JP2005242050A - 分子鎖切断装置、帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents

分子鎖切断装置、帯電装置及び画像形成装置 Download PDF

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Koichi Oshima
孝一 大嶋
Hiroshi Nakai
洋志 中井
Nozomi Tamoto
望 田元
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一彦 渡邊
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Abstract

【課題】像担持体表面を精度良く削り、リフレッシュすることにより、高品質な画像を印刷することができる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】像担持体11に対して、接触または非接触に設けられた被電圧印加部材16と、被電圧印加部材16に交流電圧を印加する電圧印加手段とを有し、被電圧印加部材16と像担持体11との間に発生する放電を利用して像担持体11表面の分子鎖切断を制御して、像担持体11表面を削ることを特徴とする。
【選択図】図11

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを用いる画像形成装置、帯電装置に関する。
従来、帯電部材を被帯電体に対して0〜1mmの間隙を介して対向させる接触若しくは非接触帯電においては、狭い領域での放電現象(以下、「近接放電」と記す)に起因する放電生成物の被帯電体付着が発生する。電子写真プロセスにおいて、被帯電体である像担持体に放電生成物が付着した場合、特許文献1では、この放電生成物が吸水して像担持体表面の電気抵抗を低下させ、画像のボケを発生させる不具合が指摘されている。また、特許文献2では、放電で発生するオゾンにより像担持体表面が劣化するという指摘もされている。このように、放電現象によって被帯電体などの周辺部材が劣化する現象が、従来より指摘されている。
放電現象による不具合を低減させるべく、特許文献3では、放電を発生させない注入帯電が記載されている。また、特許文献4では、放電時に放電領域中の酸素濃度を低下させてオゾン等の発生を抑制する手法が記載され、特許文献5では、放電量を最小限に抑える放電量制御などの手法が記載されている。
一方、電子写真装置を長時間稼動させると外添剤やトナーなどの異物が像担持体に固着し画質の劣化を引き起こすことがある。また、像担持体表面の摩擦係数低下のためにステアリン酸亜鉛等の潤滑物質を像担持体に塗布することがあるが、潤滑物質が過剰に像担持体表面に供給されると、これが現像装置や帯電部材に混入して画質を劣化させることがある。このような画質劣化を防止するために、クリーニングブレードなどで磨耗させることにより像担持体表面をリフレッシュすることが従来から行なわれてきた。特許文献6では、像担持体表面層に低分子を含有させることで、像担持体を磨耗させやすくする手法が記載されている。しかし、クリーニングブレードによって像担持体を磨耗させる場合、像担持体表面状態に応じて磨耗量を制御する事は容易ではない。例えば、クリーニングブレードの像担持体への当接圧を高めることによって磨耗量を増加させようとする場合には、異音の発生等を抑制する工夫が必要であった。また、クリーニングブレードによる磨耗では、必ずしも像担持体長手方向に均一な磨耗ができない場合があった。例えば、クリーニングブレードと像担持体との間にキャリア(2成分現像使用時)等の硬い異物が入るとクリーニングブレードが傷つく事などがあり、この場合には像担持体の磨耗量が長手方向で変動する事があった。
特開2002−99189号公報 特開2000−122314号公報 特開2002−196566号公報 特開平11−305522号公報 特開2001−201920号公報 特開2000−19753号公報
上記問題点に鑑み、本発明は、放電による分子鎖切断効果を利用することにより、感光体表面を精度良くリフレッシュすることができる画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、被放電体に対して接触または非接触に設けられた被電圧印加部材と、被電圧印加部材に交流電圧を印加する電圧印加手段とを有し、被電圧印加部材と被放電体との間に発生する放電を利用して被放電体の分子鎖切断を制御することを特徴とする分子鎖切断装置である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の分子鎖切断装置において、分子鎖切断時には、被電圧印加部材の表面が被放電体との対向部分で移動することを特徴とする分子鎖切断装置である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の分子鎖切断装置において、被帯電体または帯電部材内部に流れる電流を測定する電流測定回路と、電流測定回路が測定した電流値またはその累計値に応じて分子鎖切断量を制御する制御回路とを有することを特徴とする分子鎖切断装置である。
