JP2014092485A - 成分検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出精度に優れた成分検出装置を提供すること。
【解決手段】光源(1)と受光素子(2)とを備えた検出光学系を複数組有し、試料中の成分を検出する際に、隣接する検出光学系において、光源(1)は何れも、強く発光する第一期間と弱く発光するまたは消光する第二期間とを周期的に繰り返しかつ、光源(1)は何れも第一期間の少なくとも一部が他方の光源(1)の第二期間の少なくとも一部と重なるように発光する。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料中の成分の検出に用いる成分検出装置に関するものである。
近年、複数の検出部を備える検査チップに試料を導入し、当該試料中の複数の成分を化学反応による呈色または蛍光を利用して検出および定量する手法が用いられている。その際に用いられる検出装置として、一組の光源と受光素子とからなる検出光学系を、検査チップに設けられた複数の検出部に対して走査させる検出装置が知られている。しかし、化学反応の中には、反応開始から一定時間後に測定する必要があるものがある。一組の検出光学系では走査時間が必要であるため、対応することが困難である。
一方、複数組の検出光学系を備えた検出装置も知られている。例えば、特許文献1には、複数の反応検出部を備えたマイクロチップが装着され、反応検出部ごとに設けられた光源と受光部とを備えた検査装置が記載されている。この検出装置では、光源からの光を対応する流路(反応検出部)にのみ導くために中空穴(円筒状の筒)が設けられ、また対応する流路からの光のみを受光するために中空穴(円筒状の筒)が設けられている。
特開2003−4752号公報(2003年1月8日公開)
複数の光源を同時に発光させた場合、他の検出部からの反射光または透過光が迷光として受光素子に入射する。また、他の光源からの光が受光素子に直接入射する場合もある。そのため、成分を高精度で検出することが困難となる。特に検出装置を小型化する場合には、検出光学系も小型化する必要があり、複数組の光源の同時発光による迷光の影響が顕著となる。
特許文献1に記載の検査装置では、中空穴(円筒状の筒)とマイクロチップとの隙間からの迷光を完全に抑制することは困難である。その上、低コスト化などを目的としてマイクロチップを小さくするために反応検出部同士の距離を接近させる場合には、さらに迷光が混入しやすくなる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、試料中の成分を検出する成分検出装置あって、隣接する検出光学系に由来する迷光による影響をより低減し、成分の検出精度をより向上させた成分検出装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る成分検出装置は、
試料中の成分を検出する成分検出装置であって、
試料に対して光を照射する光源と、試料から得られる光を受光する受光素子とを備えた検出光学系を複数組有し、
試料中の成分を検出する際に、隣接する上記検出光学系において、上記光源は何れも強く発光する第一期間と弱く発光するまたは消光する第二期間とを周期的に繰り返しかつ、当該光源は何れも第一期間の少なくとも一部が他方の光源の第二期間の少なくとも一部と重なるように発光することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、試料中の成分を検出する成分検出装置において、隣接する検出光学系に由来する迷光による影響をより低減し、成分の検出精度をより向上させるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る成分検出装置に検査チップを配置した状態を示す模式図である。 本発明の第1実施形態におけるグルコースの検出反応を示す図である。 本発明の第1実施形態における光源の発光スペクトルの一例を示す図である。 隣接する光源を同時に発光する成分検出装置における、光源からの光量および受光素子の出力の一例を示す図である 本発明の第1実施形態に係る成分検出装置における、光源からの光量および受光素子の出力の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る成分検出装置における、光源からの光量および受光素子の出力の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る成分検出装置における、光源からの光量および受光素子の出力の一例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る成分検出装置に検査チップを配置した状態を示す模式図である。 本発明の第5実施形態に係る成分検出装置に検査チップを配置した状態を示す模式図である。 本発明の第6実施形態に係る成分検出装置に検査チップを配置した状態を示す模式図である。 尿酸の検出反応の一例を示す図である。 クレアチニンの検出反応の一例を示す図である。 クレアチニンの検出反応の他の例を示す図である。 AST/GOTの検出反応の一例を示す図である。 ALT/GPTの検出反応の一例を示す図である。 γGTPの検出反応の一例を示す図である。 γGTPの検出反応の他の例を示す図である。 中性脂肪の検出反応の一例を示す図である。 コレステロールの検出反応の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る成分検出装置における機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る成分検出装置における動作制御を示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
本発明に係る成分検出装置の一実施形態(第1実施形態)について、図1〜5を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る成分検出装置に検査チップを配置した状態を(a)上から見た図および(b)横から見た図である。なお、成分検出装置は光源および受光素子のみを図示し、他の構成は省略している。図2は、第1実施形態における(a)グルコース検出反応および(b)当該反応の生成物の吸収スペクトルを示す。図3は、第1実施形態における光源の発光スペクトルの一例を示す。図4は、参考として、隣接する検出光学系の光源同士の発光パルスの位相が同じ場合の、光源からの光量および受光素子の出力の一例を示す。図5は、本発明の第1実施形態に係る成分検出装置における、光源からの光量および受光素子の出力の一例を示す。なお、図1は模式図であり、正確な寸法および位置を示すものではない。
第1実施形態に係る成分検出装置100は、光源1と受光素子2とからなる検出光学系を複数組備えている。当該検出光学系は、試料中の成分を検出するためのものである。複数の検出光学系は、一直線上に並んで互いに近接配置されている。より具体的には、異なる検出光学系を構成する複数の光源1は一直線上に並んで互いに近接配置され、複数の受光素子2は、光源1と略同じ高さで光源1からは所定の距離をおいた一直線上に並んで互いに近接配置されている。各光源1としては、LEDまたはLDなどの公知の光源を用いることができる。各受光素子2としては、Siフォトダイオード、フォトマル、CCD、CMOSなどの公知の受光素子を用いることができる。第1実施形態に係る成分検出装置100はさらに、各光源1の発光を制御する光源制御部12、各受光素子2からの出力および成分の量を算出するための換算テーブルなどを記憶するメモリ15、成分の量を算出する出力処理部14などを備えている(図20参照)。
検査チップ3は、複数の流路7および複数の検出部8が形成された上基板5と、上基板5と貼り合わせられた下基板4と、1つの試料導入部6と、を備えている。複数の検出部8は、上基板5の短辺と略並行な一直線上に互いに近接して配置されている。各流路7は、一端が試料導入部6と繋がっており、他端がそれぞれ別々の検出部8と繋がっている。試料導入部6は、各流路7と接続する導入口に血球除去フィルタを備えており、試料として血液を用いる場合に当該試料中の血球を除去することができる。検出部8には試料中の成分と反応して呈色する試薬(多段階反応である場合には、それぞれの段階に必要な試薬も含む)が含浸されたメンブレンがセットされている。
