JP5051086B2 - 火花点火式エンジンの制御装置 - Google Patents

火花点火式エンジンの制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、火花点火式エンジンの制御装置に関するものである。
火花点火式エンジンにおいては、燃費向上のために圧縮比を大きくすることが望まれるが、圧縮比を大きくすることによってノッキングを生じやすくなる。特許文献1には、ノッキングが発生し易い低速・高負荷領域では、スワール弁を作動させて吸気流速を早めて、つまり燃焼速度を速めて、ノッキングを防止することが開示されている。また、特許文献2には、低速・高負荷領域では、吸気弁の閉弁時期を遅角させて、つまり吸気遅閉じとして、有効圧縮比を低下させることが開示されている。
特開2006−283571号公報 特開2001−159348号公報
ところで、火花点火式エンジンにあっては、同じトルクを得るのであれば、スロットル弁の開度を極力大きくして、スロットル弁下流の吸気圧力を大気圧力に近づけることが、ポンピングロスが低減されて、燃費向上の上で好ましいものとなる。特許文献2のように、吸気弁の閉弁時期を遅角させて吸気遅閉じとすることは、有効圧縮比が低下されるので、その分スロットル開度を大きくすることが可能となって、ポンピングロス低減の上で好ましいものとなる。
一方、エンジンの最大トルクを向上させることも強く望まれるが、スロットル弁の開度が吸入空気量が飽和する開度に達した後は、スロットル開度の増大によるトルク向上はもはや得られないものとなる。すなわち、スロットル弁の開度を大きくすることによるポンピングロス低減を図ろうとした場合には、最大トルクを十分に向上させることが難しいものとなる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、ポンピングロス低減とエンジントルクの向上とを共に高い次元で満足できるようにした火花点火式エンジンの制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
吸気弁の閉弁時期を変更可能なバルブ可変手段と、
筒内の空燃比を変更する空燃比変更手段と、
前記バルブ可変手段と空燃比変更手段とを制御する制御手段と、
を備え、
アクセル開度の増大に応じてスロットル開度が増大されて、アクセル開度が100%未満となる所定の高開度となったとき吸入空気量が飽和するようにスロットル開度が設定され、
吸入空気量が飽和した後にさらにアクセル開度が増大されたときに、スロットル開度は吸入空気量が飽和したときのスロットル開度に維持され、
前記制御手段は、アクセル開度が前記所定の高開度未満のときは、吸気弁を遅閉じとして有効圧縮比を低下させると共に、筒内の空燃比が理論空燃比となるように制御を行い、
前記制御手段は、アクセル開度が前記所定の高開度以上のときは、アクセル開度が該所定の高開度未満のときよりも吸気弁の閉弁時期を進角させると共に、筒内の空燃比を理論空燃比よりもリッチでかつアクセル開度が大きくなるほどリッチとなるように筒内に供給される燃料噴射量を増量制御する、
ようにしてある。上記解決手法によれば、吸入空気量が飽和する前は、吸気遅閉じとすることによるポンピングロス低減によって燃費向上が図られ、また、理論空燃比とすることによって、安定した燃焼の確保や排気ガス浄化の上でも好ましいものとなる。一方、吸入空気量が飽和した後は、吸気弁の閉弁時期を進角させることによって有効圧縮比を増大させると共に、空燃比を理論空燃比よりもリッチとすることによって、トルクをさらに向上させることが可能になる。
上記第1の解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2、請求項3に記載のとおりである。すなわち、
アクセル開度として、100%未満の開度でかつ前記所定の高開度より大きい開度となる第2高開度が設定され、
前記制御手段は、アクセル開度が前記所定の高開度以上でかつ前記第2高開度未満のときは、筒内の空燃比を理論空燃比としつつ、アクセル開度の増大に応じて吸気弁の閉弁時期を進角させることによる有効圧縮比の増大によってトルクを向上させ、
前記制御手段は、アクセル開度が前記第2高開度以上のときは、吸気弁の閉弁時期を進角させた状態で、筒内の空燃比を理論空燃比よりもリッチでかつアクセル開度が大きくなるほどリッチとなるように制御する、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、吸入空気量が飽和した後は、いきなり空燃比をリッチにするのではなく、まず吸気弁の閉弁時期を進角させることによってトルク向上を行ない、この進角だけでは十分にトルク向上が得られなくなった後にはじめて空燃比のリッチ化によるトルク向上を得るようにしてあるので、燃費向上の上でさらに好ましいものとなる。また、アクセル開度の増大に応じた上記進角と空燃比のリッチ化とによって、トルクを大きくかつ滑らかに向上させることができる。
