JP4594338B2 - 噴射弁、噴射弁のオリフィスプレートおよびその製造方法 - Google Patents

噴射弁、噴射弁のオリフィスプレートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体を噴射するためのオリフィスを有するオリフィスプレートおよび該オリフィスプレートを備えた噴射弁に係わり、特に、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いるオリフィスプレートに好適な、優れた表面仕上げ精度および高いアスペクト比のオリフィスを有するオリフィスプレートおよび噴射弁に関する。
内燃機関の燃料噴射弁は、弁(バルブ)の開閉によって適量の流量を制御することが要求される。また、近年増加しているガソリン筒内噴射用燃料噴射弁では、噴射量の制御に加えて、噴霧形状や噴霧方向の制御性に高性能化が要求され、燃料噴射弁の噴射孔(オリフィス)およびオリフィスプレートにおける形状・寸法の高精度化、オリフィスの多孔化および/またはオリフィスの軸線方向(噴射方向)などが重要なポイントとなっている。
例えば、特許文献1(特開平6−159199号公報)のノズルの製造方法では、オリフィスの下流側となる位置から打抜き加工を行ってオリフィスを得ることにより、オリフィス出口側にバリ等の発生がなく良好な形状を得るとともに、打抜きの際に発生する破断面を成形するため、オリフィス入口部をR状に曲面成形してオリフィスの入口側を精度よく加工する製造方法が開示されている。
また、特許文献2(特開2005−66664号公報)の穿孔プレス装置では、穿孔用のダイを用い(該穿孔用ダイには孔径やダイ上面に対する角度の異なる多数の打ち抜き孔が予めダイ上面に開口するように設けられている)、ダイとパンチの協働により、ダイの上面にセットされる板状ワークに所定の孔径と角度を有する多数の噴射孔を穿孔する燃料噴射弁のインジェクタープレートの製造方法が例示されている。
しかしながら、燃料に強力な旋回力を与える上流旋回式燃料噴射弁の場合(例えば、筒内噴射燃料噴射弁の場合)、特許文献1に記載のノズルのようにオリフィスの入口部を曲面とすると流量がばらつきやすいという問題が考えられる。また、噴射弁ノズルの軸線に対してオリフィスの軸線が傾いている(以下、偏向オリフィスと称す)場合、オリフィス入口部を均一に曲面成形することが困難であることから、オリフィス入口部に破断面が残りやすい。この破断面の残存は、計量精度や噴霧の均質性に関する問題を発生させる可能性がある。また、特許文献2に記載のインジェクタープレートにおいても、打抜き加工の際に発生するバリや破断面は避けられず、同様の問題が生じる。
さらに、偏向オリフィスの加工においては、被加工材(ワーク)に対してパンチが片当たりするため、パンチに曲げ応力が掛かり、パンチが折損しやすい問題がある。この問題は、特に、パンチに超硬材を用いた場合に顕著である。一方、パンチの折損防止を考慮した場合、加工できるオリフィスのアスペクト比(オリフィスの軸長/オリフィス径、または、被加工材の肉厚/オリフィス径)は1程度に限定され、結果として薄板(薄肉材)にしかプレス加工ができない問題が生じる。なお、オリフィスの偏向角度どおりに噴射するためには、オリフィスのアスペクト比として1.5以上が望まれている。
上記のような問題を解決するものとして、特許文献3(特開2001−96196号公報)のノズルの製造方法がある。特許文献3に開示されている偏向オリフィスの加工方法では、後工程で形成されるオリフィスの軸線と略垂直となる平面を、予めブランクに設けておき、該平面と直角になるように位置決めしてオリフィスを該平面側から押出し加工する。次に、押出し加工により生じた押出し部に対し、オリフィスの上流側から削除するための機械加工を行い、オリフィスを貫通させる。特許文献3に記載の偏向オリフィスの加工方法は、パンチに掛かる曲げ応力が回避されることからパンチの折損が回避され、少なくとも1より大きいアスペクト比を有するオリフィスを形成できることが期待できる。
一方、一般に燃料中にはオイル、添加物、水分等の異物が存在しており、これらが燃料噴射弁(特に、オリフィス)に付着・堆積すると、その堆積物(デポジットと称す)が燃料等の流れを妨げてしまう。また、筒内噴射方式は、吸気管内噴射方式と異なり、噴射弁先端は燃焼室内にあるため、常に燃焼ガスにさらされている。そのため、ススの付着物(これもデポジットと称する)が噴射弁先端(特に、オリフィス)に付着しやすい。従って、燃料噴射弁(特に、オリフィス)を高精度に構成したとしても、このような堆積物の存在により燃料等の流れが妨げられ、燃料噴射弁の機能を発揮できなくなってしまう場合がある。
この問題に対し、特許文献4(特開平10−159688号公報)に開示されているような燃料噴射弁がある。特許文献4に開示されている燃料噴射弁では、表面粗さRzを1ミクロン以下としたその燃料噴射孔表面に、金属アルコキシドとアルコキシル基の一部がフルオロアルキル基で置換されたフルオロアルキル基置換アルコキシドを含む被覆溶液を塗布し焼成した撥液性の被覆膜を設けることにより、デポジット付着抑制機能を向上させられるとしている。
特開平6−159199号公報 特開2005−66664号公報 特開2001−96196号公報 特開平10−159688号公報
しかしながら、互いに方向の異なる複数の偏向オリフィスを有する噴射弁ノズルの製造に対し、例えば、特許文献3の方法を適用しようとした場合、次のような問題が生じると考えられる。
(1)ブランク形成において、ノズル先端のような小面積の平板領域に、互いに法線方向の異なる複数の面(オリフィス加工面)を精度良く形成すること自体が高度な技術を要し、コスト高の要因となる。
