JP7445029B2 - 射出成形システム - Google Patents
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Description
まず、一態様の実施形態の概略を説明する。本実施形態は、射出成形機の動作と、この射出成形機に連動して動作を行うロボットの動作とに関する情報を、表示装置に表示させることで、射出成形サイクルのサイクル時間を短縮するあたり、最適な可動部の物理量の設定や入出力信号のタイミング調整を行うことを可能にしたものに関する。
図1に示す射出成形システム100は、情報処理装置1と、射出成形機4と、ロボット5(連動装置)と、撮影装置6と、表示装置7と、記憶装置8とを備えている。
射出成形システム100は、情報処理装置1が、射出成形機4の動作画像と、射出成形機4及びロボット5の入出力信号の信号状態等を含む各々の動作に伴って変化する変化量とを同時に閲覧可能な状態にして、表示装置7に出力する。そうすることで、射出成形サイクルのサイクル時間を短縮するあたり、表示装置7に表示された情報に基づいて、射出成形機4及びロボット5を監視する作業者等が最適な可動部の物理量の設定や入出力信号のタイミング調整を行うことを可能にする。
また、情報処理装置1は、撮影装置6と、表示装置7と、記憶装置8とに対して通信可能に接続されている。
さらに、射出成形機4とロボット5とは、互いに接続されており、射出成形システム100において、射出成形機4とロボット5とは、互いに連動して動作する。
情報処理装置1は、成形サイクルにおける射出成形機4の状態と、ロボット5の状態とを取得して、表示装置7に出力する装置である。
情報処理装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)である。情報処理装置1は、その他、タブレット端末、スマートフォン等の任意の端末装置であってもよい。
制御部10は、CPU(中央処理装置)であってよく、記憶部20に記憶された情報処理装置1を制御する各種のプログラムを実行することにより、情報処理装置1を統括制御する。
制御部10は、画像取得部11と、物理量取得部12と、信号状態取得部13と、工程取得部14と、グラフ生成部15(第1グラフ生成部、第2グラフ生成部)と、表示編集処理部16とを備える。また、画像取得部11と、物理量取得部12と、信号状態取得部13と、工程取得部14とは、情報記憶処理部としても機能する。これらの各機能部は、制御部10が記憶部20に格納された処理プログラム21を実行することにより実現される。
物理量取得部12は、射出成形機4から可動部47の物理量を取得する。物理量取得部12は、可動部47の物理量として、例えば、可動部47の位置及び可動部47の速度といった、可動部47の変化量を取得する。物理量取得部12は、射出成形機4の可動部47の位置として、例えば、射出成形機4の成形品(製品)突出し動作に伴う部材の位置を取得する。また、物理量取得部12は、位置に変化があった場合には、その動作速度を取得する。
工程取得部14は、射出成形機4が実行する動作プログラム46のステップを、工程情報として取得する。
表示編集処理部16は、画像取得部11が取得した動作画像と、グラフ生成部15によって生成された物理量グラフ及び信号状態グラフと、工程取得部14が取得した工程情報とを、同時に閲覧可能にした閲覧画面を、表示装置7に出力する。
通信部29は、例えば、射出成形機4及びロボット5等とデータの送受信を行う通信制御デバイスである。また、通信部29は、例えば、RS232C用コネクタ等の所定のコネクタによって構成され、撮影装置6、表示装置7及び記憶装置8との間で直接接続するための通信制御デバイスである。
射出成形機4は、例えば、高温で溶融した樹脂を金型に注入した上で、樹脂を冷却することで成形品を製造する機械である。
射出成形機4は、制御部40と、記憶部45と、可動部47と、通信部49とを備える。
制御部40は、CPUであってよく、記憶部45に記憶された射出成形機4を制御する各種のプログラムを実行することにより、射出成形機4を統括制御する。
制御部40は、可動部制御部41と、信号処理部42とを備える。これらの各機能部は、制御部40が記憶部45に格納された動作プログラム46を実行することにより実現される。
