JP4779762B2 - 製紙用薬剤の効果監視方法及び注入量制御方法 - Google Patents

製紙用薬剤の効果監視方法及び注入量制御方法 Download PDF

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Description

本発明は製紙用薬剤の効果監視、注入量制御方法に係る。特に、抄紙工程において、原料スラリーやインレットスラリーに添加される製紙用薬剤の効果を迅速かつ確実に確認する方法と、その監視結果に基づき製紙用薬剤の注入量を的確に制御する方法に関する。
紙の原料には、LBKP、NBKP、TMPなどの他、近年は古紙の利用率の向上、ブロークパルプの配合率向上、系のクローズド化が進み、古紙、DIP、コートブロークなども多用されてきている。これらの原料にはアニオン性不純物、いわゆるアニオントラッシュが多く、アニオントラッシュによるピッチ、欠陥の発生だけでなく、断紙、生産スピードダウンといった生産性の低下を招いている。
また、多くの工場では、生産性向上のため、特に白水からのSS回収に力を入れている。抄紙系内を循環する白水は、一般的に数百から2〜3千mg/Lの繊維質のSSを含有しているため、白水に含まれるパルプ繊維成分をできるだけ回収し、再度原料として使用する傾向が一段と強くなってきている。しかしながら、回収原料の割合が増加するに従って、パルプ繊維の平均長さは短くなるため、紙の強度の確保が課題となっている。
以上述べたように、紙の品質確保、生産効率の向上の面から、抄造時、特にインレットスラリーに添加される薬剤については、紙品質を低下させずに歩留まり性能や濾過水性能を高める等の要求が極めて高いのが現状である。
これらの問題に対して、一般的には、高カチオン密度の合成ポリマーや、分子量の高い合成ポリマーが適用されているが、新しい提案としては、カチオン性スターチ及びコロイドシリカを添加する方法(USP4388150)、コロイドシリカを添加した後カチオン性の合成ポリマーを添加する方法、合成カチオン性ポリマーを加えた後次のステップでベントナイトを添加する方法(EP235893、特開昭62−191598)、分子量の低いカチオン性ポリマーを添加し、次いでアニオン性ポリマーを添加する方法(特公平5−29719)等に開示されるような様々な薬剤添加による対策が講じられている。
また、従来、これらの薬剤の効果を確認する方法としては、
(1) 出来上がった紙の欠陥や品質レベルの評価
(2) 生産スピードの管理
(3) インレットスラリー及びワイヤ下白水の濃度測定による歩留り率の確認
等が行われている。
しかし、上記従来の薬剤の添加効果の確認方法では、各々、次のような課題があった。
(1)出来上がった紙の欠陥や品質レベルの評価
凝結剤、歩留向上剤、濾水性向上剤等の薬剤効果の影響を直接的に確認できるものの、すでに紙が出来上がった後での管理であり、トラブル解決への対応が著しく遅れるという課題がある。
(2)生産スピードの管理
歩留向上剤、濾水性向上剤等の薬剤効果を反映するものであるが、それ以外にも生産スピードに影響する因子があり、生産スピードの管理だけではトラブル対応はできないという課題がある。
(3)インレットスラリー及びワイヤ下白水の濃度測定による歩留り率の確認
歩留率を直接計測するものであり、直接的な薬剤効果の確認方法であるが、次のような問題がある。
(i) 手分析で行う場合は、時間的な遅れにより、すでに紙が出来上がった後の管理になってしまい、トラブルへの対応が著しく遅れる。
(ii) 濁度計、SS計による管理では、通常の計測機器は透過光を利用した形式が一般的で、SS濃度の変動に弱いこと、パルプ繊維の形状などによる影響も受けやすく、計測の安定性に劣る。
上記の課題に対し、本願出願人は、特願2005−370143にて、レーザ光散乱方式のセンサにより、抄紙工程の薬剤効果を監視、及び薬注制御する方法を提案した。これにより、高精度に薬剤効果の監視ができ、紙製品の異常や製造時のトラブル発生を防止することができるが、場合によっては、計測対象の抄紙工程水、特にインレットスラリーの水質が変化し、センサ計測による絶対値だけでは完全な監視及び制御が難しいケースがあるため、その改善策の必要があった。
なお、抄紙工程水の水質変動の理由は次の通りである。
即ち、紙の原料には、前述の如く、LBKP、NBKP、TMPなどの他、近年は古紙の利用率の向上、ブロークパルプの配合率向上、系のクローズド化が進み、古紙、DIP、コートブロークなどの回収原料も多用されてきている。特に、DIPでは、雑誌、新聞紙、板紙、上質古紙、中質古紙など雑多で、パルプ繊維長さ、填料(灰分)の量、灰分の種類(炭酸カルシウム、シリカ、ケイ酸カルシウム等)は常に変動するため、細かく原料の品質を調整することはできない。また、脱墨の程度で色合いも変化する。また、製造する紙の種類、ロットによって、これら原料の配合比率が異なり、多品種の紙を製造するマシンでは、頻繁に原料の質、量が変わるのが実態である。また、パルプにはLBKP、NBKP等があり、化学成分が異なる。よって、インレットスラリーはこれら原料由来の変動を直接受けるため、インレットスラリーの品質、性状や濃度も変動する。従って、薬剤の効果を評価する場合には、インレットスラリーだけの計測や白水だけの計測では、薬剤効果の評価は容易ではないのが実情である。