試料導入部6から導入された試料は、血球除去フィルタにより血球が除去された後(試料として血液を用いる場合)、毛細管力によって各流路7を流れる。試料が検出部8に到達すると、検出部8にセットされたメンブレン中の試薬と接触する。試薬と反応する成分が含まれている試料では、当該成分と当該試薬とが反応し、試料中の当該成分の量(濃度)に応じて呈色する。
成分の検出に際して検査チップ3を成分検出装置100に配置したときには、各検出光学系は、検査チップ3の上方であって、かつ上方から見て光源1と受光素子2とが1つの検出部8を挟むように位置づけられる。なお、検査チップ3は、成分検出装置100のステージ10(図20参照)上に載置される。
第1実施形態では、血液中のグルコースを検出する。グルコース検出反応としては、図2の(a)に示される2段階の反応を用いる。各検出部8にセットされたメンブレンには、試薬として、グルコースオキシダーゼ(GOD)、4−アミノアンチピリン(AA)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリンのナトリウム塩(TOOS)、およびペルオキシダーゼ(POD)が含浸されている。この反応で生成する化合物の吸収スペクトルは、図2の(b)に示されるように、555nmにピークを有する。
ここで、上記グルコース検出反応で生成する化合物を効率的に検出できるように、各光源1は555nm付近にピークを有する光源であることが好ましい。以下では、各光源1は、図3に示される発光スペクトルを有するLEDであるとして説明する。
なお、本明細書において「パルス発光」とは、強く発光する期間(第一期間)と弱く発光するまたは消光する期間(第二期間)とを周期的に繰り返す発光を指す。ここでいう「強く」および「弱く」は、ある光源における第一期間の発光が当該光源における第二期間の発光よりも強いことを意味するものであり、他の光源との相対的な強弱を指すものではない。パルス発光の一例は、発光(第一期間)および消光(第二期間)を周期的に繰り返す発光である。
また、本明細書において、「位相がずれる」とは、特に2つの光源間でパルス発光の周期(発光周期)および発光のデューティー(発光時間/発光周期)が同じ場合において、当該2つの光源間で上記第一期間同士および第二期間同士が、完全には一致していないこと、すなわち、2つの光源は何れもその第一期間の少なくとも一部が他方の光源の第二期間の少なくとも一部と重なっていることを指す。「位相が同じ」とは、特に複数の光源間でパルス発光の周期(発光周期)および発光のデューティー(発光時間/発光周期)が同じ場合において、当該複数の光源間で上記第一期間同士および第二期間同士が、完全に一致していることを指す。
また、本明細書において、「隣接する」とは、単に隣りにあることを意味するものであり、絶対的な距離が近い(近接する)ことのみを意味するものではない。また、物理的に接触していない場合も含む。したがって、「隣接する検出光学系」とは、ある検出光学系と当該検出光学系の隣りにある検出光学系とを指す。例えば、検出光学系a、b、c、dおよびeがこの順序で一直線上に並んでいる場合、「隣接する検出光学系」とは、検出光学系aと検出光学系bとの組み、検出光学系bと検出光学系cとの組み、検出光学系cと検出光学系dとの組み、および検出光学系dと検出光学系eとの組みを指す。あるいは、「隣接する検出光学系」とは、ある検出光学系に対して、隣にある検出光学系を指す。例えば、検出光学系a、b、c、dおよびeがこの順序で一直線上に並んでいる場合、検出光学系bに「隣接する検出光学系」は、検出光学系aおよび検出光学系cである。「隣接する」は、好ましくは互いに影響を及ぼし得る(検出光学系同士が光学的に互いに干渉する)距離にある。
(参考例:光源同士のパルス発光の位相をずらさない場合)
まず、図1に示す配置において、各光源1に、発光および消光を周期的に繰り返すパルス発光をさせ、かつ隣接する検出光学系の光源同士のパルス発光の位相がずれていない(同じタイミングで発光する)場合について説明する。
この場合は、試料中の成分を検出する際、各光源1は対応する検出部8に向けて同時にパルス発光する。各光源1のパルス発光の周期(発光周期)はPである。発光時間(第一期間)の長さと消光時間(第二期間)の長さとが同じである。すなわち、発光のデューティー(発光時間/発光周期)は0.5である。また、発光時の発光強度は、各光源1で互いに同じである。このときの、隣接する任意の2つの検出光学系における光源1a・1bの光量および受光素子2a・2bの出力について、図4を参照しつつ説明する。なお、光源1aと受光素子2aとが一つの検出光学系を構成し、光源1bと受光素子2bとが他の検出光学系を構成している。また、光源1aは検出部8aに向けて発光するものであり、光源1bは検出部8bに向けて発光するものである。また、光源1a・1b、受光素子2a・2b、および検出部8a・8bは説明のために便宜上区別して表したものであり、図1においては光源1、受光素子2、および検出部8と表している。
光源1aの経時的な光量を図4の(a−1)に示す。光源1bの経時的な光量を図4の(b−1)に示す。光源1aおよび光源1bは周期Pでパルス発光し、発光のデューティーは0.5である。光源1aからの光は、一部が検出部8aで上記反応の生成物に吸収され、その残りがメンブレンにより反射されて受光素子2aに入射する。受光素子2aは受光した光量に応じた出力信号(例えば、電流または電圧)を出力する。光源1bからの光は、一部が検出部8bで上記反応の生成物に吸収され、その残りがメンブレンにより反射されて受光素子2bに入射する。受光素子2bは受光した光量に応じた出力信号を出力する。
隣接する光源1bからの迷光の影響がない理想的な条件での受光素子2aの出力は図4の(a−2)のようになる。しかし、実際には、隣接する光源1bからの光の一部が迷光として受光素子2aに直接入射する。また、検出部8bから反射された光の一部が迷光として受光素子2aに入射する。さらに、検査チップ3が光透過性である場合には、検査チップ3内を伝播した光が迷光として受光素子2aに入射する。このような隣接する光源1bに由来する迷光が受光素子2aに入射する場合の受光素子2aの出力は図4の(a−3)のようになる。すなわち、光源1bに由来する迷光の分だけ受光素子2aの出力が増加する。そのため、検出部8aの試料について算出される成分の量は、実際の量と異なる値となる。
光源1b・受光素子2bにおいても同様である。すなわち、隣接する光源1aからの迷光の影響がない理想的な条件での受光素子2bの出力は図4の(b−2)のようになる。しかし、実際には、隣接する光源1aからの光の一部が迷光として受光素子2bに直接入射する。また、検出部8aから反射された光の一部が迷光として受光素子2bに入射する。さらに、検査チップ3が光透過性である場合には、検査チップ3内を伝播した光が迷光として受光素子2bに入射する。このような隣接する光源1aに由来する迷光が受光素子2bに入射する場合の受光素子2bの出力は図4の(b−3)のようになる。すなわち、光源1aに由来する迷光の分だけ受光素子2bの出力が増加する。そのため、検出部8bの試料について算出される成分の量は、実際の量と異なる値となる。
このように、隣接する検出光学系の光源同士のパルス発光の位相がずれていない場合は、隣接する光源に由来する迷光の分だけ増加した出力しか得られないため、試料中の成分を高精度で検出することは困難である。
(光源同士のパルス発光の位相をずらす場合)
それに対して、本発明の第1実施形態に係る成分検出装置100では、試料中の成分を検出する際、各光源1は対応する検出部8に向けて、隣接する光源1と位相をずらして、発光および消光を周期的に繰り返すパルス発光をする。各光源1のパルス発光の周期はPである。発光のデューティーは0.5である。隣接する光源1との位相のずれは、何れも2π×(P/3)/P=(2π)/3 (1/3周期)である。発光時の発光強度は、各光源1で互いに同じである。このときの、隣接する任意の2つの検出光学系における光源1c・1dの光量および受光素子2c・2dの出力について、図5を参照しつつ説明する。なお、光源1cと受光素子2cとが一つの検出光学系を構成し、光源1dと受光素子2dとが他の検出光学系を構成する。また、光源1cは検出部8cに向けて発光するものであり、光源1dは検出部8dに向けて発光するものである。なお、光源1c・1d、受光素子2c・2d、および検出部8c・8dは説明のために便宜上区別して表したものであり、図1においては光源1、受光素子2、および検出部8と表している。
