JP6361929B2 - ステータコイルの成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に搭載されて電動機や発電機として使用される回転電機用のステータコイルの成形装置に関する。
従来、平角線を絶縁被覆してなる絶縁被覆導体線のコイルエンド予定部位に、ダイとパンチにより折り曲げ加工を施して、ステータコイルのコイルエンド部を所定の形状に成形するステータコイルの成形方法が知られている。そして、特許文献1には、絶縁被覆導体線のコイルエンド予定部位の折り曲げ時に、当該折り曲げ方向と交差する方向における絶縁被覆導体線の両側面にガイド面を当接させて、絶縁被覆導体線の膨らみ変形を抑制するようにしたコイルエンド成形方法が開示されている。
特開2009−207306号公報
ところで、回転電機用のステータコイルは、仕様に応じて絶縁被覆導体線の形状が複数種類存在している。そのため、ダイとパンチを用いた上記従来の成形方法では、目的とする或る一つの形状を高精度に転写成形することは可能となるが、次の問題を内在している。即ち、上記従来の方法で成形された絶縁被覆導体線の形状は、一つの成形型(ダイとパンチ)に対して一つの形状だけであるため、他の類似形状の絶縁被覆導体線を成形する場合には、成形型の段取り交換が必要になる。そのため、型費が増大するとともに、製造時において型段取りの工数が増大する他、稼働率の低下を招く原因となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、成形型の段取り交換を必要とせず、一つの成形型で複数種類の形状の成形を行い得るようにしたステータコイルの成形装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、
平角線を絶縁被覆してなる絶縁被覆導体線(50A)の両側から互いに前進及び後退するように相対移動して前記絶縁被覆導体線を階段状に折り曲げ成形するダイ(10)及びパンチ(20)を備えたステータコイルの成形装置において、
前記ダイ及び前記パンチは、前記絶縁被覆導体線の成形予定部位の延伸方向に分割されてそれぞれ前記延伸方向に移動可能な複数の分割可動型(13,23)を有するとともに、前記分割可動型の位置を調整する位置調整機構(14〜17,24〜27)を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、ダイ及びパンチは、絶縁被覆導体線の成形予定部位の延伸方向に分割されてそれぞれ前記延伸方向に移動可能な複数の分割可動型を有するとともに、前記分割可動型の位置を調整する位置調整機構を有する。即ち、本発明のダイ及びパンチは、絶縁被覆導体線の成形予定部位の延伸方向において、それぞれの分割可動型を位置調整機構により互いに離間又は接近するように移動させて、各分割可動型の位置を調整するように構成されている。そのため、絶縁被覆導体線の成形予定部位の延伸方向長さが異なる場合でも、各分割可動型の位置を位置調整機構で調整することにより、ダイ及びパンチの段取り交換をすることなくそのまま成形を行うことができる。
したがって、本発明によれば、成形型の段取り交換を必要とせず、一つの成形型で複数種類の形状の成形を行うことができる。これにより、型費の増大や段取りの工数の増大を抑制し、生産性の向上を図ることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載された各部材や部位の後の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的な部材や部位との対応関係を示すものであり、特許請求の範囲に記載された各請求項の構成に何ら影響を及ぼすものではない。
実施形態1に係るステータコイルが巻装されたステータの斜視図である。 実施形態1に係るステータコイルの製造に用いられる導体セグメントの斜視図である。 実施形態1に係る成形装置の成形前においてダイとパンチが開いた状態を示す斜視図である。 実施形態1に係る成形装置の成形前においてダイとパンチが開いた状態を示す正面図である。 実施形態1に係る成形装置の成形前においてダイとパンチが開いた状態を示す平面図である。 実施形態1に係る成形装置の成形前においてダイとパンチが開いた状態を示す側面図である。 実施形態1に係る成形装置のダイとパンチが閉じた状態を示す斜視図である。 実施形態1に係る成形装置のダイとパンチが閉じた状態を示す平面図である。 図8のIX−IX線矢視断面図である。 図8のX−X線矢視断面図である。 実施形態1に係る成形装置のダイとパンチが閉じた状態を示す正面図である。 図11のXII−XII線矢視断面図である。 図12のA部を拡大した拡大図である。 実施形態1に係る成形装置のダイの要部を示す斜視図である。 実施形態1に係る成形装置のダイの要部を示す平面図である。 実施形態1に係る成形装置のダイの要部を示す平面図である。 図16のXVII−XVII線に相当する部位の矢視断面図である。 図11のXVIII−XVIII線矢視断面図である。 実施形態1に係る成形装置のパンチの要部を示す斜視図である。 実施形態1に係る成形装置のパンチの要部を示す平面図である。 図8のXXI−XXI線矢視断面図である。 実施形態1に係る成形装置のダイとパンチが閉じた状態を示す背面図である。 図22のXXIII−XXIII線矢視断面図である。 実施形態1に係る成形装置のパンチの要部を示す斜視図である。 実施形態1に係る成形装置のパンチの分割可動型の平面図である。 図25のXXVI−XXVI線矢視断面図である。 実施形態1に係る成形装置の成形後においてダイとパンチが開いた状態を示す斜視図である。 実施形態1に係る成形装置の成形後においてダイとパンチが開いた状態を示す平面図である。 変形例1に係るカムピンを示す図であって、図11のXVIII−XVIII線に相当する部位の断面図である。
