JP2010110958A - 設定画面、射出成形機及び成形条件変換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形条件を射出成形機に適合する成形条件に、短時間で、かつ、容易に変換することができるようにする。
【解決手段】設定画面において、射出成形機の成形条件を設定することができるようになっている。そして、成形条件を設定する必要がある射出成形機とは仕様の異なる射出成形機の成形条件を参照するための参照用の操作要素、及び該参照用の操作要素によって参照された前記仕様の異なる射出成形機の成形条件を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件に変換するための変換用の操作要素が表示される。設定画面に参照用の操作要素及び変換用の操作要素が表示されるので、操作者は、各操作要素を操作するだけで、成形条件を短時間で、かつ、容易に変換することができる。
【選択図】図1
【解決手段】設定画面において、射出成形機の成形条件を設定することができるようになっている。そして、成形条件を設定する必要がある射出成形機とは仕様の異なる射出成形機の成形条件を参照するための参照用の操作要素、及び該参照用の操作要素によって参照された前記仕様の異なる射出成形機の成形条件を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件に変換するための変換用の操作要素が表示される。設定画面に参照用の操作要素及び変換用の操作要素が表示されるので、操作者は、各操作要素を操作するだけで、成形条件を短時間で、かつ、容易に変換することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、設定画面、射出成形機及び成形条件変換方法に関するものである。
従来、成形機、例えば、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂が、金型装置内のキャビティ空間に充填され、該キャビティ空間内において冷却され固化させられて、成形品が成形されるようになっている。
前記射出成形機は、前記金型装置、型締装置及び射出装置を有し、該射出装置は、前記加熱シリンダ、該加熱シリンダの前端に取り付けられ、溶融させられた樹脂を射出する射出ノズル、前記加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリュー等を備える。そして、前記金型装置は固定金型及び可動金型を備え、前記型締装置によって可動金型を進退させることにより、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われ、型締めに伴って、前記固定金型と可動金型との間にキャビティ空間が形成される。
計量工程時に、前記スクリューが回転させられると、溶融させられた前記樹脂がスクリューの前方に溜められ、それに伴って、スクリューが後退させられ、この間に、金型装置の型閉じ及び型締めが行われる。続いて、射出工程時に、前記スクリューが前進させられ、該スクリューの前方に溜められた樹脂が射出ノズルから射出され、キャビティ空間に充填される。次に、冷却工程時に、前記キャビティ空間内の樹脂が冷却され固化されて、成形品が成形される。続いて、型開きが行われ、前記成形品が取り出される。
ところで、射出成形を行うに当たり、表示部に形成された設定画面において成形条件を設定するための作業、すなわち、成形条件出しが行われる。該成形条件出しは、各種の設定項目についてあらかじめ設定された基本的な成形条件を変更することによって行われる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−129862号公報
しかしながら、前記従来の射出成形機においては、例えば、全体又は一部の部品が交換されて新しい射出成形機に変更されることがあるが、その場合、変更前の仕様が異なる射出成形機を他の射出成形機とし、変更後の射出成形機を当該射出成形機としたとき、他の射出成形機において設定されていた成形条件をそのまま当該射出成形機に適用して設定すると、成形条件が適合せず、成形を行うことができなかったり、不良品が成形されたりする。
また、互いに仕様の異なる複数の射出成形機を使用して同じ成形品を成形する場合、共通の成形条件を各射出成形機に適用して設定すると、所定の射出成形機である当該射出成形機において成形条件が適合せず、成形を行うことができなかったり、不良品が成形されたりする。