(2)オリフィス加工時には、オリフィスの軸線とオリフィス加工面(オリフィス出口面)が直角となるように位置合せをする必要がある。そのためには、位置決め用のマークを必要とし、位置決めするための画像認識装置等の高価な設備を必要とするばかりか、位置合せ時間を要し、結果として生産性を悪化させる懸念がある。
(3)平板領域に偏向オリフィスの加工面を形成すると、オリフィス加工部(パンチを押し当てる部分)よりも薄肉の部分が必然的に生じる。特に偏向角度の大きいオリフィスの場合には、押出し加工の際、この薄肉部に応力が集中することでオリフィス加工面の角度がずれて、結果としてオリフィスの偏向角度がずれたり、オリフィス表面が乱れたり(荒れたり)する可能性がある。
一方、筒内噴射式の燃料噴射弁においては、噴射形状や噴射方向を制御するために、近年、偏向オリフィスによる多孔化が求められている。これは、一噴射燃料量を一定と仮定した場合、各オリフィス径が単孔オリフィスの場合よりも必然的に細径化することを意味する。加えて、オリフィスの細径化は、デポジットの付着抑制機能がますます重要になることを意味する。
また、筒内噴射式の燃料噴射弁において、ノズル先端部(すなわちオリフィス近傍)は約20MPaの燃料圧力と約80MPaの燃焼圧力を受けると言われており、燃焼時のデポジット対策がより重要であることが解る。特許文献4に記載の燃料噴射弁は、フルオロアルキル基による撥液性が機能の根幹であることから、高温高圧の燃焼ガスに対する長期安定性(耐久性)に懸念がある。言い換えると、表面仕上げ精度自体の高いオリフィスを形成することが必要不可欠と考えられる。
従って、本発明の目的は、上記のような課題を解決し、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いるオリフィスプレートに好適な、優れた表面仕上げ精度および高いアスペクト比のオリフィスを有するオリフィスプレートおよび該オリフィスプレートを備えた噴射弁を提供することにある。さらには、高性能なオリフィスを有するオリフィスプレートの生産性の高い製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いる燃料を噴射するための偏向オリフィスを備えたオリフィスプレートであって、前記オリフィスプレートは、一方の面に凸状の曲面部が設けられており、前記凸状曲面部には局所的な平面部が形成されており、前記平面部には前記平面部に略垂直でアスペクト比が2以上の前記オリフィスが形成されており、前記オリフィスプレートの他方の面には弁体を収容する弁座が形成されており、かつ前記オリフィスプレートのビッカース硬さ(HV)が525以上であり、前記オリフィスの表面の平均粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とするオリフィスプレートを提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いる燃料を噴射するための偏向オリフィスを備えたオリフィスプレート用のオリフィスプレート部材であって、前記オリフィスプレート部材は、一方の面に凸状の曲面部が設けられており、前記凸状曲面部には局所的な平面部が形成されており、前記平面部には前記平面部に略垂直でアスペクト比が2以上の前記オリフィスが形成されており、前記オリフィスプレート部材の他方の面には弁体を収容する弁座が形成されており、かつ前記オリフィスプレート部材のビッカース硬さ(HV)が160以上250以下であり、前記オリフィスの表面の平均粗さRaが0.05μm以下であることを特徴とするオリフィスプレート部材を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係るオリフィスプレートまたはオリフィスプレート部材であって、前記平面部および前記オリフィスが、前記凸状曲面部に複数形成されていることを特徴とするオリフィスプレートまたはオリフィスプレート部材を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係るオリフィスプレートまたはオリフィスプレート部材であって、前記平面部が、前記凸状曲面部に設けた凹状の底面によって形成されていることを特徴とするオリフィスプレートまたはオリフィスプレート部材を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、燃料を噴射するための偏向オリフィスを有するオリフィスプレートを備えた筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁において、前記オリフィスプレートは、一方の面に凸状の曲面部が設けられており、前記凸状曲面部には局所的な平面部が形成されており、前記平面部には前記平面部に略垂直でアスペクト比が2以上の前記オリフィスが形成されており、前記オリフィスプレートの他方の面には弁体を収容する弁座が形成されており、かつ前記オリフィスプレートのビッカース硬さ(HV)が525以上であり、前記オリフィスの表面の平均粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする燃料噴射弁を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いる燃料を噴射するための偏向オリフィスを備えたオリフィスプレート用のオリフィスプレート部材の製造方法であって、前記オリフィスプレート部材の一方の面に凸状の曲面部が形成され、かつ前記オリフィスプレート部材のビッカース硬さ(HV)が160以上250以下に調質されたブランクを準備するブランク加工工程と、前記凸状曲面部に局所的な平面部を形成する平面部加工工程と、前記平面部にオリフィス形成用のパンチを用いて、前記平面部に対して略直角方向に押出し加工または半抜き加工を行うことにより、完成後のオリフィスより長い袋孔状のオリフィス部を形成するオリフィス部加工工程と、前記オリフィスプレート部材の他方の面から、前記押出し加工または半抜き加工により生じた押出し部ならびに前記オリフィス部の未貫通部分を削除する切削加工を行い、前記オリフィスと前記弁座を形成する弁座加工工程を有し、
