JP2007192025A - 内燃機関の燃料噴射装置およびスピンドルガイドの製造方法 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置およびスピンドルガイドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スピンドルガイドを補修することにより長期にわたって繰り返し再利用可能となり、メンテナンスコストを低減する。
【解決手段】スピンドルガイド1を、スピンドル36にスライド自在に外嵌された本体部11と、弁座シート3および弁穴2を有し圧力室10を形成する弁形成部12とで構成し、本体部11が表面硬化層を有する金属材料により形成されるとともに、弁形成部12が芯部まで硬化されて本体部11と異なる金属材料により形成され、本体部11と弁形成部12とが、分離面13の凹部と凸部とを冷やし嵌めして一体化された。回収されたスピンドルガイドの弁座シートを研磨して補修し再利用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の燃料噴射装置およびスピンドルガイドの製造方法に関する。
従来の内燃機関の燃料噴射装置は、たとえば特許文献1に示されるように、押しばねにより先端側に付勢されたスピンドルが、スピンドルガイドにスライド自在に内嵌されており、スピンドルの先端部にニードル弁体が設けられている。そしてスピンドルガイドの先端部内には、圧力室が形成されるとともに、圧力室と噴射ノズルとを接続する弁穴が形成され、さらに圧力室内の弁穴の周囲に弁座シートが形成されている。そしてこの圧力室内でスピンドルにより出退されるニードル弁体が弁座シートに当接・離間されて弁穴が開閉される。
特許第3301616号公報
上記従来構成では、噴射工程において、燃料がスピンドルの給油穴から圧力室に供給されると、燃料の圧力により、押しばねに抗してスピンドルが押し戻され、ニードル弁体が弁座シートから離れて弁穴が開放される。これにより燃料が噴射ノズルに供給されて燃焼室内に噴射される。この噴射工程が繰り返されニードル弁体が当接、離間されることから、スピンドルガイドの弁座シート部分の耐磨耗性が重要視され、スピンドルガイドはたとえば窒化処理や熱処理(浸炭肌焼入れ、焼もどし)により表面硬化層が形成されていた。上記窒化処理では表面から約0.5mmの深さの表面硬化層が形成され、また浸炭肌焼入れ、焼もどしでは表面から約1.5mmの深さの表面硬化層が形成される。
しかし、上記燃料噴射装置をたとえば舶用内燃機関であるディーゼルエンジンに採用した場合、従来では、スピンドルガイドの弁座シートが、1000〜3000時間(約40日〜125日前後)で損耗(へたり、硬化層の剥離)が見られ、スピンドルガイドを新しいものと交換していた。
そして、回収されたスピンドルガイドは、補修のために研磨すると表面硬化層が無くなるため、再利用することができず、廃棄処分されていた。このため、スピンドルガイドが高価で寿命が短いという問題があった。
このスピンドルガイドを、熱処理により芯部まで硬化可能な金属材料を使用して製作することも考えられるが、金属材料が高価で高コストになるという問題がある。
本発明は上記問題点を解決して、補修することによりスピンドルガイドが長期にわたって繰り返し再利用可能となり、メンテナンスコストを低減できる内燃機関の燃料噴射装置およびスピンドルガイドの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、付勢部材により先端側に付勢されたスピンドルと、当該スピンドルにその軸心方向にスライド自在に外嵌されたスピンドルガイドと、前記スピンドルガイドの先端部に形成された圧力室に弁穴を介して接続された噴射ノズルと、前記スピンドルガイドの弁穴の周囲に形成されて当該スピンドル先端部の弁体部が当接される弁座シートとを具備し、前記スピンドルの給油穴から供給される燃料を前記スピンドルガイドの前記圧力室から前記弁穴を介して前記噴射ノズルに供給し燃焼