JP7193328B2 - 射出成形機の制御装置及び成形条件ファイル管理システム - Google Patents
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Description
まず、本発明の実施形態の概略を説明する。本実施形態は、一の射出成形機で得られる成形品と同一の成形品を、その射出成形機とは最大能力が異なる他の射出成形機でも得られるようにするためのものに関する。
また、射出成形機1Aと、射出成形機1Bとを区別しない場合には、単に射出成形機1として説明する。
図2は、本実施形態に係る射出成形機1Bの能力値記憶部22に記憶される機械能力値の例を示す図である。
図1に示す射出成形機1Bは、制御部10(制御装置)と、記憶部20と、射出部24と、型締部25と、入力部27と、表示部28と、通信部29とを備える。
制御部10は、例えば、マイクロプロセッサ等から構成される。制御部10は、記憶部20から読み出した各プログラムを実行し、射出部24及び型締部25等の制御を行う。また、各プログラムの実行の際に、制御部10は、記憶部20から情報を読み出し、記憶部20に情報の書き込みを行い、入力部27、表示部28、通信部29等の制御を行う。
制御部10は、指令値生成部11と、動作制御部12と、ファイル受付部13(成形条件ファイル受付部)と、成形条件設定部14と、指令値補正部15とを備える。
ここで、成形条件は、射出成形作業に関する条件であり、例えば、金型毎の射出速度や、保圧圧力等である。
また、機械能力値は、射出成形機1Bに固有の値である。そして、機械能力値は、射出成形機1Bの最大能力を示す。機械能力値は、例えば、可動部の最大速度、最大加速度、最大トルク、最大推力、イナーシャ、重量及び射出スクリュ径等である。
さらに、可動部は、軸を動作させるためのものであり、例えば、スクリュ前後進動作によって圧力制御を行うスクリュ前後進軸であってもよい。また、可動部は、その他、エジェクタ中子の動作によって金型キャビティ部の圧力制御を行うエジェクタ軸であってもよいし、型盤の圧縮動作によって金型キャビティ部の圧力制御を行う型開閉軸であってもよい。
ファイル受付部13は、射出成形機1Aにおいて設定された成形条件(第2成形条件)と、この成形条件に固有の機械能力値(第2機械能力値)とを含む成形条件ファイルを、射出成形機1Aから受け付ける。
成形条件設定部14は、ファイル受付部13が受け付けた成形条件ファイルの成形条件を、この射出成形機1Bの成形条件(第1成形条件)として設定する。
指令値補正部15は、ファイル受付部13が受け付けた成形条件ファイルの成形条件に固有の機械能力値と、能力値記憶部22に記憶された機械能力値とに基づいて、制御指令値を補正する。
プログラム記憶部21は、射出成形機1Bのシーケンス動作を制御するシーケンスプログラム、射出成形機1Bの可動部である各軸を駆動制御する運動軸制御プログラム、各軸のサーボモータを制御するサーボ制御プログラム等の各種プログラムを記憶する記憶領域である。
能力値記憶部22は、機械能力値を記憶する記憶領域である。図2に示すように、能力値記憶部22には、射出成形機1Bに固有の各種の機械能力値が記憶されている。
なお、記憶部20は、その他、成形条件、パラメータ、マクロ変数等成形データ等が記憶されている。
型締部25は、金型を型締めする装置である。型締部25によって金型を型締めすることによって、成形品が成形される。
表示部28は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスにより構成され、制御部10からの指示を受けて画面を表示する。
通信部29は、例えば、LAN(Local Area Network)を対象として構成される。通信部29は、例えば、成形工場内のネットワークを介して、射出成形機1Aとデータ通信する。
なお、この例では、通信部29を有するものとして説明するが、これに限定されない。例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体を介して、射出成形機1Bで生成したデータを射出成形機1Aに入力できればよく、例えば、記憶媒体との接続部であってもよい。
図3は、本実施形態に係る射出成形機1A及び射出成形機1Bでの処理の概要を説明するための図である。
図3に示す射出成形機1Aでは、(1)に示すように、表示部28に表示された設定画面を用いて、成形条件である速度(ここでは、100mm/s)を設定する。また、能力値記憶部22に記憶された射出成形機1Aの機械能力値は、例えば、制御軸の最大加速度が1m/s2である。
