JP4594294B2 - 一体化した反射体及びヒートシンクを有する前照灯アセンブリ - Google Patents

Description

本発明は、一般的には自動車のための前照灯アセンブリに関する。より具体的には、本発明は、伝導性ヒートシンクを通じて光源から前照灯アセンブリの外部へ熱を伝導することによる前照灯アセンブリの冷却に関する。

前照灯アセンブリは、前照灯チャンバ内に位置決めされて電源と電気的に接続された白熱ランプ、発光ダイオード（ＬＥＤ）、又は高輝度放電（ＨＩＤ）ランプのような光源を有する。前照灯チャンバは、典型的には、光源の前方に位置する透明又は半透明レンズ、及び光源の後方に位置する及び／又はそれを取り囲む反射体によって形成される。ここで使用されるように、前方及び後方という用語は、光源の位置、及び光源からの光が照らすように意図した区域の方向に関して参照される。すなわち、アセンブリからの光は、アセンブリの前方区域を照らすことを意図している。

前照灯アセンブリの作動サイクル中に、光源及びランプの他の構成要素は、「オン」の間は発熱して「オフ」の間は冷え、チャンバに温度変動を生じさせ、内部の空気を膨張及び収縮させる。比較的一定のチャンバ圧を維持するために、チャンバは、典型的には、チャンバと周囲空気の間の空気交換を許す少なくとも１つの開口部を含む。しかし、ダスト及び屑(debris)のような汚染物質がチャンバに入るのを防止するために、開口部は、比較的小さく、典型的には通気性膜で覆われている。
ランプアセンブリ内のＬＥＤのようなより新しい光源及びそれらの電気的構成要素の最適性能を達成するために、ランプアセンブリの内部温度をこれらの光源及び構成要素の最高作動温度よりも低く維持することが望ましい。従って、チャンバとそこに位置するＬＥＤを冷却する機構を前照灯アセンブリに設けることが有利である。

前照灯アセンブリはまた、典型的に車両上のエンジン室に隣接した場所に位置する。エンジン室内の温度は、多くの場合にエンジン室の外部の温度（周囲温度）よりもかなり高い。例えば、車両の運転中に、エンジン及びエンジン冷却システムのような様々な構成要素は、エンジン室内に熱を放出する。別の例として、車両の使用及び非使用の期間中に、エンジン室内に捕捉された空気は、太陽エネルギによって加熱される場合がある。従って、チャンバ及びそこに位置する光源をエンジン室の比較的高い温度から隔離する機構を前照灯アセンブリに設けることが有利である。

以上に鑑みて、アセンブリの内部構成要素を実質的に冷却し、一方で内側チャンバと大気の間の空気の交換を最小にし、かつ一方でエンジン室及びこれに付随する比較的高い温度から内側チャンバを隔離する機構を有する前照灯アセンブリを有することが有益である。

上述の限界及び他の欠点を克服するために、協働して大気からほぼ流体的に隔離された内側チャンバを少なくとも部分的に形成するレンズ及びハウジングを含む自動車のための前照灯アセンブリを提供する。基部が、内側チャンバ内に装着され、基部上には、反射体と同じように光源が装着される。反射体は、レンズを通して光源からの光を前方に反射するようになった部分と、ヒートシンクを形成する部分とを含む。

１つの態様では、反射体は、マグネシウム合金、アルミニウム合金、及び亜鉛合金を含む群から選択された合金から作られた単体構成要素であり、鋳造によって形成される。とりわけ、そのような合金は、マグネシウム合金、アルミニウム合金、及び亜鉛合金を含む。
別の態様では、反射体は、チキソトロピック合金から作られた単体構成要素である。とりわけ、そのような合金は、マグネシウム合金、アルミニウム合金を含む。

更に別の態様では、反射体は、半固体金属射出成形法によって形成される。
更に別の態様では、光源からの光を反射するようになった反射体の部分は、反射性仕上げまで研磨される。
更に別の態様では、光源からの光を反射する反射体の部分は、反射アルミニウム被覆で蒸着される。
本発明の更なる目的、特徴、及び利点は、本明細書に添付されてその一部を成す図面及び特許請求の範囲を参照して以下の説明を精査した後に、当業者には容易に明らかになるであろう。

