JPH1137931A - 吸光光度計 - Google Patents

吸光光度計

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JPH1137931A
JPH1137931A JP20382897A JP20382897A JPH1137931A JP H1137931 A JPH1137931 A JP H1137931A JP 20382897 A JP20382897 A JP 20382897A JP 20382897 A JP20382897 A JP 20382897A JP H1137931 A JPH1137931 A JP H1137931A
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light
absorptiometer
sample
led
guide path
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Application number
JP20382897A
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English (en)
Inventor
Toshio Yasunaka
敏男 安中
Mamoru Fujita
守 藤田
Chizuko Oshina
千鶴子 大科
Yasushi Yamada
泰 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Tokimec Inc
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集光効率の良い吸光光度計を実現する。 【解決手段】 光源からの光を試料に照射して透過光の
光度を検出しこの検出光度に基づいて試料の吸光度を求
める吸光光度計において、光源として設けられた発光ダ
イオード32と、その光を光学的には直接に試料へ照射
させる照射機構35とを備え、発光ダイオード32の照
射前方に又は該当受光素子34の受光面前方に開口した
導光路35b,36bを鋭角のテーパ状に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、吸光光度計に関
し、詳しくは、呈色,退色,比色,沈降,懸濁,比濁な
どの分析のために一点又は多点の測定を行う吸光光度計
について、分析を精度良く行う等のために集光率の向上
を図る改良に関する。
【0002】
【従来の技術】吸光光度計としての比濁計の外観図を図
10に示すが、この比濁計2は、複数の測定部位として
の多数のセル又はウェルが上面にマトリクス状配設され
た被検体としてのプレート1を挿着されて、その各セル
ごとに分配された試料について、特定物質等による濁度
を得るために吸光度を測定するものである。比濁計2に
は、プレート1の自動供給をサポートするために、セン
ダ・レシーバ3が付設されている。
【0003】この比濁計2は、図11の基本ブロック図
に示した如く、ハロゲンランプ等の光源と、この光源か
らの光のうち特定波長域の光だけを選択して透過させる
光学フィルタと、この透過光を測定部位に在る試料にだ
け照射させる絞りと、シャッタを介して到達した照射光
を受け光電変換してその強度を検出する受光器と、検出
信号を増幅する増幅器と、検出・測定した濁度を表示す
る表示器とを備えたものである。また、プレート1の各
セル総てを順次に測定するために、プレート1をX方向
およびY方向の直交2軸方向に移動させるXY移動機構
か、あるいは光学フィルタの透過光をプレート1上でX
YスキャンさせるXY走査機構を備えている。しかも、
比濁計2の筺体はプレート1の搬入口を閉じると暗箱と
なる筺体を備え、この中に光学系等を収納して、遮光を
行うようになっている。
【0004】さらに、センダ・レシーバ3は、測定前の
プレートを保持しているカセットから1枚づつプレート
を取り出す払出機構と、この払出機構によって取り出さ
れたプレートをセンダ・レシーバ3から比濁計2まで運
んで比濁計2のXY移動機構に渡すとともに測定後のプ
レートを搬入時と逆方向に運んで比濁計2から運び出す
双方向搬送機構と、このプレートを測定後のプレート保
持用のカセットに収納する受入機構とを備えている。そ
して、1枚のプレート1がセンダ・レシーバ3によって
測定前プレート保持カセットから比濁計2に搬入され比
濁計2によって測定されさらにセンダ・レシーバ3によ
って測定後プレート保持カセットに収納されると、次の
1枚のプレートについて同様の処理が行われる。さら
に、残りの各プレートについて、順次、同様の処理が行
われる。こうして、XY移動機構またはXY走査機構に
よる多点の光度測定が連続的になされる。
【0005】また、図12にブロック図を示した吸光光
度計は、特開昭62−100646号公報に記載された
ものである。これは、赤外線の投光側でLEDの発光強
度を一定周期にて変じる変調を施すとともに、受光部側
で変調周波数に応じた電気信号のみを通過させるフィル
タ回路(BPF)を付加したものであり、これによっ
て、テープ6(被検体)に対する連続的な透過光の光度
測定が肉眼での監視下で行えるのである。この吸光光度
計では、LED7からの照射光を受光部へ集中させるた
めに、LED7とテープ6との間に集光レンズが設けら
れている。
【0006】他方、図13にブロック図を示すとともに
図14に測定部の拡大断面図を示した吸光光度計は、特
表平5−504624号公報に記載のものである。これ
は、LED7(発光ダイオード)及びPD8(フォトダ
イオード)の対をアレイ状に配設しておき、その各対の
何れかをマルチプレクサ4,5による選択切換によって
順次駆動するものである。そして、電子回路での選択切
換による多点の光度測定がなされる。
【0007】この吸光光度計では、対向する各対のLE
D7及びPD8が同軸芯上に形成されたそれぞれの貫通
穴に挿入されて、PD8は貫通穴の先端側の保持部8a
に保持され、LED7は貫通穴の先端側における導光路
7c及び段差部7bに後続の保持部7aに保持されてい
る。そして、LED7から照射されプレート1を通過し
てPD8に到る照射光がLED7の受光面よりも大きく
広がるのを抑制するために、導光路7cは細長く形成さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の吸光光度計では、XY移動機構またはXY走査機
構によって多点測定を行う吸光光度計の場合(図1
1)、XY移動機構等を備えることは、余分な駆動回路
や制御処理等をも必要とするので、装置の複雑化の要因
となり、さらにはコストアップ要因ともなる。吸光光度
計のXY移動機構との間でプレートの受渡しを行うセン
ダ・レシーバの搬送機構等も、双方向搬送等のために、
複雑な機構となる。また、タングステンハロゲンランプ
等の寿命が短い、大出力の安定化電源が要る、高価な干
渉フィルタ等が要る、レンズ系などが複雑になりがち、
ランプ発熱が大きいなどの種々の不都合がある。なお、
ランプ及びフィルタに代えて半導体レーザ等を用いるこ
とも考えられるが、これにも、いわゆるモード跳びの現
象や、発熱での共振器の膨張、さらには発振閾値のばら
つき・変動、波長選択の制約、コスト高などの不都合が
ある。
【0009】一方、LED発光強度の所定周波数での変
調によって連続測定を行う吸光光度計の場合(図1
2)、光源としてLEDを採用したことにより、長寿命
であって安定性が高く且つ安価なものとなり、LED発
光強度に変調処理等を施したことにより、自然光を遮る
ための機構が不要となった。また、LEDアレイ及び選
択切換回路によって多点測定を行う吸光光度計の場合
(図13,14)、光源としてLEDを採用したことに
より、長寿命であって安定性が高く且つ安価なものとな
り、アレイ配置及び選択切換回路を採用したことによ
り、XY移動機構等が不要となった。
【0010】しかしながら、光源としてLEDを採用し
た場合、ランプやレーザに較べて光量が不足しがちであ
る。導光路が細く絞られていると尚更である。このた
め、試料によっては、S/N比が低下することもありう
る。かかる場合、精度に不満があると、LEDの採用が
控えられてしまう。このままでは、この方式の利点を生
かし切れずに、その適用範囲が限られてしまう。そこ
