JP2004211588A - 噴孔部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射孔部材の製造方法においてテーパ孔をパンチプレスで形成する際にテーパパンチの折損を防止する。
【解決手段】母材11の厚さ方向軸線Aに対して中心軸線Oが傾斜し、その中心軸線Oの延伸方向において実質的に径変化しない下孔14を、パンチプレスにより母材11に形成する。その後、先端部に向かうに従い縮径するテーパパンチ32を使用し、軸線Aに対して中心軸線Pを傾斜させた状態のテーパパンチ32により下孔14を押し広げて母材11にテーパ孔12を形成する。下孔14の中心軸線Oに直交する仮想平面Qと下孔14の内周面との交線形状は、下孔14の中心軸線O及び母材11の厚さ方向軸線Aを含む仮想平面Lと仮想平面Qとの交線Sの延伸方向を長径方向とする楕円形であり、テーパパンチ32の中心軸線Pに直交する仮想平面Rとテーパパンチ32の外周面との交線形状は真円形である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を噴射する噴孔を備えた噴孔部材の製造方法に関し、例えば燃料噴射装置の噴孔部材の製造に好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料噴射装置では例えば特許文献1に開示されているように、噴孔部材の厚さ方向の軸線に対して中心軸線が傾斜し、噴孔部材の上流側端部から下流側端部に向かって拡径するテーパ孔を噴孔に用いたものが知られている。
特許文献1では、テーパ孔をパンチプレスにより形成している。具体的には、先端部に向かうに従い縮径するテーパパンチを使用し、そのテーパパンチを先端部から母材に打ち付ける。それにより、テーパパンチの外周面に沿ってテーパ孔を形成する。
【0003】
一回のパンチプレスによりテーパ孔を形成するには、テーパパンチの先端部によって母材の端面を押圧する。この場合、テーパパンチにおける押圧箇所と支持箇所との距離が長くなるため、テーパパンチに作用する曲げモーメントが大きくなり、テーパパンチが折損し易くなる。
【0004】
そこで図17(a)に示すように、予め母材1に形成した下孔2を利用してテーパ孔を形成する方法が考えられる。具体的には、母材1の厚さ方向の軸線Aに対して中心軸線Oが傾斜し、その中心軸線Oの延伸方向において実質的に径変化しない下孔2を、予め新の母材1に形成しておく。そして、下孔2の中心軸線Oとほぼ同一方向に中心軸線Pを傾斜させた状態でテーパパンチ6を母材1に打ち付け、このときテーパパンチ6で下孔2を押し広げてテーパ孔を形成する。このとき、テーパパンチ6の先端部を下孔2に進入させる際に、テーパパンチ6の先端部よりも支持箇所側において下孔2の開口縁部を押圧できる。これにより、テーパパンチ6における押圧箇所と支持箇所との距離が短くなるので、テーパパンチ6に作用する曲げモーメントは、一回のパンチプレスによりテーパ孔を形成する場合に比べて低減される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−102977号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記図17(a)に示す方法では、下孔2の中心軸線O及びテーパパンチ6の中心軸線Pに直交する仮想平面Zと下孔2の内周面2aとの交線形状、及び仮想平面Zとテーパパンチ6の外周面6aとの交線形状について、共に図17(b)に示す真円形としている。これにより、母材1の厚さ方向の軸線Aに直交する仮想平面Hと下孔2の内周面2aとの交線形状、及び仮想平面Hとテーパパンチ6の外周面6aとの交線形状は共に図17(c)に示す楕円形となるが、それら交線形状における長径と短径との比(長径/短径)は互いにほぼ同じとなる。そのため、パンチプレスの初期には図17(c)に示すように、下孔2及びテーパパンチ6の各中心軸線O,Pと母材1の厚さ方向軸線Aとを含む仮想平面L上においてパンチ6が下孔2の開口縁部に一点接触する。この仮想平面L上での一点接触はテーパパンチ6に作用する曲げモーメントの低減化に制限を与えるため、テーパパンチ6の折損防止効果を向上することができない。
本発明の目的は、噴孔部材の製造方法において、噴孔の少なくとも一部となるテーパ孔をパンチプレスで形成する際に、テーパパンチの折損を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載した噴孔部材の製造方法によると、下孔の中心軸線に直交する仮想平面を第一基準面、テーパパンチの中心軸線に直交する仮想平面を第二基準面とし、且つ下孔の中心軸線及び母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と第一基準面との交線を基準軸線としたとき、第一基準面と下孔の内周面との交線形状は基準軸線の延伸方向を長径方向とする楕円形又は小判形であり、第二基準面とテーパパンチの外周面との交線形状は真円形である。そのため、テーパ孔形成工程におけるパンチプレスの初期には、下孔及びテーパパンチの各中心軸線と母材の厚さ方向の軸線とを含む仮想平面の両側においてテーパパンチを下孔開口縁部に二点接触させることができる。これにより、テーパパンチに作用する曲げモーメントの低減化を促進できるので、テーパパンチの折損が確実に防止される。
