JP4356607B2 - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の運転状態に応じて点火時期を制御する内燃機関の点火時期制御装置に関する。
自動車などの車両に搭載されるエンジン(内燃機関)においては、エンジンの点火時期が、排気ガスや燃費、あるいはドライバビリティ(エンジンの出力トルク)等に大きな影響を与えることから、エンジンの運転状態に応じた最適時期となるように点火時期を制御している。点火時期制御においては、例えばECU(電子制御ユニット)がエンジンの運転状態(例えばエンジンの回転速度及び負荷)に基づいて最適な点火時期を算出し、その算出された点火時期で点火プラグにて点火している。
また、車両に搭載されるエンジンでは、ノッキングの発生を抑制するKCS(ノックコントロールシステム)による点火時期制御が行われている。KCSによる点火時期制御は、ノックセンサの出力信号に基づいてノッキングの発生の有無を判定し、その判定結果に基づいて点火時期を基本点火時期から遅角させることにより、混合気の燃焼速度を低下させて最高燃焼圧を低く抑えることで、ノッキングの発生を抑制する方法である(例えば、特許文献1参照)。なお、ノッキングが発生していないと判定されるときには、点火時期を徐々に進角させて点火時期を最適化する点火時期制御が行われる。
このようなKCSによる点火時期制御においては遅角量の学習が行われている。遅角量の学習としては、例えば、エンジンの運転領域を複数に区分し、その各運転領域ごとに遅角量(点火時期)を学習・記憶しておき、現在のエンジンの運転状態が上記各運転領域に入ったときには、その領域の学習値に基づいて点火時期を制御するという方法が採用されている。この遅角量の学習において、各運転領域の学習値(記憶値)は、KCSによる遅角制御が実行されるごとに順次更新される。
一方、車両に搭載されるエンジンにおいては、変速機の変速段(シフト)を切り換えたときに変速ショックが生じることがある。このような変速ショック等を防止することを目的として、エンジントルクを瞬間的に下げることが行われており、そのエンジントルクを瞬間的に下げる方法として、点火時期の遅角制御が採用されている。
特許第2629204号明細書
ところで、KCS等で実行される遅角は、長時間に及ぶ遅角であり、その長時間の遅角中にエンジン排気温が上昇する。エンジン排気温が上昇すると、排気系に配置の触媒の床温が上昇して触媒がダメージを受けてしまい、最悪の場合、触媒が溶損することがある。また、高負荷・高回転域ではエンジン排気温が高温であり触媒の限界温度に近いので、排気温の上昇に対するマージンが少ない。このため、高負荷・高回転域については、遅角による排気温上昇を抑制するために、燃料増量を多くして排気温を下げるという方法が採られているが、燃料増量が多すぎると燃料リッチによる失火が発生することがある。燃料リッチによる失火が発生すると、燃焼室の後方(排気側)で自然着火燃焼が発生することがあり、この場合も触媒の溶損が問題となる。なお、エンジン排気温の上昇により、排気系に配置の空燃比センサ(O2センサ)等のセンサ類が損傷することもある。
一方、変速ショック等を防止することを目的として実行される遅角は、短時間の遅角(
例えば1秒以下)であるので、エンジンの排気系に設置される触媒や空燃比センサ等がダメージを受ける可能性は低い。ここで、短時間の遅角では、エンジン破損等を回避するために遅角限界マップにて遅角側を制限(ガード)しているが、この短時間の遅角の遅角限界マップでは、上記した長時間の遅角の問題を解消できない領域があり、触媒にダメージを与える可能性がある。また、短時間の遅角と長時間の遅角の双方の要求を満足するための解(遅角限界マップ)は存在しないことから、従来では、ドライバビリティを優先するか、あるいは、触媒保護を優先するのかを判断する必要があった。
なお、上記した特許文献1(特許第2629204号明細書)には、運転状態に応じて予め定められた遅角量下限値を基準として、全運転領域について共通の学習値によって遅角量瞬時下限値を求め、ノッキングが発生する運転領域のいかなる領域に運転状態に移行したときでも、基本点火時期からの遅角量を遅角量瞬時下限値で制限する技術が記載されているが、短時間の遅角と長時間の遅角の双方の要求を考慮して遅角制御を行うことに関しては何ら開示されていない。
