JP2005220774A - オリフィスを有する燃料噴射弁及びその製造方法 - Google Patents

オリフィスを有する燃料噴射弁及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005220774A
JP2005220774A JP2004027467A JP2004027467A JP2005220774A JP 2005220774 A JP2005220774 A JP 2005220774A JP 2004027467 A JP2004027467 A JP 2004027467A JP 2004027467 A JP2004027467 A JP 2004027467A JP 2005220774 A JP2005220774 A JP 2005220774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
orifice
nozzle
processing
diameter
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004027467A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4039370B2 (ja
Inventor
Kenichi Gunji
賢一 郡司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004027467A priority Critical patent/JP4039370B2/ja
Publication of JP2005220774A publication Critical patent/JP2005220774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4039370B2 publication Critical patent/JP4039370B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Nozzles (AREA)

Abstract

【課題】
オリフィスの高精度・高機能化(偏向オリフィスなど)により、研削加工や放電加工,ラップ仕上げ等による精密加工が必要となっているので、加工時間が長く、コスト高の問題が生じ、生産性の高い加工方法を実現する必要がある。
【解決手段】
上記課題を解決するために、本発明は、凸部を有するオリフィスプレートの凸部側からプレスでオリフィスを加工し、凸部に位置するオリフィス部は出口側に向かって曲面状に径を大きくすることにある。上述のオリフィス又はオリフィスプレートを有するノズルやそれを用いた燃料噴射弁によって、高精度,高機能の燃料噴射弁が達成される。
さらに、先端端面に7°から20°の斜面部を有し、先端の角部がR0.03 以上であって、表面がRmax0.2μm以下に磨き加工され、且つ、セラミックコーティングされているパンチでオリフィスをプレス加工する。
【選択図】図2

