JP4595243B2 - 空気入りラジアルタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤを製造する方法に関し、更に詳しくは、タイヤ成形工程におけるベルト層の形状変化を抑制し、2次グリーンタイヤの形状を加硫金型形状に近似させるようにした空気入りラジアルタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りラジアルタイヤを成形する場合、円筒状のカーカスの両端部にそれぞれビードリングを配置し、該ビードリングの廻りにカーカスの両端部を折り返して1次グリーンタイヤを成形した後、この1次グリーンタイヤをトロイダル形状に膨径することで、別途成形された円環状のベルト層やトレッドゴムを圧着接合している。
【0003】
このようなシェーピングを行うタイヤ成形装置は、左右一対の支持部材によって円筒状の1次グリーンタイヤの両端部をビードリングと共に支持し、1次グリーンタイヤの内側に直接またはゴム製のブラダーを介して圧力媒体を導入しながら支持部材の相互間隔を狭めることで1次グリーンタイヤの膨径を行っている。従って、1次グリーンタイヤの子午線断面形状は膨径時において円形に近いものとなり、そのカーカスラインはトレッド部での曲率半径とサイド部での曲率半径が略同一になる。
【0004】
一方、ベルト層はタイヤ幅方向に略平坦なドラムの上で略平坦に成形され、或いは出来上がり製品タイヤのインフレート状態や金型内におけるベルト曲率と略同一に成形されており、その曲率半径が膨径時の1次グリーンタイヤの曲率半径より遙に大きい。
【0005】
従って、1次グリーンタイヤと円環状のベルト層やトレッドゴムとを接合する際には、1次グリーンタイヤが主としてトレッド中央部だけでベルト層を押圧し、その後、ベルト層やトレッドゴムのショルダー部を内径側に大きく押し込んで圧着することになる。そのため、ベルト層はコード角度や幅が予め設定された値から変化し易く、製品タイヤの品質にバラツキを生じ易いという問題があった。また、2次グリーンタイヤの形状が加硫金型や製品タイヤの形状から大幅に異なっているため、所望の製品形状を得ることが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、タイヤ成形工程におけるベルト層の形状変化を抑制し、更には2次グリーンタイヤの形状を加硫金型形状に近似させることを可能にした空気入りラジアルタイヤの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤの製造方法は、円筒状に成形されたカーカスを備えた1次グリーンタイヤを膨径し、少なくとも前記カーカスの外周側に円環状のベルト層を圧着接合して2次グリーンタイヤを成形し、該2次グリーンタイヤを金型内で加硫する空気入りラジアルタイヤの製造方法において、前記1次グリーンタイヤの膨径をその内側に配置されていてタイヤトレッドセンターに相当する部位にブラダー周方向に延長する複数本の補強コードを備えた円筒状のブラダーで行い、該ブラダーはインフレート圧に対する外径の変化率がインフレート圧10〜150kPaの範囲において変曲点を有し、該変曲点に対して低圧側よりも高圧側で変化率が小さく、かつ変曲点以降の高圧側での変化率が0.03〜4.0mm/kPaであり、前記1次グリーンタイヤの膨径時の子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部での曲率半径をサイド部での曲率半径よりも大きくするようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
このように1次グリーンタイヤの膨径時の子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部での曲率半径をサイド部での曲率半径よりも大きくすることにより、円環状のベルト層を内側から押圧する1次グリーンタイヤのトレッド部の形状をベルト層の形状に整合させるので、タイヤ成形工程におけるベルト層の形状変化を抑制し、製品タイヤの品質を安定させることができる。また、2次グリーンタイヤの形状を加硫金型形状に近似させること可能になるので、所望の製品形状を容易に得ることができる。
【0009】
2次グリーンタイヤの子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部及びサイド部での曲率半径は、製品タイヤの金型内でのカーカスラインに対する寸法差がそれぞれ±30%以内となるように設定することが好ましい。或いは、2次グリーンタイヤの子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部及びサイド部での曲率半径は、製品タイヤのインフレート時のカーカスラインに対する寸法差がそれぞれ±30%以内となるように設定することが好ましい。これにより、タイヤ成形工程におけるベルト層の形状変化をより確実に抑制することできる。