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、内燃機関の運転状態に応じて点火時期を遅角制御するにあたり、短時間の遅角及び長時間の遅角の双方の要求を満足する遅角制御を実現することが可能な内燃機関の点火時期制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関の運転状態に応じて点火時期を基本点火時期に対して遅角補正するとともに、遅角補正量を所定の遅角限界マップにて制限する遅角制御を行う内燃機関の点火時期制御装置において、点火時期を遅角補正している期間が互いに異なるとともに、前記遅角限界マップが互いに異なる複数種の遅角制御を実行することが可能であり、それら複数種の遅角制御のいずれか1つを内燃機関の運転状態に応じて選択して実行する遅角制御手段を備えていることを特徴としている。
より具体的には、遅角制御手段は、短時間の遅角を行う短期遅角制御と長時間の遅角を行う長期遅角制御を実行することが可能であり、点火時期を遅角補正している期間が所定値以上であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、短期遅角制御または長期遅角制御のいずれか一方を選択して実行することを特徴としている。
ここで、点火時期を遅角する期間(点火遅角期間)とは、点火時期の遅角を開始した時点から復帰(遅角完了)するまでの期間のことである。
本発明によれば、点火遅角期間が異なる複数種の遅角制御、例えば短時間の遅角を行う短期遅角制御と長時間の遅角を行う長期遅角制御とを分けて実行することができるので、それら短期遅角制御と長期遅角制御にそれぞれ個別の遅角限界マップを設定することが可能になる。これにより、長期遅角制御において、長時間の遅角に適した遅角限界マップを用いて遅角側を制限(ガード)することが可能となり、触媒にダメージを与えない点火時期で遅角をガードする制御を行うことができる。また、短期遅角制御についても、短時間の遅角に適した遅角限界マップで遅角側を制限することができるので、短時間の遅角も問題なく行うことができる。
本発明において、長期遅角制御時に、点火時期の遅角側を遅角限界マップで制限するガード処理を行っているときには遅角学習を禁止することが好ましい。このようにガード処理時に遅角学習を禁止することにより、遅角限界を超えるような頻度の少ない状態が学習に反映されなくなるので、遅角学習の信頼性を高めることができる。
本発明において、長期遅角制御時に、点火時期の遅角側を遅角限界マップで制限するガード処理を行っているときには、点火時期の遅角を禁止し、点火時期の進角のみを許可することが好ましい。このような構成を採用すると、ガード処理からの復帰時において過度
の遅角実行を防止することができる。
本発明によれば、点火遅角期間が異なる複数種の遅角制御、例えば短時間の遅角を行う短期遅角制御と長時間の遅角を行う長期遅角制御とを分けて実行することができるので、例えばKCSによる長期遅角制御において、高負荷・高回転域で燃料増量を行うにあたり、触媒にダメージを与えない点火時期で遅角をガードする遅角制御を実現することが可能となり、触媒の溶損及び空燃比センサ(O2センサ)等の排気系のセンサ類の損傷を防止
することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明の点火時期制御装置を適用するエンジンについて説明する。
−エンジン−
本発明を適用する多気筒ガソリンエンジン(以下、単に「エンジン」という)の構造を図1を参照して説明する。なお、図1にはエンジンの1気筒の構成のみを示している。
図1に示すエンジン1は、燃焼室1aを形成するピストン10及び出力軸であるクランクシャフト13を備えている。ピストン10はコネクティングロッド14を介してクランクシャフト13に連結されており、ピストン10の往復運動がコネクティングロッド14によってクランクシャフト13の回転へと変換される。
クランクシャフト13には、外周面に複数の突起15a・・15aを有するシグナルロータ15が取り付けられている。シグナルロータ15の側方近傍にはクランクポジションセンサ26が配置されている。クランクポジションセンサ26は、クランクシャフト13が回転する際にシグナルロータ15の突起15aに対応するパルス状の信号を出力する。
エンジン1の燃焼室1aには点火プラグ2が配置されている。点火プラグ2には、点火コイル3及びイグナイタ4が接続されている。イグナイタ4は、後述するECU30からの点火信号に応じて点火コイル3を駆動して点火プラグ2を点火する。点火プラグ2の点火時期については後述する。
また、エンジン1には、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ21及びノックセンサ27が配置されている。ノックセンサ27は、エンジン1のシリンダブロック1bに伝わるエンジンの振動を圧電素子式(ピエゾ素子式)または電磁式(マグネット、コイル)などによって検出する振動式センサである。