Description

本発明は流体を噴射するオリフィスに係わり、流体の計量、及び噴霧の噴射方向の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスまたはオリフィスの加工方法に関し、特に燃料噴射弁のオリフィスに関する。
従来、ノズルの製造におけるオリフィスの加工方法としては、特開2001−96196 号公報に記載されたようなプレス加工の例がある。このオリフィスの加工方法では、オリフィスの下流側から押出し加工(ないしは半抜き加工)または打抜き加工を行い、次に上流側を機械加工して全せん断面とするものであった。
特開平7−97969号公報に記載の加工方法では、第1のプレスピンで予備孔を形成する予備孔形成工程と、わずかに大きい第2のプレスピンで内壁面をわずかに削る仕上げ工程、いわゆるシェービング加工で破断面を少なくするものであった。
特開2001−96196号公報 特開平7−97969号公報
特開2001−96196号公報に記載の技術では、平面部または凹部にオリフィスをプレス加工するため、材料の剛性が比較的高く、材料が外径側に変形しにくくなる。このため加工応力が高くなり、パンチの強度的に深孔加工には厳しい条件である。また、押出し部が自由変形のため割れが発生し易く、より長いせん断面を得るには不都合である。
特開平7−97969号公報に記載の技術では、予備孔を加工するパンチが小径となるため、予備孔パンチの強度で加工限界が決定してしまい深孔加工には不利である。また、ダイスで材料の流れを拘束しているため特開2001−96196号公報に記載の押出し加工よりも打抜き応力は高くなる。更に、シェービング加工しているが、パンチの面粗さや形状,材料の流れを考慮していないため、オリフィス内面の面粗さをRmax1μm 以下にすることは困難である。
本発明は、オリフィスの出口部に向かって曲面状に拡径したオリフィス、及びオリフィスの加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、内面あらさがRmax0.5μm以下のオリフィス、及びオリフィスの加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、オリフィス長さL/オリフィス径dが1.5 以上で、出口がシャープエッジなオリフィス、及びオリフィスの加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、例えば焼入れ可能なマルテンサイト系ステンレス鋼でも、オリフィス長さL/オリフィス径dが1.5 以上で、アスペクト比(板厚t/オリフィス径d)が2以上のプレスで加工したオリフィス、及びオリフィスの加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、オリフィスの回転方向の位置決めマークを有するオリフィス、及びオリフィスの加工方法を提供することを目的とする。
流体の計量、及び噴霧の噴射方向の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、オリフィスは少なくともL/d≧1.5 (L=オリフィス長さ,d=オリフィス径)であり、オリフィスの出口側はノズルまたはオリフィスプレートの小径となる凸形状内に位置し、凸部に位置するオリフィス部は出口側に向かって曲面状に径を大きくすることにより達成される。
本発明によれば、アスペクト比が1.5 以上のオリフィスで、オリフィスの出口側を末広がりの略曲面状にできるため、形状精度が安定し、噴霧が広がり易いオリフィス形状をプレス加工で容易に、且つ、安価に生産性を上げて加工できる。
オリフィス内面が全せん断面で、加工後の面あらさがRmax0.2μm以下、焼入れ後でもRmax0.5μm以下に加工でき、流体の流れが良く噴霧のむらが発生しない。更に面あらさが良いため、デポがつきにくく耐久性に優れる。
オリフィス加工の際に押出される材料の流れをコントロールすることにより、加工荷重が最小限で、オリフィスの長さを最大限(板厚以上)にできるため、マルテンサイトステンレス鋼のような高強度材にアスペクト比2以上のオリフィスないしは穴を加工できる。
プレス加工により、軸線に対して偏向したオリフィスと回転方向の位置決めマークをワンチャックで加工できるため、位置決め精度が良く、且つ、生産性に優れた加工ができる。
プレス加工でオリフィスを加工するため、オリフィスの内面は加工硬化しており、生材で使用しても摩耗等の耐久性に優れる。
上記の目的の一つは、流体の計量、及び噴霧の噴射方向の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、オリフィスは少なくともL/d≧
1.5 (L=オリフィス長さ,d=オリフィス径)であり、オリフィスの出口側はノズルまたはオリフィスプレートの小径となる凸形状内に位置し、凸部に位置するオリフィス部は出口側に向かって曲面状に径を大きくすることにより達成される。
本発明の好ましくは、オリフィスはノズルブランクまたはオリフィスプレートの凸側からプレス加工したことにより達成される。
本発明の好ましくは、凸部の外径を変化させることにより、オリフィスの出口側に向かって曲面状に径が大きくなる割合を調整することにより達成される。
本発明の好ましくは、凸部の外径はオリフィス径の6倍以下にしたことにより達成される。
