JP4098706B2 - 噴孔部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流体を噴射する噴孔を備えた噴孔部材の製造方法に関し、例えば燃料噴射弁の噴孔部材の製造方法に用いて好適なものである。
従来、流体噴射弁において流体を噴射する噴孔を板状の噴孔部材に形成することで噴孔形状等の設定自由度を高める技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1では、噴孔部材の中心軸線に対し噴孔の噴孔軸線が傾斜しており、噴射方向に向かい互いに離れる方向に複数の噴孔が形成されている。
噴孔部材の中心軸線に対し噴孔軸線が傾斜している噴孔を有する噴孔部材では、噴孔から噴射される噴霧の噴射角度を要求に応じて調整することが考えられる。各噴孔の噴射角度を調整することにより、複数の噴孔が噴射する噴霧の方向が1方向の場合は噴霧全体の広がり角度を調整し、2方向の場合は2個の噴霧同士が形成する噴霧の広がり角度を調整できる。
特開2000−52157号公報
しかしながら、噴孔部材の中心軸線に対する噴孔軸線の傾斜角度のずれ、または噴孔部材の板厚のばらつき等により、噴射角度が噴孔部材によってばらつくことがある。
本発明の目的は、噴射角度を容易に調整できる噴孔部材の製造方法を提供することにある。
噴孔軸線が傾斜している噴孔から噴射される噴霧の噴射角度は、噴孔の内壁面に案内されて流体が流れる長さによって変化する。請求項1記載の発明によると、噴孔を形成する内壁面よりも径方向外側に凹む凹部を噴孔の出口側開口周縁に形成するので、噴孔の内壁面に案内されて流体が流れる長さを調整できる。凹部の大きさを調整することにより、噴孔から噴射される噴霧の噴射角度を容易に調整できる。また、噴孔の入口側ではなく出口側開口周縁に凹部を形成するので、噴孔に流入する流体流量、つまり噴孔から噴射される流体噴射量が変化することを防止できる。
噴孔から噴射される流体噴霧の噴射角度は、噴孔の傾斜角度が同じであれば噴孔部材の板厚が薄くなると小さくなる。噴孔の出口側開口周縁に凹部を形成することは噴孔部材の板厚が実質的に薄くなることに相当する。つまり、噴孔の出口側開口周縁に凹部を形成することにより噴孔の噴射角度を小さくすることができる。そこで請求項1記載の発明によると、凹部を形成する前に予め噴孔から噴射される流体噴霧の噴射角度が目標範囲よりも大きくなるように噴孔の傾斜角度を設定し噴孔を形成する。こうすることにより、噴孔を加工する傾斜角度の設定値のずれ、噴孔母材の板厚のばらつき、加工誤差等により凹部を形成する前に噴孔の噴射角度が目標範囲よりも小さくなることを防止できる。そして凹部を形成することにより噴射角度を小さくし、噴射角度を目標範囲に調整できる。ここで噴射角度の目標範囲とは、目標とする特定値を含む所定の数値範囲を表している。
請求項2記載の発明によると、噴孔は、出口側に向かって拡径しているテーパ孔である。噴孔を流れる流体が広がりながら噴射されるので、噴霧の微粒化を促進できる。
請求項3記載の発明によると、噴孔を形成する前に母材を貫通して下孔を形成し、先端部に向かって縮径するテーパパンチを出口端面側から下孔に挿入し、下孔を押し広げて噴孔を形成する。テーパパンチの先端が下孔に入ってから下孔を押し広げるので、テーパパンチを支持している支持箇所と、テーパパンチが下孔を押し広げている押圧箇所との距離が短くなる。その結果、テーパパンチに働く曲げモーメントが小さくなるので、テーパパンチの破損を防止できる。
請求項4記載の発明によると、研磨加工により噴孔の出口側開口周縁に凹部を形成するので、噴孔の出口側に大きな力が加わらない。したがって、噴孔の出口側の変形を防止できる。