以下、本発明に係るステータコイルの成形装置の実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。
〔実施形態1〕
先ず、本実施形態に係るステータコイルが巻装されたステータの概略構成について説明する。本実施形態のステータ40は、車両用電動機として用いられる回転電機に搭載されるものであって、図1に示すように、周方向に複数のスロット42を有する円環状のステータコア41と、スロット42に挿入された複数の導体セグメント50の端部同士をステータコア41の軸方向一方側で電気的に接続することによりステータコア41に巻装されたステータコイル47と、を備えている。
ステータコア41は、円環状の複数の電磁鋼板をステータコア41の軸方向に積層して形成された一体型のものである。このステータコア41は、円環状のバックコア43と、バックコア43から径方向内方へ突出し周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース44とからなり、隣り合うティース44の間にスロット42が形成されている。本実施形態では、3相のステータコイル47を収容するように、48個のスロット42が周方向に等間隔に配置されている。
ステータコイル47は、概ねU字形状をなす複数の導体セグメント50をステータコア41の軸方向一端側から所定のスロット42に挿入し、各スロット42から軸方向他端側に延出した所定の開放端部の端末同士を溶接で互いに接合することによりステータコア41に巻装されている。導体セグメント50は、矩形断面の導体の外周面に絶縁被膜が被覆されてなる絶縁被覆導体線を概ねU字形状に成形したものである。この導体セグメント50は、図2に示すように、互いに平行な一対の脚部51と、一対の脚部51の一端同士を互いに連結するコイルエンド部52とからなる。
コイルエンド部52の延伸方向の中央部には、ステータコア41の軸方向の端面41aに対して平行方向に延びる頭頂段部53が設けられている。頭頂段部53の中央部には、一対の脚部51が各スロット42の異なる層に配置されるようにするための、即ち、層変わり用のクランク部54が設けられている。そして、コイルエンド部52の頭頂段部53の両側は、下記の成形装置を用いて折り曲げ加工(成形)が施されることにより、頭頂段部53から両側の脚部51に向かって下降する階段状に形成されている。
本実施形態の場合、コイルエンド部52の階段形状部には、頭頂段部53の両側にそれぞれ7個の屈曲部55a〜55gが形成されている。即ち、頭頂段部53から奇数番目に位置する屈曲部55a,55c,55e,55gは、U字形状の内側に折り曲げられたものであり、頭頂段部53から偶数番目に位置する屈曲部55b,55d,55fは、U字形状の外側に折り曲げられたものである。なお、これら屈曲部55a〜55gが形成される際には、屈曲部55a〜55gの内側角部は圧縮されることによって内側角部側面に膨らみ部が発生するため、屈曲部55a〜55gの内側角部の幅寸法が大きくなっている。逆に、屈曲部55a〜55gの外側角部は、曲げ方向に引っ張られるため、外側角部の幅寸法が小さくなっている。
このステータコイル47は、ステータコア41のスロット42に挿入された所定の導体セグメント50同士が直列に接続されることにより、ステータコア41のスロット42に沿って所定の状態に巻回された3本の相巻線(U相、V相、W相)からなり、各相巻線の巻線端が星型結線により結線されている。本実施形態の場合には、各スロット42内に、合計10本の導体線(脚部51)が径方向1列に配置されている。
このようにしてステータコア41に巻装されたステータコイル47の軸方向一端側には、ステータコア41の軸方向一端側の端面41aからスロット42の外部に突出した複数のコイルエンド部52により、全体としてリング状の第1コイルエンド48aが形成される。また、ステータコイル47の軸方向他端側には、ステータコア41の軸方向他端側の端面41aからスロット42の外部に突出した脚部51及び端末同士の接合部により、全体としてリング状の第2コイルエンド48bが形成される。
なお、ステータコイル47の各相について、基本となるU字形状の導体セグメント50により、ステータコア30の周りを10周する巻線(コイル)が形成される。しかし、ステータコイル47の各相について、出力用引き出し線及び中性点用引き出し線を一体に有するセグメント、並びに1周目と2周目、・・・、9周目と10周目とを接続するコイルエンド部を有するセグメントは、基本となる導体セグメント50とは異なる異形セグメント(図示せず)で構成される。これら異形セグメントを用いて、ステータコイル47の各相の巻線端が星型結線により結線される。
次に、本実施形態のステータコイル47の成形装置について図3〜図28を参照しつつ説明する。本実施形態の成形装置は、図3〜図13に示すように、基台(図示せず)上に設置されたダイ10及びパンチ20を備えている。このダイ10及びパンチ20は、平角線を絶縁被覆してなる絶縁被覆導体線50Aの両側から、駆動部(図示せず)により互いに前進及び後退するように相対移動可能に設置されている。この成形装置は、ダイ10とパンチ20で絶縁被覆導体線50Aを両側から押圧して曲げ加工を施すことにより、上記のコイルエンド部52の階段形状だけを成形するものである。
