JP2003161688A - 粒子状態検出用プローブおよび凝集モニタ装置 - Google Patents

粒子状態検出用プローブおよび凝集モニタ装置

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JP2003161688A
JP2003161688A JP2001359482A JP2001359482A JP2003161688A JP 2003161688 A JP2003161688 A JP 2003161688A JP 2001359482 A JP2001359482 A JP 2001359482A JP 2001359482 A JP2001359482 A JP 2001359482A JP 2003161688 A JP2003161688 A JP 2003161688A
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Nobuaki Nagao
信明 長尾
Tadahiro Hozumi
直裕 穂積
Masayuki Nagao
雅行 長尾
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検水の色度成分の影響を受けることなく、検
水中の粒子の状態を確実に検出することのできる粒子状
態検出用プローブを提供する。 【解決手段】 検水中にレーザ光を照射する投光部(第
1の光ファイバ1)と、この投光部の近傍に設けられて
前記レーザ光の上記検水中における粒子への衝突により
発生する散乱光を互いに異なる距離を隔ててそれぞれ受
光する複数の受光部(第2の光ファイバ2a,2b)
と、前記投光部による前記レーザ光の照射領域と前記各
受光部による前記散乱光の受光領域とが交差する状態に
前記投光部と前記各受光部とをそれぞれ支持して前記検
水中における粒子状態の計測領域を規定する支持部材
(台座3)とを備える。そして複数の受光部にてそれぞ
れ受光される散乱光の強度から検水中の粒子の状態を計
測すると共に、検水の特定の色度成分を計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝集処理工程から
サンプリングされたフロックを含む凝集処理水(検水)
中に含まれる粒子の状態とその色成分を計測するに好適
な粒子状態検出用プローブに関する。
【0002】
【関連する背景技術】上水や工業用水、更には下水や排
水等の浄化処理(水質改善処理)は、例えば被処理水に
凝集剤を投入して該被処理水中の懸濁物質を凝集処理し
た後、凝集したフロックを沈殿分離、加圧浮上分離、遠
心分離、砂ろ過、膜分離等の手法を用いて固液分離する
ことにより実現される。しかしながらフロックを含む凝
集処理水(検水)中における懸濁物質の凝集状態は、被
処理水の水質(pHや懸濁物質の濃度等)、更には凝集
処理工程における凝集剤の添加量やその撹拌条件等によ
って変化することが否めない。また凝集処理条件が適切
に設定されない場合には、その後の固液分離処理に悪影
響を及ぼしたり、固液分離後の分離水(処理水)の水質
が悪化する要因となる。
【0003】そこで従来、検水中に光を照射したときに
該検水により生じる散乱光の強度から上記検水の濁度を
測定し、この濁度に基づいて検水中における懸濁物質の
凝集状態をリアルタイムに評価して凝集処理工程におけ
る凝集条件を最適化することが提唱されている(特表平
5−505026号公報)。しかしながらこの場合、検
水における平均的な散乱光強度を測定しているだけなの
で、検水中の凝集物による散乱光と未凝集物(懸濁物
質)による散乱光との区別がつかないと言う問題があ
る。
【0004】ちなみに上記散乱光強度は、検水中におけ
る懸濁物質の粒子数に比例すると共に、その粒子径の4
〜6乗に比例する。そして凝集処理において懸濁物質の
凝集が進むと、検水中の粒子数の減少に伴って散乱光強
度が次第に低下し、その反面、懸濁物質の凝集によって
その粒子径が大きくなり、粒子(フロック)1個当たり
の散乱光強度が増加する。従って前述した平均的な散乱
光強度の測定においては、上述したような散乱光強度の
変化を示す凝集物および未凝集物による各散乱光が混在
したものを検出することになるので、その凝集状態を適
切に把握することができないと言う問題がある。
【0005】そこで本出願人は、先に検水中にレーザ光
を照射し、このレーザ光の上記検水中の粒子への衝突に
より発生する散乱光を微小な計測領域において検出する
ことで、凝集物および未凝集物による各散乱光成分を互
いに区別して検水中の粒子の状態を精度良く検出する凝
集モニタリング装置を提唱した(特願2000−392
442)。この装置においては、レーザ光を導いてその
端面から射出する投光用の第1の光ファイバと、端面か
ら導入する散乱光を光電変換素子に導く受光用の第2の
光ファイバの各端面を互いに近接させ、且つ各光ファイ
バの端面における中心軸が交差するように支持部材に取
り付けることで、各光ファイバの端面近傍に微小な計測
領域を設定したプローブを構成している。そしてこのプ
ローブを処理水中に浸漬して上記微小な計測領域におけ
る粒子の状態(粒子数および粒子径)を検出するものと
なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで検水に含まれ
る粒子やフロックの中には、錆等の鉄系懸濁物を含んで
赤味を帯びたものがある。このような鉄系懸濁物を含む
検水における粒子の状態を検出しようとする場合、検水