アクセル開度とスロットル開度との関係が、アクセル開度が100%未満のときに吸入空気量が飽和するスロットル開度に設定されている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、同じアクセル開度であればスロットル開度が大きくされて、スロットル弁下流の吸気圧力が高くなり(大気圧力に近づき)、ポンピングロス低減の上でさらに好ましいものとなる。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項4に記載のように、
吸気弁の閉弁時期を変更可能なバルブ可変手段を備え、
アクセル開度の増大に応じてスロットル開度が増大されて、エンジンの最大負荷ラインよりも所定量低い高負荷域で吸入空気量が飽和するようにスロットル開度が設定され、
吸入空気量が飽和した後にさらにアクセル開度が増大されたときに、スロットル開度は吸入空気量が飽和したときのスロットル開度に維持され、
前記高負荷域からこれよりも低負荷となる領域では、筒内の空燃比を理論空燃比に設定する共に、有効圧縮比が小さくなるように吸気弁の閉弁時期を遅角させ、
前記高負荷域から前記最大負荷ラインの間の領域では、吸気弁と排気ポートを開閉する排気弁が共に開弁されるオーバラップ期間が設定されると共に、該オーバラップ期間に排気脈動の負圧波が前記排気ポートに到達するように排気弁の開弁時期が設定されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、吸入空気量が飽和する付近となる高負荷領域では、有効圧縮比の低下とオーバラップ期間の設定による掃気効果によってノッキングが抑制されることになるので、この分点火時期を進角させて、各気筒および各気筒間の燃焼変動を許容範囲内に納めて、ドライバビリティ悪化が抑制され、また理論空燃比での運転領域を広げて、燃費改善の上で好ましいものとなる。一方、最大負荷ライン付近では、有効圧縮比を相対的に高めると共に、排気脈度を利用した掃気効果によってトルク向上を図ることができる。
上記第2の解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項5以下に記載のとおりである。すなわち、
前記エンジンは、オクタン価が95未満のガソリンを主成分とする燃料が使用燃料とされて、幾何学的圧縮比が12以上に設定され、
吸気通路に開度を小さくすることによって燃焼室内の吸気流動を高める制御弁が設けられ、
エンジン低速域での理論空燃比で運転されている前記高負荷域において、ノッキングが発生し易い運転状態のときは、前記制御弁の開度が小さくされると共に点火時期が圧縮上死点以後となるように設定されている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、高圧縮比エンジンとしつつ、高圧縮比エンジンで問題となるノッキングを確実に回避することができる。
吸入空気量が飽和されているときは、筒内の空燃比が理論空燃比よりもリッチとなるように燃料噴射量を増量することによってトルク向上が図られる、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、請求項1の場合と同様に、吸入空気量が飽和した後もさらに十分にトルク向上を図って、最大トルクを極力大きくする上
吸入空気量が飽和した状態では、前記制御弁が開かれると共に前記オーバラップ期間が大きくされ、
吸入空気量が飽和する前の状態で理論空燃比で運転されているときは、前記オーバラップ期間が小さくされる、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、低速域を含めて、吸入空気量が飽和した状態では、制御弁の開度を小さくすることによる掃気効果が望めない状況となるので、制御弁を開弁させて吸気抵抗を小さくすると共にオーバラップ期間を大きくすることによって排気ガスの排出効果を高めて、トルク向上を図る上で好ましいものとなる。また、吸入空気量が飽和する前の状態で理論空燃比で運転されているときは、前記オーバラップ期間を小さくすることによって、吸気の排気系への吹き抜けを防止して、また有効圧縮比を小さくしてその分点火時期を進角させて、燃費向上の上でさらに好ましいものとなる。
本発明によれば、特にポンピングロス低減による燃費向上と最大トルク向上とを共に高い次元で満足させることができる。