そこで、操作者は、他の射出成形機における成形条件の設定値を、当該射出成形機に適合するように手計算で換算し、換算によって得られた設定値を、当該射出成形機における成形条件として設定することによって、成形条件を変換するようにしている。
ところが、設定値を換算する必要が生じる設定項目の数が多い場合、所定の設定項目について設定値を換算したときに、それに伴って、他の設定項目についても設定値を換算する必要が生じる場合等においては、設定値を換算するのに必要な時間が極めて長くなるだけでなく、設定値を精度良く換算することができないことがある。その結果、成形条件を短時間で、かつ、容易に変換することができない。
本発明は、前記従来の射出成形機の問題点を解決して、仕様の異なる射出成形機の成形条件を、成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件に、短時間で、かつ、容易に変換することができる設定画面、射出成形機及び成形条件変換方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明の設定画面においては、射出成形機の成形条件を設定することができるようになっている。
そして、成形条件を設定する必要がある射出成形機とは仕様の異なる射出成形機の成形条件を参照するための参照用の操作要素、及び該参照用の操作要素によって参照された前記仕様の異なる射出成形機の成形条件を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件に変換するための変換用の操作要素が表示される。
本発明によれば、設定画面においては、射出成形機の成形条件を設定することができるようになっている。
そして、成形条件を設定する必要がある射出成形機とは仕様の異なる射出成形機の成形条件を参照するための参照用の操作要素、及び該参照用の操作要素によって参照された前記仕様の異なる射出成形機の成形条件を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件に変換するための変換用の操作要素が表示される。
この場合、設定画面に、参照用の操作要素及び変換用の操作要素が表示されるので、操作者は、各操作要素を操作するだけで、成形条件を当該射出成形機に適合する成形条件に、短時間で、かつ、容易に変換することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、成形機としての射出成形機について説明する。
図1は本発明の実施の形態における射出成形機の制御ブロック図、図2は本発明の実施の形態における射出成形機の斜視図、図3は本発明の実施の形態における制御パネルの例を示す図である。
図において、11は射出成形機、12は射出装置、21は型開閉装置、27は制御部、30は前記射出成形機11を支持するフレームであり、前記型開閉装置21は図示されない金型装置及び型締装置22を備え、前記制御部27は演算装置としてのCPU53、及び記録部としての、かつ、記憶装置としてのメモリ54を備える。また、28は前記射出装置12と型開閉装置21との間に配設された制御パネル、31は表示部、32は操作部、41は計量用の駆動部としての計量用モータ、43は射出用の駆動部としての射出用モータ、45は型締用の駆動部としての型締用モータ、52は図示されない各種のセンサによって構成される検出部である。
前記射出装置12は、シリンダ部材としての加熱シリンダ13、該加熱シリンダ13の前端に取り付けられたノズル部材としての図示されない射出ノズル、前記加熱シリンダ13内において回転自在に、かつ、進退自在に配設された射出部材としての図示されないスクリュー、前記加熱シリンダ13の後端部に配設され、加熱シリンダ13内に成形材料としての樹脂を供給するホッパ17、前記スクリューを回転させたり、前進させたりするための駆動装置14等を備える。該駆動装置14は、前記スクリューを回転させるための前記計量用モータ41、前記スクリューを前進させるための前記射出用モータ43等を備える。
そして、計量工程時に、前記計量用モータ41を駆動して、スクリューを正回転させると、ホッパ17から加熱シリンダ13内に供給された樹脂が加熱され、溶融させられて図示されないスクリューヘッドの前方に溜められ、射出工程時に、前記射出用モータ43を駆動して、スクリューを前進させると、スクリューヘッドの前方に溜められた樹脂が射出ノズルから射出され、金型装置内のキャビティ空間に充填される。
また、前記型開閉装置21は、前記金型装置及び型締装置22を備え、前記金型装置は、第1の金型としての固定金型及び第2の金型としての可動金型を備える。そして、前記型締装置22は、固定支持部材としての固定プラテン23、可動支持部材としての可動プラテン24、該可動プラテン24を進退させる型開閉機構としてのトグル機構25、前記型締用モータ45等を備え、固定プラテン23に前記固定金型が、可動プラテン24に前記可動金型が取り付けられる。