本発明の好ましくは、凸部を球状にしたことにより達成される。
本発明の好ましくは、オリフィスはノズルまたはオリフィスプレートの軸線と同じ方向、ないしは偏向していることにより達成される。
上記目的の一つは、流体の計量、及び噴霧の噴射方向の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、加工後のオリフィス内面の面あらさはRmax0.2μm以下であり、更に焼入れをした場合の面あらさはRmax0.5μm以下にしたことにより達成される。
本発明の好ましくは、オリフィスはプレス加工され、プレス加工に用いられるパンチは先端端面に7°から20°の斜面部を有し、先端の角部がR0.03 以上であって、表面がRmax0.2μm以下に磨き加工され、且つ、セラミックコーティングされていることにより達成される。
上記目的の一つは、流体の計量、及び噴霧の噴射方向の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、オリフィスはL/d≧1.5 でオリフィスの出口部はシャープエッジであり、下穴を加工する第一の手段と、オリフィスの出口側からプレス加工する第二の手段で製作されることにより達成される。
上記目的の一つは、流体の計量、及び噴霧の噴射方向の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、オリフィスをプレス加工する工程で、プレス加工の途中までは押出される材料を自由変形させ、最大加工応力を過ぎてから押出される材料がダイに当接することで拘束されることにより達成される。
本発明の好ましくは、オリフィスの長さはノズルまたはオリフィスプレートのオリフィス加工前の板厚以上であることにより達成される。
本発明の好ましくは、オリフィス加工部の板厚tと前記オリフィスの径dはt/d≧2であることにより達成される。
本発明の好ましくは、ノズルまたはオリフィスプレートの材質は炭素量0.26% 以上のマルテンサイト系ステンレス鋼であり、オリフィス加工後オリフィスの入口部を切削、または研削加工で所定の形状に加工し、その後焼入れを施したことにより達成される。
本発明の好ましくは、オリフィスはプレスで加工された回転方向の位置を決めるための位置決めマークを有し、オリフィスと位置決めマークはワンチャックで加工されることにより達成される。
本発明の好ましくは、位置決めマークの底面は60°から150°のテーパー面であることにより達成される。
本発明の好ましくは、位置決めマークはノズルまたはオリフィスプレートの軸と同じ方向に加工され、オリフィスの軸とは必ずしも同じ方向ではないことにより達成される。
本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態による電磁式燃料噴射弁の全体構成を示す縦断面図である。
電磁式燃料噴射弁本体1は、コア2,ヨーク3,ハウジング4,可動子5からなる磁気回路,磁気回路を励磁するコイル6、及びコイル6に通電する端子ボビン7から構成されている。コア2とハウジング4の間にはシールリング8が結合され、コイル6に燃料が流入するのを防いでいる。
ハウジング4の内部にはバルブ部品が収納され、可動子5,ノズル9,可動子5のストローク量を調整するリング10が配置されている。可動子5は、弁体11と可動コア12をジョイント13で結合したものであり、可動コア12とジョイント13の間にはパイプ18と共同して可動子5が閉弁した時のバウンドを抑えるプレート14を備えている。
外套部材を構成する前記ハウジング4とノズル9は前記可動子5の周囲を覆ってなり、ノズル9は、先端にシート面15a,オリフィス15bを有するオリフィスプレート15と、ガイドプレート16と共に可動子5を摺動可能にガイドし燃料に旋回力を与えるスワラー17を備えている。
コア2の内部には弁体11をシート面15aにパイプ18とプレート14を介して押圧するスプリング19,スプリング19の押圧荷重を調整するアジャスタ20,外部からのコンタミの進入を防ぐフィルター21が配置されている。
以上のように構成された電磁式燃料噴射弁本体1の動作について説明する。コイル6に通電すると、可動子5がスプリング19の付勢力に抗してコア2の方向に吸引され、可動子5の先端の弁シート部11aとシート面15aとの間に隙間ができる(開弁状態)。加圧されている燃料はまずコア2,アジャスタ20,パイプ18から可動子5内の燃料通路13a経てノズル9内に入る。次にガイドプレート16の燃料通路16a,ノズルの通路9aから、スワラー17の通路17a,17bに入り、スワラー17の旋回溝17cによって旋回力を与えられる。旋回力を与えられた燃料は弁シート部11aとシート面15aの隙間からオリフィス15bを経て噴射される。
一方、コイル6の電流を遮断した場合には、可動子5の弁シート部11aがスプリング19の力でシート面15aに当接し、閉弁状態となる。
以上述べたような構成からなる電磁式燃料噴射弁本体1の、オリフィスプレート15,オリフィス15bが本発明の対象となり、以下、その詳細,製造方法について説明する。
図2,図3,図4は本発明の第1実施例であって、図2は電磁式燃料噴射弁本体1の軸線に対して同じ方向にオリフィス15bを加工した縦断面図である。一方、図3は、電磁式燃料噴射弁本体1の軸線に対して偏向した方向にオリフィス30bを加工した縦断面図である。
