JP4600487B2 - 周方向展開ステータコイルの製造方法及びこの周方向展開ステータコイルを用いたモータ - Google Patents
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Description
まず、各コイル導体のコイルエンド導体部が階段状に形成されたこの実施形態のステータコイル(以下、クランク型ステータコイルとも称する)について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、このクランク型ステータコイルの一本のコイル導体をなす絶縁被覆平角線30を示す部分斜視図であり、図2は、階段状のコイルエンド導体部42の集合体であるクランク型コイルエンドを示す部分斜視図である。
絶縁被覆平角線30のコイルエンド導体部42を、その周方向模式展開図である図3を参照して更に詳しく説明する。
この実施形態のステータコイルは、軸方向突出長が極限まで縮小されたため、製造が非常に困難となるクランク型コイルエンドをもつが、各絶縁被覆平角線30すなわち各コイル導体のコイルエンド導体部42の曲げ工程並びに各コイルエンド導体部42の組み合わせ工程を、各コイル導体をステータコアに巻装する前に周方向展開状態で予め作製しておくため、ステータコイルの製造を容易化することができるという効果を奏するものである。
絶縁被覆平角線30すなわちコイル導体を曲げてコイルエンド導体部とスロット収容導体部とを交互に作製するコイル導体曲げ工程の第1の実施形態を図5〜図8を参照して以下に具体的に説明する。
用いる金型装置を図5を参照して説明する。
次に、上記金型ペア101〜103を用いたコイル導体曲げ工程の一例を以下に説明する。ただし、下記の各金型の動作は一例であって、当業者が容易に考えることができる種々の動作変更を否定するものではない。
まず、クランプ成形工程を図5を参照して説明する。各下型101D、102D、103Dの上面は同じ高さにセットされているものとする。各上型101U、102U、103Uを下方に押し下げる。なお、各上型101U、102U、103Uの下面及び各下型101D、102D、103Dの上面は、図1に示す階段状のコイルエンド導体部42の形状に合わせた形状を有している。
次に、図6に示すように、金型ペア101を前進させ金型ペア103を後退させつつ金型ペア102を降下させる。これにより、スロット収容導体部40がコイルエンド導体部42に対してほぼ直角に形成される。
次に、図7に示すように、上型101U、103Uを少し上昇させ、上型102Uを大きく上昇させる。また、下型103Dを大きく降下させる。これにより、曲げられた絶縁被覆平角線30が前進可能となる。
次に、図8に示すように、曲げられた絶縁被覆平角線30を前進させる。その後、各下型102D、103Dを図5に示す位置まで上昇させて上記したコイルエンド導体部42の成形を繰り返す。
上記実施形態では各金型ペア101〜103は、絶縁被覆平角線30を挟んで上下に配置されたが、各金型ペア101〜103を絶縁被覆平角線30を挟んで水平方向左右に配置してもよい。この場合には、絶縁被覆平角線30は、基台の平坦な案内面上をスライドしつつ前進することが好適である。
絶縁被覆平角線30すなわちコイル導体を曲げてコイルエンド導体部とスロット収容導体部とを交互に作製するコイル導体曲げ工程の第2の実施形態を図9を参照して以下に説明する。
用いる金型装置を図5を参照して説明する。金型装置の構成は実施形態1と同じであり、動作だけが実施形態1と異なるので、金型動作を以下に説明する。
(コイルエンド導体部42の成形)
図9(A)に示すコイルエンド導体部42の成形は、図5に示す実施形態1のそれと同じである。すなわち、各下型101D、102D、103Dの上面は同じ高さにセットされている。各上型101U、102U、103Uを下方に押し下げる。これにより、金型ペア102、103は、絶縁被覆平角線30にコイルエンド導体部42を形成する。
次に、図9(B)に示すように、金型ペア102を降下させつつ前進させる。これにより、金型ペア103内のコイルエンド導体部42と金型ペア102内のコイルエンド導体部42との間の絶縁被覆平角線30がコイルエンド導体部42に対して直角に曲げられてスロット収容導体部40となる。金型ペア102の上記降下及び前進と同時に金型ペア101を前進させる。これにより、金型ペア101内の絶縁被覆平角線30の部分と、金型ペア102内のコイルエンド導体部42との間の絶縁被覆平角線30がコイルエンド導体部42に対して直角に曲げられてスロット収容導体部40となる。
