JP4605327B2 - 凝集モニタリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば浄水や工業用水や排水等の被処理水の凝集処理工程において、この被処理水中に存在する物質の凝集状態を、構成が簡易な装置でリアルタイムに把握するための凝集モニタリング装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
浄水や工業用水や排水等の被処理水の凝集処理工程においては、例えば無機凝集剤、有機凝集剤等の凝集剤によって被処理水中に存在する懸濁物質(SS)を凝集処理した後に、沈殿分離、加圧浮上分離、遠心分離、砂ろ過、膜分離等の固液分離を行う処理が広く採用されている。この凝集処理において、SSの凝集状態は、pH、凝集剤の注入量、攪拌条件等によって変化するので、適切な条件下で凝集処理を行わないと、被処理水の水質が悪化したり、次に行われる固液分離処理に悪影響を及ぼすことがある。
【0003】
従来には、あらかじめジャーテストなどの室内試験によって、上記凝集条件を設定し、適切な凝集処理を行う方法がある。しかし、このような方法では、上記凝集条件の設定工程が新たに加わり凝集処理までに時間がかかるため、例えばその間に被処理水の水質が変化した場合には、リアルタイムでSSの凝集状態を把握できない。
【0004】
したがって、被処理水の水質変動等にかかわらず、pHや凝集剤の注入量、攪拌条件等を適宜設定して最適な凝集条件を設定するためには、凝集状態をリアルタイムでモニタリングする必要があった。
そこで凝集状態を把握するための装置としては、例えば特表平5−505026号に示すように、液体中に光を照射してこの時の散乱光の強度を受光し、この散乱光強度に応じて液体中の濁度を測定する濁度計等を用いたものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、濁度計によって凝集状態を把握する装置では、光の平均的な散乱光強度を測定するため、液体中の凝集物による散乱光と未凝集物による散乱光との区別がつかず、未凝集物であるSSのみの状態を把握することが難しいという問題点がある。また、一般に散乱光強度は、液体中の粒子の数に比例するとともに、粒子径の4〜6乗に比例する。そのため、凝集処理において、SSの凝集が進むと、液体中の粒子数が減少して散乱光強度が低下するが、これとは逆に凝集によって粒子径が大きくなるため、凝集した粒子1つ当たりの散乱光強度が増加することとなる。このため、平均的な散乱光強度の測定では、凝集物及び未凝集物のいずれによる散乱光も含まれてしまい適切に凝集状態を把握することができなかった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、適切に凝集状態が把握でき、しかも簡易な装置構成にすることができる凝集モニタリング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本発明に係る凝集モニタリング装置は、凝集処理される被測定流体中の懸濁物の状態を、その凝集物と区別して監視するものであって、
レーザ光照射部と散乱光受光部とを備え、該レーザ光照射部から被測定流体中に所定の周波数にてAM変調したレーザ光を照射し、前記レーザ光の照射領域における前記被測定流体中の粒子により散乱された散乱光を前記散乱光受光部で受光するとともに、該散乱光受光部に接続された光電変換回路によって受光された散乱光を電気信号に変換し、さらに散乱光強度の変化を測定するために検波回路にて、前記変換された電気信号を前記所定の周波数にてAM検波して前記レーザ光による散乱光成分を抽出し、検波回路による検波後の信号がピーク変動しているときには、前記検波後の信号を最低値検出回路に取り込んでその信号強度の最低値の信号強度を、前記被測定流体中における未凝集の懸濁物により散乱した散乱光の強度として、前記被測定流体中の凝集物による散乱光と区別して検出し、前記信号強度の最低値の変化を前記被測定流体中における未凝集のコロイド粒子数の変化として検出することを特徴としている。
【0008】
また請求項2に記載するように、前記レーザ光照射部は、第1の光ファイバを介してレーザ発振器と接続され、前記散乱光受光部は、第2の光ファイバを介して前記光電変換回路と接続される。
