量で含有するポリマーであると理解する。ポリマーは有利にはポリアミドA)と同一であるか、または類似の化学的性質を有している、つまり有利には同様にポリアミドである。濃縮物の使用は特に使用物質を少量でポリマーに添加するために通例の方法である。
複数のポリアミドA)、イソシアン酸を遊離する化合物B)および場合により銅化合物C)の混合物も使用することができることは自明である。この場合、成分B)もしくはC)に関する量の記載は、すべての成分B′)、B″)等、もしくはC′)、C″)等の合計に対するものである。
その他の成分
その他の成分として、特にポリマー中で、またはポリマーの製造の際に通常使用される添加剤もしくは加工助剤が考えられる。必要とされる量は、添加剤もしくは助剤に応じて変化し、かつ公知の方法で、特に高分子ポリアミドの意図される使用に応じて調整する。たとえばGaechter/Mueller、Plastics Additives Handbook、第4版、Hanser−Verlag、Muenchen 1993、1996年11月再版、を参照のこと。
添加剤もしくは助剤は、すでに本発明による方法において、つまり高分子ポリアミドを成分A)、B)および場合によりC)から製造する際に併用することもできるが、またはまず高分子ポリアミドを製造し、かつ後にその後の工程(いわゆるコンパウンディング)で高分子ポリアミドに添加剤もしくは助剤を添加することもできる。
適切な添加剤もしくは加工助剤はたとえば滑剤または離型剤、ゴム、酸化防止剤、光の作用に対する安定剤、帯電防止剤、難燃剤、繊維状もしくは粉末状の充填剤または強化材、成核剤、有機もしくは無機着色剤(染料または顔料)ならびにその他の添加剤、またはこれらの混合物である。
適切な滑剤および離型剤はたとえばステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸エステルまたはステアリン酸アミド、シリコーン油、金属ステアリン酸塩、モンタンロウ、ならびにポリエチレンおよびポリプロピレンをベースとするものである。
適切な酸化防止剤(熱安定剤)は、たとえば立体障害フェノール、ヒドロキノン、アリールアミン、ホスファイト、これらの群の種々に置換された代表的な物質、ならびにこれらの混合物である。酸化防止剤はたとえば、Topanol(R)、Irgafos(R)、Irganox(R)またはNaugard(R)として市販されている。銅化合物C)もまた、酸化防止剤として、特に金属ハロゲン化物、有利にはアルカリ金属ハロゲン化物、たとえばNaI、KI、NaBrまたはKBrと一緒に作用することができる。
光の作用に対する適切な安定剤はたとえば種々の置換されたレゾルシン、サリチレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、HALS(立体障害アミン光安定剤)、たとえばTinuvin(R)として市販されているものである。
適切な帯電防止剤はたとえばアミン誘導体、たとえばN,N−ビス(ヒドロキシアルキル)−アルキルアミンまたは−アルキレンアミン、ポリエチレングリコールエステルまたはグリセリンモノステアレートおよびグリセリンジステアレート、ならびにこれらの混合物である。
適切な難燃剤はたとえば当業者に公知のハロゲン含有もしくはリン含有化合物、水酸化マグネシウム、赤色リン、ならびにその他の慣用の化合物またはこれらの混合物である。
繊維状もしくは粉末状の充填剤および強化材のための例として、炭素繊維またはガラス織布、ガラスマットまたはガラスロービングの形のガラス繊維、カットガラス、ガラス球、ならびにウォラストナイトが挙げられ、特に有利であるのはガラス繊維である。ガラス繊維を使用する場合、ブレンド成分との相容性を改善するために、ガラス繊維に接着剤および接着促進剤が施与されていてもよい。ガラス繊維の添加は、短繊維の形でも、長繊維(ロービング)の形でも行うことができる。
