JP5371268B2 - ガス濃度計測方法および装置 - Google Patents
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Description
図7に示すように、レーザ光を発振するための半導体レーザダイオード(LD)01からなる光源は、LDドライバ02の制御回路に接続され、LDの温度と電流が制御されるようになっている。発振されたレーザ光は、ハーフミラー03では反射されて一方の光学窓から他方の光学窓に向けてレーザ光Lが計測領域に入射される。計測領域を通過したレーザ光は、他方の光学窓の近傍に配置された受光手段としての2つのフォトダイオード(PD2、PD3)04、05によって受光されるようになっている。
また、燃焼室の密閉容器内でなく、内燃機関からの排ガス配管内において排ガス濃度を計測する場合には、排気管では排気煤等の粒状物のために透過光量の減少により、感度が低下する問題があった。
そして、振幅変調に同期した成分を取出した後にレーザ光から波長変調と同期する成分を取出して目的とするガス濃度の検出ができるようになる。
従って、内燃機関の燃焼室内での燃焼火炎のように現象スピードが速いガス雰囲気内においてもレーザ光を背景光と区別して認識できるため、ガス濃度計測が可能となり、また、内燃機関からの排ガス配管内のような透過光量が少ない雰囲気内においてもレーザ光を用いたガス濃度計測が可能になり、高い耐ノイズ性および高い測定感度を確保できる。
また、パルス状の矩形波であるため、ON、OFFのそれぞれの部分に波長変調された成分が重なっている状態であるので、OFFの部分に乗っている波長変調成分とONの部分に乗っている波長変調成分は同じものであるため、OFFの部分は無視して、OFFの部分に乗っているノイズを除去して、パワーの強いONの部分に乗っている波長変調成分だけを復調して目的信号を取得することで、バックグラウンドノイズを低減した、感度の高い計測が可能になる。
このように電気的には光変調器を用いて、または機械的には光チョッパを用いて複合変調をすることで、簡単な構成によって複合変調を行なうことができる。
すなわち、受光パワーと測定ガス濃度との関係が図6に示すように、受光ダイオードのプリアンプ飽和領域および受光信号から波長変調に同期する信号を検出するロックインアンプの飽和領域との関係で、受光パワーが大きくなるに従って測定範囲が小さくなる。
そのため、高濃度範囲まで測定しようとする場合には、受光パワーを絞るようにして測定レンジを広げる必要があり、受光パワーを受光信号の直流成分から判断して、光減衰器の減衰量を調整することで、測定すべき濃度範囲に発光パワーを調整することができる。
該光源から発振されるレーザ光に所定の強度で変調する振幅変調手段と、
前記光源から発振されるレーザ光に所定の周波数で変調する波長変調手段と、
前記振幅変調手段と前記波長変調手段とによる複合変調が施されたレーザ光を前記燃焼室内若しくは排ガス配管内に導くレーザ光路と、
被測定ガス雰囲気内を透過したレーザ光を受光する受光手段と、
受光信号のうち前記振幅変調に同期する成分を取出す第1のロックインアンプである振幅復調手段と、
該振幅復調手段によって前記振幅変調に同期する成分が取出された受光信号のうち前記波長変調に同期する成分を取出す第2のロックインアンプである波長復調手段と、
レーザダイオードから発光されたレザーパワーを減衰する光減衰器と、前記受光ダイオードから得られる受光信号から直流成分を取り出す直流成分検出手段と、該直流成分検出手段によって生成された直流成分の大きさに基づいて前記光減衰器の減衰量を制御する減衰量調整手段と、
前記第1のロックインアンプ及び前記第2のロックインアンプが飽和領域に達しないように、前記燃焼室内若しくは排ガス配管内の測定すべきガス種別の濃度に適した測定濃度範囲を設定する測定レンジ設定手段と
を備え、
前記振幅復調手段と前記波長復調手段とによって目的とする信号を取得して前記燃焼室内若しくは排ガス配管内の特定種別ガスの濃度を求め、
前記測定レンジ設定手段で設定された測定レンジに適した直流成分出力を目標直流値として設定し、前記減衰量調整手段は前記目標直流値になるように前記光減衰器の減衰量をフィードバック制御することを特徴とする。
つまり、レーザ光を矩形波生成の光変調器に通してパルス状の矩形波に波長変調され、または、レーザ光を光チョッパに通してパルス状の矩形波に波長変調される。
このように電気的には光変調器を用いて、または機械的には光チョッパを用いてパルス状の矩形波を生成するので、該矩形波のON、OFFのそれぞれの部分に波長変調された成分を重ねることで複合変調をすることができる。
すなわち、受光信号の内直流成分は、背景光の強さや測定対象雰囲気内のガス粒子による光の吸収、散乱による光の強さを示すため、受光ダイオードの受光パワーを示すのに適切である。
(第1実施形態)
図1に示すように、レーザ光を発振するための半導体レーザダイオード(LD)4からなる光源は、LDドライバのLD温度・LD電流駆動回路6に接続され、該駆動回路でLD4の温度と電流が制御されるようになっている。
