JP2010077908A - エンジンの吸気制御方法およびその装置 - Google Patents
エンジンの吸気制御方法およびその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010077908A JP2010077908A JP2008247601A JP2008247601A JP2010077908A JP 2010077908 A JP2010077908 A JP 2010077908A JP 2008247601 A JP2008247601 A JP 2008247601A JP 2008247601 A JP2008247601 A JP 2008247601A JP 2010077908 A JP2010077908 A JP 2010077908A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- abnormal combustion
- intake
- switching
- engine
- possibility
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Characterised By The Charging Evacuation (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】動的過給効果に起因する異常燃焼を防止できるようにする。
【解決手段】エンジンの中高回転領域において吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路が設定される。エンジン回転数があらかじめ設定した所定の切換回転数N2となったときに吸気経路を切替えることによって、該切替回転数N2以上のエンジン回転数領域でも吸気の動的過給効果が得られるようにされる。異常燃焼が生じる可能性があると判断されたときは、前記切替回転数N2が低下される(充填量の低下と断熱圧縮の抑制)。
【選択図】 図4
【解決手段】エンジンの中高回転領域において吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路が設定される。エンジン回転数があらかじめ設定した所定の切換回転数N2となったときに吸気経路を切替えることによって、該切替回転数N2以上のエンジン回転数領域でも吸気の動的過給効果が得られるようにされる。異常燃焼が生じる可能性があると判断されたときは、前記切替回転数N2が低下される(充填量の低下と断熱圧縮の抑制)。
【選択図】 図4
Description
本発明は、エンジンの吸気制御方法およびその装置に関するものである。
エンジンにおいては、充填効率向上のために、吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路を設定したものがある。この動的過給効果は、吸気ポートが吸気弁によって開閉されることによって生じる吸気脈動(圧力波)の正圧波が、吸気弁が閉弁される直前に吸気ポートに到達するようにしたものであり、特許文献1に示すように、共鳴過給や慣性過給が知られている。そして、エンジンの広い回転領域に渡って動的過給効果が得られるように、エンジン回転数があらかじめ設定された所定の切替回転数になったときに吸気経路を切替えることも行われている。
特許文献2には、慣性過給を行うエンジンにおいて、プリイグニッションが検出された場合には、吸気弁の閉じるタイミングを進角させて、吸気弁が閉弁される直前の時期に、慣性過給による大きな圧力(正圧波)が到達しないようにすることが開示されている。
特開平8−284670号公報
特開平11−13521号公報
ところで、エンジンの中高回転領域において動的過給効果が得られるように吸気経路が設定されたエンジンにおいては、エンジンの運転状態によっては、プリイグニッションやノッキングという異常燃焼を生じてしまう場合が生じやすいものとなる。すなわち、耐ノック性の低い燃料を使用していたり、吸気温度やエンジンの温度が極めて高温になっているというような環境において、動的過給効果による筒内の断熱圧縮が高まると、筒内温度が過度に高くなって、異常燃焼を生じてしまうことになる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、動的過給効果に起因する異常燃焼を防止できるようにしたエンジンの吸気制御方法およびその装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明方法にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
エンジンの中高回転領域において吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路が設定され、エンジン回転数があらかじめ設定した所定の切換回転数となったときに吸気経路を切替えることによって該切替回転数以上のエンジン回転数領域でも吸気の動的過給効果が得られるようにしたエンジンの吸気制御方法であって、
異常燃焼が生じる可能性の有無を判定する異常燃焼判定ステップと、
前記異常燃焼判定ステップによって異常燃焼が生じる可能性があると判断されたときは、前記切替回転数を低下させる切替回転数変更ステップと、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、異常燃焼の生じる可能性がある場合は、切替回転数を低下させることによって、切替回転数を低下させない場合に比して動的過給効果の度合を低減することができ、これにより不必要に筒内での断熱圧縮が高まってしまうことが防止されて、異常燃焼が防止されることになる。なお、切替回転数を低下させることによって充填量が低下されても、異常燃焼が防止できる分、点火時期を進角(火花点火式エンジンの場合)させたり、燃料噴射タイミングを進角(圧縮着火式エンジンの場合)させることが可能となって(燃焼安定性の確保)、エンジントルクが大きく低下してしまう事態は抑制されるものである(トルクの大きな落ち込みはなし)。