図1において、エンジンEは、実施形態では自動車用の直列4気筒の火花点火式エンジンとされている。エンジンEの各気筒1は、それぞれ2つの吸気ポート2と2つの排気ポート3とを有する(図2を参照)。吸気ポート2は吸気弁4によって開閉され、排気ポート3は排気弁5によって開閉される。そして、各気筒1には、燃料噴射弁6および点火プラグ7が配設されている。なお、燃料噴射弁6は、燃焼室内に直接燃料噴射を行う直噴式とされているが、吸気ポート2に燃料噴射するポート噴射式であってもよい。
図1中、8はシリンダブロック、9はシリンダヘッド、10はピストン、11は吸気弁4を開閉駆動する吸気弁用カムシャフト、12は排気弁5を開閉駆動する排気弁用カムシャフトである。そして、吸気弁用カムシャフト11には、吸気弁5の閉弁時期変更手段としての可変バルブ機構13が設けられている。勿論、上記各カムシャフト11,12は、ピストン10に連結されたクランク軸(図示略)と連動されている。エンジンEは、オクタン価が95未満のガソリンを主成分とする燃料が使用燃料とされたいわゆるレギュラーガソリン仕様のエンジンであって、幾何学的圧縮比が12以上となる高圧縮比エンジンとされている。
前記各吸気ポート2は、分岐吸気通路21を介してサージタンク22に接続されている。このサージタンク22には、共通吸気通路23が接続されて、この共通吸気通路23には、その上流側から下流側へ順次、エアクリーナ24,スロットル弁25が配設されている。また、各気筒1について設けられた2つの吸気ポート2のうち、一方の吸気ポート2には、図2に示すように制御弁(スワール弁)26が配設されている。この制御弁26は、その開度が小さくなるほど吸気を絞ることになり、全閉状態では、他方の吸気ポート2からのみ吸気が供給されて、筒内で強い吸気のスワールが発生されることになる。なお、各気筒1の制御弁26は、図示を略す連結ロッドによって連結されて、この連結ロッドを図示を略すアクチュエータによって回転駆動することによって、互いに連動して開閉される(各制御弁26同士は同一開度になる)。
前記各排気ポート3は、排気通路31に接続されている。排気通路31は、各気筒毎の分岐排気通路と、分岐排気通路が集合された集合部とを有して、この集合部の下流側において、排気ガス浄化触媒としての三元触媒32が配設されている。そして、排気通路31の集合部は、各排気ポート3から排出される排気ガスの圧力波が反転される反転部となり、集合部から各排気ポート3までの排気通路長さが、排気脈動の等価排気管長となる。すなわち、排気脈動の負圧波(正圧波)は、音速でもって各排気ポート3と集合部との間で往復することになる。
前記可変バルブ機構13は、吸気弁4の開弁角を一定に保持したまま、その開弁時期と閉弁時期とを変更する位相式とされている。このような可変バルブ機構13は、例えばクランク軸(つまりピストン10)と吸気弁用カムシャフト11との間に配設されたプーリ中に組み込まれて、クランク軸に対する吸気弁用カムシャフト11の位相を変更する。図3には、可変バルブ機構13によって吸気弁4が位相変更される様子が示される。すなわち、吸気弁4は、吸気上死点の若干前から開弁されると共に吸気下死点の後に閉弁される通常の開閉時期となる状態が、もっとも進角された状態とされる。また、吸気上死点から大きく遅れて開弁されると共に吸気下死点以後に大きく遅れて閉弁される吸気遅閉じの状態がもっとも遅角された状態とされる。そして、吸気弁4は、上記もっとも進角された状態ともっとも遅角された状態との間で、連続可変式に位相変更される。なお、排気弁5は、膨張下死点よりも前に開弁されると共に、吸気上死点の若干後に閉弁される通常の開閉時期に固定されている。
図4は、アクセル開度に対するスロットル弁25下流の吸気圧力の設定例が示される。この図4においてアクセル開度がAC1(例えば80%開度)までは、アクセル開度の増大に応じてスロットル開度が増大されて吸気圧力が高くなっていき、アクセル開度がAC1となった時点で吸入空気量が飽和するスロットル開度とされる。すなわち、スロットル弁25の前後差圧が無くなるスロットル弁25下流の吸気圧力(大気圧力ないしは大気圧力に近時する圧力)とされる。なお、アクセル開度がAC1になるまでの間のスロットル弁25下流の吸気圧力は線形的に変化されるが、非線形的に変化されるものであってもよい。アクセル開度がAC1未満のときは、吸気弁4はもっとも遅角された吸気遅閉じとされて、有効圧縮比が小さくされることによるポンピングロス低減によって燃費向上が図られる。また、アクセル開度がAC1未満のときは、筒内空燃比が理論空燃比(実施形態ではガソリンを燃料としているので、14.7)に設定される。図5において、アクセル開度がAC1になった時点でのトルク曲線が、符合W1で示される。