LD温度・LD電流駆動回路6には、加算器8を経由してLD電流設定回路10から、直流電流DC、ランプ波、波長変調波12がそれぞれ印加される。
直流電流DCは、半導体レーザダイオード4を駆動するための電流であり、波長変調波12は、レーザ光Lの発振波長に対して変調を施すために印加するものであり、この波長変調波12および加算器8によって波長変調手段14を構成している。
また、ランプ波は、測定対象ガス固有の吸収スペクトルのところでレーザ発振波長をゆっくりと掃引させるために印加するものである。
この復調処理手段36の部分は、バンドパスフィルタ(BPF)40と、ACアンプ42と、第1ロックインアンプ(振幅復調手段)44と、第2ロックインアンプ(波長復調手段)46と、DCアンプ48とが直列に接続されて構成されている。
また、直流成分検出手段38の部分は、ローパスフィルタ(LPF)50と、DCアンプ52とが直列に接続されて構成されている。復調処理手段36からの出力、および直流成分検出手段38からの出力はAD変換器54に入力されて、そこからコンピュータ56に送られる。
このようにして、取り出した目的信号をDCアンプ48によって増幅して、AD変換器54に入力する。
復調処理手段36からの出力および直流成分検出手段38からの出力はAD変換器54を通過後、コンピュータ56に入力されて、対象ガス濃度の解析処理が行われる。
特に、ON、OFFパルス信号による振幅変調を施した場合には、OFFの部分に乗っているノイズ成分とONの部分に乗っているノイズ成分は同じものであるため、ONの部分に乗っているノイズから、OFFの部分に乗っているノイズ成分を差し引くことにより、目的信号を取得することで、バックグラウンドノイズを低減した、感度の高い計測が可能になる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態に対して、振幅変調を行う部分が相違するのみで、他の構成要素は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付してして説明は省略する。
半導体レーザダイオード4から発振されたレーザ光は、光ファイバのレーザ光路16を通って、コリメータ(光学レンズ)60へと送られて、コリメータ60から照射されたレーザ光は、光チョッパ62に照射され、その光チョッパ62によって振幅変調波に応じたON、OFFパルス状のレーザ光を生成することができる。光チョッパ62はコリメータ60からのレーザ光を一定の周期で断続光にするものであり、円板にスリットが形成され、回転された円板の一方面から照射されたレーザ光がスリットを通過するタイミングで振幅変調されたON、OFFパルス状のレーザ光が生成される。
第2実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を有し、さらに、機械的にON、OFFパルス状の振幅変調を行うので、計測装置全体の構造が単純化されるとともに、制御装置も簡単化される。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第2実施形態に対して、第1ロックインアンプ44を設けず、さらに、参照信号S1を直接AD変換器54に入力する点が相違し、その他の構成要素は第2実施形態と同様である。そのため、同一符号を付してして説明は省略する。
第2実施形態では第1ロックインアンプ44に入力されていた振幅変調手段24からの参照信号S1は、パルス状の矩形波を生成する際のON、OFFタイミング信号であるため、そのタイミング信号を用いて、タイミング信号をAD変換器54へ直接入力して、ONタイミング信号を用いて、第2ロックインアンプ46およびDCアンプ48を通過して生成された波長復調後の信号から、ONタイミングのときの信号だけをAD変換器54からデジタル信号として取出してコンピュータ56に出力するものである。
(第4実施形態)
第4実施形態は、第2実施形態に対して、半導体レーザダイオード4から発振されたレーザ光の発光パワーを調整する光減衰器70およびその減衰量を調整する減衰量調整手段72を設けた点が相違し、その他の構成要素は第2実施形態と同様である。そのため、同一符号を付してして説明は省略する。
すなわち、受光手段30のフォトダイオード32によって受光される受光パワーと、測定可能な濃度レンジとの関係は、図6に示すように、受光パワーが大きくなるに従って、測定濃度レンジは小さくなり、受光パワーが小さいほど広レンジまで濃度測定が可能である。
従って、測定したい濃度範囲を含む測定レンジになる受光パワーになるように、DCアンプ52の出力を見て減衰量調整手段72を手動で操作して、レーザ光の発光パワーを調整する。
(第5実施形態)
第5実施形態は、第4実施形態に対して、手動による減衰量調整手段72の調整ではなく、測定レンジ設定手段74によって、予め設定した測定レンジにおける目標受光パワーとなるようにフィードバック制御をする点が相違し、その他の構成要素は第4実施形態と同様である。そのため、同一符号を付してして説明は省略する。