粒状の充填剤として、たとえばカーボンブラック、非晶質ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、白亜、粉末状の石英、雲母、マイカ、ベントナイト、タルク、長石または特にケイ酸カルシウム、たとえばウォラストナイトおよびカオリンが適切である。適切な成核剤は、たとえばタルク、カーボンブラック、成分A)より高い融点を有するポリアミド、フルオロポリマー、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二酸化チタン、フェニルホスフィン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたはその他の金属酸化物または金属炭酸塩である。
着色剤として、ポリマーの着色のために適切であるすべての有機もしくは無機着色剤もしくは顔料が考えられる。たとえばPlastics Additives Handbook、第637〜708頁を参照のこと。
成分の反応
本発明によれば、ポリアミドA)と、イソシアン酸を遊離する化合物B)と、場合により銅化合物C)とを、150〜350℃で反応させる。その際、反応温度はこの範囲内で、化合物B)がイソシアン酸を遊離するように選択する、つまり必要とされる最低温度は特に化合物B)に依存する。
有利には反応をポリアミドA)の溶融液中で行い、かつ温度の下限はこの場合、ポリアミドの軟化温度からも生じる。温度の上限は通常、ポリアミドの耐熱性により決定され、かつこの温度は通常、ポリアミドの熱による損傷が回避されるように選択する。有利には反応温度は200〜300、特に有利には240〜280℃である。
反応の際に支配的な圧力は通常、臨界的ではない。
本発明による方法は不連続的に、または連続的に実施することができる。このために、通常の混合装置、たとえばミキサー、ニーダーまたは有利に押出機が適切である。これらの装置は通常、反応のために必要とされる温度を調整するために温度調節可能であり、その際、多くの場合には熱エネルギーの一部はすでに混合工程と共に行われる剪断により生じ、かつ残りの部分は、混合装置の加熱により供給される。
ミキサーとして特に可動の工具、たとえばリボンミキサー、二軸スクリューミキサー、羽根型ミキサー、プラウせん断型ミキサー、パドル型ミキサー、低速もしくは高速で運転される送りミキサー(Tragmischer)、円すいスクリューミキサー、サイロ−鉛直型スクリューミキサー、攪拌ミキサー(攪拌遊星型ミキサー)または、構造に応じて不連続的に、または連続的に運転される圧延機を有するミキサーが適切である。
適切なニーダーはたとえばインターナルニーダーおよびトラフニーダーである(2枚羽根ニーダーを含む)。
押出機として、すべての通常のスクリュー装置、特に一軸スクリュー押出機および二軸スクリュー押出機(たとえばCoperionもしくはWerner&Pfleiderer社のZSK型)、コ−ニーダー、コンビプラスト装置、MPC混練機、FCMミキサー、KEX混練スクリュー押出機および剪断ロール押出機が考えられる。有利には押出機中で反応を行う。
上記の、およびその他の、同様に適切な混合装置に関する詳細は、たとえば前記のSaechtlingのKunststoff−Taschenbuch、第202〜250頁が記載している。
混合装置およびその構造、特に混合装置の種類および回転数ならびに供給量および混合装置の処理量は、公知の方法で、化合物B)がイソシアン酸を遊離するように、およびイソシアン酸、ならびに場合により銅化合物C)が、ポリアミドA)と反応することができるように選択する。押出の際に、たとえば押出機のスクリューの回転数、長さ、直径および形状(たとえば行程の数および深さ、ピッチ、搬送する混練部材および混合部材の、スクリューに沿った順序)は相応して変更することができる。
反応時間(反応の継続時間)は、通常10秒〜60分、有利には20秒〜30分、および特に25秒〜10分である。連続的な混合装置の場合、反応時間はたとえば押出機中での平均滞留時間であると考える。
成分A)、B)および場合によりC)をまず「冷たいまま」前混合し、かつ該混合物を混合装置に供給し、混合装置中、反応温度で反応を行うことができる。たとえば化合物B)を固体のポリアミドA)上に施与し、かつこのようにして処理したポリアミドを、場合により銅化合物C)と一緒に、押出機中、反応温度で混合し、かつ混合物を押し出す。この実施態様は有利である。