室に噴射する内燃機関の燃料噴射装置において、前記スピンドルガイドを、前記スピンドルにスライド自在に嵌合されるスライド穴を有する本体部と、前記弁座シートおよび前記弁穴を有し前記圧力室を形成する弁形成部とで構成し、前記本体部および前記弁形成部は金属材料により形成されるとともに、前記本体部は表面硬化処理により表面硬化層が形成され、前記弁形成部は熱処理により芯部まで硬化されたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、本体部と弁形成部とはスピンドルの軸心と直交する分離面を介して分離され、前記本体部と前記弁形成部の分離面の一方に凹部を形成するとともに、他方に凸部を形成し、前記凹部に前記凸部とを冷やしばめにより接合してスピンドルガイドを一体化したものである。
請求項3記載の発明は、本体部の金属材料は、窒化鋼または肌焼き鋼が使用され、弁形成部の金属材料は、高速度鋼または合金工具鋼が使用されたものである。
請求項4記載の内燃機関の燃料噴射装置におけるスピンドルガイドの製造方法は、請求項2記載の内燃機関の燃料噴射装置のスピンドルガイドを製造するに際し、表面処理または熱処理により表面硬化層が形成された本体部と、熱処理により芯部まで硬化された弁形成部とを、分離面に形成された凹部と凸部とを冷やしばめにより一体接合した後、前記スライド穴を基準として弁座シートを研磨し芯出しして仕上げ加工するものである。
請求項1記載の発明によれば、圧力室への燃料供給圧と付勢部材とにより繰り返し出退されるスピンドルにより、その先端部に設けられた弁体部が当接、離間を繰り返して、損耗の激しい弁座シートを有するスピンドルガイドを、スピンドルに外嵌された本体部と、弁座シートおよび弁穴を有する弁形成部とで構成するとともに、本体部と弁形成部を異種の金属材料により形成し、本体部に表面硬化層を形成し、弁形成部を芯部まで硬化するように構成したので、弁座シートが損耗して回収されたスピンドルガイドを、弁座シートを研磨補修することで再利用することができる。この再利用回数は、弁座シート部分の厚みが強度的に耐えられなくなるまで可能で、また弁座シート部分の厚みが薄くなった場合には、弁形成部のみを交換することにより、再利用することができる。これにより、短期間で交換回収され廃棄されていたスピンドルガイドを、長期間にわたって何度でも再利用することができ、メンテナンスコストを大幅に低減することができる。
請求項2記載の発明によれば、スピンドルガイドの本体部と弁形成部とを、分離面に形成された凹部と凸部とを冷やしばめにより一体接合するので、高温に晒されるスピンドルガイドを強固に接合することができる。
請求項3記載の発明によれば、本体部を安価な窒化鋼または肌焼き鋼により形成して表面硬化層を形成し、弁形成部を高価な高速度鋼または合金工具鋼により形成して芯部まで硬化することで、スピンドルガイドを安価で提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、スピンドルガイドの本体部と弁形成部とを、分離面の凹部と凸部を冷やしばめにより接合し、さらにスライド穴を基準として弁座シートを研磨仕上げすることで、高精度で十分な耐磨耗性を有しかつ再利用可能なスピンドルガイドを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3に示すように、この燃料噴射装置21は、たとえば舶用ディーゼル機関の2サイクルのクロスヘッド用エンジンに使用されるもので、取付フランジ22aを有する弁頭部22と、この弁頭部22から先端側に伸びて噴射ノズル23を保持する外側ハウジング24とを具備し、弁頭部22から外側ハウジング24の基端側内に、低圧の燃料油を排出する排出弁26が設けられ、また外側ハウジング24の先端側内に噴射弁30が設けられている。そして弁頭部22から外側ハウジング24、噴射ノズル23に軸心部に沿って燃料供給通路25が形成され、この燃料供給通路25に排出弁26と噴射弁30がそれぞれ介在されている。