光源1cの経時的な光量を図5の(c−1)に示す。光源1dの経時的な光量を図5の(d−1)に示す。光源1cおよび光源1dは周期Pでパルス発光し、発光のデューティーは0.5である。光源1cと光源1dとは、位相が2π×(P/3)/P=(2π)/3 (1/3周期)ずれている。光源1cからの光は、一部が検出部8cで上記反応の生成物に吸収され、その残りがメンブレンにより反射されて受光素子2cに入射する。受光素子2cは受光した光量に応じた出力信号を出力する。光源1dからの光は、一部が検出部8dで上記反応の生成物に吸収され、その残りがメンブレンにより反射されて受光素子2dに入射する。受光素子2dは受光した光量に応じた出力信号を出力する。
隣接する光源1dからの迷光の影響がない理想的な条件での受光素子2cの出力は図5の(c−2)のようになる。しかし、実際には、隣接する光源1dからの光の一部が迷光として受光素子2cに直接入射する。また、検出部8dから反射された光の一部が迷光として受光素子2cに入射する。さらに、検査チップ3が光透過性である場合には、検査チップ3内を伝播した光が迷光として受光素子2cに入射する。ここで、光源1cおよび光源1dの発光のデューティーは0.5であり、光源1cと光源1dとは位相が2π×(P/3)/P=(2π)/3 (1/3周期)ずれている。そのため、光源1dに由来する迷光が受光素子2cに入射するタイミングは、光源1cに由来する光が受光素子2cに入射するタイミングとずれる。詳細には、光源1cが発光し始めた直後は、光源1dは消光しているため、光源1cに由来する光のみが受光素子2cに入射する。その後、光源1dが発光を開始すると、光源1dに由来する迷光と光源1cに由来する光との両方が受光素子2cに入射する。さらに、光源1cが消光した後は、まだ発光している光源1dに由来する迷光のみが受光素子2cに入射する。
そのため、光源1dに由来する迷光による受光素子2cの出力は、光源1cに由来する光による受光素子2cの出力とずれる。したがって、隣接する光源1dに由来する迷光が受光素子2cに入射する場合の受光素子2cの出力は図4の(c−3)のようになる。
ここで、受光素子2cの出力のうち、光源1cが消光している時間における出力は迷光によるものであると判断することができる。そこで、光源1cが発光している時間における受光素子2cの出力のみをサンプリングした出力を図5の(c−4)に示す。第1実施形態に係る成分検出装置100では、この光源1cが発光している時間における受光素子2cの出力のみを用いて、検出部8cにおける試料中の成分の量を算出する。具体的には、この出力の平均または積分値を換算テーブルまたは換算式を用いて換算することで量(または濃度)を算出する。換算テーブルまたは換算式(検量線)は予め測定し、成分検出装置100内部のメモリ15に記憶しておく。
このように、隣接する光源1dに由来する迷光の一部を除外して、検出部8cにおける試料中の成分の量が算出されるため、従来と比較して、迷光による影響が低減され、検出部8cにおける成分の検出精度が向上する。
一方、隣接する光源1cからの迷光の影響がない理想的な条件での受光素子2dの出力は図5の(d−2)のようになる。しかし、実際には、隣接する光源1cからの光の一部が迷光として受光素子2dに直接入射する。また、検出部8cから反射された光の一部が迷光として受光素子2dに入射する。さらに、検査チップ3が光透過性である場合には、検査チップ3内を伝播した光が迷光として受光素子2dに入射する。ここで、光源1cおよび光源1dの発光のデューティーは0.5であり、光源1cと光源1dとは位相が2π×(P/3)/P=(2π)/3 (1/3周期)ずれている。そのため、光源1cに由来する迷光が受光素子2dに入射するタイミングは、光源1dに由来する光が受光素子2dに入射するタイミングとずれる。詳細には、光源1dが発光し始める前に光源1cが発光するため、まず光源1cに由来する迷光のみが受光素子2dに入射する。その後、光源1dが発光を開始すると、光源1dに由来する光と光源1cに由来する迷光との両方が受光素子2dに入射する。さらに、光源1cが先に消光し、まだ発光している光源1dに由来する光のみが受光素子2dに入射する。
そのため、光源1cに由来する迷光による受光素子2dの出力は、光源1dに由来する光による受光素子2dの出力とずれる。したがって、隣接する光源1cに由来する迷光が受光素子2d入射する場合の受光素子2dの出力は図4の(d−3)のようになる。
ここで、受光素子2dの出力のうち、光源1dが消光している時間における出力は迷光によるものであると判断することができる。そこで、光源1dが発光している時間における受光素子2dの出力のみをサンプリングした出力を図5の(d−4)に示す。第1実施形態に係る成分検出装置100では、この光源1dが発光している時間における受光素子2dの出力のみを用いて、検出部8d中における試料中の成分の量を上述と同様に算出する。
このように、隣接する光源1cに由来する迷光の一部を除外して、検出部8dにおける試料中の成分の量が算出されるため、光源1c・受光素子2cと同様に、従来と比較して、迷光による影響が低減され、成分の検出精度が向上する。
なお、各光源1におけるパルス発光を制御するプログラムは、予め光源制御部12に格納されている。各受光素子2の出力から対応する光源1の発光時間における出力のみをサンプリングするプログラムは、予め受光素子制御部13に格納されている。当該プログラムは、例えば、光源1の発光タイミングとサンプリングタイミングとを同期させるように成分検出装置100を動作制御する。あるいは、サンプリングは常時行って得られた信号値の中から、光源1の発光時間に対応する信号値のみを選び出すようにすることもできる。
本発明の第1実施形態に係る成分検出装置100の成分検出における動作制御の一例について、図20および図21を参照しつつ、さらに説明する。図20は、本発明の第1実施形態に係る成分検出装置100における機能ブロック図である。図21は、本発明の第1実施形態に係る成分検出装置100における動作制御を示すフローチャートである。
図20に示されるように、動作を制御する動作制御部11は、各光源1の発光を制御する光源制御部12、各受光素子2からの出力信号を処理する出力処理部14を制御する受光素子制御部13、および成分の検出結果などを表示部17に表示するよう制御する表示制御部16を含んでいる。受光素子制御部13は、さらにメモリ15を含んでいる。なお、動作制御部11、光源制御部12および受光素子制御部13はそれぞれ、自身の動作制御を行うための制御プログラムが保存されたメモリ(図示せず)をさらに含んでいる。
図21に示されるように、まず、検査チップ3を成分検出装置100に挿入する(S1)。すると、受光素子制御部13は、全ての受光素子2からの信号値を、出力処理部14を介してメモリ15に記憶させる(S2)。次いで、光源制御部12は、上述のように隣接する光源1同士の位相がずれるように、全ての光源1のパルス発光を開始させる(S3)。すなわち、光源制御部12は、一直線上に並んでいる各光源1について、図5の(c−1)に示されるタイミングでパルス発光する光源1と(d−1)に示されるタイミングでパルス発光する光源1とが交互になるように、全ての光源1のパルス発光を開始させる。そして、表示制御部16は、試料の検査チップ3への導入を促す表示を表示部17にする(S4)。ここで、検査チップ3に試料を導入して、検出部8(図1参照)に試料を送り込む。出力処理部14は、各受光素子2からの信号値が予め設定した閾値を超えて変化したか否かを調べる(S5)。なお、閾値は、検出部8に試料が適切に導入された場合にのみ超えるよう、設定されている。閾値を超えて変化した場合、受光素子制御部13は、その変化した時の時刻T、および時刻Tから予め設定した時間t経過時(時刻T)までの各時間における(経時的な)各受光素子2からの信号値を、メモリ15に記憶させる(S6−1)。一方、閾値を超えて変化しなかった受光素子2については、当該受光素子2の検出にエラーがあった旨を、表示制御部16が表示部17に表示させる(S6−2)。時刻T後、受光素子制御部13は各受光素子2からの信号値の保存を停止し、また、光源制御部12は各光源1のパルス発光を停止させる(S7)。
次いで、出力処理部14は、時刻Tから、予め設定した時間t経過時の時刻T(時刻Tより前)までの受光素子2からの信号値の平均値avg1を、各受光素子2(S5において信号値が閾値を超えて変化しなかった受光素子2を除く)についてそれぞれ算出する(S8)。また、出力処理部14は、Tにおける各受光素子2からの信号値v1を、各受光素子2についてそれぞれ算出する(S9)。あるいは、出力処理部14は、時刻Tから予め設定した時間t経過時の時刻T(時刻Tより後)からTまでの受光素子2からの信号値の平均値avg2を、各受光素子2についてそれぞれ算出する(S9)。出力処理部14は、v1(あるいはavg2)とavg1との差または比を算出し、その差または比を予めメモリ15に記憶されている検量線(換算式)に代入して、試料中の成分の濃度を算出する(S10)。表示制御部16は、算出された成分の濃度を表示部17に表示する(S11)。