この実施態様では、たとえばポリアミド顆粒上に化合物B)の溶液または懸濁液を一緒に噴霧することにより、または該溶液もしくは懸濁液をポリアミドA)にドラムコーティングすることにより化合物B)をポリアミドA)上に施与することができる。B)の溶液としてたとえばアルコール溶液、たとえばエタノール中の溶液が適切である。溶剤を(たとえば真空下で、および/または高温で)除去した後に、化合物B)により処理したポリアミド顆粒を、場合により銅化合物C)と一緒に押出機に供給し、ここで反応を行う。
あるいは、成分のいくつかを混合装置に供給し、かつ反応温度に加熱し、残りの成分を直接混合装置に供給することができる。たとえばまずポリアミドA)を押出機またはその他の混合装置中で溶融し、かつ成分B)および場合によりC)を、直接、押出機に供給することができる。同様にすべての成分をそれぞれ別々に混合装置に添加することができる。銅化合物C)を併用する場合、該化合物は有利には化合物B)より先に、またはB)と一緒に混合装置に添加する。
いずれの場合でも、生成物として高分子のポリアミドが得られる。混合装置から取り出した高分子ポリアミドは通常、溶融液状である。これを通常の方法で、たとえば水浴に通過させることにより固化させ、造粒するか、またはその他の方法で破砕する。
上記のとおり、すでに高分子ポリアミドを製造する際に、またはその後のコンパウンディングにおいて、上記の通例の添加剤または加工助剤を添加することができる。
有利には本発明による方法は、得られた高分子ポリアミドが、ISO307 ENにより96質量%の硫酸中、0.5質量%のポリアミド溶液を用いて25℃で測定した場合に、120〜400ml/gの粘度数(VZ)を有することを特徴とする。特に有利には粘度数は150〜350、特に180〜320ml/gである。
同様に有利には本方法は、高分子ポリアミドが揮発性塩基(FB)を含有していることを特徴とする。揮発性塩基の濃度はたとえばポリアミドA)のカルボキシル末端基濃度および化合物B)の使用量に依存し、かつ有利には高分子ポリアミド1kgあたり、FB少なくとも1ミリモルである。
揮発性塩基の測定はたとえば高分子ポリアミドの酸性加水分解、強塩基の添加による塩基の遊離、遊離される塩基の、酸性材料を含有する受け器への蒸留および指示薬の存在下での過剰の受け器の酸の逆滴定により行うことができる。このためにたとえば高分子ポリアミドをまず塩酸と共に煮沸することによって上部に設置された立ち管において加水分解する。混合物を冷却した後に、立ち管を滴下漏斗および蒸留ブリッジにより交換し、NaOHを過剰で滴加し、かつ遊離される塩基を装入物へと蒸留し、ここで、過剰の塩酸により塩基は吸収される。引き続き、装入物の過剰の塩酸をNaOHおよび指示薬としてのブロモクレゾールレッドにより逆滴定し、かつNaOH消費量から遊離塩基の濃度を計算する。
本発明の対象は、高分子ポリアミドの製造方法とならんで、この方法により得られる高分子ポリアミドである。
高分子ポリアミドはそのままでも、またはその他のポリマーと混合して、つまりポリマーブレンドとしても使用することができる。このようなその他のポリマーは、特に通常のポリアミド(成分A)についての記載を参照のこと)、およびポリアミドを耐衝撃性に変性するゴムポリマーである。適切なゴムポリマーは特にジエンゴム、たとえばポリブタジエンまたはスチレン−ブタジエン−コポリマー、アクリレートゴム、たとえばポリ−n−ブチルアクリレート、エチレンゴム、たとえばEPMおよびEPDM(エチレン−プロピレン−(ジエン)−モノマー)、およびシリコーンゴムである。ゴムはコア−シェル−ゴム(グラフトゴム)として、ランダムコポリマーゴムとして、またはブロックコポリマーゴムとして構成されていてよい。
高分子量ポリアミドから、あらゆる種類の成形体、シート、繊維(フィラメントおよび単繊維)および発泡体を製造することができる。従って本発明の対象は、成形体、シート、繊維および発泡体を製造するための高分子ポリアミドの使用、および高分子ポリアミドからなる成形体、シート、繊維および発泡体である。
本発明による高分子ポリアミドの製造方法は、従来技術の方法よりも簡単であり、かつ高価な固相縮合を行わずに可能である。所望の分子量上昇は、単に尿素またはその他のイソシアン酸を遊離する化合物を通常の、高分子ではないポリアミドに添加することによって特に問題なく行うことができる。