図4は図2のオリフィス15bの加工工程を示す縦断面図である。図4−(I)に示すように、パンチ50aに対して盛上り部15eが自由に変形できるように充分大きなクリアランス(できれば25%以上)を有したダイ51にセットしたオリフィスプレート15は、チャック52で径方向に芯出しされる。次いでパンチ50の下降と共に図4−(II)に示すようにパンチ50がオリフィスプレート15の凸部15cに食い込み、押出された材料は反対面に盛上り部15eのようになる。更に、図4−(III)に示すようにパンチ
50を所定の位置まで下降させてオリフィスの加工を終了する。
図示しないが、盛上り部15eを旋削等の機械加工でシート面15a形状に加工してオリフィス15bを貫通させ、必要ならば焼入れを施しシート面15aを仕上げ加工して図2のオリフィスプレート15が完成する。
ここでオリフィス15bを加工する際、凸部15cの外径はオリフィス15b径の6倍以下に設定する。このように設定することで径方向の剛性が下がり、プレス加工するときに材料が外径側に流れ易くなり、凸部15cに位置するオリフィス15bの部分は、出口側に向かって末広がりになる曲面15dの形状にすることができる。また、曲面15dの大きさは凸部15cの外径,高さ,形状である程度コントロールすることができる。
図3は電磁式燃料噴射弁本体1の軸線に対して偏向した方向にオリフィス30bを加工した実施例であり、加工工程は図4と同じである。尚、凸部30cの形状は球面状であり、斜めに動くパンチ50が凸部30cに直角に当り易いようにしている。
図5にパンチ50の詳細形状を示す。パンチ50の切り刃部50aは、先端部にテーパー角10°のテーパ部50b,R0.03 の角R部50cを設けることで材料を流れ易くすることができ、パンチ50の切り刃部50aの面あらさをオリフィス15bの内面に転写させ、オリフィス15bの面あらさを向上させている。また、パンチ50の切り刃部
50aの先端はラッピング仕上げを行いRmax0.2μm以下に仕上げ加工し、更に、焼き付き防止のためTiC等のチタンコーティングを施している。
図6,図7,図8はオリフィス15bのプレス加工前に予め下穴をプレス加工ないしは旋削等の機械加工で加工したものである。
図6のように、パンチ50の切り刃部50aより、例えば、0.1 位小さい下穴31を加工し、図4のようにオリフィス15bを加工することにより、オリフィス15bの出口部には曲面が付かず図9に示すようにシャープエッジ15jにすることができる。これはパンチ50がオリフィスプレート15に食い込んだときに、材料が下穴31内に比較的小さい応力で流れるためである。図7の下穴32,図8の下穴33についても同じ効果が得られ、L/d≧1.5 (L=オリフィス長さ,d=オリフィス径)のような深穴加工でも図9に示すような円筒度の良い出口部がシャープエッジなオリフィスを得ることができる。
特に図8のように下穴を貫通させておけばオリフィス加工自体の応力も小さくできるため、より深穴加工が可能になる。
図10,図12はオリフィスの長さをオリフィスプレート30,35のブランクの板厚以上に加工する実施例である。
図11はオリフィスプレート34の加工を示す工程図であり、図11−(I)に示すように、ダイ51,ダイ53上にセットしたオリフィスプレート34はチャック52で径方向に芯だしされる。ここでダイ53はダイ51より短く、オリフィスプレート34との間には空間がある。次いでパンチ50の下降と共に図11−(II)に示すようにパンチ50がオリフィスプレート34の凸部34cに食い込み、押出された材料は反対面に盛上り
34aのようになるが、盛上り34aはダイ53には接していない。更に図11−(III)に示すようにパンチ50を所定の位置まで下降させてオリフィスの加工が終了する。このとき盛上り34aはダイ53に当り、更にダイ53の内径部に押出された材料は34dのようになる。
図示しないが、盛上り部34aを旋削等の機械加工で加工してオリフィス34bを貫通させ、図10のオリフィスプレート34が完成する。
以上のようにダイ53とオリフィスプレート34の間に空間を設けることでパンチ50aをオリフィスプレート34の板厚以上に食い込ませることができ、オリフィスプレート
34の板厚以上にオリフィス34bの長さを加工することができる。また、ダイ53の内径をパンチ50aの外径より小さくすると、破断の発生が無く全せん断面のオリフィス
34bを得ることができる。
図12は図10に対してシート面35aを有している。これはより細いオリフィス35bを加工可能にするためにオリフィスプレート35の板厚を最小限にする必要があり、図
13−(I)に示すように座繰り35bを有している。図13は図12のオリフィスプレート35の加工を示す工程図であり、図13−(I)に示すように、ダイ51,ダイ54上にセットしたオリフィスプレート35はチャック52で径方向に芯だしされる。ここでダイ54はダイ51より長いが、座繰り35bとの間には空間がある。次いでパンチ50の下降と共に図13−(II)に示すようにパンチ50がオリフィスプレート35の凸部
35cに食い込み、押出された材料は反対面に盛上り部35dのようになるが、盛上り部35dはダイ54には接していない。更に、図13−(III)に示すようにパンチ50を所定の位置まで下降させてオリフィスの加工が終了する。このとき盛上り部35dはダイ
54に当り、更にダイ54の内径部に押出された材料は35eのようになる。また、座繰り部35bは完全に押しつぶされて旋削加工等によるシート面35aの取り代になる。