すなわち、本発明に係る凝集モニタリング装置では、レーザ発振器から出力されたレーザ光が第1の光ファイバを介してレーザ光照射部から被測定流体である被処理水中に照射される。この照射に伴って、被処理水中の粒子によってレーザ光の散乱が起こり、その散乱光が散乱光受光部で受光されて、第2の光ファイバを介して電気信号に光電変換され、さらにAM検波された後に、最低値検出回路により上記信号から最低値の信号強度を検出することで、被処理水中の凝集物による散乱光が含まれなくなり未凝集物による散乱光と区別され、未凝集物による散乱光のみが検出されることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る凝集モニタリング装置を図1乃至図7の図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る凝集モニタリング装置の概略構成を示す構成図であり、図2は、図1に示すレーザ光照射部と散乱光受光部の構成を示す拡大図である。
【0010】
これら図において、凝集モニタリング装置は、レーザ発振器1、第1の光ファイバ2、レーザ光照射部3、散乱光受光部4、第2の光ファイバ5、光電変換回路6、検波回路7、最低値検出回路8から構成される。また、20は、被処理水21が貯えられる凝集槽で、凝集槽20内の被処理水中には、遮蔽部材22の底部に配設されたレーザ光照射部3と散乱光受光部4が投入されており、遮蔽部材22は上方からの自然光がレーザ光照射部3と散乱光受光部4間の測定領域23に到るのを遮蔽している。
【0011】
すなわち、遮蔽部材22は図3に示す通り、底面が下方に突出し、突出した両側面に溝部24が形成された五角柱であり、この溝部24に、第1の光ファイバ2と第2の光ファイバ5とが固定され、第1の光ファイバ2の一端であるレーザ光照射部3と第2の光ファイバ5の一端である散乱光受光部4が、図2中、左右対称(線対称)に配設されている。さらに第1の光ファイバ2のレーザ光照射部3と第2の光ファイバ5の散乱光受光部4の中心線は互いに90度で交差していることが好ましい。
【0012】
また、一般にレーザ発振器1から発振されるレーザ光の強度は、自然光と区別するために変調することが好ましく、光電変換回路6で受光した散乱光強度を元の電気信号に戻すためには、70〜150kHz程度の変調が好ましい。
そこで、本実施形態の構成において、レーザ発振器1はファンクションゼネレータ11とレーザダイオード12とからなり、ファンクションゼネレータ11から発生する所定周波数、例えば95kHzの電気信号で振幅変調(AM)したレーザ光をレーザダイオード12から第1の光ファイバ2の一端に出射している。このレーザ光は第1の光ファイバ2を介してレーザ光照射部3となっている光ファイバ2の他の一端から被処理水中に出射している。なお、レーザ発振器は、ファンクションゼネレータとレーザダイオードに限定されるものではなく、例えば発光ダイオード等を用いることも可能である。
【0013】
被処理水中には、微小コロイド粒子(未凝集のコロイド粒子)が存在しており、レーザ光照射部3から微小コロイド粒子に照射されたレーザ光は散乱して散乱光となり、散乱光受光部4となっている第2の光ファイバ5の一端から光ファイバ5に入射している。本実施形態において微小コロイドの測定領域23は、レーザ光照射部3から出射されるレーザ光が照射する領域と、散乱光受光部4が散乱光を受光できる領域との重なり合った領域となっており、散乱光受光部4は測定領域23から90度(第2の光ファイバ5の中心線)方向に散乱した散乱光を受光している。
【0014】
光電変換回路6は、フォトデテクター61、バンドパスフィルタ62及び増幅器63とからなり、第2の光ファイバ5の他の一端に接続されたフォトデテクター61によって散乱光の光信号を電気信号に変換し、バンドパスフィルタ62で自然光と区別するために電気信号から変調周波数成分の信号を取り出し、増幅器63において増幅して検波回路7に出力する。なお、光電変換回路6は、光信号を電気信号に変換するものであれば上記構成のものに限らず、例えばフォトデテクターの代わりにフォトダイオードを用いても良いし、バンドパスフィルタの代わりに低域フィルタを用いても良い。