の色度成分の影響を受けて上述した散乱光の透過率が変
化するので、散乱光の強度から検水中の懸濁物質の状
態、ひいては懸濁物質の凝集により生成される粒子の状
態を検出することが益々困難になると言う問題がある。
【0007】また計測対象とする検水中の懸濁物質の濃
度が高い場合、投光用の光ファイバから射出されたレー
ザ光が、受光用の光ファイバにて散乱光を受光可能な計
測領域に到達する前に懸濁物に衝突して分散し、この結
果、上記計測領域に十分な光量のレーザ光を照射するこ
とができないことがある。このような不具合を回避する
べく、投光用の光ファイバの端面と上記計測領域との距
離を十分短く設定することが考えられる。しかし逆に計
測対象とする検水中の懸濁物質の濃度が低い場合には、
計測領域に照射されたレーザ光が受光用の光ファイバに
回り込み、散乱光との区別が付き難くなる虞がある。
【0008】そこで計測対象とする検水中の懸濁物質の
濃度に応じて投光用の光ファイバの端面と上記計測領域
との距離を可変し得るようにプローブを構成することが
考えられるが、その構成が複雑化することが否めない。
また計測対象とする検水の濃度に応じて投光用の光ファ
イバを介して照射するレーザ光の出力(光量)を可変設
定することも考えられる。
【0009】しかしながらレーザ光の出力(光量)を可
変するべく、例えばその光源であるレーザダイオードの
駆動電流Iを調整しても、図10に例示するようにレー
ザ光の出力Pがリニアに変化しないので、その調整が非
常に困難であると言う問題がある。これにも増して上述
した如くレーザ光の出力を調整した場合、図11(a)
(b)に例示するように、光ファイバから照射されるレー
ザ光の照射パターン形状が大きく変化するので、安定し
た計測条件を確保することができない言う問題がある。
【0010】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、検水の色度成分の影響や懸濁物
質の濃度の影響を受けることなく、検水中の懸濁物質の
状態、ひいては懸濁物質の凝集により生成される粒子の
状態やその色度成分を確実に検出することのできる粒子
状態検出用プローブおよび凝集モニタ装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明に係る粒子状態検出プローブは、検水中にレ
ーザ光を照射する投光部と、この投光部の近傍に設けら
れて前記レーザ光の上記検水中における粒子への衝突に
より発生する散乱光を互いに異なる距離を隔ててそれぞ
れ受光する複数の受光部と、前記投光部による前記レー
ザ光の照射領域と前記各受光部による前記散乱光の受光
領域とが交差する状態に前記投光部と前記各受光部とを
それぞれ支持して前記検水中における粒子状態の計測領
域を規定する支持部材とを備えたことを特徴としている
(請求項1)。
【0012】ちなみに前記投光部は、光源から発せられ
るレーザ光を導いてその端面から射出する第1の光ファ
イバからなり、また前記複数の受光部は、その端面から
前記散乱光をそれぞれ導入して光検出器に導く複数本の
第2の光ファイバからなり、前記支持部材は、これらの
光ファイバの各端面を、特に複数本の光ファイバの各端
面を前記検水中における粒子状態の計測領域と各端面と
の距離を互いに異ならせて支持して構成される(請求項
2)。
【0013】また本発明に係る凝集モニタ装置は、検水
中にレーザ光を照射する投光部と、この投光部による前
記レーザ光の照射領域において前記検水中の粒子へのレ
ーザ光の衝突により発生する散乱光を、上記レーザ光の
照射方向とは異なる向きから上記照射領域から互いに異
なる距離を隔てた位置にてそれぞれ受光する複数の受光
部と、これらの複数の受光部にてそれぞれ受光される前
記散乱光の強度から前記検水中の粒子の状態を計測する
と共に、前記検水の特定の色度成分を計測する演算処理
手段とを備えて構成される(請求項3)。
【0014】好ましくは前記演算処理手段は、複数の受
光部によりそれぞれ受光される前記散乱光の強度と、前
記複数の受光部と前記照射領域との距離とに基づいて特
定の色度成分を計測するように構成される(請求項
4)。また本発明に係る凝集モニタ装置は、検水中にレ
ーザ光を照射し、このレーザ光の上記検水中の粒子への
衝突により発生する散乱光の強度から前記処理水中の状
態を検出するものであって、前記検水中に波長の異なる
複数種、例えば2波長λ1,λ2のレーザ光を照射する
投光部と、この投光部による上記レーザ光の照射領域に
生じる散乱光を上記レーザ光の照射方向とは異なる向き
にて受光する受光部と、この受光部にて受光された散乱
光における前記複数種のレーザ光の各波長にそれぞれ対
応する散乱光強度から前記検水中の粒子の状態および/
または前記処理水の特定の色度成分を計測する演算処理
手段とを備えることを特徴としている(請求項5)。
【0015】好ましくは前記投光部は、光源から発せら
れる波長の異なる複数種のレーザ光をそれぞれ導いてそ
の端面から射出する第1の光ファイバからなり、また前
記受光部は、その端面から前記散乱光を導入して光検出
器に導く第2の光ファイバからなる(請求項6)。また
前記投光部は、波長の異なる複数種のレーザ光を波長多
重化して、または時分割して交互に検水中に照射するよ
うに構成される(請求項7)。
【0016】また本発明に係る凝集モニタ装置は、レー
ザ光を検水に照射すると共に、このレーザ光の上記検水
中の粒子への衝突により発生する散乱光を検出する粒子
状態検出用プローブと、このプローブを介して受光され
