上記課題を解決するために本発明の遊技機は、所定の始動条件の成立に起因して複数種類の識別情報を可変表示する可変表示部を複数有するとともに、その複数の可変表示部の有効な組合わせである有効ラインが複数組定められた可変表示手段と、
複数組の有効ラインのうち、いずれかの有効ライン上の可変表示部に表示された識別情報の組合せが予め定められた大当たり態様となった場合に、大当たり状態を発生する大当たり状態発生手段と、
大当たり状態を発生するとき、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部に表示している識別情報に基づいて、大当たり状態中に実行する大当たり遊技の遊技態様を変化させる遊技条件を決定する大当たり遊技条件決定手段と、
を備えることを特徴とする。
上記本発明の遊技機は、複数種類の識別情報を可変表示する可変表示部を複数有し複数組の有効ラインが定められた可変表示手段と、複数組の有効ラインのうちのいずれかの有効ライン上の可変表示部に表示された識別情報の組合せが予め定められた大当たり態様となった場合に大当たり状態を発生する大当たり状態発生手段とを備えている。そして、大当たり状態を発生するとき、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部に表示している識別情報に基づいて、大当たり状態中に実行する大当たり遊技の遊技態様を変化させる遊技条件を決定する大当たり遊技条件決定手段を備えており、例えば大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部のうち、特定の識別情報を表示している可変表示部の合計数に基づいて、例えば大当たり状態中に実行する予定のラウンド数を決定するようにできる。これにより有効ライン以外の可変表示部にも遊技者の注目が集まり、その後の遊技状態、すなわちラウンド数がいくつに決定されるかを、期待しながらリーチ演出を楽しむことが可能である。
その際、大当たり遊技条件決定手段は、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部のうち、特定の識別情報を表示している可変表示部の合計数に基づいて遊技条件を決定するようにできる。このように大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部のうち、特定の識別情報を表示している可変表示部の合計数に基づいて、例えば大当たり状態中に実行される予定のラウンド数を決定するようにでき、遊技者はリーチ状態になった場合、リーチ状態の有効ライン以外の可変表示部にも遊技者が注目するようになる。また、その特定の識別情報を表示している可変表示部の合計数により、ラウンド数を変化させることも可能であり、遊技者に興趣を与えることが可能となる。
また、その際、大当たり遊技条件決定手段は、複数の可変表示部の全てのうち、特定の識別情報を表示している可変表示部の合計数に基づいて遊技条件を決定するようにできる。このように複数の可変表示部の全てのうち、特定の識別情報を表示している可変表示部の合計数に基づいて遊技条件を決定することにより、大当たり状態発生に対する期待感がリーチ演出のみにではなく表示演出全体に拡げられ、その合計数がいくつになるかに遊技者が注目するようになる。
さらに、その際、大当たり態様は、有効ライン上の可変表示部に同じ識別情報が表示されている状態であり、特定の識別情報は、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部に表示されている識別情報であるとすることができる。このように有効ライン上の可変表示部に同じ識別情報が表示されている状態、いわゆるゾロ目となったとき大当たりとすることができ、また大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部に表示されている識別情報と同じ識別情報を特定の識別情報とすることができ、これにより、例えば大当たり状態中に実行される予定のラウンド数を決定するようにでき、遊技者に分かり易く、リーチ状態になった場合、リーチ状態の有効ライン以外の可変表示部の識別情報表示に遊技者が注目するようになる。また、特定の識別情報としてその同じ識別情報の表示される数量により、ラウンド数を変化させることも可能となる。
