JP2003161690A - 凝集モニタ装置 - Google Patents

凝集モニタ装置

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JP2003161690A
JP2003161690A JP2001359481A JP2001359481A JP2003161690A JP 2003161690 A JP2003161690 A JP 2003161690A JP 2001359481 A JP2001359481 A JP 2001359481A JP 2001359481 A JP2001359481 A JP 2001359481A JP 2003161690 A JP2003161690 A JP 2003161690A
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water
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treated water
particles
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JP2001359481A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Nagao
信明 長尾
Tadahiro Hozumi
直裕 穂積
Masayuki Nagao
雅行 長尾
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集処理工程からサンプリングされた検水中
の粒子の状態を高SN比で高感度に検出することがで
き、同時に検水を収容する計測容器の小型化を図ること
のできる凝集モニタ装置を提供する。 【解決手段】 例えば黒色化、またはつや消し加工によ
り反射防止処理が施された内壁面を有し、凝集処理工程
からサンプリングされた検水を収容する計測容器と、こ
の計測容器に設けられて該計測容器に収容された検水中
に変調レーザ光を照射すると共に、該レーザ光の上記検
水中の粒子への衝突により発生する散乱光を受光するプ
ローブと、このプローブを介して受光された上記散乱光
の光電変換出力における前記レーザ光の変調成分に基づ
いて前記検水中における粒子の状態を求める演算処理装
置とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝集処理工程から
サンプリングされたフロックを含む凝集処理水(検水)
中における粒子の状態を求めるに好適な凝集モニタ装置
に関する。
【0002】
【関連する背景技術】上水,工業用水,下水,排水等の
浄化処理(水質改善処理)は、例えば被処理水に凝集剤
を投入して該被処理水中の懸濁物質を凝集処理した後、
凝集したフロックを沈殿分離、加圧浮上分離、遠心分
離、砂ろ過、膜分離等の手法を用いて固液分離すること
により実現される。しかしながら検水中における懸濁物
質の凝集状態は、被処理水の水質(pHや懸濁物質の濃
度等)、更には凝集処理工程における凝集剤の添加量や
その撹拌条件等によって変化することが否めず、凝集処
理条件が適切に設定されない場合には、その後の固液分
離処理に悪影響を及ぼしたり、固液分離後の分離水(処
理水)の水質が悪化する要因となる。
【0003】そこで従来、検水中に光を照射したときに
生じる散乱光の強度から上記検水の濁度を測定し、この
濁度に基づいて検水中における懸濁物質の凝集状態をリ
アルタイムに評価して凝集処理工程における凝集条件を
最適化することが提唱されている(特表平5−5050
26号公報)。しかしながらこの場合、検水による平均
的な散乱光強度を測定しているだけなので、検水中の凝
集物による散乱光と未凝集物(懸濁物質)による散乱光
との区別がつかないと言う問題がある。
【0004】ちなみに上記散乱光強度は、検水中におけ
る懸濁物質の粒子数に比例すると共に、その粒子径の4
〜6乗に比例する。そして凝集処理において懸濁物質の
凝集が進むと、検水中の粒子数の減少に伴って散乱光強