請求項4に記載の本発明は、移動する被帯電体と、被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段とを有し、帯電部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体を帯電させる帯電装置において、 被帯電体の移動速度をv[mm/sec]、電圧印加手段により印加される交流電圧の周波数をf[Hz]、電圧印加手段により印加される交流電圧のピークツーピーク電圧値をVpp[V]としたとき、通常の帯電時と比較してVpp×f/vの値が大きくなるように制御を行なう制御手段を有することを特徴とする帯電装置である。
請求項5に記載の本発明は、移動する被帯電体と、被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段とを有し、帯電部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体を帯電させる帯電装置において、 通常の帯電動作時以外の時間に、帯電部材に交流電圧を印加させつつ被帯電体を移動させることで被帯電体表面の分子鎖切断を促進させる制御を行なう制御手段を有することを特徴とする帯電装置である。
請求項6に記載の本発明は、前記制御手段は、通常の帯電動作時以外の時間に、帯電部材に交流電圧を印加させつつ被帯電体を移動させることで被帯電体表面の分子鎖切断を促進させる制御を行なう際に、帯電部材に通常の帯電動作時と同じピークツーピーク電圧値で同じ周波数の交流電圧を印加することを特徴とする帯電装置である。
請求項7に記載の本発明は、移動する被帯電体と、被帯電体を帯電させる帯電部材と、 被帯電体に対して接触または非接触に設けられた被電圧印加部材と、被電圧印加部材に交流電圧を印加する電圧印加手段とを有し、被電圧印加部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体の分子鎖切断を実施することを特徴とする帯電装置である。
請求項8に記載の本発明は、請求項7に記載の帯電装置において、被帯電体上の異物を除去する清掃手段をさらに有し、被電圧印加部材は清掃手段の上流に設けられており、かつ、被電圧印加部材は被帯電体に対して非接触に設けられていることを特徴とする帯電装置である。
請求項9に記載の本発明は、被帯電体または帯電部材内部に流れる電流を測定する電流測定回路と、電流測定回路が測定した電流値またはその累計値に応じて分子鎖切断量を制御する制御回路とを有することを特徴とする帯電装置である。
請求項10に記載の本発明は、移動する被帯電体と、被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、帯電部材と被帯電体との間の放電領域の酸素濃度を低減させる酸素濃度低減手段とを有する帯電装置において、酸素濃度低減手段による酸素濃度の低減を行なわない状態、又は、通常の帯電時に比べ酸素濃度低減手段による酸素濃度の低減を抑制させた状態で電圧印加手段に電圧を印加する制御を行う制御手段を有することを特徴とする帯電装置である。
請求項11に記載の本発明は、移動する被帯電体と、被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、帯電部材と被帯電体との間の放電領域を囲い込むことにより放電領域と放電領域外部との大気の交換を抑制するケーシング手段と、を有する帯電装置において、放電領域と放電領域外部との大気交換の抑制を停止させた状態、又は、通常の帯電時に比べ放電領域と放電領域外部との大気の交換を増加させた状態で電圧印加手段に電圧を印加させる制御手段を有することを特徴とする帯電装置である。
請求項12に記載の本発明は、移動する被帯電体と、被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、を有し、帯電部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体を帯電させる帯電装置において、帯電部材と被帯電体とが対向する領域に、放電による被帯電体の分子鎖切断を抑制する保護物質を供給する保護物質供給手段と、保護物質供給手段による保護物質の供給を停止させた状態、又は、通常の帯電時と比べ保護物質供給手段による保護物質の供給量を低減させた状態で電圧印加手段に電圧を印加させる制御手段を有することを特徴とする帯電装置である。
請求項13に記載の本発明は、帯電部材によって帯電させられた被帯電体を画像情報に応じて選択的に除電する静電潜像形成手段と、静電潜像を帯電したトナー粒子によって現像する現像手段と、現像された像担持体上のトナー像を像担持体上から転写体上に転写させる転写手段とを有し、保護物質供給手段は、被帯電体と転写手段との対向部と、被帯電体と帯電部材との対向部との間に設けられていることを特徴とする帯電装置である。