前記構成の型締装置22において、型締用モータ45を駆動すると、トグル機構25が伸展させられ、可動プラテン24が前進させられて型閉じが行われ、固定金型に可動金型が当接させられる。続いて、型締用モータ45を更に駆動すると、トグル機構25において型締力が発生させられ、該型締力で固定金型に可動金型が押し付けられて型締めが行われ、固定金型と可動金型との間に前記キャビティ空間が形成される。また、型締用モータ45を逆方向に駆動すると、トグル機構25が屈曲させられ、可動プラテン24が後退させられ、型開きが行われる。
そして、前記型締めが行われた状態で、前記射出ノズルから樹脂が射出され、前記キャビティ空間に充填され、冷却され固化させられると、成形品が成形される。
ところで、射出成形を行うに当たり、所定の成形品について実成形、すなわち、全自動成形を開始する前に、半自動成形が行われ、成形条件出しが行われる。該成形条件出しは、操作者が操作部32を操作することによって、全自動成形が開始されるまでに良好な成形品、すなわち、良品が得られるように、各種の設定項目についてあらかじめ設定された基本的な成形条件を変更することによって行われる。また、全自動成形が開始された後も、不良な成形品、すなわち、不良品が成形されると、その都度、操作者が操作部32を操作することによって成形条件が変更される。
そのために、前記制御パネル28は、表示部31及び操作部32を備え、操作者が操作部32を操作することによって、前記表示部31に各種の設定画面を形成し、各種の設定を行うことができるようになっている。なお、本実施の形態においては、表示部31はタッチパネルによって形成され、操作部としても機能する。
本実施の形態においては、図3に示されるように、操作部32の領域AR1に、機能を選択し、所定の設定画面を形成するための操作要素としての機能キー「F1」、「F2」、「F3」、「F4」、「F5」、「F6」、「F7」、「F8」、「CTRL」及び「SHIFT」が、領域AR2に、設定画面を遷移させるための操作要素としてのアップキー「UP」及びダウンキー「DOWN」が、領域AR3に、カーソルを移動させるための操作要素としてのカーソル移動キーが、領域AR4に、射出成形機11を動作させるための動作キーが、領域AR5に、設定内容を数値で入力するための操作要素としての入力キーが配設される。なお、該入力キーには、数字キー「0」〜「9」のほかに、小数点キー、クリアキー「AC」、「C」、入力用の確定操作要素としての実行キーk11及びヘルプキー(HELP)k12が配設される。また、領域AR6には、アラーム表示部が配設されるとともに、アラームに応答するための操作要素としての応答キーが配設される。
したがって、操作者が、領域AR1における所定の機能キーを押下し、必要に応じて、領域AR2におけるアップキー「UP」又はダウンキー「DOWN」を押下すると、CPU53の図示されない画面形成処理手段(画面形成処理部)は、画面形成処理を行い、表示部31に段取、型開閉、可塑化、温度、一覧設定、波形表示、品質管理及び生産管理の各設定を行うための所定の設定画面を形成し、CPU53の図示されない表示処理手段(表示処理部)は、表示処理を行い、前記設定画面の領域AR11に設定画面についての説明を、領域AR12に各設定項目の欄を、領域AR13に、形成されている設定画面を特定する名称を表示するとともに、前記各設定項目の欄に成形条件の設定内容を表示する。
この場合、各設定項目には、保圧を行う場合のスクリュー速度、保圧の段数、保圧を行う際の各段における時間及び圧力、充填を行う場合の充填時間、充填を行う場合の樹脂の圧力を表す充填圧力、スクリューの位置を表す充填位置及びスクリュー速度等が含まれる。
なお、前記領域AR13は、操作者がタッチすることによって所定の設定画面を形成するための操作要素としても機能する。
続いて、操作者が、領域AR3において所定のカーソル移動キーを押下してカーソルを所定の設定項目に移動させ、領域AR5において所定の入力キーを押下して、設定項目について設定内容を入力し、前記実行キーk11を押下すると、前記CPU53の図示されない成形条件設定処理手段(成形条件設定処理部)は、成形条件設定処理を行い、入力された設定内容で成形条件を設定したり、あらかじめ設定された成形条件を変更したりする。
なお、一つの設定項目について設定内容を入力するたびに、実行キーk11を押下すると、一つずつ成形条件を設定したり、変更したりすることができ、複数の設定項目について設定内容を入力した後に、実行キーk11を押下すると、複数の設定項目について一括して成形条件を設定したり、変更したりすることができる。