USP4388150 EP235893 特開昭62−191598 特公平5−29719 特願2005−370143
本発明は上記従来の課題を解決し、抄紙工程において原料スラリーやインレットスラリー等の抄紙工程水に添加される歩留向上剤、濾水性向上剤、凝結剤、ピッチコントロール剤等の製紙用薬剤の効果を迅速かつ確実に確認することができる製紙用薬剤の効果監視方法と、このような監視結果に基づいて製紙用薬剤の注入量を的確に制御する製紙用薬剤の注入量制御方法を提供することを目的とする。
本発明の製紙用薬剤の効果監視方法は、抄紙工程水に添加される製紙用薬剤の効果を監視する方法において、抄紙工程水もしくはその希釈水を被測定流体として、該被測定流体に、所定の周波数(以下「変調周波数」と称す。)に振幅変調(AM)したレーザ光を照射する第一工程と、該被測定流体中の粒子により散乱された散乱光を光電変換回路で受光して散乱光強度データを得る第二工程と、該散乱光強度データに基づき前記被測定流体の濁度情報を求める第三工程とを含み、該光電変換回路は、フォトデテクター、バンドパスフィルタ及び増幅器とからなり、フォトデテクターによって散乱光の光信号を電気信号に変換し、バンドパスフィルタで自然光と区別するために電気信号から前記変調周波数成分の信号を取り出し、増幅器において増幅した後、検波回路にてAM検波を行ってその検波後の信号を最低値検出回路に出力し、最低値検出回路は、入力する該AM検波後の信号から最低値の信号強度を検出して前記散乱光強度データを得る製紙用薬剤の効果監視方法であって、前記抄紙工程水として、ワイヤによって濾過される前の抄紙工程水を使用して、前記第一〜第三工程を経て得た濁度情報と、前記抄紙工程水として、前記薬剤が添加され、かつワイヤによって濾過された後の抄紙工程水を使用して、前記第一〜第三工程を経て得た濁度情報とを比較することにより、ワイヤによる濾過前後の比較データを得る第四工程とを有する。
本発明の製紙用薬剤の注入量制御方法は、抄紙工程水への製紙用薬剤の注入量を制御する方法において、抄紙工程水もしくはその希釈水を被測定流体として、該被測定流体に、所定の周波数(以下「変調周波数」と称す。)に振幅変調(AM)したレーザ光を照射する第一工程と、該被測定流体中の粒子により散乱された散乱光を光電変換回路で受光して散乱光強度データを得る第二工程と、該散乱光強度データに基づき前記被測定流体の濁度情報を求める第三工程とを含み、該光電変換回路は、フォトデテクター、バンドパスフィルタ及び増幅器とからなり、フォトデテクターによって散乱光の光信号を電気信号に変換し、バンドパスフィルタで自然光と区別するために電気信号から前記変調周波数成分の信号を取り出し、増幅器において増幅した後、検波回路にてAM検波を行ってその検波後の信号を最低値検出回路に出力し、最低値検出回路は、入力する該AM検波後の信号から最低値の信号強度を検出して前記散乱光強度データを得る製紙用薬剤の注入量制御方法であって、前記抄紙工程水として、ワイヤによって濾過される前の抄紙工程水を使用して、前記第一〜第三工程を経て得た濁度情報と、前記抄紙工程水として、前記薬剤が添加され、かつワイヤによって濾過された後の抄紙工程水を使用して、前記第一〜第三工程を経て得た濁度情報とを比較することにより、ワイヤによる濾過前後の比較データを得る第四工程と、前記比較データに基づき前記製紙用薬剤の注入量を制御する第五工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、抄紙工程において原料スラリーやインレットスラリー等の抄紙工程水に添加される歩留向上剤、濾水性向上剤、凝結剤、ピッチコントロール剤等の製紙用薬剤の効果を迅速かつ確実に確認することができ、この監視結果に基づいて製紙用薬剤の注入量を的確に制御することができる。
即ち、被測定流体にレーザ光を照射したときに、被測定流体中の粒子やパルプ繊維により散乱された散乱光の強度データの最低値は、粒子やパルプ繊維間の間隙を示す濁度情報を与えるため、この原理を利用することにより、原料スラリーやインレットスラリーなどに添加された製紙用薬剤の効果をモニタリングすることができ、さらには、このデータを使って、製紙用薬剤の薬注制御を的確に行うことが可能となる。
しかも、本発明では、ワイヤによって濾過される前の抄紙工程水と、薬剤が添加され、ワイヤによって濾過された後の抄紙工程水についてそれぞれ散乱光強度データを計測し、その差を検知するため、抄紙工程水の水質が変動しても安定した結果を得ることができる。
