JP4604313B2 - 空気調和装置の室内機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、排気装置を備えた空調空間に設置される空気調和装置の室内機に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
図34及び図35には、従来一般的な天井吊下型の空気調和装置の室内機Z0を示している。この室内機Z0は、下面が開口した矩形箱状形態をもち且つ天井側に吊下支持されるケーシン11と、略矩形の平板状形態を有しその平面方向中央部に吸込口21を設けると共に該吸込口21の外側にこれを囲むようにして吹出口22,22,・・をそれぞれ設け、上記ケーシン11の下面開口に対してこれを閉塞するようにその下方側から装着される吹出パネル2とで構成される室内機本体1を備えるとともに、該室内機本体1内の上記吸込口21から吹出口22に至る空気通路10中に、モータ13により回転駆動されるファン12と該ファン12の周囲を囲繞するように配置される熱交換器15とを収容して構成され、上記ファン12の回転により、上記吸込口21から吸い込まれる室内空気A1を上記熱交換器15において熱交換し、上記吹出口22,22,・・から温度調整された吹出空気A2として室内へ吹き出すようになっている。
【0004】
この場合、上記各吹出口22,22,・・は、吹出方向上流側から下流側に向かうに従って外側に傾斜する傾斜通路とされ且つ該各吹出口22,22,・・にはそれぞれフラップ24が設けられており、該各吹出口22,22,・・からの吹出空気は、図35に矢印A2で示すように、該各吹出口22,22,・・から斜め外側に向けて吹き出される。
【0005】
尚、図35において、符号14は上記ファン12の吸込側に配置されたファンガイド、符号16はフィルター、符号23は吸込グリルである。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような従来の斜め吹出構造の室内機Z0は、これが設置される空調空間の環境条件によっては空調の快適性を十分に確保できない場合がある。
【0007】
ここで、上記室内機Z0により空調が行われる空調空間42として、例えば図36に示すように、焼肉店の店内空間を想定し、この空調空間42の天井40側に該室内機Z0を設置する場合を考える。この空調空間42の床面41側には調理器46が備えられたテーブル45が所定間隔で設置され、且つこれら各テーブル45,45,・・の上方位置には、上記調理器46から発生する油煙52を室外へ排出させるために排気装置47が設けられている。この排気装置47は、例えば、集煙用の排気フード48を排気導出管49を介して天井40の上側に配置された排気ダクト50に接続して構成され、該排気ダクト50側に配置された排気ファン(図示省略)の吸引作用によって上記調理器46からの油煙52を上記排気フード48側に集煙し且つこれを上記排気導出管49を介して上記排気ダクト50側に導出するようになっている。
【0008】
このような環境条件をもつ空調空間42の空調を行うべくその天井40側に上記室内機Z0を設置する場合、該室内機Z0からの吹出空気A2による在室者のドラフト感を防止するとの観点から、図36に示すように、上記各テーブル45,45,・・の近傍の各排気領域S1,S1,・・を避けて、これら各テーブル45,45,・・の中間の通路部分に対応する非排気領域S2の上方位置に上記室内機Z0を設置するのが通例である。
【0009】
ところが、上述のように、従来の室内機Z0においては吹出空気A2を天井側から斜め下方へ向けて吹き出す斜め吹出構造であって、該吹出空気A2を直下方向あるいは水平方向へ吹き出すことができないため、上記室内機Z0を上記各排気領域S1,S1,・・を避けて排気領域S2の上方位置に設置したにも拘わらず、該室内機Z0からの吹出空気A2の気流の一部は上記各排気領域S1,S1,・・に到達することになる。この結果、吹出空気A2の気流がテーブル45の近傍に居る在室者に直接当たってこれにドラフト感を与える恐れがあるとともに、該気流によって調理器46からの油煙52が側方へ吹き飛ばされて上記排気装置47による排気性能を低下させ、延いては空調空間42への油煙52の拡散によって室内環境の悪化を招来する、等の問題があった。
【0010】
尚、上記各問題のうち、特に室内機Z0からの吹出空気A2による排気性能の低下という問題は、上例の如く上記排気装置47が開放領域での吸引構造をもつものに限らず、例えば上記排気フード48側から給気をエアカーテン状に吹き出してこのエアカーテン状の給気によって上記排気領域S1の周囲を囲繞し、該エアカーテンの内側において油煙52を吸引排出する遮蔽領域での吸引構造をもつものにおいても、該エアカーテンが吹出空気A2の気流の影響を受けて乱されることで同様の問題が生じるものである。
【0011】
そこで本願発明は、天井側に設置される空気調和装置の室内機において、ドラフト感の抑制による空調の快適性の確保と排気性能の維持とを両立させることを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0013】
本願の第1の発明では、室内機本体1の下面中央部に吸込口21を、該吸込口21の周囲に吹出口22A,22Bをそれぞれ備えるとともに該吸込口21から吹出口22A,22Bに至る空気通路10中にファン12と熱交換器15とを配置してなり、局所的な排気が行われる排気領域S1を有する空調空間42の天井40側に上記吸込口21を下方に向けた状態で配置される空気調和装置の室内機において、上記吹出口22A,22Bからの吹出空気A2を略直下方向に吹き出すように構成するとともに、上記吹出口22A,22Bには、略筒状形態をもち上記吹出口22A,22Bから吹き出される吹出空気A2を略直下方向に案内する吹出ガイド部材25を上記室内機本体1の下面から下方へ延出状態で設けたことを特徴としている。
【0014】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる空気調和装置の室内機において、上記室内機本体1の側壁11a,11bに吹出空気A3を側方へ向けて吹き出す副吹出口17,18を設けたことを特徴としている。
【0015】
本願の第3の発明では、上記第1又は第2の発明にかかる空気調和装置の室内機において、上記吹出口22A,22Bを上記室内機本体1の下面から外側に向けて斜め下方へ指向させたことを特徴としている。
【0016】
本願の第の発明では、上記第2又は第の発明にかかる空気調和装置の室内機において、上記副吹出口17,18をダクト31を介して上記室内機本体1から側方へ離間した位置において直下方向に向けて開口させたことを特徴としている。
【0017】
本願の第の発明では、上記第1,第2,第3又は第の発明にかかる空気調和装置の室内機において、上記吹出口22A,22Bを上記室内機本体1と別体構成の吹出パネル2側に設け、該室内機本体1に対して着脱自在としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0019】
(1) 本願の第1の発明にかかる空気調和装置の室内機によれば、室内機本体1の下面中央部に吸込口21を、該吸込口21の周囲に吹出口22A,22Bをそれぞれ備えるとともに該吸込口21から吹出口22A,22Bに至る空気通路10中にファン12と熱交換器15とを配置してなり、局所的な排気が行われる排気領域S1を有する空調空間42の天井40側に上記吸込口21を下方に向けた状態で配置される空気調和装置の室内機において、上記吹出口22A,22Bからの吹出空気A2を略直下方向に吹き出すように構成しているので、上記空調空間42における上記室内機の設置位置を、上記排気領域S1から横方向に外れた位置の上方側に設定することで、上記吹出口22A,22Bから略直下方向へ吹き出される吹出空気A2の気流が上記排気領域S1の近傍に到達するのが可及的に抑制される。
【0020】
この結果、上記排気領域S1の近傍においては、上記吹出空気A2の気流によるドラフト感の発生が可及的に防止され快適な空調が実現されるとともに、該排気領域S1に対する上記吹出空気A2の気流の影響が少ないことから良好な排気性能が確保されるものである。
【0021】
しかも、上記吹出口22A,22Bを上記室内機本体1の下面から直下方向へ指向させているので、簡単且つ安価な構成によって上述した効果を達成することができるものである。
【0022】
また、上記吹出口22A,22Bに、略筒状形態をもち該吹出口22A,22Bから吹き出される吹出空気A2を略直下方向に案内する吹出ガイド部材25を上記室内機本体1の下面から下方へ延出状態で設けているので、該吹出ガイド部材25によって上記吹出口22A,22Bから吹き出される吹出空気A2の拡散を可及的に防止して該吹出空気A2の気流をより下方まで到達させることができるとともに、上記吸込口21と吹出口22A,22Bとが接近した構成であっても上記吹出ガイド部材25の遮蔽作用によって上記吹出口22A,22Bからの吹出空気A2の一部がそのまま上記吸込口21側に吸入される所謂「ショートサーキット現象」の発生が可及的に防止され、これらの相乗効果として、上述した効果がより一層促進されるものである。
【0023】
(2) 本願の第2の発明にかかる空気調和装置の室内機によれば、上記第1の発明にかかる空気調和装置の室内機において、上記室内機本体1の側壁11a,11bに吹出空気A3を側方へ向けて吹き出す副吹出口17,18を設けているので、例えば上記吹出口22A,22Bのみが設けられている場合に比して、該副吹出口17,18に相当する分だけ室内機全体としての吹出面積が増加し、上記吹出口22A,22B側においては、ここから略直下方向へ吹き出される吹出空気A2の風量及び風速が共に低下し該吹出空気A2の気流が排気領域S1側に与える影響がより一層抑制されるとともに、上記副吹出口17,18からの吹出空気A3も空調空間42の空調に寄与することから、これらの相乗効果として上記(1)に記載の効果がさらに高められることになる。
【0024】
(3) 本願の第の発明にかかる空気調和装置の室内機によれば、上記第1又は第2の発明にかかる空気調和装置の室内機において、上記吹出口22A,22Bを上記室内機本体1の下面から外側に向けて斜め下方へ指向させているので、簡単且つ安価な構成によって上記(1)に記載の効果を奏し得る室内機とすることができ、従来機種の高機能化が容易である。
【0025】
(4) 本願の第の発明にかかる空気調和装置の室内機によれば、上記(1)(2)又は(3)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記副吹出口17,18をダクト31を介して上記室内機本体1から側方へ離間した位置において直下方向に向けて開口させているので、上記ダクト31の引き出し方向及び引き出し長さを適宜設定することで上記副吹出口17,18からの吹出空気A3を空調空間42の任意の位置から直下方向へ吹き出させることが可能であることから、上記室内機本体1の設置位置に対応して決定される排気領域S1のみならず、該排気領域S1以外の任意の領域を含めた広い領域において吹出気流によるドラフト感の発生を可及的に防止することができ、空調の快適性がさらに向上することになる。
【0026】
(5) 本願の第の発明にかかる空気調和装置の室内機によれば、上記(1),(2),(3)又は(4)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記吹出口22A,22Bを上記室内機本体1と別体構成の吹出パネル2側に設け、該室内機本体1に対して着脱自在としているので、例えば斜め吹出構造をもつ従来の室内機においても、その吹出パネルを上記吹出パネル2に取り換えることで容易に直下吹出構造の室内機として機能させることができることから、既設の室内機の機能変更による有効活用が可能となるものである。
【発明の実施の形態】
【0027】
以下、本願発明を好適な幾つかの実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0028】
尚、以下に述べるように、第1の実施形態〜第10の実施形態の室内機Z1〜Z10のうち、
第1〜第3の実施形態の室内機Z1〜Z3は、吹出空気A2を直下方向へ向けて吹き出す形態のものであり、これらで第1の形態群を構成し、
第4の実施形態の室内機Z4は、吹出空気A2を斜め下方へ向けて吹き出す形態のものであり、これ単一で第2の形態群を構成し、
第5〜第7の実施形態の室内機Z5〜Z7は、室内機の設置位置とこれから適宜離間した位置の双方からそれぞれ吹出空気A2,A3を直下方向に向けて吹き出す形態で且つ天井に埋込設置されるものであり、これらで第3の形態群を構成し、
第8〜第10の実施形態の室内機Z8〜Z10は、室内機の設置位置とこれから適宜離間した位置の双方からそれぞれ吹出空気A2,A3を直下方向に向けて吹き出す形態で且つ天井下面側に吊下配置されるものであり、これらで第4の形態群を構成する。
【0029】
従って、以下においては、説明の便宜上、各形態群毎に、これに属する各室内機の構造をそれぞれ説明し、しかる後、これら各室内機を空調空間に設置した場合における気流特性等を纏めて説明する。
【0030】
(A)第1の形態群
(A−1) 第1の実施形態
図1及び図2には、本願発明の第1の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z1を示している。この室内機Z1は、所謂「天井吊下型」の室内機であって、下面が開口した矩形箱状形態をもち且つ天井側に吊下支持されるケーシン11と、該ケーシン11の下面開口を閉塞するようにその下方側から装着された吹出パネル2とで構成される室内機本体1を備えるとともに、該室内機本体1の内部にモータ13により回転駆動されるファン12と該ファン12の外周側を囲繞する如く筒状に立設された熱交換器15とをそれぞれ配置して構成される。
