JP2012225730A - ガス濃度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出器の出力を飽和させずに精度良く濃度を測定することができる
ガス濃度測定装置。
【解決手段】レーザ光を出力するレーザ1aと、レーザ光を受光する検出器4aと、検出器の出力をレーザ変調信号で同期検波する同期検波回路11と、同期検波回路の出力に基づきレーザ光の光路上に存するガスの濃度を演算する演算回路13を有するガス濃度測定装置において、検出器の入出力特性の直線性を維持するように検出器への入射光強度を調整する光強度調整手段3を設けた。
【選択図】図1
ガス濃度測定装置。
【解決手段】レーザ光を出力するレーザ1aと、レーザ光を受光する検出器4aと、検出器の出力をレーザ変調信号で同期検波する同期検波回路11と、同期検波回路の出力に基づきレーザ光の光路上に存するガスの濃度を演算する演算回路13を有するガス濃度測定装置において、検出器の入出力特性の直線性を維持するように検出器への入射光強度を調整する光強度調整手段3を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、波長可変型の半導体レーザを用いてガスセル内のガスの濃度を測定するガス濃度測定装置定に関する。
ガスがその分子振動等に起因する波長の光を吸収するが、その吸収の度合いにより濃度を知ることができる。測定可能ガス固有の波長の光を用いれば、そのガス以外の成分の影響を受けずにガス濃度を観測することができる。このため、対象とするガスの吸収波長に一致した光を出射する光源が必要である。
半導体レーザでは、注入電流を大きくすると、発光波長が長くなり、注入電流を小さくすると、発光波長が短くなることが知られている。このため、光源に半導体レーザを用い、駆動電流を調整することでガス成分に一致した波長を発光するように制御している。
即ち、ガスの吸収スペクトルに一致させた波長を発振する半導体レーザを用いて、半導体レーザの駆動電流に変調を施してガスに照射し、透過光を変調周波数やその高調波によって同期検波することにより、高感度にガス濃度を測定することができる。
例えば、特許文献1に記載されたレーザ式ガス分析計では、図14に示すように、駆動電流の大きさを直線的に変化させて、ガスの吸収スペクトルを走査し、この走査の期間中には、低周波の波長走査信号に高周波変調信号を重畳している。
しかしながら、特許文献1に示すように、駆動電流が変化する場合には、発光強度も変化する。即ち、波長と発光強度とを別々に制御することができず、発光強度は長波長ほど大きくなり、短波長ほど小さくなる。
また、受光素子が水銀カドミウムテルライド(MCT)からなる検出器である場合、入射光量が大きくなるに連れて、出力が飽和するようになり、入力光量に対して出力が直線的に変化しなくなることがある。
本発明の課題は、レーザの波長と注入電流との関係を保持しつつ検出器の出力を飽和させずに精度良く濃度を測定することができるガス濃度測定装置を提供する。
本発明に係るガス濃度測定装置は、上記課題を解決するために、レーザ光を出力するレーザと、前記レーザ光を受光する検出器と、前記検出器の出力をレーザ変調信号で同期検波する同期検波回路と、前記同期検波回路の出力に基づき前記レーザ光の光路上に存するガスの濃度を演算する演算回路を有するガス濃度測定装置において、前記検出器の入出力特性の直線性を維持するように前記検出器への入射光強度を調整する光強度調整手段を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、光強度調整手段により検出器の入出力特性の直線性を維持するように検出器への入射光強度を調整するので、検出器の出力を飽和させずに精度良く濃度を測定することができる。
以下、本発明のガス濃度測定装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明のガス濃度測定装置は、光源から出射した光の最大出力になる電流の時の出力を受光した受光素子(MCT検出器)が飽和しないように受光素子へのレーザ光の集光具合を調整することを特徴とする。
図1は、実施例1のガス濃度測定装置の構成図である。図1に示すガス濃度測定装置は、光源1からのレーザ光に対して略直角方向に配置された壁7にガスが流れる場合にガスの濃度を測定するものである。
図1に示すガス濃度測定装置において、左側の壁7に取り付けられた接続管5aの一端側には、レーザ(レーザ素子)1aとペルチェ素子1bとを有する光源1と、レンズ2と、レンズ2を保持し且つレンズ2を移動させるレンズホルダ3(光強度調整手段)と、レーザ制御基板8と、温度調整器9とが設けられている。光源1は、レーザ1aからのレーザ光をレンズ2を介して接続管5aの内部に照射する。