請求項14に記載の本発明は、移動する被帯電体と、被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段とを有し、帯電部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体を帯電させる帯電装置において、 放電による被帯電体の分子鎖切断を抑制するために帯電部材と被帯電体とが対向する領域に供給された保護物質の分子鎖の切断を促進させる制御手段を有することを特徴とする帯電装置である。
請求項15に記載の本発明は、潜像を担持する像担持体と、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、像担持体に形成されたトナー像を、表面移動部材との間に挟持される記録材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と、潜像担持体上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング装置とを備える画像形成装置において、前記帯電装置は、請求項3ないし14のいずれかに記載の帯電装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項16に記載の本発明は、被放電体に対して接触または非接触に設けられた被電圧印加部材に交流電圧を印加し、被電圧印加部材と被放電体との間に発生する放電を利用して被放電体の分子鎖切断を制御する被放電体の分子鎖切断方法である。
請求項17に記載の本発明は、被帯電体と、被帯電体を帯電させる帯電部材と、被帯電体に対して接触または非接触に設けられた、被帯電体とは別体の被電圧印加部材とを有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項18に記載の本発明は、請求項17に記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明により、放電による分子鎖切断効果を利用することにより、感光体表面を精度良くリフレッシュすることができ、高品質な画像を印刷することができる画像形成装置を提供することができる。
発明者は、電子写真方式の画像形成装置からクリーニング装置、現像装置などの装置を取外して帯電装置と被帯電体である像担持体のみのシステムを構成し、かかるシステムにおいて被帯電体である像担持体を回転させつつ帯電装置によって像担持体表面を帯電させる実験を実施した。このとき帯電装置として、像担持体と約50μmのギャップを介して帯電部材を対向させた非接触方式の帯電装置を使用し、帯電部材に交流電圧を印加した。
その結果、クリーニング部材や現像装置、転写装置といった像担持体に接触する部材が存在しない場合であっても、放電のみによって像担持体表面が削れることを発見した。ここで近接放電とは、像担持体と帯電部材との最近接距離が1mm以下となる放電である。
図1は、像担持体表面の膜圧の変化を示す図である。近接放電による像担持体表面の劣化状態を調べるために、像担持体表面に帯電部材のみを非接触状態で近接配置し、連続約150
時間の帯電実験を行ったときの、像担持体表面の膜圧の変化を示している。
実験に使用した像担持体は、電荷輸送層にポリカーボネートを用いた有機像担持体であり、像担持体に対して当接する部材を全て取り除き、DC
バイアスにAC バイアスを重畳した電圧が印加された非接触帯電ローラを用いて帯電を行った。この結果、像担持体表面の膜の削れ量が次第に多くなり、像担持体の膜厚が次第に減少している事実がわかった。膜厚減少のメカニズムを調査するために膜厚が減少した像担持体を分析したところ、像担持体を構成するポリカーボネートが分解されたと考えられるカルボン酸などが検出された。このことから、像担持体の膜厚減少のメカニズムとしては、次のようなことが考えられる。
図2は、近接放電によって像担持体11表面が劣化する状態を示す図である。帯電ローラ2aを像担持体11表面から微小ギャップで対向させた状態を示している。
近接放電の際に、像担持体11表面の放電領域では、放電により発生した粒子(オゾン、電子、励起分子、イオン、プラズマなど)のエネルギーが像担持体11表面の電荷輸送層1aに照射される。このエネルギーが像担持体11表面を構成する分子の結合エネルギーに共鳴、吸収され、図2(a)に示すように、電荷輸送層1aは、樹脂分子鎖の切断による分子量低下、高分子鎖の絡み合い度の低下、樹脂の蒸発等の化学的劣化を生じる。このような近接放電による像担持体の化学的劣化によって、像担持体11表面の電荷輸送層1aは、次第にその膜厚を減少させてしまうと考えられる。あるいは、放電により発生したオゾン、NOxなどの活性酸素が像担持体11表面に近づき、このときに、像担持体11表面の電荷輸送層1aから電子を奪い取ることによって樹脂分子鎖の切断を引き起こしたというメカニズムも考えられる。
