JPH07241892A - 射出成形機における保圧及び保圧時間の設定方法 - Google Patents

射出成形機における保圧及び保圧時間の設定方法

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JPH07241892A
JPH07241892A JP6000494A JP6000494A JPH07241892A JP H07241892 A JPH07241892 A JP H07241892A JP 6000494 A JP6000494 A JP 6000494A JP 6000494 A JP6000494 A JP 6000494A JP H07241892 A JPH07241892 A JP H07241892A
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JP
Japan
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pressure
holding
time
injection
holding pressure
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Application number
JP6000494A
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English (en)
Inventor
Yutaka Oto
裕 大戸
Hiromitsu Shimazu
浩充 島津
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Sodick Co Ltd
Original Assignee
Sodick Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熟練を要することなく、保圧(保持圧力)及
び保圧時間(ゲートシール時間)を容易かつ正確に設定
し、使いやすい射出成形機を提供する。 【構成】 前記表示装置の画面に基づき、使用する樹脂
の種類ゲートの種類及び製品の目標値を入力し(S2,
S3,S16)、該樹脂の種類及びゲートの種類に基づ
き、記憶装置のデータから選択して、保圧力を仮りに設
定する(S11)。そして、該仮りに設定された保圧力
により、保圧時間を異ならせて所定回数射出し(S1
3,S15)、これら射出にて成形された製品の実重量
を入力し(S14)、該実重量の変化に基づき、保圧時
間を自動的に設定する。また、該保圧時間に基づき、保
圧力を異ならせて所定回数射出し(S18,S20)、
これら射出にて成形された製品の実寸法を入力し、該実
寸法の変化と前記製品の目標値とに基づき保圧力を自動
的に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御装置を有する射出
成形機による射出条件設定方法に係り、特に射出成形機
で金型キャビティ内に射出した樹脂を冷却・固化するま
でに保持する保持圧力(保圧)及びその保持時間(保圧
時間)を設定する方法に係り、詳しくは制御装置の表示
部に表示される簡単画面に従って入力する等により自動
的に保圧及び保圧時間を設定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形機には、制御装置が付
設されており、該制御装置によりシーケンス制御及びプ
ログラム制御等の各自動制御が行われている。近時、制
御装置にコンピュータが適用されて、きめ細かい制御が
可能となり、CRT等の表示装置を切換えながら、温度
設定、型開閉設定及び射出設定等の入力が行われ、各成
形条件が設定されている。
【0003】例えば、射出設定にあっては、製品の体
積、V−P切換位置及びこれに基づく速度波形を経験に
より決定し、これらを手動にて入力し、そして保圧力及
び保圧時間を切換えてサンプル射出成形し、これを見な
がら保圧力及び保圧時間と製品重量の関係から保圧及び
保圧時間を決定して入力している。この際、サンプル成
形した製品の外観を観察して、フローマーク、ジェッテ
ィング、ガス焼、ショートショット、ヒケ、バリ、そり
等の発生、更には製品寸法の実測等により、射出条件を
経験により補正して、数10回に亘るサンプル成形を重
ねて射出条件を設定している。
【0004】特に、上記保圧力は、溶融樹脂を金型キャ
ビティに一応充填した後、まだ高温にある溶融樹脂が、
冷却によって体積収縮を始めるのに対応して引きつづき
圧力を保持し、クッション量となっている樹脂をキャビ
ティに送り込んで冷却による収縮に見合う分量の材料を
補給するためのものであり、また保圧時間は、ゲートシ
ールされるまでの適正量の樹脂を、キャビティ内に圧縮
したままの状態に保持しながら冷却するための時間であ
り、これら保圧力及び保圧時間は、成形品の品質、特に
成形品の寸法精度に直接影響する重要な値であるが、上
述したように勘や熟練に頼る設定方法では、必ずしも適
正とは限らず、環境の変化及び外乱等による許容範囲が
狭く、安定した射出成形ができない場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、射出成形機に
おける射出条件、就中保圧及び保圧時間の設定は、オペ
レータの熟練と勘を必要とする面倒な作業であり、かつ
正確な設定が困難で、成形不良の原因になることもあ
る。
【0006】そこで、本発明は、表示装置の画面に従っ
て樹脂の種類、ゲートの種類及び製品の目標値を入力
し、そして数回のサンプル成形の結果を入力することに
より、熟練を要することなく自動的に保圧及び保圧時間
を設定し、もって極めて使いやす射出成形機を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記事情に鑑
みなされたものであって、表示装置(22)、入力装置
(23)、記憶装置(25)及び処理装置(21)を有
する制御装置(2)と、射出成形機本体(1)と、を備
えた射出成形機(U)の射出成形方法において、前記表
示装置(22)の画面に基づき、使用する樹脂の種類
(例えば、汎用、エンプラ、スーパーエンプラ)、ゲー
