特許文献2及び3の提案によれば、感光体表面を低摩擦係数化し、感光体表面のクリーニング不良を防止することができる。特許文献4及び5の提案は、感光体表面に異物が付着しやすくなることを防止することを課題としており、接触帯電方式又は近接帯電方式によるハザードを防止するためにステアリン酸亜鉛を用いてはいるが、放電による劣化から被帯電体を保護するという視点ではその塗布方法が検討されてこなかった。
放電から感光体を保護するためには、前記のように感光体表面を保護物質で均一に被覆されていることが望ましいが、従来から行われてきたステアリン酸亜鉛バー+ブラシ構成では、感光体表面を十分に被覆することが困難である。すなわち、保護物質が感光体表面で海島状に存在し、放電による劣化を受ける場所と受けない場所が発生するため、感光体表面の劣化状態がばらついてしまうことになる。
また、この構成で十分に被覆するためには、バーとブラシの食い込み量を増やし、感光体表面への保護物質の供給量を増やすなどの方法が考えられる。しかしながら、バー+ブラシで感光体表面に塗布された直後のステアリン酸亜鉛を観察した結果、粒径が数μmの粉末が多数観察された。これらの粉末がそのままの状態で放電領域に達した場合、放電から感光体を保護する作用を発揮しないだけでなく、これらの粉末が現像手段に混入した場合には、現像剤の帯電異常が発生し、異常画像となることが指摘されている。すなわち、バー+ブラシの構成で感光体表面を十分に被覆しようとする場合、過剰に供給された保護物質による異常画像の発生が問題となる。
また、特許文献6の提案には、潤滑剤塗布手段をクリーニング装置と帯電装置の間に配置する理由、効果等についての記載がないし、潤滑剤塗布手段と帯電装置の間に塗布補助手段を設けていない。特許文献7、8の提案には、潤滑剤均一手段を設けているが、潤滑剤供給手段の直下流であるため、保護物質を小粒径化し、被帯電体表面に均一に塗布することが困難で、精度が悪い。
前記のように、これまで感光体表面へ潤滑剤として粉末を塗布する方法は各種検討されてきたが、放電による感光体の劣化を保護する目的で粉末を塗布する方法については検討されてこなかった。そのため、保護物質の小粒径化と均一塗布及び過剰な保護物質の堰き止めをすることをはじめ、トナー除去手段の上流で保護物質を塗布した場合、保護物質の一部はトナーと共に除去されてしまい、放電領域に達した感光体表面の保護物質の存在状態が不均一になる。また、感光体を保護するために、保護物質の供給量が増加してしまう。放電領域にある感光体表面への保護物質の過剰供給を抑制する。感光体の移動方向に対して、カウンター方向で当接させた場合、突発的に発生するブレードの巻き込み、メクレによって保護物質の小粒径化、均一塗布が乱される。また、突発的に保護物質の粗粉末の通過により、現像装置に保護物質の混入が発生する。また、塗布補助手段による感光体の膜削れができ易い。また、帯電による感光体の劣化は、環境条件に依存するため、保護物質の必要量も環境条件によって変動する。また、保護物質の塗布条件が一定であるため、帯電による劣化の変動を最小限に抑制する必要がある。等々の課題があった。
そこでこの発明は、前記従来のものの問題点を解決し、放電から感光体など被帯電体の劣化を防ぐために、少なくとも被帯電体表面の放電領域に保護物質を供給する場合に、過剰な保護物質の供給を防止しつつ、保護物質を小粒径化し、十分に引き伸ばすことによって、被帯電体表面を十分に覆うことができ、必要最少限の保護物質の供給量での被帯電体保護と均一塗布ができ、しかも過剰な保護物質の現像装置内への混入を防止することができて異常画像の発生を効果的に防止でき、被帯電体の膜削れの抑制ができ、装置の小型化と低コスト化が図れ、保護物質の必要量の変動を最小限に押さえることができ、高寿命な画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも、移動する被帯電体と、この被帯電体に交流成分を含む電圧を印加して帯電する帯電装置と、現像装置とを有し、さらに前記帯電装置によって形成される放電領域の被帯電体表面にラメラ結晶粉体からなる保護物質を塗布する保護物質塗布手段が前記被帯電体に接触または近接して対向配置されている画像形成装置において、前記被帯電体の移動方向に対して、前記保護物質塗布手段の下流、且つ前記帯電装置の上流に、前記保護物質塗布手段によって塗布された前記保護物質の粒径をさらに小粒径化し、均一に引き伸ばす塗布補助手段が配置され、この塗布補助手段は、前記被帯電体に当接するゴム弾性部材からなるブレード部材と、一端が固定されて他端の自由端に前記ブレード部材を取り付けた振動部材と、この振動部材に取り付けられ、該振動部材を撓ませて前記ブレード部材を前記振動部材との取り付け面と垂直な方向に加振する加振手段と、から構成され、前記加振手段により前記振動部材を介して前記被帯電体と当接する前記ブレード部材の先端を振動させ、振動する前記ブレード部材の先端と前記保護物質の接触頻度を増加させることにより、前記保護物質塗布手段により塗布された前記被帯電体表面上の保護物質のラメラ結晶粉体を小粒径化しながら均一に引き伸ばすことを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、トナー除去装置が被帯電体に接触または近接して対向配置されており、保護物質塗布手段は、被帯電体の移動方向に対して、前記トナー除去装置の下流に配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、ブレード部材は、被帯電体の移動方向に対して、カウンター方向で当接する状態で設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2において、ブレード部材は、被帯電体の移動方向に対して、トレーリング方向で当接する状態で設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、ブレード部材の先端の振動量は、被帯電体に対するブレード部材の押し付け量に比べて小さいことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、ブレード部材の先端の振動量は、ブレード部材より被帯電体の移動方向に対して上流の被帯電体表面上に存在する保護物質の平均粒径よりも小さいことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、塗布補助手段は、未転写トナーを除去する手段を兼ねることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置の本体に対して着脱可能に取り付けられるプロセスカートリッジであって、少なくとも被帯電体、帯電装置と、保護物質塗布手段と、塗布補助手段とを備えたことを特徴とするプロセスカートリッジである。
