JP4603921B2 - 内燃機関の燃料噴射制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多段噴射可能な蓄圧式燃料噴射装置を備え、メイン噴射と、該メイン噴射に先立つサブ噴射又はメイン噴射より遅れるサブ噴射のいずれかのサブ噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御方法に関する。
図13は、この種の内燃機関における多段噴射パターンの一例を示しており、1回のメイン噴射Fと、該メイン噴射Fに先立つ2つのサブ噴射、すなわち第1、第2のパイロット噴射P1,P2と、前記メイン噴射Fから遅れるサブ噴射、すなわちポスト噴射Rを有している。
この多段噴射の従来の制御は、エンジンの運転状態により、総噴射量と、サブ噴射の噴射回数及び各噴射量を求め、総噴射量よりすべてのサブ噴射量を引いて、メイン噴射量を算出するようになっている。また、各サブ噴射P1,P2,Rとメイン噴射Fには噴射優先度が設定されており、予め設定されている最低値(しきい値)より、算出値が小さくなった時は、優先度の最も低い噴射から停止することにより、優先度の高い噴射量を充分に確保するようになっている。
図12は、図13の多段噴射における噴射の優先度、各噴射の冷態時噴射量、最低噴射量及び暖態時の噴射量の一例を示している。図12において、噴射の優先度の第1位は当然メイン噴射Fであり、第2位はメイン噴射Fに近い側の第1のパイロット噴射P1であり、第3位はポスト噴射Rであり、そして第4位がメイン噴射Fより遠い側の第2のパイロット噴射P2である。最低噴射量は、メイン噴射Fが2mm3/st、各サブ噴射P1,P2,Rがそれぞれ0.5mm3/stとなっている。また、冷態時の噴射量は、たとえば総噴射量が9mm3/stである場合には、メイン噴射Fは4mm3/st、第1及び第2のパイロット噴射P1、P2はそれぞれ1mm3/st、ポスト噴射Rは3mm3/stとなっている。
なお、多段噴射パターンを有する内燃機関の公知技術文献としては、特許文献1等がある。
特開平11−93735号公報
図12及び図13のような多段噴射パターンの内燃機関の制御において、燃料の要求総噴射量は、エンジンの温度、潤滑油温度又は冷却水温度等によって左右されるものであり、エンジン(シリンダ)の温度が低い場合は、潤滑油の粘度が高いために機械ロスが大きく、要求総噴射量が増大し、一方、機関が暖まると、潤滑油の粘度が下がるために機械ロスが減り、要求総噴射量が減少する。
たとえば、図12のように、冷態時のアイドリング回転における要求総噴射量が9mm3/stとすると、同アイドリング回転の暖態時には、同じ機関回転数でも、潤滑油の粘性が低下することにより機械ロスが減り、要求総噴射量は7.5mm3/stまで減少する。この要求総噴射量の減少過程において、図12の中段に示すように、サブ噴射P1、P2、Rの噴射量は原則として一定値に維持するように制御されるため、それぞれ1mm3/st、1mm3/st及び3mm3/stの噴射量を保ち、一方、メイン噴射Fの噴射量のみが1.5mm3/stまで減少することになる。
ところが、メイン噴射Fの最低噴射量が2mm3/stに設定されていることにより、この最低噴射量を充分に確保するために、図12の下段に示すように、優先度の最も低い第2のパイロット噴射P2を停止して噴射量を0とし、該第2のパイロット噴射P2の噴射量相当分をメイン噴射Fに加算するように制御されるのである。
このように、冷態から暖態に移行する際、サブ噴射の1つが停止し、噴射しなくなると、パイロット噴射の機能が低減する。たとえば青白煙の発生防止効果が低減する。
また、冷態から暖態に移行した際のメイン噴射量の算出値が、最低噴射量2.0mm3/stの近くで変動している場合には、第2のパイロット噴射P2が停止と噴射を交互に繰り返すことになり、機関音のフィーリングが悪くなり、機関運転者に対して不快感を与えることになる。
[発明の目的]
本発明の目的は、多段噴射パターンを有する内燃機関の燃料噴射制御方法において、運転状態の変化に対して、総要求噴射量が減少しても、パイロット噴射又はポスト噴射のようなサブ噴射を停止させることのないように制御することにより、たとえば、冷態時から暖態時への移行の際における青白煙の発生防止や、機関音のフィーリングの悪化防止を行えるようにすることである。