【0010】
上述した1次グリーンタイヤの膨径を行う手段として、1次グリーンタイヤの内側に配置した円筒状のブラダーを使用し、そのブラダーを以下のように構成することが好ましい。即ち、上記ブラダーのタイヤトレッドセンターに相当する部位の周方向剛性をタイヤサイド部に相当する部位の周方向剛性よりも20%以上高くすると良い。ブラダーにおける部位に応じた周方向剛性の変化は、少なくとも前記補強コードによる補強に基づいて設定することができる。そして、ブラダーはインフレート圧に対する外径の変化率がインフレート圧10〜150kPaの範囲において変曲点を有し、該変曲点に対して低圧側よりも高圧側で変化率が小さいものとする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1〜図2は本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ成形装置を示すものである。このタイヤ成形装置は、円筒状のカーカス21の両端部をビードリング22と共に支持する左右一対の支持部材1,2を備え、これら支持部材1,2が同軸的に積層された円筒状の駆動軸3,4にそれぞれ取り付けられている。これら駆動軸3,4を軸方向に移動させることで、支持部材1,2の相互間隔が変化するようになっている。これら支持部材1,2の間には円筒状のブラダー5が装架されている。
【0013】
上記タイヤ成形装置を用いて空気入りラジアルタイヤを成形する場合、図1に示すように、支持部材1,2を互いに離した状態で、支持部材1,2によって円筒状のカーカス21の両端部をビードリング22と共に支持する。図1において、カーカス21の両端部はビードリング22の廻りに折り返されて1次グリーンタイヤT1 を構成しているが、この折り返しは、支持部材1,2とブラダー5からなるドラム上にカーカス21を円筒状に巻き付け、その両端部にビードリング22を配置した後に行うことができる。或いは、カーカス21の両端部をビードリング22の廻りに折り返した状態にした1次グリーンタイヤT1 を成形し、これを支持部材1,2とブラダー5からなるドラム上にセットしても良い。勿論、カーカス21の内面にはインナーライナー層を設けることができる。
【0014】
次いで、図2に示すように、圧力媒体供給手段(不図示)からブラダー5の内部に圧力媒体を導入しながら支持部材1,2の相互間隔を狭めることでカーカス21の軸方向中央部を膨径させる。このとき、カーカス21の外周側に円環状に成形されたベルト層23とトレッドゴム24との一体物を配置しておき、これを外径成長したカーカス21の外周側に貼り合わせる。また、カーカス21の左右両側部にはサイドウォールゴム25を貼り合わせ、更に必要に応じて、他のタイヤ構成部材をカーカス21の外表面に貼り合わせることにより、2次グリーンタイヤT2 を成形するのである。この成形時には、ステッチャー等の工具を用いて各部材が密接させると良い。上記2次グリーンタイヤT2 を金型内に挿入して加硫することにより製品タイヤを得るのである。
【0015】
本発明では、1次グリーンタイヤT1 の膨径時の子午線断面におけるカーカス21の輪郭(カーカスライン)を、ベルト層22の形状に合わせて偏平化するのである。つまり、図3に示すように、カーカスラインのトレッド部での曲率半径Rtをサイド部での曲率半径Rsよりも大きくするのである。Rt>Rsの関係を満足することにより、ベルト層22のコード角度や幅が変化し難いばかりでなく、ベルト層22の圧着が容易になり、かつ2次グリーンタイヤT2 の形状が加硫金型形状や製品タイヤ形状に近づく。トレッド部での曲率半径Rtはサイド部での曲率半径Rsの1.5倍以上であることが望ましい。
【0016】
1次グリーンタイヤT1 のカーカスラインのトレッド部での曲率半径Rt及びサイド部での曲率半径Rsは、以下のようにして測定することができる。図4に示すように、1次グリーンタイヤT1 におけるカーカス21の最大幅をWとし、カーカス21の内端から径方向への最大高さをHとする。
【0017】
ここで、最大高さ位置を起点として±W/4だけタイヤ幅方向に離れた位置でのタイヤ径方向のカーカス変位量Yを求めたとき、曲率半径Rtは下記(1)式で表される。
【0018】
Rt=(W2 /16+Y2 )/(2×Y) ・・・(1)
また、最大幅位置を起点として±H/4だけタイヤ径方向に離れた位置でのタイヤ幅方向のカーカス変位量Xを求めたとき、曲率半径Rsは下記(2)式で表される。
【0019】
Rs=(H2 /16+X2 )/(2×X) ・・・(2)