【0031】
上記吹出パネル2は、略矩形の平板状形態を有し且つ平面方向の中央部に吸込口21を、該吸込口21の外側には該吸込口21を矩形状に囲繞するように四つの吹出口、即ち、該吸込口21を挟んで対向する一対の主吹出口22A,22Aと該主吹出口22A,22Aの対向方向に略直交する方向において上記吸込口21を挟んで対向する他の一対の主吹出口22B,22Bとをそれぞれ設けて構成されている。
【0032】
これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、特許請求の範囲の「吹出口22A,22B」に該当するものであって、この実施形態においては、共に上記吹出パネル2をその厚さ方向に貫通して直下方向に指向する通路とされている。また、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには、それぞれダンパー19が備えられており、該ダンパー19の開閉によって該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは必要に応じて個別に開放又は閉塞される(図11〜図16を参照)。
【0033】
尚、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、上記のようにダンパー19により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。
【0034】
一方、上記ケーシン11の四つの側壁のうち、上記吹出パネル2側の各主吹出口22A,22Aに対応する一対の側壁11a,11aには略水平方向に指向する第1副吹出口17,17が、また上記吹出パネル2の各主吹出口22B,22Bに対応する一対の側壁11b,11bには略水平方向に指向する第2副吹出口18,18が、それぞれ設けられている。これら各副吹出口17,17,18,18は、特許請求の範囲の「副吹出口」に該当するものであって、それぞれダンパー20が備えられており、該ダンパー20の開閉によって上記各副吹出口17,17,18,18は開放又は閉塞される。
【0035】
尚、この実施形態においては、上記各副吹出口17,17,18,18を共に上記ダンパー20によって閉塞させた状態で使用するようにしている。また、これら各副吹出口17,17,18,18は、上記のようにダンパー20により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。
【0036】
以上の如く構成された室内機Z1においては、上記ファン12の回転に伴い、上記吸込口21から吸入される吸込空気A1は、上記熱交換器15においてその内部の循環冷媒との間での熱交換によって温度調整され、温風又は冷風の吹出空気A2として上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから室内側へ吹き出される。この場合、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bが直下通路とされているため、上記吹出空気A2は、上記室内機本体1の下面側から直下方向に強い指向性をもって吹き出される。
【0037】
尚、上記各ダンパー19,19,・・を開いて上記第1副吹出口17,17及び上記第2副吹出口18,18を開放させると、図2に破線矢印で示すように、上記熱交換器15を通った後の空調空気は、その一部が上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として吹き出され、他の一部は上記各副吹出口17,17,18,18から吹出空気A3として吹き出される。従って、この場合には、上記各副吹出口17,17,18,18を開放させたことで、上記室内機Z1全体としての吹出面積が、これら各副吹出口17,17,18,18が閉塞されている場合に比して増加し、その結果、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bを通して吹き出される吹出空気A2の風量及び風速が共に低下し、その気流の到達距離は減少することになる。
【0038】
(A−2) 第2の実施形態
図3及び図4には、本願発明の第2の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z2を示している。この室内機Z2は、所謂「天井吊下型」の室内機であって、下面が開口した矩形箱状形態をもち且つ天井側に吊下支持されるケーシン11と、該ケーシン11の下面開口を閉塞するようにその下方側から装着された吹出パネル2とで構成される室内機本体1を備えるとともに、該室内機本体1の内部にモータ13により回転駆動されるファン12と該ファン12の外周側を囲繞する如く筒状に立設された熱交換器15とをそれぞれ配置して構成される。
【0039】
上記吹出パネル2は、略矩形の平板状形態を有し且つ平面方向の中央部に吸込口21を、該吸込口21の外側には該吸込口21を矩形状に囲繞するように四つの吹出口、即ち、該吸込口21を挟んで対向する一対の主吹出口22A,22Aと該主吹出口22A,22Aの対向方向に略直交する方向において上記吸込口21を挟んで対向する他の一対の主吹出口22B,22Bとをそれぞれ設けて構成されている。
【0040】
これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、特許請求の範囲の「吹出口22A,22B」に該当するものであって、この実施形態においては、共に上記吹出パネル2をその厚さ方向に貫通して直下方向に指向する通路とされている。また、これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bの外端(下端)には、長矩形筒状形態をもつ吹出ガイド部材25が、上記吹出パネル2の下面から下方へ突出状態でそれぞれ連接されており、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bはこれら各吹出ガイド部材25,25,・・によって直下方向に指向する通路が延長された状態となっている。さらに、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには、それぞれダンパー19が備えられており、該ダンパー19の開閉によって該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは必要に応じて個別に開放又は閉塞される(図11〜図16を参照)。
【0041】
尚、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、上記のようにダンパー19により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。また、上記吹出ガイド部材25は、この実施形態のように上記吹出パネル2と一体的に形成する外に、例えば上記吹出パネル2とは別体に形成し、事後的に該吹出パネル2の各主吹出口22A,22A,22B,22B部分に取り付けるようにすることもできる(例えば、図21を参照)。
【0042】
一方、上記ケーシン11の四つの側壁のうち、上記吹出パネル2側の各主吹出口22A,22Aに対応する一対の側壁11a,11aには略水平方向に指向する第1副吹出口17,17が、また上記吹出パネル2の各主吹出口22B,22Bに対応する一対の側壁11b,11bには略水平方向に指向する第2副吹出口18,18が、それぞれ設けられている。これら各副吹出口17,17,18,18は、特許請求の範囲の「副吹出口」に該当するものであって、それぞれダンパー20が備えられており、該ダンパー20の開閉によって上記各副吹出口17,17,18,18は開放又は閉塞される。尚、この実施形態においては、上記各副吹出口17,17,18,18を共に上記ダンパー20によって閉塞させた状態で使用するようにしている。また、これら各副吹出口17,17,18,18は、上記のようにダンパー20により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。
【0043】
以上の如く構成された室内機Z2においては、上記ファン12の回転に伴い、上記吸込口21から吸入される吸込空気A1は、上記熱交換器15においてその内部の循環冷媒との間での熱交換によって温度調整され、温風又は冷風の吹出空気A2として上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから室内側へ吹き出される。この場合、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bが直下通路とされ且つこれら各主吹出口22A,22A,22B,22Bには上記各吹出ガイド部材25,25,・・が設けられているため、上記吹出空気A2は、上記室内機本体1の下面側から直下方向に向けて吹き出されるとともに、該吹出ガイド部材25によって上記主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出直後における拡散が防止されることから、該吹出空気A2は下方への強い指向性をもち、その気流の到達距離が長くなり、床面41側へ十分に到達することになる。また、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bのそれぞれに上記吹出ガイド部材25が設けられているので、該吹出ガイド部材25の遮蔽作用によって上記吸込空気A1と吹出空気A2とが区画される状態となり、従って、上記吸込口21と上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bとが比較的接近した位置にあったとしても、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出ガイド部材25を通して直下方向へ吹き出される吹出空気A2の一部がそのまま上記吸込口21側に吸込空気A1として吸い込まれる現象、所謂「ショートサーキット現象」の発生が可及的に防止され、該ショトサーキットに起因する空調能力の低下が防止される。
【0044】
尚、上記各ダンパー19,19,・・を開いて上記第1副吹出口17,17及び上記第2副吹出口18,18を開放させると、図4に破線矢印で示すように、上記熱交換器15を通った後の空調空気は、その一部が上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として吹き出され、他の一部は上記各副吹出口17,17,18,18から吹出空気A3として吹き出される。従って、この場合には、上記各副吹出口17,17,18,18を開放させたことで、上記室内機全体としての吹出面積が、これら各副吹出口17,17,18,18が閉塞されている場合に比して増加し、その結果、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bを通して吹き出される吹出空気A2の風量及び風速が共に低下し、その気流の到達距離は減少することになる。
【0045】
(A−3) 第3の実施形態
図5には、本願発明の第3の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z3を示している。この室内機Z3は、所謂「天井吊下型」の室内機であって、下面が開口した矩形箱状形態をもち且つ天井側に吊下支持されるケーシン11と、該ケーシン11の下面開口を閉塞するようにその下方側から装着された吹出パネル2とで構成される室内機本体1を備えるとともに、該室内機本体1の内部にモータ13により回転駆動されるファン12と該ファン12の外周側を囲繞する如く筒状に立設された熱交換器15とをそれぞれ配置して構成される。
【0046】
上記吹出パネル2は、略矩形の平板状形態を有し且つ平面方向の中央部に吸込口21を、該吸込口21の外側には該吸込口21を矩形状に囲繞するように四つの吹出口、即ち、該吸込口21を挟んで対向する一対の主吹出口22A,22Aと該主吹出口22A,22Aの対向方向に略直交する方向において上記吸込口21を挟んで対向する他の一対の主吹出口22B,22Bとをそれぞれ設けて構成されている。
【0047】
これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、特許請求の範囲の「吹出口22A,22B」に該当するものであって、この実施形態においては、共に上記吹出パネル2をその厚さ方向に貫通して斜め外側に指向する通路とされている。また、これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bの外端(下端)には、長矩形筒状形態をもつ吹出ガイド部材25が、上記吹出パネル2の下面から下方へ突出状態でそれぞれ連接されており、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、これら各吹出ガイド部材25,25,・・によってその通路方向が斜め外側への下降傾斜方向から直下方向へ修正されたような状態となっている。さらに、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには、それぞれダンパー19が備えられており、該ダンパー19の開閉によって該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは必要に応じて個別に開放又は閉塞される(図11〜図16を参照)。
【0048】
尚、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、上記のようにダンパー19により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。また、上記吹出ガイド部材25は、この実施形態のように上記吹出パネル2と一体的に形成する外に、例えば上記吹出パネル2とは別体に形成し、事後的に該吹出パネル2の各主吹出口22A,22A,22B,22B部分に取り付けるようにすることもできる(例えば、図21を参照)。
