JP4605447B2 - 3次元共焦点顕微鏡システム - Google Patents
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Description
図9において、共焦点スキャナ110は、顕微鏡120のポート122に接続してあり、レーザ光111は、マイクロレンズアレイディスク112のマイクロレンズ117により個別の光束に集光され、ダイクロイックミラー113を透過後、ピンホールアレイディスク(以下、ニポウディスクという。)114の個々のピンホール116を通過し、顕微鏡120の対物レンズ121により、ステージ123上の試料140に集光される。
また、上述のニポウディスク方式の共焦点顕微鏡の他にガルバノミラーを用いて試料への集光点を走査し、共焦点画像を取得するものもある(例えば、特許文献3参照。)。
また、FRAP(蛍光褪色法)とは、蛍光タンパクを発現した細胞の蛍光を、第2のレーザ光の照射により部分的に褪色させて、細胞における蛍光褪色後のタンパク質の局在変化を観察するものである。
また、ガルバノミラー方式の共焦点顕微鏡では2次元走査のためのガルバノミラーの制御に時間がかかり、光刺激や蛍光褪色などの高速な反応についてはリアルタイムでの画像計測が困難である。
さらに、3次元構造を持つ試料に対しては、光刺激が届かない、あるいは不十分であることが考えられる。それにより、光刺激後の試料観察の結果に正確さを欠くことになるという問題があった。
前記共焦点画像の画像データを出力するビデオカメラと、
前記顕微鏡の対物レンズの焦点位置を光軸方向に移動するアクチュエータと、
このアクチュエータを介して前記対物レンズを光軸方向に走査するための走査波形信号を発生する制御部と、
前記ビデオカメラで取得した画像データに基づき前記試料の3次元画像を生成する画像処理部と、
を備えた3次元共焦点顕微鏡システムであって、
前記顕微鏡に接続され、前記試料に刺激を与えるレーザ光を出力するレーザ光出力手段を有し、
前記対物レンズを走査して前記試料に対して光軸方向に刺激を与え、
前記対物レンズの一方向の走査で刺激を与え、これに続いて他方向の走査で前記共焦点画像を取得することを特徴とする3次元共焦点顕微鏡システム。
また、蛍光観察、すなわち画像計測はニポウディスク式共焦点スキャナで行うことで高速性(例えば1000フレーム/秒のスキャンスピード)が実現できるため、光刺激や蛍光褪色に係る高速反応をリアルタイムで観察することができる。
さらに、このような共焦点顕微鏡を用いて、3次元の画像計測を行うことにより、光刺激後の試料の観察を3次元的に正確に行える共焦点顕微鏡を実現することができる。
波形発生器7aは、同期信号制御器10からの走査波形発生トリガ信号を受信すると、あらかじめパーソナルコンピュータ28(以下PC28という。)の波形計算部11から送られ記憶した走査波形を1CHから発生して、アクチュエータドライバ12へ送る。
アクチュエータドライバ12は、波形発生器7aから出力される走査波形信号に基づいて、アクチュエータ4aを駆動するための駆動信号を発生する。
このアクチュエータ4aを介して対物レンズ5aを光軸方向に走査するための走査波形信号を発生する部分が制御部である。
これにより、試料に対して3次元の光刺激が行えると共に画像計測時は試料20の光軸方向のスライス画像がカメラ1aにより取得される。
図2は、図1に記載の3次元共焦点顕微鏡システムで取り扱われる各信号のタイムチャートである。横軸が時間を示し、縦軸が信号レベルを示している。
光刺激用レーザ光の照射ON時間は、光刺激を行うための焦点位置の走査開始から終了までの時間であって、PCから同期信号制御器10に設定される。
なお、画像取込開始信号は、操作者によりPC28から任意のタイミングで同期信号制御器10に入力する信号であり、そのパルス幅は垂直同期信号の周期の2倍以上である。
このように、アクチュエータ4aの駆動によって対物レンズ5aの焦点面を連続的に変えて、試料20に対して光刺激を3次元的に行う。
同時に、画像計測用レーザの照射ON/OFF信号(e)を共焦点スキャナ2aに送信し、内蔵されているシャッタ(図示せず)を開き画像計測用のレーザ照射をON状態にする。
PC28は、画像取込信号(g)を受けて、この画像取込信号(g)に同期したカメラ制御信号によりカメラ1aから画像データを出力させる。
図3は、図1に記載の3次元共焦点顕微鏡システムで取り扱われる各信号の他のタイムチャートである。前出の図2と同様の信号には同様の名称と符号を付してその説明は省略する。
図4は、本発明に適用される共焦点顕微鏡の一実施例を示した構成図である。前出の図と同様の構成要素には同様の符号を付けてその部分の説明は省略する。
図4において、顕微鏡40の第1のポート41には共焦点スキャナ110が取り付けられ、波長λ1のレーザ光111(第1のレーザ光)を試料140に照射する共焦点顕微鏡を構成する。顕微鏡40内に入ったレーザ光111は、ダイクロイックミラー43を透過して対物レンズ44により、ステージ46上の細胞などの試料140に集光される。このレーザ光111の照射により試料140が蛍光する。試料140から出た蛍光信号は、再び対物レンズ44を通り、ダイクロイックミラー43を透過し共焦点スキャナ110を介して従来例と同様にイメージセンサ131に結像される。