エンジンの中高回転領域において吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路が設定され、エンジン回転数があらかじめ設定した所定の切換回転数となったときに吸気経路を切替えることによって該切替回転数以上のエンジン回転数領域でも吸気の動的過給効果が得られるようにしたエンジンの吸気制御方法であって、
異常燃焼が生じる可能性の有無を判定する異常燃焼判定ステップと、
前記異常燃焼判定ステップによって異常燃焼が生じる可能性があると判断されたときは、前記切替回転数を低下させる切替回転数変更ステップと、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、異常燃焼の生じる可能性がある場合は、切替回転数を低下させることによって、切替回転数を低下させない場合に比して動的過給効果の度合を低減することができ、これにより不必要に筒内での断熱圧縮が高まってしまうことが防止されて、異常燃焼が防止されることになる。なお、切替回転数を低下させることによって充填量が低下されても、異常燃焼が防止できる分、点火時期を進角(火花点火式エンジンの場合)させたり、燃料噴射タイミングを進角(圧縮着火式エンジンの場合)させることが可能となって(燃焼安定性の確保)、エンジントルクが大きく低下してしまう事態は抑制されるものである(トルクの大きな落ち込みはなし)。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜請求項9に記載のとおりである。すなわち、
前記異常燃焼判定ステップでは、燃料の耐ノック性があらかじめ設定されたレベルよりも低い場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、異常燃焼を生じる可能性のある耐ノック性の低い燃料を使用しているときに、動的過給効果によって異常燃焼を生じてしまう事態を防止することができる。
前記異常燃焼判定ステップでは、筒内の圧力があらかじめ設定された所定圧力以上である場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、異常燃焼を生じる可能性のある筒内の圧力が高くなっているときに、動的過給効果によって異常燃焼を生じてしまう事態を防止することができる。
前記異常燃焼判定ステップでは、燃料の耐ノック性があらかじめ設定されたレベルよりも低い場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、異常燃焼を生じる可能性のある耐ノック性の低い燃料を使用しているときに、動的過給効果によって異常燃焼を生じてしまう事態を防止することができる。
前記異常燃焼判定ステップでは、筒内の圧力があらかじめ設定された所定圧力以上である場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、異常燃焼を生じる可能性のある筒内の圧力が高くなっているときに、動的過給効果によって異常燃焼を生じてしまう事態を防止することができる。
前記異常燃焼判定ステップでは、吸気温度があらかじめ設定された所定温度以上である場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、異常燃焼を生じる可能性のある吸気温度が高いときに、動的過給効果によって異常燃焼を生じてしまう事態を防止することができる。
前記異常燃焼判定ステップでは、空燃比があらかじめ設定された所定空燃比よりもリッチである場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、異常燃焼を生じる可能性のある空燃比がリッチなときに、動的過給効果によって異常燃焼を生じてしまう事態を防止することができる。
前記異常燃焼判定ステップでは、エンジン温度があらかじめ設定された所定温度以上である場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、異常燃焼を生じる可能性のあるエンジン温度が高いときに、動的過給効果によって異常燃焼を生じてしまう事態を防止することができる。
前記切替回転数よりも高いエンジン回転数領域では、それ以上の吸気経路切り替えが行われない、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、切替回転数よりも高回転領域では、吸気経路の切り替えが発生しないので、トルク変動の少ないスムーズな運転性(特に加速性)を確保する上で好ましいものとなる。
前記異常燃焼判定ステップでは、異常燃焼判定のパラメータに応じて異常燃焼への影響度を決定し、
前記切替回転数変更ステップでは、前記決定された異常燃焼への影響度が高いほど前記切替回転数を低下させる、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、異常燃焼の可能性が高いほどその分切替回転数を低下させて、異常燃焼を防止する上でより好ましいものとなる。
前記切替回転数変更ステップでは、前記決定された異常燃焼への影響度が高いほど前記切替回転数を低下させる、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、異常燃焼の可能性が高いほどその分切替回転数を低下させて、異常燃焼を防止する上でより好ましいものとなる。