なお、図3、図4、図5及び図6は、ダイ10とパンチ20が成形前の開いた状態を示し、図7、図8〜図13は、ダイ10とパンチ20が成形を開始して閉じた状態を示し、図27及び図28は、ダイ10とパンチ20が成形前の開いた状態を示している。したがって、図3〜図6において、ダイ10とパンチ20が互いに近付く方向が前進方向となり、図7〜図13において、ダイ10とパンチ20が互いに遠離る方向が後退方向となる。また、絶縁被覆導体線50Aは、図2に示すU字形状の導体セグメント50を形成する前のコイル線材であり、この段階(成形前)では所定長さの直線状のものが採用されている。また、以下の説明において、特に断りがない限り、図4に示す成形装置の上方を上方とし、図4に示す成形装置の下方を下方とする。
ダイ10は、図7〜図18に示すように、ダイ基部11と、複数(本実施形態では7個)に分割されてなる分割固定型12及び分割可動型13と、複数のカム溝15を有する一対の操作部材14、複数のカムピン16及び一対の位置決め部材17からなり分割可動型13の位置を調整する位置調整機構と、を備えている。
ダイ基部11は、図9〜図11の左右方向(図4の上下方向)において三つに分割形成されており、上側ダイ基部11aと中央ダイ基部11bと下側ダイ基部11cとからなる。下側ダイ基部11cのパンチ20と対向する側(図9〜図11の下側、図4の左側)には、図12、図15及び図16に示すように、絶縁被覆導体線50Aの成形予定部位の延伸方向に複数(本実施形態では7個)に分割されてなる1個の分割固定型12及び6個の分割可動型13が配置されている。分割固定型12は、下側ダイ基部11cの幅方向(絶縁被覆導体線50Aの延伸方向)の中央部に下側ダイ基部11cと一体に設けられている。6個の分割可動型13は、分割固定型12の幅方向(分割方向)両側に、一対の操作部材14にそれぞれ支持されて3個ずつ配置されている。
分割固定型12及び分割可動型13は、矩形断面の平行な辺(平面)同士が上下に位置するようにセットされた絶縁被覆導体線50Aに対して、分割可動型13の前進方向に対向する対向面と下面とに当接する成形面を有する。この場合、分割固定型12は、図2に示すU字形状の導体セグメント50の頭頂段部53両側にそれぞれある1番目と2番目の屈曲部55a,55bを形成するものである。また、分割固定型12の両側に隣接する第1分割可動型13aは、U字形状の導体セグメント50の頭頂段部53からそれぞれ3番目と4番目にある屈曲部55c,55dを形成するものである。また、第1分割可動型13aの外側に隣接する第2分割可動型13bは、U字形状の導体セグメント50の頭頂段部53からそれぞれ5番目と6番目にある屈曲部55e,55fを形成するものである。
即ち、分割固定型12及び分割可動型13は、図12、図15及び図16に示すように、絶縁被覆導体線50Aに形成される屈曲部55a〜55fのうち、頭頂段部53から偶数番目に位置する屈曲部55b,55d,55fの内側角部側面に発生する膨らみ部の全域を含む位置に配置されている。換言すれば、各屈曲部55b,55d,55fの内側角部側面の膨らみ部が発生する部位に、並列状に配置された分割固定型12と分割可動型13との各隙間部が位置しないようにされている。これにより、屈曲部55b,55d,55fの内側角部側面に膨らみ部が発生した際に、膨らみ部の表面を被覆する絶縁皮膜が分割固定型12と分割可動型13との各隙間部に進入しないようにして、絶縁皮膜に掛かる応力集中を軽減するようにされている。
そして、図12及び図13に示すように、第3及び第2分割可動型13c,13bには、前進移動して絶縁被覆導体線50Aを押圧する際に、隣接する第2及び第1分割可動型13b,13aとそれぞれ接触する接触部13kが設けられている。これにより、隣接する分割可動型13同士が一体的に固定された状態で絶縁被覆導体線50Aを押圧するようになるため、各分割可動型13に反力による歪が発生しないようにされている。また、各分割可動型13の下面には、操作部材14に設けられたカム溝15に嵌合されるカムピン16が長手方向に2個ずつ設けられている。このカムピン16は、断面が長円形に形成されており、幅方向両側にカム溝15と面接触する平坦面を有する。
分割可動型13の位置を調整する位置調整機構は、複数のカム溝15を有する一対の操作部材14と、各分割可動型13に設けられた複数のカムピン16と、一対の位置決め部材17と、を備えている。各操作部材14は、図10、図11、図17及び図18に示すように、板状の基板部14aと、基板部14aの一端側に一体に形成された操作杆14bとからなる。各操作部材14は、下側ダイ基部11cの上面に形成された収容部に、下側ダイ基部11cに対してダイ10の前進及び後退方向に操作できるように摺動可能に配置されている。各基板部14aの上面には、各分割可動型13に一対ずつ設けられたカムピン16がそれぞれ嵌合される3対(合計6個)のカム溝15がそれぞれ設けられている。この場合、各カムピン16は、各カム溝15の延伸方向に沿う平坦な側壁面にカムピン16の平坦面が面接触する状態に嵌合されている。
カム溝15は、ダイ10の前進及び後退方向(操作部材14の操作方向)に対して所定の角度傾斜した状態に設けられている。本実施形態の場合、第1分割可動型13aのカムピン16が嵌合される一対の第1カム溝15aの傾斜角度と、第2分割可動型13bのカムピン16が嵌合される一対の第2カム溝15bの傾斜角度と、第3分割可動型13cのカムピン16が嵌合される一対の第3カム溝15cの傾斜角度は、第1カム溝15aから第3カム溝15cに向かって大きくなるように設定されている。