次に、図7に示すように、上型101U、103Uを少し上昇させ、上型102Uを大きく上昇させる。また、下型103Dを大きく降下させる。これにより、曲げられた絶縁被覆平角線30が前進可能となる。
次に、図8に示すように、曲げられた絶縁被覆平角線30を前進させる。前進距離は、電気角2πとされる。その後、各下型102D、103Dを図5に示す位置まで上昇させて上記したコイルエンド導体部42の成形を繰り返す。
各金型ペア101〜103を絶縁被覆平角線30を挟んで水平方向左右に配置してもよい。この場合には、絶縁被覆平角線30は、基台の平坦な案内面上をスライドしつつ前進することが好適である。
絶縁被覆平角線30すなわちコイル導体を曲げてコイルエンド導体部とスロット収容導体部とを交互に作製するコイル導体曲げ工程の第3の実施形態を図10、図11を参照して以下に説明する。
絶縁被覆平角線30すなわちコイル導体を曲げてコイルエンド導体部とスロット収容導体部とを交互に作製するコイル導体曲げ工程の第4の実施形態を図12を参照して以下に説明する。
用いる金型セットの交換が可能なコイル曲げ装置の例を図13を参照して説明する。
上記第1、第2の実施形態では、3対の金型ペア101〜103を採用したが、更に多数の金型ペアを絶縁被覆平角線30の周方向へ同様に配列してもよい。
上記実施形態では、絶縁被覆平角線30をコイル導体線として採用したが、コイル導体線の断面形状は任意である。
12 ステータコア
14、15 スロット
20 ステータコイル
30 絶縁被覆平角線
40 スロット収容導体部
42 コイルエンド導体部
101D、102D、103D 下型
101U、102U、103U 上型
101、102、103 金型ペア
201〜203 金型セット
301〜307 金型
311〜317 金型
308、318 金型ホルダ
321、323 油圧シリンダ
322、324 ロッド
Claims (8)
- 長尺の絶縁被覆導体線(30)を曲げてスロット収容導体部(40)及びコイルエンド導体部(42)を交互に作製する周方向展開ステータコイルの製造方法において、
前記絶縁被覆導体線のコイルエンド予定部分を挟んで配置された金型ペアを絶縁被覆導体線(30)の長手方向に所定間隔隔てて少なくとも3ペア配置し、
前記金型ペアを互いに近づく方向に移動させて前記コイルエンド導体部(42)を形成する動作と、前記金型ペアのうち中間の金型ペアを前記絶縁被覆導体線(30)の長手方向と直角方向へ移動させつつ、前記金型ペアを前記絶縁被覆導体線(30)の長手方向へ移動させる動作を同時に行って前記スロット収容導体部(40)を形成する動作を行うことを特徴とする周方向展開ステータコイルの製造方法。 - 前記3ペアの金型ペア(101〜103)のうちの一つの金型ペア(103)に対して、他の2つの金型ペア(101、102)を前記金型ペア(103)に対して接近させ、かつ、中間の前記金型ペア(102)を前記絶縁被覆導体線(30)の長手方向に対して直角方向に移動させることにより、2つの前記スロット収容導体部(40)を作製する請求項1記載の周方向展開ステータコイルの製造方法。
- 前記絶縁被覆導体線(30)の長手方向及び長手方向に対して直角方向への前記金型ペアの移動は、隣接する2つの前記金型ペアの間の前記絶縁被覆導体線(30)が曲がらない距離を確保しつつ同時に行われる請求項1又は2記載の周方向展開ステータコイルの製造方法。
- 前記絶縁被覆導体線(30)の長手方向及び長手方向に対して直角方向への前記金型ペアの移動距離は、調整可能とされる請求項1乃至3のいずれか一項記載の周方向展開ステータコイルの製造方法。
- 互いに異なるコイルエンド導体部(42)の形状を形成する押圧面を有する複数の金型ペアの一つを選択して用いる請求項1乃至4のいずれか一項記載の周方向展開ステータコイルの製造方法。
- 前記絶縁被覆導体線(30)の長手方向への幅が互いに異なる複数の金型ペアの一つを選択して用いることにより、前記周方向展開ステータコイルのコイルエンド導体部(42)の周方向幅を変更する請求項1乃至4のいずれか一項記載の周方向展開ステータコイルの製造方法。
- 前記複数の金型ペアは、前記絶縁被覆導体線(30)の延在方向と略直角方向へ配列され、前記複数の金型ペアを前記絶縁被覆導体線(30)に対して前記複数の金型ペアの配列方向に相対移動させることにより、前記選択を行う請求項6記載の周方向展開ステータコイルの製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれか記載の周方向展開ステータコイルがステータコアのスロットに挿入されたモータ。
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