即ち、前述の如く、インレットスラリー等の抄紙工程水の性状は変動し易いため、特定の抄紙工程水のみについて計測したセンサ計測絶対値だけでは、処理の良し悪しが判断できず、管理が困難になる場合がある。本発明によれば、ワイヤによって濾過される前の抄紙工程水と、薬剤が添加され、ワイヤによって濾過された後の抄紙工程水との両方の抄紙工程水について散乱光強度データを計測し、これらを相対的に管理することにより、安定した監視及び薬注制御を行うことができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[抄紙工程水に添加される製紙用薬剤の効果の監視]
本発明に従って、抄紙工程水に添加される製紙用薬剤の効果を監視するには、抄紙工程水もしくはその希釈水を被測定流体として、該被測定流体にレーザ光を照射し、該被測定流体中の粒子により散乱された散乱光を受光して散乱光強度データを得、この散乱光強度データに基づき被測定流体中の粒子の粒径及び/又は濁度の変化をとらえる。
1) 製紙用薬剤の効果監視装置
まず、図1〜4に基づいて、本発明に好適な製紙用薬剤の効果監視装置について説明する。
図1は、本発明の好適例に係る製紙用薬剤の効果監視装置の概略構成を示す構成図であり、図2は、図1に示すレーザ光照射部と散乱光受光部の構成を示す拡大図である。なお、以下においては、抄紙工程水としてインレットスラリーの計測を行う場合を示すが、後述の如く、本発明における被測定流体は好ましくはインレットスラリーと白水である。
この製紙用薬剤の効果監視装置は、レーザ発振器1、第1の光ファイバ2、レーザ光照射部3、散乱光受光部4、第2の光ファイバ5、光電変換回路6、検波回路7、最低値検出回路8から構成される。20は、インレットスラリー21が貯えられる計測槽であり、計測槽20内のインレットスラリー21中には、遮蔽部材22(以下「センサプローブ」と称す場合がある。)の底部に配設されたレーザ光照射部3と散乱光受光部4が投入されている。この遮蔽部材22は上方からの自然光がレーザ光照射部3と散乱光受光部4間の測定領域23に到るのを遮蔽している。
即ち、遮蔽部材22は図3に示す通り、底面が下方に突出し、突出した両側面に溝部24が形成された五角柱であり、この溝部24に、第1の光ファイバ2と第2の光ファイバ5とが固定され、第1の光ファイバ2の一端であるレーザ光照射部3と第2の光ファイバ5の一端である散乱光受光部4が、図2中、左右対称(線対称)に配設されている。さらに第1の光ファイバ2のレーザ光照射部3と第2の光ファイバ5の散乱光受光部4の中心線は互いに90度で交差していることが好ましい。
また、一般にレーザ発振器1から発振されるレーザ光の強度は、自然光と区別するために変調することが好ましく、光電変換回路6で受光した散乱光強度を元の電気信号に戻すためには、70〜150kHz程度の変調が好ましい。そこで、本実施形態の構成において、レーザ発振器1はファンクションゼネレータ11とレーザダイオード12とからなり、ファンクションゼネレータ11から発生する所定周波数、例えば95kHzの電気信号で振幅変調(AM)したレーザ光をレーザダイオード12から第1の光ファイバ2の一端に出射している。このレーザ光は第1の光ファイバ2を介してレーザ光照射部3となっている光ファイバ2の他の一端からインレットスラリー中に出射している。なお、レーザ発振器は、ファンクションゼネレータとレーザダイオードに限定されるものではなく、例えば発光ダイオード等を用いることも可能である。
インレットスラリー中には、アニオントラッシュ成分の粒子が存在しており、レーザ光照射部3からアニオントラッシュ成分の粒子に照射されたレーザ光は散乱して散乱光となり、散乱光受光部4となっている第2の光ファイバ5の一端から光ファイバ5に入射している。本実施形態において、測定領域23は、レーザ光照射部3から出射されるレーザ光が照射する領域と、散乱光受光部4が散乱光を受光できる領域との重なり合った領域となっており、散乱光受光部4は測定領域23から90度(第2の光ファイバ5の中心線)方向に散乱した散乱光を受光している。
なお、遮蔽部材22におけるレーザ光照射部の構成は、図2に示すものに何ら限定されず、図4に示す如く、遮蔽部材22の測定領域23近傍にレーザーダイオード12を設けて電流ケーブル12Aを引き、遮蔽部材22の測定領域近傍で直接レーザ光を発光させるものであっても良く、この場合には、レーザ光照射部まで光ファイバを使用しないことにより、光ファイバの破損等を防止することができる。図4において、レーザ照射部以外の構成は図2に示すものと同様であり、同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
光電変換回路6は、フォトデテクター61、バンドパスフィルタ62及び増幅器63とからなり、第2の光ファイバ5の他の一端に接続されたフォトデテクター61によって散乱光の光信号を電気信号に変換し、バンドパスフィルタ62で自然光と区別するために電気信号から変調周波数成分の信号を取り出し、増幅器63において増幅して検波回路7に出力する。なお、光電変換回路6は、光信号を電気信号に変換するものであれば上記構成のものに限らず、例えばフォトデテクターの代わりにフォトダイオードを用いても良いし、バンドパスフィルタの代わりに低域フィルタを用いても良い。