エンジン1の燃焼室1aには吸気通路101と排気通路102が接続されている。吸気通路101と燃焼室1aとの間に吸気弁11が設けられており、この吸気弁11を開閉駆動することにより、吸気通路101と燃焼室1aとが連通または遮断される。また、排気通路102と燃焼室1aとの間に排気弁12が設けられており、この排気弁12を開閉駆動することにより、排気通路102と燃焼室1aとが連通または遮断される。これら吸気弁11及び排気弁12の開閉駆動は、クランクシャフト13の回転が伝達される吸気カムシャフト及び排気カムシャフト(いずれも図示せず)の各回転によって行われる。
吸気通路101には、エアクリーナ8、熱線式のエアフローメータ22、吸気温センサ23(エアフローメータ22に内蔵)、及び、エンジン1の吸入空気量を調整するための電子制御式のスロットルバルブ5が配置されている。スロットルバルブ5はスロットルモ
ータ6によって駆動される。スロットルバルブ5の開度はスロットルポジションセンサ25によって検出される。エンジン1の排気通路102には、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ24及び触媒(例えば三元触媒)9が配置されている。
そして、吸気通路101には、燃料噴射用のインジェクタ(燃料噴射弁)7が配置されている。インジェクタ7には、燃料タンクから燃料ポンプ(いずれも図示せず)によって所定圧力の燃料が供給され、吸気通路101に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室1aに導入される。燃焼室1aに導入された混合気(燃料+空気)は点火プラグ2にて点火されて燃焼する。この混合気の燃焼室1a内での燃焼によりピストン10が往復運動してクランクシャフト13が回転する。
以上のエンジン1は運転状態はECU(電子制御ユニット)30によって制御される。
−ECU−
エンジン1の運転状態を制御するECU30は、図2に示すように、CPU31、ROM32、RAM33及びバックアップRAM34などを備えている。
ROM32は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU31は、ROM32に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。
RAM33は、CPU31での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM34は、エンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。これらROM32、CPU31、RAM33及びバックアップRAM34は、バス37を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路35及び外部出力回路36と接続されている。
外部入力回路35には、水温センサ21、エアフローメータ22、吸気温センサ23、O2センサ24、スロットルポジションセンサ25、クランクポジションセンサ26及び
ノックセンサ27が接続されている。一方、外部出力回路36には、インジェクタ7、イグナイタ4、及び、スロットルバルブ5のスロットルモータ6などが接続されている。
そして、ECU30は、水温センサ21、エアフローメータ22、吸気温センサ23、O2センサ24、スロットルポジションセンサ25、クランクポジションセンサ26、ノ
ックセンサ27などの各種センサの出力信号に基づいて、点火プラグ2のイグナイタ4、インジェクタ7、スロットルバルブ5のスロットルモータ6等の各部を制御することにより、下記の点火時期制御(遅角制御)を含むエンジン1の各種制御を実行する。
−点火時期の遅角制御−
まず、ECU30は、点火時期制御として短期遅角制御または長期遅角制御のいずれか一方を選択して実行する。これら短期遅角制御と長期遅角制御との判別については後述する。この例では、変速ショックを抑制する遅角制御を短期遅角制御としており、KCSによる遅角制御を長期遅角制御としている。
<短期遅角制御>
ECU30は、エンジン回転数NE及び負荷率KL等の運転状態に基づいてマップを参照して点火遅角要求量及び点火遅角期間を算出し、その算出結果に基づいて短期遅角制御を実行して変速ショックを抑制する。ここで、点火遅角期間は、遅角を開始した時点から復帰(遅角完了)するまでの期間のことであり、短期遅角制御(短時間の遅角)の場合、例えば1秒以下の値が設定される。
なお、点火遅角要求量及び点火遅角期間の算出処理は図3のステップS101で実行する処理である。また、点火遅角要求量及び点火遅角期間の算出に用いるエンジン回転数NEは、クランクポジションセンサ26の検出信号から求められる。負荷率KLは、エンジン1の最大機関負荷に対する現在の負荷割合を示す値であって、例えば、エアフローメータ22により検出される吸入空気量とエンジン回転速度NEに基づいてマップを参照して算出される。
