JP4596630B2 - イミダゾリウムヨウ化物塩の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式太陽電池やリチウムイオン電池などの電解質、有機反応用の触媒およびその中間体、化学反応および金属めっき等の反応溶媒として用いることができるイミダゾリウム塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、イミダゾリウムハロゲン化物塩は、イミダゾール誘導体とハロゲン化アルキル等の有機ハロゲン化物を溶媒下で反応させ、イミダゾール誘導体のイミダゾール骨格における3位の窒素原子にハロゲン化アルキルのアルキル基を結合させて4級化し該ハロゲン化アルキルに由来するハロゲンアニオンと塩を形成することにより得られることが知られている。
【0003】
上記反応において、ハロゲン化アルキルとして、ヨウ化メチルやヨウ化エチル等の炭素数が2以下のアルキル基を有するハロゲン化アルキルを使用した場合には、これらハロゲン化アルキルの4級化試薬としての反応性は高いため、高転化率で反応が進行する。しかし、プロピル基等の炭素数が3以上の有機基を有するハロゲン化アルキルの4級化試薬としての反応性はヨウ化メチルやヨウ化エチルと比べて低いため、目的物となるイミダゾリウムハロゲン化物塩の収率は、原料イミダゾール誘導体の種類や、用いる反応溶媒の種類によって大きく異なる。例えば、Aust.J.Chem.,1977,30,2005−2013には、ベンゼン溶媒中で各種イミダゾール誘導体と各種有機ハロゲン化物とを反応させてイミダゾリウムハロゲン化物塩を合成したことが記載されているが、炭素数が3以上のアルキル基もしくはアルケニル基を有する有機ハロゲン化物を用いた場合の目的物の収率は、40〜95%と大きくばらついており、しかも95%を超えるような高収率は実現されていない。なお、上記文献においてヨウ化メチルを用いて1,3−ジメチルイミダゾリウムアイオダイドを合成したときの収率が57%と低くなっているが、本発明者等追試したところ90%という高収率で目的物が得られたことから、転化率自体は高いものの単離操作において何らかのロスが生じているのではないかと思われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年、イミダゾリウム塩の用途の拡大により、各用途において好ましい物性を有するイミダゾリウム塩の開発が盛んに行われるようになってきており、例えばイミダゾール骨格の3位の窒素原子に炭素数3以上の有機基が導入された1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドのようなイミダゾリウム塩が湿式太陽電池の電解質として優れた特性を示すことが分かってきている。
【0005】
このように、今後、用途に応じて最適なイミダゾリウム塩を開発するに当たり、イミダゾール骨格の3位の窒素原子に炭素数3以上の有機基が導入された高純度のイミダゾリウム塩を高収率で安定して製造する技術を開発することが工業的に重要になってくると考えられる。そこで、本発明は、このようなイミダゾリウム塩の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、有機ハロゲン化物としてヨウ化物を用い、特定の誘電率の環状エーテル化合物を溶媒として用いた場合には、イミダゾール骨格の3位の窒素原子に炭素数3以上の有機基が導入された高純度のイミダゾリウム塩を高収率で安定して得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0008】
【化3】
【0009】
{式中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルキニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数5〜8(但し、置換基の炭素数は含まない)のシクロアルキル基である。}
で示されるイミダゾール誘導体と下記一般式(2)
R5−I (2)
{式中、R5は、置換若しくは非置換の炭素数3〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数3〜10のアルケニル基、置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数3〜10のアルキニル基、又は置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数5〜8のシクロアルキル基である。}
で示される有機ヨウ化物とのみを溶媒中に存在させて反応させて下記一般式(3)
【0010】
【化4】
【0011】
{式中、R1〜R4は、それぞれ前記一般式(1)中のR1〜R4と同義であり、R5は、前記一般式(2)におけるR5と同義である。}
で示されるイミダゾリウムヨウ化物塩を製造する方法において、溶媒として誘電率4.0〜10.0の環状エーテル化合物を使用することを特徴とする前記イミダゾリウムヨウ化物塩の製造方法である。
【0012】