【0008】
本発明の請求項2に記載した噴孔部材の製造方法によると、下孔の中心軸線に直交する仮想平面を第一基準面、テーパパンチの中心軸線に直交する仮想平面を第二基準面とし、且つテーパパンチの中心軸線及び母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と第二基準面との交線に第二基準面上において直交する線を基準軸線としたとき、第一基準面と下孔の内周面との交線形状は真円形であり、第二基準面とテーパパンチの外周面との交線形状は基準軸線の延伸方向を長径方向とする楕円形又は小判形である。そのため、テーパ孔形成工程におけるパンチプレスの初期には、下孔及びテーパパンチの各中心軸線と母材の厚さ方向の軸線とを含む仮想平面の両側においてテーパパンチを下孔開口縁部に二点接触させることができる。これにより、テーパパンチに作用する曲げモーメントの低減化を促進できるので、テーパパンチの折損が確実に防止される。
【0009】
本発明の請求項3に記載した噴孔部材の製造方法によると、下孔の中心軸線に直交する仮想平面を第一基準面、テーパパンチの中心軸線に直交する仮想平面を第二基準面とし、且つ下孔の中心軸線及び母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と第一基準面との交線を第一基準軸線、テーパパンチの中心軸線及び母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と第二基準面との交線に第二基準面上において直交する線を第二基準軸線としたとき、第一基準面と下孔の内周面との交線形状は第一基準線の延伸方向を長径方向とする楕円形又は小判形であり、第二基準面とテーパパンチの外周面との交線形状は第二基準軸線の延伸方向を長径方向とする楕円形又は小判形である。そのため、テーパ孔形成工程におけるパンチプレスの初期には、下孔及びテーパパンチの各中心軸線と母材の厚さ方向の軸線とを含む仮想平面の両側においてテーパパンチを下孔開口縁部に二点接触させることができる。これにより、テーパパンチに作用する曲げモーメントの低減化を促進できるので、テーパパンチの折損が確実に防止される。
【0010】
本発明の請求項6に記載した噴孔部材の製造方法によると、母材の厚さ方向の軸線に直交する仮想平面を座標面とし、且つ下孔及びテーパパンチの各中心軸線並びに母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と座標面との交線を第一座標軸線、座標面上において第一座標軸線に直交する線を第二座標軸線とし、且つ座標面と下孔の内周面との交線形状において第一座標軸線の延伸方向における径をD、第二座標軸線の延伸方向における径をDとし、且つ座標面とテーパパンチの外周面との交線形状において第一座標軸線の延伸方向における径をd、第二座標軸線の延伸方向における径をdとしたとき、テーパパンチの径比d/dは下孔の径比D/Dよりも小さい。これにより、上述した下孔開口縁部に対するテーパパンチの二点接触を確実に実現できる。
【0011】
一般にパンチプレスによって新の母材に孔を形成する場合、その孔のプレス方向前側開口縁部にばりが生じ易い。
本発明の請求項7に記載した噴孔部材の製造方法によると、テーパ孔形成工程において、下孔形成工程のプレス方向とは逆方向にテーパパンチを母材の下孔に進入させる。そのため、新の母材に下孔を形成した場合に下孔のプレス方向前側開口縁部にばりが生じても、そのばりの生じた下孔開口縁部をテーパパンチの大径側端部によって綺麗に成形できる。
【0012】
本発明の請求項8に記載した噴孔部材の製造方法によると、テーパ孔は、噴孔において上流側端部から下流側端部に向かって拡径する部分を構成するので、噴孔から噴射される流体の微粒化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第一実施例)
図2は、本発明の第一実施例により製造される噴孔部材をガソリンエンジン用の燃料噴射装置に用いた例を示している。以下、燃料噴射装置100について詳細に説明する。
【0014】