前記平面部加工工程の後に前記オリフィス部加工工程が行われ、前記オリフィス部加工工程の後に前記弁座加工工程が行われ、かつ少なくとも前記平面部加工工程と前記オリフィス部加工工程が被加工材をチャックしたまま行われることを特徴とするオリフィスプレート部材の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いる燃料を噴射するための偏向オリフィスを備えたオリフィスプレート用のオリフィスプレート部材の製造方法であって、前記オリフィスプレート部材の一方の面に凸状の曲面部が形成され、かつ前記オリフィスプレート部材のビッカース硬さ(HV)が160以上250以下に調質されたブランクを準備するブランク加工工程と、前記凸状曲面部に局所的な平面部を形成する平面部加工工程と、前記平面部にオリフィス形成用のパンチを用いて、前記平面部に対して略直角方向に打抜き加工を行うことにより、完成後のオリフィスより長いオリフィス部を形成するオリフィス部加工工程と、前記オリフィスプレート部材の他方の面から、前記打抜き加工により生じた破断面を削除する切削加工を行い、前記オリフィスと前記弁座を形成する弁座加工工程を有し、
前記平面部加工工程の後に前記オリフィス部加工工程が行われ、前記オリフィス部加工工程の後に前記弁座加工工程が行われ、かつ少なくとも前記平面部加工工程と前記オリフィス部加工工程が被加工材をチャックしたまま行われることを特徴とするオリフィスプレート部材の製造方法を提供する。
本発明によれば、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いるオリフィスプレートに好適な、優れた表面仕上げ精度および高いアスペクト比の偏向オリフィスを有する高性能なオリフィスプレートおよび該オリフィスプレートを備えた噴射弁を提供することができる。また、高性能なオリフィスを有するオリフィスプレートの生産性の高い製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(燃料噴射弁)
図1は、本発明が適用される燃料噴射弁の全体構成の1例を示す縦断面図である。噴射弁本体1は、コア2、ヨーク3、ハウジング4、可動子5からなる磁気回路、磁気回路を励磁するコイル6、及びコイル6に通電する端子ボビン7から構成されている。コア2とハウジング4の間にはシールリング8が結合され、コイル6に燃料が流入するのを防いでいる。
ハウジング4の内部にはバルブ部品が収納され、可動子5、ノズル9、可動子5のストローク量を調整するリング10が配置されている。可動子5は、弁体11と可動コア12をジョイント13で結合したものであり、可動コア12とジョイント13の間にはパイプ18と協働して可動子5が閉弁した時のバウンドを抑えるプレート14を備えている。
外套部材を構成するハウジング4とノズル9は、可動子5の周囲を覆っている。ノズル9の先端には、シート面(弁座)15aおよびオリフィス151を有するオリフィスプレート15と、ガイドプレート16と協働して可動子5を摺動可能にガイドし、かつ燃料に旋回力を与えるスワラー17とが設けられている。また、コア2の内部には、パイプ18とプレート14を介して弁体11をシート面15aに押圧するスプリング19、スプリング19の押圧荷重を調整するアジャスタ20、および外部からの異物の進入を防ぐフィルター21が配置されている。
次に、上記噴射弁本体1の動作について説明する。コイル6に通電すると、可動子5がスプリング19の付勢力に抗してコア2の方向に吸引され、可動子5の先端の弁シート部11aとシート面15aとの間に隙間ができる(開弁状態)。加圧されている燃料はまずコア2、アジャスタ20、パイプ18から可動子5内の燃料通路13a経てノズル9内に入る。次にガイドプレート16の燃料通路16a、ノズルの燃料通路9aから、スワラー17の燃料通路17aに入り、スワラー17の旋回溝17bによって旋回力を与えられる。旋回力を与えられた燃料は弁シート部11aとシート面15aの隙間からオリフィス151を経て噴射される。一方、コイル6の電流を遮断した場合には、可動子5の弁シート部11aがスプリング19の力でシート面15aに当接し、閉弁状態となる。
以上述べたような構成からなる噴射弁本体1のオリフィスプレート15が、本発明の適用対象となる。以下、その構成および製造方法について説明する。
〔本発明の第1の実施の形態〕
(オリフィスプレートの構成)
本実施の形態におけるオリフィスプレートは、一方の面に凸状の曲面部が設けられており、前記凸状曲面部には局所的な平面部が形成されており、前記平面部には前記平面部に略垂直でアスペクト比が2以上の前記オリフィスが形成されており、前記オリフィスプレートの他方の面には弁体を収容する弁座が形成されており、かつ前記オリフィスプレートのビッカース硬さ(HV)が525以上であり、前記オリフィスの表面の平均粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする。
図2は、本実施の形態に係るオリフィスプレートの概略を示す模式図である(図2(a):斜視図、図2(b):Y1軸に沿った断面図)。なお、第1の実施の形態の説明においては、説明を簡単化するために単孔タイプのオリフィスプレートを例示したが、要点が同じであれば、多孔タイプのそれでもよい。