この発明は、前記のようであって、被帯電体の移動方向に対して、保護物質塗布手段の下流、且つ帯電装置の上流に、保護物質塗布手段によって塗布された保護物質の粒径をさらに小粒径化し、均一に引き伸ばす塗布補助手段が配置され、この塗布補助手段は、被帯電体に当接するゴム弾性部材からなるブレード部材と、一端が固定されて他端の自由端に前記ブレード部材を取り付けた振動部材と、この振動部材に取り付けられ、該振動部材を撓ませて前記ブレード部材を前記振動部材との取り付け面と垂直な方向に加振する加振手段と、から構成され、前記加振手段により前記振動部材を介して前記被帯電体と当接する前記ブレード部材の先端を振動させ、振動する前記ブレード部材の先端と前記保護物質の接触頻度を増加させることにより、前記保護物質塗布手段により塗布された前記被帯電体表面上の保護物質のラメラ結晶粉体を小粒径化しながら均一に引き伸ばすので、効果的に帯電装置の放電から被帯電体の劣化を保護することができる。また、ブレード部材を被帯電体に当接させることによって、過剰な保護物質の供給を堰き止め、現像装置への混入を防止することができ、加振手段でブレード部材の先端を振動部材との取り付け面と垂直な方向に振動させ、振動するブレード部材の先端と保護物質の接触頻度を増加させることによって、劈開により保護物質のラメラ結晶粉体を小粒径化することができ、保護物質が被帯電体表面により均一に広がる。
この発明の実施の形態を説明する前に、放電から被帯電体の劣化を抑制するためには被帯電体表面を保護物質で被覆するのが好ましいことの実験例を説明する。
(実験例1)帯電だけで膜厚減少
発明者等は、接触又は近接させて配置した帯電部材による交流印加放電では顕著となる被帯電体としての感光体表面の劣化状態を調べるために以下の実験を行った。機械的磨耗に起因する感光体表面の劣化を排除するために、図1(a)に示すように帯電部材2aを感光体1表面に対して非接触に配設した。また、感光体1に対して当接する部材を全て取り除いた。そして、直流(DC)バイアスに交流(AC)電圧バイアスを重畳した電圧が印加された非接触回動可能なローラ状の帯電部材2a(以下、「帯電ローラ2a」という)を用いて約150時間連続で感光体1を帯電させた。図1(a)に示すように、本実験に用いた感光体1は、基層50上に絶縁層である下引き層51が設けられている。さらに、その上に電荷発生層(CGL)52、電荷輸送層(CTL)53、表面保護層(FR)54が順に積層されている。
図2は、帯電時間に対する感光体1表面の膜厚削れ量をプロットしたものである。この図より、帯電時間の増加に伴い感光体1の膜厚が減少していることがわかる。交流印加放電では顕著となる帯電後の感光体1表面の化学的劣化が発生し、図1(b)に示すような膜厚削れが発生したものと推測される。接触又は近接させて配置した帯電部材による交流印加放電では顕著となる感光体1表面の化学的劣化が起こるメカニズムの詳細は検討中であるが、実験例1による帯電後の感光体1表面を分析したところ、以下の事実が判明した。電荷輸送層53、及び表面保護層54を構成する結着樹脂であるポリカーボネートの分解生成物と考えられるカルボン酸が検出された。感光体1を構成する成分が分解されたと考えられることから、感光体1の膜厚削れのメカニズムとしては、次のように考えることができる。接触又は近接させて配置した帯電ローラ2aによる放電により発生した粒子(オゾン、電子、励起分子、イオン、プラズマなど)のエネルギーが感光体1表面の表面保護層54に照射されると、このエネルギーが感光体1表面の表面保護層54等を構成する分子の結合エネルギーに共鳴、吸収される。そして、最表面層を形成している高分子鎖の絡み合い度の低下、樹脂分子鎖の切断による分子量低下、樹脂や分解生成物の蒸発等の化学的劣化を誘発する。このような化学的劣化に伴って、感光体1表面の最表面層は次第に膜厚削れが起こるものと推測される。
(実験例2)ZnST塗布で劣化抑制
次に、交流印加放電では顕著となる感光体1表面の化学的劣化は、感光体上に保護物質を存在させることにより抑制できることを示す実験例について説明する。図3(a)は、感光体1上に保護物質32を存在させることによって、交流印加放電では顕著となる感光体1表面の化学的劣化が抑制されることを確かめるための実験装置の概略構成図である。保護物質32の有無による感光体表面の劣化状態を比較するために、図3(b)に示すように感光体1表面上に保護物質を塗布する領域A(図中、感光体幅方向の左側半分)と塗布しない領域B(図中、感光体幅方向の右側半分)とを設けた。具体的には、保護物質塗布手段30(構成及び動作については、後記する実施の形態において説明する)を感光体1の幅方向の左側半分の表面領域にのみファーブラシ31を用いて塗布するように配設せしめ、領域Aにのみ保護物質32としてのステアリン酸亜鉛を塗布した。機械的磨耗に起因する感光体1表面の劣化を発生させないために、予め帯電ローラ2aと保護物質塗布手段30以外の部材を全て取り払った。そして、感光体1と共に帯電ローラ2aと保護物質塗布手段30とを連続して駆動せしめ、感光体1表面の劣化状態を調べた。実験条件は以下の通りである。
(実験条件)
帯電条件:
Vpp(AC電圧のピークツーピーク電圧値)=2.12[kV]
f(AC電圧の周波数)=877.2[Hz]
DC電圧値=−660[V]
感光体1表面の移動速度v=125[mm/s]
ファーブラシ31の線速=216[mm/sec]
保護物質32:ステアリン酸亜鉛