上記課題を解決するため、本願請求項1記載の発明は、多段噴射可能な蓄圧式燃料噴射装置を備え、メイン噴射と、該メイン噴射に先立つサブ噴射又はメイン噴射より遅れるサブ噴射の少なくともいずれかのサブ噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御方法において、エンジン運転状態が冷態か暖態かを判別するエンジン運転状態判別センサーを備え、前記運転状態判別センサーにより冷態から暖態への変化を検出した時に、暖態時のメイン噴射の時期を、冷態時のメイン噴射の時期よりも遅角させることにより、サブ噴射が消滅しないように燃料の総噴射量を増加させる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御方法において、前記運転状態判別センサーにより冷態から暖態への変化を検出した時に、暖態時のメイン噴射の時期を、冷態時のメイン噴射の時期よりも遅角させると共に、メイン噴射に先立つサブ噴射も遅角させることにより、サブ噴射が消滅しないように燃料の総噴射量を増加させる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御方法において、前記運転状態判別センサーにより冷態から暖態への変化を検出した時に、暖態時のメイン噴射の時期を、冷態時のメイン噴射の時期よりも遅角させると共に、メイン噴射よりも遅れるサブ噴射も遅角させることにより、サブ噴射が消滅しないように燃料の総噴射量を増加させる。
請求項4記載の発明は、前記請求項1〜3に記載の各噴射制御を、エンジン運転状態に応じて切り替える。
(1)機関を冷態から暖態に移行する時、潤滑油の粘性低下等により、要求総噴射量が減少するが、請求項1記載の発明では、メイン噴射の時期を冷態時よりも遅らせて燃費を増加(悪化)させることにより、要求総噴射量の減少を抑制し、それによりパイロット噴射等のサブ噴射の停止を回避する。したがって、前記移行時における青白煙の発生及び機関音のフィーリング悪化を防止できる。
(2)請求項2、3及び4記載の発明では、冷態から暖態への移行時に、メイン噴射と共に、パイロット噴射又はポスト噴射のようなサブ噴射の時期も遅らせることにより、効果的に前記移行時の要求総噴射量の減少を抑制し、サブ噴射の停止を回避できる。
(3)請求項4のように、請求項1〜請求項3の噴射パターンの制御を、エンジンの運転状態に応じて切り替えることにより、各運転状態に応じてエンジン性能を向上させることができる。
[実施の形態1]
(内燃機関の構成及び制御)
図1〜図3は本発明の第1の実施の形態であり、多段噴射パターンの燃料噴射制御装置を備えた内燃機関を示す図1において、多気筒内燃機関(たとえばディーゼル機関)1の各気筒にはそれぞれ燃料噴射用のインジェクター2が設けられており、各インジェクター2の燃料入口は燃料高圧管4を介してコモンレール(蓄圧管)3に集合している。コモンレール3の燃料入口3aは燃料供給管5を介して高圧ポンプ6に接続し、高圧ポンプ6の吸い込み口は燃料タンク10に接続している。コモンレール3の余剰燃料出口3bはオーバーフローバルブ9及び燃料余剰管7を介して燃料タンク10に接続し、前記燃料余剰管7には、各インジェクター2の余剰燃料出口11が接続している。
各インジェクター2の開閉作動部(ソレノイド等)は、それぞれ配線13を介して機関コントロールユニット16に電気的に接続しており、機関コントロールユニット16からの開閉指示信号により、各インジェクター2を所定の開閉時期で開閉し、高圧の燃料を気筒内に噴射できるようになっている。
機関コントロールユニット16の入力部には、運転状態判別センサーとして、たとえばカム軸に設けられた気筒判別センサー21、クランク軸に設けられた機関回転数・位相検出センサー22、アクセルセンサー23、ブースト圧センサー24、潤滑油温度センサー25、冷却水温度センサー26及び燃料温度センサー27等が電気的に接続し、各センサーが検出した加速度、回転数、アクセル開度、ブースト圧、潤滑油温度、冷却水温度及び燃料温度を機関コントロールユニット16に入力するようになっている。また、コモンレール3の燃料入口3aの付近にはレール圧(蓄圧)センサー30が設けられ、機関コントロールユニット16に電気的に接続しており、検出したレール圧を機関コントロールユニット16に入力するようになっている。