本発明のもう1つの対象は、ポリアミドの分子量を高める方法(「上昇法」)であり、これはアミノ末端基の濃度が、カルボキシル末端基の濃度より高いか、または同じであるポリアミドA)を、150〜350℃の温度において、この反応温度でイソシアン酸を遊離する化合物B)と反応させることを特徴とする。
この上昇法の有利な実施態様は、高分子ポリアミドを製造する方法の記載から明らかである。有利にはこの上昇法は、請求項1から10までのいずれか1項の特徴部分において定義されている特徴を少なくとも1つ有することを特徴とする。
実施例:
すべての圧力の記載は、絶対圧力である。以下の使用物質を使用し、その際、ポリアミドのその他の特性は第1表に記載されている:
A1:ポリアミド6、鎖長調節剤としてヘキサメチレンジアミンを用いて製造、AEK>CEK、
A2:ポリアミド6、鎖長調節剤としてビス(ヘキサメチレン)トリアミンを用いて製造、AEK>CEK、
A3:ポリアミド6、鎖長調節剤としてアジピン酸を用いて製造、AEK<CEK(比較例)、
A4:ポリアミド6、鎖長調節剤としてプロピオン酸を用いて製造、AEK<CEK(比較例)、
B:尿素、無水エタノール中の15質量%溶液として、
C:ヨウ化銅(I)、ポリアミド6 95質量%およびCuI5質量%の濃縮物として。
顆粒として存在しているポリアミドを、真空下(<100ミリバール)に80℃で、含水率が0.1質量%未満となるまで乾燥させた。
尿素のエタノール溶液を25℃で部分的にエタノールを蒸発させながらドラムコーティングにより顆粒上に被覆することによって、尿素を乾燥させたポリアミド顆粒上に施与した。その際、尿素溶液の量は、得られる顆粒が第1表に記載されている尿素含有率を有するように量定した。引き続きこうして処理した顆粒を真空下(<100ミリバール)に40℃で約2時間乾燥させて付着しているエタノールの残分を除去した。
尿素により処理した顆粒を、場合によりポリマーが第1表に記載されているCuI含有率を有する量のCuI濃縮物と一緒に、Haake PTW 16型の二軸スクリュー押出機に供給し、ここで混合し、かつ混合物を押し出した。押出機温度は260℃であり、スクリュー回転数は200rpmであり、かつ送入量は1kg/hであった。
押し出した高分子ポリアミドを水浴に通過させ、造粒し、かつ顆粒を真空下(<100ミリバール)に80℃で含水率が0.1質量%未満になるまで乾燥させた。
使用物質であるポリアミドA)もしくは生成物である高分子ポリアミドを用いて以下の特性を測定した:
粘度数VZ:ISO307ENに基づいて25℃で96%の硫酸中0.5質量%のポリマー溶液として測定した。
アミノ末端基濃度AEK:ポリマー1gに、フェノール75質量%およびメタノール25質量%からなる混合物を添加し、かつ攪拌および還流下に20分間沸騰させた。その後、該混合物を20℃に冷却し、かつ指示薬の溶液(メタノール中にベンジルオレンジ65mgおよびメチレンブルー35mgを溶解し、かつ100mlになるまでメタノールを足した)3滴を添加した。引き続き、0.02Nの過塩素酸溶液(70%の過塩素酸1.72mlにメタノール100mlを添加し、かつ1000mlになるまでエチレングリコールを足した)を用いて、緑色から赤色に変色するまで滴定し、過塩素酸消費量からAEKを計算した。
カルボキシル末端基濃度CEK:ポリマー1gに、ベンジルアルコール25mlを添加し、かつ攪拌下に上部に設置した立ち管および窒素ガス導入部により25分間沸騰させた。引き続き、まだ熱い混合物に、指示薬の溶液(1−プロパノール100ml中にクレゾールレッド100mgを溶解した)6滴を添加し、かつ直ちに0.02Nの水酸化カリウム溶液(メタノール中にKOH5.61gを溶解し、かつ100mlになるまでメタノールを足し、この溶液から20mlに1−プロパノール430mlおよび1−ヘキサノール550mlを足して1000mlとした)を用いて、黄色から紫色に変色するまで滴定した。KOH消費量からCEKを計算した。
揮発性塩基FB:ポリマー5gに、10質量%の塩酸100mlを添加し、かつ上部に設置した立ち管で4時間沸騰させた。その後、20℃まで冷却させ、かつ立ち管を滴下漏斗を有する蒸留ブリッジと交換した。0.1Nの塩酸10mlで満たした受け器を使用し、その際、蒸留ブリッジの管端部を塩酸中に浸漬した。5分以内に20質量%の水酸化ナトリウム溶液70mlを滴加し、かつその後、こうして得られた混合物から、30mlを受け器へと蒸留した。受け器の内容物を0.1Nの水酸化ナトリウム溶液の指示薬溶液(ブロモクレゾールレッド、20質量%のエタノール中、1質量%)数滴で黄色から青色に変色するまで滴定し、かつNaOH消費量から揮発性塩基の含有率を計算した。