図4は、帯電時間に対する感光体表面の膜厚削れ量をプロットしたものである。図より、帯電時間の増加に伴い膜削れ量が増加していることがわかる。前記実験を連続200時間行った後の感光体1の膜厚を実験前の感光体1の膜厚と比較すると、以下の事実が判明した。保護物質32が塗布されていない領域Bにおいては、膜厚が2.5[μm]減少したのに対し、保護物質32が塗布されている領域Aでは、領域Bの減少膜厚の1/8以下に低減した。また、前記実験を連続200時間行った後の感光体1の表面を目視観察したところ、保護物質32が塗布されていない領域Bにおいては、感光体1表面が白く変色し、変質していたのに対し、保護物質32が塗布されている領域Aでは、実験前の新品の感光体1表面と同様の鏡面が保持されていた。これらの結果から、感光体1表面に保護物質を塗布せしめることにより、交流印加放電では顕著となる感光体表面の化学的劣化を抑制できることが明らかになった。
(実験例3)劣化防止には、被覆されていること→XPSデータ表面元素割合
感光体1表面の存在する微量の保護物質32の量を測定することは困難であるが、発明者等は保護物質32中の特徴的な元素を測定することによって感光体表面に必要な保護物質に関する知見を得ることに成功した。また、放電による感光体の劣化を抑制するためには、感光体表面が保護物質によって被覆されている必要があることが明かになった。測定は、PHI社製Quantum2000型走査型X線光電子分光装置(XPS)により、X線源AlKα、分析領域100[μm]φの条件で行った。
図5(a)に示すように、保護物質32が感光体1表面上に部分的覆われている場合には、測定される表面元素は、保護物質32と感光体を構成する表面保護層54や電荷輸送層53を構成する元素が検出される。この場合、測定領域中において、保護物質32に由来する表面元素割合が高いほど保護物質32が感光体表面を覆っている割合が高いことになる。一方、図5(b)に示すように、保護物質32が感光体表面を均一に覆い、かつ深さ方向の測定領域よりも厚く保護物質が塗布されている場合には、XPSにより測定される表面元素は全て保護物質32に由来することになる。また、図5(c)に示すように、保護物質32が感光体表面を均一に覆っているが、深さ方向の測定領域よりも保護物質が薄く塗布されている場合には、XPSによって測定される表面元素は保護物質と感光体を構成する他の層に由来するものとなる。
一例として、保護物質32としてのステアリン酸亜鉛を感光体表面へ塗布した2つのサンプルについて、XPSにより測定した結果について説明する。保護物質がどれだけ供給されているかを知るために、帯電ローラ2aへ電圧を印加しない状態で保護物質のみを供給したサンプルを作成した。2つのサンプルは、図3に示すように、ステアリン酸亜鉛を成型したバーに、回転ブラシを当接させ、このブラシを介して被帯電体表面に塗布した。ステアリン酸亜鉛の塗布量は、回転するブラシの線速を変えることによって行った。
実験条件は、以下とした。
(実験条件)
感光体の線速:185[mm/s]
ブラシ線速:サンプル1→22[mm/s]、サンプル2→216[mm/s]
塗布時間12[min]
測定は、感光体最表面から深さ20から50[Å]に存在する直径100[μm]の円内において行った。ここで、XPSにより測定される感光体表面領域は少なくとも炭素元素(C)、酸素元素(O)、シリコン元素(Si)、亜鉛元素(Zn)及び水素元素(H)のみから構成されている。また、亜鉛元素(Zn)は、ステアリン酸亜鉛以外の構成物質には存在しないように構成されている。なお、水素元素(H)は、XPSによる測定では検出されない。表1は、前記2つのサンプルについてXPSにより検出される感光体表面を構成する物質の全元素の元素個数総和に対する、XPSにより検出される各元素の元素個数割合[%]を示したものである。
前記した通り、亜鉛元素(Zn)は、ステアリン酸亜鉛にのみ存在するので、この亜鉛元素(Zn)の元素個数割合[%]からXPSにより検出されるステアリン酸亜鉛の元素個数割合[%]、及びステアリン酸亜鉛を構成する各元素のXPSにより検出される元素個数割合[%]を求めることができる。ステアリン酸亜鉛は、分子式が[CH3(CH2)16COO]2Znであり、1の亜鉛元素(Zn)に対し炭素元素(C)が36、酸素元素(O)が4、水素元素(H)が70存在する。このうち水素元素(H)はXPSでは検出されない。従って、感光体表面を構成する物質のXPSにより検出される全元素の元素個数総和に対するステアリン酸亜鉛のXPSにより検出される元素個数割合[%]は、亜鉛元素(Zn)の元素個数割合[%]に炭素、酸素、亜鉛の各元素の総和である41を乗じることにより求められる。また、感光体表面を構成する物質のXPSにより検出される全元素の元素個数総和に対するステアリン酸亜鉛のXPSにより検出される各構成元素の元素個数割合[%]は、亜鉛の元素個数割合[%]に一分子中に存在する各元素の元素個数を乗じることにより求められる。表2は、表1の結果からステアリン酸亜鉛、及びそれ以外の表面保護層54や電荷輸送層53に由来する物質の各元素の元素個数割合を示したものである。
測定領域において、サンプル1ではXPSにより検出されるステアリン酸亜鉛の元素個数割合は、8.6[%]となる。また、サンプル2では、XPSにより検出されるステアリン酸亜鉛の元素個数割合は98.4[%]となる。サンプル2では、感光体表面はほぼステアリン酸亜鉛に覆われていることになる。なお、ステアリン酸亜鉛以外の保護物質を使用した場合であっても、感光体には存在しない特徴的な元素が保護物質中に含まれていれば保護物質の量に関する知見を得ることができる。
次に、ステアリン酸亜鉛の塗布条件は同じまま、ステアリン酸亜鉛を塗布しながら、帯電装置に電圧を印加し、被帯電体の劣化の有無を比較した。劣化し、膜厚減少した被帯電体を目視観察した場合、白濁するため、劣化の有無は実験開始から5時間後に白濁の有無で比較した。
(実験条件)
感光体の線速:185[mm/s]
帯電ローラへの電圧印加条件:Vpp=3.0kV、f=1.35kHz、Vdc=−660V
ブラシ線速:サンプル1→22[mm/s]、サンプル2→216[mm/s]
(実験結果)
サンプル1:白濁(膜厚減少)
サンプル2:白濁なし(膜厚減少なし)
この実験結果から、XPSにより検出されるステアリン酸亜鉛の元素個数割合が8.6[%]で、感光体表面がほぼ放電に対してむき出しのサンプル1は放電による劣化を受けている。一方、XPSにより検出されるステアリン酸亜鉛の元素個数割合が98.4[%]で、感光体表面がほぼステアリン酸亜鉛に覆われているサンプル2は、放電による劣化を受けないことが分かる。このことから、放電から被帯電体の劣化を抑制するためには、被帯電体表面が保護物質(例えばステアリン酸亜鉛)によって被覆されていることが望ましいことが分かる。