いずれのメカニズムが正しいかは断定できず、本発明者は両メカニズムが混在していると考えているが、いずれにしても、近接放電により被帯電体である像担持体11表面を構成する分子の結合が切断され、この分子鎖切断により分子量が減少し、減少した分子が像担持体11表面から放出されることで像担持体11表面の磨耗が発生していることが分かる。
このような被帯電体の分子鎖切断はポリカーボネートに限らず、他の材質の像担持体を用いた場合においても発生しうる。また、被帯電体のみならず放電領域に存在する物質、特に有機物質であれば、同様な分子鎖切断を受けることになる。
<実施例1>
図3は、本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。画像形成装置は、記録用紙/OHP等の転写材を格納するための格納部を備えた給紙装置5、転写材を保持しつつ搬送するための転写ベルト2、転写材を転写ベルトに吸着させるための吸着ローラ2a、それぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエロー色のトナー像を作像するためのプロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Y、転写材上に形成されたトナー像を転写材に定着させるための定着装置3、画像情報に従ってプロセスカートリッジ内の潜像担持体に潜像を書き込むための書込装置4K、4M、4C、4Y等から構成される。書き込み装置4K、4M、4C、4Yは、ポリゴンを用いた光走査装置、LEDアレイ等、種々のものを使用することができる。また、画像形成装置内には、画像情報の受信、ラスターイメージプロセッシング、書込装置の動作やプロセスカートリッジ内に存在する作像手段の動作を統括するためのコントローラ1000が存在する。
上記画像形成装置の動作を説明する。給紙装置5から供給される記録用紙等の転写材は、吸着ローラ2aに電圧が印加されることにより、転写材搬送ベルト2に吸着させられて転写材搬送ベルト2上を移動し、移動中にプロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yからトナー像が転写させられる。転写材が搬送ベルト2を通過して定着装置3に到達すると、転写材上のトナー像は、加熱ローラ3aおよび加圧ローラ3bに挟まれつつ加熱されることにより、転写材上に定着して可視像が形成される。給紙装置5からの転写材の給紙タイミングや、吸着ローラ2aへの電圧印加タイミングなどはコントローラ1000からの指示により決定される。
図4は、プロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yの概略構成図である。図5は、プロセスカートリッジの脱着を示す図である。各プロセスカートリッジは、図5に示すように転写材搬送ベルト2が退避する事で開放された空間から着脱可能となっており、ユーザーによる交換が可能となっている。本実施例では、プロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yは同一構造であるので、1つのみについて説明する。
図4に示すように、被帯電体としての像担持体11は、図示を省略した回転駆動機構によって矢印方向、すなわち、反時計回り方向に回転するように配置された負帯電性の有機像担持体であり、φ30mmのドラム状導電性支持体上に感光層を設けたものである。
導電性支持体としては、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
次に、感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、電荷発生層と電荷輸送層とで構成される場合について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2、4、7−トリニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2、4、5、7−テトラニトロキサントン、2、4、8−トリニトロチオキサントン、2、6、8−トリニトロ−4H−インデノ〔1、2−b〕チオフェン−4−オン、1、3、7−トリニトロジベンゾチオフェン−5、5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
本発明は、感光層が単層構成の像担持体にも適用できる。かかる像担持体としては、上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した像担持体が使用できる。感光層は電荷発生物質および電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