た上記散乱光の強度に基づいて前記検水中における粒子
の状態を求める演算処理装置とを備え、更に前記レーザ
光をパルス変調すると共に、モニタ対象とする検水中の
懸濁物質の濃度に応じて上記パルス変調のデューティ比
を調整するレーザ光出力調整手段を備えることを特徴と
している(請求項8)。
【0017】そして前記レーザ光出力調整手段において
は、モニタ対象とする検水中の懸濁物質の濃度が高いと
きにはレーザ光の出力を高め、上記濃度が低いときには
レーザ光の出力を低く設定して、前記プローブを介して
受光される散乱光の強度を最適化することを特徴として
いる(請求項9)。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態に係る粒子状態検出用プローブについて説明す
る。この粒子状態検出用プローブは、例えば凝集処理工
程においてサンプリングされたフロックを含む凝集処理
水(検水)中にレーザ光を照射し、このレーザ光の上記
検水中の粒子への衝突により発生する散乱光を検出する
ことで、上記検水中に含まれる粒子の状態を計測する為
に用いられる。この粒子状態検出用プローブは、基本的
には図1に示すように、所定の周波数で振幅変調したレ
ーザ光をその端面から検水中に照射する為の第1の光フ
ァイバ1と、上記レーザ光の検水中に含まれる粒子への
衝突により発生する散乱光をその端面から導入して受光
する為の第2の光ファイバ2とを、各ファイバ端面を近
接させて所定の台座(支持部材)3に固定した構造を有
する。またこのプローブ5は、例えば全体的には10〜
20mm程度の大きさのものからなる。
【0019】尚、上記光ファイバ1,2としては、その
コア径が0.1mm程度のものが用いられ、各ファイバ
端面での中心軸が90°の角度を以て交差するように前
記台座3に固定される。そして光ファイバ1,2におけ
る各端面の中心軸が交差する部位での0.2〜0.4mm
径程度の微小な領域Sにレーザ光を照射し、当該領域S
に生じた散乱光を受光するように構成される。また前記
台座3は、プローブ5の上方から入り込む外来光(自然
光)の前記領域Sへの到達を遮る役割も担う。
【0020】このような構造のプローブ5を用いた検水
中の懸濁物質(微小コロイド粒子)やその凝集により生
じたフロックからなる粒子の状態の検出は、図1にその
処理概念を示すように発光部10が出力する変調レーザ
光L、例えば所定の周波数で振幅変調したレーザ光Lを
前記プローブ5における第1の光ファイバ1を介して検
水中に照射し、検水中に含まれる粒子に上記レーザ光が
衝突した際に発生する散乱光Sを前記プローブ5におけ
る第2の光ファイバ2を介して検出部20にて受光する
ことによりなされる。
【0021】上記発光部10は、例えば波長が630n
mのレーザ光Lを発振出力するレーザダイオード等のレ
ーザ発振器11と、このレーザ発振器11が発振出力す
る上記レーザ光Lを70〜150kHz(例えば95k
Hz)で電気的に振幅変調(AM変調)するファンクシ
ョンジェネレータ等の振幅変調器12とを備えて構成さ
れる。また前記検出部20は、散乱光Sの受光量(受光
強度)に応じた電気信号を発生するフォトトランジスタ
等の光電変換器21と、その光電変換出力から前述した
振幅変調した周波数成分だけを抽出する帯域通過フィル
タ(BPF)22と、この帯域通過フィルタ22の出力
を増幅器23を介して増幅した前記振幅変調周波数成分
の信号Fを検波して、その包絡線成分Eを求める検波器
24とを備えて構成される。
【0022】尚、上記レーザ光Lの振幅変調は、検水中
へのレーザ光Lの照射によって生じる散乱光を変調させ
ることで、検水中に混入する自然光等の外来光とを区別
する役割を担っている。従って前記光電変換器21の出
力を帯域通過フィルタ22を介してフィルタリングする
ことで、上記振幅変調の周波数成分として前記検水中に
照射したレーザ光Lによる散乱光の成分だけを抽出する
ことが可能となる。
【0023】ところでレーザ光Lが照射される前述した
微小な領域Sにて生じる散乱光について考察すると、こ
の領域Sにおいて懸濁物質からなる微小なコロイド粒子
によって生じる散乱光の強度は、微小コロイド粒子の数
に比例して大きくなる。そして微小コロイド粒子の数
は、その凝集が進んで粒子径の大きいフロックが生成さ
れるに従って減少する。これに対してフロックは、微小
コロイド粒子が凝集したものであるから、凝集が進むに
従ってその数が増えるものの微小コロイド粒子に比較し
て遙かにその数が少ない。これ故、上記フロックが前述
した微小な領域Sに存在する可能性は非常に低く、希に
微小領域Sに入り込むに過ぎない。但し、フロックが微
小領域Sに入り込む頻度は、凝集の進行に伴ってフロッ
クの数が増えるに従って高くなる。
【0024】従って前述した構造のプローブ5を用いて
微小領域Sにおける散乱光の強度を計測すると、図2
(a)〜(c)にその概念を示すように、懸濁物質の凝集が
進んで微小コロイド粒子の数が減り、フロックの数が徐
々に増えるに従って、プローブにて検出される微小領域
Sの散乱光の強度が上記フロックにより一時的に高くな
ることがあるものの、全体的には低くなる。これ故、フ
ロックの存在によって散乱光強度が一時的に高くなった
場合を除いて、その全体的な散乱光の強度に着目すれ
ば、そのときの散乱光強度は未凝集のコロイド粒子の数
を示していると看做すことが可能となる。
【0025】前述した図1に示す最低値検出回路25
は、このような観点に立脚して、前述した散乱光の強度
に応じた光電変換出力から求められる前記振幅変調周波