オリフィスプレート35は一方の面に凸状の曲面部31を有し、凸状曲面部31に局所的な平面部33が形成され、平面部33には平面部33と略垂直でアスペクト比が2以上の偏向オリフィス351が形成されている。また、オリフィスプレート35の他方の面には、偏向オリフィス351に通じるように略円錐状のシート面(弁座)35aが形成されている。
また、オリフィスのアスペクト比に関して、詳細には燃料噴射の設計に依存するが、オリフィスの偏向角度どおりに噴射するためのアスペクト比は2以上が望ましい。より望ましくは2以上4以下であり、更に望ましくは2.1以上3以下である。
図2(a)に示すように、偏向オリフィス351の位置は平面部33内にあればよく、オリフィスプレート35の中心線(X1、Y1軸)および/または平面部33の中心線(X2、Y2軸)から偏芯していても問題は無い。なお、マーカー30は、噴射弁組み立て作業におけるオリフィスプレートの取り付け向きを示すものであり、その形状や形成位置に特段の限定は無い。
上記に加えて、オリフィスプレート35は、そのビッカース硬さ(HV)が525以上であることが望ましい。ビッカース硬さ(HV)が525より小さいと、内燃機関の筒内に露出するオリフィスプレート35の機械的な耐久性が低下する。より望ましくは535以上であり、更に望ましくは545以上である。なお、オリフィスプレートの破壊靱性を考慮すると、ビッカース硬さ(HV)の上限は、635以下であることが望ましい。より望ましくは625以下であり、更に望ましくは615以下である。
さらに、偏向オリフィス351の表面の平均粗さRaは、0.1μm以下であることが望ましい。平均粗さRaが0.1μmより大きくなると、デポジットが付着・堆積しやすくなり、噴射弁としての機能が低下する要因となる。より望ましくは平均粗さRaが0.08μm以下であり、更に望ましくは0.06μm以下である。また、偏向オリフィス351の表面粗さを十点平均粗さRzで表すと、0.4μm以下が望ましく、0.3μm以下がより望ましく、0.2μm以下が更に望ましい。また、偏向オリフィス351の表面粗さを最大高さRmaxで表すと、0.5μm以下が望ましく、0.4μm以下がより望ましく、0.3μm以下が更に望ましい。なお、Ra、Rz、Rmaxは、JIS B 0601に準拠するものとする。
以上のようにすることで、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いるオリフィスプレートに好適な、優れた表面仕上げ精度および高いアスペクト比の偏向オリフィスを有するオリフィスプレートを得ることができる。また、オリフィスの出口面がオリフィスの軸線と略直角となるため、燃料の噴射タイミングがオリフィス全周で略同一となり、噴霧の均質性を向上させることができる。
(オリフィスプレートの製造方法)
図3は、本発明のオリフィスプレートの製造工程の例を示すフロー図である。また、図4は、第1の実施の形態に係る代表的な工程における断面模式図である(図4(a):マーカー加工工程、図4(b):平面部加工工程、図4(c):オリフィス部加工工程)。
まず、一方の面に凸状の曲面部を設け、かつビッカース硬さ(HV)を160以上250以下に調質したブランクを作製する(ブランク加工工程)。ブランクの作製方法に特段の制限は無く、切削加工、プレス加工、鍛造加工など通常の金属加工方法を用いることができる。上記ビッカース硬さ(HV)に関する詳細な説明は後述する。
図4(a)はマーカー加工工程を表した断面模式図である。用意した上記ブランク(または被加工材)34を加工用受け(ダイ)40の上面に設置し、コレットチャック83で保持・固定する。その後、ブランク34を保持したままマーカー加工ツール41のマーカー加工部41aで押圧し、マーカー30を加工する。マーカー30の加工は、プレス加工のほか、切削加工(例えば、ドリル加工)によるものでもよい。
図4(b)は平面部加工工程を表した断面模式図である。被加工材34を前工程(例えば、マーカー加工工程)からコレットチャック83で保持したままの状態で、凸状曲面部31に平面部加工ツール43の平面加工部43aを押圧し、所定の位置に平面部33を加工する。平面部33の加工は、プレス加工のほか、切削加工や研削加工によるものでもよい。
図4(c)はオリフィス部加工工程を表した断面模式図である。被加工材34を平面部加工工程からコレットチャック83で保持したままの状態で、平面部33にオリフィス加工ツール45の切刃部45aを略直角に押圧し、オリフィス部352を袋穴状に押出し加工する。このとき、所定のオリフィス長さよりも長く押出し加工または半抜き加工することが望ましい。オリフィス部加工をプレス加工で行うことにより、オリフィスの下流側端面がエッジ形状で、表面状態が全せん断面となるオリフィス部352を成形することができる。
被加工材34は前工程からコレットチャック83で保持され続けた状態にあるため、マーカー30を基準として、平面部33及びオリフィス部352を位置精度良く加工することができる。なお、上記説明では、「マーカー加工工程」→「平面部加工工程」→「オリフィス部加工工程」の順に説明したが、被加工材がコレットチャック83で保持され続けた状態にある限り、「マーカー加工工程」の順序に制限は無い。例えば、「平面部加工工程」→「オリフィス部加工工程」の後に「マーカー加工工程」を行ってもよい。
