JP4595232B2 - 薄膜パターンの形成方法および有機電界発光表示装置の製造方法 - Google Patents

薄膜パターンの形成方法および有機電界発光表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高精度かつ大面積の薄膜パターンを形成する方法、および、この薄膜パターン形成方法を用いた有機電界発光表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体薄膜などのパターニングは、レジスト形成とエッチングプロセスからなるフォトリソグラフィ法により行われている。しかし、有機電界発光表示装置(以下、有機EL(Electro Luminescence) ディスプレイと呼ぶ)の各画素のパターニングに対しては、発光部に有機材料を用いているためにフォトリソグラフィ等のウエットプロセスは適当ではない。そのため、従来より、各画素は、所望のパターニング形状をした開口を有するメタルマスクを介して蒸着することにより、成膜とパターニングが同時に行われている。
【0003】
図9は、その成膜法を説明するための図である。蒸着源100は、タンタル(Ta)等の金属製ボートからなり、抵抗加熱により内部の蒸着材料を蒸発させるようになっている。その際に蒸着材料を基板200の面に対し均等に分散させるために、蒸着源100は基板200から十分に離した位置に配置される。また、この蒸着源100と基板200との間には、基板200と所定の間隔で対向するようにシート状のメタルマスク110が配置されている。なお、ガラス等からなる基板200上には既に陽極層210が形成されており、更にその上に有機電界発光層220の蒸着が行なわれる。すなわち、蒸着源100から飛散させた有機電界発光材料はメタルマスク110を介することによって選択的に基板200の対向面に蒸着され、所望の形状にパターニングされた有機電界発光層220が成膜される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、メタルマスク110は基板200と所定間隔を保ちつつ保持されなければならないが、メタルマスク110が自重によりたわんだり、成膜温度に対する熱膨張係数差によりマスク110と基板200との間にパターン位置のずれが生じたりすることがあり、パターン精度に問題があった。また、メタルマスク110自体のパターンはフォトエッチングにより形成されるが、パターンが微細になるほどマスクは破損しやすく、加工や取り扱いが困難であった。近年、フラットパネルディスプレイは小型化、高精細化に向かっているが、このように、有機ELディスプレイでは発光部の成膜精度により精細化に限界があった。また同時に、これらディスプレイには大画面化が求められている。ところが、従来の製造方法では、上述した問題は成膜面積が大きくなるほど深刻なものとなっていた。
【0005】
そこで、最近では、マスクを用いることなく基板上にパターニングする方法が提案されてきている。例えば、蒸着源の所定の領域に対し局所的に表面プラズモンを励起させることにより蒸着材料を蒸発させ、薄膜パターンを形成する方法が提示されている(特開2000−192231号公報)。また、レーザ光を照射した部分の蒸着材料のみを蒸発させ、これを基板に転写してパターニングする方法も開示されている(特開2000−12216号公報)。しかしながら、これらの方法にはレーザ等の光源や集光プリズム等を用いた複雑な装置が必要であり、制御性の観点から、大きな成膜面積のものや、パターンが高精細なものになるほど量産が難しくなるという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高精度かつ大面積のパターンを簡易に形成することができる薄膜パターンの形成方法、および、これを用いた有機電界発光表示装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による薄膜パターンの形成方法は、平滑面を有し、平滑面上に所定の電極パターンが設けられると共に、電極パターンのうち所定の電極にのみ通電可能な蒸着源において、電極パターンの上に蒸着材料を設置する工程と、蒸着源の平滑面に対して所定の距離を保ちつつ基板を対向配置し、位置合わせを行う工程と、電極パターンに通電することにより蒸着材料を蒸発させ、蒸着源の平滑面と所定の距離を有する基板の面上に薄膜を形成する工程とを含むものである。
【0008】
本発明による有機電界発光表示装置の製造方法は、本発明の薄膜パターンの形成方法を用いて有機電界発光層を形成するものである。
【0009】
本発明による薄膜パターンの形成方法および有機電界発光表示装置の製造方法では、所望のパターン形状に配線した電極の抵抗加熱によって局所的に蒸着材料が蒸発し、電極パターンに対応した形状に成膜が行なわれる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る薄膜パターンの形成方法に用いられる成膜装置1の概略構成を表している。蒸着源10は、例えば平滑面を有する基板であり、その面上に所定形状の電極パターン11が設けられる。