で、LEDからの照射光を出来るだけ多く集めて受光部
へ導くことが課題となるが、個別に集光レンズを付設す
るのは、コストやメンテナンス等の観点から避けたい。
【0011】また、マトリクス状の多数の測定部位を測
定する多点測定のためにそのマトリクスの全要素に対応
した数の光源を備えることは、大きな照射機構やマルチ
プレクサ等を必要とするので、装置の複雑化の要因とな
り、さらにはコストアップ要因ともなる。吸光光度計の
XY移動機構との間でプレートの受渡しを行うセンダ・
レシーバの搬送機構等も、双方向搬送等のために、複雑
な機構となる。このため、マトリクス状多点測定を行う
装置については、速やかに多点測定を済ませることに加
えて、照射機構や搬送機構を簡略化・簡素化すること
も、課題となる。
【0012】さらに、多点測定または連続測定を行うこ
れらの吸光光度計であっても各点を順次異なる時刻に測
定するようになっているが、処理効率向上のためには多
点または複数点を同時並列に測定するのが望ましい。し
かし、LEDアレイ及びLED発光強度変調を結合させ
ても、そのまま単に組み合わせただけでは、不十分であ
る。多点を同時に測定しようとすると、PDと対をなす
該当LEDからの照射光ばかりでなく隣接PDや隣の隣
のPDなどに対する非該当LEDからの漏洩光によって
測定精度が悪化してしまうからである。そこで、該当L
EDからの照射光を集光するのに加えて非該当LEDか
らの漏洩光は逆に排除するよう工夫ことも、さらなる課
題となる。
【0013】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、集光効率の良い吸光光度計を
実現することを目的とする。また、本発明は、集光効率
の良いことに加えてマトリクス状多点の吸光度測定を速
やかに行える吸光光度計を簡素な構成で実現することも
目的とする。さらに、本発明は、集光効率の良いことに
加えてマトリクス状多点の吸光度測定を複数点同時に行
える吸光光度計を実現することをも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第6の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0015】[第1の解決手段]第1の解決手段の吸光
光度計は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、光源
からの光を試料に照射して透過光の光度を検出しこの検
出光度に基づいて前記試料の吸光度を求める吸光光度計
において、前記光源として設けられ発光波長が前記試料
の吸収波長域に対応した発光ダイオードと、測光に際し
て前記発光ダイオードからの光を光学的には直接に前記
試料へ照射させる照射機構とを備え、前記発光ダイオー
ドの照射前方に開口した導光路が、(先細りの)鋭角の
テーパ状に形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0016】ここで、上記の「発光波長が試料の吸収波
長域に対応」としては、発光ダイオード(LED)の発
光スペクトルにおけるピーク波長が試料の吸収スペクト
ルにおける吸収極大に一致していることや、複数吸収極
大に囲まれていること、これらの近傍にあることなどが
挙げられる。また、「光学的には直接に」とは、検出波
長域において意識的にスペクトル分布を変化させる物す
なわち光学フィルタの如きを介することなくという意味
であり、単に汚れや破損から装置を守るための透明保護
膜等の介在までも除外する訳ではない。さらに、「導光
路」は、直円錐台の側面形に限らず円錐台の側面形や角
錐台の側面形であってもよい。また、「鋭角のテーパ」
とは、円錐でいえばその頂角が鋭角になっていることを
いう。
【0017】このような第1の解決手段の吸光光度計に
あっては、試料測定時に、照射機構によって発光ダイオ
ードからの光が直接的に照射される位置に試料が置か
れ、この試料に対してその吸収波長域に対応した光がL
EDから照射される。このとき、照射光は、多くが導光
路の広い入り口で集められて導光路に入り、真っ直ぐに
又は導光路内壁面で反射して進むが、導光路が鋭角のテ
ーパ状になっていることから、反射した光もほとんど戻
ることなく、ほぼ総てが導光路の狭い出口へ進んで試料
へ照射されることになる。
【0018】これにより、個別の集光用レンズを用いな
くても、多くの照射光を集光するとともに、それを細く
絞り込んで試料へ導くことができる。したがって、この
発明によれば、集光効率の良い吸光光度計を簡素な構成
で実現することができる。
【0019】[第2の解決手段]第2の解決手段の吸光
光度計は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、光源
からの光を試料に照射して透過光の光度を検出しこの検
出光度に基づいて前記試料の吸光度を求める吸光光度計
において、前記光源として設けられ発光波長が前記試料
の吸収波長域に対応した発光ダイオードと、測光に際し
て前記発光ダイオードからの光を光学的には直接に前記
試料へ照射させる照射機構と、前記透過光の光度検出用
に設けられた受光素子とを備え、この受光素子の受光面
前方に開口した導光路が、(入り口が広くて受光面に近
いほど細くなる)鋭角のテーパ状に形成されていること
を特徴とするものである。
【0020】このような第2の解決手段の吸光光度計に
あっては、試料測定時に、照射機構によって発光ダイオ
ードからの光が直接的に照射される位置に試料が置か
れ、この試料に対してその吸収波長域に対応した光がL
EDから照射され、さらに、試料を透過した透過光が受
光素子に達する。このとき、照射光のうちの透過光は、
多くが導光路の広い入り口で集められて導光路に入り、
真っ直ぐに又は導光路内壁面で反射して進むが、導光路
が鋭角のテーパ状になっていることから、反射した光も
ほとんど戻ることなく、ほぼ総てが導光路の狭い出口へ
進んで受光素子により検出されることになる。
【0021】これにより、個別の集光用レンズを用いな
くても、多くの透過光を集光するとともに、それを細く
絞り込んで受光素子へ導くことができる。したがって、
この発明によれば、集光効率の良い吸光光度計を簡素な
構成で実現することができる。
【0022】[第3の解決手段]第3の解決手段の吸光
光度計は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記
の第1又は第2の吸光光度計であって、前記導光路は、
内壁面が軸芯方向に沿った表面仕上げ処理が施されたも
のであることを特徴とするものである。
【0023】このような第3の解決手段の吸光光度計に
あっては、表面仕上げによって導光路の内壁面における
微細な凹凸までも、軸芯方向に沿ったものとなる。これ
により、導光路内面で反射した光は、鏡面仕上げ面での
反射に近い高率で多くのものが導光路の出口へ向かって
前進するようになる。しかも、一般に、かかる表面仕上
げは鏡面仕上げよりも容易である。したがって、この発
明によれば、集光効率の一層良い吸光光度計を簡素な構
成で実現することができる。
【0024】[第4の解決手段]第4の解決手段の吸光
光度計は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、上記
の第1〜第3の吸光光度計であって、所定周波数の交流
成分を含んだ駆動電流を前記発光ダイオードに供給する
駆動回路と、前記試料を透過した光度を検出しこの検出
光度から前記所定周波数の該当成分を抽出して出力する
フィルタ回路等の弁別抽出手段とを備え、この弁別抽出
手段の出力に基づいて前記試料の吸光度を求めることを
特徴とするものである。
【0025】ここで、上記の「交流成分」は、正弦波等
の三角関数形が一般的であるが、これに限らず、直交符
号で符号化されたデジタル波形を繰り返すものであって
もよい。また、「所定周波数」は、太陽光の変化する周
波数や蛍光灯の明滅の周波数よりも弁別可能な程度に高
い周波数であればよいが、高速処理等の観点からは数K
Hz以上で、回路簡素化等の観点からは数MHz以下が
望ましい。「その該当成分」は、バンドパスフィルタ等
で分離抽出される狭い帯域の成分の他に、外光や別途検
出の周波数成分と混同しなければハイパスフィルタ等で
分離抽出される高調波を含んでいるようなものであって
もよい。