図示しないが、盛上り部35dを旋削等の機械加工でシート面15a形状に加工してオリフィス35bを貫通させ、図12のオリフィスプレート35が完成する。
図14にプレス加工応力の比較のため、通常の打抜き加工方法について説明する。
図14は一般的な打抜きによるオリフィスプレート36の加工を示す工程図であり、図14−(I)に示すように、ダイ51上にセットしたオリフィスプレート34はチャック52で径方向に芯出しされ、次いでパンチ50の下降と共にパンチ50がオリフィスプレート36の凸部36cに食い込み、押出された材料は反対面に盛上り36aのようになる。更に、図14−(II)に示すようにパンチ50を所定の位置まで下降させてオリフィスの加工が終了する。このときのパンチ50aとダイ51のクリアランスは5%であり打抜かれた材料は36bのようになる。
図15に各々の加工方法についてパンチストロークとプレス加工応力の関係を示す。パンチ径はφ0.7 とし、オリフィスプレートの板厚は2mm、材料はSUS420J2で統一している。
データAは図14に示す通常の打抜き方法によるもので、最大プレス加工応力は約4400MPaになり、一般的な超硬パンチでは加工不可能である。
データBは図4に示すプレス方法で、パンチ50aとダイ51のクリアランスを25%以上にして、押出される材料がダイ51に拘束されること無く自由に変形できるようにしたものである。このときの最大プレス加工応力は3800MPaであり、データAに対して14%のプレス加工応力の低減ができる。このため通常の打抜き方法に対してより低いプレス加工応力でオリフィスを加工することができる。しかしながら図4−(III) で、更に、パンチ50を深くストロークさせると破断が発生するためオリフィスプレート15の板厚以上のせん断面を得ることはできない。
データCは図11に示すプレス方法で、パンチストローク1.2mm まではデータBとほぼ同じ曲線を示し最大プレス加工応力は3800MPaである。パンチストローク1.2
mmからは押出された材料(盛上り34a)がダイ53に当り、材料の流れが拘束されるためプレス加工応力が上昇する。しかし最大プレス加工応力は3800MPaを超えることは無い。また、パンチ50aに対してダイ53の内径を小さく(いわゆる負のクリアランス)しているため、押出された材料(盛上り34a)に破断面が発生することが無く、図4と同じ最大プレス加工応力でオリフィスプレート15の板厚以上のせん断面を加工することができる。このため図14の通常の打抜き方法や図4のプレス加工方法に対して、より細く、またはより長い(L/d≧2)オリフィスを加工することができる。
図16は、電磁式燃料噴射弁本体1の軸線に対してオリフィス30bが偏向しており、偏向方向の位置決め穴40を加工した実施例である。図17,図18は加工工程を示す工程図であり、図17に示すようにダイ51上にセットしたオリフィスプレート30は、チャック52で径方向に芯だし固定される。この状態でパンチ60が下降し位置決め穴40を加工する。次の工程では図18に示すように、オリフィスプレート30をチャックしたままパンチ50によりオリフィス30bが加工される。
以上のようにオリフィスプレート30をチャックしたまま位置決め穴40とオリフィス30bを順次加工するため、両者の位相がずれることが無く、プレス加工で簡単に位置決め穴を加工できる。また、位置決め穴40の底面の角度は60°〜150°の範囲であれば画像処理には良く、好ましくは120°が好適である。更にプレスで加工するため、形状が安定し、面あらさが良く、切粉等の発生も無い。
本発明は流体を噴射するオリフィスに係わり、特に流量を計量するオリフィス及びオリフィスの加工方法並びにこれを利用した燃料噴射弁に関する。
本発明の第1実施例を示す電磁式燃料噴射弁の全体構成を示す縦断面図。 本発明の第1実施例を示す電磁式燃料噴射弁本体の軸線に対して同じ方向にオリフィスを加工した縦断面図。 本発明の第1実施例を示す電磁式燃料噴射弁本体の軸線に対して偏向した方向にオリフィスを加工した縦断面図。 本発明の第1実施例を示すオリフィスの加工工程を示す縦断面図。 本発明の第2実施例を示すパンチの詳細図。 本発明の第3実施例を示すオリフィスプレートブランクの縦断面図。 本発明の第3実施例を示すオリフィスプレートブランクの縦断面図。 本発明の第3実施例を示すオリフィスプレートブランクの縦断面図 本発明の第3実施例を示すオリフィスプレートの縦断面図。 本発明の第4実施例を示すオリフィスプレートの縦断面図。 本発明の第4実施例を示すオリフィスの加工工程を示す縦断面図。 本発明の第4実施例を示すオリフィスプレートの縦断面図。 本発明の第4実施例を示すオリフィスの加工工程を示す縦断面図。 本発明の第4実施例を補足するオリフィスの加工工程を示す縦断面図。 本発明の第4実施例を示すパンチストロークとプレス加工応力の関係図。 本発明の第5実施例を示すオリフィスプレートの縦断面図。 本発明の第5実施例を示す位置決め穴の加工工程を示す縦断面図。 本発明の第5実施例を示すオリフィスの加工工程を示す縦断面図。
符号の説明
1…電磁式燃料噴射弁本体、15,30…オリフィスプレート、15a…シート面、
15b,30b…オリフィス、15c,30c…凸部、15d,30d…曲面、15e…盛上り部、50…パンチ、51,53,54…ダイ、52…チャック。