本発明の像担持体では、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
また、像担持体の最表面層に保護層を設けることも可能であり、耐摩耗性を高める上で有効である。例えば耐磨耗性を向上させるためにアモルファスシリコンで表面コートした像担持体や、電荷輸送層のさらに表面にアルミナや酸化スズ等を分散させた最表面層を設けた有機像担持体などを用いることもできる。
以上説明したように、本発明に用いることができる像担持体1の構成は特定の構成に限定されるものではない。導電性支持体の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層のみを設けた1層構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層を設けて更に感光層表面に保護層を設けた構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが積層され更に電荷輸送層上に保護層が設けられた構成や、導電性支持体の上に電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層とが積層され更に電荷発生層上に保護層が設けられた構成など、種々の層構成を有する像担持体に適用可能である。
帯電部材12は、芯金12a上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層12bをローラ状に形成した可撓性の帯電ローラである。帯電ローラ12において芯金上に形成される中抵抗層の材質としては、上記に限定するものではなく、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることができる。帯電部材12は被帯電体である像担持体11との最近接距離が約50μmとなるように配設されており、帯電部材12の長手方向両端に巻かれたテープによって像担持体11との距離を規制されつつ、像担持体11の回転に伴い連れ回りさせられる。なお本発明は帯電部材12と像担持体11とが接触する接触帯電装置についても適用可能である。
現像手段13内には図示せぬトナー粒子が格納されている。本実施例の現像手段13は時計回りに回転させられ像担持体11と接触する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対してトナー粒子をコートする供給ローラ13bと、現像ローラ13a上にコートされたトナー粒子の厚みを規制しつつ摩擦によりトナー粒子を負帯電させる弾性ブレード13cと、プロセスカートリッジ内のトナー粒子を攪拌しつつ供給ローラに向けて移動させる攪拌部材13dとを有している。
クリーニング装置14は像担持体11の回転方向に対してカウンターで当接させられたクリーニングブレードと14aと、クリーニングされたトナー粒子を廃トナーとして収納する廃トナーボックス14bとを有する。
転写材搬送ベルトを介して像担持体11と対向する転写ローラ2bは、少なくとも芯金と芯金を被覆する導電性弾性層とを有し、導電性弾性層はポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した弾性体である転写ローラである。
次に、プロセスカートリッジの動作を説明する。
本実施例の画像形成装置は、複写機およびプリンタとして機能することができる画像形成装置である。複写機として機能する際にはスキャナから読み込まれた画像情報がA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理を施されて書き込みデータに変換される。プリンタとして機能する際にはコンピュータ等から転送されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施され書込みデータに変換される。
画像形成に先駆けて、像担持体11は表面の移動速度vが113[mm/s]の速度となるように図4の矢印方向すなわち反時計回り方向に回転を始める。また帯電ローラ12は像担持体11に対してつれまわり回転させられる。このとき帯電ローラ12の芯金には帯電バイアス印加電源から−600Vの直流電圧、および、ピークツーピーク電圧値Vppが2.2[kV]/周波数1350[Hz]の交流電圧が印加され、これにより像担持体11の表面が約−600Vに帯電させられる。
帯電した像担持体11に対して書き込み装置4(4C、4M、4Y、4K)は書き込みデータに応じた露光を行なう。すなわち、光照射によって画像部の電位を変化させる事で光照射されなかった非画像部の電位との差を発生させ、この電位コントラストによる静電潜像を形成する。