さらに、ECU30は、ROM32内に予め記憶されている短期の遅角限界マップAと短期遅角制御における点火遅角要求量とを比較し、点火遅角要求量が短期の遅角限界マップAよりも進角側にあるときには遅角を行い、遅角側にあるときには短期の遅角限界マップAで点火時期の遅角を制限(ガード)する処理を行う。この短期遅角制御におけるガード処理は図3のステップS106で実行する処理である。なお、短期の遅角限界マップAは、例えば図4に示すように、エンジン回転数(負荷率)をパラメータとして設定されている。また、短期の遅角限界マップAは、例えばエンジン1が破損することを防止するマップであって、予め実験等によって作成してECU30のROM32内に記憶しておく。
<長期遅角制御>
ECU30は、エンジン回転数NE及び負荷率KL等の運転状態に基づいてマップを参照して点火遅角要求量を算出(学習)し(図3のステップS101での処理)、その算出結果に基づいて長期遅角制御(KCS)を実行してノッキングの発生を抑制する。
具体的には、ECU30は、ノックセンサ27の検出結果に基づいてエンジン1のノッキングの発生状況を監視しており、ノッキングが発生しているときには点火時期を点火遅角要求量の算出結果に基づいて遅角してノッキングを抑制する。一方、ノッキングが発生していないときには点火時期を進角してエンジン出力の増大を図る。なお、ノッキング発生の検出は、例えば、ノックセンサ27の出力信号のピーク値がノック判定レベル以上であるか否かを判定することによって行う。
この長期遅角制御(KCS)において、遅角を開始した時点から復帰(遅角完了)するまでの点火遅角期間は、前記した短期遅角制御(短時間の遅角)に対して非常に長いので、点火遅角期間が1sec未満であるか否かを判定することにより、「短時間の遅角」であるか、「長時間の遅角」であるのかを判別することができる。
また、長期遅角制御(KCS)において、点火遅角要求量の算出値つまり学習値は、エンジン回転速度NEに応じて区分される複数の学習領域にそれぞれ対応した値として、ECU30のバックアップRAM34に記憶される。このように点火遅角要求量を各学習領域に対応して記憶するのは、ノッキングの発生状況がエンジン回転速度NEに応じて異なるため、このエンジン回転速度NEによる違いを点火時期の設定に反映してノッキングをより適切に抑制するためである。
さらに、ECU30は、ROM32内に予め記憶されている長期の遅角限界マップBと上記演算で求めた点火遅角要求量とを比較し、点火遅角要求量が長期の遅角限界マップBよりも進角側にあるときには遅角を行い、遅角側にあるときには長期の遅角限界マップBで点火時期の遅角を制限(ガード)する処理を行う。さらに、ガード処理時において、遅角学習を停止するとともに、遅角側の更新を禁止し、進角側の更新のみを許可するという処理を行う。これらの処理は図3のステップS110で実行する処理である。
ここで、長期の遅角限界マップBは、例えば図4に示すように、エンジン回転数(負荷率)をパラメータとして設定されている。また、長期の遅角限界マップBは、前記した短
期の遅角限界マップAよりも進角側にあり、短期の遅角限界マップAによる制限よりも、厳しい条件で点火時期の遅角側が制限される。
なお、遅角限界マップBは、触媒9の溶損等を防止するためのマップであって、例えば触媒9の使用限界温度、高負荷・高回転域での燃料増量の限界値(失火が発生しない域までの燃料増量値)、その燃料増量の限界値でのエンジン排気温、及び、KCS遅角による排気温上昇など考慮して、予め実験等によって作成してECU30のROM32内に記憶しておく。
<遅角制御ルーチン>
次に、ECU30において実行する点火時期の遅角制御の処理内容を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。この遅角制御ルーチンは、所定時間周期(例えば1msec)で繰り返し実行される。
まず、ステップS101において、現在のエンジン1の運転状態に基づいて点火遅角要求量(短期遅角制御の場合は点火遅角期間も含む)を算出する。
ステップS102において、ECU30は、現在実行しようとしている遅角制御が「短時間の遅角」であるか、「長時間の遅角」であるのかを判定する。具体的には、遅角制御の点火遅角期間が1sec未満であるか否かを判定し、その判定が肯定である場合つまり「短時間の遅角」である場合はステップS103に進む。
ステップS103において、ECU30は、図4に示す2つの遅角限界マップA、Bのうち、短期の遅角限界マップAを選択し、上記演算で求めた点火遅角要求量と短期の遅角限界マップAとを比較し、点火遅角要求量が短期の遅角限界マップAよりも進角側にあるか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104の判定が肯定判定であるときには、ステップS105に進んで、変速ショックを抑制するための遅角制御を実施する。その後、ECU30は、遅角制御ルーチンを一旦終了する。