そして、前記表示処理手段は、形成された設定画面において、各設定項目について設定されたり、変更されたりした成形条件の設定内容を表示する。
ところで、射出成形機11においては、型式等によって仕様が異なり、例えば、射出装置12について、射出装置12の型式を表す射出装置型式、スクリューの径(以下「スクリュー径」という。)、スクリュー速度を表す射出速度、射出圧力の最大値を表す射出最大圧力、スクリューのストロークを表す射出ストローク等が、金型装置について、最大の金型厚さを表す最大型厚、最小の金型厚さを表す最小型厚、エジェクタピンのストロークを表すエジェクタ(EJ)ストローク等が、型締装置22について、型締力、型開ストローク等がそれぞれ規定されている。
したがって、射出成形機11を仕様の異なる射出成形機11に変更した場合、変更前の射出成形機11において設定されていた成形条件をそのまま変更後の射出成形機11に適用して設定すると、成形条件が適合せず、成形を行うことができなかったり、不良品が成形されたりする。
そこで、本実施の形態においては、射出成形機11を仕様の異なる射出成形機11に変更した場合、操作部32において、操作者が、領域AR1における機能キー「F5」を押下し、領域AR2におけるアップキー「UP」又はダウンキー「DOWN」を押下すると、前記画面形成処理手段によって、表示部31に、設定画面としての、射出成形機11の変更に伴う成形条件の変換画面、本実施の形態においては、条件換算画面が形成されるようになっている。
次に、条件換算画面上で成形条件を変換する成形条件変換方法について説明する。なお、この場合、変更前の射出成形機11を、仕様の異なる他の射出成形機とし、変更後の射出成形機11を、成形条件を設定する必要がある当該射出成形機として説明する。
図4は本発明の実施の形態における条件換算画面の例を示す図である。
図において、g1は条件換算画面であり、該条件換算画面g1の領域AR11には条件換算画面g1が形成されていることを表す説明が、領域AR12には成形条件を設定するための情報が、領域AR13には各設定画面を形成するために選択される機能の名称が表示される。そして、前記領域AR12は、成形条件を変換するための案内情報を表示するための第1の表示領域としての案内情報表示領域AR21、並びに射出成形機11の設定値及び実績値を表示するための第2の表示領域としての設定値・実績値表示領域AR22を備える。
また、前記案内情報表示領域AR21には、成形条件を変換するための手順を表すとともに、成形条件を変換するための操作領域を表す欄m1、当該射出成形機において規定された仕様の名称を表示する欄m2、当該射出成形機の各仕様(現成形機仕様)を表示する欄m3、他の射出成形機の各仕様(保存条件成形機仕様)を表示する欄m4、及び変換後の成形条件の評価結果を表示する欄m5を備える。
前記欄m1には、参照用の操作要素としての、かつ、第1のキーとしての条件呼出キーk21、第1の変換用の操作要素としての、かつ、第2のキーとしての単位切換キーk22、第2の変換用の操作要素としての、かつ、第3のキーとしての条件換算キーk23、及び記録用の操作要素としての、かつ、第4のキーとしての条件転送キーk24が表示される。
また、前記欄m2には、各仕様の名称、本実施の形態においては、型締力、最大型厚、最小型厚、型開ストローク、エジェクタ(EJ)ストローク、射出装置型式、スクリュー径、射出速度、射出最大圧力及び射出ストロークが表示される。
次に、前記構成の当該射出成形機におけるCPU53の動作について説明する。
まず、表示部31に前記条件換算画面g1が形成されているときに、操作部32の領域AR5において入力キーを操作し、欄m3に当該射出成形機の各仕様を入力し、実行キーk11を押下し、続いて、条件呼出キーk21を押下すると、CPU53の図示されない成形条件取得処理手段(成形条件取得処理部)は、成形条件取得処理を行い、他の射出成形機において、あらかじめ設定され、メモリ54に記録されている変換前の成形条件を読み出すことによって取得する。
なお、本実施の形態においては、操作者が当該射出成形機の各仕様を入力するようになっているが、操作者が、当該射出成形機の型式、又は射出装置12、金型装置、型締装置22等の各装置の型式を入力することによって、自動的に各仕様を入力することができる。その場合、CPU53の図示されない仕様設定処理手段(仕様設定処理部)は、仕様設定処理を行い、当該射出成形機の型式、又は射出装置12、金型装置、型締装置22等の各装置の型式が入力されると、あらかじめメモリ54に記録されている仕様を読み出して設定し、欄m3に各仕様を表示する。