図3は多段噴射パターンを示しており、1つのメイン噴射Fと、該メイン噴射Fに先立って噴射する2つの第1,第2パイロット噴射P1,P2と、前記メイン噴射Fから遅れた時期のポスト噴射Rから構成されている。前記メイン噴射Fの噴射量は、ガバナ等と連動し回転数・機関負荷の増大(減少)に伴って増量(減量)されるが、パイロット噴射P1,P2およびポスト噴射Rの噴射量は回転数・機関の負荷の増大とは独立に制御されている。
図3の上段は冷態時における噴射パターンであり、下段は暖態時の噴射パターンである。暖態時のメイン噴射Fの噴射時期(噴射開始時期)T2は、冷態時のメイン噴射Fの噴射時期(噴射開始時期)T1よりも一定角度θ1だけ遅角するように設定されている。前記遅角量θ1は、冷態から暖態に運転状態を移行する場合に、メイン噴射Fの噴射時期を少なくとも前記遅角量θ1だけ遅角させることにより、燃費を増加させ、それによりメイン噴射Fの噴射量が最低噴射量以上に維持できる大きさ(角度)に設定されている。
図2の上段は、噴射の優先度と、冷態時の噴射量と、各噴射の最低噴射量を示し、中段は、暖態時における補正前(メイン噴射遅角前)の噴射量を示し、下段は暖態時における補正後(メイン噴射遅角後)の噴射量を示している。
(作用)
(1)機関冷態でのアイドル回転時、要求総噴射量及び各噴射における噴射量は、図2の上段に示すようになっている。すなわち、要求総噴射量が9mm3/st、メイン噴射Fの噴射量が4mm3/st、第1、第2パイロット噴射P1,P2の噴射量がそれぞれ1mm3/st、そしてポスト噴射Rの噴射量が3mm3/stとなっている。
(2)前記冷態から暖機運転を行い、図1の潤滑油温度センサー25又は冷却水温度センサー26により、潤滑油温度又は冷却水温度が一定値以上になるのを検出すると、内燃機関が冷態から暖態に移行したと判別し、図3の下段のように、メイン噴射Fの噴射時期をT1からT2に遅角する。なお、上記冷態から暖態に移行したことを判別するためのパラメータは、潤滑油温度又は冷却水温度には限定されず、シリンダ温度や排気温度等、各種パラメータを利用することができる。
(3)仮に、メイン噴射Fの噴射時期が冷態時のT1のままだとすると、暖態時の要求総燃料噴射量は、図2の中段に示すように7.5mm3/stまで減少する。この場合、各サブ噴射の噴射量は一定であり、メイン噴射Fの噴射量だけ減少するので、メイン噴射Fは前記図12の場合と同様に1.5mm3/stとなり、メイン噴射Fの最低噴射量(2.0mm3/st)を下回り、優先度の最も低い第2のパイロット噴射P2が停止する事態になる。
これを回避するため、本実施の形態では、メイン噴射Fの噴射時期を遅角させることにより(T1→T2)、冷態から暖態への移行時の要求総噴射量の減少を抑制する。たとえば図2の下段に示すように噴射量の低下を8.5mm3/stまでに抑制し、これにより、メイン噴射Fの噴射量を、最低噴射量よりも大きい3.5mm3/stまでの減少に抑える。したがって、前記図12の従来例のようにサブ噴射を停止するという現象は回避でき、青白煙の発生又は機関音のフィーリングの悪化を防止できるのである。
[第2の実施の形態]
図4は第2の実施の形態を示しており、冷態から暖態への移行時に、メイン噴射Fの噴射時期をθ1だけ遅角させると同時に、パイロット噴射P1,P2及びポスト噴射Rの噴射時期もθ1だけ遅角させる制御方法である。その他の基本的な制御は、前記第1の実施の形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
なお、メイン噴射Fと共にパイロット噴射P1.P2だけを遅角させる制御とすることも、メイン噴射Fと共にポスト噴射Rのみを遅角させる制御とすることも可能である。
[第3の実施の形態]
図5及び図6は第3の実施の形態であり、従来のメイン噴射を第1のメイン噴射F1とし、このメイン噴射F1から遅れた時期に、該メイン噴射F1と同等の取り扱いをする第2のメイン噴射F2を追加した例であり、ポスト噴射は行うようになっていない。第1のメイン噴射F1と第2のメイン噴射F2の噴射量は均等に設定されている。
