JP4592879B2 - シールワッシャーおよび該シールワッシャーを用いた継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールワッシャーおよび該シールワッシャーを用いた継手に関し、特に、平行ねじを有する継手等のシール部の構造に用いられるシールワッシャーおよび該シールワッシャーを用いた継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機器等との接続において用いられる油空圧分野の継手において、テーパねじを有する継手等は、規格の面から使用が困難になりつつあり、これに代わって平行ねじを有する継手等が使用されつつある。
【0003】
従来の平行ねじを有する継手のシール構造について図3〜図6を参照して説明する。一般に、平行ねじを有する継手等のシール構造にはOリングが多く用いられている。
【0004】
図3に示す第1の従来例の継手は、継手本体1aの一端に機器接続部にねじ込まれる平行ねじ4aが形成され、他端に管を接続するための食い込み継手等がねじ込まれる平行ねじ5aが成形されている。両平行ねじ4a,4bの間には、継手を回転するナット部6aが形成されている。
【0005】
前記ナット部6aの機器接続部側の端面は平坦部7aとされ、この面7aにOリング用溝16が加工され、その中にOリング17が嵌め込まれている。機器接続部側の平行ねじ4aの切り上げ部とナット部6bの平坦面7a間には、にげ溝18が加工されている。
【0006】
図4に示す第2の従来例の継手は、第1の従来例の継手に対して、Oリング17bが、機器接続部側の平行ねじ4bとナット部6bの平坦面7bに加工されているにげ溝18bに挿入されていることのみが相違する。なお、図5に示すように、この継手の平行ねじ(雄)4bがねじ込まれる機器接続部の平行ねじ(雌)19の入口側には、Oリング17bを押さえるテーパ面20が形成されている。
【0007】
図6に示す第3の従来例の継手は、第2従来例の継手に用いられているOリング17bに代えて、リング状のリテーナ21の内面にゴムリング22が接着されたシールリング23を用いることのみが相違する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた第1の従来例においては、継手外径が大きく、各継手間の機器取付部間隔が広くなり、機器のスペースの制限が発生する。また、継手本体にOリング用溝や、にげ溝を加工する必要があるという問題があった。第2の従来例においては、継手本体ににげ溝(Oリング用溝)、機器接続部にOリングを押さえるテーパー面を加工する必要があった。また、第3の従来例においては、シールリングの取り付け位置が不安定であるので、シールリングの取り付けの際に芯ズレが発生すると、高圧〜高真空において、漏れが起こるという問題があった。また、ゴムリングの接着面積が小さいので、高圧〜高真空においてゴムリングが偏ったり、剥がれたりして、同様の問題が発生する可能性があった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、外径寸法を小さくして各継手間の機器取付部間隔を狭くし、更に取り付け時の位置の安定化を図り、高圧〜高真空で漏れがないシールワッシャーおよび該シールワッシャーを用いた継手を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によるシールワッシャーは、金属環とその内周面の中央部より突出して周方向に形成されている芯金とからなる断面T字状のリティナーと、前記芯金の左右および底部を包囲するように断面凹字状で一体に形成されている弾性体と、からなり、弾性体の両側面の中央部には突起部が形成されており、弾性体の両側面の突起部が設けられている部分同士の間に、芯金が位置しており、両突起部の頂部間の寸法は、金属環の幅より大きくされており、弾性体の側面は左右対称で、その両側面間の寸法は、外周近傍では金属環の幅と等しいか、または大きくされ、内周近傍では金属環の幅より小さくされていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明による継手は、上記シールワッシャーを用いた継手であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明によるシールワッシャーを使用した継手の要部断面図である。
【0015】
同図に示すように、継手の継手本体1は、機器接続部2にシールワッシャー3介して接続されている。
【0016】
前記継手本体1の一端には、機器接続部2にねじ込まれる平行ねじ4が形成され、他端には食い込み継手等がねじ込まれる平行ねじ5等が形成されている。両ねじ4,5の間には、継手を回転するナット部6が形成されている。
【0017】
ナット部6の機器接続部側の端面と機器接続部の端面は、平坦部7,8とされている。このナット部6の平坦部7と機器接続部側の平行ねじ4の切り上がり部間は、平行ねじ4と同じか若干大きい外径を有する外周部とされ、この外周部にシールワッシャ3の内周面が嵌め合される。
【0018】
図2は、本発明によるシールワッシャーの要部断面図である。
【0019】