前記外側ハウジング24内で、排出弁26の弁穴26aを有する弁ハウジング27の前部に、燃料供給穴31aが軸心部に形成されたスラストスピンドル31が配置されており、このスラストスピンドル31の先端側に加圧筒33と加圧ピース34とが軸心方向にスライド自在に外嵌されている。そして、スラストスピンドル31の基端側に突設された鍔部31bと加圧筒33の鍔部との間でスラストスピンドル31に押しばね(付勢部材)32が遊嵌されている。さらにスラストスピンドル31の先端側にスラストピース35を介してスピンドル36が配置されている。前記スラストピース35には、先端筒部35bが形成されるとともに、給油連通穴35aが軸心部に形成されている。そしてスラストピース35の先端筒部35bに、スピンドル36が接続穴部36aを介してスライド自在に外嵌されており、このスピンドル36は押しばね32により加圧筒33および加圧ピース34を介して先端側に付勢されている。41は鍔部31bと押しばね32との間に介装された調整用シムである。
図1に示すように、スピンドル36は、基端側から大径接続部36dとテーパ部36fと小径のスライド筒部36eとが形成され、軸心部には、大径接続部36d内に形成された接続穴部36aと、スライド筒部36e内に形成された給油穴36bと、スピンドル36の先端部に傾斜拡開方向に形成された複数の吐出穴36cとが連通して形成されている。またスピンドル36の先端部にニードル弁体(弁体部)37が突設され、このニードル弁体37の外周部に前記吐出穴36cが開口されている。スピンドル36に外嵌されたスピンドルガイド1は先端面が閉じられた円筒形で、基端部がスラストピース35に支持され、先端部内に圧力室10が形成されている。またスピンドルガイド1の先端部には、前記ニードル弁体37により開閉される弁穴2が軸心位置に形成され、この弁穴2の内面周囲にニードル弁体37の円錐状の当接面が当接、離間する弁座シート3が形成されている。前記噴射弁30は、ニードル弁体37を有するスピンドル36と、弁穴2および弁座シート3を有し圧力室10を形成するスピンドルガイド1とにより構成される。
上記構成において、噴射工程になると、所定圧の燃料が燃料供給通路25に供給され、排出弁26を通過してスラストスピンドル31の燃料供給穴31aから給油連通穴35a、給油穴36bおよび吐出穴36cを介して圧力室10に流入される。圧力室10では、燃料の圧力により、押しばね32に抗してスピンドル36がストロークdの範囲で押し上げられ、ニードル弁体37が弁座シート3から後退離間されて弁穴2が開放される。これにより、燃料が弁穴2から噴射ノズル23に流入されて燃焼室(図示せず)に噴射される。噴射工程が終わり燃料油の圧力が減少されると、押しばね32の作用によりスピンドル36が押し下げられ、ニードル弁体37が弁座シート3に当接して弁穴2が閉じられる。このように燃料の噴射ごとに、燃料の圧力と押しばね32の作用とによりスピンドル36の出退が繰り返され、ニードル弁体37と弁座シート3の当接、離間動作が繰り返される。
本発明に係るスピンドルガイド1は、上述したように燃料の噴射ごとにニードル弁体37と弁座シート3との当接、離間動作が繰り返されて噴射弁30が開閉されることから、弁座シート3が磨耗、損傷してキャビテーションや燃焼不良などが発生する。これに対処するために損耗したスピンドルガイド1が新しいスピンドルガイド1に交換される。本発明では、回収されたスピンドルガイド1を再利用可能なように構成したものである。
すなわち、図1,図2に示すように、スピンドルガイド1は、基端大径部4と、先窄まり状のテーパ部5と、噴射ノズル23の基端部に当接される湾曲凸状の接続面部6とを有し、また軸心部には基端側から順に、基端大径部4内でスピンドル36の大径接続部36dが遊嵌される嵌合穴7と、テーパ部5の内側でスピンドル36のスライド筒部36eがスライド自在に嵌合されるスライド穴8と、テーパ部5の先端側内で圧力室10を形成する圧力室形成部9と、弁座シート3と、弁穴2とが形成されている。また圧力室形成部9は、基端側からスライド穴8より少し内径が大きい平行穴部9aと、平行穴部9aから先端側ほど縮径されたテーパ穴部9bと、テーパ穴9bの先端から縮径された段部9cにより形成されている。また弁座シート3は、ニードル弁体37のテーパ状開閉面に対応して、段部9cの内径縁部から先端側ほど縮径された円錐状のテーパ面に形成され、先端部が弁穴2に接続される。