Claims (18)

  1. 流体の計量、及び噴霧の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、前記オリフィスは少なくともL/d≧1.5 (L=オリフィス長さ,d=オリフィス径)であり、前記オリフィスの出口側は前記ノズルまたはオリフィスプレートの小径となる凸形状内に位置し、凸部に位置する前記オリフィス部は出口側に向かって曲面状に径が大きくなることを特徴としたオリフィス。
  2. 請求項1において、前記オリフィスはノズルブランクまたはオリフィスプレートの凸側からプレス加工していることを特徴とするオリフィス。
  3. 請求項1において、前記凸部の外径を変化させることにより、前記オリフィスの出口側に向かって曲面状に径が大きくなる割合に調整されていることを特徴としたオリフィス。
  4. 請求項1において、前記凸部の外径は前記オリフィス径の6倍以下であることを特徴としたオリフィス。
  5. 請求項1から4の1項において、前記凸部は球状であることを特徴としたオリフィス。
  6. 請求項1から5の1項において、前記オリフィスは軸線と同じ方向または偏向していることを特徴としたオリフィス。
  7. 流体の計量、及び噴霧の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、加工後の前記オリフィス内面の面あらさはRmax0.2μm以下であり、更に焼入れをした場合の面あらさはRmax0.5μm以下であることを特徴としたオリフィス。
  8. 請求項7において、前記オリフィスはプレス加工され、前記プレス加工に用いられるパンチは先端端面に7°から20°の斜面部を有し、先端の角部がR0.03 以上であって、表面がRmax0.2μm以下に磨き加工され、且つ、セラミックコーティングされていることを特徴としたオリフィス。
  9. 流体の計量、及び噴霧の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、前記オリフィスはL/d≧1.5 で前記オリフィスの出口部はシャープエッジであり、下穴を加工する第一の手段と、オリフィスの出口側からプレス加工する第二の手段で製作されることを特徴とするオリフィス及びオリフィスの加工方法。
  10. 流体の計量、及び噴霧の制御等を行うノズルまたはオリフィスプレートに加工されたオリフィスにおいて、前記オリフィスをプレス加工する工程で、プレス加工の途中までは押出される材料を自由変形させ、最大加工応力を過ぎてから押出される材料がダイに当接することで拘束されることを特徴としたオリフィスの加工方法。
  11. 請求項10において、前記オリフィスの長さは前記ノズルまたはオリフィスプレートの前記オリフィス加工前の板厚以上であることを特徴としたオリフィスの加工方法。
  12. 請求項10,11において、前記オリフィス加工部のアスペクト比(板厚tと前記オリフィスの径dの比:t/d)が2以上であることを特徴としたオリフィスの加工方法。
  13. 請求項9から12において、前記ノズルまたはオリフィスプレートの材質は炭素量0.26%以上のマルテンサイト系ステンレス鋼であり、オリフィス加工後、前記オリフィスの入口部を切削、または研削加工で所定の形状に加工し、その後焼入れを施したことを特徴としたオリフィスの加工方法。
  14. 請求項1から13において、前記オリフィスはプレスで加工された回転方向の位置を決めるための位置決めマークを有し、前記オリフィスと前記位置決めマークはワンチャックで加工されることを特徴としたオリフィスまたはオリフィスの加工方法。
  15. 請求項14において、前記位置決めマークの底面は60°から150°のテーパー面であることを特徴としたオリフィスまたはオリフィスの加工方法。
  16. 請求項14,15において、前記位置決めマークは前記ノズルまたは前記オリフィスプレートの軸と同じ方向に加工され、前記オリフィスの軸とは必ずしも同じ方向ではないことを特徴としたオリフィスまたはオリフィスの加工方法。
  17. オリフィス部は、少なくともL/d≧1.5 (L=オリフィス部長さ,d=オリフィス部径)であり、前記オリフィス部の出口側は凸部形状内に位置し、前記凸部形状内に位置する前記オリフィス部は出口側に向かって曲面状に径が大きくなる流体の計量を行うオリフィスプレートを有することを特徴とする燃料噴射弁。
  18. オリフィス部は、少なくともL/d≧1.5 (L=オリフィス部長さ,d=オリフィス部径)であり、前記オリフィス部の出口側は凸部形状内に位置し、前記凸部形状内に位置する前記オリフィス部は出口側に向かって曲面状に径が大きくなる流体の噴霧を制御するノズルを有することを特徴とする燃料噴射弁。
JP2004027467A 2004-02-04 2004-02-04 オリフィスの加工方法 Expired - Lifetime JP4039370B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004027467A JP4039370B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 オリフィスの加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004027467A JP4039370B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 オリフィスの加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005220774A true JP2005220774A (ja) 2005-08-18
JP4039370B2 JP4039370B2 (ja) 2008-01-30