射出成形機1Aの制御部10(指令値生成部11)は、(2)に示すように、設定画面で設定した成形条件と、射出成形機1Aの機械能力値とに基づいて、制御指令値を生成する。そして、射出成形機1Aの制御部10(動作制御部12)は、(3)に示すように、生成した制御指令値に基づいて可動部を制御する。
そして、射出成形機1Aでの成形品と同一の成形品を、別の射出成形機1Bで生産したい場合には、射出成形機1Aの制御部10は、(4)に示すように、成形条件ファイルを生成する。成形条件ファイルは、設定した成形条件と、射出成形機1Aの機械能力値とを含む。
射出成形機1Bの制御部10(ファイル受付部13)は、(5)に示すように、射出成形機1Aで生成した成形条件ファイルを受け付ける。
射出成形機1Bは、受け付けた成形条件ファイルに含まれる成形条件を、(6)に示すように、表示部28に表示された設定画面に出力する。また、能力値記憶部22に記憶された射出成形機1Bの機械能力値は、例えば、制御軸の最大加速度が2m/s2である。
このように、射出成形機1Bの機械能力値は、射出成形機1Aの機械能力値とは異なり、射出成形機1Bの方が、射出成形機1Aより機械能力値が高い。
そして、射出成形機1Bの制御部10(動作制御部12)は、(9)に示すように、補正後の制御指令値に基づいて可動部を制御する。
図中(C)で示すグラフは、(8)において補正された補正後の制御指令値の速度波形である。(C)で示される速度波形は、(A)で示される速度波形と同じ形状である。そのため、射出成形機1Bにおいても、射出成形機1Aと同一の成形品を得られるように射出形成の操作量を自動的に補正することができる。
まず、射出成形機1Aにおける制御処理について、図4に基づき説明する。
図4は、本実施形態に係る射出成形機1Aの制御処理を示すフローチャートである。
図4のステップS(以降、「ステップS」を、単に「S」という。)11において、制御部10は、設定画面を用いて成形条件を設定する。前述の例では、成形条件として、速度を説明したが、これに限定されるものではない。成形条件であれば、他の項目でもよい。また、成形条件は、1つに限定されない。
S14において、制御部10(動作制御部12)は、生成された制御指令値に基づいて可動部を制御する。
S16において、制御部10は、ファイル生成処理を行う。その後、制御部10は、本処理を終了する。
図5は、本実施形態に係る射出成形機1Aのファイル生成処理を示すフローチャートである。
図5のS21において、制御部10は、記憶部20に記憶されている成形条件と、能力値記憶部22に記憶されている機械能力値とを含む成形条件ファイルを生成する。
S22において、制御部10は、生成した成形条件ファイルを、記憶部20に記憶させる。
S24において、制御部10は、成形条件ファイルを通信部29を介して射出成形機1Bに送信する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
図6は、本実施形態に係る射出成形機1Bの補正制御処理を示すフローチャートである。
図6のS31において、射出成形機1Bの制御部10(ファイル受付部13)は、通信部29を介して射出成形機1Aから成形条件ファイルを受信する。
S32において、制御部10(成形条件設定部14)は、受信した成形条件ファイルを読み出し、成形条件ファイルに含まれる成形条件を、設定画面に出力する。
S33において、制御部10(指令値生成部11)は、設定画面に出力されている成形条件と、能力値記憶部22に記憶されている射出成形機1Bの機械能力値とに基づいて、可動部の制御指令値を生成する。
S35において、制御部10(動作制御部12)は、補正後の制御指令値に基づいて可動部を制御する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
制御指令値の補正は、射出成形機1Aと射出成形機1Bとの機械能力値に基づいて自動的に行われるため、オペレータ等は、各射出成形機1の違いを考慮した成形条件の調整を行う必要がなくなり、負担が軽減できる。
前述した実施形態では、機械能力値として加速度を例に説明したが、これに限定されない。加速度ではない他の機械能力値を用いてもよい。例えば、射出成形機1Aと、射出成形機1Bとの間で、射出スクリュ径が異なる場合、成形条件である速度が同じであっても、単位時間あたりに吐出する射出体積(mm3/sec)が、スクリュ径の断面に比例した量になる。よって、射出成形機1Bでは、射出成形機1Aの機械能力値と、射出成形機1Bの機械能力値とを用いて制御指令値を補正すればよい。
前述した実施形態では、射出成形機1Aで生成した成形条件ファイルを、射出成形機1Bに直接送信するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、各射出成形機1の成形条件ファイルを管理する管理サーバを有した成形条件ファイル管理システムを構築してもよい。