この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
以下、この発明を画像形成装置に適用した実施の形態1について説明する。まず、図6を用いてこの画像形成装置が備える画像形成ユニットの基本的な構成について説明する。図6において、この画像形成ユニットは、被帯電体である像担持体としてのドラム状の感光体1、帯電装置2、感光体1上に静電潜像を書き込むための露光装置3、現像装置4、感光体1表面の像形成物質を除去するクリーニング装置7などにより構成されている。図6にはクリーニング装置7として従来から使用されてきたウレタンゴムブレードを用いた例が示されているが、導電性ブラシローラに電圧を印加し、静電気力を用いて像形成物質を回収する静電ブラシ方式や、ブレード部材に振動を付与した加振ブレードを用いるなど、像形成物質を効果的に除去できる部材であればよい。また、クリーニング装置7と帯電装置2の間には、感光体表面に保護物質を塗布する保護物質塗布手段9が配置されている。
このような構成の画像形成装置において、感光体1は図示しない駆動装置により回転駆動され、その表面が帯電装置2により所定の極性に帯電される。次いで、外部から読み込まれた画像情報に基づいて露光装置3が駆動され、これによって感光体1の帯電領域(画像形成領域)に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4から供給される現像剤(トナー)によって現像されて可視像としてのトナー像となる。一方、この感光体1上へのトナー像の形成が行われている間に、図示しない給紙部から記録媒体としての転写紙が感光体1に向けて給送される。この転写紙は、感光体1上のトナー像に重ね合わされるタイミングで感光体1と対向配置されている転写装置5に送り出され、転写ニップで感光体1上のトナー像が転写せしめられる。その後、感光体1から機械的に分離された後、定着装置6に搬送され、トナー像が定着される。
前記転写ニップを通過した後の感光体1表面に残留した残留トナーは、クリーニング装置7によって感光体1上から除去され回収される。また、感光体1表面の残留電荷は、感光体の移動方向に対して、帯電装置2の上流で、かつ転写装置5の下流に配置されている除電装置8により除去される。
保護物質塗布手段9は、クリーニング装置7に対して感光体1の回転方向下流側、帯電装置2に対して感光体1の回転方向上流側に感光体1と対向するように設けられ、塗布部材としてのファーブラシ31、保護物質32、保護物質をファーブラシ方向に押圧するための加圧バネ33とを備えている。保護物質32は、バー状に成型された固体状となっている。ファーブラシ31は感光体表面にブラシ先端が当接しており、軸を中心に回転することによって保護物質32を一端ブラシに汲み上げ、感光体表面との当接位置までブラシ上に担持搬送して感光体表面に塗布する。バー上に成形された保護物質32は、加圧バネ33によって所定の圧力でファーブラシ31側に押圧されている。これにより経時的に保護物質32がファーブラシ31に掻き削られて減少した場合でも、常にファーブラシ31に対して微量の保護物質32を均一に供給することができる。ここでは保護物質塗布手段9により保護物質32を塗布する方法について説明したが、保護物質32を感光体1表面上に適切な状態で存在させることができる手段であればいかなる方法を用いてもよい。
保護物質塗布手段9の下流で、かつ帯電装置2の上流には、保護物質塗布手段9によって感光体表面に塗布された保護物質の粒径をさらに小粒径化し、均一に引き伸ばすための塗布補助手段10が設けられている。塗布補助手段10の詳細な構成は以下に記すが、その作用は感光体表面に当接配置されて保護物質32の小粒径化を促進し、保護物質32が放電領域の被帯電体表面を十分均一に被覆させることである。また、保護物質塗布手段9によって感光体表面に塗布された粒子には、十分にへき開することなく、感光体表面に存在しているものが存在する。これらの粒子は、放電劣化から感光体表面を保護する作用は少ないと考えられ、むしろ現像装置内などに混入した場合、現像剤の帯電量不足を引き起こすなど、異常画像の原因となる。
しかしながら、保護物質塗布手段9の下流に塗布補助手段10を設けた場合、塗布補助手段10によって粉末状の保護物質32が堰き止められるため、現像装置4への保護物質の混入が抑制されるという効果が得られる。保護物質塗布手段9の下流側に配置する塗布補助手段10は、通常クリーニング手段として用いられるゴムブレードなどを感光体表面に当接配置する方法がある。ここでゴムブレードとしては通常ポリウレタンゴムを主成分とするゴム弾性部材であり、JISA硬度65〜70°、厚さ1.5〜2.0mm程度を用いれば良い。また、ゴムブレードを金属ホルダによって支持し、ブレード自由長(突出し量)8〜15mm、当接角度θを20〜30°程度とすればよい。また、感光体に対して、等しい線速、あるいは線速差を有して回転する弾性ローラを用いてもよい。
しかしながら、電子写真プロセスにおいては保護剤としてステアリン酸亜鉛に代表されるようなラメラ結晶粉体を用いることが従来から行われており、ラメラ結晶粉体はへき開性に優れた物質であるため、摺擦によってより小粒径化が促進される。このようなラメラ結晶粉体を用いる場合には粉体特性を十分に利用した塗布補助手段として、感光体と当接配置されたブレード部材に振動を付与し、ブレードエッジに堆積した保護剤に振動を伝えることによって小粒径化と均一塗布が促進される。振動するブレードによって保護剤の小粒径化と感光体表面への均一塗布が促進されるメカニズムとして、振動するブレードと保護物質の接触頻度が増加するためであると発明者等は考えている。
塗布補助手段は、感光体と当接配置されたブレード部材に振動を加え、その振動を保護物質に加えることによって保護物質の小粒径化、均一塗布を行う。その振動方向は感光体表面に対して塗布補助手段を法線方向に振動させても、感光体の主走査方向に振動させてもよい。