ケーシング111は、磁性パイプ112、固定コア140、スプール150に巻回したコイル152等を覆うモールド樹脂である。弁ボディ114は磁性パイプ112とレーザ溶接等により結合されている。弁部材としてのノズルニードル120は、弁ボディ114の内周面に形成された弁座114aに着座可能である。噴孔部材10は、弁ボディ114の底部外壁にレーザ溶接等により固定されている。噴孔部材110には、複数の噴孔12が形成されている。ノズルニードル120が弁座14aから離座すると各噴孔12から燃料が噴射され、ノズルニードル120が弁座114aに着座すると各噴孔12からの燃料噴射が遮断される。ノズルニードル120の弁座114aと反対側に設けられた接合部122は可動コア142と結合されている。ノズルニードル120は可動コア142と一体に往復移動する。固定コア140と非磁性パイプ144、非磁性パイプ144と磁性パイプ112とはそれぞれレーザ溶接等により結合されている。アジャスティングパイプ146の燃料噴射側には、可動コア142及びノズルニードル120を弁座114a方向に付勢するスプリング148が設置されている。アジャスティングパイプ146の軸方向位置を変更することにより、ノズルニードル120を付勢するスプリング148の付勢力を調整することができる。スプール150に巻回されたコイル152は、非磁性パイプ144を挟むように位置する固定コア140及び磁性パイプ112の各端部並びに非磁性パイプ144の周囲を覆うようにケーシング111内に位置している。コイル152はターミナル154と電気的に接続されており、ターミナル154に印加される電圧がコイル152に加わる。コイル152への通電をオンすると、可動コア142はスプリング148の付勢力に抗して磁力により固定コア140に吸引され、ノズルニードル120は弁座114aから離座する。コイル152への通電をオフすると、可動コア142はスプリング148の付勢力により固定コア140から離れ、ノズルニードル120は弁座114aに着座する。
【0015】
図3は、本発明の第一実施例により製造される噴孔部材10を示している。以下、噴孔部材10について詳細に説明する。
噴孔部材10は、ステンレス材等の金属材からなる平板状の母材11に上述の噴孔12が形成されたものである。噴孔12は、母材11の厚さ方向の軸線Aに対して中心軸線Oが傾斜し母材11の一端面11aから他端面11bに向かって拡径する円錐状のテーパ孔で構成されている。噴孔12の小径側端部は母材11の上流側端面11aに開口し、噴孔12の大径側端部は母材11の下流側端面11bに開口しており、燃料噴霧の微粒化が実現可能である。噴孔12において中心軸線Oに直交する仮想平面Qと内周面12aとの交線のうち閉曲線の形状は真円形である。噴孔12の中心軸線O及び母材11の厚さ方向軸線Aを含む仮想平面Lと噴孔12の内周面12aとの二本の交線C,Cは母材11の厚さ方向軸線Aに対して互いに同じ側に傾斜しており、噴孔12の中心軸線Oと母材11の上流側端面11aとが形成する鈍角側にある一方の交線Cが母材11の厚さ方向軸線Aと形成する傾斜角度をθ、中心軸線Oと上流側端面11aとが形成する鋭角側にある他方の交線Cが厚さ方向軸線Aと形成する傾斜角度をθとしたとき、θ<θの関係が成立している。
【0016】
図4は、本発明の第一実施例による噴孔部材10の製造方法をフローチャートで示している。以下、噴孔部材10の製造方法について図4に従って詳細に説明する。
まず図4の工程S1では、図5に示す下孔14を平板状の母材11にパンチプレスによって形成する。具体的に下孔14の形成には、図6に示すパンチ21、ダイス24及びガイド26を備えた下孔形成装置20を使用する。
【0017】
下孔形成装置20において、ダイス24とガイド26とは母材11を挟持し、母材11の端面11bと端面11aとにそれぞれ当接する。パンチ21は、中心軸線Pの延伸方向において実質的に径変化しない円柱状に形成されている。パンチ21の中心軸線Pに直交する仮想平面Rとパンチ21の外周面22a,23aとの交線形状は楕円形である。但し、その楕円形の長径方向は、ダイス24とガイド26に挟持される母材11の厚さ方向軸線A及びパンチ21の中心軸線Pを含む仮想平面Lと仮想平面Rとの交線Uの延伸方向に一致している。パンチ21の先端部側には加工部22が設けられ、パンチ21の反加工部側には支持部23が設けられている。パンチ21はガイド26のガイド孔27に挿通され、少なくとも支持部23の外周面23aに全周において摺接するガイド孔27の内周面27aにより支持される。この支持によりパンチ21の中心軸線Pは、ダイス24とガイド26に挟持される母材11の厚さ方向軸線Aに対して傾斜し、パンチ21はかかる中心軸線Pの延伸方向に案内される。ダイス24の抜き孔25には、母材11を打ち抜いたパンチ21が摺動可能に挿通される。
【0018】
下孔形成装置20を用いて下孔14を形成するには、図6(a)に白抜き矢印で示す如くパンチ21の中心軸線Pに沿って母材11の端面11a側から端面11b側に向かうプレス方向にパンチ21を変位させ、加工部22を母材11に打ち込む。その結果、母材11が加工部22により打ち抜かれ、加工部22の外周面22aの形状を補完する形状すなわち図5に示すように中心軸線Oの延伸方向において実質的に径変化しない円柱孔状に下孔14が形成される。形成された下孔14において、母材11の厚さ方向軸線Aに対し傾斜した中心軸線Oに直交する仮想平面Qと下孔内周面14aとの交線のうち閉曲線は楕円形を呈し、その楕円形の長径方向は軸線O,Aを含む仮想平面Lと仮想平面Qとの交線Sの延伸方向に一致する。
以上説明した工程S1が特許請求の範囲に記載の「下孔形成工程」に相当し、仮想平面Qが特許請求の範囲に記載の「第一基準面」に相当し、交線Sが特許請求の範囲に記載の「基準軸線」に相当する。