請求項記載の発明によると、測定した噴射角度をフィードバックしながら凹部の加工量を設定し凹部を加工するので、噴射角度が目標範囲よりも小さくなり不良品となる確率が低下する。さらに、目標の噴射角度に噴孔を高精度に加工できる。
請求項記載の発明によると、下孔パンチが下孔の出口側開口周縁を破断させることにより下孔の出口側開口周縁に拡径部を形成し、テーパパンチにより噴孔を形成するときに、拡径部の少なくとも一部を残して凹部を形成する。下孔パンチで破断を形成するときに形成される拡径部の大きさを調整することにより凹部の大きさを調整し、噴孔の内壁面に案内されて流体が流れる長さを調整できる。したがって、噴霧の噴射角度を容易に調整できる。また、噴孔の出口側開口周縁に凹部を形成するので、噴孔に流入する流体流量、つまり噴孔から噴射される流体噴射量が変化することを防止できる。
請求項記載の発明によると、母材の出口端面側に設置するダイの受け孔の大きさを調整することにより、下孔パンチにより形成される拡径部の大きさを調整できる。拡径部により凹部の大きさを調整できるので、噴射角度の調整が容易である。
請求項記載の発明によると、噴孔軸線を含み噴孔部材または母材に直交する仮想平面において、噴孔の内壁面と仮想平面とが交わる2本の噴孔交線のうち、一方は噴孔部材または母材の出口端面と鋭角を形成し、他方は出口端面と鈍角を形成する。噴孔に流入する流体は噴孔軸線と出口端面とが鋭角を形成する側の内壁面に確実に接触し案内される。噴孔の内壁面に案内されながら噴射される流体は液柱とならず広がって液膜となるので、微粒化しやすい。
噴孔を流れる流体は、噴孔軸線を含み噴孔部材または母材に直交する仮想平面と噴孔の内壁面とが交わる2本の噴孔交線のうち、噴孔部材または母材の出口端面と鋭角を形成する側の内壁面に主に案内される。つまり、噴霧の噴射角度は噴孔部材または母材の出口端面と噴孔交線とが鋭角を形成する側の内壁面の長さに応じて変化しやすい。請求項記載の発明では、少なくとも噴孔交線と噴孔部材または母材の出口端面とが鋭角を形成する側の出口側開口周縁に凹部を形成するので、凹部の大きさに応じて噴射角度を変化させやすい。
請求項10、11記載の発明によると、噴射方向に向けて噴孔部材の中心軸線から噴孔軸線が離れる方向に複数の噴孔が形成されるので、噴射方向に向けて広がる噴霧を形成できる。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による噴孔部材をガソリンエンジン用の燃料噴射弁(以下、「燃料噴射弁」をインジェクタという)に用いた例を図3に示す。
インジェクタ10のケーシング11は、磁性パイプ12、固定コア40、スプール50に巻回したコイル52等を覆うモールド樹脂である。弁ボディ14は磁性パイプ12とレーザ溶接等により結合している。弁部材としてのノズルニードル20は弁ボディ14の内周面に形成した弁座14aに着座可能である。噴孔部材30は、弁ボディ14の底部外壁にレーザ溶接等により固定されている。噴孔部材30には、4個の噴孔34a、34b、34c、34d(噴孔部材30を入口端面32側から見た図2参照)が形成されている。ノズルニードル20が弁座14aから離座すると各噴孔から燃料が噴射され、ノズルニードル20が弁座14aに着座すると各噴孔からの燃料噴射が遮断される。
ノズルニードル20の弁座14aと反対側に設けられた接合部22は可動コア42と結合している。ノズルニードル20は可動コア42と一体に往復移動する。固定コア40と非磁性パイプ44、非磁性パイプ44と磁性パイプ12とはそれぞれレーザ溶接等により結合している。
アジャスティングパイプ46の燃料噴射側には可動コア42およびノズルニードル20を弁座14a方向に付勢するスプリング48が設置されている。アジャスティングパイプ46の軸方向位置を変更することによりノズルニードル20を付勢するスプリング48の付勢力を調整することができる。