また、標準濃度レンジを設定した場合には受光パワーのP2を目標直流値として設定し、高濃度レンジを設定したときは受光パワーのP1を目標直流値として設定する。
4 半導体レーザダイオード(LD)(光源)
10 LD電流設定回路
12 波長変調波
14 波長変調手段
16 レーザ光路
22 振幅変調波
24 振幅変調手段
26、28、60 コリメータ(光学レンズ)
30 受光手段
36 復調処理手段
38 直流成分検出手段
44 第1ロックインアンプ(振幅復調手段)
46 第2ロックインアンプ(波長復調手段)
70 光減減衰器
72 減衰量調整手段
74 測定レンジ設定手段
Claims (9)
- 内燃機関の燃焼室内若しくは内燃機関からの排ガス配管内の被測定ガス雰囲気内に、プリアンプを介して所定の振幅変調と所定の波長変調とを施した複合変調のレーザ光を照射し、該レーザ光を受光して得られる測定信号のうち、ロックインアンプを用いて前記振幅変調に同期した成分を取出した後に、該振幅変調に同期した成分から前記波長変調に同期する成分を取出して、前記燃焼室内若しくは排ガス配管内の特定種別のガス濃度を求め、
前記燃焼室内若しくは排ガス配管内の測定すべきガス種別の濃度に適した受光パワーとなるようにレーザダイオードからの発光パワーを光減衰器で減衰し、該光減衰器の減衰量を、受光ダイオードによる受光信号から得られる直流成分の大きさに基づいて調整し、
前記プリアンプ及びロックインアンプが飽和領域に達さないように、前記燃焼室内若しくは排ガス配管内の測定すべきガス種別の濃度に適した測定濃度範囲を予め測定レンジ設定手段で設定し、該測定レンジ設定手段での測定レンジに適した直流成分出力を目標直流値として、前記光減衰器の減衰量をフィードバック制御することを特徴とするガス濃度計測方法。 - 前記振幅変調がパルス状の矩形波による振幅変調であることを特徴とする請求項1記載のガス濃度計測方法。
- 波長変調されたレーザ光を矩形波生成の光変調器に通してパルス状の矩形波に波長変調された成分を重ねるようにして複合変調することを特徴とする請求項2記載のガス濃度計測方法。
- 波長変調されたレーザ光を光チョッパに通してパルス状の矩形波に波長変調された成分を重ねるようにして複合変調することを特徴とする請求項2記載のガス濃度計測方法。
- 前記パルス状の矩形波を生成する際のON、OFFタイミング信号を用いて、AD変換器へ取り込まれた波長復調後の信号から前記矩形波ON時の成分をデジタル的に取り出すことを特徴とする請求項3または請求項4記載のガス濃度計測方法。
- 前記直流成分の大きさに基づいて測定すべきガス種別の濃度に適した測定濃度範囲になるように前記光減衰器の減衰量を手動で切換え調整することを特徴とする請求項1記載のガス濃度計測方法。
- 内燃機関の燃焼室内若しくは内燃機関からの排ガス配管内の被測定ガス雰囲気内に、レーザ光を発振する光源と、
該光源から発振されるレーザ光に所定の強度で変調する振幅変調手段と、
前記光源から発振されるレーザ光に所定の周波数で変調する波長変調手段と、
前記振幅変調手段と前記波長変調手段とによる複合変調が施されたレーザ光を前記燃焼室内若しくは排ガス配管内に導くレーザ光路と、
被測定ガス雰囲気内を透過したレーザ光をプリアンプを介して受光する受光手段と、
受光信号のうち前記振幅変調に同期する成分を取出す第1のロックインアンプである振幅復調手段と、
該振幅復調手段によって前記振幅変調に同期する成分が取出された受光信号のうち前記波長変調に同期する成分を取出す第2のロックインアンプである波長復調手段と、
レーザダイオードから発光されたレザーパワーを減衰する光減衰器と、前記受光ダイオードから得られる受光信号から直流成分を取り出す直流成分検出手段と、該直流成分検出手段によって生成された直流成分の大きさに基づいて前記光減衰器の減衰量を制御する減衰量調整手段と、
前記プリアンプ、前記第1のロックインアンプ及び前記第2のロックインアンプが飽和領域に達しないように、前記燃焼室内若しくは排ガス配管内の測定すべきガス種別の濃度に適した測定濃度範囲を設定する測定レンジ設定手段と
を備え、
前記振幅復調手段と前記波長復調手段とによって目的とする信号を取得して前記燃焼室内若しくは排ガス配管内の特定種別ガスの濃度を求め、
前記測定レンジ設定手段で設定された測定レンジに適した直流成分出力を目標直流値として設定し、前記減衰量調整手段は前記目標直流値になるように前記光減衰器の減衰量をフィードバック制御することを特徴とするガス濃度計測装置。 - 前記振幅変調手段は、光変調器または光チョッパからなり、パルス状の矩形波による振幅変調を行うことを特徴とする請求項7記載のガス濃度計測装置。
- 測定レンジ設定手段は測定したいレンジ領域が広範囲の高濃度レンジと中範囲の標準濃度レンジと低範囲の低濃度レンジとを有し、高濃度レンジになるに従って前記目標直流値が下がるように設定されることを特徴とする請求項7記載のガス濃度計測装置。
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