【0026】このような第4の解決手段の吸光光度計に
あっては、吸光度測定に際し、駆動回路によって、発光
ダイオードからの照射光が所定の周波数で変調される。
そして、透過光の強度が検出されるが、このとき、弁別
抽出手段によって通常低周波数の太陽光や蛍光灯からの
外乱光と所定周波数の変調光とが弁別されて、変調され
た該当成分の光度だけが抽出される。これにより、白日
の下であっても、手軽に吸光度測定を行うことができ
る。
【0027】しかも、太陽光や蛍光灯からの外乱光がL
EDからの光と共に検出されても、テーパ状導光路によ
って照射光や透過光の集光力が向上しているので、S/
N比の低下等も、かなり抑制・防止される。これによ
り、白日の下であっても、正確に吸光度測定を行うこと
ができる。したがって、この発明によれば、集光効率が
良くて明るくても手軽に正確な吸光度測定を行える吸光
光度計を簡素な構成で実現することができる。
【0028】[第5の解決手段]第5の解決手段の吸光
光度計は(、出願当初の請求項5に記載の如く)、上記
の第4の吸光光度計であって、試料を保持する複数の測
定部位がマトリクス状に配設された被検体を前記マトリ
クスの列方向(又は行方向)に沿って一方向又は往復双
方向等の直線的に移送する移送手段を備え、前記発光ダ
イオードは、複数個が設けられ前記マトリクスの行方向
(又は列方向)に沿って少なくともライン状に配設され
たものであることを特徴とするものである。
【0029】ここで、上記の「マトリクス状」とは、複
数行と複数列とが平面上で直交する格子状の行列に対し
各交点位置にセル等の測定部位が通常等ピッチで設けら
れた状態をいう、従ってマトリクスの「行」と「列」と
は交換可能な相対的概念である。また、「少なくともラ
イン状」とは、マトリクスの少なくとも1行分をカバー
する状態でという意味であり、2行分等の複数ライン状
であってもよい。なお、ライン状の複数の発光ダイオー
ドは、被検体の移送方向と直交する方向に限られずこれ
と斜めの方向に沿って配設されていてもよく、この場
合、移送手段は、被検体を定速で送るものであり、発光
素子の選択切換は、移送手段による被検体の移送に同期
して且つその移送方向の順に従って駆動電流供給対象を
選択し切り換えるが望ましい。
【0030】このような第5の解決手段の吸光光度計に
あっては、発光ダイオードの数が被検体の測定部位の数
より少ないので、照射機構の規模を抑制することができ
る。さらには、発光素子選択切換手段等の付随する回路
についても、その規模を抑制することができる。なお、
発光ダイオードの数が被検体の測定部位の数より少なく
ても、移送手段によって被検体が直線的に移送される間
に、被検体におけるマトリクス状の測定部位について、
単一の又は複数のラインごとに、複数のLED光での吸
光度測定が済ませられる。しかも、テーパ状導光路によ
って照射光や透過光の集光力が向上しているので、照射
時間が短くてもS/N比が低下するのを防止して正確に
吸光度測定を行うことが可能となり、その分だけ移送速
度も上げられることとなる。
【0031】これにより、直線的な移送と小規模な照射
機構との組み合せに加えて、集光効率アップも達成した
ことから、簡素な機構であっても、被検体のマトリクス
状の測定部位総てを速やかに測定することができる。し
たがって、この発明によれば、集光効率の良いことに加
えてマトリクス状多点の吸光度測定を速やかに行える吸
光光度計を簡素な構成で実現することができる。
【0032】[第6の解決手段]第6の解決手段の吸光
光度計は(、出願当初の請求項6に記載の如く)、上記
の第4の吸光光度計であって、前記発光ダイオードは、
試料を保持する被検体においてマトリクス状に配設され
た複数の測定部位の総て又はその一部に対応して複数個
が設けられたものであり、前記駆動回路は、(周波数又
は位相若しくは波形の異なる)弁別可能な交流成分を含
んだ複数の駆動電流を生成するとともにこれらを前記複
数の発光ダイオードのうちの隣接するものに対し並行し
て送出するものであることを特徴とするものである。
【0033】このような第6の解決手段の吸光光度計に
あっては、試料測定時に、同時駆動される隣接の発光ダ
イオードに対して弁別可能な異なる交流成分を含んだ駆
動電流が供給される。そこで、隣接する発光ダイオード
からの漏洩光が該当発光ダイオードからの光と共に検出
されても、さらには太陽光や蛍光灯からの外乱光も共に
検出されても、これらの成分は該当発光ダイオードから
の成分と弁別して除去しうる。これにより、外光ばかり
か隣の発光ダイオードにも影響されることなく、複数の
測定部位における試料の吸光度が並行して求まる。
【0034】しかも、導光路がテーパ状になっていてそ
の内壁面が傾斜しているので、比較的遠くの方から斜め
に入射してきた光は、大部分が導光路内壁面で反射した
際に導光路の外へ返されてしまう。特に、導光路軸芯に
対する導光路内壁面の傾斜角よりも導光路軸芯の直交面
に対する傾斜角が小さい入射光は、ほぼ確実に跳ね返さ
れる。これにより、隣の発光ダイオードよりも遠くに位
置する他の発光ダイオードからの漏洩光は、例え導光路
の入り口まで到達しても出口まで前進することがない。
そこで、これらの測定部位を同時に測定したとしても、
これらは特に分別するまでもない。該当発光ダイオード
の光だけに基づいて、各測定部位における試料の吸光度
が求まる。
【0035】このように、LEDアレイ及びLED発光
強度変調の結合に加えてテーパ状の導光路をも組み合わ
せたことにより、複数点同時測定に際しての他の発光ダ
イオードからの漏洩光との弁別が、隣接する発光ダイオ
ード間での弁別だけで済むこととなった。したがって、
この発明によれば、集光効率の良いことに加えてマトリ
クス状多点の吸光度測定を複数点同時に行える吸光光度
計を実現することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の吸光光度計について、これを実施するための形
態を説明する。
【0037】[第1の実施形態]第1の実施形態の吸光
光度計は、上述した解決手段の吸光光度計であって、前
記駆動回路を収納した本体部と、この本体と別に設けら
れ少なくとも前記照射機構を含む探体部と、前記本体部
と前記探体部との間に介在し少なくとも前記駆動回路か
ら前記発光ダイオードへの駆動電流の伝達を行う可撓性
コードとを備えたことを特徴とするものである。
【0038】このような実施形態の吸光光度計にあって
は、探体部が可撓性コードを介在させて本体とは別に設
けられているので、吸光度測定に当たって、探体部を自
由に動かすことが可能である。また、駆動回路等は本体
部に収納され、発光ダイオードはコードを介して駆動電
流の供給を受けるので、探体部は小型になる。そこで、
このような探体部には、試料チューブ等にセットするに
際しての場所や,向き,広さ等の制約がほとんどない。
そして、チューブ等を本体にセットする代わりに、探体
部を試料チューブ等にセットすることで、吸光度測定が
行われる。これにより、チューブ等を本体にセットする
面倒や制約から解放される。また、硬いチューブや太い
チューブに対しても容易に適合させることができる。そ
こで、手軽に吸光度測定を行うことができる。したがっ
て、この発明によれば、明るくても手軽に吸光度測定を
行える吸光光度計を簡素な構成で実現することができ
る。
【0039】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
形態は、上述した解決手段の吸光光度計であって、複雑
な集光機構等が無くても簡易な構成で高速かつ確実にマ
トリクス状などの多点の吸光度測定を安定して行うため
に、前記複数の発光ダイオードのそれぞれに対応して設
けられた複数のフォトダイオード又はフォトトランジス
タ等の受光素子と、前記複数の発光ダイオードそれぞれ
の発光面にそれぞれの受光面が対向するような位置に前
記複数の受光素子を保持する受光素子保持機構とを備え
る。
【0040】
【実施例】
[第1実施例]本発明の吸光光度計の第1実施例につい
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図
1は、その測定部を拡大して示した断面図であり、図2
は、その探体部・照射機構としての挟持体の外形図であ
り、図3は、その回路ブロック図である。
【0041】この吸光光度計は、光源としてのLED3