また、その際、遊技条件は、大当たり状態中に実行する予定のラウンド数、大当たり状態中に開放する大入賞口の最大開放時間、その大入賞口への最大入賞可能個数、その大入賞口に入賞したときに払い出しする払出玉数及び大当たり状態中に開放する大入賞口の1ラウンドの最大開放回数のうち、少なくとも1つ以上を含むようにできる。このように、例えば大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部のうち、特定の識別情報を表示している可変表示部の数が1つの場合にラウンド数を5ラウンド、可変表示部の数が2つの場合に10ラウンドと、特定の識別情報を表示している可変表示部の合計数に基づいて、ラウンド数を変化させて遊技者の興趣を高めることができる。また、特定の識別情報を表示している可変表示部の合計数に基づいて、例えば大入賞口の1ラウンドの最大開放時間を変化させたり、1ラウンドの大入賞口への最大入賞可能個数を変化させたり、或いは大入賞口の1入賞に対する払出玉数を変化させたり、1ラウンドの大入賞口の最大開放回数を変化させることができる。さらに、これら遊技条件を複数組合わせて実施することも可能である。
(実施例1)
以下、本発明の遊技機の実施の形態につき、パチンコ遊技機の実施例を参照して説明する。図1はパチンコ遊技機1(遊技機1ともいう)の正面模式図である。パチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明ガラス扉2と、台枠の内側に配置されてガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。遊技盤3は、円状に遊技領域が形成されている。遊技盤3の下方には、玉供給皿4が設けられている。玉供給皿4に準備された玉は、ハンドル5を含んで構成される玉発射機構によって遊技盤3に向けて発射される。遊技盤3に達した玉は、その遊技盤3の面上を落下する。
パチンコ遊技機1はいわゆるセブン機であり、その遊技盤3の面上中央部には中央役物が設けられ、その中央役物に液晶式の液晶表示部6が配設されている。液晶表示部6には、3行×3列のマトリクス状に構成されて図柄が可変表示される特別図柄表示部13と、普図表示部14、保留玉表示部15が設けられている。液晶表示部6の下方には、特別始動可変入賞口7が設けられるとともに、液晶表示部6の左方には普図始動入賞口8が設けられている。その特別始動可変入賞口7の左右には入賞口9,10が設けられるとともに、特別始動可変入賞口7の下方には当該パチンコ遊技機1が大当たりしたときに開放する大入賞口(アタッカー)11と、玉を回収するためのアウト口12が設けられている。
特別始動可変入賞口7は、いわゆる普通電動役物であり、入賞口の両側に可動部材16,16が可動自在に設けられ、動作時に左右に開くように可変式の入賞口として構成されている。すなわち、非動作時には図1に示すように閉鎖した第1状態を呈し、動作時には開放した第2状態を呈するものである。
次に、図2に示すのは、パチンコ遊技機1の遊技制御装置20の構成を示すブロック図である。遊技制御装置20は、メイン基板21、このメイン基板21に搭載されたCPU22、ROM23、RAM24、入出力回路(I/O)25、CPU22からの制御信号の出力が接続される表示制御基板26、音声制御基板27、ランプ制御基板28、払出制御基板29、発射制御基板30、この遊技制御装置20に電源を供給する電源回路31を含み構成される。パチンコ遊技機1は、ROM23に格納されたパチンコ遊技機1の全体を制御する制御プログラム51によって制御される。
玉の通過を検知したとき検知信号を出力する検知スイッチとして、特別始動可変入賞検出器32、普図始動入賞検出器33、大入賞口入賞検出器34、入賞検出器35,36が入出力回路(I/O)25を介してCPU22に接続されている。特別始動可変入賞口開放用ソレノイド37、大入賞口開放用ソレノイド38が入出力回路(I/O)25を介してCPU22に接続されている。CPU22からの制御信号により特別始動可変入賞口開放用ソレノイド37が駆動され、可動部材16,16の開閉が制御される。また、CPU22からの制御信号により大入賞口開放用ソレノイド38が駆動され、大入賞口11の開閉が制御される。
表示制御基板26にはCPU22からの制御信号が入力され、該制御信号に応じて液晶表示部6の特別図柄表示部13、普図表示部14及び保留玉表示部15の表示が制御される。また、音声制御基板27では音声信号を作成し、音声信号が増幅されスピーカ41から音声が出力される。ランプ制御基板28にはCPU22からの制御信号が入力され制御信号に応じて装飾ランプ等のランプ類42が制御される。また、払出制御基板29では制御信号に応じて賞球や貸球の払出装置43を制御する。発射制御基板30では同様に玉の発射装置44を制御する。