このスピンドルガイド1は、嵌合穴7とスライド穴8とを有する本体部11と、圧力室形成部9、弁座シート3および弁穴2を有する弁形成部12とで構成されている。そして本体部11は、表面硬化層を有する金属材料により形成され、また弁形成部12は、芯部まで硬化された金属材料により形成され、本体部11と弁形成部12とは異種の金属材料により形成されているが、表面硬化処理により表面硬化層が形成でき、かつ熱処理により芯部まで硬化できれば、同種の金属材料であってもよい。
前記本体部11と弁形成部12とは、圧力室形成部9の平行穴部9aの基端側近傍で、スピンドル36の軸心と直交する分離面13を介して一体に接続されている。これは、スライド穴8の部分に分離面を形成した場合、分離面に段差が生じるとスピンドル36の出退に支障が生じ、その仕上げ研磨に多大な労力が必要になるためであり、またテーパ穴部9bに分離面を形成すると、弁形成部12の軸心方向の長さが短くなりすぎて、加工や治工具の製作が困難になり、また傾斜部分の接合が難しくなるためである。
前記分離面13には、本体部11側で平行穴部9aの周囲に突出された環状部により円径の凹部13aが形成され、また弁形成部12側に前記凹部13aに嵌合される円径の凸部13bが形成されている。そして前記凸部13bの外径が凹部13aの内径より僅かに大きく形成されて冷やしばめにより嵌合されスピンドルガイド1が一体に接合されている。なお、本体部11側に凸部13bを、弁形成部12側に凹部13aを形成することもできるが、後述する本体部11と弁形成部12の金属材料のうち、熱膨張係数の小さい側を凹部に、大きい側を凸部にするほうが望ましい。
本体部11の金属材料として、鋼にたとえばアルミニウム、クロム、モリブデンなどを含有し、窒化処理(表面硬化処理)により厚みが約0.5mm程度の表面硬化層を形成可能な窒化鋼(たとえばSACM645)や、低炭素鋼および低炭素合金鋼を熱処理(表面硬化処理)により浸炭焼入れ、焼もどしして厚みが約1.5mm程度の表面硬化層を形成可能な肌焼き鋼(たとえばSCM415)、浸炭焼入れ、焼もどしして厚みが約1.5mm程度の表面硬化層を形成可能な機械構造用のクロムモリブデン強じん鋼(たとえばSCM420)などが使用される。
また弁形成部12の金属材料として、高温下での耐磨耗性を高めるために鋼にクロム、モリブデン、タングステン、バナジウムなどの金属を多く添加し、焼もどし抵抗性が高く、焼き入れ・焼もどしなどの熱処理により芯部まで硬化可能な高速度鋼(たとえばSKH2)や、鋼にマンガン、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウムなどの金属を1種以上添加し、焼き入れ、焼もどしなどの熱処理により芯部まで硬化可能な合金工具鋼(たとえば耐磨耗不変形用のSKD11や耐衝撃用SKS4など)などが使用される。
次にスピンドルガイド1の製造方法を説明する。まず、切削などの機械加工などにより本体部11を形成し、窒化処理または浸炭焼入れ・焼もどしなどの処理により表面硬化層を形成し、研磨により仕上げを行う。この時に基準穴となるスライド穴8が高精度で仕上げられる。また切削などの機械加工などにより弁形成部12を形成し、焼き入れ、焼き戻しにより芯部まで硬化を行い、さらに研磨仕上げされる。
弁形成部12の金属材料がたとえば高速度鋼の場合、弁シート部3に研磨仕上げ用厚みを残して機械仕上げ加工を施した後、熱処理工程において、処理炉により約1260〜1300℃で油焼き入れし、次に約550〜580℃で焼きもどし(空冷)を行う。この焼きもどし時に完全にマルテンサイト組織にならずに残った残留オーステナイトとマルテンサイト化によって生じる内部歪を除去する目的で、再度繰り返し焼きもどしを施す。