【0012】
蒸着源10は、成膜時の温度上昇による電極パターン11の変形を防止するために、ガラスやセラミックス等の熱膨張率が小さい材料で構成することが望ましい。なお、この蒸着源10は、従来のメタルマスクのように薄くする必要がなく堅牢に作製できるので、電極パターンの変形が極めて小さく、精細なパターンの転写および大面積の蒸着に好適に用いることができる。
【0013】
電極パターン11としては、例えばタングステン(W),モリブデン(Mo)またはタンタル(Ta)などの高融点金属が好ましく、図2のような方法で形成することができる。まず、図2(A)に示したように、蒸着源10の全面に電極層11aを形成する。その形成には、電子ビーム蒸着法,スパッタリング法あるいはメッキ法などが用いられる。続いて、電極層11aの上にレジスト膜13を塗布・形成し(図2(B))、これを露光・現像して所望の形状のマスクとする(図2(C))。次に、図2(D)に示したように、蒸着源10にエッチングを施し、電極層11aを所望の形状の電極パターン11を形成する。なお、エッチングは、電極材料がタングステンの場合には、フッ化水素酸と濃硝酸を混合したエッチング溶液を用いて行うことができる。その後、図2(E)のように、レジスト膜13を除去して、蒸着源10に電極パターン11が設けられる。
【0014】
なお、電極パターン11は図示しない電源に接続されているが、その回路構成により、通電させる電極パターンを任意に選択可能であるように構成することができる。また、ここでは、成膜装置1は図示しない真空チャンバ内に収容されている。
【0015】
この成膜装置1では、次のようにして薄膜パターンの形成が行なわれる。まず、蒸着源10の電極パターン11が設けられた面上に、蒸着材料12を均一に配する。次いで、蒸着対象となる基板30を蒸着源10の平滑面に対向配置させ、例えば〜1mm程度の所定の距離を保ちつつパターンの位置合わせを行う。次に、電極パターン11に通電する。これにより、電極パターン11において発生するジュール熱が蒸着材料12を蒸発させ、これが基板30の対向面に蒸着し、通電された電極パターン11に対応したパターン形状の薄膜31が形成される。こうした蒸着の場合には、スパッタリング等と比較すると材料粒子の直進性が強いので、蒸着源10と基板30との間の距離を充分に小さくすることにより電極パターン11の形状を忠実に薄膜31に転写することが可能である。このように、蒸着源10と基板30の距離を考慮したり、予め薄膜31のパターンとの比率を考慮して電極パターン11を形成したりすることにより、薄膜31を所望のパターン形状とすることができる。
【0016】
また、この薄膜パターン形成方法においては、蒸着源10と基板30との距離は極めて接近しているため、蒸発させた蒸着材料12のほとんどが蒸着に用いられ、蒸着材料12の利用効率が高まる。ちなみに、従来の真空蒸着法では、蒸着源と基板は数百mm離れているために、蒸着材料の大部分はチャンバ壁などに付着していた。これは、蒸着材料を無駄にしていただけでなく、形成される薄膜の汚染の原因にもなっていた。すなわち、本実施の形態の薄膜パターン形成方法では、個々の電極パターン11自体を微細な蒸着源とみなすことができる。
【0017】
(変形例)
図3は、第1の実施の形態に係る成膜装置1の変形例を表している。この成膜装置では、電極パターン14は蒸着源10に形成された溝部10aに埋め込まれるようになっており、蒸着源10の表面は平坦となる。このような電極パターン14の形成は、例えば次のようにして行われる。まず、図4(A)に示したように、蒸着源10の全面にレジスト膜15を塗布・形成する。次いで、図4(B)に示したように、これを露光・現像し、レジスト膜15を所望の形状のマスクとする。次に、図4(C)に示したように、フッ化水素酸等のエッチング液を用いて蒸着源10をエッチングする。これにより、蒸着源10の表面に溝部10aが形成される。なお、溝部10aの深さはエッチング所要時間により調整することができる。次に、図4(D)に示したように、レジスト膜15の上から電極材料を成膜する。これにより、溝部10aに電極材料が埋められ、電極パターン14が形成される。その後、図4(E)に示したように、レジスト膜15をリフトオフすると、電極パターン14が埋め込まれて表面が平坦となった蒸着源10が得られる。
【0018】
この変形例に係る成膜装置では、蒸着源10の平坦面上に蒸着材料12が設けられる。従って、蒸着材料の拡散方向の直進性を強めることができる。
【0019】
次に、この薄膜パターン形成方法により有機電界発光層を形成し、有機ELディスプレイを製造する方法について説明する。なお、以下の説明は、成膜装置1を用いて行うことにするが、上記変形例に係る成膜装置を用いた場合であっても同様の方法で有機ELディスプレイが製造できる。
【0020】