これにより、各操作部材14を、図18に示す初期位置からダイ10の前進方向(図18の下方)へ移動操作すると、第1〜第3分割可動型13a〜13cは、各カムピン16が各カム溝15に案内されることによって、分割固定型12から離間し、且つ互いに離間するように移動する。このとき、第1〜第3分割可動型13a〜13cは、第1〜第3カム溝15a〜15cの傾斜角度が所定の角度に設定されていることによって、互いの離間距離が同じになるようにされている。各操作部材14の移動操作は、ダイ10の前進及び後退方向へ無段階的に行うことができる。即ち、一方の第3分割可動型13cと他方の第3分割可動型13cとの離間距離を、最大と最小の間で無段階的に調整することが可能である。これにより、成形されるコイルエンド部52の延伸方向長さや屈曲部55a〜55gの位置を無段階的に調整することが可能である。
各位置決め部材17は、図10、図14、図16及び図17に示すように、可動基部17aと、複数のばね部材17bと、複数の楔部17cと、操作杆17dと、複数の支持ピン17eとから構成されている。各可動基部17aは、ブロック状に形成され、中央ダイ基部11bの幅方向(絶縁被覆導体線50Aの延伸方向)両側に設けられた一対の収容部内にそれぞれ上下方向に移動可能に収容されている。各可動基部17aの下端には、中央ダイ基部11bの収容部底部に設けられた挿通孔に挿通された複数の支持ピン17eが設けられており、これら支持ピン17eを介して各分割可動型13に支持されている。各可動基部17aは、中央ダイ基部11bの各収容部の底部に配置された複数のばね部材17bにより上方へ付勢されている。
各可動基部17aの下面には、先端が下方を向くようにして楔部17cが6個ずつ設けられている。各楔部17cは、中央ダイ基部11bの各収容部の底部を貫通して、その底部下方に配置された各分割可動型13及び分割固定型12のそれぞれの間に先端が入り込む位置に設けられている。また、各可動基部17aの上面のダイ後退側端部には、ダイ後退側端部に向かって下降する2段の階段部171(図10参照)が設けられている。
各操作杆17dは、長辺部と短辺部からなるL字形状に形成されている。各操作杆17dは、中央ダイ基部11bの上面に、ダイ10の前進及び後退方向に延設されたガイド溝172(図17参照)に長辺部が摺動自在に配置されている。なお、ガイド溝172の上方の開口部は、上側ダイ基部11aにより覆蓋されている。各操作杆17dの長辺部先端の下面には、長辺部先端に向かって下降する2段の階段部173(図10参照)が設けられている。各操作杆17dの階段部173は、各可動基部17aの階段部171と符合する階段形状に形成されている。なお、各操作杆17dの階段部173の段数と各可動基部17aの階段部171の段数は、適宜変更してもよい。
図10において、操作杆17dは、長辺部がガイド溝172の最奥に押し込まれた状態である。この状態では、操作杆17dに設けられた階段部173の最上段(操作杆17dの長辺部下面)と、可動基部17aに設けられた階段部171の最上段(可動基部17aの上面)とが当接しており、可動基部17aは、ばね部材17bの付勢力に抗して最下方位置に停止している。このとき、各可動基部17aの下面に設けられた各楔部17cは、分割固定型12及び各分割可動型13の各隙間において深さ方向最深の所定位置まで先端が入り込んだ状態となり、各分割可動型13が最大に離間した位置で位置決めされている。即ち、各分割可動型13は、成形されるコイルエンド部52の階段形状部の延伸方向長さが最大となる位置に位置決めされている。
そして、図10の状態から、各操作杆17dをダイ後退方向に所定量スライドさせると、各可動基部17aがばね部材17bにより上方へ付勢されていることによって、各操作杆17dの階段部173の1段目と、各可動基部17aの階段部171の1段目とが当接した状態で停止する。このとき、各可動基部17aの下面に設けられた各楔部17cは、分割固定型12及び各分割可動型13の各隙間において深さ方向中間の所定位置まで先端が入り込んだ状態となり、各分割可動型13が最大と最小の中間となる所定距離だけ離間した位置に位置決めされる。即ち、各分割可動型13は、成形されるコイルエンド部52の階段形状部の延伸方向長さが中間となる位置に位置決めされる。
さらに、上記の状態から、各操作杆17dをダイ後退方向に所定量スライドさせると、各可動基部17aがばね部材17bにより上方へ付勢されていることによって、各操作杆17dの階段部173の2段目と、各可動基部17aの階段部171の2段目とが当接した状態で停止する。このとき、各可動基部17aの下面に設けられた各楔部17cは、分割固定型12及び各分割可動型13の各隙間に先端が入り込まない位置で停止しており、各分割可動型13が最小に離間(最接近)した位置で位置決めされる。即ち、各分割可動型13は、成形されるコイルエンド部52の階段形状部の延伸方向長さが最小となる位置に位置決めされる。なお、この状態では、位置決め部材17による各分割可動型13の位置決めは、ロック解除の状態となる。
パンチ20は、図7〜図12、図19〜図26に示すように、パンチ基部21と、複数(本実施形態では7個)に分割されてなる分割固定型22及び分割可動型23と、複数のカム溝25を有する一対の操作部材24、複数のカムピン26及び一対の位置決め部材27からなり分割可動型23の位置を調整する位置調整機構と、を備えている。
パンチ基部21は、図9〜図11の左右方向(図4の上下方向)において三つに分割形成されており、上側パンチ基部21aと中央パンチ基部21bと下側パンチ基部21cとからなる。上側パンチ基部21aのダイ10と対向する側(図9〜図11の上側、図4の右側)には、図12、図20及び図25に示すように、絶縁被覆導体線50Aの成形予定部位の延伸方向に複数(本実施形態では7個)に分割されてなる1個の分割固定型22及び6個の分割可動型23が配置されている。分割固定型22は、上側パンチ基部21aの幅方向(絶縁被覆導体線50Aの延伸方向)の中央部に上側パンチ基部21aと一体に設けられている。6個の分割可動型23は、分割固定型22の幅方向(分割方向)両側に、一対の操作部材24にそれぞれ支持されて3個ずつ配置されている。