【0049】
一方、上記ケーシン11の四つの側壁のうち、上記吹出パネル2側の各主吹出口22A,22Aに対応する一対の側壁11a,11aには略水平方向に指向する第1副吹出口17,17が、また上記吹出パネル2の各主吹出口22B,22Bに対応する一対の側壁11b,11bには略水平方向に指向する第2副吹出口18,18が、それぞれ設けられている。これら各副吹出口17,17,18,18は、特許請求の範囲の「副吹出口」に該当するものであって、それぞれダンパー20が備えられており、該ダンパー20の開閉によって上記各副吹出口17,17,18,18は開放又は閉塞される。
【0050】
尚、この実施形態においては、上記各副吹出口17,17,18,18を共に上記ダンパー20によって閉塞させた状態で使用するようにしている。また、これら各副吹出口17,17,18,18は、上記のようにダンパー20により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。
【0051】
以上の如く構成された室内機Z3においては、上記ファン12の回転に伴い、上記吸込口21から吸入される吸込空気A1は、上記熱交換器15においてその内部の循環冷媒との間での熱交換によって温度調整され、温風又は冷風の吹出空気A2として上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから室内側へ吹き出される。この場合、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bは斜め外側へ向けて下降傾斜する通路とされているが、これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bの外端にはそれぞれ上記各吹出ガイド部材25,25,・・が設けられているため、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bを通って斜め外側に向けて吹き出される吹出空気A2は、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから上記各吹出ガイド部材25,25,・・に到達した後、該吹出ガイド部材25,25,・・に案内されてその吹出方向が斜め外側方向から直下方向に修正され、該各吹出ガイド部材25,25,・・の下端から直下方向に向けて吹き出されるとともに、該各吹出ガイド部材25,25,・・によって吹出直後における拡散が防止されることになる。この結果、上記吹出空気A2は下方への強い指向性をもち、その気流の到達距離が長くなり、床面41側へ十分に到達することになる。
【0052】
また一方、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bのそれぞれに上記吹出ガイド部材25が設けられていることで、該吹出ガイド部材25の遮蔽作用によって上記吸込空気A1と吹出空気A2とが区画される状態となり、この結果、上記吸込口21と上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bとが比較的接近した位置にあったとしても、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出ガイド部材25を通して直下方向へ吹き出される吹出空気A2の一部がそのまま上記吸込口21側に吸込空気A1として吸い込まれる現象、所謂「ショートサーキット現象」の発生が可及的に防止されることになる。
【0053】
尚、上記各ダンパー19,19,・・を開いて上記第1副吹出口17,17及び上記第2副吹出口18,18を開放させると、図5に破線矢印で示すように、上記熱交換器15を通った後の空調空気は、その一部が上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として吹き出され、他の一部は上記各副吹出口17,17,18,18から吹出空気A3として吹き出される。従って、この場合には、上記各副吹出口17,17,18,18を開放させたことで、上記室内機全体としての吹出面積が、これら各副吹出口17,17,18,18が閉塞されている場合に比して増加し、その結果、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bを通して吹き出される吹出空気A2の風量及び風速が共に低下し、その気流の到達距離は減少することになる。
【0054】
(A−4) 第1の形態群における気流特性の説明
ここで、この第1の形態群に属する上記第1〜第3の実施形態にかかる室内機Z1〜Z3の使用状態時における気流特性を、図6及び図7に示すように、該室内機Z1〜Z3を、油煙発生源及び油煙を排出するための排気装置を備えた焼肉店等の店舗に設置した場合を例にとって説明する。
【0055】
図6及び図7に示すように、床面41と天井40とによって上下方向に区画された空調空間42(即ち、焼肉店の店内空間)の該床面41側には、コンロ等の調理器46を備えたテーブル45が所定間隔をもって多数設置されている。また、これら各テーブル45,45,・・の上方位置には、上記調理器46から発生する油煙52を室外へ排出させるために排気装置47が設けられている。尚、この排気装置47は、例えば、集煙用の排気フード48を排気導出管49を介して天井40の上側に配置された排気ダクト50に接続して構成され、該排気ダクト50側に配置された排気ファン(図示省略)の吸引作用によって上記調理器46からの油煙52を上記排気フード48側に集煙し且つこれを上記排気導出管49を介して上記排気ダクト50側に導出するようになっている。
【0056】
そして、このような環境条件をもつ空調空間42の空調を行うべく上記天井40側に上記室内機Z1(Z2,Z3)を設置する場合、該室内機Z1(Z2,Z3)からの吹出空気A2による在室者のドラフト感を防止するとの観点から、該室内機Z1(Z2,Z3)を、上記各テーブル45,45,・・の近傍の各排気領域S1,S1,・・を避けて、これら各テーブル45,45,・・の中間の通路部分に対応する非排気領域S2の上方位置に設置している。
【0057】
ここで、上記各調理器46,46,・・のそれぞれにおいて焼肉調理が行われ、該調理器46,4,・・から発生する油煙52を上記各排気装置47,47,・・によって排気している状態において、上記室内機Z1(Z2,Z3)が運転される場合における気流特性を、図6に示すように上記室内機Z1(Z2,Z3)の上記各副吹出口17,17,18,18が閉塞されている場合と、図7に示すようにこれら各副吹出口17,17,18,18の全て、又はその一部が開放されている場合とについて、それぞれ考察する。
【0058】
先ず、図6に示すように、上記各副吹出口17,17,18,18が閉塞されている場合であるが、この場合には、上記室内機Z1(Z2,Z3)においては、その運転により、非排気領域S2の周辺領域の空気を吸込空気A1として吸込口21側から吸入するとともに、この吸込空気A1を熱交換器15において熱交換して温度調整した後、上記室内機本体1の下面側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として直下方向に向けて(即ち、直下の床面41側に向けて)吹き出す。この場合、上記室内機Z1(Z2,Z3)の上記各副吹出口17,17,18,18は閉塞状態とされており、該各副吹出口17,17,18,18からの空気吹き出しは行われないので、上記熱交換器15において温度調整された空気はその全量が上記吹出空気A2として上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから直下方向に向けて吹き出されることになる。
【0059】
従って、上記室内機Z1(Z2,Z3)の各主吹出口22A,22A,22B,22Bから直下方向に向けて吹き出される吹出空気A2は、風量が多く且つその風速も高いことから、その気流の下方への到達距離が長くなり、床面41側に十分に到達し、上記空調空間42の空調を効率的に行うことになる。
【0060】
また、上記室内機Z1(Z2,Z3)が上記非排気領域S2の上方側、換言すれば、在室者が存在する可能性の高い上記排気領域S1から外れた位置に設置されているので、上記室内機Z1(Z2,Z3)から吹出空気A2が直下方向に吹き出されても、その気流が直接在室者に当たるということがほとんどなく、該在室者がドラフト感をもつことが可及的に防止される。
【0061】
これらの結果、上記室内機Z1(Z2,Z3)による上記空調空間42の空調が快適に行われことになる。
【0062】
一方、上記室内機Z1(Z2,Z3)の各主吹出口22A,22A,22B,22Bからの吹出空気A2の気流が上記排気領域S1に直接流れ込むということが可及的に抑制されることから、該気流によって上記調理器46から立ち上がる油煙52が側方に吹き飛ばされるということがなく、該油煙52は上記排気装置47の排気フード48側にスムーズに吸入され、これによって上記排気装置47による排気性能が良好に維持されるものである。
【0063】
次に、図7に示すように、上記各副吹出口17,17,18,18の全て、又はその一部が開放されている場合(ここでは、上記第1副吹出口17,17のみが開放されている場合を例にとって説明する)であるが、この場合には、上記室内機Z1(Z2,Z3)においては、その運転により、非排気領域S2の周辺領域の空気を吸込空気A1として吸込口21側から吸入し、これを熱交換器15において熱交換して温度調整する。この温度調整された空気は、その一部は上記室内機本体1の下面側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として直下方向に向けて(即ち、直下の床面41側に向けて)吹き出され、他の一部は上記各第1副吹出口17,17から吹出空気A3として側方へ向けて(即ち、天井面に沿った方向へ向けて)吹き出される。
【0064】
従って、空調空間42の空調性能という点においては、温度調整された空気の全量が空調空間42側に吹き出されるので、上記の場合と同程度の空調性能が得られるが、特に側方への吹出空気A3が存在することで、特に冷房運転時にはより一層良好な空調性能が得られることになる。
【0065】
一方、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bに加えて、上記各副吹出口17,17,18,18を設けているので、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから直下方向に吹き出される吹出空気A2についてみると、上記各副吹出口17,17,18,18からの吹出空気A3の分だけ、その吹出風量が減少するとともにその風速も低下していることから、該吹出空気A2の気流の下方への到達距離が短くなる。また、上記室内機Z1(Z2,Z3)が上記非排気領域S2の上方側、換言すれば、在室者が存在する可能性の高い上記排気領域S1から外れた位置に設置されているので、上記室内機Z1(Z2,Z3)から吹出空気A2が直下方向に吹き出されても、その気流が直接在室者に当たることがほとんどなくなる。これらの相乗効果として、上記吹出空気A2の気流による在室者のドラフト感がより一層軽減され、それだけ空調の快適性がさらに向上することになる。
【0066】
さらに、上記室内機Z1(Z2,Z3)の各主吹出口22A,22A,22B,22Bからの吹出空気A2の気流の上記排気領域S1側への流れ込みがさらに抑制されることから、該気流によって上記調理器46から立ち上がる油煙52が側方に吹き飛ばされるということがほとんどなくなり、該油煙52は上記排気装置47の排気フード48側にスムーズに吸入され、上記排気装置47による排気性能がより一層向上することになる。
【0067】
以上のように、上記第1〜第3の実施形態にかかる室内機Z1〜Z3を設置することで、空調の快適性を確保しつつ、良好な排気性能を維持することができるものであり、従って、この例の如く油煙の発生量の多い焼肉店の店内等に設置されるものとして好適である。
【0068】
(B) 第2の形態群
(B−1) 第4の実施形態
図8及び図9には、本願発明の第4の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z4を示している。この室内機Z4は、所謂「天井吊下型」の室内機であって、下面が開口した矩形箱状形態をもち且つ天井側に吊下支持されるケーシン11と、該ケーシン11の下面開口を閉塞するようにその下方側から装着された吹出パネル2とで構成される室内機本体1を備えるとともに、該室内機本体1の内部にモータ13により回転駆動されるファン12と該ファン12の外周側を囲繞する如く筒状に立設された熱交換器15とをそれぞれ配置して構成される。
【0069】
上記吹出パネル2は、略矩形の平板状形態を有し且つ平面方向の中央部に吸込口21を、該吸込口21の外側には該吸込口21を矩形状に囲繞するように四つの吹出口、即ち、該吸込口21を挟んで対向する一対の主吹出口22A,22Aと該主吹出口22A,22Aの対向方向に略直交する方向において上記吸込口21を挟んで対向する他の一対の主吹出口22B,22Bとをそれぞれ設けて構成されている。
【0070】
これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、特許請求の範囲の「吹出口22A,22B」に該当するものであって、この実施形態においては、共に上記吹出パネル2をその厚さ方向に貫通して斜め外側に指向する通路とされている。さらに、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには、それぞれダンパー19が備えられており、該ダンパー19の開閉によって該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは必要に応じて個別に開放又は閉塞される(図11〜図16を参照)。