スプール50に巻回されたコイル52は、非磁性パイプ44を挟むように位置する固定コア40および磁性パイプ12のそれぞれの端部ならびに非磁性パイプ44の周囲を覆うようにケーシング11内に位置している。コイル52はターミナル54と電気的に接続されており、ターミナル54に印加される電圧がコイル52に加わる。コイル52への通電をオンすると、可動コア42はスプリング48の付勢力に抗して磁力により固定コア40に吸引され、ノズルニードル20は弁座14aから離座する。コイル52への通電をオフすると、可動コア42はスプリング48の付勢力により固定コア40から離れ、ノズルニードル20は弁座14aに着座する。
次に、噴孔部材30について詳細に説明する。
図2に示すように噴孔部材30は、ステンレス等の金属材からなる円板に4個の噴孔34a、34b、34c、34dが形成されたものである。噴孔34a、34bから噴射される噴霧と噴孔34c、34dから噴射される噴霧とは、噴射方向に向け互いに離れるように反対方向に向かう。したがって、図3に示すようにインジェクタ10は2方向噴射を行う。噴孔34a、34b、34c、34dの形状は同じであるから、以下、噴孔34aについて説明し他の噴孔の説明を兼ねる。
図1に示すように、噴孔34aは入口から出口に向け拡径しているテーパ孔である。噴孔34aの中心軸線である噴射方向に沿った噴孔軸線102は、噴孔部材30の中心軸線100に対し噴射方向に向かい中心軸線100から離れる方向に傾斜している。
噴孔軸線102を含み噴孔部材30と直交する仮想平面と噴孔34aを形成する内壁面36とが交わる2本の噴孔交線のうち、中心軸線100側の第1噴孔交線104が出口端面33と形成する角度αは鋭角であり、第2噴孔交線105が出口端面33と形成する角度βは鈍角である。噴孔34aの第1噴孔交線104側の出口側開口周縁に内壁面36よりも径方向外側に凹む凹部38が形成されている。つまり凹部38は、噴孔34aの出口側のうち中心軸線100に対し内周側の縁部に形成されている。
入口端面32側から噴孔34aに流入する燃料は、出口端面33と鋭角を形成している第1噴孔交線104側の内壁面36に主に案内され、内壁面36に沿って広がりながら流れる。凹部38は内壁面36よりも径方向外側に凹んでいるので、燃料は殆ど凹部38に沿って流れない。噴孔34aから噴射される噴霧の方向は、第1噴孔交線104側の凹部38を除いた内壁面36の長さに応じて変化する。したがって、噴孔部材30において噴霧の噴射方向を変化させる実質的な板厚である有効板厚tは、凹部38を除いた第1噴孔交線104側の内壁面36が占める部分の板厚で表される。また、噴孔34aの噴孔径dは、第2噴孔交線105と入口端面32との交点106と第1噴孔交線104との距離で表す。
凹部38の大きさを変化させることにより有効板厚tを変化させると、各噴孔の噴射方向が変化する。したがって、噴孔34a、34bと噴孔34c、34dとからそれぞれ噴射される噴霧の噴射角度が変化し、噴霧同士が形成する噴霧角度θも変化する。中心軸線100に対し各噴孔の噴孔軸線102の傾斜角度を一定にすると、図4に示すように、噴孔34a、34bと噴孔34c、34dとから噴射される噴霧同士が形成する噴霧角度θはt/dにほぼ比例して変化する。噴孔径dを一定にし有効板厚tが大きくなると、各噴孔から噴射される噴霧の噴射角度が大きくなるので噴霧角度θは大きくなる。噴孔径dを一定にし有効板厚tが小さくなると、各噴孔から噴射される噴霧の噴射角度が小さくなるので噴霧角度θは小さくなる。有効板厚tは凹部38の大きさにより調整できる。各噴孔の第1噴孔交線104側の出口側開口周縁に内壁面36よりも径方向外側に凹む凹部38を形成すると、有効板厚tは実質的に薄くなる。そして、凹部38の加工量が大きくなり凹部が深くなるほど有効板厚tは薄くなる。その結果、図5に示すように、凹部38の加工量が増加すると、噴霧角度θの減少量が増加する。つまり、凹部38の加工量が増加すると噴霧角度θは小さくなる。