度が次第に低下し、その反面、懸濁物質の凝集によって
その粒子径が大きくなり、粒子(フロック)1個当たり
の散乱光強度が増加する。従って前述した平均的な散乱
光強度の測定においては、上述したような散乱光強度の
変化を示す凝集物および未凝集物による各散乱光が混在
したものを検出することになるので、その凝集状態を適
切に把握することができないと言う問題がある。
【0005】そこで本出願人は、先に検水中にレーザ光
を照射し、このレーザ光の上記検水中の粒子への衝突に
より発生する散乱光を微小な計測領域において検出する
ことで、凝集物および未凝集物による各散乱光成分を互
いに区別して検水中の粒子の状態を精度良く検出する凝
集モニタリング装置を提唱した(特願2000−392
442)。この装置においては、レーザ光を導いてその
端面から射出する第1の光ファイバと、端面から導入す
る散乱光を光電変換素子に導く第2の光ファイバの各端
面を互いに近接させ、且つ各光ファイバの端面における
中心軸が交差するように支持部材に取り付けることで、
各光ファイバの端面近傍に微小な計測領域を設定したプ
ローブを構成している。そしてこのプローブを処理水中
に浸漬して上記微小な計測領域における粒子の状態(粒
子数および粒子径)を検出するものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのようなプ
ローブを凝集槽に組み込んで、フロックを含む凝集処理
水の状態をリアルタイムに監視しようとする場合、種々
の問題が生じることが否めない。即ち、凝集槽内におけ
る水は一般的には撹拌されており、相流をなしていない
ことが多い。また凝集槽内における水の流れ自体が一定
でないことが多い。しかも水の流れが速い部位に前述し
たプローブを設置することも困難である。
【0007】即ち、検水の流速が早いと、検水に含まれ
る小さな粒子が、プロープによる微小な計測領域に突入
する速度が高くなり、これに伴って散乱光強度の最低値
が高めに保持される。この結果、プローブによる計測ダ
イナミックレンジが狭くなると言う問題が生じる。また
流速の変動を受けて散乱光強度の最低値が変化するする
ので、安定した計測が妨げられる。ちなみにサンプリン
グ槽を準備し、フロックを含む凝集処理水をサンプリン
グ槽に抽出することでその流速を安定化することが考え
られるが、装置の構成が大掛かりなものとなることが否
めない。またサンプリング槽を小さくすると、その槽壁
で反射されたレーザ光がいわゆる迷光となって測定誤差
を生じる要因となる。
【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、凝集処理工程からサンプリング
されたフロックを含む凝集処理水中における懸濁物質の
凝集状態を高精度に把握するに好適な凝集モニタ装置を
提供することにある。特に本発明は、凝集処理工程から
サンプリングされた検水中の粒子の状態を高SN比で高
感度に検出することができ、同時にこの検水を収容する
計測容器の小型化を図ることのできる凝集モニタ装置を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明に係る凝集モニタ装置は、例えば黒色化、ま
たはつや消し加工により反射防止処理が施された内壁面
を有し、凝集処理工程からサンプリングされた検水を収
容する計測容器と、この計測容器に設けられて該計測容
器に収容された検水中に変調レーザ光を照射すると共
に、該レーザ光の上記検水中の粒子への衝突により発生
する散乱光を受光するプローブと、このプローブを介し
て受光された上記散乱光の光電変換出力における前記レ
ーザ光の変調成分に基づいて前記処理水中における粒子
の状態を求める演算処理装置とを具備したことを特徴と
している(請求項1,2)。
【0010】そして前記プローブから照射された変調レ
ーザ光の前記計測容器の内壁面による反射を抑えること
で、レーザ光の検水中の粒子への衝突により発生する散
乱光を検出する前記プローブでのSN比を高め、その検
出精度を高めることを特徴としている。更には計測容器
