JP4592947B2 - 射出成形機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め設定された成形条件の下で射出成形を行う射出成形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機のユーザは、随時射出成形機の買い換えを行っている。この買い換えの形態としては、旧射出成形機と同一メーカの新射出成形機を購入する場合、又は旧射出成形機のメーカと異なる他メーカの新射出成形機を購入する場合の2つの形態が考えられるが、いずれの形態においても、旧射出成形機と新射出成形機とでは、それらの機械仕様値が異なるのが通常である。
【0003】
一方、機械仕様値が異なるものになったとしても、成形条件については変えるわけにはいかず、変わらぬ品質の製品を製造しなければならない。そのため、射出成形機のユーザは、射出成形機の買い換えを行う毎に、新射出成形機を用いた場合の種々の成形条件を新たに設定し直していた。
【0004】
また、射出成形機の故障などにより、機械仕様数値が異なる別の射出成形機により成形する必要が生じた場合にも、同様に成形条件を設定し直す必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、成形条件を新たに設定し直す作業は必ずしも容易なものではなく、特に、成形条件のうちの射出条件については、ユーザ側の作業員は、電卓等を用いて演算を行った後、多数の項目についての設定値を正確に入力する必要があり、多くの労力を強いられる結果となっていた。更に、射出成形機のメーカがが異なる場合、ユーザ側作業員はメーカへの問い合わせ等を行わなければならない場合もあり、ユーザ側作業員の負担は一層大きなものとなっていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、機械仕様値が異なる射出成形機に対し同一の射出条件の設定を容易に行うことができ、作業員の労力を大きく軽減することが可能な射出成形機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、予め設定された射出条件の下で射出成形を行う射出成形機において、前記射出条件に関する複数項目の成形条件データの入力を行う入力手段と、前記射出成形を行う際に適用される数値であって、予め設定された項目数についての新射出仕様数値を記憶する新射出仕様数値記憶手段と、前記入力手段から機械仕様の異なる他の射出成形機についての旧射出仕様数値及び旧射出条件データを入力し、この旧射出仕様数値と前記新射出仕様数値記憶手段に記憶された新射出仕様数値とを用いて、前記他の射出成形機の旧射出条件データを前記新射出仕様数値における新射出条件データに換算する射出条件換算手段と、前記射出条件換算手段により換算された新射出条件データの設定を行う射出条件設定手段と、を備え、前記射出条件換算手段は、特定項目についての旧射出仕様数値を前記入力手段から入力した場合は、前記機械仕様の異なる他の射出成形機が同一メーカに係るものであるとして、前記予め設定された項目数の全てについての旧射出仕様数値を入力しなくとも、前記新射出条件データへの換算を行うものである、ことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、入力手段により旧射出仕様数値及び旧射出条件データを射出条件換算手段に入力させることにより、射出条件換算手段に、この旧射出仕様数値及び旧射出条件データと、射出仕様数値記憶手段に記憶された新射出仕様数値とを用いて、新射出条件データの換算を行わせることができる。そして、射出条件設定手段は、この換算された新射出条件データについての設定を行う。ここで、換算対象である2台の射出成形機が同一メーカのものである場合、同一の特定項目を基準にして機械仕様を設定していることがある。