書き込み装置4により像担持体11上に形成された静電潜像は、現像装置13により1成分現像され、画像部にトナー粒子が付着することによりトナー像として、像担持体11上に可視像化される。本実施例の現像装置13は接触型の非磁性1成分現像方式によって像担持体11上にトナー像を形成する。具体的には、現像ローラ13aを時計回りに回転させ、時計回りに回転する弾性体からなる供給ローラ13bを現像ローラ13aと接触させることで供給ローラ上のトナー粒子を現像ローラ13a上にコートさせる。現像ローラ13a上にコートされたトナー粒子は、弾性ブレード13cにより厚みを規制されながら弾性ブレード13cとの摩擦により負帯電され、その後、現像ローラ13aの回転に従って像担持体11との対向部に搬送させられる。
現像ローラ13aと像担持体11との対向部では、現像ローラ13aに対して−350Vの直流バイアスが印加されて現像ローラ13aと像担持体11との間に直流電界が形成され、負帯電されたトナー粒子は、この直流電界により像担持体上の画像部にのみ選択的に付着してトナー像となる。
像担持体11上に形成させられたトナー像が転写ローラ2bと像担持体11との対向部である転写部に到達するのとタイミングを合わせて給紙装置5から転写材が搬送され、像担持体11上のトナー像は転写ローラに印加された電圧により転写材へと転写される。転写されたトナー像は、定着装置3によって転写材に定着され画像が出力される。
一方、転写されずに像担持体11上に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置14によって清掃され、清掃後の像担持体表面は次回の画像形成のために使用される。
なお、像担持体11の回転/停止タイミング、現像ローラ13aの回転/停止タイミング、現像ローラ13aへの電圧印加タイミングなどはコントローラ1000からの指示により決定される。
ところで本発明者の検討により、被帯電体表面の膜厚減少量は、帯電条件および被帯電体表面の移動速度と密接な関係があることが明らかになった。この事実を示す実験結果について説明する。
図6は、Vppの変化を横軸に、像担持体の膜厚減少量を縦軸にとって本実験の結果をプロットしたものである。
帯電ローラと、被帯電体としての像担持体のみから構成される実験系を用いて像担持体表面の劣化状態を調べた。第一の実験では、帯電ローラに印加するAC電圧のピークツーピーク電圧値Vppを2.2[kV]、2.6[kV]、3.0[kV]と変化させ、AC電圧の周波数fは1350[Hz]に固定し、DC電圧は−600 [V]とした。また像担持体表面の移動速度vは113[mm/s]とした。図6に示すように、像担持体膜厚の減少は明らかにVppに比例している。また、Vppが約1.9[kV]のときに膜厚減少が0となっている。この点について本発明者は次のように考えている。
AC電圧を印加した時、帯電部材に印加する電圧が所定の値以上とならないと帯電部材表面と像担持体表面との間で放電が開始されないことが知られている。本発明者の研究によれば、非接触帯電の場合、帯電部材表面と被帯電表面との最近接距離をGp[μm]としたときに、帯電部材に印加する電圧が次に示す値以上となると帯電部材表面と像担持体表面との間で放電が開始される。以下、この値を放電開始電圧Vthと記す。
Vth=312+6.2×(d/εopc+Gp/εair)+√(7737.6×d/ε)[V]
ここで、像担持体の膜圧をd[μm]、像担持体の比誘電率をεopc、像担持体と帯電部材の間の空間における比誘電率をεairと記している。
AC電圧のVppが上記Vthの2倍以上となったときに、帯電部材と像担持体との間で双方向に放電が発生する。
本実施例では、帯電ローラと像担持体との間のギャップは50μm、像担持体の比誘電率は約3、膜圧は30μm、像担持体と帯電部材の間の空間における比誘電率は約1であるので、上記式に当てはめるとVth=962[V]となり、帯電部材に印加する電圧が962[V]以上となると帯電部材表面と像担持体表面との間で放電が開始され、またVppが約1924[V]を越えるとAC電圧による放電が開始されると考えられる。放電現象として支配的なのはAC電圧によって生じる双方向放電であり、このためVppが約1.9[kV]を越えると像担持体膜圧の減少が始まると考えられる。
第二の実験では、帯電ローラに印加するAC電圧の周波数fを500[Hz]、900[Hz]、1400[Hz]、2000[Hz]、4000[Hz]と変化させ、AC電圧のピークツーピーク電圧値Vppは2.2[kV]に固定し、DC電圧は−600[V]とした。また、像担持体表面の移動速度vは104[mm/s]とした。
図7は、fの変化を横軸に、像担持体の膜厚減少量を縦軸にとって本実験の結果をプロットした図である。
図7に示すように、像担持体膜厚の減少は明らかにfに比例している。このように像担持体膜厚の減少は帯電条件に依存しており、具体的にはVpp、fに比例している。
また、像担持体の移動速度vが小さくなると、同じ帯電条件においても像担持体の単位面積あたりに照射される放電エネルギーが増加する。すなわち、像担持体膜厚の減少は1/vに比例していることも分かった。
従って、像担持体膜厚の減少はVppに比例し、fに比例し、1/vに比例する事が確認できた。つまりVpp×f/vの値を大きくする事により像担持体表面の分子鎖切断を促進させることができる。