なお、複数種類の成分を同時に検出する場合は、時間t、時間tおよび時間tを受光素子2毎に変えてもよい。
以上のように、第1実施形態では、隣接する検出光学系の光源同士のパルス発光の位相がずれているため、迷光による影響が低減され、成分の検出精度が向上する。加えて、隣り合う検出光学系間での略並行検出処理を可能とする。すなわち、隣り合う検出光学系間ではパルス発光の位相ずれ分の時間差が生じるだけで、実質的に略並行に、異なる試料の検出を行うことができる。特に多数の試料を当該試料の数に応じた検出光学系を用いて並行検出する場合には効果が顕著となる。なお、これらの効果は、後述する何れの実施形態でも奏するものである。
〔第2実施形態〕
本発明に係る成分検出装置の他の実施形態(第2実施形態)について、図1および図6を参照しつつ説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る成分検出装置における、光量および受光素子の出力の一例を示す図である。
第2実施形態に係る成分検出装置は、図1に示されている第1実施形態に係る成分検出装置100と同様の位置に各部材を有し、同様の位置に検査チップ3が配置される。
第2実施形態に係る成分検出装置では、試料中の成分を検出する際、各光源1は対応する検出部8に向けて、隣接する光源1と位相をずらしてパルス発光する。各光源1のパルス発光の周期はPである。発光のデューティーは0.5である。発光時の発光強度は、各光源1で互いに同じである。隣接する光源1との位相のずれは、何れも2π×(P/2)/P=π(半周期)である。このときの、隣接する任意の2つの検出光学系における光源1e・1fの光量および受光素子2e・2fの出力について、図6を参照しつつ説明する。なお、光源1eと受光素子2eとが一つの検出光学系を構成し、光源1fと受光素子2fとが他の検出光学系を構成している。また、光源1eは検出部8eに向けて発光するものであり、光源1fは検出部8fに向けて発光するものである。また、光源1e・1f、受光素子2e・2f、および検出部8e・8fは説明のために便宜上区別して表したものであり、図1においては光源1、受光素子2、および検出部8と表している。
光源1eの経時的な光量を図6の(e−1)に示す。光源1fの経時的な光量を図6の(f−1)に示す。光源1eおよび光源1fは周期Pでパルス発光し、発光のデューティーは0.5である。光源1eと光源1fとは、位相が2π×(P/2)/P=π(半周期)ずれている。光源1eからの光は、一部が検出部8eで上記反応の生成物に吸収され、その残りがメンブレンにより反射されて受光素子2eに入射する。受光素子2eは受光した光量に応じた出力信号を出力する。光源1fからの光は、一部が検出部8fで上記反応の生成物に吸収され、その残りがメンブレンにより反射されて受光素子2fに入射する。受光素子2fは受光した光量に応じた出力信号を出力する。
隣接する光源1fからの迷光の影響がない理想的な条件での受光素子2eの出力は図6の(e−2)のようになる。しかし、実際には、第1実施形態において説明したのと同様に、隣接する光源1fに由来する迷光が受光素子2eに入射する。ここで、光源1eおよび光源1fの発光のデューティーは0.5であり、光源1eと光源1fとは位相が2π×(P/2)/P=π(半周期)ずれている。第1実施形態と異なり、光源1eの発光時間と光源1fの発光時間とは重なる部分が全くない。そのため、光源1fに由来する迷光が受光素子2eに入射するタイミングは、光源1eに由来する光が受光素子2eに入射するタイミングと完全にずれる。詳細には、光源1eが発光している間は、光源1fは消光しているため、光源1eに由来する光のみが受光素子2eに入射する。その後、光源1eが消光すると同時に光源1fが発光を開始し、光源1fに由来する迷光のみが受光素子2eに入射する。さらに、光源1fが消光すると同時に光源1eが発光を開始し、再び光源1eに由来する光のみが受光素子2eに入射する。
そのため、光源1fに由来する迷光による受光素子2eの出力は、光源1eに由来する光による受光素子2eの出力と重ならない。したがって、隣接する光源1fに由来する迷光が受光素子2eに入射する場合の受光素子2eの出力は図6の(e−3)のようになる。
ここで、受光素子2eの出力のうち、光源1eが消光している時間における出力は迷光によるものであると判断することができる。そこで、光源1eが発光している時間における受光素子2eの出力のみをサンプリングした出力を図6の(e−4)に示す。第2実施形態に係る成分検出装置では、この光源1eが発光している時間における受光素子2eの出力のみを用いて、検出部8eにおける試料中の成分の量を、第1実施形態で説明した方法によって算出する。
このように、隣接する光源1fに由来する迷光を完全に除外して、検出部8eにおける試料中の成分の量が算出されるため、従来と比較して、迷光による影響がより低減され、検出部8eにおける成分の検出精度がより向上する。
一方、隣接する光源1eからの迷光の影響がない理想的な条件での受光素子2fの出力は図6の(f−2)のようになる。しかし、実際には、第1実施形態において説明したのと同様に、隣接する光源1eに由来する迷光が受光素子2fに入射する。ここで、上述のとおり、光源1eに由来する迷光が受光素子2fに入射するタイミングは、光源1fに由来する光が受光素子2fに入射するタイミングと完全にずれる。詳細には、光源1fが発光している間は、光源1eは消光しているため、光源1fに由来する光のみが受光素子2fに入射する。その後、光源1fが消光すると同時に光源1eが発光を開始し、光源1eに由来する迷光のみが受光素子2fに入射する。さらに、光源1eが消光すると同時に光源1fが発光を開始し、再び光源1fに由来する光のみが受光素子2fに入射する。
そのため、光源1eに由来する迷光による受光素子2fの出力は、光源1fに由来する光による受光素子2fの出力と重ならない。したがって、隣接する光源1eに由来する迷光が受光素子2fに入射する場合の受光素子2fの出力は図6の(f−3)のようになる。
ここで、受光素子2fの出力のうち、光源1fが消光している時間における出力は迷光によるものであると判断することができる。そこで、光源1fが発光している時間における受光素子2fの出力のみをサンプリングした出力を図6の(f−4)に示す。第2実施形態に係る成分検出装置では、この光源1fが発光している時間における受光素子2fの出力のみを用いて、検出部8fにおける試料中の成分の量を、第1実施形態で説明した方法によって算出する。
このように、隣接する光源1eに由来する迷光を完全に除外して、検出部8fにおける試料中の成分の量が算出されるため、従来と比較して、迷光による影響がより低減され、検出部8fにおける成分の検出精度がより向上する。
以上のように、第2実施形態では、隣接する検出光学系の光源が交互に発光しているため、迷光による影響がより低減され、成分の検出精度がより向上する。
〔第3実施形態〕
本発明に係る成分検出装置の他の実施形態(第3実施形態)について、図1および図7を参照しつつ説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る成分検出装置における、光量および受光素子の出力の一例を示す図である。
第3実施形態に係る成分検出装置は、図1に示されている第1実施形態に係る成分検出装置100と同様の位置に各部材を有し、同様の位置に検査チップ3が配置される。
第3実施形態に係る成分検出装置では、試料中の成分を検出する際、各光源1は対応する検出部8に向けて、隣接する光源1と位相をずらしてパルス発光する。各光源1のパルス発光の周期はPである。発光のデューティーは0.33(1/3)である。発光時の発光強度は、各光源1で互いに同じである。隣接する光源1との位相のずれは、何れも2π×(P/2)/P=π(半周期)である。このときの、隣接する任意の2つの検出光学系における光源1g・1hの光量および受光素子2g・2hの出力について、図7を参照しつつ説明する。なお、光源1gと受光素子2gとが対応し、光源1hと受光素子2hとが対応している。また、光源1gは検出部8gに向けて発光するものであり、光源1hは検出部8hに向けて発光するものである。また、光源1h・1g、受光素子2h・2g、および検出部8h・8gは説明のために便宜上表したものであり、図1においては光源1、受光素子2、および検出部8と表している。