【0019】
次に図4の工程S2では、図3に示す噴孔12を構成するテーパ孔12を母材11にパンチプレスによって形成する。具体的にテーパ孔12の形成には、図1に示すパンチ31、ダイス34及びガイド36を備えたテーパ孔形成装置30を使用する。
【0020】
テーパ孔形成装置30において、ダイス34とガイド36とは母材11を挟持し、母材11の端面11aと端面11bとにそれぞれ当接する。パンチ31の先端部側には加工部32が設けられ、パンチ31の反加工部側には支持部33が設けられている。加工部32は、中心軸線Pの延伸方向において先端部に向かうに従い縮径する円錐台状に形成されている。加工部32の中心軸線Pに直交する仮想平面Rと加工部32の外周面32aとの交線形状は真円形である。加工部32の先端部は下孔14の開口よりも小さく形成され、加工部32の支持部側端部は下孔14の開口よりも大きく形成されている。支持部33は、加工部32と同じ中心軸線Pの延伸方向において実質的に径変化しない円柱状に形成されている。
仮想平面Rが特許請求の範囲に記載の「第二基準面」に相当する。
【0021】
加工部32及び支持部33はガイド36のガイド孔37に挿通されている。支持部33は、それの外周面33aに全周において摺接するガイド孔37の内周面37aにより支持されている。この支持によりパンチ31の中心軸線Pは、ダイス34とガイド36に挟持される母材11の厚さ方向軸線Aに対してその母材11に形成されている下孔14の中心軸線Oと同じ側に傾斜し、且つ下孔14の中心軸線Oに対して平行となる。すなわち軸線Aに対する中心軸線Pの傾斜角度は軸線Aに対する中心軸線Oの傾斜角度とほぼ同一となる。また、パンチ31の中心軸線P、母材11の厚さ方向軸線A及び下孔14の中心軸線Oを含む仮想平面Lと、加工部32の外周面32aとの二本の交線B,Bは、母材11の厚さ方向軸線Aに対して互いに同じ側に傾斜する。本実施例では、軸線Aに対する交線Bの傾斜角度が上記θと同一に設定され、軸線Aに対する交線Bの傾斜角度が上記θと同一に設定される。パンチ31は、ガイド36による支持部33の案内作用によって中心軸線Pの延伸方向に変位可能である。ダイス34の抜き孔35には、母材11を打ち抜いたパンチ31が摺動可能に挿通される。
パンチ31の加工部32が特許請求の範囲に記載の「テーパパンチ」に相当する。
【0022】
テーパ孔形成装置30を用いてテーパ孔12を形成するには、図1(a)に白抜き矢印で示す如く中心軸線Pに沿って加工部32の先端部を母材11の端面11b側から下孔14に進入させる方向にパンチ31を変位させる。すなわち本実施例では、工程S1のプレス方向とは逆方向となる、母材11の端面11b側から端面11a側に向かうプレス方向にパンチ31を変位させる。パンチ31の変位に伴い加工部32は母材11に打ち込まれる。具体的には、加工部32はまず先端部を下孔14に挿入されると共に下孔14の開口縁部に接触し、さらに外周面32aで下孔14を押し広げる。パンチ31の加工部32が母材11を打ち抜くまで下孔14を押し広げることで、加工部32の外周面32aの形状を補完する形状にテーパ孔12が形成される。すなわち、図3に示すようにテーパ孔12は中心軸線Oの延伸方向において母材11の一端面11aから他端面11bに向かって拡径する円錐孔状に形成される。形成されたテーパ孔12において、中心軸線Oに直交する仮想平面Qと内周面12aとの交線のうち閉曲線は真円形を呈する。尚、本実施例では工程S2のプレス方向を工程S1のプレス方向とは逆方向に設定するため、工程S1において下孔14のプレス方向前側開口縁部にばりが生じても、その開口縁部を加工部32の大径側端部によって押し広げて綺麗に成形できる。
以上説明した工程S2が特許請求の範囲に記載の「テーパ孔形成工程」に相当する。
【0023】
ここで、第一実施例による作用及び効果について図1を参照しつつ説明する。工程S2の実施に際しテーパ孔形成装置30のダイス34とガイド36との間に母材11が配置された状態(以下、母材配置状態という)において、母材11の厚さ方向軸線Aに直交する仮想平面Hを座標面Hと定義する。さらに母材配置状態において、下孔14及びテーパパンチたる加工部32の各中心軸線O,P並びに母材11の厚さ方向軸線Aを含む仮想平面Lと座標面Hとの交線Xを第一座標軸線X、その第一座標軸線Xに座標面H上で直交する線Yを第二座標軸線Yと定義する。
【0024】
第一実施例の母材配置状態では、座標面Hと下孔14の内周面14aとの交線形状、及び座標面Hと加工部32の外周面32aとの交線形状が共に、第一座標軸線Xの延伸方向を長径方向とする楕円形となる。しかし第一実施例では、座標面Hと下孔内周面14aとの交線形状において第一座標軸線Xの延伸方向における径をD、第二座標軸線Yの延伸方向における径をDとし、座標面Hと加工部外周面32aとの交線形状において第一座標軸線Xの延伸方向における径をd、第二座標軸線Yの延伸方向における径をdとしたとき、加工部32の径比d/dが下孔14の径比D/Dよりも小さくなっている。そのため、工程S2におけるパンチプレスの初期には、軸線O,P,Aを含む仮想平面Lの両側において加工部32を下孔14の開口縁部に二点接触させることができる。これにより、支持部33で支持されるパンチ31の加工部32において下孔14の開口縁部から受ける力によって働く曲げモーメントが図17の一点接触の場合に比べて低減するので、パンチ31の折損が確実に防止される。