変調周波数成分の信号は、散乱光強度の変化を測定するために、検波回路7にてAM検波を行ってその検波後の信号を最低値検出回路8に出力する。なお、検波回路7によって出力された信号は、低域フィルタを通過する信号と同等の信号処理が施されることとなる。従って、バンドパスフィルタ62のカットオフ周波数を適当に選択することによって、検波回路7はこのカットオフ周波数の変動を取り除いた直流分の出力波形の信号として検出し、最低値検出回路8に出力することができる。このように本実施形態では、フォトデテクター61で検出された光信号のうち、バンドパスフィルタ62で変調周波数成分を取り出し増幅器63で増幅した後、AM検波を行うことで、アニオントラッシュ成分の微小粒子の散乱に伴う光強度の変化を信号強度の変化として測定できる。ただし、AM検波は必ずしも必要とされず、変調周波数成分の信号を直接最低値検出回路8に出力しても良い。
最低値検出回路8は、入力する直流分の信号から最低値の信号強度を検出している。この最低値の検出とは、図1に示した増幅器63から出力される信号波形で説明すると、波形のくびれ部分を測定することである。くびれ部分以外の部分は、粗大な紙原料及び微小なアニオントラッシュ成分粒子が測定領域23に存在している時であり、くびれ部分は、紙原料が、測定領域から出ていった時である。従って、最低値検出回路8が信号強度の最低値を検出することにより、アニオントラッシュ成分の微小粒子のみが存在する時の散乱光強度、即ちアニオントラッシュ成分の微小粒子の粒径を測定することが可能となる。そして、この最低値の減少は、測定領域でのアニオントラッシュ成分の微小粒子の粒径が小さくなったことを表し、また最低値の増大は、アニオントラッシュ成分の微小粒子の粒径が大きくなったことを表す。
具体的に、薬剤効果の測定原理は以下のようなものである。即ち、計測槽20内のインレットスラリー21の攪拌に伴って測定領域23にコロイド状の微小なアニオントラッシュ成分粒子(以下「微小コロイド粒子」と称す。)が流入出するときに散乱光の変動が生じることとなる。この変動の周期は、測定領域を粒子と見なして、微小コロイド粒子との間に生じる衝突回数を想定することにより概算することができる。即ち、測定領域23を直径Rの球体、微小コロイド粒子を直径rの球体でそれぞれ近似すると、この場合の衝突断面積Qは、Q=π(R+r)で与えられる。また、微小コロイド粒子密度をN、測定領域に対する粒子の相対速度をvとすると、単位時間当たりに微小コロイドが測定領域に流入する回数νは、ν=NQvとなる。同じく、微小コロイド粒子が測定領域から出て行く時にも同様の変動が生じるので、散乱光強度を微分した値の周期は、この回数の2倍の値となる。そして、散乱光強度は微小コロイド粒子の粒径のn乗に比例すると仮定し、多重散乱を無視すると、微小コロイド粒子1個の流出入に伴う散乱光強度の変動Aは、A=Aとなる。なお、Aは測定系に依存する定数であり、標準試料を用いて校正される。
ここで、微小コロイド粒子は、直径rが小さく粒子密度Nが大きいので、散乱光の微小な変動が短い周期で生じることとなる。そこで、検波回路7で変調周波数成分の検波を行うことにより、上述したごとく出力波形は低域フィルタを通過するのと等価な信号処理が施されるので、フィルタ62のカットオフ周波数を適当に選ぶことにより、この変動を取り除いた直流分の信号として検出することができる。
一方、インレット中の紙原料では、測定領域に流出入する際の変動が大きく、かつこの変動の平均周期は長くなる。従って紙原料の密度と測定領域体積との積が1より小さい時には、検波後の出力波形の最低値が微小コロイド粒子の散乱に対応していることになる。これにより本実施形態では、検波回路7の後段に最低値検出回路8を接続させることによって、インレットスラリー中の微小コロイド粒子、即ちアニオントラッシュ成分による散乱光と紙原料による散乱光とを区別し、アニオントラッシュ成分による散乱光のみを取り出すことが可能となるので、薬剤によるアニオントラッシュ成分の低減効果が適切に把握できる。
また、本実施形態の監視装置では、特別な測定部を別途設ける必要がなく、遮蔽部材に取り付けたレーザ光照射部と散乱光受光部を計測槽に投入するのみで散乱光を測定することができるので、簡易な装置構成の監視装置を提供することができる。さらに、本実施形態の監視装置は、装置構成が簡易で軽量、小型化が図られるため、投げ込み式の監視装置にすることも可能である。
なお、本発明においては、このような装置を1台用意し、電磁弁等で自動的に計測対象液をインレットスラリーと白水とで切り替えができるような構造・機構を取り入れてもよく、手動のバルブで切り替える構造でもよい。また、このような装置を2台用意し、インレットスラリーと白水とを別々に計測してもよい。
2)受光された散乱光から変換された電気信号の最低値