光源1gの経時的な光量を図7の(g−1)に示す。光源1hの経時的な光量を図7の(h−1)に示す。光源1gおよび光源1hは周期Pでパルス発光し、発光のデューティーは0.33(1/3)である。光源1gと光源1hとは、位相が2π×(P/2)/P=π(半周期)ずれている。光源1gからの光は、一部が検出部8gで上記反応の生成物に吸収され、その残りがメンブレンにより反射されて受光素子2gに入射する。受光素子2gは受光した光量に応じた出力信号を出力する。光源1hからの光は、一部が検出部8hで上記反応の生成物に吸収され、その残りがメンブレンにより反射されて受光素子2hに入射する。受光素子2hは受光した光量に応じた出力信号を出力する。
隣接する光源1hからの迷光の影響がない理想的な条件での受光素子2gの出力は図7の(g−2)のようになる。しかし、実際には、第1実施形態において説明したのと同様に、隣接する光源1hに由来する迷光が受光素子2gに入射する。ここで、光源1gおよび光源1hの発光のデューティーは0.33(1/3)であり、光源1gと光源1hとは位相が2π×(P/2)/P=π(半周期)ずれている。第1実施形態と異なり、光源1gの発光時間と光源1hの発光時間とは全く重なっていない。そのため、光源1hに由来する迷光が受光素子2gに入射するタイミングは、光源1gに由来する光が受光素子2gに入射するタイミングと完全にずれる。さらに、第2実施形態と異なり、光源1gの発光時間と光源1hの発光時間との間に、光源1gおよび光源1hの何れもが消光している時間がある。詳細には、光源1gが発光している間は、光源1hは消光しているため、光源1gに由来する光のみが受光素子2gに入射する。その後、光源1gが消光すると、光源1hも消光しているため、受光素子2gに何れの光も入射しない。さらに、光源1hが発光を開始し、光源1hに由来する迷光のみが受光素子2gに入射する。その後、光源1hが消光すると、光源1gも消光しているため、受光素子2gには再び何れの光も入射しない。さらに、再び光源1gが発光を開始し、再び光源1gに由来する光のみが受光素子2gに入射する。
そのため、光源1hに由来する迷光による受光素子2gの出力は、光源1gに由来する光による受光素子2gの出力と完全に重ならない。また、それらの出力の間に受光素子2gの出力がない時間が存在する。したがって、隣接する光源1hに由来する迷光が受光素子2gに入射する場合の受光素子2gの出力は図7の(g−3)のようになる。
ここで、受光素子2gの出力のうち、光源1gが消光している時間における出力は迷光によるものであると判断することができる。そこで、光源1gが発光している時間における受光素子2gの出力のみをサンプリングした出力を図7の(g−4)に示す。第3実施形態に係る成分検出装置では、この光源1gが発光している時間における受光素子2gの出力のみを用いて、検出部8gにおける試料中の成分の量を、第1実施形態で説明した方法によって算出する。上述のように、第3実施形態では、光源1gおよび光源1hの何れもが消光している時間があるため、多少の誤差が生じても、光源1gおよび光源1hが同時に発光している時間が生じない。そのため、A/D変換のサンプリング周期の誤差などにより光源1hからの迷光をサンプリングする虞が低減されている。
このように、隣接する光源1hに由来する迷光をより完全に除外して、検出部8gにおける試料中の成分の量が算出されるため、従来と比較して、迷光による影響がさらに低減され、検出部8gにおける成分の検出精度がさらに向上する。
一方、隣接する光源1gからの迷光の影響がない理想的な条件での受光素子2hの出力は図7の(h−2)のようになる。しかし、実際には、第1実施形態において説明したのと同様に、隣接する光源1gに由来する迷光が受光素子2hに入射する。ここで、上述のとおり、光源1gに由来する迷光が受光素子2hに入射するタイミングは、光源1hに由来する光が受光素子2hに入射するタイミングと完全にずれる。さらに光源1gの発光時間と光源1hの発光時間との間に、光源1gおよび光源1hの何れもが消光している時間がある。詳細には、光源1hが発光している間は、光源1gは消光しているため、光源1hに由来する光のみが受光素子2hに入射する。その後、光源1hが消光すると、光源1gも消光しているため、受光素子2hに何れの光も入射しない。さらに、光源1gが発光を開始し、光源1gに由来する迷光のみが受光素子2hに入射する。その後、光源1gが消光すると、光源1hも消光しているため、受光素子2hには再び何れの光も入射しない。さらに、再び光源1hが発光を開始し、再び光源1hに由来する光のみが受光素子2hに入射する。
そのため、光源1gに由来する迷光による受光素子2hの出力は、光源1hに由来する光による受光素子2hの出力と完全に重ならない。また、それらの出力の間に受光素子2gの出力がない時間が存在する。したがって、隣接する光源1gに由来する迷光が受光素子2hに入射する場合の受光素子2hの出力は図7の(h−3)のようになる。
ここで、受光素子2hの出力のうち、光源1hが消光している時間における出力は迷光によるものであると判断することができる。そこで、光源1hが発光している時間における受光素子2hの出力のみをサンプリングした出力を図7の(h−4)に示す。第3実施形態に係る成分検出装置では、この光源1hが発光している時間における受光素子2hの出力のみを用いて、検出部8hにおける試料中の成分の量を、第1実施形態で説明した方法によって算出する。光源1h・受光素子2hと同様に、成分検出装置のサンプリング周期の誤差などにより光源1hからの迷光をサンプリングする虞が低減されている。
このように、隣接する光源1gに由来する迷光をより完全に除外して、検出部8hにおける試料中の成分の量が算出されるため、従来と比較して、迷光による影響がさらに低減され、検出部8hにおける成分の検出精度がさらに向上する。
以上のように、第3実施形態では、各光源1の発光時間と隣接する検出光学系の光源1の発光時間との間に、両方の光源が消光している時間があるため、成分検出装置のサンプリング周期の誤差などにより隣接する光源1に由来する迷光をサンプリングする虞が低減され、迷光による影響がさらに低減され、成分の検出精度がさらに向上する。
〔第4実施形態〕
本発明に係る成分検出装置の他の実施形態(第4実施形態)について、図8を参照しつつ説明する。図8は、本発明の第4実施形態に係る成分検出装置に検査チップを配置した状態を(a)上から見た図および(b)横から見た図である。なお、成分検出装置は光源、受光素子および波長吸収フィルタのみ図示し、他の構成は省略している。また、図8は模式図であり、正確な寸法および位置を示すものではない。
第4実施形態に係る成分検出装置は、図8に示されるように、第1実施形態(図1)と比較して、発光スペクトルが互いに異なる光源1αおよび光源1βが交互に配置されている。また、各受光素子2αの近傍に波長吸収フィルタ9αを備え、各受光素子2βの近傍に波長吸収フィルタ9βを備えている。波長吸収フィルタ9αは、検査チップ3が成分検出装置に配置された際に、受光素子2αと検出部8αとの間に位置するように配置されている。波長吸収フィルタ9βは、検査チップ3が成分検出装置に配置された際に、受光素子2βと検出部8βとの間に位置するように配置されている。なお、光源1αと検出部8αと受光素子2αとが対応し、光源1βと検出部8βと受光素子2βとが対応する構成となっている。
なお、光源1α・1βは第1実施形態における光源1と同じ配置であり、受光素子2α・2βは第1実施形態における受光素子2と同じ配置であるので、その配置の詳細については説明を省略する。
第4実施形態に係る成分検出装置では、検出部8αでは第1実施形態と同じグルコース検出反応を行う。一方、検出部8βでは10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンナトリウム(DA−67、和光純薬社製)を用いてグルコース検出反応を行う。DA−67を用いた場合、生成する化合物の吸収スペクトルは、666nmにピークを有する。
光源1αは第1実施形態の光源1と同じ光源である。すなわち、光源1αは555nm付近に発光スペクトルのピークを有する光源である。一方、光源1βは666nm付近に発光スペクトルのピークを有する光源である。受光素子2αおよび受光素子2βは、第1実施形態の受光素子2と同じでもよいし、異なっていてもよい。また、受光素子2αおよび受光素子2βは、互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