分割固定型22及び分割可動型23は、矩形断面の平行な辺(平面)同士が上下に位置するようにセットされた絶縁被覆導体線50Aに対して、分割可動型23の前進方向に対向する対向面と上面とに当接する成形面を有する。この場合、分割固定型22は、図2に示すU字形状の導体セグメント50の頭頂段部53両側にそれぞれある1番目と2番目の屈曲部55a,55bを形成するものである。また、分割固定型22の両側に隣接する第1分割可動型23aは、U字形状の導体セグメント50の頭頂段部53からそれぞれ3番目と4番目にある屈曲部55c,55dを形成するものである。また、第1分割可動型23aの外側に隣接する第2分割可動型23bは、U字形状の導体セグメント50の頭頂段部53からそれぞれ5番目と6番目にある屈曲部55e,55fを形成するものである。
即ち、分割固定型22及び分割可動型23は、図12、図20及び図25に示すように、絶縁被覆導体線50Aに形成される屈曲部55a〜55fのうち、頭頂段部53から奇数番目に位置する屈曲部55a,55c,55eの内側角部側面に発生する膨らみ部の全域を含む位置に配置されている。換言すれば、各屈曲部55a,55c,55eの内側角部側面の膨らみ部が発生する部位に、並列状に配置された分割固定型22と分割可動型23との各隙間部が位置しないようにされている。これにより、屈曲部55a,55c,55eの内側角部側面に膨らみ部が発生した際に、膨らみ部の表面を被覆する絶縁皮膜が分割固定型22と分割可動型23との各隙間部に進入しないようにして、絶縁皮膜に掛かる応力集中を軽減するようにされている。
そして、図24、図25及び図26に示すように、第1〜第3分割可動型23a〜23cには、前進移動して絶縁被覆導体線50Aを押圧する際に、中央パンチ基部21bと接触する接触部23kがそれぞれ設けられている。これにより、各分割可動型23が中央パンチ基部21bに一体的に固定された状態で絶縁被覆導体線50Aを押圧するようになるため、各分割可動型23に反力による歪が発生しないようにされている。また、各分割可動型23の上面には、操作部材24に設けられたカム溝25に嵌合されるカムピン26が長手方向に2個ずつ設けられている。このカムピン26は、断面が長円形に形成されており、幅方向両側にカム溝25と面接触する平坦面を有する。
分割可動型23の位置を調整する位置調整機構は、複数のカム溝25を有する一対の操作部材24と、各分割可動型23に設けられた複数のカムピン26と、一対の位置決め部材27と、を備えている。各操作部材24は、図10、図21、図22及び図23に示すように、板状の基板部24aと、基板部24aの一端側に一体に形成された操作杆24bとからなる。各操作部材24は、上側パンチ基部21aの下面に形成された収容部に、上側パンチ基部21aに対してパンチ20の前進及び後退方向に操作できるように摺動可能に配置されている。各基板部24aの下面には、各分割可動型23に一対ずつ設けられたカムピン26がそれぞれ嵌合される3対(合計6個)のカム溝25がそれぞれ設けられている。この場合、各カムピン26は、各カム溝25の延伸方向に沿う平坦な側壁面にカムピン26の平坦面が面接触する状態に嵌合されている。
カム溝25は、パンチ20の前進及び後退方向(操作部材24の操作方向)に対して所定の角度傾斜した状態に設けられている。本実施形態の場合、第1分割可動型23aのカムピン26が嵌合される一対の第1カム溝25aの傾斜角度と、第2分割可動型23bのカムピン26が嵌合される一対の第2カム溝25bの傾斜角度と、第3分割可動型23cのカムピン26が嵌合される一対の第3カム溝25cの傾斜角度は、第1カム溝25aから第3カム溝25cに向かって大きくなるように設定されている。
これにより、各操作部材24を、図23に示す初期位置からパンチ20の前進方向(図23の上方)へ移動操作すると、第1〜第3分割可動型23a〜23cは、各カムピン26が各カム溝25に案内されることによって、分割固定型22から離間し、且つ互いに離間するように移動する。このとき、第1〜第3分割可動型23a〜23cは、第1〜第3カム溝25a〜25cの傾斜角度が所定の角度に設定されていることによって、互いの離間距離が同じになるようにされている。各操作部材24の移動操作は、パンチ20の前進及び後退方向へ無段階的に行うことができる。即ち、一方の第3分割可動型23cと他方の第3分割可動型23cとの離間距離を、最大と最小の間で無段階的に調整することが可能である。これにより、成形されるコイルエンド部52の延伸方向長さや屈曲部55a〜55gの位置を無段階的に調整することが可能である。
各位置決め部材27は、図10、図19及び図21に示すように、可動基部27aと、複数のばね部材27bと、複数の楔部27cと、操作杆27dと、複数の支持ピン27eとから構成されている。各可動基部27aは、ブロック状に形成され、中央パンチ基部21bの幅方向(絶縁被覆導体線50Aの延伸方向)両側に設けられた一対の収容部内にそれぞれ上下方向に移動可能に収容されている。各可動基部27aの上端には、中央ダイ基部21bの収容部天井部に設けられた挿通孔に挿通された複数の支持ピン27eが設けられており、これら支持ピン27eを介して上方に配置された各分割可動型23を支持している。各可動基部27aは、中央パンチ基部21bの各収容部の天井部に配置された複数のばね部材27bにより下方へ付勢されている。