また、本実施の形態において、変換前の成形条件は、あらかじめ設定され、メモリ54に記録されるようになっているが、操作者が操作部32の領域AR5において入力キーを操作することによって入力することができる。その場合、入力された変換前の成形条件は、記憶装置としてのバッファ等に一時的に記録され、操作者が、条件呼出キーk21を押下すると、前記成形条件取得処理手段は、バッファ等に記録された変換前の成形条件を読み出すことによって取得する。
次に、操作者が、単位切換キーk22を押下すると、前記CPU53の図示されない第1の成形条件変換処理手段(第1の成形条件変換処理部)としての単位切換処理手段(単位切換処理部)は、第1の成形条件変換処理としての単位切換処理を行い、他の射出成形機及び当該射出成形機の各仕様に基づいて、読み出された成形条件の各設定値の単位を、当該射出成形機における成形条件の各設定値に使用される単位に切り換える。例えば、他の射出成形機において使用されていた単位を「インチ」とし、当該射出成形機において使用される単位を「mm」とし、変換前の成形条件における充填位置の設定値をSc1〔インチ〕とし、変換後の充填位置の設定値をSc2〔mm〕とすると、1〔インチ〕は25.4〔mm〕であるので、前記単位切換処理手段は、単位を「インチ」から「mm」に切り換えるのに伴って、
Sc2=25.4×Sc1
とする。
Sc2=25.4×Sc1
とする。
このようにして、読み出された成形条件の各設定値に使用される単位が切り換えられた後、操作者が、条件換算キーk23を押下すると、前記CPU53の図示されない第2の成形条件変換処理手段(第2の成形条件変換処理部)としての設定値換算処理手段(設定値換算処理部)は、第2の成形条件変換処理としての設定値換算処理を行い、他の射出成形機及び当該射出成形機の各仕様に基づいて、読み出された成形条件の設定値を、当該射出成形機における成形条件の各設定値に換算する。例えば、他の射出成形機に配設されていたスクリューのスクリュー径をd1〔mm〕とし、当該射出成形機に配設されるスクリューのスクリュー径をd2〔mm〕とし、変換前の成形条件における所定の位置のスクリュー速度の設定値をVs1〔mm/sec〕とし、変換後の所定の位置のスクリュー速度の設定値をVs2〔mm/sec〕とすると、前記設定値換算処理手段は、スクリュー径を換算するのに伴って、
Vs2=(d22 /d12 )×Vs1
とする。
Vs2=(d22 /d12 )×Vs1
とする。
このようにして、読み出された成形条件の各設定値が換算された後、操作者が、条件転送キーk24を押下すると、前記CPU53の図示されない条件転送処理手段(条件転送処理部)は、条件転送処理を行い、仕様の変更に伴って単位が切り換えられ、換算後の各設定値をメモリ54に転送し、記録する。このようにして、変換後の成形条件をメモリ54に記録することができる。
そして、前記表示処理手段は、変換後の成形条件を読み出し、所定の設定画面に表示する。
また、前記CPU53の図示されない成形条件評価処理手段(成形条件評価処理部)は、成形条件評価処理を行い、変換後の成形条件を読み出し、成形条件が当該射出成形機の各仕様によって表される条件を満たすかどうかによって、成形条件が当該射出成形機に適合するかどうかを判断し、前記表示処理手段は、成形条件評価処理手段の判断結果を、変換後の成形条件の評価結果として欄m5に表示する。
すなわち、前記表示処理手段は、成形条件が当該射出成形機の各仕様によって表される条件を満たさず、当該射出成形機に適合しない場合、欄m5に、「型締力不足」、「型厚不足」、「射出ストローク不足」、「射出速度不足」、「射出圧力不足」、「スクリュー回転数不足」、「背圧不足」等のメッセージを表示し、成形を行うことができなかったり、不良品が成形されたりする旨を操作者に通知する。そして、CPU53の図示されない成形阻止処理手段(成形阻止処理部)は、成形阻止処理を行い、当該射出成形機をロックし、成形が行われるのを阻止する。
操作者は、欄m5に表示されたメッセージを読み、必要に応じて、領域AR5の入力キーを操作して、設定内容を、数値で入力し、修正することができる。設定内容が修正されると、前記成形条件評価処理手段は、成形条件が当該射出成形機の各仕様によって表される条件を満たすかどうかによって、当該射出成形機に適合するかどうかを再び判断し、前記表示処理手段は、修正した成形条件の評価結果を欄m5に表示する。そして、前記成形阻止処理手段は、各設定値が当該射出成形機に適合し、変換後の成形条件が当該射出成形機の各仕様に適合するようになるまで、成形が行われるのを阻止する。