【0071】
尚、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、上記のようにダンパー19により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。
【0072】
一方、上記ケーシン11の四つの側壁のうち、上記吹出パネル2側の各主吹出口22A,22Aに対応する一対の側壁11a,11aには略水平方向に指向する第1副吹出口17,17が、また上記吹出パネル2の各主吹出口22B,22Bに対応する一対の側壁11b,11bには略水平方向に指向する第2副吹出口18,18が、それぞれ設けられている。これら各副吹出口17,17,18,18は、特許請求の範囲の「副吹出口」に該当するものであって、それぞれダンパー20が備えられており、該ダンパー20の開閉によって上記各副吹出口17,17,18,18は開放又は閉塞される。尚、この実施形態においては、上記各副吹出口17,17,18,18を共に開放させた状態で使用するようにしている。
【0073】
以上の如く構成された室内機Z4においては、上記ファン12の回転に伴い、上記吸込口21から吸入される吸込空気A1は、上記熱交換器15においてその内部の循環冷媒との間での熱交換によって温度調整される。この温度調整された空気は、その一部は上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として斜め下方に向けて吹き出され、他の一部は上記各副吹出口17,17,18,18から吹出空気A3として側方へ向けて(即ち、天井面に沿う方向に向けて)吹き出される。
【0074】
この場合、この実施形態の室内機Z4おいては、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bとともに、上記各副吹出口17,17,18,18も開放されており、これら双方からそれぞれ吹出空気A2及び吹出空気A3が吹き出される構成であることから、例えば上記副吹出口17,17,18,18を設けない構成の場合に比して、該副吹出口17,17,18,18から吹き出される吹出空気A3の分だけ、上記主吹出口22A,22A,22B,22Bから斜め下方へ向けて吹き出される吹出空気A2の風量及び風速が低下しており、従って該吹出空気A2の気流の到達距離は短くなっている。
【0075】
(B−2) 第2の形態群における気流特性の説明
ここで、この第2の形態群に属する上記第4の実施形態にかかる室内機Z4の使用状態時における気流特性を、図10に示すように、該室内機Z4を焼肉店等の油煙発生源及び油煙を排出するための排気装置を備えた店舗に設置した場合を例にとって説明する。
【0076】
即ち、図10に示すように、床面41と天井40とによって上下方向に区画された空調空間42(即ち、焼肉店の店内空間)の該床面41側には、コンロ等の調理器46を備えたテーブル45が所定間隔をもって多数設置されている。また、これら各テーブル45,45,・・の上方位置には、上記調理器46から発生する油煙52を室外へ排出させるために排気装置47が設けられている。尚、この排気装置47は、例えば、集煙用の排気フード48を排気導出管49を介して天井40の上側に配置された排気ダクト50に接続して構成され、該排気ダクト50側に配置された排気ファン(図示省略)の吸引作用によって上記調理器46からの油煙52を上記排気フード48側に集煙し且つこれを上記排気導出管49を介して上記排気ダクト50側に導出するようになっている。
【0077】
そして、このような環境条件をもつ空調空間42の空調を行うべく上記天井40側に上記室内機Z4を設置する場合、該室内機Z4からの吹出空気A2による在室者のドラフト感を防止するとの観点から、該室内機Z4を、上記各テーブル45,45,・・の近傍の各排気領域S1,S1,・・を避けて、これら各テーブル45,45,・・の中間の通路部分に対応する非排気領域S2の上方位置に設置している。
【0078】
ここで、上記各調理器46,46,・・のそれぞれにおいて焼肉調理が行われ、該調理器46,46,・・から発生する油煙52を上記各排気装置47,47,・・によって排気している状態において、上記室内機Z4が運転される場合における気流特性を考察する。
【0079】
図10に示すように、上記室内機Z4においては、その運転により、非排気領域S2の周辺領域の空気を吸込空気A1として吸込口21側から吸入し、これを熱交換器15において熱交換して温度調整する。この温度調整された空気は、その一部は上記室内機本体1の下面側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として斜め下方に向けて吹き出され、他の一部は上記各副吹出口17,17,18,18から吹出空気A3として側方へ向けて(即ち、天井面に沿った方向へ向けて)吹き出される。
【0080】
従って、空調空間42の空調性能という点においては、温度調整された空気の全量が空調空間42側に吹き出されるので、上記第1の吹出パターンにおける第1〜第3の実施形態の場合と同程度の空調性能が得られるが、特に側方への吹出空気A3が存在することで、特に冷房運転時にはより一層良好な空調性能が得られることになる。
【0081】
また、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bに加えて、上記各副吹出口17,17,18,18を設けているので、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから斜め下方に吹き出される吹出空気A2についてみると、上記各副吹出口17,17,18,18からの吹出空気A3の分だけ、その吹出風量が減少しているとともに、その風速が低下していることで該吹出空気A2の気流の斜め下方への到達距離も短くなっている。従って、上記室内機Z4から吹出空気A2が上記排気領域S1側に向けて斜め下方に吹き出されても、その気流が直接在室者に当たるということがほとんどなくなる。これらの相乗効果として、上記吹出空気A2の気流による在室者のドラフト感の一層の軽減が図られ、それだけ快適性に優れた空調が実現されることになる。
【0082】
一方、上記室内機Z4の各主吹出口22A,22A,22B,22Bからの吹出空気A2の気流の上記排気領域S1側への流れ込みが抑制されていることから、該気流によって上記調理器46から立ち上がる油煙52が側方に吹き飛ばされるということもほとんどなく、該油煙52は上記排気装置47の排気フード48側にスムーズに吸入され、上記排気装置47による排気性能がより一層向上することになる。
【0083】
以上のように、上記第4の実施形態にかかる室内機Z4を設置することで、空調の快適性を確保しつつ、良好な排気性能を維持することができるものであり、従って、この例の如く油煙の発生量の多い焼肉店の店内等に設置されるものとして好適である。
【0084】
(C) 第1及び第2の形態群における吹出パターンの説明
続いて、上記第1の形態群に属する第1〜第3の実施形態にかかる室内機Z1〜Z3、及び第2の形態群に属する第4の実施形態にかかる室内機Z4のそれぞれに適用可能な第1〜第6の吹出パターン(即ち、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B及び上記各副吹出口17,17,18,18の開閉パターン)を図11〜図16に基づいて説明する。
【0085】
(C−1) 第1の吹出パターン
第1の吹出パターンは、図11に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bを全て開放する一方、上記各副吹出口17,17,18,18を全て閉塞し、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bのみから吹出空気A2を吹き出すものである。
【0086】
この第1の吹出パターンは、上記第1〜第3の実施形態にかかる室内機Z1〜Z3に適用可能な吹出パターンであって、この第1の吹出パターンを採用した場合には、上記第1〜第3の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0087】
即ち、この第1の吹出パターンにおいては、上記室内機本体1の下面側から直下方向に向けて大風量で且つ大風速で吹出空気A2が吹き出されるので、吹出空気A2の気流の床面41側への到達距離が最も大きく、特に暖房運転時における温暖効果がより迅速に得られるものである。
【0088】
(C−2) 第2の吹出パターン
第2の吹出パターンは、図12に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bを全て開放する一方、上記各副吹出口17,17,18,18側においては、第1副吹出口17,17のみを開放し、第2副吹出口18,18はこれを閉塞し、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記第1副吹出口17,17からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0089】
この第2の吹出パターンは、上記第1〜第3の実施形態にかかる室内機Z1〜Z3に適用可能な吹出パターンであって、この第2の吹出パターンを採用した場合には、上記第1〜第3の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0090】
即ち、この第2の吹出パターンにおいては、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bからの吹出空気A2の風量及び風速を、上記各副吹出口17,17,18,18の全てが閉塞されている場合と該各副吹出口17,17,18,18の全てが開放されている場合の中間状態に設定することができるものである。
【0091】
(C−3) 第3の吹出パターン
第3の吹出パターンは、図13に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B側においては主吹出口22A,22Aのみを開放し、主吹出口22B,22Bはこれを閉塞する一方、上記各副吹出口17,17,18,18側においては第1副吹出口17,17のみを開放し、第2副吹出口18,18はこれを閉塞し、上記主吹出口22A,22Aから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記第1副吹出口17,17からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0092】
この第3の吹出パターンは、上記第1〜第3の実施形態にかかる室内機Z1〜Z3に適用可能な吹出パターンであって、この第3の吹出パターンを採用した場合には、上記第1〜第3の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0093】
即ち、この第3の吹出パターンにおいては、吹出空気A2を直下方向に吹き出す主吹出口22A,22Aと吹出空気A2を側方へ吹き出す第1副吹出口17,17とが室内機Z1(Z2,Z3)の中心を通る一つの直線上に位置しているので、例えば室内機Z1(Z2,Z3)を空調空間42における通路部分等の非排気領域S2に対応させるとともに、上記直線の方向を通路方向に合致させることで、上記吹出空気A2の気流の影響が上記テーブル45部分、即ち、在室者に及ぶのが可及的に抑制され、空調の快適性がさらに高められることになる。
【0094】
(C−4) 第4の吹出パターン
第4の吹出パターンは、図14に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B側においては主吹出口22A,22Aを閉塞し、主吹出口22B,22Bを開放させる一方、上記各副吹出口17,17,18,18側においては第1副吹出口17,17を開放し、第2副吹出口18,18はこれを閉塞し、上記主吹出口22B,22Bから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記第1副吹出口17,17からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0095】
この第4の吹出パターンは、上記第1〜第3の実施形態にかかる室内機Z1〜Z3に適用可能な吹出パターンであって、この第3の吹出パターンを採用した場合には、上記第1〜第3の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0096】
即ち、この第4の吹出パターンにおいては、室内機Z1(Z2,Z3)の四つの側面の全てに吹出口が存在し熱交換器15がこれら四つの側面の全てに臨んでいるので(換言すれば、吹出口が無く熱交換器15が完全に閉ざされる面が存在しないので)、所要の空調能力を出し易く、延いては室内機Z1(Z2,Z3)の小型化が可能となるものである。
【0097】
(C−5) 第5の吹出パターン
第5の吹出パターンは、図15に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B側においては主吹出口22A,22Aを開放し、主吹出口22B,22Bを閉塞する一方、上記各副吹出口17,17,18,18側においてはこれら全てを開放し、上記主吹出口22A,22Aから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記各副吹出口17,17,18,18からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0098】