【0025】
(第二実施例)
図7及び図9は、本発明の第二実施例において使用する下孔形成装置及びテーパ孔形成装置をそれぞれ示している。尚、第一実施例と実質的に同一の構成については、第一実施例と同一符号を付すことで説明を省略する。
【0026】
第二実施例の工程S1では、第一実施例のパンチ21の代わりに図7に示すパンチ41を備えた下孔形成装置20によって下孔14を形成する。パンチ41は、中心軸線Pの延伸方向において実質的に径変化しない円柱状に形成されているが、仮想平面Rとパンチ41の外周面42a,43aとの交線形状は小判形である。但し、その小判形の長径方向は、ダイス24とガイド26に挟持される母材11の厚さ方向軸線A及びパンチ41の中心軸線Pを含む仮想平面Lと仮想平面Rとの交線Uの延伸方向に一致している。パンチ41には、第一実施例の各部22,23に相当する加工部42及び支持部43が設けられている。
【0027】
第一実施例のパンチ21と同様にパンチ41を変位させて加工部42により母材11を打ち抜くことで、加工部42の外周面42aの形状を補完する形状に下孔14が形成される。すなわち、図8に示すように下孔14は中心軸線Oの延伸方向で実質的に径変化しない円柱孔状に形成されるが、下孔14の内周面14aと仮想平面Qとの交線のうち閉曲線の形状は小判形となる。但し、その小判形の長径方向は、下孔14の中心軸線O及び母材11の厚さ方向軸線Aを含む仮想平面Lと仮想平面Qとの交線Sの延伸方向に一致する。
【0028】
このような第二実施例では、図9に示す母材配置状態において座標面Hと下孔14の内周面14aとの交線形状が第一座標軸線Xの延伸方向を長径とする小判形となる。また、座標面Hとパンチ31の加工部外周面32aとの交線形状は、第一座標軸線Xの延伸方向に長径方向が一致し且つ下孔14の径比D/Dよりも径比d/dが小さな楕円形となる。そのため、工程S2におけるパンチプレスの初期には、下孔14及び加工部32の各中心軸線O,Pと母材11の厚さ方向軸線Aとを含む仮想平面Lの両側において加工部32を下孔14の開口縁部に二点接触させることができる。したがって、加工部32に作用する曲げモーメントを低減してパンチ31の折損を防止することができる。
【0029】
(第三実施例)
図10及び図12は、本発明の第三実施例において使用する下孔形成装置及びテーパ孔形成装置をそれぞれ示している。尚、第一実施例と実質的に同一の構成については、第一実施例と同一符号を付すことで説明を省略する。
【0030】
第三実施例の工程S1では、第一実施例のパンチ21の代わりに図10に示すパンチ51を備えた下孔形成装置20によって下孔14を形成する。パンチ51は、中心軸線Pの延伸方向において実質的に径変化しない円柱状に形成されているが、仮想平面Rとパンチ51の外周面52a,53aとの交線形状は真円形となっている。パンチ51には、第一実施例の各部22,23に相当する加工部52及び支持部53が設けられている。
【0031】
第一実施例のパンチ21と同様にパンチ51を変位させて加工部52により母材11を打ち抜くことで、加工部52の外周面52aの形状を補完する形状に下孔14が形成される。すなわち、図11に示すように下孔14は中心軸線Oの延伸方向で実質的に径変化しない円柱孔状に形成されるが、下孔14の内周面14aと仮想平面Qとの交線のうち閉曲線の形状は真円形となる。
【0032】
第三実施例の工程S2では、第一実施例のパンチ31の代わりに図12に示すパンチ61を備えたテーパ孔形成装置30によってテーパ孔12を形成する。パンチ61には、第一実施例の各部32,33に相当する加工部62及び支持部63が設けられている。加工部62は、中心軸線Pの延伸方向において先端部に向かうに従い縮径する円錐台状に形成されているが、仮想平面Rと加工部62の外周面62aとの交線形状は楕円形である。但し、その楕円形の長径方向は、ダイス34とガイド36に挟持される母材11の厚さ方向軸線A及びパンチ61の中心軸線Pを含む仮想平面Lと仮想平面Rとの交線Uに対し仮想平面R上において直交する直交線Vの延伸方向に一致している。加工部62の小径側の先端部は、下孔14の開口よりも大きく形成されている。
本実施例では、パンチ61の加工部62が特許請求の範囲に記載の「テーパパンチ」に相当し、直交線Vが特許請求の範囲に記載の「基準軸線」に相当する。
【0033】
第一実施例のパンチ31と同様にパンチ61を変位させて加工部62により母材11を打ち抜くことで、加工部62の外周面62aの形状を補完する形状にテーパ孔12が形成される。すなわち、図13に示すようにテーパ孔12は母材端面11aから端面11bに向かって拡径する円錐孔状に形成されるが、テーパ孔12の内周面12aと仮想平面Qとの交線のうち閉曲線の形状は楕円形となる。但し、その楕円形の長径方向は、テーパ孔12の中心軸線O及び母材11の厚さ方向軸線Aを含む仮想平面Lと仮想平面Qとの交線Sに対し仮想平面Q上において直交する線Tの延伸方向に一致する。