次に、噴孔部材30の製造方法について図6に基づいて説明する。図6では、母材110の入口端面32を下側に、出口端面33を上側に示している。
(1)下孔工程
図6の(A)に示すように、板状の母材110の板厚方向に沿った母材軸線112に対し中心軸線122が傾斜するように、下孔パンチ200で母材110を打ち抜き下孔120を形成する。下孔パンチ200は、パンチ径が同一のストレートパンチである。
(2)噴孔工程
母材110の出口端面33側にテーパパンチ202のガイド210を設置する。ガイド210の案内面212は、テーパパンチ202の大径部204をガイドする。テーパパンチ202は、同一径の円柱状の大径部204と、大径部204の一端側に形成され先端に向かうにしたがい縮径するテーパ部205とを有している。
図6の(B)に示すように、下孔パンチ200とは反対側の下孔120の出口側から下孔120の中心軸線122に沿ってテーパパンチ202を挿入し、下孔パンチ200と反対方向にパンチする。これにより、テーパパンチ202で下孔120を押し広げ、入口から出口に向けて拡径するテーパ孔である噴孔34aを形成する。
(3)凹部工程
図6の(C)に示すように、噴孔34aの噴孔軸線102を含み母材110と直交する仮想平面と噴孔34aの内壁面36とが交わる噴孔交線のうち、出口端面33と鋭角を形成する第1噴孔交線104側の出口側開口周縁を、砥粒を含んだ円形状のブラシ214で研磨する。
(4)ブラシ214で研磨することにより、図6の(D)に示すように、噴孔34aの第1噴孔交線104側の出口側開口周縁、つまり噴孔34aの出口側のうち内周側の縁部に内壁面36より径方向外側に凹む凹部38が形成される。
ブラシ214による研磨は、噴孔34aの形状を変形させることなく凹部38の大きさを高精度に調整できる。したがって、ブラシ214による研磨量を調整することにより、噴霧角度θを高精度かつ容易に調整できる。
テーパパンチ202で噴孔34aを形成する前に下孔パンチ200で下孔120を予め形成しておくことにより、下孔120にテーパパンチ202の先端が挿入されてからテーパパンチ202は下孔120を押し広げる。したがって、ガイド210がテーパパンチ202を支持する支持箇所と、テーパパンチ202が下孔120を押し広げている押圧箇所との距離が短くなる。テーパパンチ202に働く曲げモーメントが小さくなるので、テーパパンチ202の折損を防止できる。
また、下孔パンチ200とは反対側からテーパパンチ202を挿入するので、下孔パンチ200で母材110をプレスしたときに下孔120の出口側開口周縁に生じるばりをテーパパンチ202で除去できる。
第1実施形態では、下孔パンチ200により下孔120を形成したが、本発明では、下孔パンチ200を用いず、例えば放電加工により下孔120を形成してもよい。また、下孔120を形成してからテーパパンチ202により噴孔34a、34b、34c、34dを形成したが、本発明では、下孔120を形成せずテーパパンチ202で直接噴孔34a、34b、34c、34dを形成してもよい。また、ブラシ214による研磨ではなくパンチにより凹部38を形成してもよい。