前記吸気経路の切り替えが、吸気ポートからの吸気脈動の圧力波が反転される位置までの吸気通路路長さを変更するものとされている、ようにしてある(請求項9対応)。この場合、動的過給効果を広い回転領域に渡って得る場合に、吸気経路の切り替えを極力簡単に行うように設定する上で好ましいものとなる。
前記目的を達成するため、本発明装置にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項10に記載のように
エンジンの中高回転領域において吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路が設定され、エンジン回転数があらかじめ設定した所定の切換回転数となったときに吸気経路を切替えることによって該切替回転数以上のエンジン回転数領域でも吸気の動的過給効果が得られるようにしたエンジンの吸気制御方法であって、
異常燃焼が生じる可能性の有無を判定する異常燃焼判定手段と、
前記異常燃焼判定手段によって異常燃焼が生じる可能性があると判断されたときは、前記切替回転数を低下させる切替回転数変更手段と、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、請求項1に対応した制御方法を実現するための制御装置が提供される。
エンジンの中高回転領域において吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路が設定され、エンジン回転数があらかじめ設定した所定の切換回転数となったときに吸気経路を切替えることによって該切替回転数以上のエンジン回転数領域でも吸気の動的過給効果が得られるようにしたエンジンの吸気制御方法であって、
異常燃焼が生じる可能性の有無を判定する異常燃焼判定手段と、
前記異常燃焼判定手段によって異常燃焼が生じる可能性があると判断されたときは、前記切替回転数を低下させる切替回転数変更手段と、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、請求項1に対応した制御方法を実現するための制御装置が提供される。
本発明によれば、動的過給効果によるトルク向上を得つつ、動的過給効果による異常燃焼の発生を防止することができる。
図1において、エンジンEは、実施形態では自動車用の直列4気筒の火花点火式エンジンとされている(図2をも参照)。エンジンEの各気筒1は、それぞれ、2つの吸気ポート2と2つの排気ポート3とを有する。吸気ポート2は吸気弁4によって開閉され、排気ポート3は排気弁5によって開閉される。そして、各気筒1には、燃料噴射弁6および点火プラグ7が配設されている。なお、燃料噴射弁6は、燃焼室内に直接燃料噴射を行う直噴式とされているが、吸気ポート2に燃料噴射するポイント噴射式であってもよい。なお、8はシリンダブロック、9はシリンダヘッド、10はピストン、11は吸気弁4を開閉駆動する吸気弁用カムシャフト、12は排気弁5を開閉駆動する排気弁用カムシャフトである。
図2において、前記各吸気ポート2は、分岐吸気通路21を介してサージタンク22に接続されている。このサージタンク22には、共通吸気通路23が接続されて、この共通吸気通路23には、スロットル弁24が配設されている。なお、各排気ポート3からの排気ガスは、図示を略す排気通路を介して気筒1から排出される。
サージタンク22を含む吸気経路構造は、動的過給効果(実施形態では慣性過給効果)を得るように設定されており、また、広い回転数領域に渡って動的過給効果を得るために、吸気経路の切り替えが行われるように設定されている。この点を図2,図3を参照しつつ説明する。まず、気筒配列方向に長く伸びるサージタンク22の下方には、副室31が一体的に形成されている。そして、各吸気ポート2から伸びる各分岐吸気通路21は、副室31の下方を通って、サージタンク22のうちエンジンEとは反対側の側面においてサージタンク22に接続されている。
サージタンク22の下方に形成された副室31は、気筒配列方向に長く形成されている。そして、副室31と各分岐吸気通路21とは、副室31の底壁に形成された連通口32を介して連通されている。この連通駆動輪32は、切替弁33によって開閉されるようになっている。各切替弁33は、連結軸34によって一体化されている。連結軸34は、サージタンク22の長手方向一端部に設けたアクチュエータ35によって回転駆動されるようになっている。このアクチュエータ35によって連結軸34を回転駆動することによって、各切替弁33は、同時に開または同時に閉とされる。
切替弁33が閉となった状態では、副室31と分岐吸気通路21とは遮断された状態となる。この切替弁33が閉となった状態では、吸気弁4によって開閉される吸気ポート2で生じた吸気脈動の負圧波が、分岐吸気通路21を通って、サージタンク22で正圧波となって反転され、吸気弁4が閉弁される直前に正圧波が吸気ポート2に到達して、動的過給効果が得られることになる(慣性過給)。図4には、このサージタンク22を圧力波の反転部としたときのトルク曲線がT1として示され、トルクのピーク値が得られる動的過給効果の同調点(同調回転数)がN1(例えば4000rpm)とされている。
一方、切替弁33が開となった状態では、副室31と分岐吸気通路21とは連通口32によって連通された状態となる。この切替弁33が開となった状態では、吸気弁4によって開閉される吸気ポート2で生じた吸気脈動の負圧波が、分岐吸気通路21の途中部分で連通口32を通って、副室31で正圧波となって反転され、吸気弁4が閉弁される直前に、正圧波が吸気ポート2に到達して動的過給効果が得られることになる(慣性過給)。図4には、この副室31を圧力波の反転部としたときのトルク曲線がT2として示される。