2からの光を透明なチューブ9の試料に照射しフォトダ
イオード34で透過光量を検出してこの試料の吸光度を
連続的に測るものであるが、被検体としてのチューブ9
を装置外に置いたままで手軽に測光を行えるようにする
ために、本体20と、一対のLED32及びフォトダイ
オード34が装着された探体部としての挟持体30と、
これらの間に介在するフレキシブルなコード31,33
とから構成されている(図2参照)。
【0042】LED32は、例えば試料が過マンガン酸
カリウムの呈色溶液の場合であれば発光波長のピークが
535nmに近いAlP製のものが用いられ、発光波長
がチューブ9内の試料の吸収波長域に対応したものとな
っている。なお、チューブ9はこの発光波長を含む波長
域で透明であり、フォトダイオード34はこの発光波長
を含む波長域の光を検出可能なものである。
【0043】本体20には、LED32の駆動用の発振
回路21と、フォトダイオード34(受光素子)を用い
た光度検出用のアンプ22と、フィルタ回路としてのバ
ンドパスフィルタ23と、検波回路24と、アンプ25
とが収納されており、さらに、表示器26も付設されて
いる(図3参照)。
【0044】発振回路21は、発振波形が正弦波であっ
て発振周波数が20KHzでありピーク電圧が0.7V
〜5Vである発振回路であり、その電圧発振信号は、図
示しないバッファアンプで電流信号に変換され、電流制
限抵抗を経た後、コード31を介してLED32に送出
される。これにより、この吸光光度計は、所定周波数の
交流成分を含んだ駆動電流を発光ダイオードに供給する
駆動回路と、この駆動回路から発光ダイオードへの駆動
電流の伝達を行う可撓性コードとを備えたものとなって
いる。
【0045】バンドパスフィルタ23は、中心周波数を
20KHzとする狭帯域の成分のみを通過させるフィル
タである。そして、このフィルタ23周りの検出系は、
フォトダイオード34で光電変換されて検出された光度
の信号が、コード33を介してアンプ22に入力され、
アンプ22による増幅後にバンドパスフィルタ23によ
って20KHz成分のみにされ、さらに検波回路24に
よって包絡線検波され、最後にアンプ25で増幅されて
から、表示器26に表示されるようになっている。な
お、図示は割愛したが、アンプ25の前または後には、
呈色,退色,比色,沈降,懸濁,比濁などの分析の種類
に応じて吸光度やその2次情報などを算出する演算手段
も設けられている。これにより、この吸光光度計は、検
出光度から所定周波数の該当成分を抽出して出力するフ
ィルタ回路を備えるとともに、このフィルタ回路の出力
に基づいて試料の吸光度を求めるものとなっている。
【0046】挟持体30は、切欠を有しLED32が発
光面を切欠側に向けて切欠低部の穿孔内に挿着された挟
持片35と、やはり切欠を有しフォトダイオード34が
受光面を切欠側に向けて切欠低部の穿孔内に挿着された
挟持片36と、それぞれの切欠にチューブ9を挟んだと
きに挟持力を発生するように一端が挟持片35に連結さ
れ他端が挟持片36に連結されたスプリング37と、挟
持片35,36間の距離を調整して並行状態を確保可能
とするために挟持片36を螺合貫通して先端が挟持片3
5に当接したネジ38とからなる。そして、LED32
から発した光がチューブ9及び試料を通ってフォトダイ
オード34に至るようになっている(図2参照)。
【0047】このようにコード31,32を介在させて
本体20と別に設けられた挟持体30は、測光に際して
発光ダイオードからの光を光学的には直接に試料へ照射
させる照射機構を含んだものとなっている。なお、LE
D32,フォトダイオード34は、チューブ9の径や試
料の屈折率によってLED光の焦点位置が変化してもそ
の焦点位置にフォトダイオード34の受光面を一致させ
ることができるように、図示しないネジを操作すること
で穿孔内における挿着位置が調節可能なものとなってい
る。
【0048】挟持片35における切欠低部の穿孔は、挿
着LED32のコード31が後方へ引き出せるとともに
LED32からの照射光が前方のチューブ9内試料へ向
けられるように貫通穴となっている(図1参照)。この
貫通穴は、後から前へ順に、LED32を挿着するため
に大径の保持部35aと、LED32からの照射光をチ
ューブ9側へ導くための導光路35bと、照射光を絞り
込むために小径の導光路先端部35cとが連結した構造
のものである。導光路35bは、保持部35aと導光路
先端部35cとの段差が緩やかに変化するように、軸方
向長さがそれらの半径差の2倍以上とされる。これによ
り、発光ダイオード32の照射前方に開口したこの導光
路35bは、鋭角のテーパ状に形成されたものとなって
いる。
【0049】挟持片36における切欠低部の穿孔は、挿
着フォトダイオード34のコード33が後方へ引き出せ
るとともに前方のチューブ9を透過した透過光がフォト
ダイオード34へ向けられるように貫通穴となっている
(図1参照)。この貫通穴は、フォトダイオード34の
保持部36aの前方に、透過光をフォトダイオード34
の受光面へ導くための導光路35bが形成された構造の
ものである。導光路36bは、チューブ9側が挟持片3
6の切欠低面に対応して大径にされ、フォトダイオード
34側がその受光面に対応して小径にされる。なお、こ
の導光路36bについても、段差が緩やかに変化するよ
うに、軸方向長さがそれらの半径差の2倍以上とされ
る。これにより、受光素子34の受光面前方に開口した
導光路36bも、鋭角のテーパ状に形成されたものとな
っている。
【0050】また、これらの導光路35b,36bは、
何れも、ドリル穿孔後に、その内壁面に対して、軸芯方
向に沿って研削仕上げがなされる。この表面仕上げはド
リル切削痕が消える程度に軽く行われる。これにより、
導光路35b,36bは、内壁面の微細凹凸が軸芯方向
に揃ったものとなっている(図2における二点鎖線内の
拡大図を参照)。
【0051】かかる構成の吸光光度計について、その動
作及び使用態様を説明する。
【0052】先ず、挟持片35,36を開いてこれらの
切欠間にチューブ9を挟み込み、スプリング37の引張
り力によってチューブ9が挟持された状態で、ネジ38
を回して挟持片35,36を並行にさせる。そして、本
体20の電源を投入する。すると、LED32からフォ
トダイオード34に向けて光が照射されるので、可視光
の場合は目視等に基づいて、不可視の場合は表示器26
への表示値等に基づいて、フォトダイオード34が照射
光を十分に受光できるように、フォトダイオード34の
位置等の調整を行う。これで、連続測定の準備が調う。
消灯や戸締めは要らない。
【0053】次に、チューブ9に試料液を継続的に流
す。この状態で、装置のスタートキー等を操作して、装
置に測定を開始させる。そうすると、発振回路21の発
振信号に応じてLED32が20KHzの周波数で明滅
し、その光がチューブ9の試料に一部吸収され、透過光
だけが外光と共にフォトダイオード34に到達する。こ
のとき、LED32から真っ直ぐ前方に発した光は直接
にチューブ9を通ってフォトダイオード34に到るが、
LED32から斜め前方に発した光は、導光路35bの
内壁面で反射しながら導光路先端部35cに至り、それ
からチューブ9に照射され、ここで広がりながらも導光
路36bに入り、導光路36bの内壁面で再び反射しな
がらフォトダイオード34の受光面へ導びかれる(図4
(a)参照)。
【0054】しかも、照射光や透過光が導光路35b,
36bの内壁面で反射するに際し、内壁面の微細凹凸が
軸芯方向に揃っていることから、反射方向が微細凹凸に
よって乱れたとしても、反射した照射光や透過光は、前
方への進行方向から僅かに傾くに過ぎず(図4(b)参
照)、ドリル切削面のように乱反射して後方へ戻ること
はほとんどない(図(c)参照)。こうして、LED3
2から発した照射光、及びチューブ9を経た透過光は、
多くが無駄なくフォトダイオード34へ集光される。
【0055】そして、到達光の検出光度のうち周波数2
0KHzの成分だけがバンドパスフィルタ23を通過す
る。太陽光や蛍光灯からの外光成分は、周波数が異なる
ので、除去される。あるいはその周波数成分が有っても
極めて僅かなので、無視可能なまで低減される。そこ
で、透過光だけの光度に基づいて吸光度が求められる。
周囲の状態が明るくても暗くても明暗変化しても、安定
して、吸光度が求まる。その結果値やグラフは表示器2