ここで本実施の形態で用いられる塗布補助手段10の詳細な構成について図7ないし図10を参照して説明する。図7は塗布補助手段の要部拡大説明図、図8は図7の要部拡大説明図、図9は塗布補助手段の正面説明図、図10は同塗布補助手段を先端側から見た説明図である。
この塗布補助手段10は、ブレード部材21と、このブレード部材21を取り付けた振動部材22と、この振動部材22に取り付けられた加振手段23とを備えている。ブレード部材21は、例えばポリウレタンゴムを素材とした弾性体で、厚みは50〜1500μmの範囲内、好ましくは100〜500μmの範囲内とするのがよい。厚さが薄すぎると、感光体1表面及びブレード部材21自体のうねり等によってブレード部材21の感光体1への押しつけ量が確保しにくくなる。厚さが厚すぎると、振動部材22からの振動を吸収し、ブレード部材21先端部への振動が十分伝達されず、保護剤に十分な振動が伝達されないため、小粒径化、均一塗付化が促進されない。ブレード部材21の厚さが厚い場合は、ブレード部材21の材料としてJISA硬度で85〜100°の範囲内の硬い部材を使用することで、振動の伝達効率を上げることができる。振動部材22は、振動が可能で弾性のブレード部材21よりも剛性の高い材料、例えば軟鋼板、SUS板、等の金属部材、またはカーボン、ガラス繊維を混合した樹脂成形部材、などから形成している。この振動部材22は一端部側を固定部24に固定し、他端部を自由端部として、この自由端部にブレード部材21を取り付けている。なお、固定部24は図示しない装置本体、あるいはユニット本体に取り付けられている。
この振動部材22は、ブレード部材21のホルダとして機能し、感光体1へのブレード部材21の押し付け力、当接角度を決める部材でもある。すなわち、従来のブレードでは、ブレードニップ部の感光体への押し付け力は弾性ブレード自身の復元力で与えるようにしている。これに対して、本実施の形態においては、振動の伝搬効率を上げるためブレード部材21は薄い部材構成とし、ブレード部材21単体での押し付け力が確保できないことから、振動部材22がブレード部材21に対して感光体1への押し付け力を付与する構成としている。これにより、薄い弾性ブレード部材を使用しながら振動伝搬効率を高くし、且つブレード部材の反り、感光体表面のうねりに対応するニップを安定して形成することができ、確実に粉末(保護物質)に振動が伝えられる。
加振手段23は、振動部材22に振動を与えるもので、ここでは電気機械変換素子としての圧電素子、特に板状(単板)圧電素子を用いている。加振手段23として板状圧電素子を用いることにより、低コストで変位量が容易に得られる加振手段を構成することができる。この加振手段23は図9及び図10に示すように、感光体1の軸方向(幅方向)に複数個配置した構成としている。なお、加振手段23は1個でもよいが、複数個を間隔をおいて配置することにより、振動部材22の幅方向の振動の均一性を得られ易い。なお、1個の長尺の圧電素子を設けることも考えられるが、板状圧電素子の場合には板面方向の伸縮による撓み変形を用いるため、複数個を間隔をおいて配置する方が好ましい。この加振手段23は、振動部材22の感光体側先端寄り、すなわちブレード部材21の自由端部21bと自由端部が一致して取り付けられた振動部材22の該ブレード部材の取り付け面と反対面に設けている。振動部材22の構成によっては、加振手段23は振動部材22の固定端とブレード先端(自由端)の間で振動部材22を加振できる箇所であれば特に取り付け位置が限定されるものではない。
加振手段23を構成する単板圧電素子は、図8に示すように、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電層23aの両面、即ち、振動部材22との接合面とその反対面に、印刷焼成したAgなどからなる電極23b、23cを有する。この電極23b、23cを用いて分極を行った厚さ0.3〜0.5mmの圧電素子(圧電層23a)に対して、100〜300Vの電圧を印加することで板面方向の縮み変形が発生し、その結果、振動部材22を撓ませる変形振動を与えることができる。この撓み振動は、圧電素子(加振手段23)と振動部材22の剛性がほぼ同じときに変形の効率がよく、例えば厚さ0.2〜0.4mmの金属振動部材、あるいは厚さ0.3〜1.0mmの樹脂製振動部材を用いることが好ましい。
そして図11に示すように、この塗布補助手段10においては、加振ブレード20の複数の加振手段23を構成する圧電素子23aに対して共通に駆動信号Pvを印加するための駆動回路28を備えている。このようにブレード部材の幅方向に複数の加振手段を設けた場合に共通の駆動回路で駆動することによってブレード部材の幅方向における振動の均一性を高めることができる。なお、駆動回路28は画像形成装置の駆動制御部にて構成され、所定のタイミングで駆動信号Pvを加振手段23に与える。ここで本実施の形態では、振動部材22として金属性部材(導電性部材)を用いて、複数の加振手段23を構成する圧電素子23aの電極を振動部材22に直接コンタクトして電気的に接続することによって、振動部材22を介して複数の加振手段23の電極を共通に接続している。これにより、駆動信号の印加を簡単な回路構成で行うことができる。なお、直接コンタクトは電極の接合面側を粗面に仕上げて、薄い接着層で振動部材22に接合することで容易に得られるが、この他、導電性接着剤を用いて接合してもよい。
このように構成した塗布補助手段10において、複数の加振手段23に対して駆動回路28から所要周波数の駆動信号Pvを与えて、複数の加振手段23を構成する圧電素子23aに撓み変形を与えることで振動部材22が振動し、この振動部材22の振動によってブレード部材21が振動する。
ここで加振手段23によって振動部材22に対して、ブレード先端の振動量が感光体に対するブレード押しつけ量dに比べて小さくなるような振動を与える。これにより、ブレード先端の振幅量が最大の場合でも、ブレードと感光体の当接が保たれるため、粉末(保護剤)が振動を受けないまま通過するということが抑制される。さらには、ブレード先端の振動量を、保護物質塗布手段9によって塗付された粉末の平均粒径よりも小さく設定することによって、効果的に粉末に振動が伝えられ、粉末の小粒径化と均一塗布が促進される。