上記アクセル開度がAC1が、所定の高開度に相当するもので、この所定の高開度AC1よりも高開度でかつ100%未満の開度となる第2高開度AC2が設定される。そして、アクセル開度がAC1とAC2の間にあるときは、筒内空燃比が理論空燃比にされたまま、吸気弁4が進角され、その進角量は、アクセル開度が大きいほど大きくされる。このように、吸入空気量が飽和した状態でも、吸気弁4の閉弁時期を進角させることによって吸入空気量が増大し、その分燃料噴射量が増量されると共に、有効圧縮比が高まり、トルク増大が図られることになる(アクセル開度が第2高開度AC2になった時点で吸気弁4がもっとも進角された状態とされる)。図5において、アクセル開度がAC2になった時点でのトルク曲線が、図5において符合W2で示される(W1<W2)。
アクセル開度が上記第2高開度以上になると、吸気弁4がもっとも進角された状態が維持されつつ、燃料噴射量が増量されることによって筒内空燃比が理論空燃比よりもリッチにされる(エンリッチ)。そして、リッチ化の度合は、アクセル開度が大きいほど大きくされる。例えば、アクセル開度が100%になったときに、筒内空燃比が例えば11に設定される(アクセル開度がAC2から100%に変化するのに伴って、筒内空燃比が理論空燃比から11まで変化される)。このように、アクセル開度が第2高開度以上になったときは、空燃比のリッチ化によってさらにトルク向上が図られることになる。図5において、アクセル開度が100%になった時点でのトルク曲線が、図5において符合W3で示される(W1<W2<W3)。
ここで、本実施形態では、吸気弁4がもっとも進角された状態で、吸気弁4と排気弁5とがそれぞれ開弁するオーバラップ期間に、排気脈動による負圧波が排気ポート3に到達するように、前述した排気通路の集合部の位置が設定されている。この図6において、破線が排気脈動の圧力波を示し、また符合α1〜α3は、負圧波の次数を示している。図6では、2次の負圧波波α2が、オーバラップ期間に排気ポート3に到達している状態が示される。アクセル開度がAC2を超えた後は、負圧波を利用した排気ガスの吸い出し効果によって、さらにトルク向上が図られることになる。
図7は、制御系統をブロック図的に示すもので、図中Uは、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラである。このコントローラUには、各種センサS1〜S7からの信号が入力される。センサS1は、アクセル開度を検出するものである。センサS2は、エンジン回転数を検出するものである。センサS3は、吸入空気量を検出するものである。センサS4は、排気ガス浄化触媒32の直上流側での空燃比(筒内空燃比に相当)を検出するもので、リニアセンサとされて、空燃比を連続可変式に検出するものとなっている。センサS5は、エンジン冷却水温度を検出するものである。センサS6は、吸気温度を検出するものである。センサS7は、スロットル開度を検出するものである。また、コントローラUは、前述した燃料噴射弁6、点火プラグ7,可変バルブ機構13,スロットル弁25(用のアクチュエータ),制御弁26(用のアクチュエータ)を後述のように制御する。
次に、図8に示すフローチャートを参照しつつ、コントローラUによる制御について説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。まず、Q1において、各種センサS1〜S7からの信号が入力される。この後、アクセル開度エンジン回転数に応じたスロットル開度とされる(図4の特性にしたがう制御で、センサS7を用いた制御)。この後、現在の運転状態が、アクセル開度が所定の高開度となるAC1未満であるか否かが判別される。このQ3の判別でYESのときは、Q4において、筒内空燃比が理論空燃比となるように、センサS4を利用して燃料噴射量がフィードバック制御されると共に、吸気弁4の閉弁時期がもっとも遅角された吸気遅閉じとされる。
上記Q4の後は、Q5において、図5に示すトルク曲線付近であるか否かが判別される。この判別は、具体的には、アクセル開度が所定開度(例えばAC1よりも小さい開度でAC1に近い開度)以上であるか否かをみることによって行うことができる。このQ5の判別でYESのときは、Q6において、ノッキングが発生し易い運転状態であるか否かが判別される。上記Q5の判別も、ノッキングを生じやすい運転状態であるか否かを判別する1つの条件となっているが、Q6では、さらに詳細にノッキングの発生しやすい状態であるか否かが判別される。具体的には、エンジン回転数が所定回転数(例えば1500rpm)以下であり、エンジン冷却水温度が所定温度(例えば90度C)以上であり、吸気温度が所定温度(例えば30度C)以上であるときに、ノッキングが発生しやすい運転状態であると判別される。なお、ノッキングが発生しやすい運転状態であるか否かの条件設定は、上述した以外に適宜の手法を採択できる。