Family

ID=34996615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004027467A Expired - Lifetime JP4039370B2 (ja) 2004-02-04 2004-02-04 オリフィスの加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4039370B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1762723A1 (en) * 2005-09-13 2007-03-14 Hitachi, Ltd. Injection valve and method of making orifice
JP2007146828A (ja) * 2005-10-28 2007-06-14 Hitachi Ltd 燃料噴射弁
WO2007091536A1 (ja) * 2006-02-07 2007-08-16 Mikuni Corporation 燃料噴射弁
KR100794959B1 (ko) 2006-10-27 2008-01-15 주식회사 만도 이물질 방지 구조 오리피스를 구비한 전자 제어 동력 보조조향장치
JP2008101499A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Hitachi Ltd 噴射弁及びオリフィスの加工方法
JP2008184977A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Hitachi Ltd 噴射弁、噴射弁のオリフィスプレートおよびその製造方法
US8016214B2 (en) 2008-03-31 2011-09-13 Hitachi, Ltd. Fuel injection valve and method for forming orifice thereof
JP2014101890A (ja) * 2014-03-10 2014-06-05 Hitachi Automotive Systems Ltd 燃料噴射弁及びノズルの加工方法
EP2957367B1 (en) * 2014-06-16 2018-12-19 Delavan, Inc. Additive manufacture from machined surface