数成分の信号Fの包絡線成分Eの最低値を検出すること
で、検水中における粒子の状態(未凝集のコロイド粒子
数)を求めるものとなっている。尚、フロックにより散
乱光の強度が一時的に高くなる周期に着目すれば、凝集
により生じたフロックの数(検水中におけるフロックの
密度)を求めることが可能となり、上記一時的な散乱光
強度の大きさから、フロックの粒子径を求めることも可
能となる。 [第1の実施形態]さて投光部をなす第1の光ファイバ
1と、受光部をなす第2の光ファイバ2とを台座(支持
部材)3に取り付けて構成される粒子状態検出プローブ
において、この発明の請求項1,2に係る粒子状態検出
プローブが特徴とするところは、図3にその概念を示す
ように複数本の受光用光ファイバ、この例では2本の第
2の光ファイバ2a,2bを備え、これらの光ファイバ
2a,2bの各端面の位置を前記微小領域Sからの距離
を異ならせて設けている点にある。
【0026】これらの2本の受光用光のファイバ2a,
2bおよび投光用の光ファイバ1は、図4に上記プロー
ブを下側から見た図を示すように、例えば台座3の四角
錐形状をなす先端部の互いに異なる面にそれぞれ支持さ
れて、各ファイバ端面をプローブ先端に向けてそれぞれ
設けられる。そしてプローブ先端に向けて第1の光ファ
イバ1からレーザ光を照射して粒子による散乱光を発生
させ、プローブ先端の微小領域Sに生じた散乱光を前記
2つの第2の光ファイバ2a,2bにて前記レーザ光の
照射方向とは異なる向きから、前記微小領域Sからの距
離La,Lbを互いに異ならせてそれぞれ検出するよう
に構成される。
【0027】ちなみに光ファイバ2aの端面の微小領域
Sからの距離Laは、例えば1mmに設定され、これに
対して光ファイバ2bの端面の微小領域Sからの距離L
bは、例えば10mmに設定される。このように微小領
域Sからの散乱光の検出距離La,Lbを互いに異なら
せて設けられる2本の光ファイバ2a,2bは、凝集モ
ニタ対象とする検水の色度成分によって散乱光の透過率
(減衰度)が異なることを利用して、その色度成分を求
める為に用いられる。
【0028】ちなみに上記構成の粒子状態検出用プロー
ブを備えて構成される凝集モニタ装置(請求項4,5)
は、図5にその概略構成を示すように微小領域Sからの
計測距離をLa,Lbを異ならせてそのファイバ端面を
設けた光ファイバ2a,2bを介して受光される上記微
小領域Sでの散乱光をそれぞれ検出する検出部20a,
20bと、これらの各検出部20a,20bによりそれ
ぞれ検出される散乱光強度の最低値を検出する最低値検
出回路25a,25b、そしてこれらの最低値検出回路
25a,25bによりそれぞれ検出される散乱光強度の
最低値から、プローブが設けられた検水の色度成分およ
び粒子の状態を検出する演算回路26を備えて構成され
る。
【0029】尚、上記検出部20a,20bおよび最低
値検出回路25a,25bは、前述した図1を用いて説
明したものと同様なものからなる。また演算回路26
は、例えば最低値検出回路25aにより求められる前記
光ファイバ2aを介して検出される散乱光強度の最低値
と、最低値検出回路25bにより求められる前記光ファ
イバ2bを介して検出される散乱光強度の最低値との差
から、前記検出距離La,Lbの差に依存する散乱光の
減衰量を求め、この減衰量から検水の特定の色度成分の
度合い(レベル)を計測する色成分検出機能を備える。
更に演算回路26は、上記特定の色度成分の度合い(レ
ベル)に応じて前記最低値検出回路25a,25bによ
り検出される散乱光強度の最低値を補正し、これによっ
て検水の色度成分に依存することのない散乱光強度を求
めて前記検水中の粒子状態を計測する粒子状態検出機能
を備える。
【0030】かくしてこのように構成された粒子状態検
出用プローブおよび凝集モニタ装置によれば、例えば錆
等の鉄系懸濁物を含んで赤味を帯びた検水における上記
懸濁物の凝集状態をモニタするような場合、検水に照射
するレーザ光として波長760nmの赤色レーザ光を用
いることで赤味を帯びた検水による減衰作用を大きく受
けるようにし、レーザ光の照射によって生じた散乱光を
前述した2本の光ファイバ2a,2bを介してそれぞれ
検出するようにする。すると懸濁物の凝集が進まず、検
水の赤みの程度が大きい場合には、散乱光は検水による
減衰を大きく受けるので、光ファイバ2a,2bを介し
てそれぞれ検出される散乱光強度の差が大きくなる。こ
れに対して懸濁物の凝集が進んで、検水の赤みの程度が
減衰するに従って該検水による散乱光の減衰の程度が低
くなり、この結果、前記光ファイバ2a,2bを介して
それぞれ検出される散乱光強度の差が小さくなる。
【0031】従って、例えば検水の特定の色度成分、具
体的に赤色成分の程度と前記光ファイバ2a,2bを介
してそれぞれ検出される散乱光強度の差との関係を予め
求めておけば、前述した如くして検出される散乱光強度
の差から検水の赤色成分の濃さの程度、ひいては検水に
含まれる鉄系懸濁物の凝集の程度を効果的に評価するこ
とが可能となる。また赤色成分の程度に応じた散乱光の
減衰量を予め求めておけば、前述した検出距離La,L
bの差によって生じる散乱光強度の減衰量を求めること
ができるので、この減衰量から検水の赤色成分の程度、
ひいては検水に含まれる鉄系懸濁物の凝集の程度である
粒子の状態を求めることが可能となる。
【0032】またこのようにして求められる赤色光成分
の程度に応じて前記光ファイバ2a,2bを介して検出
される散乱光強度を補正すれば、散乱光が検水により受