このような場合は、特定項目についての旧射出仕様数値のみを入力することにより新射出条件データへの換算を行うことができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記射出条件換算手段は、前記入力手段から前記新射出条件データの表示単位についての表示単位選択指令を入力した場合に、この表示選択指令に係る単位系を用いて前記換算を行うものである、ことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、射出成形機間で用いる単位系が異なっていたとしても、ユーザ側が選択した任意の単位により新射出条件データを表示することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。図1は、本発明の実施形態に係る射出成形機の要部構成を示すブロック図である。なお、この実施形態では、所謂インラインスクリュ式射出成形機の場合につき説明しているが、本発明はプリプラ式等の他の方式の射出成形機に対しても適用可能である。
【0014】
入力手段1は、例えば操作釦により構成されており、ユーザ側の作業員は、この入力手段1を用いて、他の射出成形機(以下、旧射出成形機という)の旧射出仕様数値及び旧射出条件データを射出条件換算手段2に入力させることができるようになっている。射出条件換算手段2は、入力手段1から入力した旧射出条件データを新射出条件データに換算し、これを射出条件設定手段3に出力するようになっている。射出条件設定手段3は、射出条件換算手段2から入力したこの新射出条件データを射出成形制御部4に対して設定するようになっている。そして、射出成形制御部4は、この新しく設定された新射出条件データに基づき、射出成形についての制御を行うようになっている。
【0015】
また、射出仕様数値記憶手段5には、射出成形を行う際に適用される数値であって、予め設定された項目数についての新射出仕様数値が記憶されている。射出条件換算手段2は、この射出仕様数値記憶手段5に記憶された新射出仕様数値を用いて上記の換算を行うようになっている。そして、入力手段1の出力は画面表示制御手段6にも入力されるようになっている。画面表示制御手段6は、入力手段1からの指令信号に基づき画面表示部7に対して画面表示についての制御を行うようになっており、また、ユーザ側の作業員が画面を見ながら選択した結果を射出条件換算手段2に知らせ、更に、射出条件換算手段2の換算結果を画面表示部7に表示させるようになっている。
【0016】
図2は、射出条件換算手段2が換算を行う前の表示画面を示し、図3は、射出条件換算手段2が換算を行った後の表示画面を示している。次に、これらの表示画面に表示されている各項目につき説明する。
【0017】
画面の中央上部付近に表示される「射出率」、「スクリュ径」、「MAXスクリュ回転数」、「最大射出圧」、「射出質量」、「スクリュコード」の6つの項目は、射出成形機の機械的な仕様により決定される数値であり、本発明においてはこれらを「射出仕様数値」と呼んでいる。「射出率」は単位時間当たりの樹脂の射出量、「スクリュ径」はスクリュの直径、「MAXスクリュ回転数」はスクリュの1分間当たりの最大回転数、「最大射出圧」は許容される最大の射出圧、「射出質量」は製品を成形するために射出された樹脂の質量(但し、「射出質量」は、後述する「計量完了位置」が不明の場合に使用するデータ項目である。)、「スクリュコード」(図2及び図3においては、旧射出成形機のメーカが本実施形態に係る射出成形機(以下、新射出成形機という)のメーカとは異なる場合を想定しているので「スクリュコード」のみ未入力となっている。)は本実施形態に係る新射出成形機のメーカの規格を表すコードである。
【0018】
上記の射出仕様数値の下方に、23の項目より成る「射出条件データ」が符号により表示されている。これらの符号につき説明すると、SRNは射出成形材料を溶融するためにスクリュをバレル内で回転させるときの「スクリュ回転数」、BPはこのスクリュが回転するときにおけるバレル内の圧力である「背圧」、TRH1〜3は「保圧切換時間」、PIは「充填圧力」、PH1〜PH4は「保圧」、VI1〜VI5は「充填速度」、VHは「保圧速度」、LS10は所謂ドルーリング(drooling:洟垂れ、又はヨダレ)防止のための「計量完了位置」からの「スクリュ後退量」、LS5は「計量完了位置」、LS4A〜LS4Dは「充填速度切換位置」、LS4は充填工程から保圧工程に切り換わる位置を示す「保圧切換位置」である。ここで、「計量完了位置」とは、バレル先端部に溶融された成形樹脂材料が所定量貯えられて計量を完了した時点でのスクリュ後退位置を指している。