ところで、噴孔の傾斜角度の設定値のずれ、母材110の板厚のばらつき、加工誤差等により、図6の(C)の凹部工程で凹部38を形成する前に、図6の(A)および(B)で形成した噴孔から噴射される燃料噴霧の噴射角度が目標範囲よりも小さくなっていることがある。噴射角度が目標範囲よりも小さいと、凹部38を形成しても噴射角度を目標範囲内に調整できない。図3に示すインジェクタ10のように2方向噴霧の場合は、凹部38を形成する前に噴霧同士が形成する噴霧角度θが目標範囲よりも小さくなっていると、凹部38を形成しても噴霧角度θを目標範囲内に調整できない。
そこで、図7に示すフローチャートにしたがって噴孔の噴射角度または噴霧角度を調整することが望ましい。以下の説明では噴霧角度θの調整について説明する。噴孔の噴射角度を調整する場合は、噴霧角度を噴射角度と読み替える。
(1)噴孔工程
まず、ステップ300において、図6の(C)で示す凹部工程において凹部38を形成する前に、噴霧角度θが目標の噴霧角度範囲よりも大きくなるように、図6の(A)および(B)において噴孔34aの傾斜角度を設定し加工する。具体的には、凹部38を形成する前の状態で目標の噴霧角度範囲を得ることができる噴孔の傾斜角度よりも加工するときの設定角度を大きくする。
(2)測定工程
次に、ステップ302において、試験流体を各噴孔から噴射し噴霧角度θを測定する。噴霧角度θが目標範囲よりも小さい場合は、不良品として廃棄する(ステップ304)。噴霧角度θが目標範囲内であれば図6に示す工程を終了し、次工程に移行する。
(3)加工工程
噴霧角度θが目標範囲よりも大きい場合、測定した噴霧角度θと目標範囲との差に応じてブラシ214の押付力等の加工条件を設定し図6の(C)で加工する凹部38の加工量を調整する(ステップ308)。この加工量に基づいて凹部38を加工し(ステップ310)、ステップ302に移行する。ブラシ214に代えてパンチで凹部38を加工する場合も、パンチの押付力等の加工条件を設定し凹部38の加工量を調整する。
上記測定工程および加工工程は凹部工程における工程である。測定工程と加工工程とを繰り返すことにより、噴霧角度θを目標範囲内に調整する。このように、測定した噴霧角度θを凹部の加工量にフィードバックしながら、噴霧角度θを目標範囲内に調整することにより、噴霧角度θが目標範囲よりも小さくなり不良品となる確率が低下する。さらに、目標の噴霧角度θに噴孔を高精度に加工できる。
(変形形態)
第1実施形態では円形状のブラシ214により各噴孔の第1噴孔交線104側の出口側開口周縁だけに凹部38を形成した。これに対し、図8に示すように、円板状のブラシ216を回転し、噴孔34a、34b、34c、34dを形成した母材110をブラシ216の平面で研磨することにより、各噴孔の出口側開口周縁全体に凹部を形成してもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による噴孔部材を図9に示す。第1実施形態と実質的に同一部分に同一符号を付す。第2実施形態の噴孔部材70の凹部72は第1実施形態の凹部38と製造方法が異なっている。
第2実施形態の噴孔部材70の製造方法について図10に基づいて説明する。図10では、母材110の入口端面32を下側に、出口端面33を上側に示している。
(1)下孔工程
図10の(A)に示すように、母材110の出口端面33側にダイ220を設置する。ダイ220には下孔パンチ200で形成する下孔120の中心軸線122と同じ傾斜角度で受け孔222が形成されている。受け孔222の孔径Ddは、下孔パンチ200のパンチ径Dpよりも大きい。
母材110の母材軸線112に対し中心軸線122が傾斜するように、下孔パンチ200で母材110を打ち抜き下孔120を形成する。母材110の出口端面33がダイ220により押さえられ、ダイ220の受け孔222の孔径Ddが下孔パンチ200のパンチ径Dpよりも大きいので、下孔120の出口側開口周囲が破断し、拡径部130が形成される。
(2)噴孔工程