の小型化を図ることで検水のサンプリング量を少なくす
ることが可能とすることを特徴としている。
【0011】本発明の1つの好ましい態様は、前記計測
容器は、流路断面積の小さい流体導入部およびこの流体
導入部に連接された流路断面積の大なる流体緩流部を備
え、該流体緩流部の内部に前記粒子状態検出用プローブ
を設けた管状セルからなることを特徴としている(請求
項3)。このような管状セルの上記流体緩流部の内部に
前記粒子状態検出用プローブを設けた構成の凝集モニタ
装置によれば、流体導入部から管状セル内に流れ込んだ
検水は、流体緩流部に到達することによってその流れが
緩められて安定化されるので、前記プローブにて上記検
水に含まれる粒子の状態を簡易に、しかも安定に計測す
ることが可能となる。
【0012】ちなみに前記管状セルは、前記処理水の通
流路をなす配管の一部として、或いは前記検水中に浸漬
して用いられる(請求項4)。好ましくは前記管状セル
は、前記流体導入部と前記流体緩流部とを同軸に設けた
異径構造の円管体として実現される(請求項5)。更に
好ましくは前記管状セルは、大径の流体緩流部を挟んで
その両側に小径の流体導入部をそれぞれ備えた対称構造
をなす円管体として実現され、一方の流体導入部から導
入された前記処理水を上記流体緩流部を介して他方の流
体導入部から排出するように用いられる(請求項6)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態に係る凝集モニタ装置について説明する。図1は
この実施形態に係る凝集モニタ装置が組み込まれた水処
理設備の凝集処理工程を示す概略構成図である。凝集処
理工程は、上水、工業用水、下水、排水等からなる被処
理水(原水)RWと、有機または無機の凝集剤Cとをポ
ンプ1,2を介して撹拌槽3に一定の割合で供給し、こ
の撹拌槽2にて上記原水RWと凝集剤Cとを急速撹拌し
て混合した後、この混合水MWを凝集槽4に導いて緩速
撹拌しながら所定の時間に亘って水中の懸濁物をフロッ
ク化させ、その後、そのフロックを含む凝集処理水(検
水)PWを図示しない次工程(固液分離工程)に送り出
すように構成される。
【0014】このような凝集処理工程に組み込まれた凝
集モニタ装置は、この例では上記凝集処理工程における
凝集槽4の上流側から混合水MWをサンプリングして計
測容器5に導く第1のバルブ6と、上記凝集槽4の下流
側からフロックを含む凝集処理水PWをサンプリングし
て前記計測容器5に導く第2のバルブ7とを備える。こ
れらのバルブ6,7は、凝集工程管理部40により選択
的に開閉制御されて前記混合水MWまたは凝集処理水P
Wをサンプリングする。そして計測容器5に設けたプロ
ーブ8を用いて前記計測容器5に選択的に収容した前記
混合水MWおよび凝集処理水PW中の懸濁物やそのフロ
ックからなる粒子の状態をそれぞれ検出し、これらの粒
子の状態を比較することで、前記凝集処理工程、特に凝
集槽4における処理水の凝集反応を評価するように構成
される。
【0015】ちなみに上記プローブ8は、後述するよう
に変調レーザ光、例えば所定の周波数で振幅変調したレ
ーザ光を検水中に照射する為の第1の光ファイバ8a
と、上記レーザ光の検水中に含まれる粒子への衝突によ
り発生する散乱光を受光する為の第2の光ファイバ8b
とを、図2に示すようにそのファイバ端面を近接させて
所定の台座8cに固定した構造を有する。またこのプロ
ーブ8は、全体的には11〜20mm程度の大きさのも
のからなる。
【0016】尚、上記光ファイバ8a,8bとしては、
そのコア径が0.1mm程度のものが用いられ、各ファ
イバ端面での中心軸が90°の角度を以て交差するよう
に前記台座8cに固定される。そして光ファイバ8a,
8bにおける各端面の中心軸が交差する部位での0.2
〜0.4mm径程度の微小な領域Sにレーザ光を照射
し、当該領域Sに生じた散乱光を受光するように構成さ
れる。また前記台座8cは、プローブ8の上方から入り
込む外来光(自然光)の前記領域Sへの到達を遮る役割
も担う。
【0017】このような構造のプローブ8を用いた混合