【0034】
このような第三実施例では、図12に示す母材配置状態において座標面Hと下孔14の内周面14aとの交線形状が第一座標軸線Xの延伸方向を長径とする楕円形となる。また、座標面Hと加工部62の外周面62aとの交線形状は、第二座標軸線Y又は第一座標軸線Xの延伸方向を長径方向とする楕円形並びに真円形のうち、下孔14の径比D/Dよりも径比d/dが小さい円形となる。そのため、工程S2におけるパンチプレスの初期には、下孔14及び加工部62の各中心軸線O,Pと母材11の厚さ方向軸線Aとを含む仮想平面Lの両側において加工部62を下孔14の開口縁部に二点接触させることができる。したがって、加工部62に作用する曲げモーメントを低減してパンチ61の折損を防止することができる。
【0035】
尚、第三実施例の変形例を図14に示すように、パンチ61の加工部外周面62aと仮想平面Rとの交線形状については、仮想平面Lと仮想平面Rとの交線Uの直交線Vの延伸方向を長径方向とする小判形であってもよい。
【0036】
また、例えば図15に示すように、第一実施例のパンチ21又は第二実施例のパンチ41を備えた下孔形成装置20で下孔14を形成した母材11に対し、第三実施例又は上記変形例のパンチ61を備えたテーパ孔形成装置30でテーパ孔12を形成するようにしてもよい。この場合、交線Sが特許請求の範囲に記載の「第一基準軸線」に相当し、直交線Vが特許請求の範囲に記載の「第二基準軸線」に相当する。
【0037】
(第四実施例)
図16は、本発明の第四実施例において使用するテーパ孔形成装置を示している。尚、第一実施例と実質的に同一の構成については、第一実施例と同一符号を付すことで説明を省略する。
【0038】
第四実施例の工程S2で用いる図16のテーパ孔形成装置30においてパンチ31(加工部32)の中心軸線Pは、ダイス34とガイド36に挟持される母材11の厚さ方向軸線Aに対してその母材11に形成されている下孔14の中心軸線Oと同じ側に傾斜するが、その傾斜角度が中心軸線Oの場合と異なっている。すなわち中心軸線Pは、下孔14の中心軸線Oに対しても傾斜する。本実施例において、中心軸線Oに対する中心軸線Pの傾斜方向は、母材11の端面11bに対し中心軸線Pを寝かせる側、すなわち中心軸線Oと母材11の厚さ方向軸線Aとが形成する鋭角側の傾斜角度を増大させる方向に設定されている。
【0039】
第四実施例の母材配置状態では、座標面Hと下孔14の内周面14aとの交線形状、及び座標面Hと加工部32の外周面32aとの交線形状が共に、第一座標軸線Xの延伸方向を長径方向とする楕円形となる。しかし第四実施例では、加工部32の径比d/dが下孔14の径比D/Dよりも小さくなるように、下孔14の中心軸線Oに対する加工部32の中心軸線Pの傾斜角度ψが設定されている。そのため、工程S2におけるパンチプレスの初期には、下孔14及び加工部32の各中心軸線O,Pと母材11の厚さ方向軸線Aとを含む仮想平面Lの両側において加工部32を下孔14の開口縁部に二点接触させることができる。したがって、加工部32に作用する曲げモーメントを低減してパンチ51の折損を防止することができる。
【0040】
尚、下孔14の中心軸線Oに対する加工部32の中心軸線Pの傾斜方向について、母材端面11bに対し中心軸線Pを立たせる側、すなわち中心軸線Oと母材11の厚さ方向軸線Aとが形成する鋭角側の傾斜角度を減少させる方向に設定してもよい。この場合にも、加工部32の径比d/dが下孔14の径比D/Dよりも小さくなるように中心軸線Oに対する中心軸線Pの傾斜角度ψを設定する。
【0041】
また、上述した第二実施例、第三実施例及びその変形例において、パンチ31,61の加工部32,62の中心軸線Pを下孔14の中心軸線Oに対して傾斜させるようにしてもよい。
【0042】
ところで、上記複数の実施例では、燃料を噴射する燃料噴射装置に使用される噴孔部材の製造に本発明を適用した例について説明したが、燃料以外の流体を噴射する噴射装置に用いる噴孔部材の製造に本発明を適用することも可能である。
【0043】
また、上記複数の実施例ではテーパ孔12のみで噴孔を構成したが、テーパ孔12の形成後にテーパ孔12の一部を変形させ、その変形部とテーパ孔12の残部とにより噴孔を構成してもよい。
【0044】
さらに、テーパ孔形成時のプレス方向について、上記複数の実施例では下孔形成時のプレス方向と逆方向に設定したが、下孔形成時のプレス方向に対して同一方向に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例において使用されるテーパ孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb−b線断面図(b)と、(a)におけるc−c線断面図(c)である。