けた減衰の影響を補正した散乱光強度を求めることが可
能となるので、検水中の粒子の状態を高精度に評価する
ことが可能となる等の効果が奏せられる。更には前記散
乱光強度の差の変化をモニタすることで、検水中におけ
る懸濁物質の凝集の進み具合を効果的にモニタすること
も可能となる等の効果が奏せられる。 [第2の実施形態]ところで基本的には上述したよう粒
子状態検出プローブを用いて検水の凝集状態を検出する
凝集モニタ装置において、この発明の請求項5,〜7に
記載の装置が特徴とするところは、図6にその概念を示
すように発振波長を異にする複数、この例では2つのレ
ーザ光源10a,10bを投光部として備え、これらの
レーザ光源10a,10bからそれぞれ発せられる波長
λaの第1のレーザ光と波長λbの第2のレーザ光とを
光ファイバ1を介して検水にそれぞれ照射するように構
成される。そして検水中の微小領域Sにおいて上記各レ
ーザ光の照射によりそれぞれ生じる散乱光を受光用の光
ファイバ2を介して受光し、受光した散乱光の前記各レ
ーザ光の波長λa,λbにそれぞれ対応する成分を求め
て前記検水の状態、具体的には検水に含まれる粒子の状
態や検水の色度成分を検出するように構成される。
【0033】尚、図6においては2本の光ファイバ1
a,1bを用いて上記波長λa,λbの各レーザ光をそれ
ぞれ導いて検水中に照射する例を示している。しかし上
記2種類のレーザ光を多重化することで、これらのレー
ザ光を1本の光ファイバ1を介して検水中に照射するよ
うに構成することも勿論可能である。波長を異にする2
種類のレーザ光を多重化するに際しては、例えば図6に
示すようにレーザ光源10aの動作周期を規定する発振
器13を用い、この発振器13の出力を位相反転器14
を介して他方のレーザ光源10bに加えることで、これ
らのレーザ光源10a,10bを相補的に作動させ、こ
れによって図7に示すように波長λaのレーザ光と、波
長λbのレーザ光とを交互に照射するようにすれば良
い。また或いは図8に示すように波長λaのレーザ光
と、波長λbのレーザ光とを所定の時間差を持たせて交
互に照射するようにしても良い。
【0034】また検水中の微小領域Sにおいて上記各レ
ーザ光の照射によりそれぞれ生じる散乱光の検出につい
ては、上記散乱光を受光用の光ファイバ2を介して受光
し、例えば受光した散乱光を前記各レーザ光の波長λ
a,λbにそれぞれ対応する波長選択性を有する光学フ
ィルタ28a,28bを介して上記受光した散乱光を抽
出することで、上記各波長λa,λbの散乱光成分をそ
れぞれ求める。
【0035】尚、波長λa,λbの散乱光成分をそれぞ
れ求めるに際しては、光ファイバ2を介して導かれる散
乱光をハーフミラー27等の分岐光学部品を用いて2系
統を分岐するようにすれば良い。また受光用の光ファイ
バを2本準備し、これらの各光ファイバをそれぞれ介し
て受光される散乱光を前記光学フィルタ28a,28b
にそれぞれ独立に導くように構成することも勿論可能で
ある。
【0036】そして上記各波長λa,λb成分の散乱光
を2つの検出部20a,20bにてそれぞれ検出してそ
の強度を求め、最低値検出回路25a,25bにて上記
各検出部20a,20bによりそれぞれ検出される散乱
光強度の最低値を求める。このようにして上記各最低値
検出回路25a,25bによりそれぞれ検出される波長
λa,λbの散乱光強度の最低値から、演算回路26を
用いて前記プローブが設けられた検水の色度成分および
粒子の状態を検出するように構成される。
【0037】尚、上記検出部20a,20bおよび最低
値検出回路25a,25bは、前述した図1を用いて説
明したものと同様なものからなる。また演算回路26
は、例えば最低値検出回路25aにより求められる前記
光ファイバ2aを介して検出される波長λaの散乱光強
度の最低値と、最低値検出回路25bにより求められる
前記光ファイバ2bを介して検出される波長λbの散乱
光強度の最低値との差から、前記波長λa,λbの違い
に依存する散乱光の減衰量の差を求め、この減衰量から
検水の特定の色度成分の度合い(レベル)を計測する色
成分検出機能を備える。更に前記演算回路26は、上記
特定の色度成分の度合い(レベル)に応じて前記最低値
検出回路25a,25bにより検出される散乱光強度の
最低値を補正し、これによって検水の色度成分に依存す
ることのない散乱光強度を求めて前記検水中の粒子状態
を計測する粒子状態検出機能を備える。
【0038】即ち、上述した如く構成される凝集モニタ
装置は、モニタ対象とする検水の色度成分によってレー
ザ光、ひいてはその散乱光の透過率(減衰度)がその波
長毎に異なることに着目し、波長の異なる複数種のレー
ザ光を用いることで、検水の色の変化やその色度を求
め、更には検水に含まれる粒子の状態をその検水の色に
拘わることなく検出し得るように構成される。
【0039】かくしてこのように構成された凝集モニタ
装置によれば、例えば錆等の鉄系懸濁物を含んで赤味を
帯びた検水における上記懸濁物の凝集状態をモニタする
ような場合、検水に照射するレーザ光として、例えば波
長760nm(λa)の赤色レーザ光と波長360nm
(λb)の青色レーザ光とを用いる。そして上記赤色レ
ーザ光か赤味を帯びた検水による減衰作用を大きく受け
ることを利用し、これらのレーザ光の照射によって生じ
た波長760nmおよび360nmの各散乱光成分をそ
れぞれ検出するようにする。
【0040】尚、上記各レーザ光の照射により生じる散
乱光が検水の色に応じた減衰を確実に生じるように、検