水MWや凝集処理水PW中の懸濁物質やそのフロックか
らなる粒子の状態の検出は、図3にその処理概念を示す
ように発光部10が出力する変調レーザ光(所定の周波
数で振幅変調したレーザ光)Lを前記プローブ8(第1
の光ファイバ8a)を介して検水中に照射し、検水中に
含まれる粒子に上記レーザ光が衝突した際に発生する散
乱光Sを前記プローブ8(第2の光ファイバ8b)を介
して受光部20にて受光することによりなされる。
【0018】上記発光部10は、例えば波長が630n
mのレーザ光Lを発振出力するレーザダイオード等のレ
ーザ発振器11と、このレーザ発振器11が発振出力す
る上記レーザ光Lを70〜150kHz(例えば95k
Hz)で電気的に振幅変調(AM変調)するファンクシ
ョンジェネレータ等の振幅変調器12とを備えて構成さ
れる。また前記受光部20は、散乱光Sの受光量(受光
強度)に応じた電気信号を発生するフォトトランジスタ
等の光電変換器21と、その光電変換出力から前述した
振幅変調した周波数成分だけを抽出する帯域通過フィル
タ(BPF)22と、この帯域通過フィルタ22の出力
を増幅器23を介して増幅した前記振幅変調周波数成分
の信号Fを検波して、その包絡線成分Eを求める検波器
24とを備えて構成される。マイクロコンピュータ等か
らなる演算部30は、このようにして検出される前記散
乱光Sの包絡線成分Eから、検水中における粒子の状態
(未凝集のコロイド粒子数)を求めることで、前述した
混合水MWや凝集処理水PW中の懸濁物質やそのフロッ
クからなる粒子の状態を検出する。
【0019】尚、上記レーザ光Lの振幅変調は、検水中
へのレーザ光Lの照射によって生じる散乱光Sを変調さ
せることで、検水中に混入する自然光等の外来光とを区
別する役割を担っている。従って前記光電変換器21の
出力を帯域通過フィルタ22を介してフィルタリングす
ることで、上記振幅変調の周波数成分として前記検水中
に照射したレーザ光Lによる散乱光Sの成分だけを抽出
することが可能となる。
【0020】ここでレーザ光Lが照射される前述した微
小な領域Sにて生じる散乱光について考察すると、この
領域Sにおいて懸濁物質からなる微小なコロイド粒子に
よって生じる散乱光の強度は、微小コロイド粒子の数に
比例して大きくなる。そして微小コロイド粒子の数は、
その凝集が進んで粒子径の大きいフロックが生成される
に従って減少する。これに対してフロックは、微小コロ
イド粒子が凝集したものであるから、凝集が進むに従っ
てその数が増えるものの微小コロイド粒子に比較して遙
かにその数が少ない。これ故、上記フロックが前述した
微小な領域Sに存在する可能性は非常に低く、希に微小
領域Sに入り込むに過ぎない。但し、フロックが微小領
域Sに入り込む頻度は、凝集の進行に伴ってフロックの
数が増えるに従って高くなる。
【0021】従って前述したプローブ8を用いて微小領
域Sにおける散乱光の強度を計測すると、図4(a)〜
(c)にその概念を示すように、懸濁物質の凝集が進んで
微小コロイド粒子の数が減り、フロックの数が徐々に増
えるに従って、プローブ8にて検出される微小領域Sの
散乱光の強度が、上記フロックにより一時的に高くなる
ことがあるものの全体的には低くなる。これ故、フロッ
クの存在によって散乱光強度が一時的に高くなった場合
を除いて、その全体的な散乱光の強度に着目すれば、そ
のときの散乱光強度は未凝集のコロイド粒子の数を示し
ていると看做すことが可能となる。
【0022】前述した図3に示す最低値検出回路25
は、このような観点に立脚して前述した散乱光の強度に
応じた光電変換出力から求められる前記振幅変調周波数
成分の信号Fの包絡線成分Eの最低値を検出すること
で、検水中における粒子の状態(未凝集のコロイド粒子
数)を求めるものとなっている。尚、フロックにより散
乱光の強度が一時的に高くなる周期に着目すれば、凝集
により生じたフロックの数(検水中におけるフロックの
密度)を求めることが可能となり、上記一時的な散乱光
強度の大きさから、フロックの粒子径を求めることも可
能となる。