【図2】本発明の第一実施例により製造される噴孔部材を用いた燃料噴射装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第一実施例により製造される噴孔部材を示す断面図(a)と、(a)におけるb−b線断面図(b)である。
【図4】本発明の第一実施例による噴孔部材の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第一実施例により下孔が形成された母材を示す断面図(a)と、(a)におけるb−b線断面図(b)である。
【図6】本発明の第一実施例において使用される下孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb−b線断面図(b)である。
【図7】本発明の第二実施例において使用される下孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb−b線断面図(b)である。
【図8】本発明の第二実施例により下孔が形成された母材を示す断面図(a)と、(a)におけるb−b線断面図(b)である。
【図9】本発明の第二実施例において使用されるテーパ孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb−b線断面図(b)と、(a)におけるc−c線断面図(c)である。
【図10】本発明の第三実施例において使用される下孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb10−b10線断面図(b)である。
【図11】本発明の第三実施例により下孔が形成された母材を示す断面図(a)と、(a)におけるb11−b11線断面図(b)である。
【図12】本発明の第三実施例において使用されるテーパ孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb12−b12線断面図(b)と、(a)におけるc12−c12線断面図(c)である。
【図13】本発明の第三実施例により製造される噴孔部材を示す断面図(a)と、(a)におけるb13−b13線断面図(b)である。
【図14】本発明の第三実施例の変形例において使用されるテーパ孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb14−b14線断面図(b)と、(a)におけるc14−c14線断面図(c)である。
【図15】本発明の第三実施例の変形例において使用されるテーパ孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb15−b15線断面図(b)と、(a)におけるc15−c15線断面図(c)である。
【図16】本発明の第四実施例において使用されるテーパ孔形成装置を示す断面図(a)と、(a)におけるb16−b16線断面図(b)と、(a)におけるc16−c16線断面図(c)である。
【図17】従来のテーパ孔の製造方法について説明するための断面図(a)と、(a)におけるb17−b17線断面図(b)と、(a)におけるc17−c17線断面図(c)である。
【符号の説明】
10 噴孔部材
11a 上流側端面
11b 下流側端面
11 母材
12 噴孔、テーパ孔
12a 内周面
14 下孔
14a 内周面
20 下孔形成装置
21 パンチ
22 加工部
22a 外周面
30 テーパ孔形成装置
31 パンチ
32 加工部(テーパパンチ)
32a 外周面
41 パンチ
42 加工部
42a 外周面
51 パンチ
52 加工部
52a 外周面
61 パンチ
62 加工部(テーパパンチ)
62a 外周面

Claims (8)

  1. 母材の厚さ方向の軸線に対して中心軸線が傾斜し、前記母材の一端面から他端面に向かって拡径するテーパ孔を、噴孔の少なくとも一部として備えた噴孔部材を製造する方法であって、
    前記母材の厚さ方向の軸線に対して中心軸線が傾斜し、その中心軸線の延伸方向において実質的に径変化しない下孔を、パンチプレスにより前記母材に形成する下孔形成工程と、
    先端部に向かうに従い縮径するテーパパンチを使用し、前記母材の厚さ方向の軸線に対して前記下孔の中心軸線と同じ側に中心軸線を傾斜させた状態で先端部から前記下孔に進入させた前記テーパパンチにより、前記下孔を押し広げて前記母材に前記テーパ孔を形成するテーパ孔形成工程とを含み、
    前記下孔の中心軸線に直交する仮想平面を第一基準面、前記テーパパンチの中心軸線に直交する仮想平面を第二基準面とし、
    且つ前記下孔の中心軸線及び前記母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と前記第一基準面との交線を基準軸線としたとき、
    前記第一基準面と前記下孔の内周面との交線形状は、前記基準軸線の延伸方向を長径方向とする楕円形又は小判形であり、
    前記第二基準面と前記テーパパンチの外周面との交線形状は真円形であることを特徴とする噴孔部材の製造方法。
  2. 母材の厚さ方向の軸線に対して中心軸線が傾斜し、前記母材の一端面から他端面に向かって拡径するテーパ孔を、噴孔の少なくとも一部として備えた噴孔部材を製造する方法であって、