図5は、そのような方法で製造される有機ELディスプレイの一画素を表している。このように、各画素は、基板30の上に陽極層32,有機電界発光層33および陰極層34が順に積層されて構成される。ここでは、有機電界発光層33は、例えば正孔輸送層,発光層および電子輸送層からなる。正孔輸送層は、陽極層32から注入される正孔を発光層に輸送し、電子輸送層は、陰極層34から注入される電子を発光層に輸送するものである。また、発光層は、低分子蛍光色素や蛍光性の高分子,金属錯体等の発光効率が高い有機材料からなり、陰極層34,陽極層32の間に電圧を印加した際に、これら両極からそれぞれ電子および正孔が注入され、再結合する領域である。更に、陽極層32および陰極層34は、共にストライプ状に配列し、両者が有機電界発光層33に接する位置で直交することによりマトリクスが構成されている。
【0021】
このような有機ELディスプレイは、以下のようにして製造することができる。
【0022】
まず、基板30を用意する。基板30は、透明で可撓性を有する材料から構成されていることが好ましく、ガラス基板でもよいが、ここでは基板30として、例えば厚さ200μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET;Poly(Ethylene Terephthalate))を用いる。次いで、基板30の上に、例えばITO(Indium Tin Oxide)を反応性DCスパッタリングにより150nmの厚さに成膜して、陽極層32を形成する。なお、陽極層32の形状は、ストライプ状とする。
【0023】
次に、有機電界発光層33を形成する。図6に示したように、蒸着源10には予め所定形状の電極パターン11を設け、その上に蒸着材料として有機発光材料13を均一な厚みの薄膜として形成する。なお、電極パターン11は、例えば厚みが1μm、幅Hが0.15mmとされる。次いで、基板30を蒸着源10に対して、所定の距離を保ちつつ対向配置させる。その距離は、例えば1mmとすることができる。ここで、有機電界発光層33のパターンはストライプ状に形成されるが、有機発光材料13の拡散によりわずかながら電極パターンよりも幅が大きくなり、0.2mm程度となる。
【0024】
このように、パターンの拡大の程度は、拡散速度と共に蒸着源10と基板30との距離によって決まるので、両者の距離およびパターン幅Hは、有機電界発光層33のパターンが所望の寸法となるように以上を考慮した上で予め決定される。よって、得られる有機電界発光層33の寸法形状は任意に設定することができ、1画素を例えば0.8mm×0.2mmとする。
【0025】
この状態で電極パターン11に通電すると、有機発光材料13が蒸発して基板30の対向面に蒸着され、電極パターン11に対応したパターン形状の有機電界発光層33が形成される。ここでは、本実施の形態の薄膜パターンの形成方法により正孔輸送層,発光層および電子輸送層の全てを同様に形成するが、これらのうち少なくとも1層を形成するようにしてもよい。
【0026】
その際には、例えば、正孔輸送層の材料として4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称m−MTDATA)を、発光層の材料として4, 4' −ビス[N−(ナフチル) −N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称α−NPD)を、電子輸送層の材料としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略称Alq3 )をそれぞれ用いる。なお、得られる有機電界発光層3の総厚は150nmとする。
【0027】
これにより、有機電界発光層33の各層が簡易な方法で高精度にパターニングされる。また、基板30に対して蒸着源10が近接していることから、有機発光材料13のほとんどが蒸着に用いられ、利用効率が高くなると共に、基板30の表面汚染が軽減される。
【0028】
その後、有機電界発光層33の上に、例えばAl−Li合金を真空蒸着法により100nmの厚さに成膜して、陰極層34を形成する。なお、陰極層34は、陽極層32と直交するストライプ形状とする。
【0029】
このようにして製造された有機ELディスプレイでは、マトリクス状に配列した陽極層32と陰極層34との間に所定の電圧が印加されると、その交点に位置する有機電界発光層33に対して両極から正孔および電子がそれぞれ注入される。これら正孔および電子が、正孔輸送層および電子輸送層を介して発光層に輸送され、再結合することにより発光が生じる。ここでは、成膜装置1を用い、本実施の形態に係る薄膜パターン形成方法により有機電界発光層33が形成されているので、画素を、基板30の上に精度良く多数配列することができ、高精細の有機ELディスプレイが得られる。
【0030】
このように、本実施の形態においては、有機電界発光層33を成膜装置1を用いて形成するようにしたので、簡易に有機ELディスプレイの高精細化・大画面化を図ることができる。また、有機発光材料13を無駄なく基板30に蒸着させることができ、蒸着材料の利用効率が向上する。
【0031】
(応用例)
図7は、第1の実施の形態に係る有機ELディスプレイの製造方法の応用例を説明するための図である。本応用例は、有機電界発光層33の発光色をそれぞれ赤(R),緑(G),青(B)の3原色とし、フルカラー表示を行なう場合を示している。ここでは、成膜装置1の電極パターン11にはそれぞれ独立に電流を流すことができるようになっている。