本実施例では像担持体11の表面に付着した異物を除去するためにクリーニング装置14を設けているが、クリーニングブレードによってトナー粒子や外添剤などを完全に除去することは困難であり、これら異物が像担持体11表面に残留することがある。また、外添剤や金属片が像担持体11上に存在すると、クリーニングブレードの当接圧によって像担持体表面にこれら異物が埋め込まれる事があり、像担持体11を傷つけ、性能を低下させることがある。クリーニングブレードの当接圧を100g重/cm以上に高めて小粒径の球形トナーを含めた異物の除去能力を高めようとする検討も行なわれているが、当接圧を高めれば像担持体に異物が埋め込まれる恐れが増加する。
そこで、本実施例の画像形成装置では、クリーニングブレードの当接圧を10〜80g重/cm程度に抑え、かつ、所定のタイミングで帯電時の放電の量を調整する。具体的には、コントローラ1000は、所定のタイミングで、Vpp×f/vの値が通常の帯電動作時よりも大きくなるように制御を行なう。これにより一時的に、像担持体表面の分子鎖切断が促進され、クリーニングブレードでは除去しきれない異物が像担持体の表面ごと削られる。
ここで、所定のタイミングとは、例えば、所定枚数の画像形成を行なった後、Vpp×f/vの値を大きくする、あるいは、累積画像面積が所定値以上に達した後、Vpp×f/vの値を大きくする、というように、あらかじめタイミングが一義的に定められていても良い。または、像担持体上の濃度をセンサで検知して、濃度が所定以上変化した場合には、Vpp×f/vの値を大きくする、あるいは、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知し、クリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合には、Vpp×f/vの値を大きくするというように、状況に応じて適応的にタイミングを決定しても良い。本実施例では、画像形成枚数が累積で200枚を越えた場合、または、累積画像面積がA4画像10枚分の面積に達した場合に、Vpp×f/vの値を大きくする。
また、本実施例では画像形成動作中にVpp×f/vの値を大きくして分子鎖切断促進のための時間を取る。以下、分子鎖切断促進のための時間を「リフレッシュモード」と記す。このように画像形成動作中にリフレッシュモードを実施する場合には、画像形成動作を行ないつつ分子鎖切断を実施できるのでダウンタイムが低減できる。
図8は、帯電部材12に対するバイアス印加手段のブロック回路図である。
電源から直流電圧に周波数fの交流電圧を重畳した振動電圧が帯電部材12に印加される。ここで電源は、直流(DC)電源と交流(AC)電源を有している。制御回路はDC電源から帯電部材12に印加する直流電圧値と、AC電源から帯電部材12に印加する交流電圧のVppを制御する機能を有し、上記所定のタイミングで、通常の画像形成時よりもVppが大きくなるような制御を実施する。
なお、同じVppやfを印加した場合でも環境条件によって放電量は異なる。そこで帯電部材12に流れる交流電流値は像担持体11を介して電流測定回路で測定され、この交流電流値がコントローラ1000内部の制御回路に入力される。制御回路は電流測定回路からの情報に基づき分子鎖切断による像担持体表面の劣化がどの程度進行したかを判定し、想定される像担持体11の寿命に対して分子鎖切断が激しすぎると判断される場合には、Vppの値を抑えたり分子鎖切断処理を実施しないといった判断を行なう。分子鎖切断による像担持体表面の劣化がどの程度進行したかの判定は、「電流測定回路で測定される交流電流の振幅×電流測定回路で測定される交流電流の周波数/測定時の像担持体速度」を累積した値が使用時間の関数としての所定のしきい値を越えたか否かによって判定される。
図8の制御回路は、「電流測定回路で測定される交流電流の振幅×電流測定回路で測定される交流電流の周波数/測定時の像担持体速度」の現在値または累計値に応じてさらにVpp×f/vの値が大きくなるように制御を実施する。この場合の制御回路は、像担持体表面の分子鎖切断量が想定された量よりも低い事を判断して分子鎖切断量を増加させる機能を果たすことになる。
なお、本実施例と異なり、vの値を小さくする事でVpp×f/vの値を大きくしても良い。OHPモードや厚紙モードの際に定着性確保などの理由で像担持体の回転速度を低下させる制御を行なう画像形成装置においては、もともとvの値を小さくする制御がプログラミングされているので、かかる場合にはvの値を小さくする事でVpp×f/vの値を大きくすることが装置の部品低減等につながり望ましい。
コントローラ1000は、上記所定のタイミングで像担持体11表面をリフレッシュさせるべきと判断すると、画像形成動作を休止させてリフレッシュモードに入る。リフレッシュモードではVpp×f/vの値を通常の帯電時(リフレッシュモード以外の画像形成時)よりも大きくした状態で像担持体11を回転させて画像形成を行なう。リフレッシュモードは、あらかじめ定めた所定時間が経過した後に自動的に終了するように設定されている。リフレッシュモードが終了すると、再び画像形成動作可能となる。