各可動基部27aの上面には、先端が上方を向くようにして楔部27cが6個ずつ設けられている。各楔部27cは、中央パンチ基部21bの各収容部の天井部を貫通して、その天井部上方に配置された各分割可動型23及び分割固定型22のそれぞれの間に先端が入り込む位置に設けられている。また、各可動基部27aの下面のパンチ後退側端部には、パンチ後退側端部に向かって下降する2段の階段部271(図10参照)が設けられている。
各操作杆27dは、長辺部と短辺部からなるL字形状に形成されている。各操作杆27dは、中央パンチ基部21bの下面に、パンチ20の前進及び後退方向に延設されたガイド溝272(図21参照)に長辺部が摺動自在に配置されている。なお、ガイド溝272の下方の開口部は、下側パンチ基部21cにより覆蓋されている。各操作杆27dの長辺部先端の上面には、長辺部先端に向かって下降する2段の階段部273(図10参照)が設けられている。各操作杆27dの階段部273は、各可動基部27aの階段部271と符合する階段形状に形成されている。なお、各操作杆27dの階段部273の段数と各可動基部27aの階段部271の段数は、適宜変更してもよい。
図10において、操作杆27dは、長辺部がガイド溝272の最奥に押し込まれた状態である。この状態では、操作杆27dに設けられた階段部273の最上段(操作杆27dの長辺部上面)と、可動基部27aに設けられた階段部271の最上段(可動基部27aの下面)とが当接しており、可動基部27aは、ばね部材27bの付勢力に抗して最上方位置に停止している。このとき、各可動基部27aの上面に設けられた各楔部27cは、分割固定型22及び各分割可動型23の各隙間において深さ方向最深の所定位置まで先端が深く入り込んだ状態となり、各分割可動型23が最大に離間した位置で位置決めされている。即ち、各分割可動型23は、成形されるコイルエンド部52の階段形状部の延伸方向長さが最大となる位置に位置決めされている。
そして、図10の状態から、各操作杆27dをパンチ後退方向に所定量スライドさせると、各可動基部27aがばね部材27bにより下方へ付勢されていることによって、各操作杆27dの階段部273の1段目と、各可動基部27aの階段部271の1段目とが当接した状態で停止する。このとき、各可動基部27aの上面に設けられた各楔部27cは、分割固定型22及び各分割可動型23の各隙間において深さ方向中間の所定位置まで先端が入り込んだ状態となり、各分割可動型23が最大と最小の中間となる所定距離だけ離間した位置に位置決めされる。即ち、各分割可動型23は、成形されるコイルエンド部52の階段形状部の延伸方向長さが中間となる位置に位置決めされる。
さらに、上記の状態から、各操作杆27dをパンチ後退方向に所定量スライドさせると、各可動基部27aがばね部材27bにより下方へ付勢されていることによって、各操作杆27dの階段部273の2段目と、各可動基部27aの階段部271の2段目とが当接した状態で停止する。このとき、各可動基部27aの上面に設けられた各楔部27cは、分割固定型22及び各分割可動型23の各隙間に先端が入り込まない位置に停止しており、各分割可動型23が最小に離間(最接近)した位置で位置決めされる。即ち、各分割可動型23は、成形されるコイルエンド部52の階段形状部の延伸方向長さが最小となる位置に位置決めされる。なお、この状態では、位置決め部材27による各分割可動型23の位置決めは、ロック解除の状態となる。
次に、上記のように構成された成形装置によりコイルエンド部52の階段形状を成形する方法について説明する。先ず、ダイ10とパンチ20が成形前の開いた状態(図3〜図6)において、ダイ10及びパンチ20の各分割可動型13,23の位置を位置調整機構により調整する。即ち、ダイ10及びパンチ20の位置決め部材17,27の各操作杆17d,27dを操作して、位置決め部材17,27による各分割可動型13,23の位置ロック状態を解除状態にする。例えば、各操作杆17d,27dを、図10に示す初期位置からダイ10及びパンチ20の後退方向へ所定量それぞれ移動操作すれば、各分割可動型13,23の位置ロック状態が解除される。
その状態で、ダイ10及びパンチ20の操作部材14,24の各操作杆14b,24bを操作して、各分割可動型13,23の位置を所望の位置に調整する。例えば、各操作部材14,24を、図18及び図23に示す初期位置からダイ10及びパンチ20の前進方向へ所定量それぞれ移動操作することにより、各分割可動型13,23が互いに接近し、且つ分割固定型12,22に接近するように所望の位置に移動させる。これにより、絶縁被覆導体線50Aの成形予定部位に形成される階段形状部の屈曲部55a〜55fの位置及び階段形状部の延伸方向長さが設定される。
続いて、ダイ10及びパンチ20の位置決め部材17,27の各操作杆17d,27dを操作して、所望の位置に移動した各分割可動型13,23の位置決めを行う。即ち、各操作杆17d,27dを、上記とは逆にダイ10及びパンチ20の前進方向へ所定量それぞれ移動操作して、各可動基部17a,27aに設けられた各楔部17c,27cの先端が、分割固定型12,22及び各分割可動型13,23の各隙間の深さ方向所定位置まで入り込んだ状態にする。これにより、各分割可動型13,23が所望の位置に位置決めされる。
この状態で、ダイ10とパンチ20の間の所定位置に供給された絶縁被覆導体線50Aに対して、駆動部(図示せず)によりダイ10及びパンチ20を互いに前進移動させて閉じた状態(図7〜図13)にする。これにより、絶縁被覆導体線50Aは、ダイ10の分割固定型12及び分割可動型13とパンチ20の分割固定型22及び分割可動型23とによって両側から押圧され、絶縁被覆導体線50Aの成形予定部位の6箇所に、90°〜120°程度の範囲で逆方向に交互に折り曲げられた屈曲部55a〜55fが成形される。即ち、図2に示す導体セグメント50のコイルエンド部52の階段形状部(6箇所の屈曲部55a〜55f)が形成される。