トの種類(例えばサイドゲート、ピンゲート及びフィル
ムゲート)及び製品の目標値を入力する行程(S2,S
3,S16,S32)と、前記樹脂の種類及びゲートの
種類に基づき、記憶装置のデータから選択して、保圧力
を仮りに設定する行程と(S11)、該仮りに設定され
た保圧力により、保圧時間を異ならせて所定回数射出し
(S13,S15)、これら射出にて成形された製品の
実重量を、前記表示装置の画面に基づき入力する行程と
(S14)、該実重量の変化に基づき、保圧時間を処理
装置(21)にて演算して自動的に設定する工程と(S
11−5)、該保圧時間に基づき、保圧力を異ならせて
所定回数射出し(S18,S20,S33,S40,S
46)、これら射出にて成形された製品の実寸法を、前
記表示装置の画面に基づき入力する行程と(S19,S
34,S41,S47)、該実寸法の変化と前記入力さ
れた製品の目標値とに基づき、保圧力を処理装置(2
1)にて演算して自動的に設定する行程と(S36,S
42,S48)、を備えてなる射出成形機における保圧
及び保圧時間の設定方法にある。
【0008】望ましくは、前記ゲートの種類が、サイド
ゲートと、ピンゲート又はフィルムゲートを含み、Tを
前記保圧時間、a(例えば5)及びb(例えば2)をそ
れぞれ異なる定数、c(例えば2)を所定係数、そして
Nを所定射出回数(0,1…)とすると、 サイドゲートの場合、T[sec ]=a+cN ピン又はフィルムゲートの場合、T[sec ]=b+N にて求められた保圧時間にて所定回数射出してなる。
【0009】また、例えば図15に示すように、前記処
理装置(21)により、前記入力された実重量が、前記
保圧時間の変化に拘らず平衡状態となる保圧時間を算出
し、該算出値に基づき前記保圧時間を設定してなる。
【0010】更に望ましくは、前記使用する樹脂の種類
が、汎用、エンジニアリングプラスチック及びスーパー
エンジニアリングプラスチックを含み、Pを保圧力、d
(例えば25),e(例えば30)及びf(例えば3
5)をそれぞれ異なる定数、g(例えば5)を所定係
数、そしてNを所定射出回数(0,1…)とすると、 汎用の場合、P[%]=d+gN エンジニアリングプラスチックの場合、P[%]=e+
gN スーパーエンジニアリングプラスチックの場合、P
[%]=f+gN にて求められる保圧力にて所定回数射出してなる。
【0011】そして、例えば図16に示すように、前記
処理装置(21)により、前記入力された実寸法の連線
が、前記製品の目標値と交差する位置(Q)の保圧力
(Pq)を算出し、該算出値に基づき前記保圧力を設定
してなる。
【0012】また、例えば図25に示すように、前記設
定された保圧時間及び保圧力により射出し、その成形品
の寸法が前記目標値より大きい場合、V−P切換位置を
そのままにして、前記設定された保圧力(P1)を予め
定められている微小時間(T1;例えば0.2[sec
])維持した後、該設定された保圧力を所定量(例え
ば5[%])減じた保圧力(P2)を前記保圧時間(T
2)保持してなる。
【0013】更に、例えば図24に示すように、前記設
定された保圧時間及び保圧力にて射出し、その成形品の
寸法が前記目標値より小さい場合、前記設定された保圧
力より所定量(例えば5[%])高い保圧力を新たに設
定し、該新たな保圧力に達するまで速度波形を延ばし
て、該速度波形に基づく圧力値が前記新たな保圧力に達
した点をV−P切換位置に変更して、該V−P切換位置
から、前記新たな保圧力を前記保圧時間保持してなる。
【0014】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、本発明の構成を何等限定する
ものではない。
【0015】
【実施例】以下、図面に沿って、本発明による実施例に
ついて説明する。
【0016】図1において、Uは射出成形機本体1及び
制御装置2からなる射出成形機であり、射出成形機本体
1は、可塑化部3と射出部5とが別体に構成されたスク
リュプリプラタイプからなり、更に図示しない型締装置
を有している。可塑化部3は可塑化スクリュ6、該スク
リュを回転するモータ7、スクリュを前進して射出部5
との通路を遮断する逆止シリンダ9及びスクリュ6の回
転数を検知するロータリエンコーダ10等を有してい
る。
【0017】一方、射出部5は、射出油圧シリンダ1
1、該シリンダに連結して射出室12内の溶融材料をノ
ズル13から金型のキャビティ内に射出する射出プラン
ジャ15及び該射出プランジャの位置を検出するストロ
ークセンサ16等を有している。
【0018】そして、油圧源17からのオイルが、油圧
制御装置19の各部を介して前記各シリンダ及びモータ
等のアクチュエータに供給されている。即ち、流量制御
弁又は油圧制御弁等を介して射出油圧シリンダ11に連
通され、切換え弁を介して逆止シリンダ9に連通され、
インバータ等を介してモータ7に連通されている。ま
た、各アクチュエータへの油圧及び流速が各種センサ2
0により検出される。
【0019】また、制御装置2は、CPU(中央処理装
置)21の外に、CRT等の表示装置22、キーボード
等の入力装置23、プリンタ24、記憶装置25及びフ
ロッピディスク等の各媒体と接続する接続装置26を有
しており、更にインターフェースを介して各センサから
の信号が入力されると共に各アクチュエータを制御する
油圧制御装置19等に出力している。即ち、該制御部2
には、可塑化部3、射出部5及び金型の各部位の温度、
ロータリエンコーダ10によるスクリュ回転数、ストロ
ークセンサ16による射出プランジャ位置、射出シリン
ダ11への油圧及び流量等が入力されており、これらの
値とCPU内のタイマとで、射出プランジャ等の各速度
をも検知しており、更に型締装置からも所定信号が入力
している。
【0020】図2は、制御装置の接続を示すもので、射
出成形機本体側の制御部30と、制御装置(NC)2と
が、入出力ポート(I/O)、圧力指令値用信号線及び
速度指令値用信号線を介して接続している。制御装置2
は、CPU21を備え、DAコンバータを介して圧力指
令値用及び速度指令値用信号線と接続している。一方、
本体側制御部30は、CPUを備えており、かつ圧力指
令値用及び速度指令値用のADコンバータ、カウンタ、