副室31を圧力反転部とするときの吸気通路路長さは、サージタンク22を反転部とする吸気通路長さよりも短くされて、より高回転領域において動的過給効果を得る設定となっている。図4でN2として示される回転数は、N1よりも高回転で、かつトルク曲線T1とT2とが交差する回転数となる。そして、N2よりも高回転領域では、トルク曲線T2で得られるトルクの方が、トルク曲線T1で得られるトルクよりも大きくなるので、上記交差する回転数N2のときに、切替弁33を閉から開へと切替えることによって、トルク曲線T1とT2とのうち大きい方のトルクが得られることになる。なお、N2は、N1よりも500rpm程度高回転とされており、N1を4000rpm付近の回転数としたときにN2は4500rpm付近の回転数となる。
切替回転数N2よりも低回転のときは、トルク曲線T2で得られるトルクは、トルク曲線T1で得られるトルクよりも小さいものとなる。換言すれば、切替回転数N2を例えばN1へと低下させることによって、動的過給効果の度合が低減されて、充填量が低下(トルクが低下)されることになる。つまり、異常燃焼が生じ易い運転状態では、切替回転数をN2から例えばN1へと低下させることによって、動的過給効果による筒内の断熱圧縮が抑制されて、異常燃焼を防止することができる。特に、ノッキングは、点火時期の遅角によって防止あるいは抑制することが可能であるが、プリイグニッションは点火時期の遅角では対応できないので、切替回転数の低下による断熱圧縮の抑制は、ノッキングのみならずプリイグニッションの防止の上で極めて効果的となる。なお、異常燃焼が防止できることから、点火時期を大きく遅角させる必要がなくなって、切替回転数を低下させたことによるトルクの低下はわずかですむものとなる。
図5は、吸気弁4が閉弁されるタイミングと、動的過給効果による圧力波(特に正圧波)の関係とを示すものである。エンジン回転数が回転数N2よりも低回転のときに、切替弁33を閉としたときの正圧波の発生態様が破線で示され、切替弁33を開としたときの正圧波の発生態様が一点鎖線で示される。図5から既に明かなように、吸気弁4が閉弁される直前においては、破線で示す正圧波は大きな圧力となっているが、一点鎖線で示す正圧波は小さな圧力に抑制されたものとなる。この破線と一点鎖線とで示す正圧波の圧力差が、動的過給効果の度合の差となり、本発明では、動的過給効果による異常燃焼防止のためにこの圧力差(低下された圧力)を利用するものとなっている。
前述した切替弁33の切替制御は、図2に示すマイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラUによって実行される。この制御のため、コントローラUには、各種センサS1〜S6からの信号が入力される。センサS1は、エンジン回転数を検出するものである。センサS2は、ノッキングレベルを検出するものである。センサS3は、筒内圧力を検出するものである。センサS4は、例えばサージタンク22内での吸気温度を検出するものである。センサS5は、空燃比を検出するものであり、例えば排気通路に設けたリニアセンサを用いることもできるが、燃料噴射弁6からの燃料噴射量と吸入空気量とから空燃比を演算するようにしてもよい。センサS6は、エンジンEの温度(例えば冷却水温度)を検出するものである。なお、上記ノッキングレベル等の各種パラメータの検出は、直接あるいは間接的に検出するものであってもよく、また別のパラメータを用いて演算によって検出(算出)するものであってもよい。
次に、図6に示すフローチャートを参照しつつ、コントローラUによる制御例について説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。まず、Q1において、各種センサS1〜S6からの信号が読み込まれる。この後、Q2において、切替回転数NTが、基本の切替回転数N2に設定される。
Q2の後、Q3において、異常燃焼の可能性があるか否かが判別される。この異常燃焼の可能性が有りと判別されるのは、例えば次の第1〜第5のいずれかの条件を満足したときとされる。すなわち、第1の条件は、燃料の耐ノック性があらかじめ設定された所定レベル(例えばオクタン価80以下)以下のときである。第2の条件は、筒内の圧力があらかじめ設定された所定圧力以上のときである。第3の条件は、吸気温度があらかじめ設定された所定温度以上のときである。第4の条件は、空燃比があらかじめ設定された所定空燃比よりもリッチなときである。第5の条件は、エンジン温度(冷却水温度)があらかじめ設定された所定温度以上のときである。なお、上記各条件の複数の組み合わせによって、異常燃焼の可能性を判定するようにしてもよく、この他、異常燃焼の可能性を判定するためのパラメータとしては適宜選択できるものである。
上記Q3の判別でYESのときは、動的過給効果による異常燃焼を防止するために、Q4において、切替回転数NTが、基本の切替回転数N2から所定回転数α(例えば500rpm)を減算して低回転数に設定(補正)される。このQ4の後、あるいは前記Q3の判別でNOのときは、それぞれQ5において、エンジン回転数が切替回転数NT以上であるか否かが判別される。このQ5の判別でYESのときは、Q6において、切替弁33が開とされる(図4のトルク曲線T2の選択となる)。また、Q5の判別でNOのときは、Q7において、切替弁33が閉とされる(図4のトルク曲線T1の選択となる)。
図7,図8は、本発明の第2の実施形態を示すものである。本実施形態では、切替回転数の変更を、異常燃焼に影響を与える各種パラメータに応じて変更するようにしてある。この異常燃焼に影響を与えるパラメータとしては、実施形態では、燃料のオクタン価と、吸気温度と、筒内圧力と、機関温度と、空燃比とが設定されている。