    前記母材の厚さ方向の軸線に対して中心軸線が傾斜し、その中心軸線の延伸方向において実質的に径変化しない下孔を、パンチプレスにより前記母材に形成する下孔形成工程と、
    先端部に向かうに従い縮径するテーパパンチを使用し、前記母材の厚さ方向の軸線に対して前記下孔の中心軸線と同じ側に中心軸線を傾斜させた状態で先端部から前記下孔に進入させた前記テーパパンチにより、前記下孔を押し広げて前記母材に前記テーパ孔を形成するテーパ孔形成工程とを含み、
    前記下孔の中心軸線に直交する仮想平面を第一基準面、前記テーパパンチの中心軸線に直交する仮想平面を第二基準面とし、
    且つ前記テーパパンチの中心軸線及び前記母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と前記第二基準面との交線に前記第二基準面上において直交する線を基準軸線としたとき、
    前記第一基準面と前記下孔の内周面との交線形状は真円形であり、
    前記第二基準面と前記テーパパンチの外周面との交線形状は、前記基準軸線の延伸方向を長径方向とする楕円形又は小判形であることを特徴とする噴孔部材の製造方法。
  3. 母材の厚さ方向の軸線に対して中心軸線が傾斜し、前記母材の一端面から他端面に向かって拡径するテーパ孔を、噴孔の少なくとも一部として備えた噴孔部材を製造する方法であって、
    前記母材の厚さ方向の軸線に対して中心軸線が傾斜し、その中心軸線の延伸方向において実質的に径変化しない下孔を、パンチプレスにより前記母材に形成する下孔形成工程と、
    先端部に向かうに従い縮径するテーパパンチを使用し、前記母材の厚さ方向の軸線に対して前記下孔の中心軸線と同じ側に中心軸線を傾斜させた状態で先端部から前記下孔に進入させた前記テーパパンチにより、前記下孔を押し広げて前記母材に前記テーパ孔を形成するテーパ孔形成工程とを含み、
    前記下孔の中心軸線に直交する仮想平面を第一基準面、前記テーパパンチの中心軸線に直交する仮想平面を第二基準面とし、
    且つ前記下孔の中心軸線及び前記母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と前記第一基準面との交線を第一基準軸線、前記テーパパンチの中心軸線及び前記母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と前記第二基準面との交線に前記第二基準面上において直交する線を第二基準軸線としたとき、
    前記第一基準面と前記下孔の内周面との交線形状は、前記第一基準線の延伸方向を長径方向とする楕円形又は小判形であり、
    前記第二基準面と前記テーパパンチの外周面との交線形状は、前記第二基準軸線の延伸方向を長径方向とする楕円形又は小判形であることを特徴とする噴孔部材の製造方法。
  4. 前記下孔を形成するパンチ及び前記テーパパンチは、各々の中心軸線が前記母材の厚さ方向の軸線に対して互いにほぼ同一角度で傾斜した状態で前記母材に打ち込まれることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の噴孔部材の製造方法。
  5. 前記下孔を形成するパンチ及び前記テーパパンチは、各々の中心軸線が前記母材の厚さ方向の軸線に対して互いに異なる角度で傾斜した状態で前記母材に打ち込まれることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の噴孔部材の製造方法。
  6. 前記母材の厚さ方向の軸線に直交する仮想平面を座標面とし、
    且つ前記下孔及び前記テーパパンチの各中心軸線並びに前記母材の厚さ方向の軸線を含む仮想平面と前記座標面との交線を第一座標軸線、前記座標面上において前記第一座標軸線に直交する線を第二座標軸線とし、
    且つ前記座標面と前記下孔の内周面との交線形状において前記第一座標軸線の延伸方向における径をD、前記第二座標軸線の延伸方向における径をDとし、且つ前記座標面と前記テーパパンチの外周面との交線形状において前記第一座標軸線の延伸方向における径をd、前記第二座標軸線の延伸方向における径をdとしたとき、
    前記テーパパンチの径比d/dは前記下孔の径比D/Dよりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の噴孔部材の製造方法。
  7. 前記テーパ孔形成工程において、前記下孔形成工程のプレス方向とは逆方向に前記テーパパンチを前記下孔に進入させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の噴孔部材の製造方法。
  8. 前記テーパ孔は、前記噴孔において上流側端部から下流側端部に向かって拡径する部分を構成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の噴孔部材の製造方法。
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