ステップS104の判定が否定判定である場合、つまり、点火遅角要求量が短期の遅角限界マップAよりも遅角側にある場合はステップS106に進む。ステップS106において、ECU30は、点火時期の遅角側を短期の遅角限界マップAで制限する(ガード処理)。その後、ECU30は、遅角制御ルーチンを一旦終了する。
一方、ステップS102の判定が否定判定である場合、つまり、現在実行しようとしている遅角制御が「長時間の遅角(KCS)」である場合はステップS107に進む。
ステップS107において、ECU30は、図4に示す2つの遅角限界マップA、Bのうち、長期の遅角限界マップBを選択し、上記演算で求めた点火遅角要求量と長期の遅角限界マップBとを比較し、点火遅角要求量が長期の遅角限界マップBよりも進角側にあるか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108の判定が肯定判定であるときには、ステップS109に進んで、KCSによる遅角制御を実施する。その後、ECU30は、遅角制御ルーチンを一旦終了する。
ステップS108の判定が否定判定である場合、つまり、点火遅角要求量が長期の遅角限界マップBよりも遅角側にある場合はステップS110に進む。
ステップS110において、ECU30は、点火時期の遅角側を長期の遅角限界マップBで制限する(ガード処理)。さらに、ガード処理を行っているときには、遅角学習を禁止するとともに、点火時期の遅角を禁止し、点火時期の進角のみを許可する。その後、E
CU30は、遅角制御ルーチンを一旦終了する。
以上のステップS110で実行するガード処理について図5を参照しながら説明する。
まず、点火時期の遅角量が長期の遅角限界マップBに到達した時点T1で遅角学習を禁止する。このとき点火時期の遅角側は長期の遅角限界マップBで制限するが、点火時期の進角側については更新を許可する。この後、エンジン1のノッキング発生が抑制されて運転状態が良好となり、点火時期が長期の遅角限界マップBを超えた時点(ガード処理からの復帰時)T2で遅角学習の禁止を解除するとともに、点火時期の遅角側の更新を許可する。
このように、ガード処理時において遅角学習を禁止しておくと、KCSの遅角制御において遅角限界を超えるというような頻度の少ない状態が学習に反映されなくなるので、遅角学習の信頼性を高めることができる。
さらに、ガード処理時において、点火時期の遅角側の更新つまり点火遅角要求量の演算値の更新を禁止しておくことで、ガード処理からの復帰時における過度の遅角実行を防止することができる。なお、ガード処理時において点火時期の進角側の更新のみを許可するのは、点火時期の進角側がガード限界マップBに張り付いていると、ガード処理時において、例えばエンジン1が冷えてエンジン1がポテンシャル(エンジン出力)を出せる状況となっているのにも関わらず、その状況が点火時期制御に反映されないという点を防止するためである。
以上の遅角制御によれば、変速ショックを抑制する短期遅角制御と、KCSによる長期遅角制御とを分けて実行することができ、それら短期遅角制御と長期遅角制御にそれぞれ個別の遅角限界マップを設定することができる。従って、KCSによる長期遅角制御において、長時間の遅角に適した長期の遅角限界マップBを用いて遅角側を制限(ガード)することが可能となり、これにより高負荷・高回転域において燃料増量を行うにあたり、触媒にダメージを与えない点火時期で遅角をガードする遅角制御を実現することができる。また、短期遅角制御についても、短時間の遅角に適した短期の遅角限界マップAで遅角側を制限することができるので、短時間の遅角も問題なく行うことができる。
さらに、長期遅角制御において長期の遅角限界マップBで遅角側を制限しているので、エンジン排気温の上昇を抑制することができ、触媒9の溶損、O2センサ24等の排気系
のセンサ類の損傷を防止することができる。
ここで、以上の例では、短時間の遅角と長時間の遅角とを判別するための点火遅角期間を1secとしているが、これに限られることなく、判別に用いる点火遅角期間は、例えば2secまたは3sec等の任意の値を設定することが可能であり、遅角制御が要求される条件等に応じて適宜に設定すればよい。
また、短期遅角制御と長期遅角制御とを判別する条件としては、点火遅角期間に限られることなく、点火遅角要求量を判別条件としてもよいし、それら点火遅角期間及び点火遅角要求量の双方を判別条件としてもよい。さらに、長期遅角制御をKCSによる遅角制御とする場合、ノックセンサ27の検出信号に基づいてノッキングが発生しているか否かを判定し、その判定結果に基づいて短期遅角制御と長期遅角制御とを判別するようにしてもよい。