ここで本実施の形態の加振ブレード20について、実際のニップ部の感光体表面に対して法線方向の振動変位量を測定した結果について図14,15を用いて説明する。
実験例(振動変位量の測定)
測定条件としては、ブレード部材21の幅をA3サイズ横幅として、感光体へのニップ部押しつけ量d:50μm、複数の各圧電素子(加振手段23)へは共通の駆動信号Pvを印加し、駆動信号Pvは、電圧220v、周波数10〜40kHzの4段階とした。使用した圧電素子は、厚さ0.3mm縦横寸法7×10mmとした。測定に使用した振動変位計は、グラフテック社製AT0021レーザードップラー振動計、ビーム計Φ12μmを用いた。
図14は、駆動信号Pv=220Vを印加した場合であり、周波数10〜40kHzに応じて、ブレードニップ面変位量が約0.2〜0.4μmとなることが分かる。図15は、駆動信号Pv=80Vを印加した場合であり、周波数に応じて、0.1〜0.2μmの変位量が得られることがわかる。
前記実験例に示すように、例えば駆動信号Pv=80V、周波数=40kHzとした場合には、ブレードニップ面変位量が約0.1μmなので、粒径が0.1μmより大きな保護物質の粒子は、加振ブレード20のブレード先端の振幅量が最大の場合であっても、加振ブレードによって堰き止められる。従って、十分に小粒径化されることなく保護物質が感光体表面に塗布された場合においても、放電から感光体表面を保護することなく、そのまま現像装置へ混入するということが防止される。ところで、保護物質塗布手段9によって感光体表面に塗布された保護物質を顕微鏡によって観察すると、数μm〜数十μmの保護物質の粗粉末が観察された。数μmよりも小粒径の保護物質も存在するが、加振ブレード20のニップ面変位量を前記とすることによって、感光体表面に塗布された保護物質の粗粉末の通過を抑制しながら、振動を加えることが可能となり、小粒径化と均一塗布が可能となる。
本実施の形態では、感光体移動方向に対して、保護物質塗布手段9の下流側、帯電装置2の上流側に塗布補助手段10として加振ブレード20を設けている。加振ブレード20は、図6に示すように、感光体の移動方向に対して、カウンター方向に当接させる方法と、図示しないがトレーリング方向で当接する方法がある。カウンター方向に当接させた場合、保護物質の小粒径化及び均一塗布が促進される。一方、感光体移動方向に対して、カウンター方向で当接させた場合、突発的に発生するブレードの巻き込み、メクレによって保護物質の小粒径化、均一塗布が乱されることがある。また、突発的に保護物質の粗粉末の通過により、現像装置に保護物質の混入が発生する。それに対して、加振ブレード20を感光体移動方向に対して、トレーリング方向に当接させた場合には、カウンターに比べて、突発的なブレードの巻込み、メクレなどが発生しないため、保護物質の小粒径化、均一塗布が乱されることが少ないため、より好ましい。また、感光体の膜削れ量は、カウンター方向に当接した場合に比べて、トレーリング方向に当接した場合の方が少ないため、感光体の高寿命化のためには、トレーリング方向に当接する方法がある。
保護物質32としては種々の物質を用いることが可能である。本実施の形態において用いられているステアリン酸亜鉛は保護物質の一例であり、そのほかにも各種の脂肪酸塩、ワックス、シリコンオイル等他の物質を保護物質として用いることが可能である。脂肪酸塩のうちでも脂肪酸金属塩は、金属元素がXPSによって測定される特徴的な元素となりやすく、塗布量などの条件を設定する上で測定が行いやすい。したがって、本実施の形態のように帯電条件に応じて最適な量の保護物質を感光体表面に供給する装置を設計する上で好適である。脂肪酸としてはウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンダデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、アラキドン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸などが挙げられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの金属との塩が挙げられる。保護物質32としてはステアリン酸亜鉛のようなラメラ結晶紛体を使用すると好適である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、剪断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。この作用が低摩擦係数化に効果があるのであるが、放電からの感光体表面保護の観点から見た場合にも、せん断力を受けて均一に感光体表面を覆っていくラメラ結晶の特性は少量の保護物質によって効果的に感光体表面を覆うことができるので保護物質として望ましい。
帯電装置2は非接触となるよう近接させて対向配置した帯電ローラ2aによる交流印加放電により感光体1を帯電せしめている。なお、接触させて対向配置した帯電ローラ2aによる交流印加放電により感光体を帯電せしめる方法がある。この方法を適用する場合には、感光体表面と帯電ローラとの接触性を向上させ、かつ感光体に機械的ストレスを与えない弾性部材を用いることが好ましい。ただし、弾性部材を用いると、帯電ニップ幅が広くなり、これに起因して帯電ローラ側に保護物質が付着しやすくなることがある。よって、感光体の高耐久化には非接触により帯電させる方が有利である。
図12は帯電装置2と感光体1の概略説明図である。帯電装置2は帯電部材としての帯電ローラ2a、スペーサ22、スプリング15、電源16とからなる。帯電ローラ2aには軸部21aと帯電部としてのローラ部21bとがある。このうちローラ部21bは感光体1に対向して感光体表面を帯電する機能を担っており、軸部21aの回転によって回動可能なように構成されている。帯電ローラ表面の帯電部21bが感光体表面に対して微小な間隙14で対向配置するよう帯電ローラに間隙保持部材であるスペーサ22を設けている。このスペーサ22により感光体1表面のうち画像が形成される画像形成領域11に対向する部分は感光体1と非接触となるよう配設されている。ローラ部21bの長手方向の寸法は感光体1の画像形成領域よりも長く設定されており、感光体1の非画像形成領域12にスペーサ22を当接せしめることにより前記微小な間隙14を形成している。このスペーサ22を介して帯電ローラ2aは感光体1表面に連れまわって回転するようになっている。微小な間隙14はローラ部21bと感光体1との最近接部が1〜100μmとなるように構成されている。この最近接距離は30〜65μmであることがさらに好ましい。本実施の形態では50μmとなるように配設した。軸部21aには帯電ローラ2aを感光体へ向けて押圧するためのスプリング15が取り付けられている。これにより微小な間隙14を精度良く維持することが可能となる。