圧力センサ20aからの信号を受信するADコンバー
タ、比例電磁式制御弁又は油圧電気式サーボ弁19aに
出力するDAコンバータ及びメモリ等を有している。な
お、図中、20aは、射出油圧シリンダ(ラム)11内
の油圧を検知する圧力センサ、18は、該シリンダに連
通しているアキュムレータ、19aは、射出油圧シリン
ダ11に供給する流量を制御する比例電磁制御弁又は電
気油圧サーボ弁である。
【0021】ついで、本実施例による射出成形方法を、
前記表示装置22の画面及び制御装置の内容と共に説明
する。
【0022】まず、射出成形機をオンすると、表示装置
22の画面22aに図4のような「簡単設定」の画像が
写し出される。そして、図3のフローに沿って、オペレ
ータは表示部Bのメッセージに基づきキー操作して、樹
脂の種類を汎用、エンプラ(エンジニアリングプラスチ
ック)、スーパーエンプラの中から選択して「データ入
力」キーを押す(S1)。すると、表示部Cに、該選択
された樹脂の種類の一覧表が表示され、該一覧表から使
用樹脂が選択され、入力される。この際、一覧表に使用
樹脂がない場合、オペレータは独自に入力して記録装置
に記録することも可能である。なお、一覧表には、各樹
脂名に対応して、それぞれ樹脂温度、適正金型温度、グ
レード、収縮率、フィラー含有率等が表示されている
が、これらはオペレータが変更することも可能である。
【0023】ついで、成形物の種類が、薄肉、一般、厚
肉の中から選択されて入力される(S2)。該入力によ
り、該選択に応じた初期速度、初期圧力が設定される
が、例えば、表示部Cに示される入力項目にて、厚肉、
初期圧及び初期速度を設定することも可能である。更
に、ゲートの種類が、サイド、ピン、フィルムから選択
されて入力される(S3)。この際も同様に、表示部C
に示される表等により、更に細かいデータを入力するこ
とも可能である。
【0024】そして、投影面積が金型の実寸法から計算
して入力される(S4)。ついで、射出付帯項目が入力
されるが(S5)、標準的な初期値データが予め画面に
表示されている。例えば、最大型開量200.0[m
m]、型締力99.9[%]、型開速度50.0
[%]、型閉速度50.0[%]、保護圧30.0
[%].保護時間10.0[秒]。突出回数2[回]、
突出速度30.0[%]が表示されており、上記値を変
更するもののみを設定をし直して入力する。従って、上
記初期値を変更しない場合は、単に入力キーを押せば足
りる。
【0025】上記入力が完了すると、設定完了キー(例
えばF9)を押すと、上記初期条件の設定完了したこと
が入力される(S6)。これにより、図5に示すように
温度設定が自動的になされる。樹脂の種類が、汎用、エ
ンプラ、スーパーエンプラのどれかに選択される(更に
具体的に樹脂名が選択される)と、該樹脂に対応した記
録装置からの各データに基づき、射出温度が自動的に設
定される。そして、各部位にて樹脂が所定温度になるよ
うに、可塑化シリンダ27、射出シリンダ29及び金型
(図1参照)が適正温度になるように自動制御される。
【0026】ついで、図3のステップS7に示すよう
に、射出室12内の古い樹脂を排出するパージ動作が必
要回数行われる。この際、図6に示すように、入力した
樹脂の種類及び成形物の種類から、記録されているデー
タに基づき初期圧力、初期速度、冷却時間、充填時間等
の初期条件が設定される。即ち、前記樹脂種類の選択に
基づき初期圧力が一定に決められる。例えば、汎用では
25[%]、エンプラでは30[%]、スーパーエンプ
ラでは35[%]に設定される。また、前記成形物の種
類の選択から初期速度が決められる。例えば、薄肉では
高速の所定値又はオペレータが設定し、一般では最高速
に対して30[%]、厚肉ではオペレータが肉厚寸法を
入力することにより所定低速に設定される。更に、これ
ら樹脂種類及び成形物の種類とのマトリックスから仮の
冷却時間及び充填時間が設定される。
【0027】即ち、前記初期条件にて定められた充填圧
力(一般には一定圧)により射出動作(圧力充填)が行
われ、該射出動作により、以下のようにして計量値が設
定される。
【0028】図7に示すように、例えばプランジャ15
の全ストローク(例えば100mm)の70[%]のスト
ロークSで1回目の射出動作が行われ、この際、プラン
ジャが最も0点に近い点に達した位置x(以下クッショ
ン量という)が、(a) に示すように、所定微小量a(例
えば0[mm]又は1[mm]から0までの間の所定設定
値)以下の場合(x≦a)、プランジャストロークを全
ストロークSmax に変更して、再度射出動作する。
【0029】また、図7(b) に示すように、クッション
量xが予め定められた所定許容量b(例えば2[mm]ま
たは[2〜5mmの任意の値])以上である場合(b<
x),[S−x]にて求められた計量値により再度射出
動作が行われる。例えば、70[%]のストローク値S
が70[mm]でクッション量xが42.5[mm]の場
合、[70.0−42.5]=27.5[mm]のストロ
ークにより再度射出動作が行われる。
【0030】そして、図7(c) に示すように、クッショ
ン量xが[a<x<b]の範囲内、即ち所定微小値aよ
り大きくかつ所定許容量bより小さい場合、該射出動作
におけるストローク値Sが基準計量値となる。例えば、
ストローク値Sが70[mm]でクッション量xが1.5
6[mm]の場合(0<1.56<2)、該ストローク値
70[mm]が基準計量値となる。
【0031】該基準計量値Sをそのまま計量値として設
定してもよく、また予め設定してある必要最小クッショ
ン量dを考慮して、(S−x+d)、例えばdを1.5
[mm]に設定すると、70−1.56+1.50=6
9.4[mm]として設定してもよい。なお、以上のスト
ロークの設定及び計量値の設定は、制御装置2からの演
算・指令により自動的に行なわれる。また、射出室12
の内径断面積をMとして、[(S−x)M]から、製品
の体積も自動的に求められる。
【0032】一方、予め記憶装置25に樹脂の種類によ
る収縮率cを格納しておき、該収縮率cを考慮して、例
えば1回等の数少ないテスト成形動作により計量値を決
定することもできる。即ち、ステップS1による樹脂の