図3は液晶表示部6及び特別図柄表示部13の説明図である。液晶表示部6には、中央に特別図柄表示部13、下方右側に普図表示部14、下方左側に保留玉表示部15が設けられている。特別図柄表示部13では図3(b)に示すように、複数の可変表示部が縦横に配列された形態、この実施例では3行×3列のマトリクス状に9個の可変表示部13a〜13iが配列された形態を有し、それら可変表示部13a〜13iでは複数種類の図柄(識別情報)、この例ではアラビア数字等のキャラクタが表示されるようになっている。普図表示部14には「○」、「■」などの記号が2つ(2列)表示される。保留玉表示部15では、特別始動可変入賞口7への入賞時に行われた抽選の結果が保留される毎に保留表示する。すなわちRAM24の保留玉記憶領域に格納中の保留情報の数量を表示する。本実施例では保留玉(保留数)の上限は4個に設定されている。保留玉表示部15では、保留数が増加する毎に左から右に向かって順に四角形状の表示部が反転(例えば無色から黄色)表示し、減少した場合には右から順に反転表示を解除することで保留数を表示している。
特別始動可変入賞口7の開放について説明する。特別始動可変入賞口7は普図抽選により当たりとなった場合に開放する。普図始動入賞口8に付設された普図始動入賞検出器33により玉の入賞を検知すると、入賞検知信号がCPU22に伝送される。CPU22に普図始動入賞検出器33からの入賞検知信号が入力されたタイミングに応じて、CPU22が判定用カウンタから乱数値(カウンタ値)を取得し、その乱数値が当たり乱数に一致するか否かを判定することにより普図抽選を行っている。
本実施例では、普図抽選において例えば乱数値範囲を「0〜1」とし、「1」を当たり、「0」をハズレとしている。抽選処理で乱数値が当たり乱数である場合、当たり条件成立となる。当たりとなったときに、液晶表示部6の普図表示部14に当たり停止図柄として、例えば「○○」と2列とも同じ記号が揃った状態を表示する。なお、普図の1回の変動表示時間は、通常状態においては30秒であるが、時間短縮状態(時短状態ともいう)においては5秒に短縮されるように設計されている。従って、時短状態においては通常状態よりも頻繁に普図が変動を停止することになる。このような変動時間短縮機能を一般に「時短機能」と称し、この時短機能が発動している状態を時短状態という。確変状態が実行される場合において、この時短状態が合わせて実行される場合もある。
普図抽選において当たりとなると、確変状態が発生していない通常状態においては特別始動可変入賞口7を0.2秒開放する一方、確変状態においては特別始動可変入賞口7を5秒開放する。CPU22からの制御信号により特別始動可変入賞口開放用ソレノイド37が駆動され、可動部材16,16が開放状態となり、玉の入賞率が高まるとともに、上記開放時間経過後、閉鎖状態となり、開放状態と比べて入賞率が低くなる。
次に、大当たり抽選について説明する。特別始動可変入賞口7に付設された特別始動可変入賞検出器32により玉の入賞を検知すると、入賞検知信号がCPU22に伝送される。CPU22に特別始動可変入賞検出器32からの入賞検知信号が入力されたタイミングに応じて、CPU22が大当たり判定用カウンタから乱数値(カウンタ値)を取得し、その乱数値が大当たり乱数に一致するか否かを判定することにより大当たりの抽選を行っている。抽選処理で乱数値が大当たり乱数である場合、大当たり条件成立となる。CPU22は当否抽選手段として機能する。
本実施例では、大当たり抽選にあわせてラウンド数抽選を行っている。大当たり遊技として実行されるラウンド数を抽選により決定している。このラウンド数抽選結果は大当たりのときにのみ有効となる。ラウンド数抽選は専用のカウンタを用いて行うことができる。
CPU22はこの大当たり抽選処理の結果及びラウンド数抽選処理の結果を受けて、液晶表示部6の特別図柄表示部13に導出表示させるべき図柄を決定する。その決定に基づく表示制御信号がCPU22から表示制御基板26に出力される。
図4は特別図柄表示部13の有効ラインの例を示す。特別図柄表示部13においては、可変表示部13a〜13iの相互の有効な組合せを示す有効ラインが複数組、この例では8組設定されている。すなわち図4(a)〜(h)に示すように、9個の可変表示部13a〜13iが配列された形態で、縦、横、斜めの可変表示部3個で構成された有効ラインが、合計8通り設けられている。
例えば可変表示部13a,13b,13cで上段(横)に有効ライン131、可変表示部13d,13e,13fで中段(横)に有効ライン132、可変表示部13g,13h,13iで下段(横)に有効ライン133が設定されている。また、可変表示部13a,13d,13gで左列(縦)に有効ライン134、可変表示部13b,13e,13hで中央列(縦)に有効ライン135、可変表示部13c,13f,13iで右列(縦)に有効ライン136が設定されるとともに、可変表示部13a,13e,13iで右下方斜めに有効ライン137、可変表示部13c,13e,13gで左下方斜めに有効ライン138設定されている。このうちのいずれかの有効ラインに、大当たり図柄として、次のように揃った場合、例えば111、222、333、444、555、666、777、888、999と揃った場合、大当たりとしている。すなわち、有効ライン上の可変表示部に同じ図柄が表示されている状態を大当たり態様としている。また、2つ以上の有効ラインに同じ図柄が揃った場合、確変大当たりとしている。