上記本発明の製造方法において、溶媒としてテトラヒドロフランを使用した場合には、収率が特に高く高純度の目的物を容易に得ることができ、例えば、湿式太陽電池の電解質として有用な1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドを製造する際に好適に適用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法では、原料として前記一般式(1)で示されるイミダゾール誘導体を使用する。前記一般式(1)において、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルキニル基、又は置換もしくは非置換の炭素数5〜8のシクロアルキル基(但し、置換基の炭素数は含まない)である。
【0014】
これらの基を具体的に例示すれば、非置換の上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、sec−アミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられ、非置換の上記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基等が挙げられ、非置換の上記アルキニル基としては、エチニル基、2−プロピニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基等が挙げられ、非置換の上記シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0015】
また、置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン、水酸基、シアノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ニトロ基、フェニル基等が挙げられる。これらの置換基の数は特に限定されないが、通常は1〜2個である。
【0016】
本発明の製造方法で好適に使用できる前記一般式(1)で示されるイミダゾール誘導体を具体的に例示すれば、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−オクチルイミダゾール、1−シクロヘキシルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、1−(3−ブテニル)イミダゾール、1−(2−プロピニル)イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−シクロヘキシルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、2−アリルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、4−プロピルイミダゾール、4−イソプロピルイミダゾール、4−シクロヘキシルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール、4−アリルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,5−ジシクロヘキシルイミダゾール、1−デシル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール等が挙げられる。これらイミダゾール誘導体は、目的とするイミダゾリウム塩の構造に応じた構造のものを適宜選択して使用すればよい。なお、これらイミダゾール誘導体は、市販されているものが多く、市販されていないものについてもその製法は公知である。
【0017】
本発明では、もう一方の原料として前記一般式(2)で示される有機ヨウ化物を使用する。同じ有機基を有する有機ハロゲン化物でもハロゲン原子がヨウ素以外のものを用いた場合には、反応収率が低下することがある。本発明で使用する有機ヨウ素化合物は、前記一般式(2)で示されるものであれば特に限定されず、目的とするイミダゾリウム塩の構造に応じて適宜選択することができる。なお、前記一般式(2)におけるR5は、置換若しくは非置換の炭素数3〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数3〜10のアルケニル基、置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数3〜10のアルキニル基、又は置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数5〜8のシクロアルキル基である。
【0018】
上記R5のうち非置換のものとしては、炭素数3〜10のアルキル基としては、プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、sec−アミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、及びn−デシル基等が;炭素数3〜10のアルケニル基としては、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、及び4−ペンテニル基等が;炭素数3〜10のアルキニル基としては、2−プロピニル基、3−ブチニル基、及び4−ペンチニル基等が;炭素数5〜8のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。また、置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン、水酸基、シアノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、ニトロ基、フェニル基等が挙げられる。これらの置換基の数は特に限定されないが、通常は1〜2個である。なお、入手の容易さや反応性等の観点からR5は非置換の基であるのが好適である。