成形条件ファイル管理システム200は、複数の射出成形機1(1A,1B,・・・)と、管理サーバ205(成形条件ファイル管理装置)とを備える。
管理サーバ205は、例えば、成形工場内のネットワーク等のネットワークNを介して、成形工場内の射出成形機1(1A,1B,・・・)と接続されている。
管理サーバ205は、制御部250と、記憶部260と、通信部269とを備える。
そして、管理サーバ205の制御部250は、射出成形機1(1A,1B,・・・)において設定された成形条件と、成形条件に固有の機械能力値とを含む成形条件ファイルを、射出成形機1(1A,1B,・・・)の各々から受信する成形条件ファイル受信部251を備える。
そして、例えば、前述の実施形態のように、射出成形機1Bが、射出成形機1Aの成形条件ファイルを用いて成形品を生産するような場合について検討する。この場合、管理サーバ205の制御部250は、射出成形機1Bから、射出成形機1Aを識別する機械識別情報を含む要求を受け付けたこと応じて、機械識別情報に対応付けられた射出成形機1Aの成形条件ファイルを、成形条件ファイル記憶部から抽出する成形条件ファイル抽出部252を備える。
また、管理サーバ205の制御部250は、成形条件ファイル抽出部から抽出した射出成形機1Aの成形条件ファイルを、射出成形機1Bに送信する成形条件ファイル送信部253を備える。
10,250 制御部
11 指令値生成部
12 動作制御部
13 ファイル受付部(成形条件ファイル受付部)
14 成形条件設定部
15 指令値補正部
20,260 記憶部
22 能力値記憶部
27 入力部
28 表示部
29 通信部
200 成形条件ファイル管理システム
205 管理サーバ
251 成形条件ファイル受信部
252 成形条件ファイル抽出部
253 成形条件ファイル送信部
261 成形条件ファイル記憶部
Claims (5)
- 第1機械能力値を記憶する能力値記憶部と、
設定された第1成形条件と、前記能力値記憶部に記憶された前記第1機械能力値とに基づいて、可動部を制御する制御指令値を生成する指令値生成部と、
生成された前記制御指令値に基づいて前記可動部を制御する動作制御部と、
他の機械において設定された第2成形条件と、前記第2成形条件に固有の第2機械能力値とを含む成形条件ファイルを受け付ける成形条件ファイル受付部と、
受け付けた前記成形条件ファイルの前記第2成形条件に固有の前記第2機械能力値と、前記能力値記憶部に記憶された前記第1機械能力値とに基づいて、前記制御指令値を補正する指令値補正部と、
を備え、
前記第2機械能力値は、前記可動部の最大速度、最大加速度、最大トルク、最大推力、イナーシャ及び重量のうちのいずれか1つ以上であり、
前記動作制御部は、前記指令値補正部による補正後の前記制御指令値に基づいて、前記可動部を制御する、射出成形機の制御装置。 - 前記他の機械に対して入出力可能に接続されており、
前記成形条件ファイル受付部は、前記成形条件ファイルを、前記他の機械から受け付ける、請求項1に記載の射出成形機の制御装置。 - 前記成形条件ファイル受付部が受け付けた前記成形条件ファイルに含まれる前記第2成形条件を、前記第1成形条件として設定する成形条件設定部を備える、請求項1又は請求項2に記載の射出成形機の制御装置。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の前記射出成形機及び前記他の機械を含む各機械と、
各機械に対して通信可能に接続された成形条件ファイル管理装置と、
を備える成形条件ファイル管理システムであって、
前記成形条件ファイル管理装置は、
各機械において設定された成形条件と、前記成形条件に固有の機械能力値とを含む成形条件ファイルを、各機械から受信する成形条件ファイル受信部と、
前記成形条件ファイル受信部が受信した前記成形条件ファイルを、受信元の各機械を識別可能に記憶する成形条件ファイル記憶部と、
一の機械から移管前の機械を識別する機械識別情報を含む要求を受け付けた場合に、前記機械識別情報に対応付けられた前記成形条件ファイルを前記成形条件ファイル記憶部から抽出する成形条件ファイル抽出部と、
前記成形条件ファイル抽出部から抽出した前記成形条件ファイルを、前記一の機械に送信する成形条件ファイル送信部と、
を備える、成形条件ファイル管理システム。 - 前記射出成形機の制御装置は、前記他の機械を識別する前記機械識別情報を、前記成形条件ファイル管理装置に対して要求する手段を備え、
前記成形条件ファイル受付部は、前記他の機械の前記機械識別情報に対応付けられた前記成形条件ファイルを、前記成形条件ファイル管理装置から受け付ける、請求項4に記載の成形条件ファイル管理システム。
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