この第5の吹出パターンは、上記第1〜第3の実施形態にかかる室内機Z1〜Z3に適用可能な吹出パターンであって、この第5の吹出パターンを採用した場合には、上記第1〜第3の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0099】
即ち、この第5の吹出パターンにおいては、上記第3の吹出パターンにおいて第2副吹出口18,18を開放させた形態となっているので、該第3の吹出パターンの場合よりもさらに吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速が低減され空調の快適性が高められるとともに、室内機Z1(Z2,Z3)の四つの側面の全てに吹出口が存在し熱交換器15がこれら四つの側面の全てに臨んでいるので(換言すれば、吹出口が無く熱交換器15が完全に閉ざされる面が存在しないので)、所要の空調能力を出し易く、延いては室内機Z1(Z2,Z3)の小型化が可能となるものである。
【0100】
(C−6) 第6の吹出パターン
第6の吹出パターンは、図16に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bの全て、及び上記各副吹出口17,17,18,18の全てを開放し、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記副吹出口17,17,18,18からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0101】
この第6の吹出パターンは、上記第1〜第4の実施形態にかかる室内機Z1〜Z4に適用可能な吹出パターンであって、この第6の吹出パターンを採用した場合には、上記第1〜第4の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0102】
即ち、この第6の吹出パターンにおいては、上記第2の吹出パターンにおいて第2副吹出口18,18を開放させた形態となっているので、該第2の吹出パターンの場合よりもさらに吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速が低減され空調の快適性が高められるものである。
【0103】
(D) 第3の形態群
(D−1) 第5の実施形態
図17及び図18には、本願発明の第5の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z5を示している。この室内機Z5は、所謂「天井埋込型」の室内機であって、下面が開口した矩形箱状形態をもち且つ天井40側に埋込配置されるケーシン11と、該ケーシン11の下面開口を閉塞するようにその下方側から装着された吹出パネル2とで構成される室内機本体1を備えるとともに、該室内機本体1の内部にモータ13により回転駆動されるファン12と該ファン12の外周側を囲繞する如く筒状に立設された熱交換器15とをそれぞれ配置して構成される。
【0104】
上記吹出パネル2は、略矩形の平板状形態を有し且つ平面方向の中央部に吸込口21を、該吸込口21の外側には該吸込口21を矩形状に囲繞するように四つの吹出口、即ち、該吸込口21を挟んで対向する一対の主吹出口22A,22Aと該主吹出口22A,22Aの対向方向に略直交する方向において上記吸込口21を挟んで対向する他の一対の主吹出口22B,22Bとをそれぞれ設けて構成されている。
【0105】
これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、特許請求の範囲の「吹出口22A,22B」に該当するものであって、この実施形態においては、共に上記吹出パネル2をその厚さ方向に貫通して直下方向に指向する通路とされている。また、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには、それぞれダンパー19が備えられており、該ダンパー19の開閉によって該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは必要に応じて個別に開放又は閉塞される(図23〜図25を参照)。
【0106】
尚、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、上記のようにダンパー19により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。
【0107】
一方、上記ケーシン11の四つの側壁のうち、上記吹出パネル2側の各主吹出口22A,22Aに対応する一対の側壁11a,11aには略水平方向に指向する第1副吹出口17,17(特許請求の範囲の「副吹出口」に該当する)が設けられている。この副吹出口17,17には、上記天井40の上側において略水平に延びるダクト31,31がそれぞれ接続されるとともに、該各ダクト31,31の先端には、その下面に副吹出口33を設けた吹出口ユニット32がそれぞれ接続されている。
【0108】
尚、上記吹出口ユニット32の副吹出口33は、上記天井40を貫通して上記空調空間42に露出されている。また、上記ダクト31の長さ及び上記ケーシング1からの延出方向は、室内機Z5の設置条件に応じて適宜設定される。因に、この実施形態においては、ダクト31を直筒体とし、且つその延出方向を上記ケーシン11の側壁11aに直交する方向に設定するとともに、図22に示すように上記吹出口ユニット32が平面方向において上記室内機本体1と排気装置47との中間に位置するように該ダクト31の長さを設定している。
【0109】
以上の如く構成された室内機Z5においては、上記ファン12の回転に伴い、上記吸込口21から吸入される吸込空気A1は、上記熱交換器15においてその内部の循環冷媒との間での熱交換によって温度調整される。そして、この温度調整された空気は、その一部が上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として直下方向に吹き出され、他の一部は上記ダクト31及び吹出口ユニット32を介して上記副吹出口33から直下方向に吹き出される。
【0110】
従って、この室内機Z5においては、例えば上記第1副吹出口17,17を設けず上記主吹出口22A,22A,22B,22Bのみから吹出空気A2を吹き出す構成とした場合に比して、上記各副吹出口33,33から吹出空気A3が吹き出される分だけ、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹き出される吹出空気A2の風量及び風速が低下し、上記各副吹出口33,33から吹き出される吹出空気A3の風量及び風速に近いものとなり、例えば、上記副吹出口33,33を設けないものに比して、上記天井40側のより広い平面領域から且つ風速の低い吹出空気A2,A3が直下方向に向けて吹き出されることになる。
【0111】
(D−2) 第6の実施形態
図19及び図20には、本願発明の第6の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z6を示している。この室内機Z6は、所謂「天井埋込型」の室内機であって、下面が開口した矩形箱状形態をもち且つ天井40側に埋込配置されるケーシン11と、該ケーシン11の下面開口を閉塞するようにその下方側から装着された吹出パネル2とで構成される室内機本体1を備えるとともに、該室内機本体1の内部にモータ13により回転駆動されるファン12と該ファン12の外周側を囲繞する如く筒状に立設された熱交換器15とをそれぞれ配置して構成される。
【0112】
上記吹出パネル2は、略矩形の平板状形態を有し且つ平面方向の中央部に吸込口21を、該吸込口21の外側には該吸込口21を矩形状に囲繞するように四つの吹出口、即ち、該吸込口21を挟んで対向する一対の主吹出口22A,22Aと該主吹出口22A,22Aの対向方向に略直交する方向において上記吸込口21を挟んで対向する他の一対の主吹出口22B,22Bとをそれぞれ設けて構成されている。
【0113】
これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、特許請求の範囲の「吹出口22A,22B」に該当するものであって、この実施形態においては、共に上記吹出パネル2をその厚さ方向に貫通して直下方向に指向する通路とされるとともに、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bの外端(下端)には、長矩形筒状形態をもつ吹出ガイド部材25が、上記吹出パネル2の下面から下方へ突出状態でそれぞれ連接されており、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bはこれら各吹出ガイド部材25,25,・・によって直下方向に指向する通路が延長された状態となっている。さらに、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには、それぞれダンパー19が備えられており、該ダンパー19の開閉によって該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは必要に応じて個別に開放又は閉塞される(図23〜図25を参照)。
【0114】
尚、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、上記のようにダンパー19により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。また、上記吹出ガイド部材25は、この実施形態のように上記吹出パネル2と一体的に形成する外に、例えば上記吹出パネル2とは別体に形成し、事後的に該吹出パネル2の各主吹出口22A,22A,22B,22B部分に取り付けるようにすることもできる(例えば、図21を参照)。
【0115】
一方、上記ケーシン11の四つの側壁のうち、上記吹出パネル2側の各主吹出口22A,22Aに対応する一対の側壁11a,11aには略水平方向に指向する第1副吹出口17,17が設けられている。この副吹出口17,17は、特許請求の範囲の「副吹出口」に該当するものであって、上記天井40の上側において略水平に延びるダクト31,31がそれぞれ接続されるとともに、該各ダクト31,31の先端には、その下面に副吹出口33を設けた吹出口ユニット32がそれぞれ接続されている。
【0116】
尚、上記吹出口ユニット32の副吹出口33は、上記天井40を貫通して上記空調空間42に露出されている。また、上記ダクト31の長さ及び上記ケーシン11からの延出方向は室内機Z6の設置条件に応じて適宜設定される。因に、この実施形態においては、ダクト31を直筒体とし、且つその延出方向を上記ケーシン11の側壁11aに直交する方向に設定するとともに、図22に示すように上記吹出口ユニット32が平面方向において上記室内機本体1と排気装置47との中間に位置するように該ダクト31の長さを設定している。
【0117】
以上の如く構成された室内機Z6においては、上記ファン12の回転に伴い、上記吸込口21から吸入される吸込空気A1は、上記熱交換器15においてその内部の循環冷媒との間での熱交換によって温度調整される。そして、この温度調整された空気は、その一部が上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として直下方向に吹き出され、他の一部は上記ダクト31及び吹出口ユニット32を介して上記副吹出口33から直下方向に吹き出される。
【0118】
従って、この室内機Z6においては、例えば上記第1副吹出口17,17を設けず上記主吹出口22A,22A,22B,22Bのみから吹出空気A2を吹き出す構成とした場合に比して、上記各副吹出口33,33から吹出空気A3が吹き出される分だけ、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹き出される吹出空気A2の風量及び風速が低下し、且つ上記各副吹出口33,33から吹き出される吹出空気A3の風量及び風速に近いものとなることから、例えば、上記副吹出口33,33を設けないものに比して、上記天井40側のより広い平面領域から且つ比較的風速の低い吹出空気A2,A3が直下方向に向けて吹き出されることになる。
【0119】
また、この場合、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには上記各吹出ガイド部材25,25,・・が設けられているため、上記吹出空気A2は、上記室内機本体1の下面側から直下方向に向けて吹き出されるとともに、該吹出ガイド部材25によって上記主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出直後における拡散が防止されることから、該吹出空気A2は下方へ比較的強い指向性をもち、その気流の到達距離が長くなり、床面41側への到達度合いが大きい。さらに、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bのそれぞれに上記吹出ガイド部材25が設けられているので、該吹出ガイド部材25の遮蔽作用によって上記吸込空気A1と吹出空気A2とが区画される状態となり、従って、上記吸込口21と上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bとが比較的接近した位置にあったとしても、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出ガイド部材25を通して直下方向へ吹き出される吹出空気A2の一部がそのまま上記吸込口21側に吸込空気A1として吸い込まれる現象、所謂「ショートサーキット現象」の発生が可及的に防止されることになる。これらの相乗効果として、快適性の高い空調が実現される。