信号処理部42は、動作プログラム46にしたがって、例えば、射出成形機4が所定の状態になった場合に、ロボット5に対して送出する信号に対する処理を行う。また、信号処理部42は、射出成形機4がロボット5から受信した信号に対する処理を行う。
可動部47は、射出成形機4の少なくとも一部を構成し、動作を伴う部材であり、例えば、型締機構、突出し機構、射出機構、射出装置前後進機構、型厚調整機構等である。
通信部49は、例えば、情報処理装置1及びロボット5等とデータの送受信を行う通信制御デバイスである。
ロボット5は、例えば、射出成形機4で製造した成形品を金型内から取り出したり、金型内にインサート部品を挿入したりするために用いる機械である。
ロボット5は、制御部50と、記憶部55と、通信部59とを備える。
制御部50は、CPUであってよく、記憶部55に記憶されたロボット5を制御する各種のプログラムを実行することにより、ロボット5を統括制御する。
制御部50は、信号処理部51を備える。
通信部59は、例えば、情報処理装置1及び射出成形機4等とデータの送受信を行う通信制御デバイスである。
撮影装置6は、射出成形機4の可動部47の動作画像を撮影する、例えば、カメラである。撮影装置6は、射出成形機4の可動部47の動作、及び、ロボット5と連動した射出成形機4の動作を撮影可能な位置に設けられている。
なお、表示装置7は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成されたものであってもよい。その場合には、表示装置7の表示位置に対して操作が可能な、例えば、キーボード、マウス、コントローラ、スイッチボタン等の各種ボタン等の入力装置を、表示装置7とは別に備えてもよい。
次に、本実施形態の情報処理装置1における処理を説明する。
最初に、各装置から情報を取得する情報取得処理について、図2に基づいて説明する。
図2のステップS(以下、ステップSを、単にSという。)11において、情報処理装置1の制御部10(画像取得部11)は、撮影装置6から動作画像を取得する。そして、制御部10は、取得した動作画像を、記憶装置8に記憶させる。
S12において、制御部10(物理量取得部12)は、射出成形機4から可動部47の物理量を取得する。そして、制御部10は、取得した物理量を、記憶装置8に記憶させる。
そして、制御部10は、取得した信号状態を、記憶装置8に記憶させる。
S14において、制御部10(工程取得部14)は、射出成形機4で実行中の動作プログラム46の工程情報を、射出成形機4から取得する。そして、制御部10は、取得した工程情報を、記憶装置8に記憶させる。
また、制御部10は、取得した各種のデータを、取得した時間情報に対応付けて記憶装置8に記憶させる。
図3は、取得した各種のデータを、取得時間に対応付けて記憶した記憶装置8の例を示す。
図3に示す例は、金型内から成形品を取り出す動作に関するものであり、取得時間に対応する動作画像と、物理量と、信号状態と、工程情報とが対応づけられている。なお、記憶装置8には、取得時間(t)に対応した動作画像を対応付けて記憶している。
次に、記憶装置8に記憶した各種のデータをもとに、閲覧画面を表示装置7に出力する処理について、図4に基づいて説明する。
図4のS21において、情報処理装置1の制御部10(グラフ生成部15)は、成形サイクルの単位で、射出成形機4の可動部47の物理量を示すグラフを生成する。
S22において、制御部10(グラフ生成部15)は、成形サイクルの単位で、射出成形機4とロボット5との間の信号状態を示すグラフを生成する。
S23において、制御部10(表示編集処理部16)は、生成したグラフと、取得した各種のデータとを時系列に配置した閲覧画面70を生成し、表示装置7に出力する。
図5に示す閲覧画面70は、金型内から成形品を取り出す動作に関する。
閲覧画面70は、画像出力部71と、再生時間出力部72と、物理量グラフ出力部73と、信号状態グラフ出力部74と、工程出力部75と、再生速度出力部76とを含む。
画像出力部71は、動作画像を出力する。この例では、画像出力部71は、射出成形機4が金型内で成形品を製造し、ロボット5が成形品を金型内から金型外に取り出す一連の作業を、撮影装置6によって撮影した動作画像を出力する。また、画像出力部71は、再生時間出力部72と連携し、再生時間出力部72により指定した時間(所定時間)の動作画像を出力する。さらに、画像出力部71は、再生速度出力部76と連携し、再生速度出力部76により指定した速度で動作画像を再生する。