同図に示すように、シールワッシャー3は、金属環11と、その内周面の中央部より突出して周方向に形成されている芯金12とからなる断面T字状のリティナー13と、芯金12の左右および底部を包囲するように断面凹字状で一体に形成されている弾性体14とから構成されている。
【0020】
シールワッシャー3は、リティナー13の芯金12の左右および底部に接着剤などを介して弾性体14を注型等により賦形したものであるので、弾性体14の接着面積が広くなり、リテーナー13に対する接着が強固になる。
【0021】
前記弾性体14の側面は左右対称で、その両側面間の寸法は、外周近傍では金属環11の幅と等しいか、若干大きくされ、内周近傍では金属環11の幅より小さくされている。弾性体14の両側面の中央部には断面半円形の突起部15が形成され、両突起部15の頂部間の寸法は、金属環11の幅より大きくされている。
【0022】
次に、シールワッシャー使用状態について説明する。
【0023】
シールワッシャー3を、継手本体1の機器接続部側の平行ねじ4に嵌め込み、ナット部6の端面に当接させる。これにより、弾性体14の内周面は、ナット部6の平坦部7と機器接続部側の平行ねじ4の切り上がり部間の外周部に嵌合され、シールワッシャー3の芯が出される。
【0024】
次に、上記継手本体1を機器接続部2にねじ込むと、シールワッシャー3は、ナット部6と機器接続部2の平坦部7,8の間に挟み込まれ、次いで弾性体14が圧縮される。その際、弾性体14の半円形の突起部15は、弾性体14の内周近傍に形成されている隙間に逃げる。これによりシールワッシャー3の両側面に面圧を有効に発生することができる。
【0025】
前記両平坦部7,8がシールワッシャー3の金属環11の両側面に密着するとトルクがかかり、機器接続部2に、継手とこの継手の他端に取り付けられている配管が接続される。なお、トルクがかかって金属環11の両側面に面圧が発生するので、継手は外力が加わっても緩まない。
【0026】
このように、本発明のシールワッシャー3では、従来例のように、継手にOリング用溝、機器接続部にOリング押さえ用のテーパー面等を加工する必要がなく、シールワッシャー3をナット部6と機器接続部2の平坦部7,8間に挟むことで、シールワッシャー自身にシール機能を持たしている。
【0027】
シールワッシャー3の使用状態において、継手内部が高圧または真空の状態になった時、流体は弾性体14の両側面でシールされる。その際の高圧による弾性体14のはみ出しと金属環11の膨らみは、金属環11を芯金12で補強することによって防止している。これにより、金属環11の外径を小さくすることができる。
【0028】
上記実施例においては、機器等との接続に用いられる継手に使用するシールワッシャーについて説明したが、これに限らず、平行ねじを有する各種の継手や平行ねじを有する止めねじなどのシールにも本発明によるシールワッシャーを用いることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、上述したように構成されているので、次のような効果を得ることができる。
(a)継手および機器の接続部形状が簡易にできコスト低減ができる。
(b)高圧または高真空においても、高い気密性が確保できる。
(c)シールワッシャー(継手)の外径が小さくなり、各継手間の機器取付部間隔が狭くなるので省スペースが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシールワッシャーを使用した継手の要部断面図である。
【図2】本発明によるシールワッシャーの要部断面図である。
【図3】第1の従来例の継手を示す断面図てある。
【図4】第2の従来例の継手を示す断面図てある。
【図5】第2の従来例の継手がねじ込まれる機器接続部の要部断面図である。
【図6】第3の従来例の継手を示す断面図てある。
【符号の説明】
1 継手本体
2 機器接続部
3 シールワッシャ
4、5 平行ねじ
6 ナット部
7、8 平坦部
11 金属環
12 芯金
13 リティナ
14 弾性体
15 突起部
Claims (3)
- 金属環(11)とその内周面の中央部より突出して周方向に形成されている芯金(12)とからなる断面T字状のリティナー(13)と、前記芯金(12)の左右および底部を包囲するように断面凹字状で一体に形成されている弾性体(14)と、からなり、
前記弾性体(14)の両側面の中央部には突起部(15)が形成されており、
前記弾性体(14)の両側面の前記突起部(15)が設けられている部分同士の間に、前記芯金(12)が位置しており、
両突起部(15)の頂部間の寸法は、前記金属環(11)の幅より大きくされており、
前記弾性体(14)の側面は左右対称で、その両側面間の寸法は、外周近傍では金属環(11)の幅と等しいか、または大きくされ、内周近傍では金属環(11)の幅より小さくされている
ことを特徴とするシールワッシャー。 - 請求項1に記載のシールワッシャーを用いた継手。
- 前記継手の一端に、平行ねじ(4)と該平行ねじ(4)に続くナット部(6)とを有し、
ナット部(6)に、シールワッシャー(3)の側面が当接される平坦面(7)を有し、
この平坦面(7)と前記平行ねじ(4)の切り上がり部間は、シールワッシャー(3)の弾性体(14)の内周面が嵌め合される外周部とされている
ことを特徴とする請求項2に記載のシールワッシャーを用いた継手。
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