帯電ローラ2aには帯電用の電源16が接続されており、感光体1表面と帯電ローラ2a表面との間の微小な間隙において、交流印加放電により感光体1表面を均一に帯電せしめる。本実施の形態では、直流成分であるDC電圧に交流成分であるAC電圧が重畳された交番電圧が帯電ローラ2aの帯電部へ印加されるようになっている。交番電圧を用いることにより微小なギャップ変動に起因する帯電電位のバラツキなどの影響が抑制され、均一な帯電が可能となる。
帯電ローラ2aは円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、この芯金の外周面上に形成された抵抗調整層とから構成される。本実施の形態では、帯電ローラ2aの直径を10mmとした。帯電ローラ2aの表面は、例えばゴム部材などの既知の材料を用いることができるが、樹脂材料で構成することがより好ましい。ゴム部材を用いると、ゴムの吸水や、たわみの発生により、感光体1との微小な間隙を維持することが困難となるからである。作像条件によっては帯電ローラ2aの中央部のみが感光体表面に突発的に接触する可能性がある。このような局所的、突発的な帯電ローラ2aの感光体1への接触による感光体表面層の乱れに対応することは困難である。従って、非接触帯電方式により感光体を帯電する場合には、帯電ローラ2aと感光体1との微小な間隙を均一に維持することができる硬質の材料を用いることがより好ましい。
帯電ローラ2aの表面が硬質な材料としては、例えば、以下のようなものを用いることができる。抵抗調整層として、高分子型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びその共重合体等)により形成し、抵抗調整層の表面を硬化剤により硬化皮膜処理されたものなどである。硬化皮膜処理は、例えば、イソシアネート含有化合物を含む処理溶液に抵抗調整層を浸漬させることにより行うことができる。あるいは、抵抗調整層の表面に改めて硬化処理皮膜層を形成してもよい。
感光体1は負帯電性の有機感光体であり、直径30mmのドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。図13は感光体を表す断面図である。基層としての導電性支持体50上に、絶縁層である下引き層51が設けられている。そして、その上に感光層としての電荷発生層(CGL)52、電荷輸送層(CTL)53が設けられている。さらにその上に表面保護層(FR)54が積層されている。
導電性支持体50としては、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すものを用いることができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、支持体50上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、導電性支持体として良好に用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層構成の場合から述べる。
電荷発生層52は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ、これらは有用に用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることも可能である。電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上、あるいは下引き層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
電荷発生層には、必要に応じて結着樹脂中に上記電荷発生物質を分散させることができる。用いることができる結着樹脂の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていてもよい。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層53は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N −ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N −ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
感光層は、前述の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを導電性支持体50上ないし下引き層51上に塗布、乾燥することによって形成できる。電荷輸送物質を含有させずに、電荷発生物質と結着樹脂とから構成してもよい。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。結着樹脂としては先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに50〜150重量部であればより好ましい。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層51を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。また、これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
感光体の最表面層に機械的磨耗を防止するために保護層54を設けることも可能である。例えば耐磨耗性を向上させるためにアモルファスシリコンで表面コートした感光体や、電荷輸送層のさらに表面にアルミナや酸化スズ等を分散させた最表面層を設けた有機感光体などを用いることもできる。