【0023】さて基本的には上述した如く構成される凝
集モニタ装置において、この発明の請求項1に記載の装
置が特徴とするところは、前述したプローブ8が設けら
れて凝集処理工程から選択的にサンプリングされた混合
水MWや凝集処理水PW等の検水を収納する計測容器5
の内壁面5aに、反射防止処理を施した面とした点にあ
る。この計測容器5の内壁面5aの反射防止処理は、そ
の表面に黒色系の塗料を塗布して黒色化したり、或いは
その表面を梨地状につや消し加工する等して行われる
(請求項2)。尚、計測容器5の内壁面5aを黒色化す
ると共に、つや消し加工することも勿論可能である。ま
た計測容器5を形成する材料として、反射率の低い黒色
系の素材を用いることも可能である。
【0024】即ち、この発明に係る凝集モニタ装置にお
ける計測容器5は、その内壁面5aを黒色化する等して
反射防止処理が施されており、プローブ8から計測容器
5内に照射されたレーザ光が計測容器5内において不本
意に反射して迷光(乱反射)が生じないように工夫され
ている。そして計測容器5の内壁面5aでのレーザ光の
反射を抑えた分、計測容器5の大きさ(容積)が小さく
設定されていることを特徴としている。
【0025】このような計測容器5を用いて構成される
凝集モニタ装置によれば、プローブ8から照射されたレ
ーザ光がフロックの隙間を通って計測容器5の内壁面5
aに到達しても、そのレーザ光が内壁面5aにて反射さ
れることがないので、或いはその反射成分を十分に少な
くすることができるので、計測容器5内における迷光
(雑音成分)のレベルが高くなることがない。従ってプ
ローブ8においては、計測容器5に収容された検水中の
懸濁物質により生じた散乱光の強度だけを、迷光の影響
を受けることなく高感度に検出することが可能となる。
つまり未凝集のコロイド粒子の数に相当する散乱光強度
を高SN比で、高精度に検出することが可能となる。特
に処理水の清澄度が高まった場合においても、その確実
な検出を行うことが可能となる等の利点が奏せられる。
【0026】また内壁面5aを反射防止処理しているの
で、計測容器5を小型化(小容量化)しても、プローブ
8から照射したレーザ光が上記内壁面5aにて強く反射
されることがない。従って計測容器5の小型化(小容量
化)がプローブ8による計測環境に悪影響を及ぼすこと
がない。これにも増して計測容器5を小型化(小容量
化)した分、凝集処理工程から計測容器5にサンプリン
グする検水の量を少なくすることができるので、その計
測に要する時間を短縮化することができる。
【0027】尚、図1に示すシステムにおいては、計測
容器5には、撹拌槽3および凝集槽4からそれぞれバル
ブ6,7を介して検水を導入するようにしている。しか
し計測容器5を以下に説明するようにセル化して撹拌槽
3や凝集槽4にそれぞれ浸漬することもできる。即ち、
図5にその縦断面と横断面とを示すように、流路断面積
の小さい流体導入部9aと、この流体導入部9aに連接
された流路断面積の大なる流体緩流部9bとを備え、上
記流体緩流部9bの内部に前記粒子状態検出用プローブ
8を設けた管状セル9を備える点にある(請求項3)。
【0028】具体的には上記管状セル9は、小径の管内
径D1を有する円筒管状の流体導入部9aと、この流体
導入部9aと同軸に設けられ、該流体導入部9aを徐々
に拡径してその管内径D2を大きくした円筒管状の流体
緩流部9bとを備えた異径構造の円管体からなる。そし
て流体導入部9aから導入される流速V1の検水を流体
緩流部9bに導くことでその流速V2を緩やかにして、
前記プローブ8による粒子状態の計測に供するように作
用する。
【0029】ちなみに流体緩流部9bに導かれる処理水
の流速V2は、流体導入部9aの内径D1と流体緩流部
9bの内径D2との比に依存し、 V2=(D1/D2)2・V1 となる。具体的には前記流体導入部9aの内径D1を1
0mm、前記流体緩流部9bの内径D2を30mmとす
ると、流体緩流部9bに導かれる処理水の流速V2は、
流体導入部9aから導入される処理水の流速V1の[1
/9]に大きく減速される。しかも流体導入部9aから