【0019】
図2(又は図3)における圧力(充填圧力PI、保圧PH1〜4)及び速度(充填速度VI1〜VI5、保圧速度VH)は、その図示からも類推できるように、この射出成形機のスクリュが表示画面の右側から左側へ向かって前進する動作をイメージできるように表示したものである。すなわち、当初、ドルーリング防止位置LS10(125.0mmの位置)にあったスクリュは金型方向(画面左側方向)へ向かって移動し、計量完了位置120.00mmを通過した後、充填圧力80%且つ充填速度20.0%の状態で前進動作を行う。そして、位置100.00mmを通過すると、今度は充填速度を50.0%に変化させる。以下このようにして、スクリュが90.00mm,80.00mm,60.00mmの各位置で充填速度を変化させながら通過し、更に保圧切換位置20.00mmを通過すると、スクリュは保圧工程領域に進入することになる。
【0020】
スクリュは、保圧工程領域において、保圧速度15.0%且つ保圧99.0%の状態を1秒間、保圧速度15.0%且つ保圧50.0%の状態を1秒間、保圧速度15.0%且つ保圧30.0%の状態を1秒間だけそれぞれ継続する。そして、その後、保圧速度15.0%且つ保圧10.0%の状態で最終位置に到達する。
【0021】
なお、作業員が上記の各射出仕様数値及び各射出条件データの数値を画面上に入力しようとする場合は、順次該当項目の釦を指で触れ(この実施形態ではタッチパネル方式の画面になっているものとする)、開かれたウィンドウ部の設定値変更釦を使用して数値入力していくようにする。
【0022】
表示画面の左上部分には、「圧力」及び「速度」に関する数値の単位を選択するための単位切換釦が表示されている。「圧力」については、〔%〕(所定の基準値に対するパーセント表示)、〔kgf/cm2〕、〔MPa〕のうちのいずれかの単位系を選択し、「速度」については、〔%〕、〔mm/s〕のうちのいずれかの単位系を選択するようになっている。但し、「圧力」の換算後の単位は、この選択釦の操作の有無にかかわらず、全て〔MPa〕の単位系により表示されるようになっている。これは、最近、単位表示の規格が改正され、「圧力」の単位については全て〔MPa〕を用いるように統一されたためである。
【0023】
また、表示画面の右上部分には、「換算」及び「置換」に関して「実行」又は「取消」を行うための設定条件釦が表示されている。ここで、「換算」とは、射出条件換算手段2の機能により、図2に表示された旧射出条件データを図3に表示されたような新射出条件データに換算することを指し、「置換」とは射出条件設定手段3の機能により、換算された新射出条件データを射出成形制御部4に対して設定することを指している。
【0024】
そして、作業員が「換算」を実行する場合、作業員は「実行」釦に指で触れるようにする。すると、「実行」釦の部分が2つに割れ、小さな「実行」釦及び「取消」釦が表示される。作業員は、図2の表示内容をチェックし、特に問題がなければ小さな「実行」釦を押して、図3の新射出条件データを表示させるようにする。また、図2の内容をチェックした結果、再度入力のやり直しを行う必要が生じた場合には、「取消」釦を押すようにする。すると、旧射出仕様数値及び旧射出条件データの各釦に表示された入力データが消え、入力以前の元のデータが表示されるようになる。
【0025】
そして、作業員が「置換」を実行する場合、作業員は「実行」釦に指で触れるようにする。すると、「実行」釦の部分が2つに割れ、小さな「実行」釦及び「取消」釦が表示される。作業員は、図3に表示された新射出条件データの内容をチェックし、特に問題がなければ小さな「実行」釦を押して、この新射出条件データの設定を行うようにする。また、図3の内容をチェックした結果、再度検討を行う必要が生じた場合には、「取消」釦を押すようにする。すると、旧射出仕様数値及び旧射出条件データの各釦に表示された入力データは換算前のデータ即ち図2の内容に戻ることになる。
【0026】