図1の装置において、測定領域23にて生じる散乱光について考察すると、この測定領域23に存在する微小コロイド粒子は薬剤の添加で微少フロック化し、フロック化とともに散乱光強度は大きくなる。
従って、前述した構造のセンサプローブ(図2に示す遮蔽部材22)を用いて微小測定領域23における散乱光の強度を計測すると、図5(a)〜(c)にその概念を示すように、凝集が進んで微小コロイド粒子数が減少し、フロックの数が徐々に増加しても、フロックの数は懸濁物質(微小コロイド)の減少に比べ遥かに少ないので、プローブで検出される微小測定領域23の散乱光の平均強度は低下する。このため、プローブで検出されるフロックの凝集状態は、希に微小測定領域23に入り込むフロックで上記散乱光の強度が一時的に強くなったときを除いて、平均的な散乱光の強度は未凝集の懸濁物質(微小コロイド)の粒子数、すなわち濁度を示しているとみなし得る。なお、図5(a)〜(c)の横軸は時間軸であり、tは時間を示す。
前述した最低値検出回路8は、上記観点に立脚し、散乱光の強度に応じた光電変換回路6の出力から得られる振幅変調周波数成分の信号の包絡線成分から最低値を検出することで、インレットスラリー中の未凝集の微小コロイドの粒子数(濁度)を検知することを可能とする。
3)抄紙工程水
本発明において、測定対象となる抄紙工程水は、ワイヤによって濾過される前の抄紙工程水(この抄紙工程水については、薬剤が添加されたものと、薬剤添加前のものとがある。)、即ち下記のインレットスラリーと、ワイヤによって濾過された後の抄紙工程水(この抄紙工程水は既に薬剤が添加されている。)、即ち、下記の白水である。
〈インレットスラリー〉
インレットスラリーとは、種箱からの原料を白水で濃度調整した通常のスラリーをさす。計測対象は薬剤添加前のインレットスラリー又は薬剤添加後のインレットスラリーであるが、どちらか一方のみを計測してもよく、またはそれぞれ交互に測定してもよい。好ましくは薬剤添加後のインレットスラリーである。
〈白水〉
白水としては、計測対象のマシン周りの白水がよいが、より好ましくは、マシンのワイヤ下白水である。
本発明のように、常にインレットスラリーと白水の両方を被測定流体として散乱光強度を計測し、その差(相対値)から、薬剤の効果を適確に監視、評価し、この結果に基いて極めて精度の良い薬注制御を行える。
4)被測定流体
本発明では、上記3)記載のインレットスラリーと白水を被計測流体とし、インレットスラリーと白水の両方について計測を行い、その計測値を比較することにより、薬剤の効果判断を行う。なお、この場合、必要に応じてインレットスラリー、白水を、6)の希釈用水で希釈して計測してもよい。
5)製紙用薬剤
インレットスラリーに添加する製紙用薬剤として、歩留向上剤、濾水性向上剤が挙げられ、一般的にはカチオン系ポリマー、或いは一剤目にアニオン系ポリマー又はコロイダルシリカを、二剤目にカチオン系ポリマーを添加する二剤法、一剤目にカチオン系ポリマー、二剤目にアニオン系ポリマーを添加する二剤法、両性ポリマーを用いる方法など、任意の薬注方法を適用することができる。これらの薬剤の添加量は対象とするインレットスラリーの性状に応じて適宜決定される。
歩留向上剤や濾水性向上剤と共に、凝結剤、ピッチコントロール剤、紙力剤、サイズ剤等を併用することもできる。
6)希釈用水及び計測濃度
測定にあたっては、インレットスラリー及び白水は原液のままでも良く、必要に応じて水で希釈して測定に供しても良い。即ち、懸濁物質濃度が高い場合にはアニオントラッシュ成分やパルプ繊維により散乱光強度データの計測が妨害を受ける場合があるため、計測対象のインレットスラリーや白水は必要に応じて希釈する。希釈倍率については特に制限はなく、任意に決定することができるが、測定に供する被測定流体の固形分濃度としては、一般的には500〜60000mg/Lの範囲であることが好ましいことから、このような濃度となるように希釈を行うことが好ましい。
希釈用水としては特に制限はなく、水道水、工業用水、中水、白水の加圧浮上又は凝集沈殿処理水などを用いることができる。
7)流速
測定時の被測定流体は、濁度成分の沈降を防止して均一分散液状とするために、流動状態とし、必要に応じて攪拌を行ってもよい。この被測定流体の流速としては特に制限はなく、測定に供する被測定流体の濃度によっても異なるが、測定値の安定性の面から、0.2〜5.0m/s、特に0.5〜3.0m/sの範囲であることが好ましい。
8)測定部のサイズ
測定部の大きさは、レーザー光発光面から壁面までの距離(図1において、レーザ光照射部3の先端と計測槽20の内壁面との距離)が1cm以上離れていることが好ましい。この距離が1cmよりも近いと、壁面でのレーザー光の反射が測定値に影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。
9)被測定流体の採取箇所