次に、オリフィス351を貫通させるために、押出し加工により生じた押出し部35bを、オリフィスプレートの他方の面(オリフィスの上流側)から削除し、シート面(弁座)35aを形成するための切削加工を行う(弁座加工工程)。このとき、弁座35aの加工と同時にオリフィス351を貫通させるような寸法関係・作業方法とすることが作業効率の点でより好ましい。以上の工程により、後述するオリフィスプレート部材が製造される。
なお、「オリフィス部加工工程」において、所定のオリフィス長さよりも長いオリフィス部352の加工は、打抜き加工によるものでもよい。この場合、オリフィス部352の打抜き出口近傍(平面部と反対側の面)に、表面状態が破断面となる領域が形成されるが、後工程の「弁座加工工程」において該破断面領域を削除することにより、押出し加工による場合と同様のオリフィスプレート部材が製造できる。
図5は、オリフィスプレート部材の加工装置の構成例を示した模式図である。加工装置本体80は、X方向(紙面の水平方向)に移動可能なX軸87およびY方向(紙面に垂直方向)に移動可能なY軸88上に設置されたステージ89と、Z方向(紙面の垂直方向)に移動可能なZ軸81上に設置された昇降機構82と、加工ツールを交換する機構であるツールチェンジャ90を有している。ブランクまたは被加工材(図示せず)を保持・固定するコレットチャック83は、A方向に揺動可能なA軸84上およびC方向に回転可能なC軸85上に設置された回転機構86に固定され、回転機構86は、ステージ89上に固定されている。また、各種加工ツール(例えば、マーカー加工ツール41、平面部加工ツール43、オリフィス加工ツール45)は、ツールホルダ91に強固に固定され、ツールホルダ91と共に昇降機構82に保持されてZ方向に昇降する。
上記のような加工装置を用いることにより、互いに異なる方向に偏向したオリフィスを一台の加工装置で加工することができる。なお、ステージ89、回転機構86、昇降機構82およびツールチェンジャ90は、プログラミングによる数値制御(NC)で連動することが望ましい。
次に、オリフィスプレートのビッカース硬さ(HV)を525以上にするために、焼入れ硬化工程を行う。このときの熱処理条件としては、例えば、材質としてSUS420J2を用いた場合、窒素雰囲気中1010〜1030℃で1時間保持後、室温まで窒素冷却する熱処理が挙げられる。
次に、シート面(弁座)35aの仕上げ加工を行う(弁座仕上げ加工工程)。このとき、弁座を研削加工すると、オリフィスの入口部はより安定したシャープエッジとなり、流量係数の極めて安定した形状が得られる。また、必要に応じて、オリフィス入口部のバリ取り加工を行うことは、より好ましい。以上の工程により、図2に示したようなオリフィスプレート35を得ることができる。
〔本発明の第2の実施の形態〕
(オリフィスプレートの構成)
本実施の形態におけるオリフィスプレートは、第1の実施の形態に加えて、平面部が凸状曲面部に設けた凹状の底面によって形成されていることを特徴とする。
図6は、本実施の形態に係るオリフィスプレートの概略を示す模式図である(図6(a):斜視図、図6(b):AA軸に沿った断面図)。オリフィスプレート55は一方の面(例えば、オリフィスの下流側)が凹状になっており、内壁面56の底面となる内底面57に凸状の曲面部51が形成されている。また、凸状曲面部51に局所的な平面部53が形成され、該平面部には各平面部と略垂直でアスペクト比が2以上の偏向オリフィス551が形成されている。さらに、オリフィスプレート55の他方の面には、各オリフィスに通じるように略円錐状のシート面(弁座)55aが形成されている。
なお、第1の実施の形態と共通する構成に関する詳細な説明は、重複を避けるために省略する。
各々のオリフィス551はそれぞれ異なる方向に開口しており、局所的な平面部53は凸状曲面部51に対して設けた凹状の底面によって形成されている。ここで、噴射弁における噴霧形状の設計上、オリフィス551の長さを異なる長さに設定する場合には、凹状の底面平面部53の深さを適宜変更すればよい。このように、オリフィスの下流側となる凸状曲面部にオリフィスの軸線と略直角となる凹状の底面平面部を設け、凹状の底面平面部の深さを変えることによりオリフィスの長さを変えることができ、噴霧形状を最適化することが可能となる。
(オリフィスプレートの製造方法)
図7〜9を用いて、オリフィスプレート55の製造方法の概略を説明する。図7は、マーカー加工工程を表した断面模式図である。図8は、平面部加工工程を表した断面模式図である。図9は、オリフィス部加工工程を表した断面模式図である。
まず、オリフィスの下流側が凹状になっており、内壁面の底面となる内底面に凸状の曲面部を設け、かつビッカース硬さ(HV)を160以上250以下に調質したブランクを作製する(ブランク加工工程)。ブランクの作製方法に特段の制限は無く、切削加工、プレス加工、鍛造加工など通常の金属加工方法を用いることができる。なお、ブランク54において、凸状曲面部51の裏面側に逃げ部51aを形成する場合がある。ブランクに逃げ部51aを設けることで凸状曲面部51の板厚が薄くなり、平面部やオリフィス部の加工における材料流れが容易になることから、平面部やオリフィス部の加工応力を低減することができる。また、上記ビッカース硬さ(HV)に関する詳細な説明は後述する。
図7に示すように、用意した上記ブランク(または被加工材)54を加工用受け(ダイ)40の上面に設置し、コレットチャック83で保持・固定する。その後、ブランク54を保持したままマーカー加工ツール101のマーカー加工部101aで押圧し、マーカー50を加工する。マーカー70の加工は、プレス加工のほか、切削加工(例えば、ドリル加工)によるものでもよい。なお、前述と同様に、被加工材がコレットチャック83で保持され続けた状態にある限り、「マーカー加工工程」の順序に制限は無い。