波長吸収フィルタ9αは666nm付近の波長を吸収するフィルタである。波長吸収フィルタ9βは555nm付近の波長を吸収するフィルタである。波長吸収フィルタ9αおよび波長吸収フィルタ9βは、公知のフィルタを用いることができる。
第4実施形態に係る成分検出装置では、試料中の成分を検出する際、隣接する光源1αと光源1βとは位相をずらしてパルス発光する。光源1αおよび光源1βのパルス発光の周期、発光のデューティー、光源1αと光源1βとの位相のずれ、および発光時の発光強度は、第1実施形態の光源1c・1dにおけるものと同じである。このときの、隣接する任意の2つの検出光学系における光源1α・1βの光量および受光素子2α・2βの出力について説明する。
上記の他の実施形態で説明したのと同様に、光源1βに由来する光の一部が、迷光として受光素子2αに向かってくる。光源1βは666nm付近の波長の光を照射するため、光源1βに由来する迷光は666nm付近の波長を有している。ここで、第4実施形態では、666nm付近の波長を吸収する波長吸収フィルタ9αが受光素子2αの手前に存在する。そのため、光源1βに由来する迷光は、受光素子2αに入射する前に、波長吸収フィルタ9αによって大部分が吸収される。したがって、受光素子2αまで到達する迷光は、波長吸収フィルタ9αがない場合と比較して少なくなる。一方、光源1αは555nm付近の波長の光を照射する。そのため、波長吸収フィルタ9αによる影響はない(図3も参照のこと)。したがって、非常に効果的に迷光による影響が低減され、成分の検出精度がよりさらに向上する。
一方、光源1αに由来する光の一部が、迷光として受光素子2βに向かってくる。光源1αは555nm付近の波長の光を照射するため、光源1αに由来する迷光は555nm付近の波長を有している。ここで、第4実施形態では、555nm付近の波長を吸収する波長吸収フィルタ9βが受光素子2βの手前に存在する。そのため、光源1αに由来する迷光は、受光素子2βに入射する前に、波長吸収フィルタ9βによって大部分が吸収される。したがって、受光素子2βまで到達する迷光は、波長吸収フィルタ9βがない場合と比較して少なくなる。一方、光源1βは666nm付近の波長の光を照射する。そのため、波長吸収フィルタ9βによる影響はない。したがって、非常に効果的に迷光による影響が低減され、成分の検出精度がよりさらに向上する。
このように、第4実施形態では、隣接する光源1αと光源1βとは照射する光の波長が異なっており、光源1αに対応する受光素子2αの近傍には光源1βの波長を吸収する波長吸収フィルタ9αを備え、光源1βに対応する受光素子2βの近傍には光源1αの波長を吸収する波長吸収フィルタ9βを備えているため、非常に効果的に迷光による影響が低減され、成分の検出精度がよりさらに向上する。
なお、第4実施形態に係る成分検出装置の構成は、上述のパルス発光の周期、発光のデューティー、および位相のずれを有する成分検出装置に限らず、第2実施形態に係る成分検出装置または第3実施形態に係る成分検出装置と同じパルス発光の周期、発光のデューティー、および位相のずれを有する成分検出装置に対しても適用することができ、同様の効果を発揮し得る。
〔第5実施形態〕
本発明に係る成分検出装置のさらに他の実施形態(第5実施形態)について、図9を参照しつつ説明する。図9は、本発明の第5実施形態に係る成分検出装置に検査チップを配置した状態を(a)上から見た図および(b)横から見た図である。なお、成分検出装置は光源および受光素子のみ図示し、他の構成は省略している。また、図9は模式図であり、正確な寸法および位置を示すものではない。
第5実施形態に係る成分検出装置は、図9に示されるように、第1実施形態と比較して、隣接する検出光学系同士で光源1および受光素子2の位置が反対になるように配置されている。すなわち、任意の光源1は隣接する検出光学系の受光素子2に隣接しており、任意の受光素子2は隣接する検出光学系の光源1に隣接している。
第5実施形態では、全ての検出部8において第1実施形態と同じグルコース検出反応を行う。全ての光源1は第1実施形態の光源1と同じ光源である。すなわち、全ての光源1は555nm付近に発光スペクトルのピークを有する光源である。また、全ての受光素子2は、第1実施形態の受光素子2と同じ受光素子である。
第5実施形態に係る成分検出装置では、試料中の成分を検出する際、各光源1は対応する検出部8に向けて、隣接する光源1と位相をずらしてパルス発光する。各光源1のパルス発光の周期、発光のデューティー、隣接する光源1との位相のずれ、および発光時の発光強度は、第1実施形態におけるものと同じである。このときの、隣接する任意の2つの検出光学系における光源1q・1rの光量および受光素子2q・2rの出力について説明する。なお、光源1qと受光素子2qとが対応し、光源1rと受光素子2rとが対応している。また、光源1qは検出部8qに向けて発光するものであり、光源1rは検出部8rに向けて発光するものである。
上述のように隣接する検出光学系同士は光源1および受光素子2の配置が反対になっているため、光源1qと受光素子2rとが隣接し、光源1rと受光素子2qとが隣接している。したがって、光源1qから受光素子2qへの光路と光源1rから受光素子2rへの光路とは方向が逆である。
受光素子2qと受光素子2rとが隣接している場合、受光素子2rは光源1qと対向する位置となる。このように対向して配置されている場合と比較して、受光素子2rが光源1qと並んで配置されている場合には、光源1qからの迷光が受光素子2rに入りにくい。そのため、光源1qに由来する光が迷光として受光素子2rに入射する量は、光路が同じ方向である場合と比較して低減される。同様に、光源1rに由来する光が迷光として受光素子2qに入射する量は、光路が同じ方向である場合と比較して低減される。
このように、第5実施形態では、隣接する検出光学系の光路を逆向きにすることによって、受光素子に入射する迷光の量を低減し、迷光による影響がより低減され、成分の検出精度がより向上する。
なお、第5実施形態に係る成分検出装置の構成は、上述のパルス発光の周期、発光のデューティー、および位相のずれを有する成分検出装置に限らず、第2実施形態に係る成分検出装置または第3実施形態に係る成分検出装置と同じパルス発光の周期、発光のデューティー、および位相のずれを有する成分検出装置に対しても適用することができ、同様の効果を発揮し得る。また、第4実施形態に係る構成と組み合わせることもできる。
〔第6実施形態〕
本発明に係る成分検出装置のさらに他の実施形態(第6実施形態)について、図10を参照しつつ説明する。図10は、本発明の第6実施形態に係る成分検出装置に検査チップを配置した状態を横から見た図である。なお、成分検出装置は光源および受光素子のみ図示し、他の構成は省略している。また、図10は模式図であり、正確な寸法および位置を示すものではない。
第6実施形態に係る成分検出装置は、図10に示されるように、第1実施形態と比較して、1つの検出光学系を構成する各光源1と各受光素子2とが対向して配置されている点が異なる。検査チップ3は光源1と受光素子2との間に配置される。より詳細には、成分の測定に際して、検査チップ3の各検出部8は、一つの検出光学系を構成する光源1と受光素子2との間に位置づけられる。検出部8には凍結乾燥させた固形状の試薬が直接入っており、各受光素子2は対応する検出部8を透過した光を検出する。
なお、検出光学系同士は、互いに隣接して配置されている。より具体的には、異なる検出光学系を構成する複数の光源1は、複数の検出部8(図1も参照)を結ぶ一直線の上方に位置する一直線上に並んで互いに近接配置され、複数の受光素子2は複数の検出部8(図1も参照)を結ぶ一直線の下方に位置する一直線上に並んで互いに近接配置されている。
第6実施形態では、全ての検出部8において第1実施形態と同じグルコース検出反応を行う。全ての光源1は第1実施形態の光源1と同じ光源である。また、全ての受光素子2は、第1実施形態の受光素子2と同じ受光素子である。第6実施形態に係る成分検出装置では、試料中の成分を検出する際、各光源1は対応する検出部8に向けて、隣接する光源1と位相をずらしてパルス発光する。各光源1のパルス発光の周期、発光のデューティー、隣接する光源1との位相のずれ、および発光時の発光強度は、第1実施形態におけるものと同じである。
第6実施形態の構成においても、第1実施形態と同様の原理により、迷光による影響がより低減され、成分の検出精度がより向上する。