上記のように1次グリーンタイヤT1 のカーカスラインをベルト層22の形状に合わせて偏平化した結果、2次グリーンタイヤT2 の子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部及びサイド部での曲率半径を、製品タイヤの金型内でのカーカスラインに対する寸法差がそれぞれ±30%以内、より好ましくは±10%以内となるように設定する。つまり、2次グリーンタイヤT2 のカーカスラインを製品タイヤの金型内でのカーカスラインに近似させるのである。これにより、タイヤ成形工程におけるベルト層の形状変化をより確実に抑制することできる。また、加硫時の変形はタイヤの主たる補強メンバーであるカーカスとベルト層によって決まるので、カーカスラインの曲率半径を上記の如く設定することにより、加硫故障率の低減効果がある。
【0020】
同様の理由から、2次グリーンタイヤT2 の子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部及びサイド部での曲率半径を、製品タイヤのインフレート時のカーカスラインに対する寸法差がそれぞれ±30%以内、より好ましくは±10%以内となるように設定すると良い。この場合、タイヤ成形工程におけるベルト層の形状変化をより確実に抑制し、更には荷重耐久性の向上に寄与する。
【0021】
1次グリーンタイヤT1 のカーカスラインを膨径時に偏平化しながら2次グリーンタイヤT2 を成形するには、成形用ブラダー5の膨らみ形状が所望の形状になるようにする必要がある。そのためには、ブラダー5のタイヤトレッドセンターに相当する部位の周方向剛性をタイヤサイド部に相当する部位の周方向剛性よりも20%以上高くすると良い。ブラダー5の周方向剛性は、トレッドセンターからショルダーにかけて段階的に低減しても良いが、トレッドセンターからショルダーにかけて徐々に低減した場合、滑らかな剛性変化が得られるので、より好ましい。
【0022】
ブラダー5における部位に応じた周方向剛性の変化は、図5〜図8に示すように、ゴムの厚さ、ゴムの弾性率、コード補強のうち少なくとも1つの要因に基づいて設定することができる。
【0023】
図5(参考例)において、ブラダー5は1種類のゴム組成物から構成され、そのタイヤトレッドセンターに相当する部位Ptの厚さがタイヤサイド部に相当する部位Psの厚さよりも大きく設定されている。
【0024】
図6(参考例)において、ブラダー5は2種類のゴム組成物から構成され、そのタイヤトレッドセンターに相当する部位Ptの内面にはブラダー5のベースゴム組成物より硬度が高い硬質ゴム層5aが積層されている。
【0025】
図7において、ブラダー5は1種類のゴム組成物から構成され、そのタイヤトレッドセンターに相当する部位Ptにはブラダー周方向に延長する複数本のコード5bが埋設されている。このコードとしては、ナイロンコード等を用いることができる。
【0026】
図8において、ブラダー5は1種類のゴム組成物から構成され、そのタイヤトレッドセンターに相当する部位Ptの厚さがタイヤサイド部に相当する部位Psの厚さよりも大きく設定され、かつタイヤトレッドセンターに相当する部位Ptにはブラダー周方向に延長する複数本のコード5bが埋設されている。
【0027】
図5〜図8に示すような補強要因に基づいて、ブラダー5のタイヤトレッドセンターに相当する部位の周方向剛性をタイヤサイド部に相当する部位の周方向剛性よりも20%以上高くするのである。なお、補強要因は上記組み合わせに限定されるものではなく、それ以外の組み合わせであっても良い。
【0028】
上述したブラダー5は、以下に示す物理的特性を呈するものであると一層好ましい。つまり、ブラダー5はインフレート圧Ip(kPa)に対する外径D(mm)の変化率C(単位圧力当たりの変形割合:C=D/Ip)が、図9に示すように、インフレート圧10〜150kPaの範囲において変曲点を有し、該変曲点に対して低圧側よりも高圧側で変化率Cが小さいものである。なお、従来のゴムブラダーはインフレート圧Ipの上昇に伴って外径Dが増大し、上記変曲点を持たないものとなる。
【0029】
1次グリーンタイヤT1 は概ね120〜180%程度の膨径変形を行う。そのため、ブラダー5への圧力注入により容易に膨径変形することが望ましい。一方、ブラダー5が所望の径寸法に到達した後は、2次グリーンタイヤT2 の外径を制御するために、インフレート圧Ipに対する外径Dの変化が少なく、安定した寸法を保持できることが望ましい。このような変曲点は1次グリーンタイヤT1 のカーカス全体に適度な張力を与えるべく、10〜150kPaの範囲、好ましくは50〜100kPaの範囲に存在すると良い。上記変曲点の設定は、ブラダー5のタイヤトレッドセンターに相当する部位に配置する補強コードの初期張力を調整することなどで行われる。なお、ブラダー5のインフレート圧Ipに対する外径Dの変化率Cが変曲点以降の高圧側で小さ過ぎると、十分な圧着が行われず、また成形タイヤサイズの互換性が損なわれるので、適度な変形性を持つことが好ましい。そこで、変曲点以降の高圧側では変化率Cが0.03〜4.0mm/kPaであることが必要である。