そして、ラウンド数(継続ラウンド数)は、例えば6、8,10,12,14,16,18の7通り設定されている。ラウンド数は、可変表示部13a〜13iの全てにおいて、大当たりとなった図柄と同じ図柄である特定図柄(識別情報)が示された数量(可変表示部の合計数)で決定される。例えば「7」で大当たりとなった場合(「777」が大当たり図柄であった場合)、可変表示部13a〜13iに表示された「7」の数の2倍を乗じた数をラウンド数としている。CPU22は大当たり遊技条件決定手段として機能する。内部的には、ラウンド数抽選で決定したラウンド数の1/2の数の「7」を表示するように表示制御が行われる。CPU22からの制御信号が表示制御基板26に入力され、該制御信号に応じて液晶表示部6の特別図柄表示部13の表示が制御される。CPU22と表示制御基板26とにより表示制御手段を構成する。
なお、大当たり抽選結果及びラウンド数抽選結果は、RAM24に割り当てられた保留玉記憶領域に一時的に記憶される。CPU22は、液晶表示部6において新たな図柄変動動作を行なうことができるかどうかを確認してから、抽選結果を読み出し、図柄変動動作を開始する。先の大当たり抽選処理に係る図柄変動動作が行われている場合、大当たり抽選処理の結果を含む抽選データは、保留玉記憶領域に保持される。
次に、具体的な制御手順について説明する。ROM23に格納された制御プログラム51は、パチンコ遊技機1の全体の制御を司るもので、パチンコ遊技機1への電源投入後に、割込みモードの設定やRAMチェック等の初期化処理、初期化処理の終了後各遊技処理、すなわち特別始動可変入賞口7等への入賞検出処理、大当たり抽選処理、ラウンド数抽選処理、図柄変動処理及び大当たり処理などを実行する。
次に、CPU22によって決定される、大当たり抽選処理の結果及びラウンド数抽選処理の結果に基づいて、特別図柄表示部13に導出表示される図柄について説明する。図5は特別図柄表示部13の表示例を示す。図5(a)では、上段(横)に「777」と表示され、普通大当たりで6ラウンド継続を表している。図5(b)では、上段(横)と左列(縦)に「333」と表示され、2つの有効ラインに同じ図柄が揃った確変大当たりで、かつ「3」が合計5個表示され、10ラウンド継続を表している。
図5(c)では、同様の見方で、上段(横)に「999」と、それ以外に「9」が2個(合計5個)表示され、普通大当たりで10ラウンド継続を表し、図5(d)では、上段(横)「111」と、それ以外に「1」が3個(合計6個)表示され、普通大当たりで12ラウンド継続を表している。また、図5(e)では、上段(横)と、下段(横)及び中央列(縦)に「555」と、「5」が合計7個表示され、確変大当たりで14ラウンド継続を表し、図5(f)では、可変表示部13a〜13iの全てに「7」が(合計9個)表示され、確変大当たりで18ラウンド継続を表している。
次に、特別図柄表示部13の図柄変動について説明する。図6は特別図柄表示部13の図柄変動例を示す。可変表示部13a〜13iでは、複数種類の図柄をスクロール表示(可変表示)する。図6において、「↓」は変動中の図柄を示す。図6(b)に示すように、先ず可変表示部13a、13iの図柄を停止表示する。次に、図6(c)に示すように、可変表示部13b、13d、13f及び13hの図柄を停止表示する。図6(c)では、上段(横)において「55↓」と、中段(横)において「7↓7」と同じ図柄が揃ったリーチ状態を表示している。その次に、図6(d)に示すように、可変表示部13c、13gの図柄を停止表示する。図6(d)では、中段(横)と左下方斜めにおいて「7↓7」と同じ図柄が揃ったリーチ状態を表示している。
このとき遊技者は、リーチ状態の有効ライン以外の可変表示部の図柄も注目する(例えば可変表示部13hの「7」の図柄)。この状態で当たれば確変大当たりで12ラウンド継続となるので、遊技者は残りの図柄が「7」で停止することを期待する。次に、図6(e)に示すように、可変表示部13eの図柄を停止表示する。可変表示部13a〜13iの全ての図柄が停止し、結果が確定する。図6(e)では、2つの中段(横)と左下方斜めの2つの有効ライン上に「777」と揃い、かつ「7」の数量が合計6個であり、確変大当たりで12ラウンド継続が確定となる。
図7は特別図柄表示部13の図柄変動例の他の例を示す。図7(a)〜(b)については、前述同様であり、先ず可変表示部13a、13iの図柄を停止表示する。次に、図7(c)に示すように、可変表示部13b、13d、13f及び13hの図柄を停止表示し、中段(横)において「3↓3」と、左列(縦)において「33↓」と同じ図柄が揃ったリーチ状態を表示している。その次に、図7(d)に示すように、可変表示部13c、13gの図柄を停止表示し、中段(横)において「3↓3」と、左下方斜めにおいて「7↓7」と同じ図柄が揃ったリーチ状態を表示している。