種類の選択に基づき、記憶装置25に格納されている当
該樹脂の収縮率cを読出す。そして、予め設定されてい
る割合(例えば70%)のプランジャストロークSで射
出動作し、その際のクッション量xの値により、 [S−{x+(x×c}] にて基準計量値が自動的に演算される。そして、該基準
計量値に、必要最小クッション量d(例えば1[mm]、
2[mm]又は1.5[mm]等のその間の任意の値)を加
えて、計量値が設定される。これにより、少ないテスト
成形回数で素早く計量値を設定できる。
【0033】なお、上記いずれの計量方法にあっても、
クッション量xは以下のようにして、ストロークセンサ
16の値から自動的に求められる。即ち、プランジャス
トロークに基づき、又は射出速度を加味して、射出動作
が終了するに充分な所定時間が設定され、該所定時間が
経過した時点でのプランジャストローク位置をクッショ
ン量xとする。或いは、該所定時間が経過した後に、圧
力センサ2aによる検知圧力が所定値以上になった時点
をクッション量xとする。また、プランジャの充填動作
が完了して、プランジャ速度が0に近い予め設定された
微小速度に低下した時点でのプランジャストローク位置
をクッション量とする。
【0034】具体的には、図9に示すように、前述した
樹脂の種類及び成形物の種類により設定された射出条件
初期値に基づき、所定充填圧力にて2回射出動作されて
(S7)、前述した方法で計量値が設定され、該計量値
に基づき、更に2回射出動作が行われる(S8)。
【0035】ついで、該ステップS8による、射出動作
により成形された成形物の形状を観察する(S9)。こ
の際、図4に示す画面22aのメッセージ表示部Bに
「成形物の形状を下記項目より選び、データ入力キーを
押して下さい。」とのメッセージが表示されると共に、
表示部Cに、「成形物形状」と共に図9のステップS9
に示す表が表示される。オペレータは、該表に従って射
出された成形物にショート(ショット)があるか、バリ
があるか又はショート、バリがないかを選んで入力す
る。
【0036】図10に示すように、ショート・バリ無し
(S10´)を入力すると、ニューロー方法によりV−
P切換位置が設定される(S10−1)。即ち、上述し
た方法により決定された計量値S1 及び最小クッション
量dから、所定係数r[例えば5%]を掛けることによ
りV−P切換位置が自動的に設定される。例えば、計量
値、即ちプランジャの後退位置をS1 とし、最小クッシ
ョン量、即ちプランジャの前進位置をdとすると、V−
P切換位置SV-P は、 SV-P =(S1 −d)×r+d なる計算式により自動的に設定される。
【0037】ついで、図10のステップS10−2に進
み、一定圧力による圧力充填から、速度制御に変換され
る。即ち、図8に示すように、前記所定充填圧力にて圧
力充填される射出動作において所定時間t(例えば34
0μs)毎に、電磁比例制御弁19aへの指示電圧、即
ち制御装置2(30)からの速度指令値がメモリに格納
される(図2参照)。これにより、プランジャ15の微
小ストローク位置毎S1 ,S2 …の速度指令値が、テス
ト成形毎にメモリに記録される。
【0038】そして、上記ショート・バリがなく、良品
とされた成形物を射出した際の速度指令値が、次回の射
出動作時からの速度波形となり、これにより、計量値、
最小クッション量及び速度波形の各値が決定されたコモ
ンに設定される(S10−3)。そして、次回からの射
出動作は、圧力充填に代え、計量値からV−P切換位置
まで、該各微小ストローク位置S1 ,S2 …毎に設定さ
れた速度波形に基づき制御され(S12)、これによ
り、次回から該良好な時の速度指令を再現するように自
動的に設定される。なお、該速度制御にあっても、金型
の保護等の理由により圧力値の上限[例えば70%]が
規定されており、該上限を越えるような射出速度は制限
される。また、これら射出速度、計量値、V−P切換位
置、上限圧等が、画面22aの表示部Cに表示される。
【0039】また、上述したように、計量値からV−P
切換位置まで、上述定められた速度にて制御する理由
は、圧力一定での充填では、樹脂が硬化しながら充填す
る為、僅かな粘度の低下で該粘度が低下しない前の条件
に比し速度が遅くなり、この為更に硬化が進み充填の為
の高い圧力が必要となるにも拘らず、圧力が一定である
ために速度が遅くなり、その結果ショートシットになり
易く、また反対に、粘度が上がると、上述と反対に速度
が速くなり過ぎ、バリや過充填を引き起こし易くなるこ
とになる。そこで、金型の形状に応じて、所定(一定)
充填圧にて樹脂がキャビティ内を充填する際、その流路
面積に起因して速度が変化するが、該変化した速度に基
づき制御することにより、粘度が変化することによる圧
力変化があるとしても、上述した圧力充填に比し不良現
象を生じにくく、かつ樹脂温度変化等による成形品の感
度を低下することができる。
【0040】一方、図11に示すように「ショート」が
入力されると(S10−4)、最小クッション量dが所
定微小量e(例えば1mm、e≧a)以下の場合(S10
−5,d<e)、計量値S1 を全ストロークSmax に変
更して再び計量値を設定し直す(S10−6)、また、
最小クッション量dが所定微小量e以上の場合(d>
e)、充填圧力を所定割合(例えば5%)づつ増して射
出動作を行い、成形物にショートがなくなるまでこれを
繰返す(S10−7)。ただし、充填圧力が50[%]
を越える場合(S10−8)、エラーとして画面22a
の表示部Cに表示される(S10−9)。また、充填圧
力が50[%]内においてショートがなくなり、良品が
成形されると、図10に示すフローと同様に、該良品成
形時の充填圧力に基づく速度指令値が速度波形として設
定される(S10−3)。
【0041】また、図12に示すように「バリ」が入力
されると(S10−10)、画面22aの表示部Bに
「この成形は、簡単設定ではできません。」とのエラー
メッセージが出て、オペレータは詳細設定画面に切換え
て、設定することになる。即ち、前記入力等のミスがあ
って、誤設定されたか否か判断され(S10−11)、
誤設定があった場合、もう1度設定をし直す(S10−
12)。ただし、前回の射出動作ではショートで、初期