図10の(B)に示すように、下孔120の中心軸線122に沿ってガイド210でガイドしながらテーパパンチ202を下孔120の出口側から挿入し、下孔パンチ200と反対方向にパンチする。これにより、下孔120を押し広げ、噴孔34aを形成する。図10の(C)に示すように、テーパパンチ202は、第1噴孔交線104側の拡径部130だけを残し、凹部72を形成する。
第2実施形態では、受け孔222の孔径Ddを調整し下孔パンチ200と受け孔222の内壁面とのクリアランスを調整することにより、拡径部130の大きさ、つまり凹部72の大きさを容易に調整できる。また、第2実施形態では、凹部72を形成するためだけの工程が不要であるから、製造工数を低減できる。
以上説明した本発明の実施の形態を示す上記複数の実施形態では、例えば、噴孔部材の中心軸線100に対し噴孔軸線102の傾斜角度、または噴孔部材の板厚がばらついても、各噴孔の第1噴孔交線104側の出口側開口周縁に形成する凹部38または凹部72の大きさを調整することにより、噴射量を変えることなく噴霧角度θを容易に調整できる。また、要求性能に応じ、噴孔軸線102の傾斜角度、噴孔部材の板厚および噴射量を変えることなく噴霧角度θを容易に調整できる。
(他の実施形態)
上記複数の実施形態では、2方向噴射の噴孔部材について説明したが、噴孔部材の噴射方向は1方向でもよい。1方向噴射の場合、凹部を形成し各噴孔の噴射角度を調整することにより、複数の噴孔から噴射される噴霧全体の広がり角度を調整できる。
また、出口側に向けて拡径するテーパ孔に代え、各噴孔は入口から出口まで同一径のストレート孔でもよい。ストレート孔の場合も、噴孔の出口側開口周縁に形成される凹部は、噴孔部材の中心軸線100に対し内周側の縁部に形成される。また、噴孔の噴孔軸線102が噴孔部材の中心軸線100に対して傾斜しているなら、噴孔部材の出口端面に対し噴孔の内壁面をどのような角度に形成してもよい。また、噴孔の数は4個に限るものではない。
噴霧の内壁面36よりも径方向外側に凹む凹部は、噴孔の出口側開口周縁であればどの位置であってもよい。凹部を噴孔の出口側開口周縁に形成することにより、噴霧の噴射方向を変えることができる。
上記複数の実施形態では、ガソリンエンジン用のインジェクタに本発明の噴孔部材を用いたが、流体を噴孔から噴射するのであれば、本発明の噴孔部材をどのような用途に用いてもよい。
本発明の第1実施形態による噴孔部材を示す断面図である。 第1実施形態による噴孔部材を入口端面側から見た矢視図である。 第1実施形態による噴孔部材を用いたインジェクタを示す断面図である。 t/dと噴霧角度θとの関係を示す特性図である。 凹部の加工量と噴霧角度θの減少量との関係を示す特性図である。 第1実施形態による噴孔部材の製造工程を示す説明図である。 噴霧角度の調整方法を示すフローチャートである。 (A)は第1実施形態の変形形態による研磨を示す説明図であり、(B)は(A)のB方向矢視図である。 本発明の第2実施形態による噴孔部材を示す断面図である。 第2実施形態による噴孔部材の製造工程を示す説明図である。
符号の説明
10 インジェクタ、30、70 噴孔部材、32 入口端面、33 出口端面、34a、34b、34c、34d 噴孔、36 内壁面、38、72 凹部、100 中心軸線、102 噴孔軸線、104 第1噴孔交線、105 第2噴孔交線、110 母材、112 母材軸線、120 下孔、122 中心軸線、130 拡径部、200 下孔パンチ、202 テーパパンチ、214、216 ブラシ

Claims (11)

  1. 流体を噴射する噴孔を備えた噴孔部材を製造する方法において、
    母材の板厚方向に沿った母材軸線に対し噴射方向に沿った噴孔軸線が傾斜するように前記噴孔を形成する噴孔工程と、