このとき、ダイ10の分割固定型12及び分割可動型13の成形面は、絶縁被覆導体線50Aに対して前進方向の対向面と下面とに当接し、パンチ20の分割固定型22及び分割可動型23の成形面は、絶縁被覆導体線50Aに対して前進方向の対向面と上面とに当接する。また、ダイ10の分割固定型12及び分割可動型13とパンチ20の分割固定型22及び分割可動型23は、各屈曲部55a〜55fの内側角部側面に発生する膨らみ部の全域を含む位置に配置されている。そのため、各屈曲部55a〜55fの内側角部側面に膨らみ部が発生した際に、膨らみ部の表面を被覆する絶縁皮膜が分割固定型12,22と分割可動型13,23との各隙間部に進入することがないので、絶縁皮膜に掛かる応力集中が軽減され、高精度の成形が可能となる。
なお、ダイ10とパンチ20が互いに前進移動して閉じた状態となった際には、図9に示すように、どちらか一方(本実施形態では中央ダイ基部11b)に設けられた凹部10Aと、どちらか他方(本実施形態では中央パンチ基部21b)に設けられた凸部20Aとが嵌合して、互いに固定された状態になる。これにより、成形時の押圧反力で各分割可動型13,23に歪みが発生することが抑制されるので、高精度の成形が可能となる。
その後、駆動部(図示せず)によりダイ10及びパンチ20を互いに後退移動させて開いた状態(図27及び図28)にして、コイルエンド部52の階段形状部が形成された絶縁被覆導体線50Aを取り出し、本実施形態の成形装置による成形工程を終了する。そして、上記と同じコイルエンド部52の階段形状の成形を行う場合には、次の絶縁被覆導体線50Aをそのまま成形装置に供給して、上記と同様に連続して成形工程を行う。また、コイルエンド部52の階段形状が異なる場合には、ダイ10及びパンチ20の各分割可動型13,23の位置を、上記と同様に位置調整機構により所望の位置に調整した後、上記と同様に成形工程を行う。
なお、本実施形態の成形装置によりコイルエンド部52の階段形状が成形された絶縁被覆導体線50Aは、頭頂段部53の両側に6箇所ずつ屈曲部55a〜55fが形成されている。そのため、図2に示すU字形状の導体セグメント50において、頭頂段部53から7番目に位置する屈曲部55gは、上記の成形工程終了後、他の成形型(図示せず)により形成される。また、逆に、他の成形型で頭頂段部53から7番目に位置する屈曲部55gだけを形成した後、本実施形態の成形装置で頭頂段部53の両側に6箇所ずつ屈曲部55a〜55fを形成するようにしてもよい。
なお、上記の成形装置に対して、頭頂段部53から7番目に位置する屈曲部55gを形成する他の成形型を付加することによって、頭頂段部53の両側に6箇所ずつ形成される屈曲部55a〜55fと、頭頂段部53から7番目に位置する屈曲部55gとを同時に形成することが可能である。
以上のように、本実施形態の成形装置によれば、ダイ10及びパンチ20は、絶縁被覆導体線50Aの成形予定部位の延伸方向に分割されてそれぞれ前記延伸方向に移動可能な複数の分割可動型13,23を有するとともに、分割可動型13,23の位置を調整する位置調整機構(14〜17,24〜27)を備えている。そのため、絶縁被覆導体線50Aの成形予定部位の延伸方向長さが異なる場合でも、各分割可動型13,23の位置を位置調整機構(14〜17,24〜27)で調整することにより、ダイ10及びパンチ20の段取り交換をすることなくそのまま成形を行うことができる。したがって、本実施形態の成形装置によれば、成形型(分割固定型12,22及び分割可動型13,23)の段取り交換を必要とせず、一つの成形型で複数種類の形状の成形を行うことができる。これにより、型費の増大や段取りの工数の増大を抑制し、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の分割可動型13,23は、絶縁被覆導体線50Aに形成される屈曲部55a〜55fの内側角部側面に発生する膨らみ部の全域を含む位置に配置されている。そのため、各屈曲部55a〜55fの内側角部側面に膨らみ部が発生した際に、膨らみ部の表面を被覆する絶縁皮膜が分割固定型12,22と分割可動型13,23との各隙間部に進入することがないので、絶縁皮膜に掛かる応力集中を軽減させて、高精度の成形を行うことができる。
さらに、ダイ10の分割可動型13は、前進移動する際に、隣接する分割可動型13と接触する接触部13kを有する。これにより、隣接する分割可動型13同士が一体的に固定された状態で絶縁被覆導体線50Aを押圧するようになるため、反力により各分割可動型13に歪が発生するのを抑制することができる。また、パンチ20の分割可動型23は、前進移動する際に、他の部材(中央パンチ基部21b)と接触する接触部23kを有する。これにより、各分割可動型23が中央パンチ基部21bに一体的に固定された状態で絶縁被覆導体線50Aを押圧するようになるため、反力により各分割可動型23に歪が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態のダイ10及びパンチ20は、互いに前進移動して閉じた状態となった際に、中央ダイ基部11bに設けられた凹部10Aと中央パンチ基部21bに設けられた凸部20Aとが嵌合して固定されるように構成されている。これにより、成形時の押圧反力で各分割可動型13,23に歪みが発生するのを抑制することができるので、高精度の成形が可能となる。