【0015】
変調周波数成分の信号は、散乱光強度の変化を測定するために、検波回路7にてAM検波を行ってその検波後の信号を最低値検出回路8に出力する。なお、検波回路7によって出力された信号は、低域フィルタを通過する信号と同等の信号処理が施されることとなる。従って、バンドパスフィルタ62のカットオフ周波数を適当に選択することによって、検波回路7はこのカットオフ周波数の変動を取り除いた直流分の出力波形の信号として検出し、最低値検出回路8に出力することができる。このように本実施形態では、フォトデテクター61で検出された光信号のうち、バンドパスフィルタ62で変調周波数成分を取り出し増幅器63で増幅した後、AM検波を行うことで、微小コロイド粒子の散乱に伴う光強度の変化を信号強度の変化として測定できる。
【0016】
最低値検出回路8は、入力する直流分の信号から最低値の信号強度を検出している。この最低値の検出とは、図1に示した増幅器63から出力される信号波形で説明すると、波形のくびれ部分を測定することである。くびれ部分以外の部分は、凝集されたコロイド粒子及び未凝集の微小コロイドが測定領域23に存在している時であり、くびれ部分は、凝集されたコロイド粒子が、測定領域から出ていった時である。従って、最低値検出回路8が信号強度の最低値を検出することにより、微小コロイド粒子(未凝集のコロイド粒子)のみが存在する時の散乱光強度、すなわち微小コロイド粒子数を測定することが可能となる。そして、この最低値の減少は、測定領域での微小コロイド粒子が減少することを現し、また最低値の増大は、微小コロイド粒子が増大することを現す。
【0017】
具体的に、凝集状態の測定原理は以下のようなものである。
すなわち、凝集槽20内の被処理水21の攪拌によって凝集処理が促進しており、この攪拌に伴って測定領域23に微小コロイド粒子が流入出するときに散乱光の変動が生じることとなる。この変動の周期は、測定領域を粒子と見なして、微小コロイド粒子との間に生じる衝突回数を想定することにより概算することができる。すなわち、測定領域23を直径Rの球体、微小コロイド粒子を直径rの球体でそれぞれ近似すると、この場合の衝突断面積Q0は、
Q0=π(R+r)2
で与えられる。また、微小コロイド粒子密度をN、測定領域に対する粒子の相対速度をvとすると、単位時間当たりに微小コロイドが測定領域に流入する回数νは、
ν=NQ0v
となる。同じく、微小コロイド粒子が測定領域から出て行く時にも同様の変動が生じるので、散乱光強度を微分した値の周期は、この回数の2倍の値となる。そして、散乱光強度は微小コロイド粒子の粒径のn乗に比例すると仮定し、多重散乱を無視すると、微小コロイド粒子1個の流出入に伴う散乱光強度の変動Aは、
A=A0rn
となる。なお、A0は測定系に依存する定数であり、標準試料を用いて校正される。
【0018】
ここで、凝集前の微小コロイドは、直径rが小さく粒子密度Nが大きいので、散乱光の微小な変動が短い周期で生じることとなる。そこで、検波回路7で変調周波数成分の検波を行うことにより、上述したごとく出力波形は低域フィルタを通過するのと等価な信号処理が施されるので、フィルタ62のカットオフ周波数を適当に選ぶことにより、この変動を取り除いた直流分の信号として検出することができる。
【0019】
一方凝集したコロイド(凝集コロイド)では、測定領域に流出入する際の変動が大きく、かつこの変動の平均周期は長くなる。従って凝集コロイドの密度と測定領域体積との積が1より小さい時には、検波後の出力波形の最低値が未凝集コロイドの散乱に対応していることになる。これにより本実施形態では、検波回路7の後段に最低値検出回路8を接続させることによって、被処理水中の凝集コロイドによる散乱光と未凝集コロイドによる散乱光とを区別し、未凝集コロイドによる散乱光のみを取り出して、コロイドの凝集状態を検出することが可能となるので、適切にコロイドの凝集状態が把握できる。
【0020】
また、本実施形態の凝集モニタリング装置では、特別な測定部を別途設ける必要がなく、遮蔽部材に取り付けたレーザ光照射部と散乱光受光部を凝集槽に投入して散乱光を測定することができるので、簡易な装置構成の凝集モニタリング装置を提供することができる。