また、作業者は、再生位置マーク72pを選択した状態で、右方向又は左方向に動かすことができる。そうすることで、再生位置マーク72pが作業者の操作にしたがって動き、次に、作業者が操作を終わらせることで再生位置マーク72pが静止したときには、その位置に対応した時間の動作画像が、画像出力部71に出力される。
ここで、グラフ73aは、射出成形機4の成形品突出し動作の位置に関するものである。
また、グラフ73bは、射出成形機4の成形品突出し動作の速度に関するものである。
ここで、グラフ74aは、射出成形機4からロボット5に対して送出された金型開き完了信号に関するものである。金型開き完了信号によって、ロボット5は、射出成形機4の内部への進入を行うことが可能になる。
また、グラフ74bは、ロボット5から射出成形機4に対して送出された突出し開始信号に関するものである。突出し開始信号によって、射出成形機4では、突出しを行うことが可能になる。
さらに、グラフ74cは、ロボット5から射出成形機4に対して送出された成形サイクル開始信号に関するものである。成形サイクル開始信号によって、射出成形機4は、次のサイクルに入ることが可能になる。
そして、再生速度出力部76の再生速度の設定を、例えば、ゆっくりしたものにすれば、設定が適切であるか否かを、閲覧画面70を見ることでより確実に把握できる。
図6は、金型内へのインサート部品の装着動作に関する閲覧画面80の例を示す。
閲覧画面80は、画像出力部81と、再生時間出力部72と、物理量グラフ出力部83と、信号状態グラフ出力部84と、工程出力部85と、再生速度出力部76とを含む。
画像出力部81は、この例では、射出成形機4の金型内にロボット5(インサート装置)がインサート部品を装着する際の一連の作業を、撮影装置6が撮影した動作画像を出力する。
ここで、グラフ83aは、射出成形機4で駆動されるインサート部品の把持機構の位置に関するものである。
また、グラフ83bは、射出成形機4で駆動されるインサート部品の把持機構の速度に関するものである。
ここで、グラフ84aは、射出成形機4からロボット5に対して送出された移動許可信号に関するものである。移動許可信号によって、ロボット5は、射出成形機4の内部への進入を行うことが可能になる。
また、グラフ84bは、ロボット5から射出成形機4に対して送出されたインサート位置への移動完了信号に関するものである。移動完了信号によって、射出成形機4では、インサート部品の把持を行うことが可能になる。
さらに、グラフ84cは、ロボット5から射出成形機4に対して送出された成形サイクル開始信号に関するものである。成形サイクル開始信号によって、射出成形機4は、次のサイクルに入ることが可能になる。
閲覧画面80では、工程出力部85が示すインサート動作のステップ中に、グラフ84bに示される移動完了信号が送出されることで、射出成形機4の可動部47による動作が行われていることを示す。
そして、閲覧画面70や閲覧画面80のように、射出成形機4と、ロボット5とが連動して動作を行う他の各処理について、同様の処理を行うことにより、射出成形サイクルのサイクル時間を短縮するための最適な可動部の物理量の設定や入出力信号のタイミング調整を行うことを可能にできる。
前述した実施形態では、射出成形機の可動部に連動して動作を行う連動装置として、ロボットを例に説明したが、これに限定されない。例えば、成形品を取り出す装置である取出機等であってもよい。
前述した実施形態では、閲覧画面として、動作画像と、物理量グラフと、信号状態グラフと、射出成形機で実行された動作プログラムのステップに係る工程情報とを出力するものとして説明したが、これに限定されない。全ての情報は、必須ではなく、例えば、工程情報等がなくても構わない。
また、前述した実施形態で説明した閲覧画面は、一例であって、他の表示方法であってもよい。
前述した実施形態では、射出成形機で実行された動作プログラムのステップに係る工程情報を用いるものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、CNC(Computerized Numerical Control)装置で動作する射出成形機では、動作プログラムそのものであるCNCプログラムのステップそのものであってもよい。