図8に示すように、被加工材54を前工程(例えば、マーカー加工工程)からコレットチャック83で保持したままの状態で、凸状曲面部51に平面部加工ツール103の切刃部103aを押圧し、所定の位置に凹状の底面による平面部53を加工する。このとき、必要とされるオリフィス長さに応じて、凹状の底面平面部の深さを制御する。また、凹状の底面平面部の加工は、プレス加工のほか、切削加工や研削加工によるものでもよい。
次に、図9に示すように、被加工材54を平面部加工工程からコレットチャック83で保持したままの状態で、凹状の底面平面部53にオリフィス加工ツール103の切刃部103aを略直角に押圧し、オリフィス部552を袋穴状に押出し加工する。このとき、所定のオリフィス長さよりも長く押出し加工または半抜き加工することが望ましい。オリフィス部加工をプレス加工で行うことにより、オリフィスの下流側端面がエッジ形状で、表面状態が全せん断面となるオリフィス部552を成形することができる。
次に、オリフィス551を貫通させるために、押出し加工により生じた押出し部55bを、オリフィスプレートの他方の面(オリフィスの上流側)から削除し、シート面(弁座)55aを形成するための切削加工を行う(弁座加工工程)。以上の工程により、後述するオリフィスプレート部材が製造される。
なお、「オリフィス部加工工程」において、所定のオリフィス長さよりも長いオリフィス部552の加工は、打抜き加工によるものでもよい。この場合、オリフィス部552の打抜き出口近傍(平面部と反対側の面)に、表面状態が破断面となる領域が形成されるが、後工程の「弁座加工工程」において該破断面領域を削除することにより、押出し加工による場合と同様のオリフィスプレート部材が製造できる。
次に、第1の実施の形態と同様に、「焼入れ硬化工程」と「弁座仕上げ加工工程」を施すことにより、図6に示したようなオリフィスプレート55を得ることができる。
〔本発明の第3の実施の形態〕
(オリフィスプレート部材の構成)
本実施の形態におけるオリフィスプレート部材は、一方の面に凸状の曲面部が設けられており、前記凸状曲面部には局所的な平面部が形成されており、前記平面部には前記平面部に略垂直でアスペクト比が2以上の前記オリフィスが形成されており、前記オリフィスプレート部材の他方の面には弁体を収容する弁座が形成されており、かつ前記オリフィスプレート部材のビッカース硬さ(HV)が160以上250以下であり、前記オリフィスの表面の平均粗さRaが0.05μm以下であることを特徴とする。
本実施の形態に係るオリフィスプレート部材は、そのビッカース硬さ(HV)が160以上250以下であることが望ましい。オリフィスプレート部材のビッカース硬さ(HV)が160より小さいと、焼入れ硬化工程を行ってもオリフィスプレートとして望ましい硬さが得られない。一方、ビッカース硬さ(HV)が250より大きいと、オリフィス加工ツールの切刃部の劣化(磨耗)が進行しやすく、オリフィス加工ツールの寿命が短くなり、結果としてコスト高の要因となる。より望ましくは170以上230以下であり、更に望ましくは180以上220以下である。
なお、本発明のオリフィスプレート部材の素材としては、マルテンサイト系ステンレス鋼(例えば、SUS420J2など)が好適に用いられる。上記の硬さに調質することで、アスペクト比が2以上の細長いオリフィスを安定して加工することができる。
さらに、オリフィスプレート部材における偏向オリフィスの表面の平均粗さRaは、0.05μm以下であることが望ましい。平均粗さRaが0.05μmより大きくなると、該部材に焼入れ処理等を施した際に偏向オリフィスの表面の平均粗さが大きくなり(例えば、0.1μm以上)、結果としてデポジットが付着・堆積しやすいオリフィスプレートになる。より望ましくは平均粗さRaが0.04μm以下であり、更に望ましくは0.03μm以下である。また、該部材の偏向オリフィスの表面粗さを十点平均粗さRzで表すと、0.2μm以下が望ましく、0.15μm以下がより望ましく、0.1μm以下が更に望ましい。また、該部材の偏向オリフィスの表面粗さを最大高さRmaxで表すと、0.25μm以下が望ましく、0.2μm以下がより望ましく、0.15μm以下が更に望ましい。なお、Ra、Rz、Rmaxは、JIS B 0601に準拠するものとする。
上記のようなオリフィスプレート部材は、前述したオリフィスプレートの製造方法と同様の手順で作製できる。また、上記のようなオリフィスプレート部材に硬化処理(例えば、焼入れ熱処理)を施すことで、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いるオリフィスプレートに好適な、優れた表面仕上げ精度および高いアスペクト比の偏向オリフィスを有するオリフィスプレートを得ることができる。
〔実施の形態の効果〕
上記の本発明の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)凸状曲面部にオリフィスの軸線と略直角となる平面部を設け、平面部に対し略直角にオリフィスをプレス加工することにより、パンチ(オリフィス加工ツール)への曲げ応力を抑制でき、パンチの折損を防止しながらアスペクト比が2以上の細長い偏向オリフィスを安定して加工することができる。
(2)オリフィス部加工をプレス加工で行うことにより、オリフィスの下流側端面がエッジ形状で、かつ優れた表面仕上げ精度を有する偏向オリフィスを成形することができる。
(3)オリフィスの出口面がオリフィスの軸線と略直角となるため、偏向オリフィスにおいても燃料の噴射タイミングがオリフィス全周で略同一となり、噴霧の均質性を向上させることができる。