なお、第6実施形態に係る成分検出装置の構成は、上述のパルス発光の周期、発光のデューティー、および位相のずれを有する成分検出装置に限らず、第2実施形態に係る成分検出装置または第3実施形態に係る成分検出装置と同じパルス発光の周期、発光のデューティー、および位相のずれを有する成分検出装置に対しても適用することができ、同様の効果を発揮し得る。また、第4実施形態に係る構成と組み合わせることもできる。さらに、第5実施形態に係る構成と組み合わせることもできる。
〔その他の実施形態〕
本発明に係る成分検出装置は、グルコースの検出以外にも用いられ得る。本発明に係る成分検出装置を用いて検出され得る成分としては、例えば、尿酸(図11)、クレアチニン(図12および図13)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)またはGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)(図14)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)またはGPT(グルタミン酸ピルビン酢酸トランスアミナーゼ)(図15)、γGTP(図16および図17)、中性脂肪(図18)、およびコレステロール(図19)などが挙げられる。検出対象の成分の検出反応における生成物が吸収する波長に応じて、光源の波長を選択すればよい。また、試料は血液に限られず、血液を濾過した血漿または血清であってもよいし、尿、唾液などであってもよい。また、試料は生体由来のものに限られず、化学的試料であってもよい。
検査チップは、上記検査チップ3の構成に限らず、試料の種類などに応じて適宜選択すればよい。また、検査チップのサイズも特に限定されない。本発明に係る成分検出装置は、マイクロチップなど小さいサイズのチップにも好適に適用することができる。
また、上記の実施形態では1つ離れた光源同士の位相は同じであるが、本発明はこれに限られない。例えば、光源1A、光源1B、および光源1Cがこの順番で隣接している場合、光源1Aの位相と光源1Cの位相とは同じである必要はなく、光源1A、光源1B、および光源1Cの位相が全てずれていてもよい。なお、この場合において、発光のデューティーが1/3以下であれば、これら3つの光源の位相を完全にずらすことができる。また、光源がN個(Nは2以上の整数)である場合、発光のデューティーが1/N以下であれば、N個全ての光源の位相を完全にずらすことができる。
また、上記の実施形態では全ての光源のパルス発光の周期は同じであるが、本発明はこれに限られない。すなわち、他の実施形態において、互いに隣接する検出光学系の光源同士は、パルス発光の周期が異なっていてもよい。ただし、互いに隣接する検出光学系の光源同士は、パルス発光の周期が同じであることが好ましい。パルス発光の周期が同じである場合には、長時間の測定においてもパルス発光の位相のずれが維持されるからである。そのため、特に、長時間測定する場合において、迷光による影響がより低減され、成分の検出精度がより向上する。
また、上記の実施形態では、各光源は発光と消光とを周期的に繰り返すが、本発明はこれに限られず、各光源は強く発光する期間とそれよりも弱く発光する(減光する)期間とを周期的に繰り返してもよい。
また、上記の実施形態では、各光源の発光時の発光強度は互いに同じであるが、本発明はこれに限られない。すなわち、他の実施形態において、互いに隣接する検出光学系の光源同士は、発光時の発光強度が異なっていてもよい。
また、隣接する検出光学系の光源が照射する光、および/または、隣接する検出光学系の一方が備える受光素子が受光する光を反射および/または吸収して、隣接する検出光学系の他方が備える受光素子へこれら光の入射を防止する遮蔽部材が設けられていてもよい。これにより、隣接する検出光学系の一方の光源からの迷光の一部は、隣接する検出光学系の他方の受光素子に受光される前に遮蔽部材によって、反射または吸収される。そのため、隣接する検出光学系の他方の受光素子に入射する迷光の量が低減する。そのため、迷光による影響がさらに低減され、成分の検出精度がさらに向上する。このような遮蔽部材としては、例えば、光学フィルタが挙げられる。
上記の実施形態では、呈色を用いて検出しているが、本発明はこれに限られない。他の実施形態において、例えば、蛍光を用いて検出してもよい。蛍光による検出では、試料中の成分に試薬を接触させることで、試料中の成分と試薬に含まれる蛍光材料とが結合(直接または蛍光材料と結合させた物質を介して)する。次いで、光源から試料へ励起光を照射することで、試料に結合した蛍光材料から蛍光が放射される。この蛍光が受光素子に入射することで、試料中の成分の濃度を検出する。光源から試料へ照射される光(励起光)と試料に結合した蛍光材料から放射される光(蛍光)とは、波長が異なる。光源としては、上記励起光を照射できる光源を用いればよい。
また、他の実施形態において、凝集法を用いて検出してもよい。凝集法では、数ミクロンまたはそれ以下のビーズ(例えば、ラテックス製またはポリスチレン製など)に、検出対象の成分と結合する物質(結合物質)が複数修飾されており、成分と結合物質とが結合することによって、複数のビーズが検出対象の成分を介して結合した凝集体が形成される。成分は濃度が高い程、凝集体のサイズが大きくなる。試料とビーズとを混合したものに、光を照射した場合、凝集体のサイズに応じて光の反射光、散乱光または透過光の強度が変化する。この光の強度の変化を検出することによって、成分の濃度を検出することができる。光の強度変化が大きくなるような波長を光源の波長として選択すれば、検出精度をより向上する。なお、入射光と、反射光、散乱光または透過光とは、同じ波長である。
また、第4実施形態に係る成分検出装置では、上記の実施形態では1つ離れた光源同士の光の波長は同じであるが、本発明はこれに限られない。例えば、光源1A、光源1B、および光源1Cがこの順番で隣接している場合、光源1Aと光源1Cの光の波長は同じである必要はなく、光源1A、光源1B、および光源1Cの光の波長が全て異なっていてもよい。さらに、光源1Bの近傍に、光源1Aの光の波長および光源1Cの光の波長の両方を吸収するフィルタを備えていてもよいし、あるいは光源1Aの光の波長を吸収するフィルタと光源1Cの光の波長を吸収するフィルタとを備えていてもよい。
また、蛍光を用いて検出する場合、成分検出装置は、隣接する光源から照射される励起光の波長を吸収するフィルタと隣接する検出部の試料から放射される蛍光の波長を吸収するフィルタ、またはこれら両方の波長を吸収するフィルタを備えていることが好ましい。迷光による影響がより低減され、成分の検出精度がより向上するからである。
また、第4実施形態に係る成分検出装置では、隣接する光源から照射される光の波長を吸収するフィルタ(波長吸収フィルタ9α・9β)が備えられているが、本発明はこれに限られない。他の実施形態において、成分検出装置は、波長吸収フィルタ9α・9βの代わりに、隣接する光源から照射される光の波長を反射する公知のフィルタ(波長反射フィルタ)を備えていてもよい。また、波長吸収フィルタおよび波長反射フィルタの両方を備えていてもよい。
〔まとめ〕
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る成分検出装置は、
試料中の成分を検出する成分検出装置であって、試料に対して光を照射する光源と、試料から得られる光を受光する受光素子とを備えた検出光学系を複数組有し、試料中の成分を検出する際に、隣接する上記検出光学系において、上記光源は何れも強く発光する第一期間と弱く発光するまたは消光する第二期間とを周期的に繰り返しかつ、当該光源は何れも第一期間の少なくとも一部が他方の光源の第二期間の少なくとも一部と重なるように発光する。
上記構成によれば、本発明に係る成分検出装置は、各光源において、強く発光している間に、隣接する検出光学系の光源が弱く発光しているまたは消光している期間がある。また、各光源において、弱く発光しているまたは消光している間に、隣接する検出光学系の光源が強く発光している期間がある。各受光素子には、隣接する検出光学系の光源から当該光源の照射対象である試料に向かう光の一部および当該試料から隣接する検出光学系の受光素子へ向かう光の一部が迷光として向かってくるが、当該迷光の少なくとも一部は、各受光素子に対応する(同じ検出光学系を構成する)光源が弱く発光しているまたは消光している時間において、当該各受光素子に入射することとなる。そのため、各検出光学系において、光源が弱く発光しているまたは消光している時間において受光素子に入射した光についての出力を用いて試料中の成分の量を算出することによって、隣接する検出光学系の光源に由来する迷光による影響が低減され、成分の検出精度が向上する。
また、本発明に係る成分検出装置の一形態において、