圧力を上げて射出動作(S10−7)することにより発
生したバリについては、その回で増加した分の所定割
合、例えば[1/2]の圧力を下げる(S10−1
4)。例えば、前回5[%]圧力を上げてバリが発生し
た場合、2.5[%]下げる。そして、図10に示すフ
ローと同様に、該下げた充填圧力に基づき射出動作さ
れ、この際の速度指令値が速度波形として設定される
(S10−15)。なお、前回ショートにより充填圧を
増加した結果、バリが発生した場合以外は、上述したよ
うにエラー表示がなされる(S10−16)。これによ
り、オペレータが、表示部のメッセージに基づき詳細設
定画面を出した場合、初期射出条件、型開閉、速度等の
各設定は、簡単設定画面で設定された成形条件が設定さ
れている。
【0042】更に、上述した、良品射出動作時のプラン
ジャ15の実速度も、ストロークセンサ16に基づきメ
モリに格納され、該毎回の実速度が、前述した良品射出
時に設定された速度指令値と比較され、これにより環
境、外乱の変化を予期する。そして、該予測に基づき、
速度指令値を自動的に変化させるか、又はエラーメッセ
ージを出力するようにしてもよい。
【0043】また、上述した方法により、良品を射出成
形する際の計量値S1 、最小クッション量d及びV−P
切換位置SV-P が設定されると、画面の表示部Cに、充
填率 p=(S1 −SV-P )/(S1 −d) が表示される。該充填率pは、どれだけ充填工程で樹脂
を充填したかの比率を示すものであって、射出成形の成
否に大きく影響するものであり、適正な充填率pの選択
が安定した射出成形の目安と成る。一般に、充填率は、
樹脂のバラツキを考慮して0.85〜0.98が好まし
く、薄い成形物ほど充填率を高くする方がバラツキの少
ない安定した射出成形となる。特に、本実施例のよう
に、プリプラ式射出成形機を用いる場合、充填率が正確
であるため、V−P切換位置を最小クッション量に近づ
けて、充填率を限界まで1に近づけて安定した射出成形
を行うことができる。なお、インライン式射出成形機に
あっては、充填量が不確定であるため、どうしても充填
率は低くなる。
【0044】そして、前記樹脂の種類及び成形物の種類
に対応した適正な充填率pを記録装置25に予め記録し
ておく。これにより、樹脂の種類及び成形物の種類を入
力することにより、適正な充填率pを選択・設定し、こ
れから適正なV−P切換位置SV-P を設定するようにし
てもよい。なお、充填率の設定は、前述したV−P切換
位置の設定における所定係数rを選択・設定することと
同じ意味となる。
【0045】p=(S1 −SV-P )/(S1 −d) SV-P =S1 −pS1 +pd=(S1 −d)×(1−
p)+d r=1−pとすると、 SV-P =(S1 −d)×r+d ついで、図3のステップS11にて、ゲートシール時間
(保圧時間)が決定される。まず、図13に示すよう
に、樹脂の種類及びゲートの種類のマトリックスから、
記録装置のデータに基づき保圧力が仮に設定される。そ
して、パージ動作後(S12)、ゲートシール時間を異
ならせて複数回射出動作される(S13,S15)。
【0046】詳しくは、図14に示すように、上述した
表示装置22aに基づき入力されているゲート種類が判
断され(S11−2)、サイドゲートの場合、保圧(ゲ
ートシール)時間T1[sec ]は、aを所定定数、cを
所定係数、そしてN(0,1,2…)を射出回数とする
と、 T1=a+cN にて求められる。望ましくは、定数aは5であり、かつ
係数cは2であって、 T1=5+2×N にて求められる(S11−3)。
【0047】また、ピンゲート又はフィルムゲートの場
合、保圧(ゲートシール)時間T1[sec ]は、bを所
定定数(a<b)、Nを射出回数とすると、 T1=b+N にて求められ、望ましくは、定数bは2であって、 T1=2+N にて求められる(S11−4)。
【0048】そして、上述した予め仮りに設定されてい
る保圧力にて、かつ上述したV−P切換位置SV-p 、最
小クッション量d、速度波形により、1回目の射出動作
が行われる。この際、ゲートシール時間は、上述した式
のNに0を代入した値となる。例えば、サイドゲートの
場合、T1=5[sec ]となり、ピン又はフィルムゲー
トの場合、T1=2[sec ]となる。
【0049】次いで、上述射出動作にて成形された成形
物の重量が計られ、該重量値が表示装置22aにおける
メッセージ部材Bに示されるメッセージに従って、表示
部Cに示されている表に入力される(S14)。つぎ
に、「データ確定キー」が押されると、上述した同じ射
出条件で、ゲートシール時間(保圧時間)だけが自動的
に変更されてコモンデータとして入力され、2回目の射
出動作が行われる。この際、ゲートシール時間は、上述
した式のNに1を代入した値となり、例えば、サイドゲ
ートの場合、T1=7[sec ]となり、ピン又はフィル
ムゲートの場合、T1=3[sec ]となる。このように
して、ゲートシール時間だけを変えて5回のサンプリン
グ射出動作が行われ、それぞれの成形物の重量が表示部
Cに示される表内に入力される。
【0050】このようにして、ゲートシール時間T1を
変更した5回の射出動作により得られた成形物の重量値
から、制御部の処理装置において、重量値の変化関数が
求められ、その関数から保圧時間Tが決定される。例え
ば、図15に示すように、射出成形による成形物の重量
が、1回目で13.5[g]、2回目で14.5
[g]、そして3回目からは14.8[g]で平衡した
場合、1,2回目の重量連線A及び、3,4,5回目の
重量連線Bとの関数の方程式を求め、連線AとBの交点
Oを算出し、該交点での時間値T1が保圧時間として設
定される。この際、保圧時間は0.5単位で切り上げら
れる。なお、上記重量が平衡したとの判断は、 X=(今回重量−前回重量)/(今回重量)% において、X>0.1%になっている場合、平衡してい
ると判断する。そして、上記交点Oでの保圧時間T1か
ら所定安全率αを掛けて、保圧時間Tが決定される。即
ち 保圧時間 T=T1×α。
【0051】ついで、ステップS16に示すように、保
持圧力を決定すべく、表示部Cに製品の寸法目標値を入