導入される処理水の流速V1が10%程度の変動を伴う
場合であっても、流速の減速効果によってその変動自体
も大きく抑制され、[10/9(≒1)]%程度に抑え
られる。
【0030】ちなみにこのような管状セル9は、前記処
理水の通流路をなす配管の一部として、或いは前記凝集
槽内の検水中に浸漬して用いられる(請求項4)。そし
て該管状セル9内を通流する処理水を、その流体緩流部
9bに設けられたプローブ8による粒子状態の計測に供
する役割を担う。また管状セル9を検水中に浸漬して用
いる場合には、該管状セル9は、その外部の水と隔離し
て流体緩流部9b内に導かれた検水だけを減速する作用
を呈することになる。
【0031】尚、管状セル9を、流体導入部9aと流体
緩流部9bとを同軸に設けた異径構造の円管体としたり
(請求項5)、更に流体緩流部9aを挟んでその両側に
流体導入部9aをそれぞれ備えた対称構造をなす円管体
として構成し、一方の流体導入部9aから導入された処
理水を上記流体緩流部9bを介して他方の流体導入部9
aから排出するように用いるようにしても良い(請求項
6)。このような構造の管状セル9によれば、例えば凝
集槽4内における水の流れの向きに沿って該管状セル9
を設けるだけで良い。
【0032】かくして上述したように、管状セル9にお
ける流体緩流部9bの内部にプローブ8を設けた構造の
凝集モニタ装置によれば、水の流れが速く、またその流
れが不安定な場合であっても、流体緩流部9bにおいて
検水の流れを遅くし、且つ安定化することができるの
で、プローブ8による検水中に含まれる粒子の状態の計
測を安定に行わしめることができる。そして検水の流れ
を遅くし、安定化することができるので、プローブ8に
よる散乱光強度の最低値レベルを十分に低く抑えること
が可能となり、その計測ダイナミックレンジを十分に広
く確保することができる等の効果も奏し得る。更には流
速の安定化を図るべく、前述したように計測槽(サンプ
リング槽)を準備する必要がないので、処理水のサンプ
リング機構等が不要となり、凝集モニタ装置の全体構成
を大幅に簡素化し得る等の実用上多大なる効果が奏せら
れる。
【0033】尚、本発明は上述した各実施形態に限定さ
れるものではない。例えば実施形態においては、散乱光
の光電変換出力の振幅変調周波数成分を抽出した後、そ
の包絡線成分Eの最低値レベルから検水中の粒子の状態
を求めたが、上記光電変換出力の振幅変調周波数成分を
平滑化処理したとき信号レベル等から検水中の粒子の状
態を求めるようにしても良い。ここでは変調レーザ光と
して、所定の周波数で振幅変調したレーザ光を用いた
が、レーザ光を位相変調したり、周波数変調して用いる
ようにしても良い。この場合には、散乱光の強度に応じ
た光電変換出力から、その位相変調成分や周波数変調成
分をそれぞれ検出して検水中の粒子の状態を検出すれば
良い。
【0034】更には計測容器5の内壁面5aの反射防止
処理については、従来より種々提唱されている手法を適
宜採用することが可能であり、計測容器5の大きさも特
に限定されない。また、例えば管状セル9の大きさは、
凝集槽内等に邪魔なく収容し得る程度のものであれば良
く、検水の円滑な通流を確保し得る程度の大きさであれ
ば十分である。またここでは異径構造の管状セル8につ
いて例示したが、その開口断面形状が矩形状や多角形状
をなすものであっても良い。更には流速の減速度につい
ても、その仕様に応じて種々設定可能なことは言うまで
もない。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、凝
集処理工程からサンプリングされた検水を収容し、レー
ザ光の検水中の粒子への衝突により発生する散乱光を受
光するプローブが設けられる計測容器の内壁面を、例え
ば黒色化やつや消し加工により反射防止処理を施したも
のとしているので、計測容器内での迷光の発生を効果的
に防ぐことができる。この結果、プローブによる処理水
の懸濁状態の検出を高SN比で高精度に行うことが可能
となり、更には計測容器の小型化を図り得る等の実用上
多大なる効果が奏せられる。