本発明においては、紙パルププロセスの所定の箇所からインレットスラリー及び白水を抜き出し、図1に示すような装置で測定を行っても良く、図2又は図4に示す遮蔽部材22を、紙パルププロセスの所定の箇所に直接投入して測定を行っても良い。紙パルププロセスからインレットスラリー及び白水を抜き出して測定を行う場合、図1に示す装置には更に必要に応じて希釈槽を設けることが好ましい。
10)計測時間、計測頻度(計測間隔)
レーザ発光時間、散乱光の受光時間、間隔、計測値を平均する時間、計測頻度は任意に決めることができる。計測対象の抄紙工程水の性状が頻繁に変化する場合は、測定頻度を上げ、ほぼ連続で計測する必要があるが、変動が少ない場合は、1時間又は数時間に1回程度でも構わない。
測定は連続的に行っても良く、間欠的に行っても良い。間欠的に測定を行う場合の測定頻度は、薬剤効果の推移を確認できれば良く、任意に設定することができ、例えば1〜2時間に1回の測定頻度とすることができる。測定を行っていない場合には、例えば、計測槽に水を流して、後述のレーザー光照射部/受光部の洗浄を行っても良い。
11)検量線
通常は、散乱光の電気信号の最低値の変化を相対的にとらえて、薬剤効果の変化を検知するが、予め電気信号の最低値が既知のサンプル液を用いて同様の測定を行って、測定値との関係を示す検量線を作成しておき、この検量線に測定値をあてはめて、薬剤の効果判断及び、薬注制御を行うことができる。
12)計測部の洗浄
測定に用いるレーザ光照射部と散乱光受光部は、汚れの付着による測定精度の低下を防止するために、定期的に洗浄を行うことが好ましい。この照射部/受光部の洗浄は、空気又は水で行うことができる。
圧縮空気での洗浄の場合、被測定対象液であるインレットスラリーや白水中で空気の散気による気液混合状態で行う。洗浄時間には特に制限はないが、計測の安定性の点からレーザ光照射部/受光部各々3〜5秒間が良い。洗浄間隔は特に制限はないが、計測の安定性の点からレーザ光照射部/受光部各々40〜120秒間隔での洗浄が良い。洗浄圧は特に制限はないが、計測の安定性の点から0.01MPa以上の圧力が良く、より好ましくは0.05〜0.5MPaである。
水での洗浄の場合、高圧水でセンサ先端を洗浄するか、計測槽に清水を0.5m/秒以上の流速で通水し、計測槽及びセンサ先端の洗浄を行う。洗浄時間は、高圧水の場合は1回あたり3〜60秒程度、通水の場合は、1回あたり130秒以上がよい。
13)メンテナンス
前述の本発明の装置は、1ヶ月ないしは1週間に1回の頻度でレーザー光照射部/受光部の清浄度や照射されたレーザー光の輝度確認を行うことが好ましいが、このようなメンテナンス頻度は状況に応じて任意に決定することができる。
14)製紙用薬剤の薬注制御
本発明の製紙用薬剤の効果監視装置及び方法により得られた薬注効果の情報は、これを出力信号として出力し、この信号に基づいて薬注ポンプやインレットスラリーの送液ポンプの制御を行って、最適な薬注条件を維持することができる。
具体的には、次のような薬注制御を行うことができる。
以下においては、インレットスラリーへの適用例について説明する。
通常のマシン操作にて紙の製造を開始し、薬注量が最適で安定した生産状態にする。この時、歩留向上剤添加後のインレットスラリーのサンプリング配管と、ワイヤ下の白水ピットからの白水のサンプリング配管をそれぞれ分岐して、流路を切り替えられるバルブにつなぎ、それを介してセンサプローブを装着したセンサ計測槽と接続する。つまり、歩留向上剤を添加したインレットスラリーとワイヤ下白水をバルブ切換で交互にセンサ計測できるように配管する。
計測後のインレットスラリー及び白水は、白水ピットに戻すように戻り配管を設置する。センサ計測槽で所定の流速が確保できていることを確認し、濁度情報であるセンサ出力信号の最低値の計測を開始する。例として、2秒に1回200mS間欠発光レーザーでの計測を述べる。
濁度情報を使った制御は、インレットスラリーの濁度情報と白水の濁度情報の差を求めて行う。
薬剤を添加したインレットスラリーについて2秒ごとのセンサ出力最低値を5分間計測し、その平均値をインレットスラリーの濁度情報とし、インレットスラリーの計測値とする。同じ操作を5回行い、5点のインレットスラリーの濁度情報の平均をとる。通常、この値は2000〜4000mV程度になる。同じく、ワイヤ下白水について2秒ごとのセンサ出力最低値を5分間計測し、その平均値を白水の濁度情報とし、白水の計測値とする。同じ操作を5回行い、5点の白水の濁度情報の平均をとる。通常、この値は500〜2000mV程度になる。
薬注量が最適で、安定した生産状態での歩留り剤注入のインバータポンプの出力%を現状値とし、センサ計測を開始する。制御方法としては、インレットスラリーの計測値mV−白水の計測値mV=偏差mVとし、例えば「偏差<1500」の時はインバータポンプの出力は現状値−10%、「1500≦偏差≦2000」の時は現状値のまま、「2000<偏差≦2300」の時は現状値+15%、「2300<偏差≦2500」の時は現状値+30%、「2500<偏差」の時は現状値+50%、とするような一般的なプログラムをあらかじめセンサに組み込んでおき、センサから制御信号をインバータポンプに出力することにより、濁度情報に応じた薬注制御が可能となる。この時の計測頻度、偏差に対するインバータポンプへの出力%は、実際の製造における条件変動に応じて任意に決めることができる。