力する。パージ動作の後(S17)、前述した方法にて
決定した射出条件(計量値S1 、最小クッション量d、
V−P切換位置Vv-P 及び速度波形)並びに保圧(ゲー
トシール)時間Tに基づき、保持圧力(保圧)を変えて
複数回のサンプル射出が行われ(S18,S20)、そ
して該射出成形された成形品の寸法を実測し、該実寸法
値を表示部Cの表に入力する(S19)。この際、樹脂
の種類により予め異なる定数d,e,fが設定されお
り、gを所定係数とし、Nを射出回数(0,1,2…)
とすると、保持圧力(保圧)P[%]は、樹脂の種類が
汎用の場合、P=d+g×N、定数dは25が好まし
く、係数gは5が適当であり、従ってP+25+5N
にて設定され、樹脂の種類がエンプラの場合、P=e+
g×N、定数eは30が好ましく、従ってP+30+5
N にて設定され、樹脂の種類がスーパーエンプラの場
合、P=f+g×N 定数fは35が好ましく、従ってP=35+5N にて
設定される。
【0052】例えば、図16(a) に示すように、上述し
た計算式により保持圧力P1 …を徐々に増加して、その
射出動作による製品寸法を入力した値が制御装置にて演
算されて、所定関数(直線J)が算出され、前記ステッ
プS16で入力された製品の寸法目標値Kと上記関数J
の交点Qが求められ、該交点Qにおける保持圧力P
q[%]が設定保持圧力(保圧力)として決定される。
なお、図16(b) に示すように、保持圧力をある圧力ま
で上げるか又は下げると、製品寸法が変化しなくなる圧
力(Pa ,Pb )が出るが、該限界圧力Pb によって
も、目標寸法値Kまで達することが不可能な場合、表示
装置22aのメッセージ部Bにエラーコメントを出す。
【0053】更に、該保持圧力の決定により、必要があ
れば、V−P切換位置が自動的に補正される。例えば、
実寸法が目標寸法値より小さ過ぎ、保持圧力を上げたい
場合、上げたい圧力値に達するまで速度波形を延ばし、
該速度波形が交った点から圧力制御に切換える。該交っ
た点がV−P切換位置となるため、V−P切換位置は所
定量遅れる。
【0054】また、入力した投影面積[cm2 ]と型締力
割合[%]から型締力[kg f] が算出され、前記決定し
た保持圧力[kg f /cm2 ]と投影面積[cm2 ]の積が保
持圧×投影面積>型締力となると、オーバパッキングと
なるため、金型保護のため、射出前に自動的に警報を発
する。
【0055】以上により、各成形条件が、図4に示す1
画面だけで簡単にかつ素早く決定される(S21)。
【0056】ついで、図17ないし図25に沿って、保
持圧力(保圧)の決定方法を具体化した実施例について
説明する。
【0057】図17のメインフローに示すように、保圧
の決定動作が開始されると(S30)、まず保持圧力
(保圧)の初期値P1が、樹脂の種類等に基づきメモリ
から選択されて設定される(S31)。ついで、製品の
目標寸法が、表示装置22aに指示に従ってキーボード
にて入力され(S32)、1回目の射出動作が行なわれ
(S33)、更に該射出動作により成形された成形物の
実寸法が実測されて、表示装置22aの表示部Cの表に
入力される(S34)。そして、該実寸法と、前記ステ
ップS32に入力された目標寸法とがシステム内で比較
され、実寸法と目標寸法とが等しい場合(=)、上記初
期値P1が、最終保持圧力(保圧)として決定される
(S36)。
【0058】実寸法が目標寸法より小さい場合(<)、
図18に示すPR01処理に移行する(S37)。該P
R01処理にあっては、まず保持圧力P1が、先の初期
値に対して所定量(例えば5%)増加するように自動的
に変更設定する(S39)。 P1(2回目)=P1(1回目)+5% そして、該変更された保持圧力により2回目の射出動作
が行なわれ(S40)、該射出成形による成形物の実寸
法が入力される(S41)。該実寸法と目標寸法とが比
較され(S35参照)、両寸法が等しい場合、上記2回
目に設定された保持圧力P1(2回目)が、最終の保持
圧力(保圧)として決定される(S42)。
【0059】該2回目の保持圧力によっても、まだ実寸
法が目標寸法に対して小さい場合(<)、図20に示す
ように、1回目及び2回目を結ぶ実寸法連線J2と目標
寸法線Kとの交点Q2を求め、該交点Q2の保持圧P1
(3)を、3回目の保持圧力とする。そして、同様に、
該保持圧力P1(3)で3回目の射出動作を行ない、そ
の実寸法が入力されて目標寸法と比較される。この状態
で、実寸法と目標寸法が等しい場合、3回目の保持圧力
P1(3)が、最終の保持圧力として決定される(S4
2)。
【0060】また、図21に示すように、実寸法が目標
寸法と異なる場合(例えば大きい場合)、2回目と3回
目の連線J3と目標寸法線Kとの交点Q3を求め、該交
点Q3での保持圧力Pが、最終の保持圧力として決定さ
れる(S42)。
【0061】この際、ステップS43に示すように、V
−P切換位置が、システム内にて自動的に上記保持圧力
(保圧)の上昇に対応して変更される。上述したよう
に、実寸法が目標寸法に対して小さいことに基づき、保
持圧力を所定量上昇した場合、前記設定された計量値S
1 、最小クッション量d及び速度波形を維持したまま、
該速度波形を、V−P切換位置SV-P を越えて新たに設
定された保持圧力に達するまで延長する。そして該速度
波形の延長線が、新たに設定された保持圧力値と交差す
る点Mに対応するストローク値が、新たなV−P切換位
置SV-P となるように修正され、該新たなV−P切換位
置から、新たに設定された保持圧力及び前記保圧時間
(ゲートシール時間)による圧力制御に切換えられる。
例えば、保持圧力Pが35[%]から40[%]に上昇
変更されると、該上昇された圧力値[40%]に達する
まで速度波形が延長され、プランジャストロークが速度
制御のままで、従来のV−P切換位置(2.2mm)から
約0.1[mm]更にストロークし、該圧力値[40%]
に達して点Mにて圧力制御に切換えられる。従って、V
−P切換位置は、従前の切換位置から0.1[mm]減少
して(2.2−0.1=2.1[mm])となり、該保持
圧力が、前記設定された保圧時間T維持される。
【0062】一方、実寸法が目標値に対して大き過ぎる
場合(S38)、図19に示すPR02処理が行なわれ