図１及び２を参照すると、本発明の原理を具体化した自動車のための前照灯アセンブリがそこに示されており、全体的に１０で指定されている。前照灯アセンブリ１０は、レンズ１２とハウジング１４を含み、これらは協働して、大気からほぼ流体的に隔離された内側チャンバ１６を少なくとも部分的に形成する。ハウジング１４は、好ましくは不透明であり、レンズ１２は、ポリカーボネートを含むガラス又はプラスチックのような透明又は半透明プラスチック材料で形成されることが好ましい。

ハウジング１４の内面１９に対して内側チャンバ１６内に一連の基部１８が装着される。図２及び３を参照すると、光源２０は、内側チャンバ１６内で基部１８上に従来方式で装着される。一体化された反射体２２も基部１８上に装着され、反射面２４を有する反射部分２３を形成する部分と、基部１８と接触したヒートシンク２６を形成する部分とを含む。反射面２４は、光源２０からの光をレンズ１２を通して前方へ反射するようになっており、光源２０からの光線を望ましい特性を有する光束へと集束させ、光線をレンズ１２を通してアセンブリ１０の前方へ向ける。以下で明らかになるように、ヒートシンク２６は、光源２０から熱を伝導して除くようになっている。

反射体２２は、金属で作られるか、又はマグネシウム合金、アルミニウム合金、及び亜鉛合金のような合金で作られた単体構成要素であることが好ましい。反射体２２は、単体構成要素を作るのに適する鋳造又は他の工程で作ることができる。反射体２２を作るための１つの好ましい方法は、半固体金属射出成形法（ＳＳＭＩＭ）である。ＳＳＭＩＭ工程は、ネットシェイプに近い部品を生成し、それによって部品の仕上げの量を低減して品質を改善するので、この用途のためには特に有利である。ＳＳＭＩＭは、寸法安定性と、低い空隙率と、収縮、残留応力、及び構成要素歪みが低減した厳密な公差とを有する部品をもたらし、それによって極めて薄い壁厚を有する部品を製造するのにＳＳＭＩＭを理想的にしている。
反射面２４は、反射仕上げ程度まで研磨することができ、又は蒸着のような処理により反射コーティングを付加することもできる。そのような場合には、反射コーティングは、アルミニウムコーティング又は他のあらゆる適切な反射コーティングとすることができる。

ハウジング１４とレンズ１２は、内側チャンバ１６が大気から実質的に密封されるように互いに連結されている。しかし、内側チャンバ１６は、加圧通気孔（図示せず）を備えており、これは、比較的少量の空気流が内側チャンバ１６に出入りすることを可能にし、チャンバ１６内の温度変化中の空気圧変動に対処するものである。
光源２０は、好ましくは発光ダイオード（ＬＥＤ）である。光源２０は、以後単に「ＬＥＤ２０」と表記するが、電子制御装置及びＬＥＤ２０のための接続部を含むプリント回路基板（ＰＣＢ）２８に取り付けられる。ＬＥＤ２０及びＰＣＢ２８は、一緒に内側チャンバ１６内の基部１８上に装着される。ＬＥＤ２０及びＰＣＢ２８は、好ましくは、熱伝導性接着剤を用いて基部１８上に装着される。

図１及び２に示すように、ＬＥＤ２０をその上に装着した一連の基部１８（ただ例示の目的で８個を示している）は、前照灯アセンブリ１０の内側チャンバ１６内に位置決めされる。以下で認められるように、ＬＥＤ２０の個数及び配置は、それらが最終的に使用される特定用途の要件に依存することになる。
図２を参照すると、反射体２２のヒートシンク２６部分は、ハウジングを通って延びて周囲空気に露出されたヒートシンクフィン３０を含み、更に後述するように、ヒートシンクフィン３０は、内側チャンバ１６の外側に内側チャンバ１６からの熱を伝導している。