このとき遊技者は、リーチ状態の有効ライン以外の可変表示部も注目する(例えば可変表示部13a、13hの「3」の図柄)。この状態で、「7」で停止すれば普通大当たりで6ラウンド継続となり、また「3」で停止すれば(「3」が有効ライン上に揃い、「3」の数量が合計で5個となるため)普通大当たりで10ラウンド継続となる。遊技者は、現在の遊技状態によって、例えば現在確変中であれば確変が継続することを願って外れることを期待し、また例えば現在確変中でなく通常状態であれば継続ラウンド数の多い「3」で停止することを期待することになる。次に、図7(e)に示すように、可変表示部13eの図柄を停止表示し、可変表示部13a〜13iの全ての図柄が停止して結果が確定する。図7(e)では、左下方斜めの有効ライン上に「777」と揃い、かつ「7」の数量が合計3個であり、普通大当たりで6ラウンド継続が確定となる。
次に、大当たり遊技について説明する。特別図柄表示部13において、複数組の有効ラインのうちの少なくともいずれかの有効ラインで所定の特定図柄を停止表示したときに大当たりが発生する。大当たり遊技として、大入賞口11の1回の開放と閉鎖を1ラウンドとし、可変表示部13a〜13iの全てにおいて、所定の特定図柄と同じ図柄が示された数量で決定されたラウンド(例えば12ラウンド)となるまで大入賞口11の開放動作が繰り返し実行される。1ラウンドは、大入賞口11を開放してから大入賞口11へ所定個数の入賞か、或いは所定時間の経過のいずれかの条件が満たされた時点で、大入賞口11を閉鎖する。CPU22は大当たり状態発生手段として機能する。そして、2つ以上の有効ラインに同じ図柄が揃った場合、確変大当たりとなり、その大当たり終了後遊技者に有利な確変状態(特別遊技状態)などを発生させる。CPU22は特別遊技状態発生手段として機能する。
このように複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示部13a〜13iを有し複数組の有効ライン131〜138が予め定められた特別図柄表示部13を備え、複数組の有効ラインのうちのいずれかの有効ライン上で所定の図柄を表示した場合(図柄の組合せが予め定められた大当たり態様となった場合)に大当たりを発生するように構成されている。そして、複数の可変表示部13a〜13iのうち、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部に表示している図柄を含むように設定された条件、この例では、可変表示部13a〜13iの全てのうち、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部に表示されている図柄と同じ図柄が示された数量(可変表示部の合計数)を条件としてラウンド数が決定されるようにしており、大当たり発生に対する期待感がリーチ演出のみにではなく表示演出全体に拡げられ、その合計数がいくつになるかに遊技者が注目するようになる。従って、有効ライン以外の可変表示部にも遊技者の注目が集まり、その後の遊技状態、すなわちラウンド数がいくつに決定されるかを、期待しながらリーチ演出を楽しむことが可能である。
(変形例1)
図8は、大当たり抽選処理の結果及びラウンド数抽選処理の結果を受けて、液晶表示部6の特別図柄表示部13に導出表示させる図柄の変形例を示す。実施例では、大当たり中のラウンド数は、可変表示部13a〜13iの全てのうち、特定図柄を表示している可変表示部の合計数で決定したが、変形例では、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部に表示された特定図柄の数量によって決定している。
この変形例では、有効ラインに、大当たり図柄として、次のように揃った場合、例えば111、333、555、777、999と揃った場合、大当たりとしている。また、2つ以上の有効ラインに同じ図柄が揃った場合、確変大当たりとしている。そして、特定図柄として、例えば☆が設定されている。☆の数が0個で大当たりとなったとき、継続するラウンド数を3ラウンドとするとともに、☆1個につき3ラウンドずつ、☆の数が増える毎に継続するラウンド数が加算されるように設定されている。内部的には、ラウンド数抽選で決定したラウンド数に合わせて☆を表示するように表示制御が行われる。
図8の特別図柄表示部13の表示例について説明する。図8(a)では、上段(横)に「777」と表示されるとともに、上段の可変表示部13a〜13c以外の可変表示部13dにおいて☆が1個表示され、普通大当たりで6ラウンド継続を表している。図8(b)では、上段(横)と左列(縦)に「333」と表示されているので、2つの有効ラインに同じ図柄が揃った確変大当たりであり、かつ上段と左列以外の可変表示部13e、13fにおいて☆が合計2個表示されているので、その大当たりが9ラウンド継続することを表している。