また、本実施形態の位置調整機構は、所定の方向に延びる複数のカム溝15,25を有する操作部材14,24と、各分割可動型13,23に設けられて所定のカム溝15,25に嵌合されるカムピン16,26とを備え、操作部材14,24を前進及び後退方向に移動操作することにより各分割可動型13,23の離間距離を調整するように構成されている。これにより、各分割可動型13,23を位置調整可能に設置するに際して、位置調整機構をコンパクトで省スペース化された構造にすることができるので、他の装置(例えば搬送装置等)との干渉を回避することができる。
また、本実施形態のカムピン16,26は、断面が長円形に形成されてカム溝15,25に面接触する平坦面を有する。これにより、カムピン16,26の強度を向上させることができるので、カムピン16,26が設けられる分割可動型13,23の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態の位置調整機構は、各分割可動型13,23の位置決めをする位置決め部材17,27を有する。そのため、位置決め部材17,27で各分割可動型13,23の位置を精度良く確実に位置決めすることができる。また、各分割可動型13,23を楔部17c,27cで両側から挟み込むようにしているので、ガタの発生をより確実に無くすことができる。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、実施形態1の成形装置では、断面が長円形に形成されてカム溝15,25に面接触する平坦面を有するカムピン16,26が用いられていたが、図29に示す変形例1のカムピン16Aのように、断面が円形に形成されてカム溝15に線接触する湾曲面を有するものを用いてもよい。なお、図29に示すカムピン16Aは、ダイ10の各分割可動型13に設けられるものであるが、パンチ20の各分割可動型23に設けられるカムピン26においても同様である。
また、実施形態1の成形装置は、セグメント型ステータコイル47を構成するU字形状の導体セグメント50を成形の対象として説明しているが、ステータコア41のスロット42に収容される複数のスロット収容部と、異なるスロット42に収容されるスロット収容部の軸方向一端同士と軸方向他端同士とをスロット42の軸方向両側で交互に接続する複数のコイルエンド部とを有する波形の連続線を成形の対象としてもよい。
10…ダイ、 10A…凹部、 13…分割可動型、 13k…接触部、 14…操作部材、 15…カム溝、 16,16A…カムピン、 17…位置決め部材、 20…パンチ、 20A…凸部、 21b…中央パンチ基部、 23…分割可動型、 23a…接触部、 24…操作部材、 25…カム溝、 26…カムピン、 27…位置決め部材、 50A…絶縁被覆導体線、 55a〜55g…屈曲部。

Claims (8)

  1. 平角線を絶縁被覆してなる絶縁被覆導体線(50A)の両側から互いに前進及び後退するように相対移動して前記絶縁被覆導体線を階段状に折り曲げ成形するダイ(10)及びパンチ(20)を備えたステータコイルの成形装置において、
    前記ダイ及び前記パンチは、前記絶縁被覆導体線の成形予定部位の延伸方向に分割されてそれぞれ前記延伸方向に移動可能な複数の分割可動型(13,23)を有するとともに、前記分割可動型の位置を調整する位置調整機構(14〜17,24〜27)を備えていることを特徴とするステータコイルの成形装置。
  2. 前記分割可動型は、前記絶縁被覆導体線に形成される屈曲部(55a〜55f)の内側角部側面に発生する膨らみ部の全域を含む位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のステータコイルの成形装置。
  3. 前記分割可動型は、前進移動する際に、隣接する前記分割可動型又は他の部材(21b)と接触する接触部(13k,23k)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のステータコイルの成形装置。
  4. 前記ダイ及び前記パンチは、互いに前進移動して閉じた状態となった際に、どちらか一方に設けられた凹部(10A)とどちらか他方に設けられた凸部(20A)とが嵌合して固定されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のステータコイルの成形装置。
  5. 前記位置調整機構は、所定の方向に延びる複数のカム溝(15,25)を有する操作部材(14,24)と、各前記分割可動型に設けられて所定の前記カム溝に嵌合されるカムピン(16,16A,26)とを備え、前記操作部材を前進及び後退方向に移動操作することにより各前記分割可動型の離間距離を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のステータコイルの成形装置。
  6. 前記カムピン(16,26)は、断面が長円形に形成されて前記カム溝に面接触する平坦面を有することを特徴とする請求項5に記載のステータコイルの成形装置。
  7. 前記カムピン(16A)は、断面が円形に形成されて前記カム溝に線接触する湾曲面を有することを特徴とする請求項5に記載のステータコイルの成形装置。
  8. 前記位置調整機構は、各前記分割可動型の位置決めをする位置決め部材(17,27)を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のステータコイルの成形装置。
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