より具体的には、図7に示すように、オクタン価についての影響度に関する補正係数がAoとして設定されて、オクタン価が低いほど影響度が高いとされる(図7の(a)で、補正係数Aoは影響度が高いほど小さい値に設定される)。同様に、吸気温度についての影響度を示す補正係数がAT1として設定されて、吸気温度が高いほど影響度が高いとされる(図7の(b)で、補正係数AT1は影響度が高いほど小さい値に設定される)。筒内圧力についての影響度を示す補正係数がApとして設定されて、筒内圧力Apが高いほど影響度が高いとされる(図7の(c)で、補正係数Apは影響度が高いほど小さい値に設定される)。機関温度についての影響度を示す補正係数がAT2として設定されて、機関温度が高いほど影響度が高いとされる(図7の(d)で、補正係数AT2は、影響度が高いほど小さい値に設定される)。空燃比についての影響度を示す補正係数がAfとして設定されて、空燃比がリーンなほど影響度が高いとされる(図7の(e)で、補正係数Afは影響度が高いほど小さい値に設定される)。
上述のように、各補正係数Ao、AT1、Ap、AT2、Afはそれぞれ、異常燃焼への影響度が高いほど小さい値に設定されるが、その最大値は1であり、影響度が高くなるにつれて0.98、0.95・・・・というように小さい値とされる。なお、異常燃焼への影響は、オクタン価がもっとも高く、次いで吸気温度であるが、異常燃焼に大きな影響度を及ぼすパラメータほどその補正係数を大きく変化させるようにすることもできる。
上述のようにして得られた各種補正係数Ao、AT1、Ap、AT2、Afは、基本の切替回転数N2に乗算されて、修正切替回転数NXが算出される(NX≦N2)。つまり、異常燃焼に影響を与える各種パラメータのそれぞれが、影響度が高いほど対応するその補正係数が小さい値に設定されて、修正切替回転数NXがより低回転になるように算出されることになる。そして、エンジン回転数が修正切替回転数NX以上となった時点で、切替弁が33が開弁される。
図8は、前述した異常燃焼に影響を与える各種パラメータに基づいて、切替回転数NTを変更する制御例を示すものである。なお、図8Q11〜Q13は図6のQ1〜Q3に対応し、図8のQ17〜Q19は図6のQ5〜Q7に対応しているので、その重複した説明は省略する。以上のことを前提として、図8のQ13において、異常燃焼の可能性ありと判断されたときは、Q14において、各種パラメータに応じた異常燃焼への影響度を示す補正係数Ao、AT1、Ap、AT2、Afが決定される。
Q14の後、Q15において、基本の切替回転数N2に対して、決定された補正係数Ao、AT1、Ap、AT2、Afを乗算することによって、修正切替回転数NXが算出される。この後、修正切替回転数NXが、最終的な切替回転数NTとして設定される。
図8に示す例において、Q13のステップを無くして、Q12の後、Q14へ移行するようにしてもよい。すなわち、Q14での補正係数Ao、AT1、Ap、AT2、Afの決定は、つまるところ異常燃焼の可能性の判断と同趣旨とみることができるためである。もっとも、Q13での異常燃焼の可能性の判断内容が、補正係数Ao、AT1、Ap、AT2、Afとは異なるパラメータや異なる判断手法で行う場合は、Q13のステップを別途設けておく意味を有することになる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。エンジンEとしては、3気筒や6気筒等、他の多気筒エンジンであってもよい。また、ガソリンエンジンで代表される火花点火式エンジンに限らず、ディーゼルエンジンで代表される圧縮着火式エンジンであってもよい。共鳴過給による動的過給効果を得るものでもよく、また共鳴過給と慣性過給との両方の過給をエンジン回転数に応じて切替えて行うものであってもよい。エンジン回転数に応じて動的過給効果の切替えは、2回以上行うようにしてもよく、図4の切替回転数N2よりも高回転領域において動的過給効果の切替えを行うものであってもよい。もっとも、異常燃焼防止のために切替回転数が低下される対象となる切替回転数にあっては、それ以上高回転領域で切替えを行わないようにするのが、スムーズな運転性(特に加速性)を得る上で好ましいものとなる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
U:コントローラ
S1:センサ(エンジン回転数)
S2:センサ(ノッキング)
S3:センサ(筒内圧力)
S4:センサ(吸気温度)
S5:センサ(空燃比)
S6:センサ(冷却水温度)
E:エンジン
1:気筒
2:吸気ポート
3:排気ポート
4:吸気弁
5:排気弁
21:分岐吸気通路
22:サージタンク
31:副室
32:連通口
33:切替弁
34:連結軸
35:アクチュエータ
S1:センサ(エンジン回転数)
S2:センサ(ノッキング)
S3:センサ(筒内圧力)
S4:センサ(吸気温度)
S5:センサ(空燃比)
S6:センサ(冷却水温度)
E:エンジン
1:気筒
2:吸気ポート
3:排気ポート
4:吸気弁
5:排気弁
21:分岐吸気通路
22:サージタンク
31:副室
32:連通口
33:切替弁
34:連結軸
35:アクチュエータ
Claims (10)
- エンジンの中高回転領域において吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路が設定され、エンジン回転数があらかじめ設定した所定の切換回転数となったときに吸気経路を切替えることによって該切替回転数以上のエンジン回転数領域でも吸気の動的過給効果が得られるようにしたエンジンの吸気制御方法であって、
異常燃焼が生じる可能性の有無を判定する異常燃焼判定ステップと、
前記異常燃焼判定ステップによって異常燃焼が生じる可能性があると判断されたときは、前記切替回転数を低下させる切替回転数変更ステップと、
を備えていることを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - 請求項1において、