図8(c)では、同様の見方で、上段(横)に「999」と表示されるとともに、上段以外の可変表示部13d、13e、13hにおいて☆が合計3個表示され、普通大当たりで12ラウンド継続を表す。図8(d)では、上段(横)に「111」と表示されるとともに、上段以外の可変表示部13f、13g、13h、13iにおいて☆が合計4個表示され、普通大当たりで15ラウンド継続を表している。また、図8(e)では、上段(横)と左下方斜めに「555」と表示されるとともに、上段と左下方斜め以外の可変表示部13d、13f、13h、13iにおいて☆が合計4個表示され、確変大当たりで15ラウンド継続を表す。図8(f)では、可変表示部13a〜13iの全てにおいて「7」と表示されるとともに、☆が0個であり、確変大当たりで3ラウンド継続を表している。
このように大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部に特定の図柄が表示されることにより、大当たり中に実行されるラウンド数を決定するようにでき、遊技者はリーチ状態になった場合、リーチ状態の有効ライン以外の可変表示部にも遊技者が注目するようになる。また、その特定の図柄の表示される数量により、ラウンド数を変化させることができ、遊技者の興趣を高められる。
(変形例2)
図9は、大当たり抽選処理の結果及びラウンド数抽選処理の結果を受けて、液晶表示部6の特別図柄表示部13に導出表示させる図柄の他の変形例を示す。この変形例では、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部において、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部に表示されている図柄と同じ図柄が表示された数量によって決定している。
この変形例では、有効ラインに、大当たり図柄として、次のように揃った場合、例えば111、333、555、777、999と揃った場合、大当たりとしている。また、2つ以上の有効ラインに同じ図柄が揃った場合、確変大当たりとしている。そして、大当たりの条件成立を示す有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部において、大当たりとなった図柄と同じ図柄の数1個につき5ラウンドと設定している。内部的には、ラウンド数抽選で決定したラウンド数に合わせて大当たり図柄と同じ図柄を表示するように表示制御が行われる。
図9の特別図柄表示部13の表示例について説明する。図9(a)では、上段(横)に「777」と表示されるとともに、上段の可変表示部13a〜13c以外の可変表示部13dにおいて「7」が1個表示され、普通大当たりで5ラウンド継続を表している。図9(b)では、上段(横)と左列(縦)に「333」と表示され、2つの有効ラインに同じ図柄が揃った確変大当たりで、かつ上段と左列以外の可変表示部13iにおいて「3」が1個表示され、5ラウンド継続を表している。
図9(c)では、同様の見方で、上段(横)に「999」と表示されるとともに、上段以外の可変表示部13g、13iにおいて「9」が合計2個表示され、普通大当たりで10ラウンド継続を表す。図9(d)では、上段(横)と左列(縦)に「333」と表示されるとともに、上段と左列以外の可変表示部13f、13hにおいて「3」が合計2個表示され、確変大当たりで10ラウンド継続を表している。また、図9(e)では、上段(横)に「999」と表示されるとともに、上段以外の可変表示部13f、13g、13hにおいて「9」が合計3個表示され、普通大当たりで15ラウンド継続を表す。この変形例では、確変大当たりの継続ラウンド数は、有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部に同じ図柄が示される最大数が2個であるため、10ラウンドが上限となる。
このように大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部において、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部に表示されている図柄と同じ図柄が表示された数量によって大当たり中に実行されるラウンド数を決定するようにしており、遊技者に分かり易く、リーチ状態になった場合、リーチ状態の有効ライン以外の可変表示部の図柄表示に遊技者が注目するようになる。
(変形例3)