上記第2のメイン噴射F2と同等の取り扱いとは、第1及び第2のパイロット噴射P1,P2のように、青白煙防止等の目的のために常時一定量で噴射するように設定された噴射と異なり、第1のメイン噴射F1と同様に、たとえば機関出力の増減に応じて増減調節される。
図6は第3の実施の形態における多段噴射パターンを示しており、2つの第1,第2のメイン噴射F1,F2と、該メイン噴射F1,F2に先立って噴射する2つの第1,第2パイロット噴射P1,P2とから構成されている。両メイン噴射F1,F2の噴射量は前述のように均等であり、ガバナ等と連動し回転数・機関負荷の増大(減少)に伴って増量(減量)されるが、パイロット噴射P1,P2およびポスト噴射Rの噴射量は回転数・機関の負荷の増大とは独立に制御されている。
図6の上段のグラフは冷態時における噴射パターンであり、下段のグラフは暖態時の噴射パターンである。冷態から暖態に運転状態を移行する場合に、要求総噴射量の減少に伴って、両メイン噴射F1,F2の噴射量は同等に減少するようになっている。
図5の上段は、メイン噴射量の割合と、噴射の優先度と、冷態時の噴射量と、各噴射の最低噴射量を示し、下段は、暖態時における噴射量を示している。
作用を説明する。
(1)機関冷態でのアイドル回転時、要求総噴射量及び各噴射における噴射量は、図5の上段に示すようになっている。すなわち、要求総噴射量が9mm3/st、各メイン噴射F1,F2の噴射量がそれぞれ3.5mm3/st,第1、第2パイロット噴射P1,P2の噴射量がそれぞれ1mm3/stとなっている。
(2)前記冷態から暖機運転を行い、図1の潤滑油温度センサー25又は冷却水温度センサー26により、潤滑油温度又は冷却水温度が一定値以上になるのを検出すると、冷態から暖態に移行したと判別し、図5の下段のような噴射量に変化する。すなわち、潤滑油温度の粘性が低下することにより要求総噴射量は9mm3/stから7.5mm3/stに減少し、これに対して、第1、第2パイロット噴射P1,P2の噴射量は冷態時と同じ1mm3/stに維持され、一方、両メイン噴射F1,F2の噴射量は前記要求総噴射量の減少に応じてそれぞれ2.75mm3/stに減少する。該実施の形態において、メイン噴射を2回に増やしているので、前記図12の従来例と比較して、各メイン噴射の噴射量の減少量は少なく、最低噴射量2mm3/sよりも大きい値に維持され、図12の従来例のようにサブ噴射を停止するという現象は回避でき、青白煙の発生又は機関音のフィーリングの悪化を防止できるのである。また、第1、第2のメイン噴射F1、F2の噴射量が均等なので、制御が容易になる。なお、上記冷態から暖態に移行したことを判別するためのパラメータは、潤滑油温度又は冷却水温度には限定されず、シリンダ温度や排気温度等、各種パラメータを利用することができる。
なお、メイン噴射を3以上に増加させることも可能である。
[第4の実施の形態]
図7及び図8は第4の実施の形態であり、第3の実施の形態と同様に、従来のメイン噴射を第1のメイン噴射F1とし、このメイン噴射F1から遅れた時期に、該メイン噴射F1と同等の取り扱いをする第2のメイン噴射F2を追加した例であり、ポスト噴射は行うようになっていない。前記第3の実施の形態と異なる構成は、第1のメイン噴射F1と第2のメイン噴射F2の噴射量が異なっていることである。具体的には、第1のメイン噴射F1の噴射量を第2のメインの噴射F2の噴射量よりも大きく設定しており、その比は4:3となっている。その他の構成は第3の実施の形態と同じであり、詳しい説明は省略する。
作用を説明する。
(1)機関冷態でのアイドル回転時、要求総噴射量及び各噴射における噴射量は、図7の上段に示すようになっている。すなわち、要求総噴射量が9mm3/st、第1のメイン噴射の噴射F1の噴射量が4mm3/st,第2のメイン噴射の噴射F2の噴射量が3mm3/st、そして第1、第2パイロット噴射P1,P2の噴射量がそれぞれ1mm3/stとなっている。