前照灯アセンブリ１０の作動中に、ＬＥＤ２０は、熱を発生して内側チャンバ１６内に位置する空気、構成要素、及び構造体の温度の上昇を引き起こす。しかし、ＬＥＤ２０及び／又は他の電子的構成要素は、それらの最高作動温度を超えると、性能が低下するか又は故障する場合がある。これらの構成要素及びチャンバ１６の温度を下げるために、ＬＥＤ２０は、基部１８上に装着され、基部は、反射体２２上に装着されている。従って、ＬＥＤ２０からの熱は、基部１８を通じて反射体２２へ、及び具体的には内側チャンバ１６の外側に位置するヒートシンクフィン３０を形成する反射体２２の部分へ伝導される。ヒートシンクフィン３０にわたって流れる周囲空気は、ヒートシンクフィン３０を冷却し、それによって内側チャンバ１６内から伝えられた熱を消散させる。
従って、意図しているのは、以上の詳細な説明が限定的ではなく例示的なものとして考えられること、及び本発明の精神及び範囲を規定するように意図しているものが全ての均等物を含む特許請求の範囲であることが理解されることである。

特許請求の範囲に説明した特徴を有する自動車の前照灯アセンブリの正面図である。 図１に示す前照灯アセンブリをほぼ線２−２に沿って見た側面断面図である。 図１及び２に示すヒートシンクのうちの１つの側面断面図である。

符号の説明

１０ 前照灯アセンブリ
１２ レンズ
１４ ハウジング
１６ 内側チャンバ

Claims (14)

1. レンズと、
   前記レンズと協働して大気からほぼ流体的に隔離された内側チャンバを少なくとも部分的に形成するハウジングと、
   前記内側チャンバ内で前記ハウジングに装着された基部と、
   この基部上に装着された光源と、
   前記基部に装着された一体化された反射体であって、前記光源からの光を前記レンズを通して前方に反射する反射面を有する反射部分と、前記基部と接触するように設けられたヒートシンク部分と、が一体化されて形成された反射体と、を含み、
   前記ヒートシンク部分は、前記内側チャンバからの熱が周囲条件へ伝達されるように、前記内側チャンバ内から前記ハウジングを通って外側まで延びて、その外側の周囲条件に露出されたヒートシンクフィンを含むことを特徴とする、自動車のための前照灯アセンブリ。
2. 前記反射体は、単体鋳造物であることを特徴とする請求項１に記載の前照灯アセンブリ。
3. 前記反射体は、金属で製造されることを特徴とする請求項１に記載の前照灯アセンブリ。
4. 前記反射体は、マグネシウム合金、アルミニウム合金、及び亜鉛合金の群から選択された合金から製造されることを特徴とする請求項１に記載の前照灯アセンブリ。
5. 前記反射体の前記反射部分は、反射仕上げを形成する研磨面を含むことを特徴とする請求項１に記載の前照灯アセンブリ。
6. 前記反射体の前記反射部分は、反射コーティングを含むことを特徴とする請求項１に記載の前照灯アセンブリ。
7. 前記反射コーティングは、蒸着であることを特徴とする請求項６に記載の前照灯アセンブリ。
8. 前記反射コーティングは、アルミニウム膜であることを特徴とする請求項７に記載の前照灯アセンブリ。
9. 前記光源は、熱伝導性接着剤を用いて前記基部に結合されることを特徴とする請求項１に記載の前照灯アセンブリ。
10. 前記光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項１に記載の前照灯アセンブリ。
11. 前記光源は、プリント回路基板に装着され、該プリント回路基板は、前記基部に装着されていることを特徴とする請求項１０に記載の前照灯アセンブリ。
12. 協働して大気条件からほぼ流体的に隔離された内側チャンバを少なくとも部分的に形成するレンズ及びハウジングと、
    前記内側チャンバに設けられた単体の金属反射体であって、光源からの光を前記レンズを通して前方に反射する反射部分と、周囲空気に露出されたヒートシンクを形成するフィン部分とを有する単体の金属反射体と、
    前記内側チャンバ内に装着された基部と、
    を含み、
    前記光源は、発光ダイオードであり、この発光ダイオードは、前記基部上で前記金属反射体に装着されて、この発光ダイオードによって発生した熱が前記金属反射体の反射部分から前記金属反射体のフィン部分へ伝導されて前記フィン部分により放熱されることを特徴とする、自動車のための前照灯アセンブリ。
13. 前記フィン部分は、前記チャンバの外側に延びていることを特徴とする請求項１２に記載の前照灯アセンブリ。
14. 前記フィン部分は、前記ハウジングを通って前記チャンバの外側の位置まで延びていることを特徴とする請求項１２に記載の前照灯アセンブリ。

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