【0036】また流路断面積の小さい流体導入部および
この流体導入部に連接された流路断面積の大なる流体緩
流部を備えた管状セルの上記流体緩流部の内部に粒子状
態検出用プローブを設けているので、検水の流れを減速
し、且つ安定化して上記プローブによる粒子状態の計測
を行うことができる。従って凝集槽内における水の流れ
に左右されることなく、その計測を簡易に、しかも安定
に精度良く実行することができる等の実用上多大なる効
果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る凝集モニタ装置が組
み込まれた水処理設備の凝集処理工程を示す概略構成
図。
【図2】凝集モニタ装置が備えるプローブの概略的な構
成を示す図。
【図3】図2に示すプローブを用いた検水中における粒
子の状態検出の処理概念を示す図。
【図4】懸濁物質(微小コロイド粒子)の凝集に伴う、
微小領域Sでの散乱光強度の変化の様子を模式的に示す
図。
【図5】本発明の別の実施形態に係る凝集モニタ装置の
要部概略構成図。
【符号の説明】
3 撹拌槽 4 凝集槽 5 計測容器 5a 反射防止処理を施した内壁面 6 バルブ(検水のサンプリング手段) 7 バルブ(検水のサンプリング手段) 8 プローブ 9 管状セル 9a 流体導入部 9b 流体緩流部 10 発光部 20 受光部 30 演算部 40 凝集工程管理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 雅行 愛知県豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1−1 豊橋 技術科学大学内 Fターム(参考) 2G059 AA05 BB06 CC19 DD03 DD05 DD12 EE02 GG01 GG06 JJ17 KK01 MM01 MM04 NN01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射防止処理が施された内壁面を有し、
    凝集処理工程からサンプリングされたフロックを含む処
    理水を収容する計測容器と、 この計測容器に設けられて該計測容器に収容された上記
    処理水中に変調レーザ光を照射すると共に、該レーザ光
    の上記処理水中の粒子への衝突により発生する散乱光を
    受光するプローブと、 このプローブを介して受光された上記散乱光の光電変換
    出力における前記レーザ光の変調成分に基づいて前記処
    理水中における粒子の状態を求める演算処理装置とを具
    備したことを特徴とする凝集モニタ装置。
  2. 【請求項2】 前記計測容器の内壁面は、その表面の黒
    色化、またはつや消し加工したものである請求項1に記
    載の凝集モニタ装置。
  3. 【請求項3】 前記計測容器は、流路断面積の小さい流
    体導入部およびこの流体導入部に連接された流路断面積
    の大なる流体緩流部を備え、該流体緩流部の内部に前記
    粒子状態検出用プローブを設けた管状セルである請求項
    1に記載の凝集モニタ装置。
  4. 【請求項4】 前記管状セルは、前記処理水の通流路を
    なす配管の一部として、或いは前記処理水中に浸漬して
    用いられるものである請求項3に記載の凝集モニタ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記管状セルは、前記流体導入部と前記
    流体緩流部とを同軸に設けた異径構造の円管体からなる
    請求項3に記載の凝集モニタ装置。
  6. 【請求項6】 前記管状セルは、大径の流体緩流部を挟
    んでその両側に小径の流体導入部をそれぞれ備えた対称
    構造をなす円管体からなり、 一方の流体導入部から導入された前記処理水を上記流体
    緩流部を介して他方の流体導入部から排出するように用
    いられるものである請求項3に記載の凝集モニタ装置。
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