前記異常燃焼判定ステップでは、燃料の耐ノック性があらかじめ設定されたレベルよりも低い場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ことを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - 請求項1または請求項2において、
前記異常燃焼判定ステップでは、筒内の圧力があらかじめ設定された所定圧力以上である場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ことを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
前記異常燃焼判定ステップでは、吸気温度があらかじめ設定された所定温度以上である場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ことを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記異常燃焼判定ステップでは、空燃比があらかじめ設定された所定空燃比よりもリッチである場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ことを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
前記異常燃焼判定ステップでは、エンジン温度があらかじめ設定された所定温度以上である場合に、異常燃焼の可能性ありと判定する、ことを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
前記切替回転数よりも高いエンジン回転数領域では、それ以上の吸気経路切り替えが行われない、ことを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記異常燃焼判定ステップでは、異常燃焼判定のパラメータに応じて異常燃焼への影響度を決定し、
前記切替回転数変更ステップでは、前記決定された異常燃焼への影響度が高いほど前記切替回転数を低下させる、
ことを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
前記吸気経路の切り替えが、吸気ポートからの吸気脈動の圧力波が反転される位置までの吸気通路路長さを変更するものとされている、ことを特徴とするエンジンの吸気制御方法。 - エンジンの中高回転領域において吸気の動的過給効果が得られるように吸気経路が設定され、エンジン回転数があらかじめ設定した所定の切換回転数となったときに吸気経路を切替えることによって該切替回転数以上のエンジン回転数領域でも吸気の動的過給効果が得られるようにしたエンジンの吸気制御方法であって、
異常燃焼が生じる可能性の有無を判定する異常燃焼判定手段と、
前記異常燃焼判定手段によって異常燃焼が生じる可能性があると判断されたときは、前記切替回転数を低下させる切替回転数変更手段と、
を備えていることを特徴とするエンジンの吸気制御方装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008247601A JP2010077908A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | エンジンの吸気制御方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008247601A JP2010077908A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | エンジンの吸気制御方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010077908A true JP2010077908A (ja) | 2010-04-08 |
Family
ID=42208615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008247601A Pending JP2010077908A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | エンジンの吸気制御方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010077908A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011247168A (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-08 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の潤滑油供給装置 |
JP2012180781A (ja) * | 2011-03-01 | 2012-09-20 | Mazda Motor Corp | 多気筒エンジンの吸排気装置 |
JP2013076384A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Sinco Metal:Kk | インテークマニホールド |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6176721A (ja) * | 1984-09-25 | 1986-04-19 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気装置 |