【0019】
本発明の製造方法で好適に使用可能な有機ヨウ化物を具体的に例示すれば、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードプロペン、3−ヨードプロピン、1−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパン、2−ヨードブタン、4−ヨード−1−ブテン、4−ヨード−1−ブチン、1−ヨードペンタン、1−ヨード−2−メチルブタン、1−ヨード−3−メチルブタン、5−ヨード−1−ペンテン、1−ヨードヘキサン、1−ヨードヘプタン、1−ヨードオクタン、2−ヨードオクタン、1−ヨードノナン、1−ヨードデカン、ヨードシクロペンタン、ヨードシクロヘキサン等が挙げられる。
【0020】
上記有機ヨウ化物の使用量は特に限定されないが、該有機ヨウ化物は化学量論的に反応するので、通常、前記イミダゾール誘導体1モルに対してほぼ1モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用すればよい。
【0021】
本発明では、前記イミダゾール誘導体と前記有機ヨウ素化合物を溶媒中で反応させるが、溶媒としては、誘電率4.0〜10.0の環状エーテル化合物を使用する必要がある。溶媒として環状エーテル以外の化合物や環状エーテルでもその誘電率が上記範囲から外れるものを用いた場合には、反応収率が低下することがある。効果の観点から、誘電率5.0〜8.0の環状エーテル化合物を使用するのが特に好適である。
【0022】
本発明で使用可能な誘電率4.0〜10.0の環状エーテル化合物を例示すれば、テトラヒドロフラン(誘電率:7.6)、2−メチルテトラヒドロフラン(誘電率:6.2)、テトラヒドロピラン(誘電率:5.4)、1,3−ジオキソラン(誘電率:6.8)、が挙げられるが、水分含有量の低い目的物が容易に得られることから、これらの中でもテトラヒドロフランが最も好ましい。これら環状エーテルは、市販のものを必要に応じて公知の方法により精製したものを使用すればよいが、生成したイミダゾリウム塩は一般に吸湿性が大きいため、脱水して使用するのが好ましい。
【0023】
溶媒としての上記環状エーテル化合物の使用量は特に限定されないが、高い反応速度で均一に反応が進行するという観点から、前記イミダゾール化合物の濃度が0.1〜10(mol/l)、特に0.5〜5(mol/l)となる量を使用するのが好適である。
【0024】
本発明の製造方法において、反応方法は特に限定されず、溶媒中でイミダゾール誘導体と有機ヨウ化物と混合することにより好適に行なうことができる。混合の順序も特に限定されないが、反応条件の制御の容易さから、溶媒にイミダゾール誘導体か有機ヨウ化物のいずれか一方を予め溶解させておき、その溶液にもう一方の原料を滴下して反応させるのが好適である。なお、混合に際しては攪拌を行なうのが好適である。
【0025】
本発明の製造方法における、反応条件は特に限定されず、反応系に応じて適宜設定すればよいが、一般に、有機ヨウ化物の有機基の炭素数が大きくなると反応性が低下する傾向があるため、効率よく短時間で反応を行なうためには加熱を行ない40℃〜用いる反応溶媒の還流温度で反応を行なうことがより好ましい。
【0026】
なお、環状エーテル類は空気中の酸素によって酸化されて過酸化物を生じる可能性があるので、反応は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0027】
本発明の製造法においては、使用する原料の種類に応じて前記一般式(3)で示される構造のイミダゾリウムヨウ化物塩が得られる。なお、前記一般式(3)中のR1〜R4は、それぞれ前記一般式(1)中のR1〜R4と同義であり、R5は、前記一般式(2)におけるR5と同義である。
【0028】
本発明の製造方法においては、反応生成物である上記イミダゾリウムヨウ化物塩は、一般に溶媒に不溶で、沈殿として析出したり、層分離するため、反応終了後、沈殿をろ過する或いは分液操作をすることにより、容易に分離することができる。また、反応条件によっては未反応のイミダゾール誘導体又は有機ヨウ化物が目的物に混入することがあるが、これらは環状エーテルに可溶であるため、分離された目的物を溶媒として用いた環状エーテルで洗浄することにより、簡単に除去することができる。このようにして得られたイミダゾリウム塩は、減圧乾燥を行なうことにより、容易に脱溶媒および脱水でき、高純度のイミダゾリウム塩を得ることができる。なお、生成するイミダゾリウムヨウ化物塩は、一般に吸湿性が高いため、低湿度条件下または、密閉装置内で分離・洗浄操作を行なうことが好ましい。
【0029】
【実施例】
本発明を更に具体的に説明するため、以下実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例および比較例で使用した化合物の略語は表1に示す通りである。
【0030】
【表1】
【0031】