【0120】
(D−3) 第7の実施形態
図21には、本願発明の第7の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z7を示している。この室内機Z7は、所謂「天井埋込型」の室内機であって、下面が開口した矩形箱状形態をもち且つ天井40側に埋込配置されるケーシン11と、該ケーシン11の下面開口を閉塞するようにその下方側から装着された吹出パネル2とで構成される室内機本体1を備えるとともに、該室内機本体1の内部にモータ13により回転駆動されるファン12と該ファン12の外周側を囲繞する如く筒状に立設された熱交換器15とをそれぞれ配置して構成される。
【0121】
上記吹出パネル2は、略矩形の平板状形態を有し且つ平面方向の中央部に吸込口21を、該吸込口21の外側には該吸込口21を矩形状に囲繞するように四つの吹出口、即ち、該吸込口21を挟んで対向する一対の主吹出口22A,22Aと該主吹出口22A,22Aの対向方向に略直交する方向において上記吸込口21を挟んで対向する他の一対の主吹出口22B,22Bとをそれぞれ設けて構成されている。
【0122】
これら各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、特許請求の範囲の「吹出口22A,22B」に該当するものであって、この実施形態においては、共に上記吹出パネル2をその厚さ方向に貫通し外側に向けて下降傾斜する通路とされるとともに、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bの外端(下端)には、長矩形筒状形態をもつ吹出ガイド部材25が、上記吹出パネル2の下面から下方へ突出状態でそれぞれ取り付けられており、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、これら各吹出ガイド部材25,25,・・によってその通路方向が斜め外側への下降傾斜方向から直下方向へ修正されたような状態となっている。さらに、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには、それぞれダンパー19が備えられており、該ダンパー19の開閉によって該各主吹出口22A,22A,22B,22Bは必要に応じて個別に開放又は閉塞される(図23〜図25を参照)。
【0123】
尚、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bは、上記のようにダンパー19により必要に応じて開放又は閉塞させる構成とする外に、例えば室内機の設置場所、使用形態等の条件に基づいて必要性の有無が予め想定できる場合には、必要性のあるもののみを設け、必要性の無いものは当初から設けない構成とすることも可能である。また、上記吹出ガイド部材25は、この実施形態のように上記吹出パネル2と別体に形成する外に、例えば上記吹出パネル2と一体に形成することもできる(例えば、図20を参照)。
【0124】
一方、上記ケーシン11の四つの側壁のうち、上記吹出パネル2側の各主吹出口22A,22Aに対応する一対の側壁11a,11aには略水平方向に指向する第1副吹出口17,17が設けられている。この副吹出口17,17は、特許請求の範囲の「副吹出口」に該当するものであって、上記天井40の上側において略水平に延びるダクト31,31がそれぞれ接続されるとともに、該各ダクト31,31の先端には、その下面に副吹出口33を設けた吹出口ユニット32がそれぞれ接続されている。
【0125】
尚、上記吹出口ユニット32の副吹出口33は、上記天井40を貫通して上記空調空間42に露出されている。また、上記ダクト31の長さ及び上記ケーシン11からの延出方向は室内機Z7の設置条件に応じて適宜設定される。因に、この実施形態においては、ダクト31を直筒体とし、且つその延出方向を上記ケーシン11の側壁11aに直交する方向に設定するとともに、図22に示すように上記吹出口ユニット32が平面方向において上記室内機本体1と排気装置47との中間に位置するように該ダクト31の長さを設定している。
【0126】
以上の如く構成された室内機Z7においては、上記ファン12の回転に伴い、上記吸込口21から吸入される吸込空気A1は、上記熱交換器15においてその内部の循環冷媒との間での熱交換によって温度調整される。そして、この温度調整された空気は、その一部が上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として直下方向に吹き出され、他の一部は上記ダクト31及び吹出口ユニット32を介して上記副吹出口33から直下方向に吹き出される。
【0127】
従って、この室内機Z7においては、例えば上記第1副吹出口17,17を設けず上記主吹出口22A,22A,22B,22Bのみから吹出空気A2を吹き出す構成とした場合に比して、上記各副吹出口33,33から吹出空気A3が吹き出される分だけ、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹き出される吹出空気A2の風量及び風速が低下し、且つ上記各副吹出口33,33から吹き出される吹出空気A3の風量及び風速に近いものとなるため、例えば、上記副吹出口33,33を設けないものに比して、上記天井40側のより広い平面領域から且つ比較的風速の低い吹出空気A2,A3が直下方向に向けて吹き出されることになる。
【0128】
また、この場合、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bには上記各吹出ガイド部材25,25,・・が設けられているため、上記吹出空気A2は、上記室内機本体1の下面側から直下方向に向けて吹き出されるとともに、該吹出ガイド部材25によって上記主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出直後における拡散が防止されることから、該吹出空気A2は下方へ比較的強い指向性をもち、その気流の到達距離が長くなり、床面41側への到達度合いが大きい。さらに、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bのそれぞれに上記吹出ガイド部材25が設けられているので、該吹出ガイド部材25の遮蔽作用によって上記吸込空気A1と吹出空気A2とが区画される状態となり、従って、上記吸込口21と上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bとが比較的接近した位置にあったとしても、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出ガイド部材25を通して直下方向へ吹き出される吹出空気A2の一部がそのまま上記吸込口21側に吸込空気A1として吸い込まれる現象、所謂「ショートサーキット現象」の発生が可及的に防止されることになる。これらの相乗効果として、快適性の高い空調が実現される。
【0129】
(D−4) 第3の形態群における気流特性の説明
ここで、この第3の形態群に属する上記第5〜第7の実施形態にかかる室内機Z5〜Z7の使用状態時における気流特性を、図22に示すように、該室内機Z5〜Z7を、油煙発生源及び油煙を排出するための排気装置を備えた焼肉店等の店舗に設置した場合を例にとって説明する。
【0130】
即ち、図22に示すように、床面41と天井40とによって上下方向に区画された空調空間42(即ち、焼肉店の店内空間)の該床面41側には、コンロ等の調理器46を備えたテーブル45が所定間隔をもって多数設置されている。また、これら各テーブル45,45,・・の上方位置には、上記調理器46から発生する油煙52を室外へ排出させるために排気装置47が設けられている。尚、この排気装置47は、例えば、集煙用の排気フード48を排気導出管49を介して天井40の上側に配置された排気ダクト50に接続して構成され、該排気ダクト50側に配置された排気ファン(図示省略)の吸引作用によって上記調理器46からの油煙52を上記排気フード48側に集煙し且つこれを上記排気導出管49を介して上記排気ダクト50側に導出するようになっている。
【0131】
そして、このような環境条件をもつ空調空間42の空調を行うべく上記天井40側に上記室内機Z5(Z6,Z7)を設置する場合、該室内機Z5(Z6,Z7)からの吹出空気A2による在室者のドラフト感を防止するとの観点から、該室内機Z5(Z6,Z7)を、上記各テーブル45,45,・・の近傍の各排気領域S1,S1,・・を避けて、これら各テーブル45,45,・・の中間の通路部分に対応する非排気領域S2の上方位置に設置している。
【0132】
ここで、上記各調理器46,46,・・のそれぞれにおいて焼肉調理が行われ、該調理器46,46,・・から発生する油煙52を上記各排気装置47,47,・・によって排気している状態において、上記室内機Z5(Z6,Z7)が運転される場合における気流特性を考察する。
【0133】
図22に示すように、上記室内機Z5(Z6,Z7)においては、その運転により、非排気領域S2の周辺領域の空気を吸込空気A1として吸込口21側から吸入し、これを熱交換器15において熱交換して温度調整する。この温度調整された空気は、その一部は上記室内機本体1の下面側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として直下方向に向けて(即ち、直下の床面41側に向けて)吹き出され、他の一部は上記各第1副吹出口17,17から上記ダクト31及び吹出口ユニット32を介して上記各副吹出口33,33から吹出空気A3として直下方向に向けて吹き出される。
【0134】
従って、上記室内機Z5(Z6,Z7)を設置することで、該室内機Z5(Z6,Z7)の下面側に設けられた上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bと該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから側方へ適宜離間して配置された上記各副吹出口33,33の双方からそれぞれ吹出空気A2及び吹出空気A3が直下方向に吹き出され、しかも吹出空気が上記主吹出口22A,22A,22B,22B側と上記副吹出口33,33側とに分割されたことによって上記吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速が比較的低く且つ可及的に均一化されることから、該吹出空気A2及び吹出空気A3の下方への到達距離は比較的短く、床面41側に直接これら吹出空気A2及び吹出空気A3が到達するとことは少ない。また、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B及び各副吹出口33,33が上記各排気領域S1,S1,・・の間に位置する非排気領域S2の上方側に設置されていることで、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流の影響が上記排気領域S1側に及ぶのが可及的に抑制される。
【0135】
これら相乗効果として、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流による在室者のドラフト感がより一層軽減され、より高い快適性をもつ空調が実現されるとともに、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流によって上記調理器46から立ち上がる油煙52が側方に吹き飛ばされるということがほとんどなく、該油煙52は上記排気装置47の排気フード48側にスムーズに吸入され、上記排気装置47による排気性能がより一層向上することになる。
【0136】
以上のように、上記第5〜第7の実施形態にかかる室内機Z5〜Z7を設置することで、空調の快適性を確保しつつ、良好な排気性能を維持することができるものであり、従って、この例の如く油煙の発生量の多い焼肉店の店内等に設置されるものとして好適である。
【0137】
(D−5) 第3の形態群における吹出パターンの説明
続いて、上記第3の形態群に属する第5〜第7の実施形態にかかる室内機Z5(Z6,Z7)のそれぞれに適用可能な第7〜第9の吹出パターン(即ち、上記第1副吹出口17,17は常に開放状態とされているので、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bの開閉パターンである)を図23〜図25に基づいて説明する。
【0138】
(D−5−1) 第7の吹出パターン
第7の吹出パターンは、図23に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bを全て開放し、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2を吹き出すとともに上記第1副吹出口17,17に接続された上記各副吹出口33,33からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0139】
この第7の吹出パターンは、上記第5〜第7の実施形態にかかる室内機Z5(Z6,Z7)に適用可能な吹出パターンであって、この第7の吹出パターンを採用した場合には、上記第5〜第7の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0140】
即ち、この第7の吹出パターンにおいては、上記主吹出口22A,22Aの側方に上記各副吹出口33,33が位置し、上記主吹出口22B,22Bも含めて、これら各主吹出口22A,22A,22B,22B及び各副吹出口33,33が直線上に並ぶことから、上記室内機Z5(Z6,Z7)の設置に際して、この直線方向を床面41の通路方向に略合致させることで、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B及び各副吹出口33,33から吹き出される吹出空気A2及び吹出空気A3の影響が上記各テーブル45,45,・・の近傍にいる在室者に及ぶのが可及的に防止され、より一層、空調の快適性が向上するものである。