水中での光路長を、具体的には光ファイバ1,2の端面
と微小領域Sとの距離を10mm程度確保しておくこと
が望ましい。この際、投光用の光ファイバ1の端面と微
小領域Sとの距離については、例えば0.1mm程度と
短く設定し、微小領域に照射するレーザ光自体が検水の
色の影響を受けて減衰しないようにすることが望まし
い。つまり微小領域Sに照射される波長の異なる2種類
のレーザ光の強度が、互いに等しく一定の強度となるよ
うに設定することが好ましい。
【0041】すると懸濁物の凝集が進まず、検水の赤み
の程度が大きい場合には、赤色レーザ光による散乱光は
検水による減衰を大きく受けるので、光ファイバ2を介
して検出される散乱光強度は小さい。これに対して青色
レーザ光による散乱光は検水による減衰をさほど受ける
ことがないので、光ファイバ2を介して検出される散乱
光強度は比較的大きい。そして懸濁物の凝集が進んで、
検水の赤みの程度が減衰するに従って該検水による赤色
レーザ光による散乱光の減衰の程度が低くなる。しかし
青色レーザ光による散乱光の減衰の程度は、懸濁物の凝
集の程度に拘わらず殆ど変化することがない。
【0042】従って上述した赤色レーザ光および青色レ
ーザ光による検水での散乱光の強度変化を求めれば、検
水の色の変化を容易に、しかも確実に捉えることが可能
となる。また検水の色の変化から、該検水における懸濁
物の凝集の程度を評価することが可能となる。更には上
記各波長成分の散乱光強度およびその強度変化をそれぞ
れ比較すれば、検水の色が赤みがかっているか、逆に青
みがかっているかを、つまりその色相を評価することも
可能となる。
【0043】また、例えば検水の特定の色成分、具体的
には鉄系懸濁物に起因する赤色成分の程度と、前記各波
長の散乱光の減衰量(受光強度)との関係を予め求めて
おけば、前述した如くして検出される散乱光強度の差か
ら検水の赤色成分の濃さの程度、ひいては検水に含まれ
る鉄系懸濁物の凝集の程度を効果的に評価することが可
能となる。また赤色成分の程度に応じた散乱光の減衰量
を予め求めておけば、検出した散乱光強度から前記微小
領域Sから光ファイバ2の端面に至るまで光路における
散乱光の減衰量を求めることができる。従ってこの減衰
量から検水の赤色成分の程度、ひいては検水に含まれる
鉄系懸濁物の凝集の程度である粒子の状態を求めること
が可能となる。
【0044】更には、例えば上述した如くして求められ
る赤色光成分の程度に応じて、青色レーザ光の照射によ
り生じた散乱光の強度を補正すれば、青色レーザ光の照
射により生じた散乱光が検水により受けた減衰の影響を
補正した散乱光強度を求めることが可能となるので、前
述した粒子状態の検出原理に従って検水中の粒子の状態
を高精度に評価することが可能となる。更には前記散乱
光強度の差の変化をモニタすることで、検水中における
懸濁物質の凝集の進み具合を効果的にモニタすることも
可能となる等の効果が奏せられる。 [第3の実施形態]一方、この発明の請求項8,9に係
る凝集モニタ装置が特徴とするところは、図1に示すよ
うにレーザ発振器11からプローブ5を介して検水中に
照射するレーザ光をパルス変調とすると共に、そのパル
ス変調のデューティ比を検水中の懸濁物質の濃度に応じ
て調整して前記レーザ光の出力強度(光量)を調整する
デューティ比設定手段(レーザ光出力調整手段)15を
備えている点にある。上記レーザ光のパルス変調は、前
述したAM変調を行う変調信号として、例えば図9(a)
(b)にそれぞれ示すようなパルス信号を用いることによ
り実現される。そしてデューティ比設定手段15は、上
記パルス信号の1周期Tに対するオン期間Tonの比とし
て示されるデューティ比を可変するものとして実現され
る。
【0045】しかしてデューティ比設定手段15は、モ
ニタ対象とする検水中の懸濁物質の濃度が低いときに
は、図9(a)に示すようにそのデューティ比を低く設定
してレーザ光の出力(強度)を低くし、逆に上記濃度が
高いときには、図9(b)に示すようにそのデューティ比
を高く設定してレーザ光の出力(強度)を高くして、前
記プローブ5を介して受光される散乱光の強度を最適化
する役割を担う。即ち、検水中に照射される所定時間
(パルス変調周期T)当たりのレーザ光の照射期間(発
光期間)を調整することでそのエネルギ量を可変し、プ
ローブ5の先端近傍に設定される計測領域Sに到達する
レーザ光の強度を最適化するものとなっている。
【0046】かくしてこのように構成された凝集モニタ
装置によれば、計測(モニタ)対象とする検水中に含ま
れる懸濁物質の濃度が高い場合、パルス変調するレーザ
光のデューティ比を高く設定してその照射エネルギを高
くするので、光ファイバ1から射出されたレーザ光が計
測領域Sに到達する前に懸濁物に衝突して分散し、計測
領域Sに十分な光量のレーザ光が照射されなくなるよう
な不具合を解消することができる。また計測(モニタ)
対象とする検水に含まれる懸濁物質の濃度が低い場合に
は、パルス変調するレーザ光のデューティ比を低く設定
してその照射エネルギを低くするので、計測領域Sに照
射されるレーザ光の光量が過剰となり、レーザ光が受光
用光ファイバ2に回り込むことによって散乱光との区別
が付き難くなるような不具合を解消することができる。
【0047】しかもレーザ光をパルス変調する上でのデ
ューティ比を可変してその出力(光量;エネルギ量)を
調整するだけなので、瞬時的なレーザ光の強度を一定に
保つことができる。従ってレーザ光の出力を可変して
も、該レーザ光の照射パターン形状が変化することがな