AEK、CEKおよびFBは、ポリマーkgあたりのミリモルで記載されている。第1表および第2表は、組成および測定結果をまとめている。
Figure 0004605811
1) ポリアミドA(尿素Bおよびヨウ化銅(I)Cの添加前)のAEKもしくはCEK
2)ポリアミドA+尿素B+ヨウ化銅(I)Cの合計に対する。
Figure 0004605811
これらの例は、本発明による方法により極めて簡単な方法で高分子ポリアミドを製造することができることを示している:本発明による例1〜例8では、得られたポリアミドの粘度数が実質的に、使用されたポリアミドの粘度数よりも高かった。これに対して本発明によらない例(使用されたポリアミド中でAEK<CEK)の場合、わずかなVZの増加(例V2)が観察されるにすぎないか、またはVZの低下、つまり分子量の減少さえも観察された(例V1、V3)。
銅化合物を併用することによって、その他は同一である比較例の例5と例1、もしくは例6と例2との比較が示しているように、特に高い分子量を達成することができた。

Claims (11)

  1. ISO307ENにより、96質量%の硫酸中0.5質量%の溶液として25℃で測定した場合に、120〜400ml/gの粘度数(VZ)を有する高分子ポリアミドの製造方法において、ポリアミドA)を150〜350℃の温度において、この反応温度でイソシアン酸を遊離する化合物B)と反応させ、その際、使用されるポリアミドA)中で、アミノ末端基の濃度は、カルボキシル末端基の濃度よりも高いか、または同一であり、かつ化合物B)対ポリアミドのアミノ末端基のモル比が、0.3:1〜1.5:1であり、
    化合物B)が、尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌル酸、シリルカルバメート、トリメチルシリルカルバメート、トリメチルシリル尿素およびポリ(ノナメチレン)尿素から選択されている、
    ことを特徴とする、高分子ポリアミドの製造方法。
  2. ポリアミドA)中でポリマー鎖の少なくとも20モル%が、2個以上のアミノ末端基を有していることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 成分A)およびB)に加えて、銅化合物C)を併用することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 銅化合物C)の量が、成分A)、B)およびC)の合計に対して、0.005〜0.5質量%であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  5. 反応温度が200〜300℃であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  6. 反応を押出機中で行うことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  7. 化合物B)を固体のポリアミドA)上に施与し、かつこのように処理したポリアミドを、場合により銅化合物C)と一緒に、押出機中、反応温度で混合し、かつ混合物を押し出すことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  8. 得られた高分子ポリアミドが、ISO307ENにより、96質量%の硫酸中0.5質量%の溶液として25℃で測定した場合に、130〜300ml/gの粘度数を有することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  9. 請求項1からまでのいずれか1項記載の方法により得られる高分子ポリアミド。
  10. 成形体、シート、繊維および発泡体を製造するための、請求項記載の高分子ポリアミドの使用。
  11. 請求項記載の高分子ポリアミドからなる成形体、シート、繊維および発泡体。
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