右側の壁7に取り付けられた接続管5bの他端側には、受光素子であるMCT検出器4a、ペルチェ素子4b、プリアンプ4c、測温素子4dを有する受光部4と、温調基板(温度調整基板)10と、同期検波回路11とが設けられている。
測定対象のガスは、NH3、NO、NO2、SO2、HCL、H2O、CO、CO2、O2などである。光源1はDFB−LD(半導体レーザ)やDFB−QCL(量子カスケードレーザ)である。
図2は、実施例1のガス濃度測定装置の送信側及び受信側の詳細な構成ブロックを示す図である。まず、送信側の構成を説明する。光源1は、レーザ1a、ペルチェ素子1b、測温素子1cを有している。
レーザ1aは、レーザ光を発生する波長可変型の半導体レーザからなり、測温素子1cは、レーザ1aの温度を検出し、温度調整器9は、測温素子1cで検出された温度に基づきペルチェ素子1bを駆動することによりレーザ1aの温度を制御することによりレーザ1aの波長を安定化させる。
レーザ制御基板8は、図示しないが、光源駆動電流発生器、低周波信号発生器、高周波信号発生器を有している。低周波信号発生器は、図3(a)に示すようなガスの吸収スペクトルを走査するためのレーザの波長挿引用低周波信号(波長挿引用駆動電流)を発生し、この低周波信号を図示しない光源駆動電流発生器に出力する。低周波信号は、例えば5Hzの鋸波である。
高周波信号発生器は、図3(b)に示すような高周波変調動作をするための高周波変調信号(高周波変調駆動電流)を発生し、発生した高周波変調信号を光源駆動電流発生器に出力する。高周波変調信号は、例えば、100kHzである。
光源駆動電流発生器は、低周波信号発生器からの低周波信号と高周波信号発生器からの高周波変調信号とを合成し、図3(c)に示すようなスペクトルを走査しつつ高周波変調動作するための駆動電流をレーザ1aに供給する。
次に、受信側の構成を説明する。受信側は、MCT検出器4a、ペルチェ素子4b、プリアンプ4c、測温素子4d、測温基板10、同期検波回路11、A/D変換器12、演算回路13、濃度計算部14、光強度測定部16、判定処理部17を有している。
MTC検出器4aは、接続管5a,5b内を透過したレーザ光を受光し受光信号を電気信号に変換し、プリアンプ4cは、MCT検出器4aで検出された電気信号を増幅する。
測温素子4dは、MCT検出器4aの温度を検出し、温調基板10は、測温素子4dで検出された温度に基づきペルチェ素子4bを駆動することによりMCT検出器4aの温度を制御することによりMCT検出器4aの出力を安定化させる。
同期検波回路11は、高周波変調動作を行っているときには、レーザ制御基板8から供給される参照信号(周波数は高周波変調周波数f)の2倍の周波数を用いて、プリアンプ4cからの電気信号から2f信号を検出して、A/D変換器12は、検出された2f信号をA/D変換する。
演算回路13は、A/D変換器12からの電気信号に基づきガスの濃度を計算する。光強度計算部16は、A/D変換器12bからの信号に基づき検出光強度(吸光度)を計算する。
図4は、実施例1のガス濃度測定装置のMCT検出器の入射光量と出力との関係を示す図である。図4からもわかるように、入力光量が約40mWを超えると、直線性を失い始めている。
レーザ駆動電流と光出力(入力光量)との関係を図5に示す。図5から、光出力が40mWとなるレーザ駆動電流は、800mAであることがわかる。レーザ駆動電流と波長との関係を図6に示す。図6から、レーザ駆動電流が800mAのときの波長は、5246.25nmであることがわかる。
このため、実施例1において、5246.25nmよりも長い波長を用いてガス濃度を測定するとき、出射光全てをMCT検出器4aで受けると、直線性を失った領域でガス濃度を測定することになる。その結果、使用する波長を変えずにMCT検出器4aに入射させる光量を減らす必要があるため、レーザ1aの駆動電流を小さくすることはできない。また、レーザ1aの温調温度を上げると、注入電流を小さくしても長波長を得ることができるが、レーザ1aの特性によっては、発振不能に陥る。
今、図8に示すような中心波長が5246.25nmにある吸収スペクトルを持つ気体の濃度を測定することを考える。レーザ1aの走査は中心波長の長短いずれの側にも行う。吸収スペクトルの中心より長い波長では吸収の度合いとMCT出力が線形にならない。
そこで、実施例1では、吸収を受けない領域のMCT検出器4aの出力を用いて、MCT検出器4aに届くレーザ光出力が直線性を失わない領域に設定する。
このため、図3(c)に示すレーザ駆動電流でレーザ1aを駆動し、レーザ1aからのレーザ光はレンズ2及びレンズホルダ3を介してガスを透過し、透過したレーザ光は、MCT検出器4aで受光される。MCT検出器4aの出力は、プリアンプ4c、同期検波回路11、A/D変換器12を介して光強度計算部16に送られ、光強度計算部16により光強度が計算される。