なお、この場合のλ1とλ2との関係は、λ2<λ1である。
図5において、顕微鏡40の第1のポート41には共焦点スキャナ110が取り付けられ、波長λ1のレーザ光111を照射する共焦点顕微鏡を構成する。顕微鏡40内に入ったレーザ光111は、ダイクロイックミラー43を透過して対物レンズ44により、ステージ46上の試料140に集光される。このレーザ光111の照射により試料140が蛍光する。試料140から出た蛍光信号は、再び対物レンズ44を通り、ダイクロイックミラー43を透過し共焦点スキャナ110を介して従来例と同様にイメージセンサ131に結像される。
また、可変絞り手段68を設けて、第2,第3のレーザ光の照射NA(開口数)を変えることにより、光刺激のスポット径を可変にし、光刺激する範囲の大きさを変えられるようにしている。
図6において、共焦点スキャナ110および顕微鏡1の構成は、前出の図5で示したものと同様である。
顕微鏡40の第2のポート42にはレーザ光出力手段70が取り付けられる。このレーザ光出力手段70は、レーザ光源61,65、コリメータレンズ62,66、ダイクロイックミラー64、全反射ミラー67、走査手段71を備えている。
また、光刺激を行い試料である細胞の一部をマーキングした場合に、このマーキングが、平面方向だけでなく深さ方向に広がる様子を正確に観察することができない。
このような問題を解決するために、上述したように光刺激機能を備えたニポウディスク方式の共焦点顕微鏡を用いて、3次元の画像計測を行うことにより、光刺激後の試料の観察を3次元的に正確に行えるようにすることができる。
2a 共焦点スキャナ
3a 蛍光顕微鏡
4a アクチュエータ
5a 対物レンズ
6a 画像処理部
7a 波形発生器
10 同期信号制御器
11 波形計算部
12 アクチュエータドライバ
20 試料
21 支持台
22 光路
23 光路
24 第1のポート
25 第2のポート
26 ステージ
27 ステージ支持部
28 PC
30 画像計測レーザ光源
31 ファイバ
32 光刺激レーザ光源
33 ファイバ
40 顕微鏡
41 第1のポート
42 第2のポート
43 ダイクロイックミラー
44 対物レンズ
46 ステージ
50 レーザ光出力手段
51 レーザ光源
52 コリメータレンズ
53 第2のレーザ光
60 レーザ光出力手段
61 レーザ光源
62 コリメータレンズ
63 第2のレーザ光
64 ダイクロイックミラー
65 レーザ光源
66 コリメータレンズ
67 全反射ミラー
68 可変絞り手段
69 第3のレーザ光
70 レーザ光出力手段
71 走査手段
110 共焦点スキャナ
Claims (6)
- 顕微鏡を介して試料のスライス像を共焦点画像として取得する共焦点スキャナと、
前記共焦点画像の画像データを出力するビデオカメラと、
前記顕微鏡の対物レンズの焦点位置を光軸方向に移動するアクチュエータと、
このアクチュエータを介して前記対物レンズを光軸方向に走査するための走査波形信号を発生する制御部と、
前記ビデオカメラで取得した画像データに基づき前記試料の3次元画像を生成する画像処理部と、
を備えた3次元共焦点顕微鏡システムであって、
前記顕微鏡に接続され、前記試料に刺激を与えるレーザ光を出力するレーザ光出力手段を有し、
前記対物レンズを走査して前記試料に対して光軸方向に刺激を与え、
前記対物レンズの一方向の走査で刺激を与え、これに続いて他方向の走査で前記共焦点画像を取得することを特徴とする3次元共焦点顕微鏡システム。 - 前記試料に刺激を与えるレーザ光のスポット径を調整する可変絞り手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の3次元共焦点顕微鏡システム。
- 前記試料に刺激を与えるレーザ光を2次元に走査させる走査手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の3次元共焦点顕微鏡システム。
- 前記レーザ光出力手段は、前記試料に刺激を与えるレーザ光と、このレーザ光が前記試料へ照射される位置を示すためのレーザ光とを合波して出力することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の3次元共焦点顕微鏡システム。
- 前記試料を刺激する際の走査波形と前記試料を観察する際の走査波形をそれぞれ任意に設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の3次元共焦点顕微鏡システム。
- 前記3次元共焦点顕微鏡システムは、フォトアクチベーションまたは蛍光褪色に用いられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の3次元共焦点顕微鏡システム。
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