6に表示される。
【0056】こうして、試料を流している間は、連続し
て試料の吸光度が測定され、試料液の状態変化がリアル
タイムで表示される。したがって、この吸光光度計を使
用すれば、チューブ9を流れる試料液について、明るく
ても手軽に安定して正確に吸光度測定を行うことができ
る。
【0057】[第2実施例]本発明の吸光光度計の第2
実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して
説明する。図5は、その全体の正面図であり、内部にお
けるプレートの搬送状態が破線で示されている。また、
図6は、その要部のブロック図である。
【0058】この吸光光度計は、被検体としてのガラス
製透明プレート1の上面に4行×4列のマトリクス状に
配設された複数の測定部位としての16個のセル1aに
ついて各試料の吸光度を迅速に測るために、その行に対
応して上下4組の発光素子としてのLED62および受
光素子としてのPD63がライン状に配設されたライン
ホルダ61等からなる照射機構60と、プレート1を列
方向に定速で移送する移送機構70とが、本体50部分
に、備えられている。
【0059】LED62は、それぞれ第1実施例で述べ
たLED32と同様に発光波長がセル1aの試料の吸収
波長域に対応したものであるが、複数個設けられてい
る。そして、吸光光度計本体50には、LED62やP
D63を電子的に選択切換して駆動する発光素子選択切
換回路および受光素子選択切換回路としてのドライバ8
0と、測定のための装置制御や測定データの演算等を行
うコントローラ90も備えられている。
【0060】また、多数のプレート1を連続して自動測
定するために、吸光光度計本体50に対し、移送機構7
0のプレート搬入口側にはカセットから測定前のプレー
トを順に払い出す機構を持ったセンダユニット51が付
設され、移送機構70のプレート搬出口側には測定後の
プレートを空カセットに順に受け入れる機構を持ったレ
シーバユニット52が付設された全体構成となってい
る。
【0061】そして、移送機構70は、プレート1をセ
ンダユニット51から吸光光度計本体50経由でレシー
バユニット52に次々に移送するために、定速駆動回路
71によって一定速度で回転するモータ72と、このモ
ータ72の出力軸に接続された駆動輪73によって牽引
され乗載プレート1を運ぶ樹脂製の一対のベルト74と
を備えている。これにより、移送機構70は、被検体上
の測定部位配設におけるマトリクスの列方向に沿って一
方向に被検体を定速で移送するものとなっている。
【0062】照射機構60は、「コ」の字状のラインホ
ルダ61を主体に構成されており、ラインホルダ61
は、上方水平部材のLEDアレイモジュールと、下方水
平部材のPDアレイモジュールと、これらの部材を剛に
連結させる側方垂直部材とからなるものである。
【0063】そのLEDアレイモジュールは、両面配線
されたプリント基板で構成され、この基板には、プレー
ト1上のセル1aのマトリクス状配置における行ピッチ
よりも大きなピッチで鉛直に貫通穴が4つ形成され、各
貫通穴にはLED62が発光面を下に向けて挿入され固
定されている。これらの貫通穴は、それぞれ、第1実施
例における保持部35a,導光路35b,及び導光路先
端部35cを90゜回転させて上下に連結させた構造と
なっている(図5における右側一点鎖線内の拡大図を参
照)。
【0064】これらの貫通穴に挿着された各LED62
は、プリント配線によって、アノードがそれぞれLED
選択回路32の各出力端子に接続され、カソードが総て
接地されている。そして、このLEDアレイモジュール
は、プレート1が移送機構70によって吸光光度計本体
50を移送されているときにプレート1の上方となる位
置に支持されるものである。これにより、照射機構60
は、測光に際して発光ダイオードからの光をそれぞれ光
学的には直接に被検体へ照射させるものとなっている。
【0065】照射機構60のPDアレイモジュールは、
LEDアレイモジュールとほぼ同様のものであるが、L
ED62に代えてPD63が受光面を上にして保持され
ているものである。しかも、その貫通穴は、第1実施例
における保持部36a及び導光路36bを90゜回転さ
せて上下に連結させた構造となっている(図5における
左側一点鎖線内の拡大図を参照)。そして、PDアレイ
モジュールは移送中のプレート1を挟む対向位置でLE
Dアレイモジュールの下方に支持されている。これによ
り、PDアレイモジュールは、複数の発光ダイオードそ
れぞれの発光面にそれぞれの受光面が対向するような位
置に複数の受光素子を保持するものとなっている。
【0066】また、ラインホルダ61は上下連結側の支
軸14を中心として水平面内で僅かな摩擦力を持って回
転可能なように軸支されている。これにより、ラインホ
ルダ61は、非連結側を調整ネジ等で押引することで、
発光ダイオードのライン状配設方向とマトリクスの行方
向との傾き角を変更し得るものとなっており、発光ダイ
オードのライン状配設方向を、マトリクスの行方向に一
致して沿わせることも(図6一点鎖線部分参照)、マト
リクスの行方向からずらせてその斜めの方向に沿わせる
(図6実線部分参照)ことも可能なものである。
【0067】ドライバ80は、コントローラ90から送
出された行アドレスを保持してLED選択回路82及び
PD選択回路83に出力するアドレスレジスタ81と、
第1実施例と同様の発振回路21から受けたLED駆動
電流を入力としLED62ごとの4つの接続ラインを出
力先としアドレスレジスタ81の保持する行アドレスを
選択信号とするセレクタからなるLED選択回路82と
を備えている。これにより、ドライバ80は、LED6
2の行アドレスを順次に受けると、これに応じて複数の
発光ダイオードのうちから駆動電流供給対象の発光ダイ
オードを順次に選択して切り換えるものとなっている。
【0068】また、ドライバ80は、電源電圧Vccから
所定のバイアス抵抗を介して受けたフォトダイオードの
ドライブ電流を入力としPD63ごとの4つの接続ライ
ンを出力先としアドレスレジスタ81の保持する行アド
レスを選択信号とするセレクタからなるPD選択回路8
3も備えている。これにより、ドライバ80は、LED
選択回路82と同じ行アドレスを受けて、駆動電流供給
対象の発光ダイオードに対応した受光素子を複数の受光
素子のうちから選択するように、測光対象を切り換える
ものとなっている。
【0069】さらに、ドライバ80は、PD選択回路8
3で選択されたPD63による光度検出信号がアンプ2
2による増幅後に入力されるBPF(バンドパスフィル
タ)23と、これに続く検波回路24及びA/D変換回
路84とを備えている。BPF23は、第1実施例のも
のと同様、所定周波数の該当成分を抽出するために、中
心周波数を20KHzとする狭帯域の成分のみを通過さ
せるフィルタである。そして、BPF35によって20
KHz成分のみにされた光度検出信号は、検波回路24
によって包絡線検波され、さらにA/D変換回路84に
よってデジタル値に変換されてから、コントローラ90
に送出される。
【0070】コントローラ90は、余分な発熱を抑制す
るために測光に必要な時以外はLED62への駆動電流
を遮断する処理を行う発光制御プログラム91と、図示
しないセンサによってプレート1がLED62下へ移送
されて来るとその移送に連れて行アドレスを例えば1,
2,3,4,1,2,…,4の如くプレート1上のマト
リクスの列数分だけ巡回させながら順次にアドレスレジ
スタ81に送出する処理を行うスキャン制御プログラム
92と、スキャン制御プログラム92のアドレス送出に
同期して順次にA/D変換回路84から光度データを入
力する処理を行う光度入力プログラム93とを備えて、
4行×4列の測定部位を自動的に順次選択して測定する
制御を行うものとなっている。これにより、この吸光光
度計は、被検体の移送に同期して且つその移送方向の順
に従って駆動電流供給対象の選択切換を行うものとなっ
ている。
【0071】また、コントローラ90は、RAM上にア
ロケートされた1行×4列のアレイからなりLED62
の非発光時にスキャン制御プログラム92の処理に応じ
た光度入力プログラム93の処理によって入力された光
度データを保持する0%テーブル94と、同じくRAM
上の1行×4列のアレイからなりLED62の発光時で