これにより強靭な硬さを芯部まで確保した弁形成部12を製造することができ、たとえば燃焼ガスが逆流して通常の使用温度である150℃以上に(約280℃まで)上昇しても、弁座シート3の硬度が低下することがない。ここで、通常の浸炭焼き入れ・焼もどしの場合では、焼もどし温度が175から180℃程度のため、この温度以上では硬度が低下する。
次いで、本体部11の分離面13の凹部13aに、弁形成部12の凸部13bが冷やしばめにより嵌合され、スピンドルガイド1が一体に接合される。
さらに研磨機により、スピンドルガイド1のスライド穴8を基準穴として、まず弁穴2を同一軸心上に芯出し加工する。次いで、図4に示すように、研磨機の回転振動台Aの自動芯出しチャックBに、スライド穴8を基準穴としてスピンドルガイド1を把持させ、スライド穴8と同一外径に形成されて先端部に砥石Dを有する研磨スピンドルCを嵌合穴7から挿入し、砥石Dにより弁座シート3の研磨仕上げを行う。この研磨時には、回転振動台Aが矢印y方向に0.1mmのストロークで振動されるとともにチャックBを介してスピンドルガイド1が時計周りに回転され、研磨スピンドルCが反時計周りに回転されつつ、軸心に沿う矢印x方向に0.2mmのストロークで振動されており、これにより、砥石Dの研磨面と弁座シート3との線接触を繰り返し行い、芯出しを行いながら研磨される。
弁座シート3の損耗や硬化層の剥離などにより交換され回収されたスピンドルガイド1は、ホーニング盤により補修される。図5に示すように、スライド穴8を基準穴として、チャックEにスピンドルガイド1を芯出しして把持し、手動により、嵌合穴7から回転軸心方向に沿ってスライド穴8と同一外径に形成された研磨スピンドルFをスライド穴8に挿入し、その先端部に設けられた砥石Gにより弁座シート3を研磨し補修する。なお、ここで補修により弁座シート3が研磨されて先端側に変位するが、この変位量は、押しばね32と鍔部31bとの間に介装された調整用シム41の厚みを変更して調整される。
従来の弁座シートの表面硬化層では、硬度がHv700〜772の厚みが約0.2mm程度であり、0.2mm以上の研磨を行うと弁座シートの硬度が低下して使用できなくなったが、上記実施の形態では、弁座シート3を有する弁形成部12全体が芯部まで高硬度であるので、何度でも研磨して補修可能となり、弁座シート3部分の厚みが使用に耐える強度以下になるまで、繰り返して再利用することができる。また弁座シート3部分の厚みが小さくなった場合には、本体部11から弁形成部12を取り外し、新しい弁形成部12を本体部11に冷やしばめにより装着することにより再利用することができ、弁形成部12のみの交換で済む。
上記実施の形態によれば、圧力室10に供給される燃料の圧力と押しばね32の作用によりスピンドル36が繰り返し出退されて、スピンドル36のニードル弁体37が当接する弁座シート3が損耗した場合、従来では弁座シートを含むスピンドルガイドを交換し、回収したスピンドルガイドは廃棄していたが、本発明では、スピンドルガイド1を、表面硬化層を有する本体部11と、本体部11と異なる金属材料により形成されて芯部まで硬化された弁形成部12とで構成し、回収されたスピンドルガイド1を、弁形成部12に形成された弁座シート3を研磨して補修することで、再利用可能となる。この再利用回数は、弁座シート3部分の材料強度が十分に得られる厚みの範囲で補修可能であり、また弁座シート3部分の厚みが薄くなっても、弁形成部12のみを交換することにより、再利用が可能となる。これにより、短期間で交換回収され廃棄されていたスピンドルガイド1を、補修して長期間にわたって何度でも再利用することができ、メンテナンスコストを大幅に低減することができる。
またスピンドルガイド1の本体部11と弁形成部12とを分離面13で分離するとともに、分離面13に形成された凹部13aと凸部13bとを冷やしばめにより接合するので、高温に晒されるスピンドルガイド1を強固に接合して一体化することができる。