【0032】
そこで、図7(A)のように、赤色発光性の有機発光材料13Rを成膜装置1に配置し、赤色の画素とする領域に対応した電極パターン11Rにのみ通電すると、所望の領域に赤色発光する有機電界発光層33Rが形成される。このとき、基板30の表面のうち、電極パターン11Rに対応する領域以外に有機発光材料13Rが付着しないように、蒸着源10は水冷されていることが望ましい。
【0033】
その後、図7(B),(C)に示したように、緑,青の有機発光材料13G,13Bについても同様に電極パターン11G,11Bにのみ通電することにより有機電界発光層33G,33Bが形成される。従って、この方法によれば、マスク等を用いることなく、電極パターンの制御によって容易に発光色の塗り分けが行なわれる。
【0034】
この方法以外にも、成膜装置1を用い、それぞれの色に対応した有機発光材料13R,13Gおよび13Bを電極パターン11R,11Gおよび11Bの上に配色するようにすると、電極パターン11R〜11Bに同時に通電して、一度の蒸着工程で有機電界発光層33R,33G,33Bが形成される。また、各色毎に蒸着源を用意し、これを並べておけば、基板30を各蒸着源10に移動させることにより各発光層33R,33G,33Bを形成することができる。
【0035】
[第2の実施の形態]
図8は本発明の第2の実施の形態に係る薄膜パターンの形成方法に用いられる成膜装置2の概略構成を表している。この蒸着装置2では、電極パターン22が蒸着源20に設けられた凹部21の基底部に埋め込まれており、蒸着材料12もまた電極パターン22の直上に配置されるために蒸着源20の表面より深い位置にある。このような凹部21の形成には、第1の実施の形態の変形例における溝部10aと同様の方法が用いられる。なお、凹部21の深さは例えば2mmであり、電極パターンの幅Hは、例えば0.2mmである。このような凹部21を設けることによって、蒸着材料12は、凹部21の側壁面側への拡散が防止され、基板30に対する直進性が高まる。従って、薄膜31は、ほぼ0.2mmの幅でパターン形成される。
【0036】
なお、本実施の形態は、上記の部分を除けば第1の実施の形態と同様の作用・構成であり、ここでも成膜装置2を用いた薄膜パターン形成方法によって、第1の実施の形態と同様にして有機ELディスプレイが製造される。更にまた、本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の変形例を適用することができ、それらの効果もまた同様である。よって、重複部分の説明は省略する。
【0037】
このように、本実施の形態では、電極パターン22および蒸着材料12を凹部21の基底部に設けるようにしたので、蒸着材料12が直進性よく蒸発し、形成される薄膜31のパターン制御がより簡易となる。よって、より簡便に有機ELディスプレイを製造することができる。
【0038】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、有機電界発光層33のみを本発明に係る薄膜パターン形成方法で形成し、陽極層32,陰極層34は従来の真空蒸着法で形成するようにしたが、電極層やその他の構成要素もまた本発明に係る薄膜パターン形成方法で形成して有機ELディスプレイを製造することも可能である。
【0039】
また、有機ELディスプレイの構成は上記実施の形態で説明したものに限定されず、任意なものとすることができる。具体的には、個々の有機電界発光層33を画素毎に格子形状あるいは島状に形成するようにしてもよい。また、各画素部分において、陰極層34の上に劣化防止等のために保護層を設けるなど各種の機能層を挿入・付加して製造するようにしてもよい。保護層は、有機電界発光素子を封止し、酸素や水分を遮断するものであり、酸化ケイ素(SiOx ),窒化ケイ素(SiNx ),酸化アルミニウム(AlOx ),窒化アルミニウム(AlNx )などにより形成することができる。また、基板強度を向上させるために、例えば厚さ6μmのアクリル樹脂よりなるハードコート層を基板30にコーティングするようにしてもよい。また、上記実施の形態では、有機電界発光層33を正孔輸送層,発光層,電子輸送層からなるものとしたが、例えばこれを正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層および電子注入層より構成するようにしてもよい。
【0040】
更に、本発明の有機電界発光表示装置の製造方法で製造される有機ELディスプレイの各構成要素の材料は、実施の形態で説明した材料に限らず、どのようなものであっても構わない。例えば、上記実施の形態では、基板30としてPETを用いるようにしたが、ポリカーボネート(PC;Poly Carbonate),ポリオレフィン(PO;Poly Olefin ),ポリエーテルサルフォン(PES;Poly Eter Sulphone)等のその他の高分子ポリマー系材料を用いてもよく、薄膜ガラス等であってもよい。なお、有機電界発光層33を形成する有機発光材料13についても、所望の特性や発光波長が得られるように適宜選択されるのは勿論である。