(4)オリフィスの下流側となる凸状曲面部にオリフィスの軸線と略直角となる凹状の平面部を設け、凹状の平面部の深さを変えることによりオリフィスの長さを変えることができ、噴霧形状を最適化することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明はこれに限られることなく、発明の技術的思想の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記の説明では、平面部が形成される領域を凸状の曲面部として説明したが、全体として凸状であればよく、局所的に凹凸な領域が存在してもよい。
また、本発明の噴射弁は、燃料以外の液体、例えば、水,油,インク等にも適用可能である。
本発明が適用される燃料噴射弁の全体構成の1例を示す縦断面図である。 第1の実施の形態に係るオリフィスプレートの概略を示す模式図である(図2(a):斜視図、図2(b):Y1軸に沿った断面図)。 本発明のオリフィスプレートの製造工程の例を示すフロー図である。 第1の実施の形態に係る代表的な工程における断面模式図である(図4(a):マーカー加工工程、図4(b):平面部加工工程、図4(c):オリフィス部加工工程)。 オリフィスプレート部材の加工装置の構成例を示した模式図である。 第2の実施の形態に係るオリフィスプレートの概略を示す模式図である(図6(a):斜視図、図6(b):AA軸に沿った断面図)。 マーカー加工工程を表した断面模式図である。 平面部加工工程を表した断面模式図である。 オリフィス部加工工程を表した断面模式図である。
符号の説明
1…噴射弁本体、2…コア、3…ヨーク、4…ハウジング、5…可動子、6…コイル、7…端子ボビン、8…シールリング、9…ノズル、9a…燃料通路、10…リング、11…弁体、11a…弁シート部、12…可動コア、13…ジョイント、13a…燃料通路、14…プレート、15…オリフィスプレート、15a…シート面(弁座)、16…ガイドプレート、16a…燃料通路、17…スワラー、17a…燃料通路、17b…旋回溝、18…パイプ、19…スプリング、20…アジャスタ、21…フィルター、30…マーカー、31…凸状曲面部、33…平面部、34…ブランク(または被加工材)、35…オリフィスプレート、35a…シート面(弁座)、35b…押出し部、40…加工用受け(ダイ)、41…マーカー加工ツール、41a…マーカー加工部、43…平面部加工ツール、43a…平面加工部、45…オリフィス加工ツール、45a…切刃部、50…マーカー、51…凸状曲面部、51a…逃げ部、53…平面部、54…ブランク(または被加工材)、55…オリフィスプレート、55a…シート面(弁座)、55b…押出し部、56…内壁面、57…内底面、80…加工装置本体、81…Z軸、82…昇降機構、83…コレットチャック、84…A軸、85…C軸、86…回転機構、87…X軸、88…Y軸、89…ステージ、90…ツールチェンジャ、91…ツールホルダ、101…マーカー加工ツール、101a…マーカー加工部、103…平面部加工ツール、103a…平面加工部、105…オリフィス加工ツール、105a…切刃部、151…オリフィス、351…偏向オリフィス、352…オリフィス部、551…偏向オリフィス、552…オリフィス部。

Claims (8)

  1. 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いる燃料を噴射するためのオリフィスを備えたオリフィスプレートであって、
    前記オリフィスはその軸線が前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾いている偏向オリフィスであり、
    前記オリフィスプレート一方の面に凸状の曲面部が設けられており、
    前記凸状曲面部には凹状の底面平面部がプレス加工により複数形成され前記複数の底面平面部の法線方向は前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾きかつ互いに方向が異なっており、
    前記複数の底面平面部のそれぞれには該底面平面部の法線方向と平行でアスペクト比が2以上の前記偏向オリフィスがプレス加工により形成されており、
    前記オリフィスプレートの他方の面には弁体を収容する弁座が形成されており、
    かつ前記オリフィスプレートのビッカース硬さ(HV)が525以上635以下であり、
    前記オリフィスの表面平均粗さRaが0.1μm以下で焼入れ熱処理が施された全剪断面であることを特徴とするオリフィスプレート。
  2. 請求項1に記載のオリフィスプレートであって、
    前記複数の底面平面部のうちの少なくとも1つの深さが他の底面平面部の深さと異なっていることを特徴とするオリフィスプレート。
  3. 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いる燃料を噴射するためのオリフィスを備えたオリフィスプレート用のオリフィスプレート部材であって、
    前記オリフィスはその軸線が前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾いている偏向オリフィスであり、
    前記オリフィスプレート部材一方の面に凸状の曲面部が設けられており、
    前記凸状曲面部には凹状の底面平面部がプレス加工により複数形成され前記複数の底面平面部の法線方向は前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾きかつ互いに方向が異なっており、
    前記複数の底面平面部のそれぞれには該底面平面部の法線方向と平行でアスペクト比が2以上の前記偏向オリフィスがプレス加工により形成されており、