さらに体積の大きい本体部11を安価な窒化鋼または肌焼き鋼を使用し、体積の小さい弁形成部12を高価な高速度鋼または合金工具鋼を使用することで、部品コストを削減することができる。
さらにまた、スピンドルガイド1の製造時に、スピンドルガイド1の本体部11と弁形成部12とを、分離面13の凹部13aと凸部13bを冷やしばめにより接合し、さらにスライド穴8を基準として弁座シート3を研磨仕上げすることで、高精度で芯出しできて十分な耐磨耗性を有しかつ再利用可能なスピンドルガイド1を容易に製造することができる。
本発明に係るディーゼル機関の燃料噴射装置の実施の形態を示し、先端部分の縦断面図である。 同燃料噴射装置のスピンドルガイドを示す全体縦断面図である。 同燃料噴射装置の全体縦断面図である。 同スピンドルガイドの製造方法を示す説明図である。 同スピンドルガイドの補修方法を示す説明図である。
符号の説明
1 スピンドルガイド
2 弁穴
3 弁座シート
4 基端大径部
5 テーパ部
6 接続面部
7 嵌合穴
8 スライド穴
9 圧力室形成部
9a 平行穴部
10 圧力室
11 本体部
12 弁形成部
13 分離面
13a 凹部
13b 凸部
21 燃料噴射装置
22 弁頭部
23 噴射ノズル
24 外側ハウジング
25 燃料供給通路
26 排出弁
30 噴射弁
31 スラストスピンドル
32 押しばね
33 加圧筒
34 加圧ピース
35 スラストピース
36 スピンドル
36a 接続用穴部
36b 給油穴
36c 吐出穴
37 ニードル弁体
41 調整用シム

Claims (4)

  1. 付勢部材により先端側に付勢されたスピンドルと、当該スピンドルにその軸心方向にスライド自在に外嵌されたスピンドルガイドと、前記スピンドルガイドの先端部に形成された圧力室に弁穴を介して接続された噴射ノズルと、前記スピンドルガイドの弁穴の周囲に形成されて当該スピンドル先端部の弁体部が当接される弁座シートとを具備し、前記スピンドルの給油穴から供給される燃料を前記スピンドルガイドの前記圧力室から前記弁穴を介して前記噴射ノズルに供給し燃焼室に噴射する内燃機関の燃料噴射装置において、
    前記スピンドルガイドを、前記スピンドルにスライド自在に嵌合されるスライド穴を有する本体部と、前記弁座シートおよび前記弁穴を有し前記圧力室を形成する弁形成部とで構成し、
    前記本体部および前記弁形成部は金属材料により形成されるとともに、前記本体部は表面硬化処理により表面硬化層が形成され、前記弁形成部は熱処理により芯部まで硬化された
    内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 本体部と弁形成部とはスピンドルの軸心と直交する分離面を介して分離され、
    前記本体部と前記弁形成部の分離面の一方に凹部が形成されるとともに、他方に凸部が形成され、前記凹部に前記凸部が冷やしばめにより嵌合されてスピンドルガイドが一体化された
    請求項1記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 本体部の金属材料は、窒化鋼または肌焼き鋼が使用され、
    弁形成部の金属材料は、高速度鋼または合金工具鋼が使用された
    請求項1または2記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 請求項2記載の内燃機関の燃料噴射装置のスピンドルガイドを製造するに際し、
    表面処理または熱処理により表面硬化層が形成された本体部と、熱処理により芯部まで硬化された弁形成部とを、分離面に形成された凹部と凸部とを冷やしばめして一体接合した後、前記スライド穴を基準として弁座シートを研磨し芯出しして仕上げ加工する
    内燃機関の燃料噴射装置におけるスピンドルガイドの製造方法。
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