射出仕様数値記憶手段5には、既述したように新射出仕様数値が記憶されている。この記憶された新射出仕様数値には、図2に表示された旧射出仕様数値の各項目の他に、換算に必要な項目、例えば「射出速度最大値」、「スクリュ最大ストローク値」、「スクリュ背圧最大値」、「各種成形樹脂に対応した溶融比重」等が含まれている。射出条件換算手段2は、図2に表示された旧射出仕様数値及び旧射出条件データと、この射出仕様数値記憶手段5に記憶された新射出仕様数値を使用して、旧射出条件データを新射出条件データに変換するものである。
【0027】
また、旧射出成形機が新射出成形機(本実施形態に係る射出成形機)と同一メーカにより製造されたものである場合、作業員は旧射出仕様数値として「スクリュコード」のみを入力すればよく、「射出率」、「スクリュ径」等の他の項目についての数値を入力する必要がないようになっている。すなわち、インラインスクリュ式射出成形機において、スクリュは最も基本的な構成要素であるため、スクリュの仕様に応じてその他の仕様数値を規格により定めるようにしている。射出仕様数値記憶手段5には、スクリュコードに対応した各項目についてのデータがテーブル形式で記憶されており、射出条件換算手段2はこのテーブルを用いて、対象となっているスクリュコードに係るその他の射出仕様数値の値を探し出すようになっている。
【0028】
次に、射出条件換算手段2が旧射出条件データを新射出条件データに換算する場合に用いる演算式の例をいくつかの項目について具体的に説明する。
【0029】
例えば、旧計量完了位置LS5を新計量完了位置LS5に換算する場合、旧スクリュ径をD1、新スクリュ径をD2とすれば、下式(1)により新計量完了位置LS5を求めることができる。この場合、旧計量完了位置LS5が分からない場合は、旧射出質量(従来生産していた成形品の質量)及び樹脂の溶融比重が分かっていれば、下式(2)を用いて新計量完了位置LS5を求めることができる。なお、旧射出成形機と新射出成形機のメーカが同じで、スクリュコードが同一の場合は、旧計量完了位置LS5がそのまま新計量完了位置LS5となり、スクリュコードが異なる場合は上記と同様に下式(1)を用いればよい。
【0030】
【数1】
また、旧射出速度を新射出速度に換算する場合、及び旧射出圧力を新射出圧力に換算する場合は、それぞれ下式(3),(4)を用いればよい。ここで、「射出速度」とは「充填速度VI1〜VI5」及び「保圧速度VH」を総称したものであり、「射出圧力」とは「充填圧力PI」及び「保圧PH1〜PH4」を総称したものである。なお、(3),(4)式中のK1,K2は単位変換についての変換定数である。
【0031】
【数2】
旧スクリュ回転数SRNを新スクリュ回転数SRNに換算する場合は、下式(5)を用いて演算を行えばよい。この場合、もし旧スクリュ回転数SRNの単位が〔%〕であれば〔min-1〕に変換して(5)式を適用することとする。
【0032】
〔新スクリュ回転数SRN:min-1〕=〔旧スクリュ回転数SRN:min-1〕*〔D2/D1〕 … (5)
旧背圧BPから新背圧BPへの換算については、特に用いる演算式はなく、ただ、旧背圧BPの単位系が〔%〕であった場合に、これを〔MPa〕の単位に変換する演算を行うだけである。但し、新背圧BPには、最大値が50〔MPa〕という制約が存在する。
【0033】
上記した換算式はいずれも周知技術に属するものであり、その他の旧射出条件データを新射出条件データに変換する場合も、同様の周知の演算式を用いて簡単に演算を行うことができる。したがって、その他の射出条件データの演算式についての説明を省略する。
【0034】
ところで、射出条件換算手段2は、旧射出条件データを新射出条件データに換算する機能の他に、任意の単位系を所望の単位系に変換する単位変換機能を有している。本出願人は、このような単位変換機能に関して既に特開平10−109338号公報に開示された技術を提示している。同公報に開示された技術においては、画面表示制御手段がこの単位変換機能を有する構成となっているのに対し、本実施形態においては射出条件換算手段2が換算機能に加えてこの単位変換機能を有する構成となっている。しかし、本実施形態においても、この単位変換機能を画面表示制御手段6に持たせる構成とすることも可能であり、いずれの構成を採用しても本質的な相違は生じない。
【0035】