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7874070B2 (en) 2005-09-13 2011-01-25 Hitachi, Ltd. Injection valve and method of making orifice
JP2007077843A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Hitachi Ltd 噴射弁及びオリフィスの加工方法
EP1762723A1 (en) * 2005-09-13 2007-03-14 Hitachi, Ltd. Injection valve and method of making orifice
JP4528701B2 (ja) * 2005-09-13 2010-08-18 日立オートモティブシステムズ株式会社 噴射弁及びオリフィスの加工方法
JP2007146828A (ja) * 2005-10-28 2007-06-14 Hitachi Ltd 燃料噴射弁
WO2007091536A1 (ja) * 2006-02-07 2007-08-16 Mikuni Corporation 燃料噴射弁
JP2008101499A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Hitachi Ltd 噴射弁及びオリフィスの加工方法
JP4576369B2 (ja) * 2006-10-18 2010-11-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 噴射弁及びオリフィスの加工方法
KR100794959B1 (ko) 2006-10-27 2008-01-15 주식회사 만도 이물질 방지 구조 오리피스를 구비한 전자 제어 동력 보조조향장치
JP2008184977A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Hitachi Ltd 噴射弁、噴射弁のオリフィスプレートおよびその製造方法
JP4594338B2 (ja) * 2007-01-30 2010-12-08 日立オートモティブシステムズ株式会社 噴射弁、噴射弁のオリフィスプレートおよびその製造方法
US8016214B2 (en) 2008-03-31 2011-09-13 Hitachi, Ltd. Fuel injection valve and method for forming orifice thereof
JP2014101890A (ja) * 2014-03-10 2014-06-05 Hitachi Automotive Systems Ltd 燃料噴射弁及びノズルの加工方法
EP2957367B1 (en) * 2014-06-16 2018-12-19 Delavan, Inc. Additive manufacture from machined surface
US10207325B2 (en) 2014-06-16 2019-02-19 Delavan Inc. Additive manufacture from machined surface

Also Published As

Publication number Publication date
JP4039370B2 (ja) 2008-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4576369B2 (ja) 噴射弁及びオリフィスの加工方法
JP4594338B2 (ja) 噴射弁、噴射弁のオリフィスプレートおよびその製造方法
JP4755619B2 (ja) 電磁操作式の弁
JP4627783B2 (ja) 燃料噴射弁及びオリフィスの加工方法
JP5559962B2 (ja) 燃料噴射弁及びノズルの加工方法
JP4528701B2 (ja) 噴射弁及びオリフィスの加工方法
JP2005337266A (ja) 電磁操作式の弁
JP4039370B2 (ja) オリフィスの加工方法
US20150233334A1 (en) Fuel Injection Valve
US8567063B2 (en) Method of machining orifice and press-working method
US5239751A (en) Method of producing nozzle for solenoid valve
US6945478B2 (en) Fuel injector having an orifice plate with offset coining angled orifices
JPH11270441A (ja) 噴孔プレートおよびその製造方法
JP2568323B2 (ja) 弁座付きノズル及びその製造方法、電磁弁
JP5033735B2 (ja) ノズルの加工方法
US8047105B2 (en) Machining tool and machining method
JP5932863B2 (ja) 燃料噴射弁及びノズルの加工方法
JP2007051573A (ja) 燃料噴射弁及びその製造方法
JP5097725B2 (ja) オリフィスの加工方法
WO2020250542A1 (ja) オリフィスの加工方法及び燃料噴射弁
JP4098706B2 (ja) 噴孔部材の製造方法
JP5298048B2 (ja) オリフィス加工方法
JPH06159199A (ja) ノズルの製造方法及びノズル並びに燃料噴射弁
JP2009243322A (ja) 燃料噴射弁及びガイド部材の加工方法
JP2007120471A (ja) 燃料噴射弁用ハウジングの製造方法及び燃料噴射弁用ハウジング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051209

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071016

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071029

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4039370

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term