図10は、大当たり中に実行される大当たり遊技態様を変化させる遊技条件の設定例を示す。実施例では、大当たり中に実行されるラウンド数を変化させるようにしたが、ラウンド数以外に次のように遊技条件を設定してもよい。大当たり条件が成立したとき、可変表示部13a〜13iの全てのうち、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部に表示されている図柄と同じ図柄が示された数量(可変表示部の合計数)に応じて、大入賞口11の開放条件などを設定してもよい。例えば大入賞口11の1ラウンドごとの最大開放時間を、大当たりとなった図柄と同じ図柄が示された数量が5個以下の場合は15秒とし、その図柄数が6個以上の場合は25秒と設定できる。内部的には、前述のラウンド数抽選に換えて、ラウンド開放時間の抽選を行い、その抽選により決定されたラウンド開放時間に合わせて大当たり図柄と同じ図柄を表示するように表示制御が行われる。
また、例えば大入賞口11の1ラウンドの最大入賞可能個数を、大当たりとなった図柄と同じ図柄が示された数量が5個以下の場合は8個とし、その図柄数が6個以上の場合は10個と設定してもよい。さらに、例えば大入賞口11への1入賞に対する払出玉数を、大当たりとなった図柄と同じ図柄が示された数量が5個以下の場合は13個とし、その図柄数が6個以上の場合は15個と設定してもよい。また。例えば大入賞口を断続的に開放状態とする開放制御がされる所謂羽根物タイプの遊技機において、1ラウンドでのその大入賞口の最大開放回数を、大当たりとなった図柄と同じ図柄が示された数量が5個以下の場合は12回とし、その図柄数が6個以上の場合は18回と設定することができる。
このように大当たりの遊技条件を設定することにより、大当たり中に実行される遊技を変化させて遊技者の興趣を高めることができる。なお、これら遊技条件を複数組合わせて実施することもできる。さらに、実施例の継続ラウンド数と組合わせて実施することもできる。
(実施例2)
図11〜図15は第2実施例を示す。第1実施例では、液晶表示部6の特別図柄表示部13は9個の可変表示部13a〜13iを有し、それらがマトリクス状に配列された構成としていたが、第2実施例では、液晶表示部6の特別図柄表示部73は6個の可変表示部を有し、それらが三角形状に配列された構成としている。
図11は特別図柄表示部73の配列形態を示す。特別図柄表示部73では図11(b)に示すように、複数の可変表示部が三角形状に縦横に配列された形態、この実施例では三角形状に、上段に1個、中段に2個、下段に3個合計6個の可変表示部73a〜13fが積み上げられた形態を有し、それら可変表示部73a〜73fでは複数種類の図柄、この例ではアラビア数字等のキャラクタが表示されるようになっている。
図12は特別図柄表示部73の有効ラインの例を示す。特別図柄表示部73には複数組、この例では3組の有効ラインが設定されている。すなわち図12(a)〜(c)に示すように、6個の可変表示部73a〜73fが三角形状に縦横に配列された形態で、下段、右下方斜め、左下方斜めの可変表示部3個で構成された有効ラインが合計3通り設けられている。
例えば可変表示部73d,73e,73fで下段(横)に有効ライン731、可変表示部73a,73c,73fで右下方斜めに有効ライン732、可変表示部73a,73b,73dで左下方斜めに有効ライン733が設定されている。このうちのいずれかの有効ラインに、大当たり図柄として、次のように揃った場合、例えば111、222、333、444、555、666、777、888、999と揃った場合、大当たりとしている。すなわち、有効ライン上の可変表示部に同じ図柄が表示されている状態を大当たり態様としている。また、2つ以上の有効ラインに同じ図柄が揃った場合、確変大当たりとしている。
そして、ラウンド数(継続ラウンド数)は、例えば9、12、15、18の4通り設定されている。ラウンド数は、可変表示部73a〜73fの全てのうち、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部に表示されている図柄と同じ図柄が示された数量(可変表示部の合計数)で決定される。例えば「7」で大当たりとなった場合(「777」が大当たり図柄であった場合)、可変表示部73a〜73iに表示された「7」の数の3倍を乗じた数をラウンド数としている。内部的には、ラウンド数抽選で決定したラウンド数の1/3の数の「7」を表示するように表示制御が行われる。CPU22からの制御信号が表示制御基板26に入力され、該制御信号に応じて液晶表示部6の特別図柄表示部73の表示が制御される。
図13は特別図柄表示部73の表示例を示す。図13(a)では、下段(横)に「777」と、それ以外に「7」が1個(合計4個)表示され、普通大当たりで12ラウンド継続を表している。図13(b)では、下段(横)と右下方斜めに「777」と表示され、2つの有効ラインに同じ図柄が揃った確変大当たりで、かつ「7」が合計5個表示され、15ラウンド継続を表している。図13(c)では、可変表示部73a〜73fの全てに「7」が(合計6個)表示され、確変大当たりで18ラウンド継続を表している。