上記Q6の判別でYESのときは、低速・高負荷であって、吸気弁4と排気弁5の開弁オーバラップ期間が小さくて掃気効果があまり期待できない状態であって、冷却水温度や吸気温度が高いノッキングを発生し易い運転状態のときである。このときはQ7において、制御弁26を全閉として、筒内に強いスワールが発生される。これにより、吸気流速が速められて、ノッキングが防止されることになる。なお、Q7では、ノッキング防止のために、点火時期が圧縮上死点後とされる(ノッキングの可能性がないときは、点火時期は圧縮上死点前)。上記Q5の判別でNOのとき、あるいはQ6の判別でNOのときは、それぞれQ7を経ることなくリターンされる。
前記Q3の判別でNOのときは、Q8において、アクセル開度が第2高開度AC2未満であるか否かが判別される。このQ8の判別でYESのときは、Q9において、アクセル開度が大きいほど吸気弁4の閉弁時期が進角されて吸入空気量が増大され、この吸入空気量が増大した分、燃料噴射量が増量されて、筒内空燃比が理論空燃比とされる。また、Q9では、制御弁26は全開とされて、スワールは強化されない。このQ9の後は、前述したQ5移行の処理がなされる(理論空燃比での運転で、ノッキングの可能性が考えられるため)。
前記Q8の判別でNOのときは、アクセル開度が第2高開度AC2以上のときである。このときは、Q10において、吸気弁4の閉弁時期がもっとも進角された状態とされ、筒内空燃比が、燃料噴射量の増量によって理論空燃比よりもリッチとされ(アクセル開度が大きいほどよりリッチとされる)、さらに制御弁26が全開とされる(スワールなし)。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。エンジンEとしては、オクタン価が95以上のガソリンを主成分とする燃料が使用燃料とされるいわゆるハイオクガソリン仕様のエンジンにあっては、幾何学的圧縮比が13以上に設定されたエンジンであってもよい。また、エンジンEとしては、3気筒や6気筒等、他の多気筒エンジンであってもよい。可変バルブ機構13は、吸気弁4の開弁時期を一定あるいは略一定にしたまま、閉弁時期を変更するものであってもよく、開弁角やリフト量をも変更可能な形式であってもよい。排気弁5用の可変バルブ機構を有するものであってもよい。この場合、排気弁5の開弁時期を変更することによって、特にアクセル開度が高開度となったときに、エンジンのより広い回転範囲に渡って、排気脈動の負圧波をオーバラップ期間に排気ポート3に到達させることが可能になる。
スロットル開度が100%となった時点でアクセル開度が100%となるような設定であってもよい。すなわち、アクセル開度が100%未満(スロットル開度が100%未満)であっても、吸入空気量が飽和するエンジンにおいては、吸入空気量が飽和するときの所定スロットル開度よりも大きいスロットル開度のときに、まず吸気弁4の閉弁時期を進角させ(空燃比は理論空燃比)、さらにスロットル開度が大きくなったときに、吸気弁4の閉弁時期をもっとも進角させた状態にすると共に、筒内空燃比を理論空燃比よりもリッチにしていくように制御を行えばよい。また、吸入空気量が飽和した後は、空燃比のリッチ化のみによってトルク向上を図るようにしてもよく、あるいは吸気弁4の閉弁時期の進角と空燃比のリッチ化とを同時に行うようにしてもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明の一実施形態を示すもので、エンジンの簡略断面図。 制御弁の配設例を示す簡略平面図。 吸気弁の位相変更を示す図。 アクセル開度とスロットル弁下流の吸気圧力の設定例を示す図。 制御変更によるトルク曲線の変更例を示す図。 オーバラップ期間に排気脈動の負圧波が到達する様子を示す図。 本発明の制御系統を示すブロック図。 本発明の制御例を示すフローチャート。
U:コントローラ
S1:センサ(アクセル開度)
S2:センサ(エンジン回転数)
S3:センサ(吸入空気量)
S4:センサ(空燃比)
S5:センサ(冷却水温度)
S6:センサ(吸気温度)
S7:センサ(スロットル開度)
E:エンジン
1:気筒
2:吸気ポート
3:排気ポート
4:吸気弁
5:排気弁
6:燃料噴射弁
7:点火プラグ
13:可変バルブ機構
21:分岐吸気通路
22:サージタンク
23:共通吸気通路
25:スロットル弁