ここで、MCT検出器4aの出力が直線性を失う程度までレーザ光が強い場合には、レンズホルダ3を調整し、図7(a)〜図7(c)に示すように、レンズ2の位置を移動させてMCT検出器4aの出力が直線性を保持することができる。
図7(a)に示す例では、光源1とレンズ2との距離を長くしたとき、レーザ1aからのレーザ光束はレンズ2により集光されてMCT検出器4aの受光面により大きい光量が入射される。図7(b)に示す例では、光源1とレンズ2との距離を中くらいにしたとき、レーザ1aからのレーザ光束はほぼ平行になり、MCT検出器4aの受光面に中くらい光量が入射される。図7(c)に示す例では、光源1とレンズ2との距離を短いしたとき、レーザ1aからのレーザ光束は発散して、MCT検出器4aの受光面により小さい光量が入射される。
図9は、実施例2のガス濃度測定装置の送信側及び受信側の詳細な構成ブロックを示す図である。図9に示す実施例2では、図2に示す実施例1の構成に、さらに、レンズホルダ移動部19、レンズホルダ制御器18、判定処理部17を設けたことを特徴とする。
判定処理部17は、光強度計算部16で計算された光強度がMCT検出器4aの光強度飽和値(図4に示す例えば40mW)になったかどうかを判定し、光強度が光強度飽和値になった場合には判定信号をレンズホルダ制御器18に出力する。レンズホルダ制御器18は、判定処理部17からの判定信号により、即ちMCT検出器4aの入出力特性の直線性を維持するように、レンズホルダ移動部19に制御信号を出力する。
レンズホルダ移動部19は、レンズホルダ制御器18からの制御信号によりレンズ2の位置を図7(a)〜図7(c)に示すように移動させる。即ち、MCT検出器4aの出力が飽和しないように光強度を自動的に調整することができる。
また、光出力に余裕がある場合には、例えば窓材に汚れが付着したなどの理由によりMCT検出器4aへの入射光が減衰した場合には、レンズ2を調整してMCT検出器4aへの入力強度を初期の値に回復又は最大限、初期値に近づけることができる。
このように実施例2のガス濃度測定装置によれば、レンズホルダ3を調整してレンズ2の位置を移動させることで、MCT検出器4aに入射する光量を調整できるので、MCT検出器4aの出力を飽和させずに精度良く濃度を測定することができる。
図10は、実施例3のガス濃度測定装置の送信側及び受信側の詳細な構成ブロックを示す図である。実施例2のガス濃度測定装置がレンズホルダ3b、レンズ移動部19、レンズホルダ制御器18を設けたのに対して、実施例3のガス濃度測定装置は、検出器移動部20、検出器制御器21を設けたことを特徴とする。
検出器制御器21は、判定処理部17からの判定信号により、即ちMCT検出器4aの入出力特性の直線性を維持するように、MCT検出器4aに取り付けられた検出器移動部20に制御信号を出力する。
検出器移動部20は、検出器制御器21からの制御信号によりMCT検出器4aの位置を図11(a)〜図11(c)に示すように移動させる。即ち、MCT検出器4aの出力が飽和しないように光強度を自動的に調整することができる。
図12は、実施例4のガス濃度測定装置の送信側及び受信側の詳細な構成ブロックを示す図である。実施例2のガス濃度測定装置がレンズホルダ3b、レンズ移動部19、レンズホルダ制御器18を設けたのに対して、実施例4のガス濃度測定装置は、レーザ移動部22、レーザ制御器23を設けたことを特徴とする。
レーザ制御器23は、判定処理部17からの判定信号により、即ちMCT検出器4aの入出力特性の直線性を維持するように、レーザ1aに取り付けられたレーザ移動部22に制御信号を出力する。
レーザ移動部22は、レーザ制御器23からの制御信号によりレーザ1aの位置を図13(a)〜図13(c)に示すように移動させる。即ち、MCT検出器4aの出力が飽和しないように光強度を自動的に調整することができる。
以上、実施例1乃至4のガス濃度測定装置を説明したが、これらのガス濃度測定装置による光量制御には次のような利点がある。
(1)光量の制御には本発明以外に、NDフィルタ、偏光フィルタ、ポルカドットフィルタ(ビームスプリッタ)などを用いることもできるが、本発明では、受光素子への入射光強度を連続的に変化させることができるので、最適な受光量調整ができる。
(2)上記の通常のフィルタ類では基板として光学ガラスや結晶を使用するが、中赤外域で透過性の高く安価な光学材料がないため、コストアップになる。
(3)光源として狭帯域なレーザを使用する場合には可干渉性、フィルタ表裏面での干渉に加え、脈理、細かな気泡による回折、干渉が生じ、計測時にフリンジノイズとしてSNを悪化させる要因になる。
なお、本発明は、実施例1乃至4のガス濃度測定装置に限定されるものではない。実施例1乃至4では、受光素子としてMCT検出器を用いたが、例えば、熱型検出器を用いても良い。この場合にも熱的飽和状態を来たさない程度の入力光に調整することで、実施例1乃至4の効果と同様の効果が得られる。熱型検出器は応答が遅いので、高周波変調を用いないで使用することも想定される。熱型検出器は、例えば焦電センサ、サーモパイル、ボロメータなどを用いることができる。