以上の例では、長期遅角制御としてKCSによる遅角制御を採用しているが、これに限られることなく、長時間の遅角が要求される他の遅角制御を長期遅角制御としてもよい。
また、短期遅角制御についても、変速ショック抑制のための遅角制御のほか、短時間の遅角が要求される他の遅角制御を短期遅角制御としてもよい。
以上の例では、短時間の遅角を行う短期遅角制御と長時間の遅角を行う長期遅角制御の2種類の遅角制御を対象としているが、本発明はこれに限られることなく、点火時期の遅角の期間が互いに異なる3種以上の遅角制御を実行する場合にも適用できる。
例えば、点火時期の遅角制御において、点火遅角期間及び点火遅角要求量が異なる複数種の短期遅角制御が要求される場合、その各短期遅角制御に対してそれぞれ遅角限界マップを設定し、これら複数の短期遅角制御及び長期遅角制御のいずれか1つを、点火遅角期間もしくは点火遅角要求量等に基づいて選択して実行するようにしてもよい。
以上の例では、本発明をガソリンエンジンに適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えばLPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)などの他の燃料とする点火方式のエンジンの点火時期制御にも適用可能であり、また、筒内直噴型エンジンの点火時期制御にも適用可能である。
本発明は、内燃機関の点火時期を遅角制御するにあたり、変速ショック等を抑制する短期遅角制御及びKCS等による長期遅角制御などの点火遅角期間が異なる複数種の遅角制御の要求を満足する点火時期制御を実現するのに有効に利用することができる。
本発明の点火時期制御装置を適用するエンジンの一例を示す概略構成図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 ECUが実行する点火時期の遅角制御の処理内容を示すフローチャートである。 点火時期の遅角制御に用いる遅角限界マップを示す図である。 点火時期の長期遅角制御で実行するガード処理を模式的に示す図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
1a 燃焼室
10 ピストン
2 点火プラグ
3 点火コイル
4 イグナイタ
21 水温センサ
22 エアフローメータ
23 吸気温センサ
24 O2センサ
25 スロットルポジションセンサ
26 クランクポジションセンサ
27 ノックセンサ
30 ECU

Claims (4)

  1. 内燃機関の運転状態に応じて点火時期を基本点火時期に対して遅角補正するとともに、遅角補正量を所定の遅角限界マップにて制限する遅角制御を行う内燃機関の点火時期制御装置であって、点火時期を遅角補正している期間が互いに異なるとともに、前記遅角限界マップが互いに異なる複数種の遅角制御を実行することが可能であり、それら複数種の遅角制御のいずれか1つを内燃機関の運転状態に応じて選択して実行する遅角制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の点火時期制御装置において、
    前記遅角制御手段は、点火時期を遅角補正している期間が所定値以上であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、短時間の遅角を行う短期遅角制御または長時間の遅角を行う長期遅角制御のいずれか一方を選択して実行することを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の点火時期制御装置において、
    前記遅角制御手段は、前記長期遅角制御時において点火時期の遅角側を遅角限界マップで制限しているときには、遅角学習を禁止することを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  4. 請求項2または3記載の内燃機関の点火時期制御装置において、
    前記遅角制御手段は、前記長期遅角制御時において点火時期の遅角側を遅角限界マップで制限しているときには、点火時期の遅角を禁止し、点火時期の進角のみを許可することを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
JP2004377624A 2004-12-27 2004-12-27 内燃機関の点火時期制御装置 Expired - Fee Related JP4356607B2 (ja)

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