(2)前記冷態から暖機運転を行い、図1の潤滑油温度センサー25又は冷却水温度センサー26により、潤滑油温度又は冷却水温度が一定値以上になるのを検出すると、冷態から暖態に移行したと判別し、図7の下段のような噴射量に変化する。すなわち、潤滑油温度の粘性が低下することにより要求総噴射量は9mm3/stから7.5mm3/stに減少し、これに対して、第1、第2パイロット噴射P1,P2の噴射量は冷態時と同じ1mm3/stに維持され、一方、両メイン噴射F1,F2の噴射量は前記要求総噴射量の減少に応じてそれぞれ3.14mm3/stと2.36mm3/stに減少する。該実施の形態においては、メイン噴射を2回に増やしているので、前記図13の従来例と比較して、噴射量の少ない第2のメイン噴射P2でも最低噴射量2mm3/sよりも大きい値で維持され、図12の従来例のようにサブ噴射を停止するという現象は回避でき、青白煙の発生又は機関音のフィーリングの悪化を防止できるのである。また、両メイン噴射F1,F2の噴射量を異ならせているが、機関の運転状況又は機関の種類等に応じて、機関性能が向上するように、両メイン噴射F1,F2の噴射量の比率を設定することができる。なお、上記冷態から暖態に移行したことを判別するためのパラメータは、潤滑油温度又は冷却水温度には限定されず、シリンダ温度や排気温度等、各種パラメータを利用することができる。
[第5の実施の形態]
図9及び図10は第5の実施の形態であり、要求総噴射量に対する各噴射の噴射量割合を固定した構成となっている。
図10は本実施の形態における多段噴射パターンを示しており、1つのメイン噴射Fと、該メイン噴射Fに先立って噴射する2つの第1,第2パイロット噴射P1,P2と、前記メイン噴射Fから遅れた時期のポスト噴射Rから構成されている。前記メイン噴射Fの噴射量は、ガバナ等と連動し、機関負荷、回転数及び出力の増減に応じて増減するように調節され、また、パイロット噴射P1,P2及びポスト噴射Rの噴射量も、相互の割合を一定に維持しつつガバナ等と連動し、機関負荷、回転数及び出力の増減に応じて増減するように調節される。要するに、機関運転状態により燃料の総噴射量、噴射回数及び各噴射量の総噴射量に対する割合を算出し、各噴射毎に総噴射量と噴射量割合の積により噴射量を算出することになる。
図10の上段のグラフは冷態時における噴射パターンであり、下段のグラフは暖態時の噴射パターンである。冷態から暖態に運転状態を移行する場合に、要求総噴射量の減少にしたがって、すべての噴射F、P1、P2及びRは、相互の割合を一定に維持しつつ、噴射量が減少する。
(作用)
(1)機関冷態でのアイドル回転時、要求総噴射量及び各噴射における噴射量は、図9の上段に示すように、要求総噴射量が9mm3/st、メイン噴射Fの噴射量が4mm3/st、第1、第2パイロット噴射P1,P2の噴射量がそれぞれ1mm3/st、そしてポスト噴射Rの噴射量が3mm3/stとなっている。
(2)前記冷態から暖機運転を行い、図1の潤滑油温度センサー25又は冷却水温度センサー26により、潤滑油温度又は冷却水温度が一定値以上になるのを検出すると、冷態から暖態に移行したと判別し、要求総噴射量を下段に示すように9mm3/stから7.5mm3/stまで減少する。この場合、メイン噴射Fと共にパイロット噴射P1P2及びポスト噴射Rも同一比率で減少するので、メイン噴射Fの減少は3.11mm3/stまでとなり、メイン噴射Fの最低噴射量(2.0mm3/st)より大きい値となる。したがって、前記図12の従来例のようにサブ噴射を停止するという現象は回避でき、青白煙の発生又は機関音のフィーリングの悪化を防止できるのである。なお、上記冷態から暖態に移行したことを判別するためのパラメータは、潤滑油温度又は冷却水温度には限定されず、シリンダ温度や排気温度等、各種パラメータを利用することができる。
[その他の実施の形態]
前記第1の実施の形態から第5の実施の形態の各燃料噴射制御を、1つの内燃機関において、運転状態に応じて切り替えるようにすることも可能である。
たとえば、図11は1つの内燃機関の機関回転数と燃料噴射量のグラフであり、低速回転領域X1においては、前記第5の実施の形態の制御方法、すなわち、メイン噴射とサブ噴射の割合を常時一定とする制御方法を採用し、中速回転域で燃料噴射量が中間域の領域X2では、前記第4の実施の形態の制御方法、すなわち、メイン噴射を増加させた制御方法を採用する。また、残りの領域X3においては、図12及び図13のような従来の制御方法を採用する。