また、フォトダイオードにおいても感度の直線性を失う領域で使用する場合に、本発明を適用できる。即ち、本発明は、MCT検出器、熱型検出器の使用が想定される中赤外領域だけではなく、近赤外領域においても適用できる。
本発明に係るガス濃度測定装置は、ガス分析装置に利用可能である。
1‥光源、1a‥レーザ、1b,4b‥ペルチェ素子、1c,4d‥測温素子、2‥レンズ、3‥レンズホルダ、4‥受光部、4a‥MTC検出器、4c‥プリアンプ、5a,5b‥接続管、7‥壁、8‥レーザ制御基板、9‥温度調整器、10‥温調基板、11‥同期検波回路、12‥A/D変換器、13‥演算回路、14‥濃度計算部、16‥光強度計算部、17‥判定処理部、18‥レンズホルダ制御器、19‥レンズホルダ移動部、20‥検出器移動部、21‥検出器制御器、22‥レーザ移動部、23‥レーザ制御器。
Claims (5)
- レーザ光を出力するレーザと、前記レーザ光を受光する検出器と、前記検出器の出力をレーザ変調信号で同期検波する同期検波回路と、前記同期検波回路の出力に基づき前記レーザ光の光路上に存するガスの濃度を演算する演算回路を有するガス濃度測定装置において、
前記検出器の入出力特性の直線性を維持するように前記検出器への入射光強度を調整する光強度調整手段を設けたことを特徴とするガス濃度測定装置。 - 前記ガス濃度測定装置は、前記レーザ光の光路上に配置されたレンズと、当該レンズを保持するレンズホルダとをさらに有し、
前記光強度調整手段は、
前記レンズホルダを移動させるレンズホルダ移動部と、
前記検出器の入出力特性の直線性を維持するように、前記レンズホルダ移動部に制御信号を出力するレンズホルダ制御器とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のガス濃度測定装置。 - 前記光強度調整手段は、
前記検出器を移動させる検出器移動部と、
前記検出器の入出力特性の直線性を維持するように、前記検出器移動部に制御信号を出力する検出器制御器とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のガス濃度測定装置。 - 前記光強度調整手段は、
前記検出器を移動させるレーザ移動部と、
前記検出器の入出力特性の直線性を維持するように、前記レーザ移動部に制御信号を出力するレーザ制御器とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のガス濃度測定装置。
- 前記制御器は、
前記検出器の出力に基づく光強度が前記検出器の光強度飽和値になったかどうかを判定する判定処理部を有し、
当該判定結果に基づいて、前記制御信号を生成することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のガス濃度測定装置。
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JP2011092756A JP2012225730A (ja) | 2011-04-19 | 2011-04-19 | ガス濃度測定装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3244195A4 (en) * | 2015-03-31 | 2018-09-05 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Gas analysis system and boiler |
-
2011
- 2011-04-19 JP JP2011092756A patent/JP2012225730A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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EP3244195A4 (en) * | 2015-03-31 | 2018-09-05 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Gas analysis system and boiler |
US10302558B2 (en) | 2015-03-31 | 2019-05-28 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Gas analysis system and boiler |
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