【0030】
【実施例】
ブラダーの周方向剛性を部位に応じて種々異ならせたタイヤ成形装置を準備し、該タイヤ成形装置を用いて1次グリーンタイヤから2次グリーンタイヤを成形し、その2次グリーンタイヤを金型内で加硫することで空気入りラジアルタイヤを製造した。
【0031】
従来例及び実施例1〜5においては、表1に示すように、ブラダーのサイド部のゴム厚さを同一にしながらトレッドセンター及びトレッドショルダーのゴム厚さを変化させ、その結果として、1次グリーンタイヤのカーカスラインのトレッド部での曲率半径Rtとサイド部での曲率半径Rsとの比(Rt/Rs)を調整した。表1において、ブラダーのゴム厚さはサイド部のゴム厚さを100とする指数にて示したものである。
【0032】
これら従来例及び実施例1〜5の製造方法から得られる空気入りラジアルタイヤについて、ユニフォミティー及び加硫故障率を評価し、その結果を表1に併せて示した。ユニフォミティーについては、各タイヤのRFVを測定し、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほどユニフォミティーが良好であることを意味する。加硫故障率については、製品タイヤ1000本当たりの加硫故障発生数を測定し、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど加硫故障が少ないことを意味する。
【0033】
【表1】
【0034】
この表1から判るように、実施例1〜5に係る空気入りラジアルタイヤはいずれもユニフォミティーが良好で、加硫故障率が低いものであった。
【0035】
実施例6〜10においては、上記と同様にして、1次グリーンタイヤのカーカスラインのトレッド部での曲率半径Rtとサイド部での曲率半径Rsを調整し、2次グリーンタイヤのカーカスラインと製品タイヤの金型内でのカーカスラインとの寸法差を種々異ならせた。表2において、サイド曲率半径の比率とは、製品タイヤの金型内でのカーカスラインのサイド部での曲率半径に対する2次グリーンタイヤのカーカスラインのサイド部での曲率半径の比率である。トレッド曲率半径の比率とは、製品タイヤの金型内でのカーカスラインのトレッド部での曲率半径に対する2次グリーンタイヤのカーカスラインのトレッド部での曲率半径の比率である。
【0036】
これら実施例6〜10の製造方法から得られる空気入りラジアルタイヤについて、加硫故障率を評価し、その結果を表2に併せて示した。加硫故障率については、製品タイヤ100本当たりの加硫故障発生数を測定し、実施例6を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど加硫故障が少ないことを意味する。
【0037】
【表2】
【0038】
この表2から判るように、2次グリーンタイヤのカーカスラインのトレッド部及びサイド部での曲率半径を、製品タイヤの金型内でのカーカスラインに対する寸法差がそれぞれ±30%以内となるように設定した場合に、加硫故障率の低減効果が顕著に現れた。
【0039】
実施例11〜15においては、上記と同様にして、1次グリーンタイヤのカーカスラインのトレッド部での曲率半径Rtとサイド部での曲率半径Rsを調整し、2次グリーンタイヤのカーカスラインと製品タイヤのインフレート時のカーカスラインとの寸法差を種々異ならせた。表3において、サイド曲率半径の比率とは、製品タイヤのインフレート時のカーカスラインのサイド部での曲率半径に対する2次グリーンタイヤのカーカスラインのサイド部での曲率半径の比率である。トレッド曲率半径の比率とは、製品タイヤのインフレート時のカーカスラインのトレッド部での曲率半径に対する2次グリーンタイヤのカーカスラインのトレッド部での曲率半径の比率である。
【0040】
これら実施例11〜15の製造方法から得られる空気入りラジアルタイヤについて、荷重耐久性を評価し、その結果を表3に併せて示した。荷重耐久性については、JIS D4230の試験方法に準拠したドラム試験を行った後、更にドラム試験を継続し、タイヤが破壊されるまでの走行距離を測定し、実施例11を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど荷重耐久性が優れていることを意味する。
【0041】
【表3】
【0042】