く、計測領域Sに対するレーザ光の安定した照射条件を
維持することができる。この結果、検水に含まれる懸濁
物質の濃度に拘わることなく上記計測領域Sに生じた散
乱光を安定化された計測環境で計測することが可能とな
り、その計測精度を高く維持することができる等の効果
が奏せられる。
【0048】また上述した如くしてレーザ光をパルス変
調するデューティ比を変えることは比較的容易であり、
これによって装置構成が大幅に複雑化することもない。
特に検水に含まれる懸濁物質の濃度に応じて光ファイバ
1と計測領域Sとの距離を調整する必要がない。尚、前
記デューティ比は、計測対象とする検水が特定された時
点で初期設定すれば良いものであり、例えば凝集モニタ
装置の運用に先立って、散乱光の受光強度を監視しなが
ら調整することも可能である。また検水の濃度に応じた
最適なデューティ比を予めテーブル化して求めておき、
検水が特定された時点で上記テーブルを参照してデュー
ティ比を設定することも可能である。
【0049】尚、本発明は上述した各実施形態に限定さ
れるものではない。例えば第1の実施形態における、2
つの光ファイバ2a,2bの各端面の微小領域Sからの
検出距離La,Lbについては、凝集状体のモニタ対象
とする検水の種別に応じて設定すれば良い。また3本以
上の受光用光ファイバ2を、その検出距離を異ならせて
設けて散乱光強度をそれぞれ検出するようにし、これに
よってその計測精度を高めるようにすることも可能であ
る。
【0050】また第2の実施形態において波長の異なる
複数種のレーザ光を交互に照射する場合、これに同期し
てその散乱光を検出するように構成すれば、前述した光
学フィルタ28a,28bを不要とし、また検出部20
と最低値検出回路25とを時分割に用いて各波長の散乱
光強度を順次検出すればよいので、検出部20と最低値
検出回路25を1組準備するだけで十分である。従って
その分、装置構成の簡素化を図ることが可能となる。但
し、この場合には、時分割的に交互に検出される散乱光
強度を演算回路26において、その波長成分に応じて区
別しながら記憶するように構成することが望ましい。
【0051】また第3の実施形態においては、検水中の
粒子の状態を検出するための変調レーザ光として、所定
の周波数で振幅変調したレーザ光を用いたが、位相変調
したレーザ光や、周波数変調したレーザ光を用いるよう
にしても良い。この場合には、位相変調または周波数変
調したレーザ光自体をオン・オフ制御することでパルス
変調するようにすれば良い。そして散乱光の強度に応じ
た光電変換出力から、その位相変調成分や周波数変調成
分をそれぞれ検出して検水中の粒子の状態を検出すれば
良い。
【0052】更には各実施形態において凝集モニタ装置
を構成する演算回路26を、マイクロコンピュータ等に
おけるソフトウェアにより実現することも勿論可能であ
る。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々
変形して実施することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、レ
ーザ光の照射により散乱光を発生される微小領域Sに対
して検出距離の異なる複数の受光部を備え、これらの検
出距離長の異なりによる散乱光の減衰量の違いを検出す
るので、鉄系懸濁物を含む検水のように特定の色度成分
を有する場合であっても、その検水中の粒子の状態を確
実に検出することができる。
【0054】また検水中の微小領域Sに対して波長の異
なる複数種のレーザ光を照射し、これらの各レーザ光に
よる散乱光をそれぞれ検出するので、鉄系懸濁物質を含
む検水のように特定の色成分を有する場合であっても、
その検水の色成分やその色成分の変化の様子、更には検
水中の粒子の状態を効果的に検出することができる。更
には検水に照射するレーザ光をパルス変調すると共に、
検水中の懸濁物質の濃度に応じて上記パルス変調のデュ
ーティ比を可変してレーザ光の出力強度を調整するの
で、計測領域に照射されるレーザ光の光量を最適化する
ことができる。しかもその色度成分を検出しながら、そ
の計測精度を容易に高め得る等の実用上多大なる効果が
奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子状態検出用プローブを用いた検水中におけ
る粒子の状態検出の処理概念を示す図。
【図2】懸濁物質(微小コロイド粒子)の凝集に伴う、
微小領域Sでの散乱光強度の変化の様子を模式的に示す
図。
【図3】本発明の実施形態に係る粒子状態検出用プロー
ブの概略構成図。
【図4】図3に示す粒子状態検出用プローブを下側から
見た図であって、投光用および受光用の光ファイバの配
置例を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る凝集モニタ装置の概略
構成図。
【図6】本発明の別の実施形態に係る凝集モニタ装置の
概略構成図。
【図7】図6に示す実施形態における波長の異なる2種
類のレーザ光の処理水への照射タイミングの例を示す
図。
【図8】図6に示す実施形態における波長の異なる2種
類のレーザ光の処理水への照射タイミングの別の例を示
す図。
【図9】本発明の更に別の実施形態に係る凝集モニタ装
置においてパルス変調するレーザ光のデューティ比の設
定例を示す図。
【図10】光源として用いられるレーザダイオードの駆
動電流Iとレーザ光出力Pとの関係を示す図。
【図11】レーザ光出力の違いにより変化するレーザ光
照射パターン形状の例を示す図。