JPS6189924A (ja) * | 1984-10-11 | 1986-05-08 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気装置 |
JPS61106917A (ja) * | 1984-10-29 | 1986-05-24 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気装置 |
JPS61218721A (ja) * | 1985-03-25 | 1986-09-29 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気装置 |
-
2008
- 2008-09-26 JP JP2008247601A patent/JP2010077908A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6176721A (ja) * | 1984-09-25 | 1986-04-19 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気装置 |
JPS6189924A (ja) * | 1984-10-11 | 1986-05-08 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気装置 |
JPS61106917A (ja) * | 1984-10-29 | 1986-05-24 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気装置 |
JPS61218721A (ja) * | 1985-03-25 | 1986-09-29 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011247168A (ja) * | 2010-05-26 | 2011-12-08 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の潤滑油供給装置 |
JP2012180781A (ja) * | 2011-03-01 | 2012-09-20 | Mazda Motor Corp | 多気筒エンジンの吸排気装置 |
JP2013076384A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Sinco Metal:Kk | インテークマニホールド |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4207729B2 (ja) | 可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置 | |
JP5024216B2 (ja) | 内燃機関の点火時期制御装置及び点火時期制御方法 | |
JP2013002386A (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP5051086B2 (ja) | 火花点火式エンジンの制御装置 | |
KR19980018213A (ko) | 원통내 분사형 불꽃 점화식 내연 엔진의 제어장치 | |
JP2010077908A (ja) | エンジンの吸気制御方法およびその装置 | |
JP2007056784A (ja) | 内燃機関の点火時期制御装置 | |
JP4396551B2 (ja) | 火花点火式内燃機関の制御装置 | |
JP5490646B2 (ja) | 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置 | |
JP2006233769A (ja) | 内燃機関の加速制御装置 | |
JP2007278131A (ja) | 点火時期制御装置 | |
JP2015068334A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2006307763A (ja) | 内燃機関のノッキング制御装置 | |
JP5151866B2 (ja) | エンジンの排気制御装置 | |
JP4356607B2 (ja) | 内燃機関の点火時期制御装置 | |
JP5125955B2 (ja) | 火花点火式エンジンの制御装置 | |
JP5062129B2 (ja) | エンジンの排気制御装置 | |
JP5178634B2 (ja) | 内燃機関の空燃比制御方法 | |
JP5195237B2 (ja) | 火花点火式エンジンの制御装置 | |
JP3738805B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2007285238A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2011247108A (ja) | 内燃機関ノッキング制御装置 | |
JP4166814B2 (ja) | 内燃機関の点火時期制御装置 | |
JP3613658B2 (ja) | 多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP2007009835A (ja) | 内燃機関の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110802 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120329 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121016 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130312 |