あって被検体の不存在時にスキャン制御プログラム92
の処理に応じた光度入力プログラム93の処理によって
入力された光度データを保持する100%テーブル95
とを備えたものとなっている。
【0072】さらに、コントローラ90は、0%テーブ
ル94の各要素における光度データを受光量0%とし、
100%テーブル95の各要素における光度データを受
光量100%として、プレート1のLED62下への移
送時にスキャン制御プログラム92の処理によってLE
D62を順次発光させたときに光度入力プログラム93
の処理によって入力された光度データから、4行×4列
の各測定部位について呈色,退色,比色,沈降,懸濁,
比濁などの分析の種類に応じて吸光度やその2次情報な
どを算出する処理を行う吸光率演算プログラム97も備
えている。
【0073】これにより、コントローラ90は、BPF
23の出力に基づいて試料の吸光度を求めるものとなっ
ている。そして、算出された吸光率等は、表示制御プロ
グラム98の処理によってモニタ等に表示され、あるい
は他のプログラム処理によってプリンタ等で印刷される
ようになっている。
【0074】この第2実施例の吸光光度計について、そ
の具体的な動作および使用態様を、説明する。
【0075】先ず、吸光光度計本体50の前面カバーを
開けて、測定したいプレート1等と同形で試料の入って
いないダミープレートをLED62下のベルト74に載
せる。そして、吸光光度計本体50の電源を投入する。
すると、LED62からPD63に向けて光が照射され
るので、可視光の場合は目視等に基づいて、不可視の場
合は表示器等への表示値等に基づいて、各PD63が何
れも照射光を十分に受光できるように、ラインホルダ6
1の傾斜角等の調整を行う。
【0076】この調整終了後、ダミープレートを抜き取
って、前面カバーを閉める。なお、測定室の消灯は不要
である。そして、空のカセットをレシーバユニット52
に載せ、測定したいプレート1等が収納されているカセ
ットをセンダユニット51に載せる。これで、連続測定
の準備が調う。
【0077】この状態で、吸光光度計本体50のリセッ
トキー等を操作して、コントローラ90に初期化処理等
を行わせる。そうすると、各プログラムやドライバ80
等の初期化に続けて、発光制御プログラム91の処理に
よってLED62が非発光状態にされたままで、スキャ
ン制御プログラム92の処理およびこれに従うドライバ
80によって各PD63が順にドライブされるととも
に、各PD63からの光度データが光度入力プログラム
93等によって入力されて0%テーブル94に記憶され
る。
【0078】さらに、続けて、発光制御プログラム91
の処理によってLED62が発光可能状態にされて、ス
キャン制御プログラム92の処理およびこれに従うドラ
イバ80によって各LED62及び対応の各PD63が
順にドライブされるとともに、各PD63からの光度デ
ータが光度入力プログラム93等によって100%テー
ブル95に記憶される。こうして、素子特性のばらつき
に対応した受光量の上下限値が各LED62及びPD6
3の対ごとに求められ、素子特性のばらつきによる変動
を排除した吸光率を算出するための準備が調う。
【0079】そこで、次に、吸光光度計本体50のスタ
ートキー等を操作して、コントローラ90に移送および
測定の制御を開始させる。そうすると、吸光光度計本体
50では、ベルト74が駆動され、センダユニット51
では、そのカセットが下降させられて、各プレート1が
下方のものから順に幾らかの間隙を空けてベルト74に
移載されて吸光光度計本体50に一定速度で移送され
る。
【0080】各プレート1は、吸光光度計本体50内で
の移送中に、ラインホルダ61のLEDアレイモジュー
ルとPDアレイモジュールとの間に到達し、この移送に
連れて各セル1aは順次にLED62とPD63との間
に位置する。このとき、発光制御プログラム91の処理
によってLED62が発光可能状態にされて、スキャン
制御プログラム92の処理およびこれに従うドライバ8
0によって該当位置のLED62とPD63とが順にド
ライブされる。
【0081】そうすると、発振回路21の発振信号に応
じて該当LED62が20KHzの周波数で明滅し、そ
の光が該当セル1aの試料に一部吸収され、透過光だけ
が外光と共に該当PD63に到達する。このとき、LE
D62から真っ直ぐ下方に発した光は直接にセル1aを
通ってPD63に到るが、LED62から斜め下方に発
した光は、照射側の導光路すなわちラインホルダ61の
貫通穴の内壁面で反射しながら絞り込まれてセル1aに
照射され、ここで広がりながらも受光側の導光路すなわ
ちラインホルダ61の貫通穴に入り、その内壁面で再び
反射しながらPD63の受光面へ導びかれる。こうし
て、LED62から発した照射光、及びセル1aを経た
透過光は、ほとんどがPD63へ集光される。
【0082】そして、到達光の検出光度のうち周波数2
0KHzの成分だけがバンドパスフィルタ23を通過す
る。太陽光や蛍光灯からの外光成分は、周波数が異なる
ので、除去される。あるいはその周波数成分が有っても
極めて僅かなので、無視可能なまで低減される。そこ
で、透過光だけの光度に基づく光度データが光度入力プ
ログラム93によって入力される。そして、その入力の
度に、吸光率演算プログラム97の処理によってテーブ
ル94,95の該当要素を基準にして吸光率が算出さ
れ、表示制御プログラム98の処理によってその値が表
示される。
【0083】こうして、0%テーブル94及び100%
テーブル95に基づいて自動的に、素子特性のばらつき
が吸光率から除去されるので、複数のLED及び複数の
フォトダイオードを用いた多点測定であっても、正確な
測定結果を容易に得ることができる。しかも、明るいと
ころで、プレート移送を継続しながら連続的に、吸光度
を測定することができる。
【0084】そして、1つのプレート1に対する測定が
済んだ後は、これに続く次のプレート1が移送されて来
てその測定が行われる。この処理は、センダユニット5
1から吸光光度計本体50にプレート1が移送されて来
る間、続けられる。また、この間、測定の済んだ各プレ
ート1は、ベルト74に載せられて吸光光度計本体50
からレシーバユニット52へ運び出される。そして、レ
シーバユニット52では、そのカセットに到達したプレ
ート1がカセットの上方から順にカセットに収納され、
この収納の度にカセットが一段上昇して次のプレート1
の受入に備えるという処理が繰り返し行われる。
【0085】こうして、センダ側カセットに収納されて
いた総てのプレートを連続的に速やかに測定してレシー
バ側カセットに収納することができる。また、この吸光
光度計は、センダ上のカセットやレシーバ上のカセット
を適宜交換すれば、幾ら多数であっても所望の数のプレ
ートについて、吸光度を測定することができる。
【0086】[第3実施例]図7に要部を示した第3実
施例の吸光光度計は、上述した第2実施例のものに対
し、ラインホルダ61が上下のLEDアレイモジュール
61a及びPDアレイモジュール61bに分割された
点、ドライバ80が位相の直交することで弁別可能な交
流成分を含んだ複数の駆動電流を生成するとともにこれ
らを複数のLED62に対し同時並列に送出するように
された点、コントローラ90が2行×4列の8個の測定
をまとめて処理するようにされた点で相違するものであ
る。以下、これらの相違点を中心に説明する。
【0087】LEDアレイモジュール61aは、LED
62挿着用および集光用の2行×4列の8つの貫通穴が
鉛直に形成されている。しかも、各貫通穴は位置関係が
プレート1上のセル1aの4行×4列のマトリクス状配
置における2行×4列の部分と一致する部位に穿孔され
ている。これにより、複数の発光ダイオード62は、複
数の測定部位1aの一部に対応して配設され、且つマト
リクスの行方向に沿って2ライン状に配設されたものと
なっている。また、PDアレイモジュール61bは、L
EDアレイモジュール61aとほぼ同様のものである
が、PD63が受光面を上にして対応位置に保持されて
いるものである。しかも、これらの貫通穴は、上述した
第2実施例におけるものと同様の形状および表面状態の
ものとなっている。
【0088】ドライバ80は、LED62に駆動電流を
供給して発光を行わせる駆動回路としてのLED駆動回
路85と、試料透過光等の光度を各測定部位ごとに検出