【符号の説明】
1 第1の光ファイバ(投光部) 2a,2b 第2の光ファイバ(受光部) 3 台座(支持部材) 5 プローブ 10 投光部 11 レーザ発振器 12 AM変調器 15 デューティ比設定手段(レーザ光出力調整手段) 20a,20b 検出部 25a,25b 最低値検出回路 26 演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 雅行 愛知県豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1−1 豊橋 技術科学大学内 Fターム(参考) 2G059 AA05 BB05 CC19 EE02 EE11 FF07 GG01 GG02 GG03 GG06 GG08 HH02 HH06 JJ02 JJ17 JJ22 KK01 KK03 LL01 MM01 NN01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検水中にレーザ光を照射し、このレーザ
    光の上記検水中の粒子への衝突により発生する散乱光を
    検出する粒子状態検出用プローブであって、 前記検水中にレーザ光を照射する投光部と、 この投光部の近傍に設けられて前記散乱光を互いに異な
    る距離を隔ててそれぞれ受光する複数の受光部と、 前記投光部による前記レーザ光の照射領域と前記各受光
    部による前記散乱光の受光領域とが交差する状態に前記
    投光部と前記各受光部とをそれぞれ支持して前記検水中
    における粒子状態の計測領域を規定する支持部材とを具
    備したことを特徴とする粒子状態検出用プローブ。
  2. 【請求項2】 前記投光部は、光源から発せられるレー
    ザ光を導いてその端面から射出する第1の光ファイバか
    らなり、 前記複数の受光部は、その端面から前記散乱光をそれぞ
    れ導入して光検出器に導く複数本の第2の光ファイバで
    あって、前記検水中における粒子状態の計測領域と各端
    面との距離を互いに異ならせて前記支持部材に支持され
    たものである請求項1に記載の粒子状態検出用プロー
    ブ。
  3. 【請求項3】 検水中にレーザ光を照射する投光部と、 この投光部による前記レーザ光の照射領域において前記
    検水中の粒子へのレーザ光の衝突により発生する散乱光
    を、上記レーザ光の照射方向とは異なる向きから上記照
    射領域から互いに異なる距離を隔てた位置にてそれぞれ
    受光する複数の受光部と、 これらの複数の受光部にてそれぞれ受光される前記散乱
    光の強度から前記検水中の粒子の状態を計測すると共
    に、前記検水の特定の色度成分を計測する演算処理手段
    とを具備したことを特徴とする凝集モニタ装置。
  4. 【請求項4】 前記演算処理手段は、複数の受光部によ
    りそれぞれ受光される前記散乱光の強度と、前記複数の
    受光部と前記照射領域との距離とに基づいて特定の色度
    成分を計測するものである請求項3に記載の凝集モニタ
    装置。
  5. 【請求項5】 検水中にレーザ光を照射し、このレーザ
    光の上記検水中の粒子への衝突により発生する散乱光の
    強度から前記検水中の状態を検出する凝集モニタ装置で
    あって、 前記検水中に波長の異なる複数種のレーザ光を照射する
    投光部と、 この投光部による上記レーザ光の照射領域に生じる散乱
    光を上記レーザ光の照射方向とは異なる向きにて受光す
    る受光部と、 この受光部にて受光された散乱光における前記複数種の
    レーザ光の各波長にそれぞれ対応する散乱光強度から前
    記検水中の粒子の状態および/または前記検水の特定の
    色度成分を計測する演算処理手段を具備したことを特徴
    とする凝集モニタ装置。
  6. 【請求項6】 前記投光部は、光源から発せられる波長
    の異なる複数種のレーザ光をそれぞれ導いてその端面か
    ら射出する第1の光ファイバからなり、 前記受光部は、その端面から前記散乱光を導入して光検
    出器に導く第2の光ファイバからなる請求項5に記載の
    凝集モニタ装置。
  7. 【請求項7】 前記投光部は、波長の異なる複数種のレ
    ーザ光を波長多重化して、または時分割して交互に検水
    中に照射するものである請求項5に記載の凝集モニタ装
    置。
  8. 【請求項8】 レーザ光に検水に照射すると共に、この
    レーザ光の上記検水中の粒子への衝突により発生する散
    乱光を検出する粒子状態検出用プローブと、 このプローブを介して受光された上記散乱光の強度に基
    づいて前記検水中における粒子の状態を求める演算処理
    装置と、 前記レーザ光をパルス変調すると共に、モニタ対象とす
    る検水中の懸濁物質の濃度に応じて上記パルス変調のデ
    ューティ比を調整するレーザ光出力調整手段とを具備し
    たことを特徴とする凝集モニタ装置。
  9. 【請求項9】 前記レーザ光出力調整手段は、モニタ対
    象とする検水中の懸濁物質の濃度が高いときにはレーザ
    光の出力を高め、上記濃度が低いときにはレーザ光の出
    力を低く設定して、前記プローブを介して受光される散
    乱光の強度を最適化するものである請求項8に記載の凝
    集モニタ装置。
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