【0041】
また、本発明の薄膜パターンの形成方法は、有機ELディスプレイの有機電界発光層の形成に限らず、その他種々の用途の薄膜パターンの形成に適用することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の薄膜パターンの形成方法によれば、平滑面を有し、平滑面上に所定の電極パターンが設けられると共に、電極パターンのうち所定の電極にのみ通電可能な蒸着源において、電極パターンの上に蒸着材料を設置し、蒸着源の平滑面に対して所定の距離を保ちつつ基板を対向配置し位置合わせを行ったのち、電極パターンに通電することにより前記蒸着材料を蒸発させ、蒸着源の平滑面と所定の距離を有する基板の面上に薄膜を形成するようにしたので、有機材料などからなる薄膜を簡易にパターン精度よく形成することができる。
【0043】
また、本発明の有機電界発光表示装置の製造方法によれば、平滑面を有し、平滑面上に所定の電極パターンが設けられると共に、電極パターンのうち所定の電極にのみ通電可能な蒸着源において、電極パターンの上に有機電界発光材料を設置し、蒸着源の平滑面に対して所定の距離を保ちつつ基板を対向配置し位置合わせを行ったのち、電極パターンに通電することにより前記有機電界発光材料を蒸発させ、蒸着源の平滑面と所定の距離を有する基板の面上に有機電界発光層を形成するようにしたので、各画素のパターン精度がその形成領域の面積に関わらず向上し、有機電界発光表示装置の高精細化・大画面化を容易に図ることができる。同時に、有機発光材料が蒸発させた分だけ基板に蒸着するので、蒸着材料の利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜パターン形成方法に係る成膜装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した蒸着源における電極パターンの形成方法の工程図である。
【図3】第1の実施の形態の変形例を説明するための図である。
【図4】図3に示した蒸着源における電極パターンの形成方法の工程図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る有機ELディスプレイの構成を表す部分断面図である。
【図6】図1の成膜装置を用いた有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図である。
【図7】第1の実施の形態の応用例を説明するための工程図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜パターン形成方法に係る成膜装置の概略構成図である。
【図9】従来の真空蒸着法を説明するための図である。
【符号の説明】
1,2…成膜装置、10,20…蒸着源、10a…溝部、11,14,22…電極パターン、11a…電極層、21…凹部、12…蒸着材料、13…有機発光材料、30…基板、31…薄膜、32…陽極層、33…有機電界発光層、34…陰極層

Claims (5)

  1. 平滑面を有し、前記平滑面上に所定の電極パターンが設けられると共に、前記電極パターンのうち所定の電極にのみ通電可能な蒸着源において、前記電極パターンの上に蒸着材料を設置する工程と、
    前記蒸着源の平滑面に対して所定の距離を保ちつつ基板を対向配置し、位置合わせを行う工程と、
    前記電極パターンに通電することにより前記蒸着材料を蒸発させ、前記蒸着源の平滑面と所定の距離を有する前記基板の面上に薄膜を形成する工程と
    を含む薄膜パターンの形成方法。
  2. 複数種の前記蒸着材料をそれぞれ形成するパターン形状に応じて前記電極パターンの上に設置する請求項1に記載の薄膜パターンの形成方法。
  3. 陰極と陽極とに挟まれた有機電界発光層により構成される有機電界発光表示装置の製造方法であって、平滑面を有し、前記平滑面上に所定の電極パターンが設けられると共に、前記電極パターンのうち所定の電極にのみ通電可能な蒸着源において、前記電極パターンの上に有機電界発光材料を設置する工程と、
    前記蒸着源の平滑面に対して所定の距離を保ちつつ基板を対向配置し、位置合わせを行う工程と、
    前記電極パターンに通電することにより前記有機電界発光材料を蒸発させ、前記蒸着源の平滑面と所定の距離を有する前記基板の面上に前記有機電界発光層を形成する工程と
    を含む有機電界発光表示装置の製造方法。
  4. 前記電極パターンが前記蒸着源に設けられた溝に埋め込まれている請求項3に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
  5. 複数種の前記有機電界発光材料をそれぞれ形成するパターン形状に応じて前記電極パターンの上に設置する請求項3に記載の有機電界発光表示装置の製造方法。
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