本発明が適用される内燃機関の配管図である。 本発明の第1の実施の形態における噴射優先度、冷態時噴射量、最低噴射量、補正前の暖態時噴射量及び補正後の暖態時噴射量の関係を表で示す図である。 本発明の第1の実施の形態における冷態時噴射パターンと暖態時噴射パターンを示す図である。 本発明の第2の実施の形態における冷態時噴射パターンと暖態時噴射パターンを示す図である。 本発明の第3の実施の形態における噴射優先度、冷態時噴射量、最低噴射量及び暖態時噴射量の関係を表で示す図である。 本発明の第3の実施の形態における冷態時噴射パターンと暖態時噴射パターンを示す図である。 本発明の第4の実施の形態における噴射優先度、冷態時噴射量、最低噴射量及び暖態時噴射量の関係を表で示す図である。 本発明の第4の実施の形態における冷態時噴射パターンと暖態時噴射パターンを示す図である。 本発明の第5の実施の形態における噴射割合、噴射優先度、冷態時噴射量、最低噴射量及び暖態時噴射量の関係を表で示す図である。 本発明の第5の実施の形態における冷態時噴射パターンと暖態時噴射パターンを示す図である。 機関回転数と燃料噴射量とのグラフ上に、各実施の形態の制御方法を組み合わせて利用する場合の各利用領域を示す図である。 従来例におけるにおける噴射優先度、冷態時噴射量、最低噴射量、補正前の暖態時噴射量及び補正後の暖態時噴射量の関係を表で示す図である。 従来例における冷態時噴射パターンと暖態時噴射パターンを示す図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 インジェクター
3 コモンレール(蓄圧管)
6 高圧ポンプ
16 機関コントロールユニット
25 潤滑油温度センサー(機関運転状態判別センサーの一例)
26 冷却水温度センサー(機関運転状態判別センサーの一例)

Claims (4)

  1. 多段噴射可能な蓄圧式燃料噴射装置を備え、メイン噴射と、該メイン噴射に先立つサブ噴射又はメイン噴射より遅れるサブ噴射の少なくともいずれかのサブ噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御方法において、
    エンジン運転状態が冷態か暖態かを判別するエンジン運転状態判別センサーを備え、
    前記運転状態判別センサーにより冷態から暖態への変化を検出した時に、暖態時のメイン噴射の時期を、冷態時のメイン噴射の時期よりも遅角させることにより、サブ噴射が消滅しないように燃料の総噴射量を増加させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
  2. 請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御方法において、
    前記運転状態判別センサーにより冷態から暖態への変化を検出した時に、暖態時のメイン噴射の時期を、冷態時のメイン噴射の時期よりも遅角させると共に、メイン噴射に先立つサブ噴射も遅角させることにより、サブ噴射が消滅しないように燃料の総噴射量を増加させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
  3. 請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御方法において、
    前記運転状態判別センサーにより冷態から暖態への変化を検出した時に、暖態時のメイン噴射の時期を、冷態時のメイン噴射の時期よりも遅角させると共に、メイン噴射よりも遅れるサブ噴射も遅角させることにより、サブ噴射が消滅しないように燃料の総噴射量を増加させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
  4. 前記請求項1〜3に記載の各噴射制御を、エンジン運転状態に応じて切り替えて実施することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。
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