【0141】
(D−5−2) 第8の吹出パターン
第8の吹出パターンは、図24に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bのうち、上記主吹出口22A,22Aを閉塞するとともに上記主吹出口22B,22Bを開放し、上記主吹出口22B,22Bから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記第1副吹出口17,17からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0142】
この第8の吹出パターンは、上記第5〜第7の実施形態にかかる室内機Z5〜Z7に適用可能な吹出パターンであって、この第8の吹出パターンを採用した場合には、上記第5〜第7の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0143】
即ち、この第8の吹出パターンにおいては、上記第7の吹出パターンのように上記室内機本体1側の上記主吹出口22A,22Aと主吹出口22B,22Bの双方が開放している場合に比して、該室内機本体1側の上記主吹出口22B,22Bと上記各副吹出口33,33との間隔が大きいことから、上記第7の吹出パターンの場合に比して、ショトサーキットが発生しにくく、ショトサーキットの発生に起因する空調能力の低下を低く抑えることができるものである。
【0144】
(D−5−3) 第9の吹出パターン
第9の吹出パターンは、図25に示すように、上記主吹出口22A,22A,22B,22Bのうち、上記主吹出口22A,22Aを開放するとともに上記主吹出口22B,22Bを閉塞し、上記主吹出口22A,22Aから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記副吹出口33,33からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0145】
この第9の吹出パターンは、上記第5〜第7の実施形態にかかる室内機Z5〜Z7に適用可能な吹出パターンであって、この第9の吹出パターンを採用した場合には、上記第5〜第7の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0146】
即ち、この第9の吹出パターンにおいては、上記主吹出口22B,22Bが閉塞されており、従って、上記主吹出口22A,22Aとその側方に位置する上記各副吹出口33,33が直線上に並ぶことから、上記室内機Z5(Z6,Z7)の設置に際して、この直線方向を床面41の通路方向に略合致させることで、上記各主吹出口22A,22A及び各副吹出口33,33から吹き出される吹出空気A2及び吹出空気A3の影響が上記各テーブル45,45,・・の近傍にいる在室者に及ぶのが可及的に防止され、上記第7の吹出パターンよりもさらに快適性の高い空調が実現されるものである。
【0147】
(E) 第4の形態群
(E−1) 第8の実施形態
図26には、本願発明の第8の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z8を示している。この室内機Z8は、上記第5の実施形態にかかる室内機Z5が天井埋込型であったのに対して、これを天井吊下型に適用したものであって、該第5の実施形態にかかる室内機Z5の変形例として位置づけられるものである。従って、その基本構成は上記室内機Z5と同様であり、これと異なる点は、上記ケーシン11の他の側壁11b,11bにそれぞれ第2副吹出口18,18を設け、該各第2副吹出口18,18からも吹出空気A3を側方へ向けて吹き出すように構成した点である。尚、上記室内機Z5における構成部材と同一の構成部材に対しては同一の符号を付して第5の実施形態における該当説明を援用する。
【0148】
この実施形態の室内機Z8においては、上記室内機本体1側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bからそれぞれ直下方向に向けて吹出空気A2が吹き出されるとともに、上記各副吹出口33,33からは吹出空気A3が直下方向に向けて吹き出され、さらに上記第2副吹出口18,18からは吹出空気A3が側方へ向けて吹き出される。
【0149】
従って、例えば、上記第5の実施形態の室内機Z5のように上記第2副吹出口18,18を設けずに、上記主吹出口22A,22A,22B,22Bと上記第1副吹出口17,17(即ち、上記副吹出口33,33)の双方のみから吹出空気A2及び吹出空気A3をそれぞれ吹き出す構成とした場合に比して、上記第2副吹出口18,18から吹出空気A3が吹き出される分だけ、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B及び上記各副吹出口33,33から吹き出される吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速が低下するので、上記第5の実施形態の場合よりも、上記天井40側のより広い平面領域から且つ風速のより低い吹出空気A2,A3が直下方向に向けて吹き出されることになる。
【0150】
(E−2) 第9の実施形態
図27には、本願発明の第9の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室内機Z9を示している。この室内機Z9は、上記第6の実施形態にかかる室内機Z6が天井埋込型であったのに対して、これを天井吊下型に適用したものであって、該第6の実施形態にかかる室内機Z6の変形例として位置づけられるものである。従って、その基本構成は該室内機Z6と同様であり、これと異なる点は、上記ケーシン11の他の側壁11b,11bにそれぞれ第2副吹出口18,18を設け、該各第2副吹出口18,18からも吹出空気A3を側方へ向けて吹き出すように構成した点である。尚、上記室内機Z6における構成部材と同一の構成部材に対しては同一の符号を付して第5の実施形態における該当説明を援用する。
【0151】
この実施形態の室内機Z9においては、上記室内機本体1側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bからそれぞれ直下方向に向けて吹出空気A2が吹き出されるとともに、上記各副吹出口33,33からは吹出空気A3が直下方向に向けて吹き出され、さらに上記第2副吹出口18,18からは吹出空気A3が側方へ向けて吹き出される。
【0152】
従って、例えば、上記第6の実施形態の室内機Z6のように上記第2副吹出口18,18を設けずに、上記主吹出口22A,22A,22B,22Bと上記第1副吹出口17,17(即ち、上記副吹出口33,33)の双方のみから吹出空気A2及び吹出空気A3をそれぞれ吹き出す構成とした場合に比して、上記第2副吹出口18,18から吹出空気A3が吹き出される分だけ、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B及び上記各副吹出口33,33から吹き出される吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速が低下するので、上記第6の実施形態の場合よりも、上記天井40側のより広い平面領域から且つ風速のより低い吹出空気A2,A3が直下方向に向けて吹き出されることになる。
【0153】
(E−3) 室内機Z8及び室内機Z9における気流特性の説明
ここで、上記第8及び第9の実施形態にかかる各室内機Z8,Z9の使用状態時における気流特性を、図28に示すように、該室内機Z8,Z9を、油煙発生源及び油煙を排出するための排気装置を備えた焼肉店等の店舗に設置した場合を例にとって説明する。
【0154】
図28に示すように、床面41と天井40とによって上下方向に区画された空調空間42(即ち、焼肉店の店内空間)の該床面41側には、コンロ等の調理器46を備えたテーブル45が所定間隔をもって多数設置されている。また、これら各テーブル45,45,・・の上方位置には、上記調理器46から発生する油煙52を室外へ排出させるために排気装置47が設けられている。尚、この排気装置47は、例えば、集煙用の排気フード48を排気導出管49を介して天井40の上側に配置された排気ダクト50に接続して構成され、該排気ダクト50側に配置された排気ファン(図示省略)の吸引作用によって上記調理器46からの油煙52を上記排気フード48側に集煙し且つこれを上記排気導出管49を介して上記排気ダクト50側に導出するようになっている。
【0155】
そして、このような環境条件をもつ空調空間42の空調を行うべく上記天井40側に上記室内機Z8(Z9)を設置する場合、該室内機Z8(Z9)からの吹出空気A2による在室者のドラフト感を防止するとの観点から、該室内機Z8(Z9)を、上記各テーブル45,45,・・の近傍の各排気領域S1,S1,・・を避けて、これら各テーブル45,45,・・の中間の通路部分に対応する非排気領域S2の上方位置に設置している。
【0156】
ここで、上記各調理器46,46,・・のそれぞれにおいて焼肉調理が行われ、該調理器46,46,・・から発生する油煙52を上記各排気装置47,47,・・によって排気している状態において、上記室内機Z8(Z9)が運転される場合における気流特性を考察する。
【0157】
図28に示すように、上記室内機Z8(Z9)においては、その運転により、非排気領域S2の周辺領域の空気を吸込空気A1として吸込口21側から吸入し、これを熱交換器15において熱交換して温度調整する。この温度調整された空気は、その一部は上記室内機本体1の下面側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として直下方向に向けて(即ち、直下の床面41側に向けて)吹き出され、他の一部は上記各第1副吹出口17,17から上記ダクト31及び吹出口ユニット32を介して上記各副吹出口33,33から吹出空気A3として直下方向に向けて吹き出され、さらにこれら以外の一部は上記第2副吹出口18,18から直接吹出空気A3として側方へ吹き出される。
【0158】
従って、上記室内機Z8(Z9)を設置することで、該室内機Z8(Z9)の下面側に設けられた上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bの外に、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから側方へ適宜離間した位置に上記各副吹出口33,33が設けられ且つこれら双方からそれぞれ吹出空気A2及び吹出空気A3が直下方向に吹き出されるとともに、さらにこれに加えて、上記各第2副吹出口18,18から吹出空気A3が側方へ向けて吹き出されることから、熱交換器15通過後の吹出空気が三方に分流され、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速は比較的低く且つ可及的に均一化される。この結果、直下方向へ吹き出される吹出空気A2及び吹出空気A3に着目した場合、これら吹出空気A2及び吹出空気A3の下方への到達距離は比較的短く、床面41側に直接これらの気流が到達することは少ない。また、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B及び各副吹出口33,33が上記各排気領域S1,S1,・・の間に位置する非排気領域S2の上方側に設置されていることで、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流の影響が上記排気領域S1側に及ぶのが可及的に抑制される。
【0159】
これら相乗効果として、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流による在室者のドラフト感がより一層軽減され、より高い快適性をもつ空調が実現されるとともに、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流によって上記調理器46から立ち上がる油煙52が側方に吹き飛ばされるということがほとんどなく、該油煙52は上記排気装置47の排気フード48側にスムーズに吸入されることから、上記排気装置47による排気性能がより一層向上することになる。
【0160】
以上のように、上記第8及び第9の実施形態にかかる室内機Z8,Z9を設置することで、空調の快適性を確保しつつ、良好な排気性能を維持することができるものであり、従って、この例の如く油煙の発生量の多い焼肉店の店内等に設置されるものとして好適である。
【0161】
(E−4) 第10の実施形態
図29には、本願発明の第10の実施形態にかかる分離型の空気調和装置の室
内機Z10を示している。この室内機Z10は、上記第8の実施形態にかかる室内機Z8の変形例として位置づけられるものであって、該室内機Z8と異なる点は、該室内機Z8においては上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bが直下通路であったのに対し、これを外側に向けて下降傾斜する通路とした点、及びかかる通路構成の結果として該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹き出される吹出空気A2は直下方向に向かうのではなく、斜め下方へ向かう流れである点であり、これ以外の構成等は全て上記室内機Z8と同様であり、従ってここでは該室内機Z8の構成部材と同一の構成部材に対しては同一の符号を付して第8の実施形態における該当説明を援用する。
【0162】