る。まず、保持圧力P及び保圧時間Tが2段に変更され
(S45)、2回目の射出動作が行なわれ(S46)、
そして同様に製品の実寸法が計測されてキーボードによ
り入力される(S47)。即ち、2回目の射出動作にあ
っては、所定時間T1、例えばT1=0.2[sec ]だ
け保持圧力が初期値P1(1回目)に維持され、その後
所定割合(例えば5%)を上記初期値P1(1回目)か
ら減ぜられた保持圧力P2[P2=P1(1回目)−5
%]で前記設定された保圧時間(ゲートシール時間)T
2[T2(2回目)=T1(1回目)]保持される。
【0063】例えば、図25に示すように、保持圧力P
を初期値35[%]から30[%]の下げる場合、V−
P切換位置から、初期値P1のまま、予め定められた固
定値T 1である0.2[sec ]維持する。その後、下げ
たい保持圧力P2である30[%]に下げ、前述した方
法にて設定された保圧時間(ゲートシール時間)T1で
ある4.8[sec ]、該保持圧力P2に維持する。
【0064】前記2回目の射出動作にて成形された製品
の実寸法が目標寸法に等しい場合、上述のようにして設
定された保持圧力P1及びP2が、最終保持圧力に決定
される。また、図22に示すように、2回目の実寸法
が、まだ目標寸法に対して大き過ぎる場合、3回目の射
出動作が行なわれる。この際、1次保圧P1及び保圧時
間T1は同じであるが[P1(3回目)=P1(1回
目),T 1(3回目)=0.2(sec )]、2次保圧P
2は、1回目及び2回目の実寸法線連線J4を演算し
て、該連線J4と目標寸法線Kとの交点Q4を算出し、
該交点Q4の保持圧P2(3)を求めて、該保持圧P2
(3)を、3回目の射出における2次保圧に設定し、予
め定められた保圧時間T2[T2(3回目)=T1(1
回目)]維持される。
【0065】該保持圧力P2(3)による3回目の射出
による成形物の実寸法が目標寸法と一致した場合、1次
保圧P1(1)及び2次保圧P2(3)が、最終保持圧
として決定する。更に、図23に示すように、該3回目
の射出動作によっても、実寸法が目標寸法に対して大き
い場合、2回目及び3回目の実寸法連線J5と目標寸法
線Kとの交点Q5を演算し、該交点Q5における保持圧
P2が、最終2次保圧として決定される。なおこの際の
1次保圧P1及び保持時間T1,T2は、P1=P1
(1回目),T1=0.2[sec ],T2=T1(1回
目)となる。
【0066】このようにして、1次保持圧力P1及び2
次保持圧力P2(並びに1次保圧時間T2)が決定され
る(S48)。
【0067】ついで、上述した射出制御について、図2
6に沿って説明する。
【0068】射出制御部2bには、樹脂の種類、成形物
の種類、ゲートの種類、型締力及び金型投影面積、型開
閉速度等の前記射出付帯項目が入力されていると共に、
前述した図6及び図13のマトリックス等による初期動
作、指令データを有する記憶装置25bが入力されてい
る。そして、これら入力に基づき、前述したように射出
条件が自動的に決定され、射出成形機1に対して射出動
作指令が発せられ、そして射出動作がなされ、またこの
際、V−P切換位置までの充填行程にあっては、速度指
令が発せられて所定速度波形に従って制御され、かつV
−P切換位置以降の保圧行程にあっては、圧力指令が発
せられて所定圧力波形に従って制御される。また、保持
圧力が高くてオーバパッキングの虞れがある場合、警報
を発して金型が保護される。
【0069】更に、成形品の仕上り(外観)をみて、速
度を調整する制御を加えることも可能である。図27
(a) に示すように、射出速度が速すぎるために起こる現
象と、遅すぎるために起こる現象が、相反的に生ずる。
該現象の生じている成形品の位置をゲートからの距離で
実測し、それを射出プランジャのストローク位置に演算
する。一方、その現象の程度、例えばジェッティングの
場合、その縞模様の程度を判断して、何%速度を上げる
か下げるかを自動的に設定する。これにより、図27
(b) に示すように、例えば射出プランジャストロークの
x位置及びy位置に対応する位置に所定量のジェッティ
ングがある場合、射出速度は、調整前の設定速度波形G
に対して、ジェッティングの程度により設定される所定
割合により上記x位置及びy位置部分の速度が低下さ
れ、実速度波形Hのように自動的に調整される。
【0070】更に、プリプラ式射出成形機は、射出が専
用のプランジャで行われるため、インライン式射出成形
機のように外乱の影響を受けることが少なく、プランジ
ャ位置と成形品の上記現象の発生位置とが正確に対応す
ると共に、これら現象が発生する際、プランジャの速度
及び射出油圧シリンダの圧力における微妙な変化として
捉えることも可能である。この場合、上記成形品におけ
る現象位置の実測等を行うことなく、自動的に速度波形
を調整することも可能である。
【0071】なお、上記実施例に示すように、射出成形
機本体にプリプラタイプを用いることが好ましいが、必
ずしもそれに限定されることはなく、スクリューインラ
インタイプの射出成形機に適用してもよいことは勿論で
ある。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
樹脂の種類、ゲートの種類及び製品の目標値を入力し、
そして少ない回数の射出動作によるサンプル成形の結果
を入力するだけで、保圧(保持圧力)及び保圧時間(ゲ
ートシール時間)が自動的に設定されるので、熟練を必
要とせずに極めて簡単に適正な射出条件を設定すること
ができ、使いやすい射出成形機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用し得る射出成形機を示す概略図。
【図2】制御装置の接続を示す概略図。
【図3】本発明に係る射出成形方法を示すフロー図。
【図4】本発明に係る簡単設定用の画面を示す図。
【図5】本発明に係る射出成形方法における温度設定行
程に係る図。
【図6】本発明に係る射出成形方法における初期条件設
定行程に係る図。
【図7】(a) ,(b) ,(c) は、本発明に係る計量値を設
定する行程に係る図。
【図8】本発明に係る圧力充填による速度指令値の設定
に係る図。
【図9】基本条件の補正に係るフロー図。