さらに、本実施形態の凝集モニタリング装置は、装置構成が簡易で軽量、小型化が図られるため、投げ込み式のモニタリング装置にすることも可能である。
【0021】
<実験>
図1に示す凝集モニタリング装置を用いて、以下の測定を行った。
まず、凝集槽20内の被処理水は、有機汚泥10ppmを含む市水とし、40ppmに希釈した塩化第2鉄水溶液を凝集剤として注入し、常温でマグネティックスターラにより約300回/分の速度で市水を攪拌しながら、凝集モニタリング装置による測定を行った。また、この実験では、有機汚泥の含まれない市水及び上記凝集剤を注入した市水にさらに40ppm相当の凝集剤を注入した場合についても同様の測定を行った。
【0022】
測定に際し、レーザ光照射部3と散乱光受光部4を市水中に投入し、出力5mWのレーザダイオード12からのレーザ光を、ファンクションゼネレータ11からの95kHzの正弦波で変調し、直径1.5mmのプラスチック光ファイバ(第1の光ファイバ)に伝搬し、レーザ光照射部3から水中に出射した。このレーザ光は、測定領域23内のコロイド粒子によって散乱し、この散乱光は、第1の光ファイバと直角に配設された直径1.5mmのプラスチック光ファイバ(第2の光ファイバ)で受光され、フォトダイオード61において電気信号に変換され、バンドパスフィルタ62により変調周波数成分の信号のみを取り出し、増幅器63によって増幅した。なお、この実験では、AM検波及び最低値検出は行わず、光電変換回路6からの検出波形をそのまま観測して処理を行った。
【0023】
以上の結果を図4及び図5に示す。
図4は、有機汚泥10ppmを含む市水に凝集処理を行った時の経時的変化に伴う検出信号の信号強度の変化を示した図であり、(a)は凝集剤注入前、(b)は注入後10秒、(c)は注入後75秒、(d)は注入後165秒経過した時の信号波形の変化をそれぞれ示す。
【0024】
上記凝集処理においては、攪拌を行いながら散乱光強度を測定しているが、凝集剤が注入される前では、図4(a)に示すように、波形がなだらかでピークの変動が少ないことから、小さなコロイドが測定領域内に多数存在していることが判明する。また、図4(b)における注入直後の波形でも、ピークの変動はほとんど見られず、凝集処理が未だ不十分であることを示している。次に、図4(c)における注入後75秒経過した時点では、波形に高低が生じているので、コロイドの凝集に伴いピークの変動が開始していることが判明する。なお、(c)波形の最低値(くびれの部分)は、注入直後に比べて低下しているが、これは未凝集コロイドの密度の減少が促進しているためである。そして、図4(d)における注入後165秒経過後の波形では、ピーク変動がさらに大きくなり、波形の最低値も(c)に比べてさらに低下しており、この実験結果からは未凝集コロイドの密度の減少がさらに促進していることが判明する。
【0025】
図5は、図4の実験における凝集剤注入後の検出波形の最低値の経時的変化をプロットした図である。なお、図中縦の実線は、凝集剤FeCl3の注入ポイントを示す。この図から最低値は、凝集剤注入後一旦急激に上昇した後、徐々に低下して3分程度経過するとほぼ安定した数値となる。
これらから考察すると、凝集剤の注入に伴って未凝集コロイドの密度が低下し、少数の凝集コロイドへと変化していくことで、未凝集コロイドによる散乱光が減少して最低値の散乱光強度が低下することが判明した。
【0026】
また、有機汚泥を含む市水に40ppm相当の凝集剤を注入して凝集処理を行った場合の実験結果を図6及び図7に示す。
図6は、上記凝集処理を行った時の経時的変化を伴う検出信号の信号強度の変化を示した図であり、(a)は凝集剤注入後約180分、(b)は注入約180分後さらに40ppmの凝集剤を注入して10秒、(c)は注入約180分後さらに40ppmの凝集剤を注入して95秒経過した時の信号波形の変化をそれぞれ示す。
【0027】
上記凝集処理において、さらなる凝集剤の注入直前では、図6(a)に示すように、既に40ppmの凝集剤が注入されていることにより市水中の微小コロイドのほとんどが凝集しており、出力波形がなだらかでピークの変動がほとんど見られない。しかしながら、さらに凝集剤を注入した後では、図6(b)に示すように、凝集剤に起因した散乱のため検出波形の変動が大きくなり、図6(c)のように時間が経過しても検出波形の最低値はほぼ同じレベルに保たれる結果となる。