図14は特別図柄表示部73の図柄変動例を示す。可変表示部73a〜73fでは、複数種類の図柄をスクロール表示(可変表示)する。図14(b)に示すように、先ず可変表示部73c、73dの図柄を停止表示する。次に、図14(c)に示すように、可変表示部73b、73f、次いで73aを停止表示する。図14(c)では、下段(横)において「2↓2」と、同じ図柄が揃ったリーチ状態を表示している。このとき遊技者は、リーチ状態の有効ライン以外の可変表示部の図柄も注目する(例えば可変表示部73b、73cの「2」の図柄)。この状態で当たれば15ラウンド継続となるので、遊技者は残りの図柄が「2」で停止することを期待する。次に、図14(d)に示すように、可変表示部73eの図柄を停止する。可変表示部73a〜73fの全ての図柄が停止表示し、結果が確定する。図14(d)では、有効ラインに同じ図柄が揃っていないハズレの状態を示す。
次に、図15は特別図柄表示部73の図柄変動例の他の例を示す。図15(a)〜(b)については、前述同様であり、先ず可変表示部73c、73dの図柄を停止表示する。次に、図15(c)に示すように、可変表示部73b、73f、次いで73aを停止表示する。図15(c)では、下段(横)に「7↓7」と同じ図柄が揃ったリーチ状態を表示している。このとき遊技者は、リーチ状態の有効ライン以外の可変表示部の図柄も注目する(例えば可変表示部73aの「7」の図柄)。この状態で当たれば12ラウンド継続となるので、遊技者は残りの図柄が「7」で停止することを期待する。その次に、図15(d)に示すように、可変表示部73eの図柄を停止表示する。可変表示部73a〜73fの全ての図柄が停止表示し、結果が確定する。図15(d)では、下段(横)の有効ライン上に「777」と揃い、かつ「7」の数量が合計4個であり、普通大当たりで12ラウンド継続が確定となる。
このように特別図柄表示部73において、複数組の有効ラインのうちのいずれかの有効ライン上で所定の図柄を表示した場合(図柄の組合せが予め定められた大当たり態様となった場合)に大当たりを発生するように構成されている。そして、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部に表示している図柄を含むように設定された条件、この例では、可変表示部73a〜73fの全てのうち、大当たり態様となっている有効ライン上の可変表示部に表示されている図柄と同じ図柄が示された数量(可変表示部の合計数)を条件としてラウンド数が決定されるようにしており、大当たり発生に対する期待感がリーチ演出のみにではなく表示演出全体に拡げられ、その合計数がいくつになるか、有効ライン以外の可変表示部にも遊技者が注目するようにできる。また、特別図柄表示部73が三角形状に6個の可変表示部73a〜73fで構成され、有効ラインも3個と比較的少なく遊技者にとって分かり易く、かつ表示演出全体を見易い図柄表示装置を提供できる。
また、本実施例に次のような変形を加えてもよい。
(1)大当たり遊技態様を変化させる遊技条件の設定について、大入賞口を2つ設けて、大当たり条件が成立したとき、可変表示部13a〜13iの全てにおいて、大当たりとなった図柄と同じ図柄が示された数量に応じて、いずれの大入賞口を開放させるかを決定してもよい。例えば第1大入賞口では、最大入賞可能個数が10個、1入賞に対する払出玉数が15個とし、一方第2大入賞口では、最大入賞可能個数が8個、1入賞に対する払出玉数が13個と設定して、大当たりとなった図柄と同じ図柄数が5個以下の場合は、第2大入賞口が開放され、それが6個以上の場合は、第1大入賞口が開放されるようにCPU22にて開放制御を行うようにできる。
(2)本実施形態は遊技機としてパチンコ遊技機を例にしているが、スロットマシンや、遊技媒体をポイントなどのデータに一旦変換してから投資して遊技を行う封入式の遊技機などに置き換え、本明細書中に示した要件を取捨選択することにより、本発明を様々な態様で実施できる。スロットマシンに適用した場合、スタートレバーの操作が始動条件の成立に相当するとともに、リールが可変表示手段に相当し、有効ライン上に所定の識別情報を表示した場合に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスを発生させるようにできる。そして、複数の可変表示部のうち、ボーナス状態の条件成立を示す有効ライン上の可変表示部を除いた可変表示部を少なくとも含むように設定された所定条件に基づいて、ボーナス中に実行される遊技の遊技態様を変化させる遊技条件を決定するようにできる。