隣接する上記検出光学系において、上記光源間で第一期間同士の重なり合いがないことが好ましい。
上記構成によれば、各光源は、隣接する検出光学系の光源が弱く発光しているまたは消光している間のみ、強く発光する。そのため、隣接する検出光学系の一方の光源が強く発光している際の迷光は全て、他方の光源が弱く発光しているまたは消光している時間において、他方の受光素子に入射することとなる。そのため、各検出光学系において、光源が弱く発光しているまたは消光している時間において受光素子に入射した光についての出力を用いて試料中の成分の量を算出することによって、隣接する検出光学系の光源に由来する迷光による影響がより低減され、成分の検出精度がより向上する。
また、本発明に係る成分検出装置の一形態において、
隣接する上記検出光学系において、一方の光源の第一期間と他方の光源の第一期間との間に、両方の光源が第二期間となっている期間があることがより好ましい。
上記構成によれば、隣接する検出光学系において、一方の光源が強く発光する直前および直後に、他方の光源は弱く発光しているまたは消光している。つまり、一方の光源が強く発光する直前および直後は、他方の光源に由来する迷光が少ないか、あるいは迷光がない。そのため、各検出光学系において、光源が弱く発光しているまたは消光している時間において受光素子に入射した光についての出力をサンプリングする際に、成分検出装置のサンプリング周期の誤差などがあっても、隣接する光源に由来する迷光は少ないかまたはない。そのため、迷光による影響がさらに低減され、成分の検出精度がさらに向上する。
また、本発明に係る成分検出装置の一形態において、
隣接する上記検出光学系において、一方の光源の発光の周期と他方の光源の発光の周期とが同じであることがさらに好ましい。
上記構成によれば、長時間の測定においても、隣接する検出光学系の光源同士の発光の位相のずれが維持される。そのため、特に、長時間測定する場合において、迷光による影響がさらに低減され、成分の検出精度がさらに向上する。
また、本発明に係る成分検出装置の一形態において、
隣接する上記検出光学系において、上記光源は何も、上記第二期間において消光することがさらに好ましい。
上記構成によれば、隣接する検出光学系の光源が第二期間である間に、当該光源に由来する迷光が受光素子に入射することがない。そのため、迷光による影響がさらに低減され、成分の検出精度がさらに向上する。
また、本発明に係る成分検出装置の一形態において、
隣接する上記検出光学系の一方が備える光源が照射する光(光A)、および/または、隣接する検出光学系の一方が備える受光素子が受光する光(光B)を反射および/または吸収して、隣接する検出光学系の他方が備える受光素子へこれら光の入射を防止する遮蔽部材を設けていることが好ましい。より具体的には、隣接する上記検出光学系の一方が備える光源が対応する試料に対して照射する光A、および/または、当該光源からの光Aの照射によって当該試料から得られる光Bを反射および/または吸収して、隣接する検出光学系の他方が備える受光素子へこれら光の入射を防止する遮蔽部材を設けることが好ましい。
上記構成によれば、隣接する検出光学系の一方の光源に由来する迷光(検出光学系の一方より外に出た光Aおよび光B)の一部は、隣接する検出光学系の他方の受光素子に受光される前に遮蔽部材によって、反射および/または吸収される。そのため、隣接する検出光学系の他方の受光素子に入射する迷光の量が低減する。そのため、迷光による影響がさらに低減され、成分の検出精度がさらに向上する。
また、本発明に係る成分検出装置の一形態において、
上記遮蔽部材は、隣接する検出光学系の一方が備える光源が照射する光(光A)、および/または、隣接する検出光学系の一方が備える受光素子が受光する光(光B)を反射および/または吸収するフィルタであってもよい。より具体的には、隣接する上記検出光学系の他方が備える光源からの光の照射によって対応する試料から得られる光Cの波長は、上記光Aの波長および上記光Bの波長とは異なるものであり、上記遮蔽部材は、上記光Aおよび/または上記光Bを、反射および/または吸収する光学フィルタであってもよい。
上記構成によれば、隣接する検出光学系の一方の光源に由来する迷光の一部(検出光学系の一方より外に出た光Aおよび光B)は、隣接する検出光学系の他方の受光素子に受光される前にフィルタによって、反射および/または吸収される。そのため、隣接する検出光学系の他方の受光素子に入射する迷光の量が低減する。そのため、迷光による影響がさらに低減され、成分の検出精度がさらに向上する。この構成は特に、隣接する検出光学系間で、対応する試料から得られる光の波長が異なるために、各受光素子によって受光されるべき光の波長が異なる場合の成分検出に好適である。
また、本発明に係る成分検出装置の一形態において、
隣接する上記検出光学系において、一方の検出光学系の光源は他方の検出光学系の受光素子に隣接し、当該一方の検出光学系の受光素子は当該他方の検出光学系の光源に隣接していることが好ましい。
上記構成によれば、隣接する検出光学系同士は、光源から受光素子へ向かう光路が逆向きとなる。これにより、隣接する検出光学系の光路が同じ向きである場合と比較して、隣接する検出光学系の一方の光源に由来する迷光が、隣接する検出光学系の他方の受光素子に入射する量が低減される。そのため、迷光による影響がより低減され、成分の検出精度がより向上する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、試料中の成分を検出するために利用することができる。
1、1α、1β 光源
2、2α、2β 受光素子
3 検査チップ
4 下基板
5 上基板
6 試料導入部
7 流路
8、8α、8β 検出部
9α、9β 波長吸収フィルタ
10 ステージ
11 動作制御部
12 光源制御部
13 受光素子制御部
14 出力処理部
15 メモリ
16 表示制御部
17 表示部
100 成分検出装置

Claims (8)

  1. 試料中の成分を検出する成分検出装置であって、
    試料に対して光を照射する光源と、試料から得られる光を受光する受光素子とを備えた検出光学系を複数組有し、
    試料中の成分を検出する際に、隣接する上記検出光学系において、上記光源は何れも強く発光する第一期間と弱く発光するまたは消光する第二期間とを周期的に繰り返しかつ、当該光源は何れも第一期間の少なくとも一部が他方の光源の第二期間の少なくとも一部と重なるように発光することを特徴とする成分検出装置。
  2. 隣接する上記検出光学系において、上記光源間で第一期間同士の重なり合いがないことを特徴とする請求項1に記載の成分検出装置。
  3. 隣接する上記検出光学系において、一方の光源の第一期間と他方の光源の第一期間との間に、両方の光源が第二期間となっている期間があることを特徴とする請求項2に記載の成分検出装置。
  4. 隣接する上記検出光学系において、一方の光源の発光の周期と他方の光源の発光の周期とが同じであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の成分検出装置。
  5. 隣接する上記検出光学系において、上記光源は何れも、上記第二期間において消光することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の成分検出装置。
  6. 隣接する上記検出光学系の一方が備える光源が対応する試料に対して照射する光A、および/または、当該光源からの光Aの照射によって当該試料から得られる光Bを反射および/または吸収して、隣接する検出光学系の他方が備える受光素子へこれら光の入射を防止する遮蔽部材を設けていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の成分検出装置。
  7. 隣接する上記検出光学系の他方が備える光源からの光の照射によって対応する試料から得られる光Cの波長は、上記光Aの波長および上記光Bの波長とは異なるものであり、
    上記遮蔽部材は、上記光Aおよび/または上記光Bを、反射および/または吸収する光学フィルタであることを特徴とする請求項6に記載の成分検出装置。
  8. 隣接する上記検出光学系において、一方の検出光学系の光源は他方の検出光学系の受光素子に隣接し、当該一方の検出光学系の受光素子は当該他方の検出光学系の光源に隣接していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の成分検出装置。
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