するために複数のPD63に対応して複数個設けられた
相関演算手段としての光度検出回路85とを備えた回路
である。なお、ドライバ80に、各LED62及びPD
63を選択切換して順次駆動する回路等81,82,9
1,92は無い。
【0089】LED駆動回路85は、上述した発振回路
21と、これに順次従続接続されてそれぞれ90゜づつ
発振信号の位相を異ならせる3段の移相回路とを具備し
たものである。これらの電圧発振信号は、それぞれ、図
示は割愛したが、バッファアンプで電流信号に変換さ
れ、電流制限抵抗を経た後、各LED62のアノードへ
同時並列に送出される。これにより、LED駆動回路8
5は、角速度をωとし時間をtとしたとき、同一周波数
であるが位相の異なる調和関数波形sin(ωt),c
os(ωt),−sin(ωt),−cos(ωt)の
交流成分を含んだ4つの駆動電流を生成するものとなっ
ている。
【0090】具体的には、波形sin(ωt)の駆動電
流は1行1列目のLED62及び2行4列目のLED6
2に供給され、波形cos(ωt)の駆動電流は1行2
列目のLED62及び2行1列目のLED62に供給さ
れ、波形−sin(ωt)の駆動電流は1行3列目のL
ED62及び2行2列目のLED62に供給され、波形
−cos(ωt)の駆動電流は1行4列目のLED62
及び2行3列目のLED62に供給されるように、LE
D駆動回路31から各LED62のアノードへの配線が
なされている。
【0091】これにより、LED駆動回路31は、それ
ぞれの駆動電流を複数の発光ダイオードの総てに対して
同時に供給するとともに、この供給に際して、列方向に
連なる任意の2個および行方向に連なる任意の2個の発
光ダイオードすなわち前後左右に隣接する発光ダイオー
ドに対して複数の駆動電流のうち直交位相の交流成分を
含んだ駆動電流を送出するものとなっている。さらに、
列方向に連なる任意の3個のうちで両端に位置する発光
ダイオードすなわち同時駆動する複数の発光ダイオード
のうち一の発光ダイオードを挟んで反対側に位置する両
隣の発光ダイオードに対しては、逆位相の交流成分を含
んだ駆動電流でその駆動を行うものとなっている。
【0092】光度検出回路85は、8組がセル1aのそ
れぞれに対応して設けられており、それぞれ、該当する
PD63による光度検出信号が増幅後入力される掛算器
と、これに続くLPF(ローパスフィルタ)と、A/D
変換回路とを備えている。掛算器は、それぞれ、光度信
号の他に、該当PD63と対をなすLED62へ供給さ
れる駆動信号に含ませられた発振信号もLED駆動回路
85から受けて入力し、光度信号との積をLPFへ出力
するものである。具体的には、1行1列目のPD63及
び2行4列目のPD63に波形sin(ωt)の発振信
号が入力され、1行2列目のPD63及び2行1列目の
PD63に波形cos(ωt)の発振信号が入力され、
1行3列目のPD63及び2行2列目のPD63に波形
−sin(ωt)の発振信号が入力され、1行4列目の
PD63及び2行3列目のPD63に波形−cos(ω
t)の発振信号が入力される。そして、各LPFから
は、光度信号と発振信号との局所的な積和演算すなわち
相関演算後の信号が連続して出力される。これにより、
駆動回路によって同時に駆動された各発光ダイオードか
らの光を検出したそれぞれの光度信号と該当発光ダイオ
ードの駆動電流の該当交流成分との相関値が連続的に算
出されるようになっている。これらの相関値はA/D変
換回路によってデジタル値に変換されてからコントロー
ラ90へ送出される。
【0093】コントローラ90は、第2実施例における
光度入力プログラム93が、8個のLED駆動回路85
内の各A/D変換回路から纏めて光度データを入力する
処理を行う光度入力プログラム93aに変更されてい
る。また、0%テーブル94,100%テーブル95が
2行×4列分に拡張され、さらに、光度入力プログラム
93aによって入力された光度データを保持するセルテ
ーブル96も設けられている。そして、4行×4列の測
定部位を2回に分けて自動的に測定する制御を行う。し
かも、2行×4列分の処理については順次選択する必要
がなく並行処理が可能である。これにより、この吸光光
度計は、マトリクス状の測定部位についての測定を高速
に行うものとなっている。
【0094】[第4実施例]図8に要部を示した第4実
施例の吸光光度計は、上述した第3実施例のものに対
し、ドライバ80が周波数の異なることで弁別可能な交
流成分を含んだ複数の駆動電流を生成するようにされた
点で相違する。すなわち、LED駆動回路85がLED
駆動回路87によって置換され、且つ光度検出回路86
が光度検出回路88によって置換されたものである。以
下、この相違点を中心に説明する。
【0095】LED駆動回路87は、周波数80KHz
で発振する発振回路と、これに従続接続されて40KH
zの発振信号を生成する分周回路とを具備したものであ
る。これにより、LED駆動回路87は、異なる所定周
波数の交流成分を含んで弁別可能な複数の駆動電流を生
成するものとなっている。また、LED駆動回路87
は、80KHzの発振信号の変換された電流信号が1行
2列目,1行4列目,2行1列目,2行3列目のLED
62へ送給され、40KHzの発振信号の変換された電
流信号が残りのLED62へ送給されるように、LED
アレイモジュール61aとの配線がなされている。これ
により、LED駆動回路87は、弁別可能な交流成分を
含んだ複数の駆動電流を複数の発光ダイオードのうちの
隣接するものに対し並行して送出するものとなってい
る。
【0096】各光度検出回路88は、8組が各PD63
ごとに対応して設けられており、それぞれ、該当するP
D62,63による光度検出信号が増幅後入力されるB
PF(バンドパスフィルタ)と、これに続く検波回路
と、A/D変換回路とを備えている。BPFは、それぞ
れ、該当中心周波数を80KHz,40KHzの何れか
とする狭帯域の成分のみを通過させるフィルタである。
そして、BPFによって該当成分のみにされた光度検出
信号は、それぞれ、検波回路によって包絡線検波され、
さらにA/D変換回路によってデジタル値に変換されて
から、コントローラ90に送出される。これにより、ド
ライバ80は、同時に駆動されたLED62から発した
光を同時に検出し、これらの検出光度からそれぞれの駆
動電流の該当周波数成分を弁別して抽出するものとなっ
ている。少なくとも隣接するPD63については周波数
分離することによって弁別するものとなっている。
【0097】これら第3,第4実施例の吸光光度計の動
作および使用態様は第2実施例のそれとほぼ同様なの
で、重複する再度の説明は割愛して、以下、複数点同時
測定に伴う特徴的な動作を述べる。すなわち、前後左右
に位置する隣のLED62及びさらにその隣のLED6
2からの漏洩光がどうなるかについて、図9を引用して
説明する。
【0098】図9における左端のPD63及びその受光
面前方に開口した導光路63bを基準にする。すると、
その隣のPD63に該当するLED62は図9において
中央のLED62となるが、このLED62からの漏洩
光は、左端の導光路63bへ斜めに入って来た後、一部
が左端の導光路63bの内壁面で何度が反射して弱まり
ながらも左端のPD63へ達してしまう(図9における
破線を参照)。しかし、この漏洩光は、光度検出回路8
6又は光度検出回路88によって除去される。
【0099】また、隣の隣のPD63に該当するLED
62は図9において右端のLED62となる。そして、
この右端のLED62からの漏洩光は、僅かに左端の導
光路63bへ入って来るが、ほとんど水平に近い傾きの
斜めで入って来るので、導光路63bへ入った後は、ほ
ぼ総てが左端の導光路63bの内壁面で直ちに上方へ反
射して出されることとなる(図9における太矢線を参
照)。
【0100】こうして、隣接の発光ダイオード以外は、
駆動信号を弁別可能にするまでもなく、漏洩光の影響が
除去される。したがって、マトリクス状多点の吸光度測
定を複数点同時に行う吸光光度計が簡素な構成で具現化
できて、しかも正確な測定精度も確保できる。
【0101】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1,第2の解決手段の吸光光度計にあっては、多く
の照射光を集めるとともにそれを細く絞り込むように導
光路形状を工夫したことにより、集光効率の良い吸光光