この表3から判るように、2次グリーンタイヤのカーカスラインのトレッド部及びサイド部での曲率半径を、製品タイヤのインフレート時のカーカスラインに対する寸法差がそれぞれ±30%以内となるように設定した場合に、耐久性の改善効果が顕著に現れた。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、円筒状に成形されたカーカスを備えた1次グリーンタイヤを膨径し、少なくともカーカスの外周側に円環状のベルト層を圧着接合して2次グリーンタイヤを成形し、該2次グリーンタイヤを金型内で加硫する空気入りラジアルタイヤの製造方法において、1次グリーンタイヤの膨径をその内側に配置されていてタイヤトレッドセンターに相当する部位にブラダー周方向に延長する複数本の補強コードを備えた円筒状のブラダーで行い、該ブラダーはインフレート圧に対する外径の変化率がインフレート圧10〜150kPaの範囲において変曲点を有し、該変曲点に対して低圧側よりも高圧側で変化率が小さく、かつ変曲点以降の高圧側での変化率が0.03〜4.0mm/kPaであり、1次グリーンタイヤの膨径時の子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部での曲率半径をサイド部での曲率半径よりも大きくするから、タイヤ成形工程におけるベルト層の形状変化を抑制し、更には2次グリーンタイヤの形状を加硫金型形状に近似させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ成形装置を示す半断面図である。
【図2】図1のタイヤ成形装置を用いて2次グリーンタイヤを成形した状態を示す半断面図である。
【図3】1次グリーンタイヤの膨径工程を示す子午線断面図である。
【図4】1次グリーンタイヤのカーカスラインを示す子午線断面図である。
【図5】 ブラダーの具体例(参考例)を示す子午線断面図である。
【図6】 ブラダーの他の具体例(参考例)を示す子午線断面図である。
【図7】ブラダーの他の具体例を示す子午線断面図である。
【図8】ブラダーの他の具体例を示す子午線断面図である。
【図9】ブラダーのインフレート圧Ipと外径Dとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2 支持部材
3,4 駆動軸
5 ブラダー
21 カーカス
22 ビードリング
23 ベルト層
24 トレッドゴム
25 サイドウォールゴム
T1 1次グリーンタイヤ
T2 2次グリーンタイヤ
Claims (5)
- 円筒状に成形されたカーカスを備えた1次グリーンタイヤを膨径し、少なくとも前記カーカスの外周側に円環状のベルト層を圧着接合して2次グリーンタイヤを成形し、該2次グリーンタイヤを金型内で加硫する空気入りラジアルタイヤの製造方法において、前記1次グリーンタイヤの膨径をその内側に配置されていてタイヤトレッドセンターに相当する部位にブラダー周方向に延長する複数本の補強コードを備えた円筒状のブラダーで行い、該ブラダーはインフレート圧に対する外径の変化率がインフレート圧10〜150kPaの範囲において変曲点を有し、該変曲点に対して低圧側よりも高圧側で変化率が小さく、かつ変曲点以降の高圧側での変化率が0.03〜4.0mm/kPaであり、前記1次グリーンタイヤの膨径時の子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部での曲率半径をサイド部での曲率半径よりも大きくするようにした空気入りラジアルタイヤの製造方法。
- 前記2次グリーンタイヤの子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部及びサイド部での曲率半径を、製品タイヤの金型内でのカーカスラインに対する寸法差がそれぞれ±30%以内となるように設定する請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
- 前記2次グリーンタイヤの子午線断面におけるカーカスラインのトレッド部及びサイド部での曲率半径を、製品タイヤのインフレート時のカーカスラインに対する寸法差がそれぞれ±30%以内となるように設定する請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
- 前記1次グリーンタイヤの膨径をその内側に配置した円筒状のブラダーで行い、該ブラダーのタイヤトレッドセンターに相当する部位の周方向剛性をタイヤサイド部に相当する部位の周方向剛性よりも20%以上高くした請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
- 前記ブラダーにおける部位に応じた周方向剛性の変化を、少なくとも記補強コードによる補強に基づいて設定した請求項4に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
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