    前記オリフィスプレート部材の他方の面には弁体を収容する弁座が形成されており、
    かつ前記オリフィスプレート部材のビッカース硬さ(HV)が160以上250以下であり、
    前記オリフィスの表面平均粗さRaが0.05μm以下の全剪断面であることを特徴とするオリフィスプレート部材。
  4. 請求項3に記載のオリフィスプレート部材であって、
    前記複数の底面平面部のうちの少なくとも1つの深さが他の底面平面部の深さと異なっていることを特徴とするオリフィスプレート部材。
  5. 燃料を噴射するためのオリフィスを有するオリフィスプレートを備えた筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁において、
    前記オリフィスはその軸線が前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾いている偏向オリフィスであり、
    前記オリフィスプレート一方の面に凸状の曲面部が設けられており、
    前記凸状曲面部には凹状の底面平面部がプレス加工により複数形成され前記複数の底面平面部の法線方向は前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾きかつ互いに方向が異なっており、
    前記複数の底面平面部のそれぞれには該底面平面部の法線方向と平行でアスペクト比が2以上の前記偏向オリフィスがプレス加工により形成されており、
    前記オリフィスプレートの他方の面には弁体を収容する弁座が形成されており、
    かつ前記オリフィスプレートのビッカース硬さ(HV)が525以上635以下であり、
    前記オリフィスの表面平均粗さRaが0.1μm以下で焼入れ熱処理が施された全剪断面であることを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 請求項5に記載の燃料噴射弁であって、
    前記複数の底面平面部のうちの少なくとも1つの深さが他の底面平面部の深さと異なっていることを特徴とする燃料噴射弁。
  7. 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いる燃料を噴射するためのオリフィスを複数備え前記オリフィスの軸線が前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾いている偏向オリフィスであるオリフィスプレート用のオリフィスプレート部材の製造方法であって、
    前記オリフィスプレート部材の一方の面に凸状の曲面部が形成され、かつ前記オリフィスプレート部材のビッカース硬さ(HV)が160以上250以下に調質されたブランクを準備するブランク加工工程と、
    平面の法線方向が前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾いている凹状の底面平面部を底面平面部形成用のパンチを用いたプレス加工によって前記凸状曲面部に形成する底面平面部加工工程と、
    前記底面平面部にオリフィス形成用のパンチを用いて、前記底面平面部に対して直角方向に押出しまたは半抜きのプレス加工を行うことにより、完成後のオリフィスより長い袋孔状のオリフィス部を形成するオリフィス部加工工程と、
    前記オリフィスプレート部材の他方の面から、前記押出し加工または半抜き加工により生じた押出し部ならびに前記オリフィス部の未貫通部分を削除する切削加工を行い、前記オリフィスと前記弁座を形成する弁座加工工程を有し、
    前記底面平面部加工工程の後に前記オリフィス部加工工程が行われることで複数のオリフィス部が形成され、前記複数のオリフィス部を形成した後に前記弁座加工工程が行われ、かつ少なくとも前記底面平面部加工工程と前記オリフィス部加工工程が被加工材をチャックしたまま行われることを特徴とするオリフィスプレート部材の製造方法。
  8. 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射弁に用いる燃料を噴射するためのオリフィスを複数備え前記オリフィスの軸線が前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾いている偏向オリフィスであるオリフィスプレート用のオリフィスプレート部材の製造方法であって、
    前記オリフィスプレート部材の一方の面に凸状の曲面部が形成され、かつ前記オリフィスプレート部材のビッカース硬さ(HV)が160以上250以下に調質されたブランクを準備するブランク加工工程と、
    平面の法線方向が前記燃料噴射弁のノズルの軸線に対して傾いている凹状の底面平面部を底面平面部形成用のパンチを用いたプレス加工によって前記凸状曲面部に形成する底面平面部加工工程と、
    前記底面平面部にオリフィス形成用のパンチを用いて、前記底面平面部に対して直角方向に打抜きプレス加工を行うことにより、完成後のオリフィスより長いオリフィス部を形成するオリフィス部加工工程と、
    前記オリフィスプレート部材の他方の面から、前記打抜き加工により生じた破断面を削除する切削加工を行い、前記オリフィスと前記弁座を形成する弁座加工工程を有し、
    前記底面平面部加工工程の後に前記オリフィス部加工工程が行われることで複数のオリフィス部が形成され、前記複数のオリフィス部を形成した後に前記弁座加工工程が行われ、かつ少なくとも前記底面平面部加工工程と前記オリフィス部加工工程が被加工材をチャックしたまま行われることを特徴とするオリフィスプレート部材の製造方法。
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