度計を簡素な構成で実現することができたという有利な
効果が有る。
【0102】また、本発明の第3の解決手段の吸光光度
計にあっては、反射光が高率で前進するように導光路内
壁面の表面仕上げを工夫したことにより、集光効率の一
層良い吸光光度計を簡素な構成で実現できたという有利
な効果を奏する。
【0103】さらに、本発明の第4の解決手段の吸光光
度計にあっては、LED光変調にテーパ状導光路を組み
合わせたことにより、S/N比の低下等を防止して、集
光効率が良くて明るくても手軽に正確な吸光度測定を行
える吸光光度計を簡素な構成で実現することができたと
いう有利な効果が有る。
【0104】また、本発明の第5の解決手段の吸光光度
計にあっては、直線的な移送と小規模な照射機構との結
合に加えてテーパ状導光路も組み合わせたことにより、
S/N比の低下を招くことなく移送速度が上げられるの
で、集光効率の良いことに加えてマトリクス状多点の吸
光度測定を速やかに行える吸光光度計を簡素な構成で実
現することができたという有利な効果を奏する。
【0105】さらに、本発明の第6の解決手段の吸光光
度計にあっては、LEDアレイ及びLED発光強度変調
の結合に加えてテーパ状の導光路をも組み合わせて、複
数点同時測定に際して隣の発光ダイオードからの漏洩光
を弁別するだけで済むようにしたことにより、集光効率
の良いことに加えてマトリクス状多点の吸光度測定を複
数点同時に行える吸光光度計を実現することができたと
いう有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の吸光光度計の第1実施例につい
て、その測定部の拡大断面図である。
【図2】 その挟持体の外形図である。
【図3】 その回路ブロック図である。
【図4】 その動作状態図である。
【図5】 この発明の吸光光度計の第2実施例につい
て、その全体の正面図である。
【図6】 その要部の構成を示すブロック図である。
【図7】 この発明の吸光光度計の第3実施例の要部構
成図である。
【図8】 この発明の吸光光度計の第4実施例の要部構
成図である。
【図9】 その動作状態図である。
【図10】 従来の吸光光度計の外観図である。
【図11】 従来の吸光光度計(XY走査)のブロック
図である。
【図12】 従来の吸光光度計(LED変調)のブロッ
ク図である。
【図13】 従来の吸光光度計(LEDアレイ)のブロ
ック図である。
【図14】 その測定部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 プレート(マイクロプレート;測定容器;被検
体) 1a セル(ウェル;試料室;測定部位) 2 比濁計(吸光光度計) 3 センダ・レシーバ 4 マルチプレクサ(LED選択切換回路) 5 マルチプレクサ(PD選択切換回路) 6 テープ(被検体) 7 LED(発光ダイオード;発光素子) 7a 保持部(貫通穴) 7b 段差部(貫通穴) 7c 導光路(貫通穴) 8 PD(フォトダイオード;受光素子) 8a 保持部(貫通穴) 9 チューブ(被検体) 20 本体 21 発振回路 22 アンプ 23 バンドパスフィルタ(BPF;フィルタ回路;
弁別抽出手段) 24 検波回路 25 アンプ 26 表示器 30 挟持体(探子;探触部;探体部;別体) 31 コード 32 LED(発光ダイオード;発光素子;発光体;
光源) 33 コード 34 フォトダイオード(受光素子;受光器;検出素
子) 35 挟持片(照射機構) 35a 保持部(貫通穴) 35b 導光路(貫通穴) 35c 導光路先端部(貫通穴) 36 挟持片(受光素子保持機構) 36a 保持部(貫通穴) 36b 導光路(貫通穴) 37 スプリング 38 ネジ 50 吸光光度計本体 51 センダユニット 52 レシーバユニット 60 照射機構(兼受光素子保持機構) 61 ラインホルダ 61a LEDアレイモジュール(発光ユニット;照射
機構) 61b PDアレイモジュール(受光ユニット;受光素
子保持機構) 62 LED(発光ダイオード;発光素子;発光体;
光源) 62a 保持部(貫通穴) 62b 導光路(貫通穴) 62c 導光路先端部(貫通穴) 63 PD(フォトダイオード;受光素子;検出素
子) 63a 保持部(貫通穴) 63b 導光路(貫通穴) 64 支軸 70 移送機構 71 定速駆動回路 72 モータ 73 駆動輪 74 ベルト 80 ドライバ(駆動回路) 81 アドレスレジスタ 82 LED選択回路 83 PD選択回路 84 A/D変換回路 85 LED駆動回路(駆動回路) 86 光度検出回路(相関演算回路;相関演算手段;
弁別抽出手段) 87 LED駆動回路(駆動回路) 88 光度検出回路(フィルタ回路;弁別抽出手段) 90 コントローラ(制御演算部) 91 発光制御プログラム 92 スキャン制御プログラム 93 光度入力プログラム 93a 光度入力プログラム 94 0%テーブル 95 100%テーブル 96 セルテーブル 97 吸光率演算プログラム 98 表示制御プログラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大科 千鶴子 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 山田 泰 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光を試料に照射して透過光の光
    度を検出しこの検出光度に基づいて前記試料の吸光度を
    求める吸光光度計において、前記光源として設けられ発
    光波長が前記試料の吸収波長域に対応した発光ダイオー
    ドと、測光に際して前記発光ダイオードからの光を光学
    的には直接に前記試料へ照射させる照射機構とを備え、
    前記発光ダイオードの照射前方に開口した導光路が、鋭
    角のテーパ状に形成されていることを特徴とする吸光光
    度計。
  2. 【請求項2】光源からの光を試料に照射して透過光の光
    度を検出しこの検出光度に基づいて前記試料の吸光度を
    求める吸光光度計において、前記光源として設けられ発
    光波長が前記試料の吸収波長域に対応した発光ダイオー
    ドと、測光に際して前記発光ダイオードからの光を光学
    的には直接に前記試料へ照射させる照射機構と、前記透
    過光の光度検出用に設けられた受光素子とを備え、この
    受光素子の受光面前方に開口した導光路が、鋭角のテー
    パ状に形成されていることを特徴とする吸光光度計。
  3. 【請求項3】前記導光路は、内壁面が軸芯方向に沿った
    表面仕上げ処理が施されたものであることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の吸光光度計。
  4. 【請求項4】所定周波数の交流成分を含んだ駆動電流を
    前記発光ダイオードに供給する駆動回路と、前記試料を
    透過した光度を検出しこの検出光度から前記所定周波数
    の該当成分を抽出して出力するフィルタ回路等の弁別抽
    出手段とを備え、この弁別抽出手段の出力に基づいて前
    記試料の吸光度を求めることを特徴とする請求項1乃至
    請求項3の何れかに記載された吸光光度計。
  5. 【請求項5】試料を保持する複数の測定部位がマトリク
    ス状に配設された被検体を前記マトリクスの列方向(又
    は行方向)に沿って一方向又は往復双方向等の直線的に
    移送する移送手段を備え、前記発光ダイオードは、複数
    個が設けられ前記マトリクスの行方向(又は列方向)に
    沿って少なくともライン状に配設されたものであること
    を特徴とする請求項4記載の吸光光度計。
  6. 【請求項6】前記発光ダイオードは、試料を保持する被
    検体においてマトリクス状に配設された複数の測定部位
    の総て又はその一部に対応して複数個が設けられたもの
    であり、前記駆動回路は、弁別可能な交流成分を含んだ
    複数の駆動電流を生成するとともにこれらを前記複数の
    発光ダイオードのうちの隣接するものに対し並行して送
    出するものであることを特徴とする請求項4記載の吸光
    光度計。
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