実施例1
還流冷却器をセットした3(l)の三ツ口フラスコにDM−Im 144(g)(1.5mol),THF750(ml)を仕込み、次いで滴下管にPr−I255(g)(1.5mol)を量りとり、反応装置を組み立てた。N2ガスで反応容器内を置換した後、十分な攪拌条件下でPr−Iを滴下した。全量滴下後、66℃(還流温度)で6時間反応を行ない、その後反応液を放冷した。生じた沈殿をろ過してTHF750(ml)で洗浄し、2日間室温で減圧乾燥を行なった。得られた1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドは399(g)(収率100%)であり、1H−NMRを用いて純度を測定したところ、純度は99.5%であった。また、カールフィッシャー法により水分量を測定したところ、50ppmであった。
【0032】
実施例2〜5
実施例1におけるPr−Iに代えてそれぞれ表2に示すヨウ化アルキルを用い、反応時間を表2に示すように実施した以外は、実施例1と同様に行なった。その結果は表2に示す通りであり、いずれも高収率かつ高純度でイミダゾリウムヨウ化物塩を得ることができた。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例6〜9
実施例1で用いた反応装置を用い、DM−Imに代えてそれぞれ表3に示すイミダゾール誘導体を使用して、表3に示す反応温度および反応時間で反応させた。反応終了後、液状に層分離したイミダゾリウムヨウ化物塩を分液し、新たにTHF750mlを加え30分間攪拌した後、静置した。液状に層分離したイミダゾリウムヨウ化物塩を分液し、2日間室温で減圧乾燥を行なった。その結果は表3に示す通りであり、いずれも高収率かつ高純度でイミダゾリウムヨウ化物塩を得ることができた。
【0035】
【表3】
【0036】
実施例10
実施例1で用いた反応装置を用い、DM−Imに代えてEt−Im144g(1.5mol)、Pr−Iに代えてBu−I276g(1.5mol)を使用し、実施例1と同様に反応させた。反応終了後、液状に層分離したイミダゾリウムヨウ化物塩を分液し、新たにTHF750mlを加え30分間攪拌した後、静置した。液状に層分離したイミダゾリウムヨウ化物塩を分液し、2日間室温で減圧乾燥を行なった。その結果、得られた1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムアイオダイドは403g(収率96%)であり、1H−NMRを用いて純度を測定したところ、純度は99.2%であった。また、カールフィッシャー法により水分量を測定したところ、45ppmであった。
【0037】
実施例11及び12
実施例1におけるTHFの代りに表4に示す環状エーテル系溶媒750mlを用いた以外は、実施例1と同様に行なった。その結果は表4に示す通りであり、いずれも高収率かつ高純度でイミダゾリウムヨウ化物塩を得ることができた。
【0038】
【表4】
【0039】
比較例1〜4
実施例1において、THFの代りに表5に示す各化合物750mlを溶媒として使用した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。その結果は表5に示す通りであり、比較例1〜4による方法では実施例に比べ、イミダゾリウム塩の収率が低く、かつ純度が低く、水分量も多かった。
【0040】
【表5】
【0041】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、炭素数3以上の有機ヨウ化物を用いて安定に高収率でイミダゾリウムヨウ化物塩を製造することができる。また、得られるイミダゾリウムヨウ化物塩は高純度で、水分量も少ない。これらの結果は本発明がイミダゾリウムヨウ化物塩の工業的な製造方法として高く評価し得ることを明らかにしている。
Claims (3)
- 下記一般式(1)
で示されるイミダゾール誘導体と下記一般式(2)
R5−I (2)
{式中、R5は、置換若しくは非置換の炭素数3〜10(但し、置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数3〜10のアルケニル基、置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数3〜10のアルキニル基、又は置換若しくは非置換(但し、置換基の炭素数は含まない)の炭素数5〜8のシクロアルキル基である。}
で示される有機ヨウ化物とのみを溶媒中に存在させて反応させて下記一般式(3)
で示されるイミダゾリウムヨウ化物塩を製造する方法において、溶媒として誘電率4.0〜10.0の環状エーテル化合物を使用することを特徴とする前記イミダゾリウムヨウ化物塩の製造方法。 - 溶媒としてテトラヒドロフランを使用することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 1,2−ジメチルイミダゾールと1−ヨードプロパンとを反応させて1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドを得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
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