このように構成された上記室内機Z10においては、上記室内機本体1側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bからそれぞれ斜め下方に向けて吹出空気A2が吹き出されるとともに、上記各副吹出口33,33からは吹出空気A3が直下方向に向けて吹き出され、さらに上記第2副吹出口18,18からは吹出空気A3が側方へ向けて吹き出される。
【0163】
(E−5) 室内機Z10における気流特性の説明
ここで、上記第10の実施形態にかかる室内機Z10の使用状態時における気流特性を、図30を参照して説明する。
【0164】
この実施形態のものにおいては、図30に示すように、上記室内機Z10においては、その運転により、非排気領域S2の周辺領域の空気を吸込空気A1として吸込口21側から吸入し、これを熱交換器15において熱交換して温度調整する。この温度調整された空気は、その一部は上記室内機本体1の下面側の上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2として斜め下方へ向けて吹き出され、他の一部は上記各第1副吹出口17,17から上記ダクト31及び吹出口ユニット32を介して上記各副吹出口33,33から吹出空気A3として直下方向に向けて吹き出され、さらにこれら以外の一部は上記第2副吹出口18,18から直接吹出空気A3として側方へ吹き出される。
【0165】
従って、上記室内機Z10を設置することで、該室内機Z10の下面側に設けられた上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2が直下方向に向けて吹き出される外に、該各主吹出口22A,22A,22B,22Bから側方へ適宜離間した位置に上記各副吹出口33,33が設けられ且つここから吹出空気A3が直下方向に吹き出されるとともに、さらにこれに加えて、上記各第2副吹出口18,18から吹出空気A3が側方へ向けて吹き出されることから、熱交換器15通過後の吹出空気が三方に分流され、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速は比較的低く且つ可及的に均一化される。この結果、斜め下方に吹き出される吹出空気A2及び直下方向に吹き出される吹出空気A3に着目した場合、これら吹出空気A2及び吹出空気A3の到達距離は比較的短く、該吹出空気A2の気流が上記非排気領域S2に到達すること、及び上記吹出空気A3の気流が床面41に到達することは少ない。また、上記各主吹出口22A,22A,22B,22B及び各副吹出口33,33が上記各排気領域S1,S1,・・の間に位置する非排気領域S2の上方側に設置されていることで、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流の影響が上記排気領域S1側に及ぶのが可及的に抑制されることになる。
【0166】
これら相乗効果として、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流による在室者のドラフト感がより一層軽減され、より高い快適性をもつ空調が実現されるとともに、上記吹出空気A2及び吹出空気A3の気流によって上記調理器46から立ち上がる油煙52が側方に吹き飛ばされるということがほとんどなく、該油煙52は上記排気装置47の排気フード48側にスムーズに吸入され、上記排気装置47による排気性能がより一層向上することになる。
【0167】
以上のように、上記第10の実施形態にかかる室内機Z10を設置することで、空調の快適性を確保しつつ、良好な排気性能を維持することができるものであり、従って、この例の如く油煙の発生量の多い焼肉店の店内等に設置されるものとして好適である。
【0168】
(E−6) 第4の形態群における吹出パターンの説明
続いて、上記第4の形態群に属する第8〜第10の実施形態にかかる室内機Z8〜Z10のそれぞれに適用可能な第10〜第12の吹出パターン(即ち、上記第1副吹出口17,17及び第2副吹出口18,18は常に開放状態とされているので、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bの開閉パターンである)を図31〜図33に基づいて説明する。
【0169】
(E−6−1) 第10の吹出パターン
第10の吹出パターンは、図31に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bを全て開放し、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記第1副吹出口17,17に接続された上記各副吹出口33,33、及び上記第2副吹出口18,18からもそれぞれ吹出空気A3を吹き出すものである。
【0170】
この第10の吹出パターンは、上記第8〜第10の実施形態にかかる室内機Z8,Z9,Z10に適用可能な吹出パターンであって、この第10の吹出パターンを採用した場合には、上記第8〜第10の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0171】
即ち、この第10の吹出パターンにおいては、全ての吹出口、即ち、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bと第1副吹出口17,17(即ち、上記副吹出口33,33)と第2副吹出口18,18が共に開放され、これらからそれぞれ吹出空気A2及び吹出空気A3が吹き出されるので、例えば図16に示す第6の吹出パターンの場合よりもさらに吹出空気を下方に向けて吹き出し易く、それだけ空調の快適性が向上するものである。
【0172】
(E−6−2) 第11の吹出パターン
第11の吹出パターンは、図32に示すように、上記各主吹出口22A,22A,22B,22Bのうち、上記主吹出口22A,22Aを開放するとともに上記主吹出口22B,22Bを閉塞し、上記主吹出口22A,22Aから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記副吹出口33,33と第2副吹出口18,18の双方からも吹出空気A3を吹き出すものである。
【0173】
この第11の吹出パターンは、上記第8〜第10の実施形態にかかる室内機Z8,Z9,Z10に適用可能な吹出パターンであって、この第11の吹出パターンを採用した場合には、上記第5〜第7の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0174】
即ち、この第11の吹出パターンにおいては、上記第2副吹出口18,18からも吹出空気A3が吹き出される構成であることから、例えば図25に示す第9の吹出パターンの場合よりも吹出面積が増加する分だけ吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速をさらに下げることができ、それだけ空調の快適性が促進されるものである。
【0175】
(E−6−3) 第12の吹出パターン
第12の吹出パターンは、図33に示すように、上記主吹出口22A,22A,22B,22Bのうち、上記主吹出口22A,22Aを閉塞するとともに上記主吹出口22B,22Bを開放し、上記主吹出口22A,22Aから吹出空気A2を吹き出すとともに、上記副吹出口33,33及び第2副吹出口18,18からもそれぞれ吹出空気A3を吹き出すものである。
【0176】
この第12の吹出パターンは、上記第8〜第10の実施形態にかかる室内機Z8,Z9,Z10に適用可能な吹出パターンであって、この第12の吹出パターンを採用した場合には、上記第8〜第10の実施形態においてそれぞれ説明した基本的効果が得られるのに加えて、以下のような特有の効果が得られるものである。
【0177】
即ち、この第12の吹出パターンにおいては、上記第2副吹出口18,18からも吹出空気A3が吹き出される構成であることから、例えば図24に示す第8の吹出パターンの場合よりも吹出面積が増加する分だけ吹出空気A2及び吹出空気A3の風量及び風速をさらに下げることができ、それだけ空調の快適性が促進されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかる室内機の斜視図である。
【図2】 図1に示した室内機の内部構造を示す断面図である。
【図3】 本願発明の第2の実施形態にかかる室内機の斜視図である。
【図4】 図3に示した室内機の内部構造を示す断面図である。
【図5】 本願発明の第3の実施形態にかかる室内機の内部構造を示す断面図である。
【図6】 第1〜第3の実施形態にかかる室内機を備えた場合における室内の気流状態説明図である。
【図7】 第1〜第3の実施形態にかかる室内機を備えた場合における室内の気流状態説明図である。
【図8】 本願発明の第4の実施形態にかかる室内機の斜視図である。
【図9】 図8に示した室内機の内部構造を示す断面図である。
【図10】 第4の実施形態にかかる室内機を備えた場合における室内の気流状態説明図である。
【図11】 室内機における第1の吹出パターンを示す概念図である。
【図12】 室内機における第2の吹出パターンを示す概念図である。
【図13】 室内機における第3の吹出パターンを示す概念図である。
【図14】 室内機における第4の吹出パターンを示す概念図である。
【図15】 室内機における第5の吹出パターンを示す概念図である。
【図16】 室内機における第6の吹出パターンを示す概念図である。
【図17】 本願発明の第5の実施形態にかかる室内機の斜視図である。
【図18】 図17に示した室内機の内部構造を示す断面図である。
【図19】 本願発明の第6の実施形態にかかる室内機の斜視図である。
【図20】 図19に示した室内機の内部構造を示す断面図である。
【図21】 本願発明の第7の実施形態にかかる室内機の内部構造を示す断面図である。
【図22】 第5〜第7の実施形態にかかる室内機を備えた場合における室内の気流状態説明図である。
【図23】 室内機における第7の吹出パターンを示す概念図である。
【図24】 室内機における第8の吹出パターンを示す概念図である。
【図25】 室内機における第9の吹出パターンを示す概念図である。
【図26】 本願発明の第8の実施形態にかかる室内機の斜視図である。
【図27】 本願発明の第9の実施形態にかかる室内機の斜視図である。
【図28】 第8及び第9の実施形態にかかる室内機を備えた場合における室内の気流状態説明図である。
【図29】 本願発明の第10の実施形態にかかる室内機の斜視図である。
【図30】 第10の実施形態にかかる室内機を備えた場合における室内の気流状態説明図である。
【図31】 室内機における第10の吹出パターンを示す概念図である。
【図32】 室内機における第11の吹出パターンを示す概念図である。
【図33】 室内機における第12の吹出パターンを示す概念図である。
【図34】 従来の室内機を示す斜視図である。
【図35】 図342の室内機の内部構造を示す断面図である。
【図36】 従来の室内機を備えた場合における室内の気流状態説明図である。
【符号の説明】
1は室内機本体、2は吹出パネル、10は空気通路、11はケーシン、12はファン、13はモータ、14はファンガイド、15は熱交換器、16はフィルター、17は第1副吹出口、18は第2副吹出口、19及び20はダンパー、21は吸込口、22A,22A,22B,22Bは主吹出口、23は室内グリル、24はフラップ、25は吹出ガイド部材、31はダクト、32は吹出口ユニット、33は副吹出口、40は天井、41は床面、42は空調空間、45はテーブル、46は調理器、47は排気装置、48は排気フード、49は排気導出管、50は排気ダクト、52は油煙、S1及びS2は排気領域、A1は室内空気、A2及びA3は吹出空気、Z1〜Z10は室内機である。

Claims (5)

  1. 室内機本体(1)の下面中央部に吸込口(21)を、該吸込口(21)の周囲に吹出口(22A),(22B)をそれぞれ備えるとともに該吸込口(21)から吹出口(22A),(22B)に至る空気通路(10)中にファン(12)と熱交換器(15)とを配置してなり、局所的な排気が行われる排気領域(S1)を有する空調空間(42)の天井(40)側に上記吸込口(21)を下方に向けた状態で配置される空気調和装置の室内機であって、
    上記吹出口(22A),(22B)からの吹出空気(A2)を略直下方向に吹き出すように構成されていて、
    上記吹出口(22A),(22B)には、略筒状形態をもち上記吹出口(22A),(22B)から吹き出される吹出空気(A2)を略直下方向に案内する吹出ガイド部材(25)が上記室内機本体(1)の下面から下方へ延出状態で設けられていることを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 請求項1において、
    上記室内機本体(1)の側壁(11a),(11b)に吹出空気(A3)を側方へ向けて吹き出す副吹出口(17),(18)が設けられていることを特徴とする空気調和装置の室内機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記吹出口(22A),(22B)が上記室内機本体(1)の下面から外側に向けて斜め下方へ指向していることを特徴とする空気調和装置の室内機。
  4. 請求項2又において、
    上記副吹出口(17),(18)がダクト(31)を介して上記室内機本体(1)から側方へ離間した位置において直下方向に向けて開口していることを特徴とする空気調和装置の室内機。
  5. 請求項1,2,3又において、
    上記吹出口(22A),(22B)が上記室内機本体(1)と別体構成の吹出パネル(2)側に設けられ、該室内機本体(1)に対して着脱自在とされていることを特徴とする空気調和装置の室内機。
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