【図10】そのショートバリ無しに係るフロー図。
【図11】そのショート発生時に係るフロー図。
【図12】そのバリ発生時に係るフロー図。
【図13】本発明に係る射出成形方法における保圧時間
(ゲートシール時間)設定行程に係る図。
【図14】保圧時間の設定行程を示すフロー図。
【図15】入力された成形物重量から保圧時間を設定す
る方法を示す図。
【図16】(a) は、保圧と製品寸法との関係を示す図、
(b) は、保圧を変化させても目標寸法に達しない場合を
示す図。
【図17】保持圧力(保圧)の設定行程を示すメインフ
ロー図。
【図18】そのRR01処理(実寸法<目標寸法)を示
すフロー図。
【図19】そのPR02処理(実寸法>目標寸法)を示
すフロー図。
【図20】PR01処理における3回目の保持圧を設定
する方法を示す図。
【図21】PR01処理における最終保持圧を決定する
方法を示す図。
【図22】PR02処理における3回目の保持圧を設定
する方法を示す図。
【図23】RPR02処理における最終保持圧を決定す
る方法を示す図。
【図24】PR01処理における速度・圧力波形を示す
図。
【図25】PR02処理における速度・圧力波形を示す
図。
【図26】本発明に係る射出制御に係るブロック図。
【図27】(a) ,(b) は、成形品の外観・品質に基づく
速度調整の一例を示す図。
【符号の説明】
1 射出成形機本体 2 制御装置 2b 射出制御装置 21 処理装置(CPU) 22 表示装置 22a 1画面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示装置、入力装置、記憶装置及び処理
    装置を有する制御装置と、射出成形機本体と、を備えた
    射出成形機において、 前記表示装置の画面に基づき、使用する樹脂の種類、ゲ
    ートの種類及び製品の目標値を入力する行程と、 前記樹脂の種類及びゲートの種類に基づき、記憶装置の
    データから選択して、保圧力を仮りに設定する行程と、 該仮りに設定された保圧力により、保圧時間を異ならせ
    て所定回数射出し、これら射出にて成形された製品の実
    重量を、前記表示装置の画面に基づき入力する行程と、 該実重量の変化に基づき、保圧時間を処理装置にて演算
    して自動的に設定する工程と、 該保圧時間に基づき、保圧力を異ならせて所定回数射出
    し、これら射出にて成形された製品の実寸法を、前記表
    示装置の画面に基づき入力する行程と、 該実寸法の変化と前記入力された製品の目標値とに基づ
    き、保圧力を処理装置にて演算して自動的に設定する行
    程と、 を備えてなる射出成形機における保圧及び保圧時間の設
    定方法。
  2. 【請求項2】 前記ゲートの種類が、サイドゲートと、
    ピンゲート又はフィルムゲートを含み、 Tを前記保圧時間、a及びbをそれぞれ異なる定数、c
    を所定係数、そしてNを所定射出回数(0,1…)とす
    ると、 サイドゲートの場合、T[sec ]=a+cN ピン又はフィルムゲートの場合、T[sec ]=b+N にて求められた保圧時間にて所定回数射出してなる、 請求項1記載の射出成形機における保圧及び保圧時間の
    設定方法。
  3. 【請求項3】 前記処理装置により、前記入力された実
    重量が、前記保圧時間の変化に拘らず平衡状態となる保
    圧時間を算出し、該算出値に基づき前記保圧時間を設定
    してなる、 請求項1又は2記載の射出成形機における保圧及び保圧
    時間の設定方法。
  4. 【請求項4】 前記使用する樹脂の種類が、汎用、エン
    ジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリン
    グプラスチックを含み、 Pを保圧力、d,e及びfをそれぞれ異なる定数、gを
    所定係数、そしてNを所定射出回数(0,1…)とする
    と、 汎用の場合、P[%]=d+gN エンジニアリングプラスチックの場合、P[%]=e+
    gN スーパーエンジニアリングプラスチックの場合、P
    [%]=f+gN にて求められる保圧力にて所定回数射出してなる、 請求項1記載の射出成形機における保圧及び保圧時間の
    設定方法。
  5. 【請求項5】 前記処理装置により、前記入力された実
    寸法の連線が、前記製品の目標値と交差する位置の保圧
    力を算出し、該算出値に基づき前記保圧力を設定してな
    る、 請求項1又は4記載の射出成形機における保圧及び保圧
    時間の設定方法。
  6. 【請求項6】 前記設定された保圧時間及び保圧力によ
    り射出し、その成形品の寸法が前記目標値より大きい場
    合、V−P切換位置をそのままにして、前記設定された
    保圧力を予め定められている微小時間維持した後、該設
    定された保圧力を所定量減じた保圧力を前記保圧時間保
    持してなる、 請求項1ないし5のいずれか1項記載の射出成形機にお
    ける保圧及び保圧時間の設定方法。
  7. 【請求項7】 前記設定された保圧時間及び保圧力にて
    射出し、その成形品の寸法が前記目標値より小さい場
    合、前記設定された保圧力より所定量高い保圧力を新た
    に設定し、該新たな保圧力に達するまで速度波形を延ば
    して、該速度波形に基づく圧力値が前記新たな保圧力に
    達した点をV−P切換位置に変更して、該V−P切換位
    置から、前記新たな保圧力を前記保圧時間保持してな
    る、 請求項1ないし5のいずれか1項記載の射出成形機にお
    ける保圧及び保圧時間の設定方法。
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CN109719276A (zh) * 2017-10-30 2019-05-07 科华控股股份有限公司 真空吸铸工艺充型时间简易测量装置
WO2023195420A1 (ja) * 2022-04-08 2023-10-12 ポリプラスチックス株式会社 ゲートシール時間を求める方法

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