    前記噴孔を形成する内壁面よりも径方向外側に凹む凹部を前記噴孔の出口側開口周縁に形成する凹部工程とを有し、
    前記噴孔工程において、前記凹部が形成される前の状態で前記噴孔から噴射される流体噴霧の噴射角度が目標範囲よりも大きくなるように前記母材軸線に対する前記噴孔軸線の傾斜角度を設定して前記噴孔を形成し、
    前記凹部工程において、前記凹部を形成することにより前記噴射角度を小さくし前記目標範囲内に前記噴射角度を調整することを特徴とする噴孔部材の製造方法。
  2. 前記噴孔は、出口側に向かって拡径しているテーパ孔であることを特徴とする請求項1記載の噴孔部材の製造方法。
  3. 前記噴孔工程の前に、前記母材軸線に対し中心軸線が傾斜している下孔を前記母材を貫通して形成する下孔工程を有し、
    前記噴孔工程において、先端部に向かって縮径するテーパパンチを前記噴孔の出口側から前記下孔に挿入し、前記下孔を押し広げて前記噴孔を形成することを特徴とする請求項2記載の噴孔部材の製造方法。
  4. 前記凹部は研磨加工により形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の噴孔部材の製造方法。
  5. 前記凹部工程は、前記噴射角度を測定する測定工程と、測定した前記噴射角度が前記目標範囲よりも大きい場合は測定した前記噴射角度に基づいて前記凹部を加工する加工工程とを有し、前記測定工程と前記加工工程とを繰り返すことにより前記目標範囲内に前記噴射角度を調整することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の噴孔部材の製造方法。
  6. 前記下孔工程において、前記母材軸線に対し中心軸線が傾斜している前記下孔を前記母材の入口端面から出口端面に向けて下孔パンチで貫通して形成するとき、前記下孔パンチが前記下孔の出口側開口周縁を破断させることにより前記下孔の出口側開口周縁に拡径部を形成し、
    前記噴孔工程は、先端に向けて縮径する前記テーパパンチを前記下孔の出口側から挿入し前記下孔を押し広げて前記噴孔を形成するとき、前記拡径部の少なくとも一部を残し、前記噴孔を形成する内壁面よりも径方向外側に凹む前記凹部を前記噴孔の出口側開口周縁に形成する前記凹部工程を含むことを特徴とする請求項3記載の噴孔部材の製造方法。
  7. 前記下孔工程において、前記下孔パンチの径よりも大径の受け孔を有するダイを前記母材の前記出口端面側に設置し、前記下孔パンチは前記受け孔に向け前記母材を貫通することを特徴とする請求項6記載の噴孔部材の製造方法。
  8. 前記噴孔工程において、前記噴孔軸線を含み前記母材に直交する仮想平面と前記噴孔の内壁面とが交わる2本の噴孔交線のうち、一方が前記噴孔の出口端面と鋭角を形成し、他方が前記出口端面と鈍角を形成するように前記噴孔を形成することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の噴孔部材の製造方法。
  9. 前記噴孔の前記出口側開口周縁の少なくとも前記噴孔交線が前記出口端面と鋭角を形成する側に前記凹部を形成することを特徴とする請求項8記載の噴孔部材の製造方法。
  10. 前記噴孔工程において、噴射方向に向けて前記噴孔部材の中心軸線から前記噴孔軸線が離れる方向に複数の噴孔を形成することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載の噴孔部材の製造方法。
  11. 複数の前記噴孔から噴射される噴霧は互いに反対方向に向かう2方向噴射であることを特徴とする請求項10記載の噴孔部材の製造方法。
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