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の参考例及び実施例においては、添加薬剤、抄紙工程水として以下のものを用いた。
1)薬剤:カチオン系合成ポリマー
・構造,組成:ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル四級化物/アクリル
アミド=25/75(モル%)
・固有粘度:13.5(dl/g)(溶媒=1N NaCl(30℃))
・使用濃度:0.2wt%
・添加率:0〜5.6mg/l(対スラリー)
2)抄紙工程水:インレットから採取したスラリー
・濃度:6850mg/l
・外観:繊維分含有の白色スラリー
(参考例1)
1)濾水試験
以下の手順で濾液量の測定を行った。
(1) 500mlビーカーにインレットスラリーを180ml入れて、薬剤を所定量添加した。
(2) 撹拌機にて500rpmで40秒間攪拌した。
(3) 上記(2)の液を、直ちに60メッシュナイロン濾布を敷いたヌッチェロートにあけ、10秒間の濾水量を計測した。
なお、濾液量の計測とは別に、3Lビーカーにインレットスラリーを2000ml入れ、薬剤を上記濾水試験と同じ添加率で加え、500rpmで40秒間撹拌した。続いて、直径10cmの60メッシュナイロン濾布を敷いたヌッチェロートにあけ、10秒間濾過した濾液を、模擬白水とし、SS濃度測定、実施例でのセンサによる濁度情報計測を行った。
2)SS濃度測定
上記の模擬白水(濾液)を試料水とした。
(1) よく振った各試料水を100mlづつ取り分けた。
(2) 105℃の乾燥機で2時間乾燥させ、重量(Ag)を測定しておいたNo.3ろ紙にて、100mlづつ取り分けた試料水をよく振って吸引濾過した。
(3) ろ紙で捕捉したSSをろ紙ごと105℃の乾燥機に入れ、1昼夜乾燥して、重量(Bg)を測定した。
(4) 以下の式より、試料水のSS濃度を求めた。
SS濃度(%)=(B−A)×100/100
(実施例1)
1)センサによるインレットスラリーの濁度情報の計測
図1に示す装置を用い、以下の手順で散乱光強度の測定を行った。
(1) 3000mlビーカーにインレットスラリーを1800ml入れて、薬剤を所定量添加した。
(2) 撹拌機にて500rpmで40秒間攪拌した。
(3) 上記(2)の液にレーザー散乱光のセンサプローブ(図2に示す遮蔽部材22)を浸漬し、250rpmの攪拌下で、センサによる計測を行った。このとき、攪拌羽根の中心からセンサプローブまでは約5cmとし、流速は約1.3m/sであった。計測項目は、散乱光の電気信号の最低値(以下「濁度情報(mV)」とする。)で、レーザー光を2分間隔で200m秒発光させ、120秒間の散乱強度の平均値を求めた。
2)センサによる模擬白水(濾液)の濁度情報の計測
(1) 3000mlビーカーに前記の模擬白水(濾液)を1500ml入れた。
(2) 上記(1)の液にセンサプローブを浸漬し、250rpmの攪拌下(流速1.3m/s)で、センサによる計測を行った。計測項目は散乱光の電気信号の最低値(以下「濁度情報(mV)」とする。)で、レーザ光を2分間隔で200m秒発光させ、120秒間の散乱強度の平均値を求めた。
3)センサによる濁度標準液の濁度情報の計測
(1) 4000NTUの濁度標準液ホルマジン(HACH社製)を水道水で希釈し、500NTU、250NTU、100NTU、50NTU、25NTUの液を各1500ml調製した。
(2) 3000mlビーカーに上記(1)の各濁度の試料水を1500ml入れた。
(3) 上記(2)の各試料水にセンサプローブを浸漬し、250rpmの攪拌下(流速1.3m/s)で、センサによる計測を行った。計測項目は散乱光の電気信号の最低値(以下「濁度情報(mV)」とする。)で、レーザ光を2分間隔で200m秒発光させ、120秒間の散乱強度の平均値を求めた。
(結果)
1)試験結果
表1に全試験データを示す。
図6に参考例1における薬剤添加率と濾液量との関係を示す。
図7に参考例1における薬剤添加率と模擬白水(濾液)のSS濃度との関係を示す。
図8に実施例1における薬剤添加率とインレットスラリーの濁度情報との関係を示す。
図9に実施例1における薬剤添加率と模擬白水(濾液)の濁度情報との関係を示す。
表2及び図10に、センサによる濁度標準液(ホルマジン)の濁度情報測定結果を示す。
Figure 0004779762
Figure 0004779762
2)本発明の有効性
これらの結果より明らかなように、センサ計測で得られる濁度情報は、標準濁度と明確な相関があり、濁度に対応した数値を示すものである。この結果をもって、インレットスラリー及び模擬白水(濾水試験の濾液)の濁度相当の計測にセンサが適用できることが確認できた。