このように、本実施の形態においては、他の射出成形機から当該射出成形機に変更する場合、条件換算画面g1に、メモリ54から他の射出成形機の成形条件を読み出すための条件呼出キーk21、並びに他の射出成形機の成形条件を当該射出成形機に適合する成形条件に変換するための単位切換キーk22及び条件換算キーk23が表示されるので、操作者が、条件換算画面g1の欄m3において当該射出成形機の各仕様を入力し、単位切換キーk22及び条件換算キーk23を押下すると、自動的に、他の射出成形機において設定されていた成形条件が、当該射出成形機に適合する成形条件に変換される。
したがって、操作者は、成形条件を短時間で、かつ、容易に変換することができる。その結果、当該射出成形機において、成形を行うことができなかったり、不良品が成形されたりすることがなくなる。
また、成形条件の設定値を換算する必要が生じる設定項目の数が多い場合、所定の設定項目について設定値を換算したときに、それに伴って、他の設定項目についても設定値を換算する必要が生じる場合等においても、設定値が自動的に換算されるので、設定値を換算するのに必要な時間を短くすることができるだけでなく、設定値を精度良く換算することができる。その結果、操作者は、成形条件を短時間で、かつ、容易に変換することができる。
さらに、仕様の異なる複数の射出成形機を使用して同じ成形品を成形する場合も、操作者は、仕様の異なる他の射出成形機の成形条件を、成形条件を設定する必要がある当該射出成形機の使用に適合する成形条件に、短時間で、かつ、容易に変換することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
11 射出成形機
54 メモリ
g1 条件換算画面
k21 条件呼出キー
k22 単位切換キー
k23 条件換算キー
54 メモリ
g1 条件換算画面
k21 条件呼出キー
k22 単位切換キー
k23 条件換算キー
Claims (8)
- 射出成形機の成形条件を設定するための設定画面において、
成形条件を設定する必要がある射出成形機とは仕様の異なる射出成形機の成形条件を参照するための参照用の操作要素、及び該参照用の操作要素によって参照された前記仕様の異なる射出成形機の成形条件を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件に変換するための変換用の操作要素が表示されることを特徴とする設定画面。 - 変換後の成形条件が、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合するかどうかの評価結果が表示される請求項1に記載の設定画面。
- (a)操作者による操作部の操作に基づいて、射出成形機の成形条件を設定するための設定画面を表示部に形成する画面形成処理手段と、
(b)成形条件を設定する必要がある射出成形機とは仕様の異なる射出成形機の成形条件を記録するための記憶装置と、
(c)該記憶装置に記録された成形条件を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件に変換する成形条件変換処理手段とを有することを特徴とする射出成形機。 - 前記成形条件変換処理手段は、前記記憶装置に記録された成形条件の設定値の単位を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件の設定値の単位に切り換える請求項3に記載の射出成形機。
- 前記成形条件変換処理手段は、前記記憶装置に記録された成形条件の設定値を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機の設定値に換算する請求項3に記載の射出成形機。
- 変換後の成形条件が、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合するかどうかを判断する成形条件評価処理手段を有する請求項3に記載の射出成形機。
- 前記成形条件評価処理手段による判断結果を評価結果として表示する表示処理手段を有する請求項3に記載の射出成形機。
- (a)操作者による操作部の操作に基づいて、射出成形機の成形条件を設定するための設定画面を表示部に形成し、
(b)成形条件を設定する必要がある射出成形機とは仕様の異なる射出成形機の成形条件を記憶装置から読み出し、
(c)読み出した成形条件を、前記成形条件を設定する必要がある射出成形機に適合する成形条件に変換することを特徴とする成形条件変換方法。
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