前述した実施形態では、情報処理装置が、射出成形機及びロボットとは異なる装置であるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、射出成形機が、情報処理装置の機能を有するようにしてもよい。そうすることによって、射出成形機が、ロボットからデータを直接受信して、情報処理装置と同様の処理を行うことができる。
また、情報処理装置とは別に、表示装置や記憶装置を有するものとして説明したが、情報処理装置が表示装置や記憶装置を有してもよい。
(1) 射出成形システム100が、撮影装置6が撮影した射出成形機4の可動部47の動作画像を取得する画像取得部11と、射出成形機4から可動部47の物理量を取得する物理量取得部12と、射出成形機4と、射出成形機4の可動部47に連動して動作を行うロボット5との間の入出力信号の信号状態を取得する信号状態取得部13と、画像取得部11が取得した所定時間における動作画像と、物理量取得部12が取得した所定時間における物理量と、信号状態取得部13が取得した所定時間における信号状態とを同時に閲覧可能な閲覧画面70を、表示装置7に出力する表示編集処理部16と、を備える。
これにより、作業者は、表示装置7に表示された閲覧画面70によって、射出成形機4の可動部47とロボット5の動作画像と、同じタイミングの可動部47の物理量及び射出成形機4とロボット5との間の入出力信号の信号状態とを見ることができる。よって、作業者は、閲覧画面70によって、可動部47とロボット5の動作画像を確認しつつ、可動部47の動作と、ロボット5の動作とに関するデータにより、信号のタイミングが適切であるか、成形品の把持が確実か否か等を容易に判定できる。その結果として、作業者は、十分な知識や経験に乏しくても、閲覧画面70によって、射出成形サイクルのサイクル時間を短縮するための最適な可動部の物理量の設定や入出力信号のタイミングを調整することが可能になる。
これにより、取得した各情報を記憶装置8に一元的に記憶することができる。そして、例えば、一連の処理を行った後に、記憶装置8に記憶された情報を用いて、閲覧画面70を生成することができる。
これにより、時間の変化に伴う物理量や信号状態の変化を、より分かりやすく閲覧画面70に示すことができる。
これにより、閲覧画面70に表示する動作画像についての所定時間の設定及び表示を、作業者がしやすいものにできる。
これにより、閲覧画面70に表示する動作画像を、動画像として再生でき、再生時間を示すことができる。そのため、どのタイミングでどのような状態であるかを、一見して把握が可能になる。
これにより、閲覧画面70に表示する動作画像の再生速度を、作業者が設定及び変更できる。
これにより、閲覧画面70には、動作プログラム46の工程情報を含むため、動作プログラム46の実行状態と、動作画像とを組み合わせて表示させることによって、より分かりやすい表示を行うことができる。
これにより、(1)と同様の効果を情報処理装置1で実現できる。
4 射出成形機
5 ロボット
6 撮影装置
7 表示装置
8 記憶装置
10,40,50 制御部
11 画像取得部
12 物理量取得部
13 信号状態取得部
14 工程取得部
15 グラフ生成部
16 表示編集処理部
20,45,55 記憶部
41 可動部制御部
42,51 信号処理部
46 動作プログラム
47 可動部
70,80 閲覧画面
100 射出成形システム
Claims (3)
- 撮影装置が撮影した可動部の動作画像を取得する画像取得部と、
前記可動部の物理量を取得する物理量取得部と、
前記画像取得部が取得した所定時間における前記動作画像と前記物理量取得部が取得した前記所定時間における前記物理量とを、前記所定時間に対応付けて記憶する記憶装置と、
を備え、
前記物理量は、前記可動部の位置及び速度を含む前記可動部の変化量である射出成形システム。 - 前記画像取得部は、前記撮影装置が撮影した前記可動部及び前記可動部に接続され前記可動部と連動して動作する連動装置の動作画像を取得する請求項1に記載の射出成形システム。
- 前記可動部及び前記可動部と連動して動作する連動装置の間の送受信信号を含む、前記可動部を有する装置及び前記連動装置から出力される信号の信号状態を取得する信号状態取得部を備え、
前記記憶装置は、前記信号状態取得部によって取得された前記信号状態をも、前記所定時間に対応付けて記憶する請求項1又は請求項2に記載の射出成形システム。
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