この結果により、レーザー光散乱方式センサを用いて、本発明に従ってインレットスラリー及び白水について散乱光の電気信号の最低値の測定を行って、その結果を比較することにより、抄紙工程水に添加した歩留向上剤などの薬剤の効果を連続的にモニタリングでき、薬剤効果の迅速な監視及びその計測値を基にした薬注制御ができることが明らかであり、本発明によって、製紙工場でのトラブル回避に大きく貢献できることが示された。
実施の形態に係る製紙用薬剤の効果監視装置の概略構成を示す構成図である。 図1に示したレーザ光照射部と散乱光受光部の構成を示す拡大図である。 図2に示した遮蔽部材22の斜視図である。 レーザ光照射部と散乱光受光部の他の構成例を示す拡大図である。 微小コロイド粒子の凝集に伴う、微小測定領域での散乱光強度の変化の様子を示す模式図である。 参考例1における薬剤添加率と濾液量との関係を示すグラフである。 参考例1における薬剤添加率と模擬白水(濾液)のSS濃度との関係を示すグラフである。 実施例1における薬剤添加率とインレットスラリーの濁度情報との関係を示すグラフである。 実施例1における薬剤添加率と模擬白水(濾液)の濁度情報との関係を示すグラフである。 センサによる濁度標準液(ホルマジン)の濁度情報測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 レーザ発振器
2 第1の光ファイバ
3 レーザ照射部
4 散乱光受光部
5 第2の光ファイバ
6 光電変換回路
7 検波回路
8 最低値検出回路
11 ファンクションゼネレータ
12 レーザダイオード
20 計測槽
22 遮蔽部材
23 測定領域
24 溝部
61 フォトデテクター
62 バンドパスフィルタ
63 増幅器

Claims (2)

  1. 抄紙工程水に添加される製紙用薬剤の効果を監視する方法において、
    抄紙工程水もしくはその希釈水を被測定流体として、該被測定流体に、所定の周波数(以下「変調周波数」と称す。)に振幅変調(AM)したレーザ光を照射する第一工程と、
    該被測定流体中の粒子により散乱された散乱光を光電変換回路で受光して散乱光強度データを得る第二工程と、
    該散乱光強度データに基づき前記被測定流体の濁度情報を求める第三工程と
    を含み、
    該光電変換回路は、フォトデテクター、バンドパスフィルタ及び増幅器とからなり、フォトデテクターによって散乱光の光信号を電気信号に変換し、バンドパスフィルタで自然光と区別するために電気信号から前記変調周波数成分の信号を取り出し、増幅器において増幅した後、検波回路にてAM検波を行ってその検波後の信号を最低値検出回路に出力し、最低値検出回路は、入力する該AM検波後の信号から最低値の信号強度を検出して前記散乱光強度データを得る製紙用薬剤の効果監視方法であって、
    前記抄紙工程水として、ワイヤによって濾過される前の抄紙工程水を使用して、前記第一〜第三工程を経て得た濁度情報と、
    前記抄紙工程水として、前記薬剤が添加され、かつワイヤによって濾過された後の抄紙工程水を使用して、前記第一〜第三工程を経て得た濁度情報と
    を比較することにより、ワイヤによる濾過前後の比較データを得る第四工程とを有する製紙用薬剤の効果監視方法。
  2. 抄紙工程水への製紙用薬剤の注入量を制御する方法において、
    抄紙工程水もしくはその希釈水を被測定流体として、該被測定流体に、所定の周波数(以下「変調周波数」と称す。)に振幅変調(AM)したレーザ光を照射する第一工程と、
    該被測定流体中の粒子により散乱された散乱光を光電変換回路で受光して散乱光強度データを得る第二工程と、
    該散乱光強度データに基づき前記被測定流体の濁度情報を求める第三工程と
    を含み、
    該光電変換回路は、フォトデテクター、バンドパスフィルタ及び増幅器とからなり、フォトデテクターによって散乱光の光信号を電気信号に変換し、バンドパスフィルタで自然光と区別するために電気信号から前記変調周波数成分の信号を取り出し、増幅器において増幅した後、検波回路にてAM検波を行ってその検波後の信号を最低値検出回路に出力し、最低値検出回路は、入力する該AM検波後の信号から最低値の信号強度を検出して前記散乱光強度データを得る製紙用薬剤の注入量制御方法であって、
    前記抄紙工程水として、ワイヤによって濾過される前の抄紙工程水を使用して、前記第一〜第三工程を経て得た濁度情報と、
    前記抄紙工程水として、前記薬剤が添加され、かつワイヤによって濾過された後の抄紙工程水を使用して、前記第一〜第三工程を経て得た濁度情報と
    を比較することにより、ワイヤによる濾過前後の比較データを得る第四工程と、
    前記比較データに基づき前記製紙用薬剤の注入量を制御する第五工程と
    を有する製紙用薬剤の注入量制御方法。
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