次に、上記のような構成を有する本実施形態の射出成形機において、ユーザ側作業員が行う設定作業を図4のフローチャートを参照しつつ説明する。但し、以下の例では、ユーザがA社製の旧射出成形機の射出条件をB社製の新射出成形機(即ち本実施形態に係る射出成形機)に移す場合につき説明する。
【0036】
作業員は、まず、入力手段1により所定の操作を行い、画面表示制御手段6を介して画面表示部7を立ち上げる。すると、画面表示部7には、図2の「換算前表示画面」が現れる(但し、「旧射出仕様数値」及び「旧射出条件データ」の各釦には未だ数値は書き込まれていないものとする。)。そして、作業員は、旧射出成形機がB社製のものであるか否かにつき判別する(ステップ1)。ここで、もし旧射出成形機がB社製のものであれば、作業員は旧射出仕様数値のうち旧スクリュコードのみを画面上に書き込めばよく(ステップ2)、他の項目について書込を行う必要はない。しかし、上述したように、旧射出成形機はA社製のものであるため、ステップ1における判別結果は「NO」となる。
【0037】
次いで、作業員は、換算前の表示画面における単位系を選択する(ステップ3)。この例では、A社製の旧射出成形機のデータは全てパーセント表示になっているので、作業員は、「圧力」及び「速度」の双方の単位について〔%〕を選択する。作業員は、単位系を選択した後、スクリュコード以外の全ての旧射出仕様数値即ち「射出率」、「スクリュ径」、「MAXスクリュ回転数」、「最大射出圧」、「射出質量」の各項目について図2に示したような数値を書き込んで行く(ステップ4)。なお、これらの項目は基本的な機械仕様であり、その数値についてはどのメーカの射出成形機であっても容易に入手可能である。旧射出仕様数値を書き込んだ後、作業員は、旧射出条件データの全ての項目について入力を行う(ステップ5)。
【0038】
このようにして、旧射出仕様数値及び旧射出条件データの全てについての入力を行った後、作業員は表示画面に映し出された各項目の内容をチェックし、入力ミス等の誤りがないかどうかを判別する(ステップ6)。入力ミスを見つけた場合、作業員はその項目の釦を指で触れ、換算実行前に正しい数値を入力する(ステップ7)。なお、「取消」釦は、換算前の条件に戻す場合にのみ有効となる。
【0039】
作業員は、換算前の表示画面に誤りがないことを確認した後、「換算」の「実行」釦に指で触れる。すると、上述したように、「実行」釦の部分が2つに割れ、小さな「実行」釦及び「取消」釦が表示される。ここで、換算を実行をするために小さな「実行」釦に指を触れると、「実行」釦が点滅動作を行い、作業員に対して換算を実行して良いかどうかの確認を促すようになっている。それ故、作業員は入力した値に間違いがないかどうかを再確認し、誤設定した数値を発見した場合には正しい数値を入力することになる。
【0040】
この後、作業員が小さな「実行」釦を押すと、射出条件換算手段2が換算のための演算を実行し、画面表示制御手段6は図3に示すような換算後の内容を画面に表示する(ステップ8)。すなわち、射出条件換算手段2は、作業員が書き込んだ旧射出仕様数値及び旧射出条件データと、射出仕様数値記憶手段5に記憶されている新射出仕様数値とを使用して、旧射出条件データを新射出条件データに換算する。
【0041】
換算後の内容が画面に表示されると、作業員は、表示画面に映し出された各項目の内容をチェックし、問題がないかどうかを判別する(ステップ9)。問題がある項目を見つけた場合、作業員はその項目の釦を指で触れ、その項目のみについて適切な数値を入力することが可能であるが、問題のある項目が多く、最初からデータ入力作業をやり直したい場合等は、作業員は「置換」の「実行」釦に指で触れる。すると、「実行」釦の部分が2つに割れ、小さな「実行」釦及び「取消」釦が表示されるので、作業員は「取消」釦を押す。すると、表示画面は換算前の状態に戻り、作業員は、この状態で、再度データ入力作業を行い(ステップ10)、更にその後射出条件換算手段2に再度換算を実行させる(ステップ8)。
【0042】
そして、作業員は、換算後の表示画面の内容を再度チェックし、問題がないことを確認した後に、「置換」の「実行」釦に指で触れ、現れた小さな「実行」釦の部分を押す(ステップ11)。これにより、射出条件設定手段3は、射出条件換算手段2が換算した新射出条件データを射出成形制御部4に対して設定する。
【0043】