26:制御弁
31:排気通路
32:排気ガス浄化触媒

Claims (7)

  1. 吸気弁の閉弁時期を変更可能なバルブ可変手段と、
    筒内の空燃比を変更する空燃比変更手段と、
    前記バルブ可変手段と空燃比変更手段とを制御する制御手段と、
    を備え、
    アクセル開度の増大に応じてスロットル開度が増大されて、アクセル開度が100%未満となる所定の高開度となったとき吸入空気量が飽和するようにスロットル開度が設定され、
    吸入空気量が飽和した後にさらにアクセル開度が増大されたときに、スロットル開度は吸入空気量が飽和したときのスロットル開度に維持され、
    前記制御手段は、アクセル開度が前記所定の高開度未満のときは、吸気弁を遅閉じとして有効圧縮比を低下させると共に、筒内の空燃比が理論空燃比となるように制御を行い、
    前記制御手段は、アクセル開度が前記所定の高開度以上のときは、アクセル開度が該所定の高開度未満のときよりも吸気弁の閉弁時期を進角させると共に、筒内の空燃比を理論空燃比よりもリッチでかつアクセル開度が大きくなるほどリッチとなるように筒内に供給される燃料噴射量を増量制御する、
    ことを特徴とする火花点火式エンジンの制御装置。
  2. 請求項1において、
    アクセル開度として、100%未満の開度でかつ前記所定の高開度より大きい開度となる第2高開度が設定され、
    前記制御手段は、アクセル開度が前記所定の高開度以上でかつ前記第2高開度未満のときは、筒内の空燃比を理論空燃比としつつ、アクセル開度の増大に応じて吸気弁の閉弁時期を進角させることによる有効圧縮比の増大によってトルクを向上させ、
    前記制御手段は、アクセル開度が前記第2高開度以上のときは、吸気弁の閉弁時期を進角させた状態で、筒内の空燃比を理論空燃比よりもリッチでかつアクセル開度が大きくなるほどリッチとなるように制御する、
    ことを特徴とする火花点火式エンジンの制御装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    アクセル開度とスロットル開度との関係が、アクセル開度が100%未満のときに吸入空気量が飽和するスロットル開度に設定されている、ことを特徴とする火花点火式エンジンの制御装置。
  4. 吸気弁の閉弁時期を変更可能なバルブ可変手段を備え、
    アクセル開度の増大に応じてスロットル開度が増大されて、エンジンの最大負荷ラインよりも所定量低い高負荷域で吸入空気量が飽和するようにスロットル開度が設定され、
    吸入空気量が飽和した後にさらにアクセル開度が増大されたときに、スロットル開度は吸入空気量が飽和したときのスロットル開度に維持され、
    前記高負荷域からこれよりも低負荷となる領域では、筒内の空燃比を理論空燃比に設定する共に、有効圧縮比が小さくなるように吸気弁の閉弁時期を遅角させ、
    前記高負荷域から前記最大負荷ラインの間の領域では、吸気弁と排気ポートを開閉する排気弁が共に開弁されるオーバラップ期間が設定されると共に、該オーバラップ期間に排気脈動の負圧波が前記排気ポートに到達するように排気弁の開弁時期が設定されている、
    ことを特徴とする火花点火式エンジンの制御装置。
  5. 請求項4において、
    前記エンジンは、オクタン価が95未満のガソリンを主成分とする燃料が使用燃料とされて、幾何学的圧縮比が12以上に設定され、
    吸気通路に開度を小さくすることによって燃焼室内の吸気流動を高める制御弁が設けられ、
    エンジン低速域での理論空燃比で運転されている前記高負荷域において、ノッキングが発生し易い運転状態のときは、前記制御弁の開度が小さくされると共に点火時期が圧縮上死点以後となるように設定されている、
    ことを特徴とする火花点火式エンジンの制御装置。
  6. 請求項4または請求項5において、
    吸入空気量が飽和されているときは、筒内の空燃比が理論空燃比よりもリッチとなるように燃料噴射量を増量することによってトルク向上が図られる、ことを特徴とする火花点火式エンジンの制御装置。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれか1項において、
    吸入空気量が飽和した状態では、前記制御弁が開かれると共に前記オーバラップ期間が大きくされ、
    吸入空気量が飽和する前の状態で理論空燃比で運転されているときは、前記オーバラップ期間が小さくされる、
    ことを特徴とする火花点火式エンジンの制御装置。
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