【0028】
図7は、図6の実験における凝集剤注入後の検出波形の最低値の経時的変化をプロットした図である。なお、図中縦の実線は、40ppmの凝集剤FeCl3がさらに注入された注入ポイントを示す。この図から最低値は、凝集剤の注入後に増加し、時間が経過しても低下しないで高い数値となる。
これらから考察すると、微小コロイドの大部分が既に凝集してしまっているにもかかわらず、余分な凝集剤(未反応の凝集剤)が注入されたことにより市水中の微小コロイドが増加し、この増加した微小コロイド粒子による散乱が生じて検出波形の最低値の数値が高く変化することで、凝集剤が過剰に注入されたことが判明した。
【0029】
このように、本発明にかかる凝集モニタリング装置では、散乱光強度の最低値を測定することによって凝集状態を把握するだけに限らず、凝集剤が過剰に含まれる場合にもこれを検出することが可能となる。
本発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、被測定流体中の粒子(微小コロイドの粒子)の散乱による散乱光強度の最低値を検出して、コロイドの凝集状態を検出するので、適切に凝集状態を把握することができる。しかも、レーザ光照射部が第1の光ファイバを介してレーザ発振器と接続され、散乱光受光部が第2の光ファイバを介して光電変換回路と接続されるので、特別な測定部を別途設ける必要がなく、簡易な装置構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る凝集モニタリング装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】図1に示したレーザ光照射部と散乱光受光部の構成を示す拡大図である。
【図3】図2に示した遮蔽部材22の斜視図である。
【図4】有機汚泥10ppmを含む市水に凝集処理を行った時の経時的変化に伴う検出信号の信号強度変化を示した図である。
【図5】図4の実験における凝集剤注入後の検出波形の最低値の経時的変化をプロットした図である。
【図6】有機汚泥を含む市水に40ppm相当の凝集剤を注入して凝集処理を行った時の経時的変化を伴う検出信号の信号強度変化を示した図である。
【図7】図6の実験における凝集剤注入後の検出波形の最低値の経時的変化をプロットした図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
2 第1の光ファイバ
3 レーザ照射部
4 散乱光受光部
5 第2の光ファイバ
6 光電変換回路
7 検波回路
8 最低値検出回路
11 ファンクションゼネレータ
12 レーザダイオード
20 凝集槽
22 遮蔽部材
23 測定領域
24 溝部
61 フォトデテクター
62 バンドパスフィルタ
63 増幅器
Claims (2)
- 凝集処理される被測定流体中の懸濁物の状態を、その凝集物と区別して監視する凝集モニタリング装置であって、
所定の周波数にてAM変調したレーザ光を前記被測定流体中に照射するレーザ光照射部と、
前記レーザ光の照射領域における前記被測定流体中の粒子により散乱された散乱光を受光する散乱光受光部と、
この散乱光受光部によって受光された散乱光を電気信号に変換する光電変換回路と、
この光電変換回路にて変換された電気信号を前記所定の周波数にてAM検波して前記レーザ光による散乱光成分を抽出する検波回路と、
この検波回路による検波後の信号がピーク変動しているとき、前記検波後の信号の最低値の信号強度を前記被測定流体中における未凝集の懸濁物により散乱した散乱光の強度として、前記被測定流体中の凝集物による散乱光と区別して検出する最低値検出回路と
を備え、
前記信号強度の最低値の変化を前記被測定流体中における未凝集のコロイド粒子数の変化として検出することを特徴とする凝集モニタリング装置。 - 前記レーザ光照射部は、第1の光ファイバを介してレーザ発振器と接続され、前記散乱光受光部は、第2の光ファイバを介して前記光電変換回路と接続されることを特徴とする請求項1に記載の凝集モニタリング装置。
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