上記した本実施形態の射出成形機によれば、ユーザ側の作業員は表示画面を見ながら、所定項目のデータを入力するだけで、新射出成形機の射出条件に関する設定作業を行うことができる。したがって、ユーザ側にとっては、射出成形機の買い換えに伴う煩わしい作業を簡単化できるので、新しい設備の導入を促進しやすくなるというメリットがあると共に、旧射出成形機が故障したときにも容易に射出条件を新射出成形機に移植できるため、生産が停止する時間を最小限に食い止めることができる。一方、射出成形機のメーカ側にとっても、既存の旧射出成形機を新射出成形機に買い換えることをユーザに推奨できると共に、ユーザの生産性を妨げない配慮がなされた射出成形機を提供できるというメリットがある。
【0044】
そして、本実施形態では、射出条件換算手段2が単位変換機能を有しているので、旧射出成形機が旧単位系を用いた機種であっても、新射出成形機の射出条件設定の際には射出条件データを新単位系により表示することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ユーザ側作業員が旧射出仕様数値及び旧射出条件データを入力すれば、射出条件換算手段が記憶手段に記憶されている新射出仕様数値とこの旧射出仕様数値とを用いて、旧射出条件データを新射出条件データに換算する構成となっているので、旧射出成形機と同一の射出条件の設定を新射出成形機に対して容易に行うことができ、買い換えや故障に伴うユーザ側作業員の労力を大きく軽減することが可能になる。
【0046】
すなわち、本発明は、射出条件を設定する際に、射出条件データの中には含まれず且つユーザ側が容易に入手可能な「射出仕様数値」というデータに着目し、この「射出仕様数値」を有効に利用することにより、射出成形機買い換え後等における射出条件の再設定作業を容易化したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る射出成形機の要部構成を示すブロック図。
【図2】射出条件換算手段2による換算が行われる前の表示画面を示す説明図。
【図3】射出条件換算手段2による換算が行われた後の表示画面を示す説明図。
【図4】ユーザ側作業員の射出条件設定作業の手順を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1 入力手段
2 射出条件換算手段
3 射出条件設定手段
4 射出成形制御部
5 射出仕様数値記憶手段
6 画面表示制御手段
7 画面表示部
Claims (2)
- 予め設定された射出条件の下で射出成形を行う射出成形機において、
前記射出条件に関する複数項目の成形条件データの入力を行う入力手段と、
前記射出成形を行う際に適用される数値であって、予め設定された項目数についての新射出仕様数値を記憶する新射出仕様数値記憶手段と、
前記入力手段から機械仕様の異なる他の射出成形機についての旧射出仕様数値及び旧射出条件データを入力し、この旧射出仕様数値と前記新射出仕様数値記憶手段に記憶された新射出仕様数値とを用いて、前記他の射出成形機の旧射出条件データを前記新射出仕様数値における新射出条件データに換算する射出条件換算手段と、
前記射出条件換算手段により換算された新射出条件データの設定を行う射出条件設定手段と、
を備え、
前記射出条件換算手段は、特定項目についての旧射出仕様数値を前記入力手段から入力した場合は、前記機械仕様の異なる他の射出成形機が同一メーカに係るものであるとして、前記予め設定された項目数の全てについての旧射出仕様数値を入力しなくとも、前記新射出条件データへの換算を行うものである、
ことを特徴とする射出成形機。 - 前記射出条件換算手段は、前記入力手段から前記新射出条件データの表示単位についての表示単位選択指令を入力した場合に、この表示選択指令に係る単位系を用いて前記換算を行うものである、
ことを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
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JP2002192550A (ja) | 2002-07-10 |
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