以上説明したように、感光体1の構成は特定の構成に限定されるものではない。導電性支持体の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層のみを設けた1層構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層を設け、その上に更に保護層を設けた構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とを積層し、その電荷輸送層の上に保護層を設けた構成や、導電性支持体の上に電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層とを積層し、その電荷発生層の上に保護層を設けた構成など、種々の層構成を有する感光体に適用可能である。
塗布補助手段10の上流に配置された保護物質塗布手段9によって感光体表面に塗布された保護物質のうち、保護物質塗布手段9で塗布された時点で十分に小粒径化されることなく、感光体表面に存在する保護物質は、塗布補助手段10によってまず堰き止められ、ブレードエッジ部に滞留する。ブレードエッジ部においては、ブレードと感光体との摺擦に加え、ブレードの振動によって保護物質に振動が加わるために、小粒径化と均一塗布化が促進される。また、十分に小粒径化されていない保護物質は、塗布補助手段10によって堰き止められるため、現像装置4内に保護物質が混入することによる異常画像の発生が防止できる。
従来のように塗布補助手段10を用いない場合、放電領域において感光体表面を保護物質で均一に覆うためには、バー状に成型された保護物質を塗布手段であるブラシローラへの食い込み量を大きくするなどの手段によって、保護物質塗布手段9による保護物質の供給量を増加させる必要がある。このような方法を取った場合、保護物質の消費量が増加してしまうだけでなく、過剰供給された保護物質が現像装置等に混入することによる異常画像の原因となる。感光体移動方向に対して、保護物質塗布手段9の下流、帯電装置2の上流に塗布補助手段10を設けたことにより、感光体表面が放電領域に達した際に保護物質が、放電領域の感光体表面を均一に覆っていることにより、前記問題を発生することなく、放電の劣化を抑制することができる。特に、保護物質として、ラメラ結晶粉体であるステアリン酸亜鉛は、へき開性に優れるため、ブレード状部材に振動を加えることによってへき開を促進し、過剰に保護物質を供給することなく、感光体表面を保護物質で被覆することが可能となり、放電による感光体の劣化を抑制することが可能となる。また、このよう塗布補助手段10を有する保護物質塗布方法を用いることによって、画像品質に優れ、高寿命な画像形成装置を提供することができる。
[実施の形態2]
図16は、実施の形態2を示す図面である。実施の形態2では、実施の形態1と構成の異なる点についてのみ説明する。実施の形態1では、未転写トナーを感光体から除去するクリーニング装置7を設けていたが、実施の形態2では、保護物質塗布手段9の上流側に設けたクリーニング装置を廃し、下流側に設けられた塗布補助手段10を、未転写トナーを感光体表面から除去するためのクリーニング装置として兼用している。これにより部品点数の削減、少スペース化が可能となる。また、振動を付与された塗布補助手段10をクリーニング装置として用いた場合には、従来のクリーニングブレードに比べて、その振動効果によって、円形度の高いトナーを用いた場合にも、十分なクリーニング性が得られる。
[実施の形態3]
図17は実施の形態3を示す図面である。実施の形態3は、実施の形態1又は実施の形態2の構成部材の一部をプロセスカートリッジ化したものである。すなわち、このプロセスカートリッジ41は実線で示すように、少なくとも被帯電体としての感光体1、帯電装置2、保護物質塗布手段9、塗布補助手段10を備えている。帯電による感光体の劣化は、環境条件に依存するため、保護物質の必要量も環境条件によって変動する。プロセスカートリッジ41とすることで、感光体周りの密閉性が高まり、放電による感光体劣化速度も安定する。その結果、感光体の劣化を抑制するために必要な保護物質の必要量の変動も最小限に押さえることが可能となる。従って、環境条件をフィードバック制御するなどによって保護物質の塗布量を変動させるなどの制御機構を設けることなく、保護物質の必要量の変動を最小限に押さえることで、保護物質の供給の過不足による被帯電体の劣化の変動を抑制することが可能となる。なお、本実施の形態では、実線で示す構成部材のみカートリッジ化したが、点線で示すように現像装置4まで含めてカートリッジ化してもよく、カートリッジ化に含める構成部品としては実線のものを必須として任意のものが可能である。
(付記)
請求項2に記載の発明にあっては、トナー除去後の被帯電体表面に保護物質を塗布することができるため、被帯電体表面に保護物質を均一に塗布することができ、必要最小限の保護物質消費量で被帯電体を保護することができる。請求項3に記載の発明にあっては、保護物質が被帯電体表面により均一に広がる。また、過剰な保護物質の供給を堰き止め、現像装置への混入を防止する。請求項4に記載の発明にあっては、被帯電体の膜削れ量を抑制しながら、安定した保護物質の小粒径化と均一塗布が行われ、保護物質の粗粉末の通過が発生しない。請求項5に記載の発明にあっては、保護物質が振動を受けずに通過することを抑制し、保護物質に振動を伝えることで、保護物質の小粒径化の促進と被帯電体表面への均一塗布が促進される。請求項6に記載の発明にあっては、保護物質が振動を受けずに通過することを抑制し、保護物質に振動を伝えることで、保護物質の小粒径化の促進と被帯電体表面への均一塗布が促進される。請求項7に記載の発明にあっては、部品点数の削減が図れ、装置の小型化と低コスト化が達成される。また、環境条件をフィードバック制御するなどによって保護物質の塗布量を変動させるなどの制御機構を設けることなく、保護物質の必要量の変動を最小限に押さえることで、保護物質の供給の過不足による被帯電体の劣化の変動を抑制することができるのに加え、高寿命な画像形成装置が提供できる。請求項8に記載の発明にあっては、被帯電体周りの密閉性を高め、放電による被帯電体劣化速度を安定することができるプロセスカートリッジが提供できる。