本実施例と異なり、状況に応じて適応的にリフレッシュモードを終了させても良い。適応的な終了タイミングとしては、例えば、像担持体上のトナー濃度をセンサで検知し、濃度が所定以上変化した場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。また、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知しクリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。
以上の構成により、像担持体11の分子鎖切断量が調整され、像担持体表面はリフレッシュされる。また、制御回路によって分子鎖切断量の制御を緻密に実施することにより、分子鎖切断が過剰に行なわれて必要以上に像担持体の寿命を短縮させないようにする。
なお、本実施例ではクリーニングブレードの当接圧を10〜80g重/cm程度に抑えつつ、その当接圧では除去できない異物については近接放電によって像担持体表面の分子ごと除去するという方式を取るが、逆に、クリーニングブレードの当接圧を100g重/cm以上として異物を除去し、高い当接圧によって像担持体に埋没させられた異物については近接放電によって像担持体表面の分子ごと除去するという方式も取ることが可能である。いずれの方式を採用するかは、クリーニングブレードによる異物除去と近接放電による異物除去の機能分担の問題であり、使用するトナー粒子、像担持体の材料、像担持体の移動速度、プロセスカートリッジの寿命などに応じて適宜決定すればよい。
<実施例1−1>
実施例1の変形を説明する。本実施例の画像形成装置は実施例1とほとんど等しいが、各プロセスカートリッジにはクリーニング装置14が存在しないクリーナレス構成となっている。
本実施例においては、像担持体11上の転写残トナー粒子は基本的に現像ローラ13aに回収され、回収されずに像担持体11に固着したトナー粒子や外添剤などについては制御装置が所定のタイミングでVpp×f/vの値を大きくすることで放電による除去を行なうという機能分離が採用される。
<実施例1−2>
実施例1の他の変形を説明する。本実施例の画像形成装置は実施例1とほとんど等しいが、リフレッシュモード(「分子鎖切断を促進させるモード」の意)は画像形成動作と同時には実施しない。
本実施例においては、画像形成動作とは別に分子鎖切断促進のための時間を取る。実施例1と比較して、リフレッシュモード実施時には画像形成動作が出来なくなるが、像担持体上にトナー粒子を存在させない状態でリフレッシュモードを実施すると、像担持体の表面が一様に分子鎖の切断を起こし、像担持体表面がより一様にリフレッシュできる利点がある。
本実施例においては、リフレッシュモード実施時にVpp×f/vの値を通常の帯電時(リフレッシュモード以外の画像形成時)よりも大きくした状態で像担持体11を回転させてもよいし、Vpp×f/vの値を通常の帯電時と同じ値、あるいは通常の帯電時よりも小さくしても良い。制御を簡素化するためには、Vpp×f/vの値を通常の帯電時と同じ値とすることが好ましい。
<実施例2>
本発明の実施例2について説明する。
本実施例の画像形成装置は実施例1とほとんど等しいが、本実施例のプロセスカートリッジはさらに、低酸素気体格納部15aと、低酸素気体導入器15とを有する。
図9は、実施例2に係るプロセスカートリッジの構成を示す図である。
低酸素気体格納部15aには高濃度に圧縮された低酸素気体が格納されている。低酸素気体導入器15は低酸素気体格納部15aと、帯電部材12と像担持体11との対向部とをつなぐように配設されており、コントローラ1000からの指令に従って内部のシャッターを開閉することにより、低酸素気体を帯電部材12と像担持体11との対向部へと供給することができる。
図10に、実施例2の画像形成装置における帯電部材12と像担持体11との対向部の詳細を示す図である。本実施例では、実施例1と異なり帯電部材12はカバー12cによって覆われており、カバー12cと像担持体11とは非接触となっている(3mm程度の間隔が空いている)。カバー12cと像担持体11の表面とを非接触にする手段としては、コロなどの周知の間隔規制部材を使用すればよい。また、カバー12cと帯電部材12とが近接しているほど低酸素気体が早く充満するので、カバー12cと帯電部材12との距離はできる限り近接していることが好ましい。
また、像担持体11の回転方向上流側には低酸素気体導入器15が配設されており、カバー12cと像担持体11との間隙から低酸素気体を吹き込むように構成されている。ここで低酸素気体としては窒素ガスや希ガスなどが使用できる。酸素濃度が低ければ低いほど放電による像担持体11の劣化を防止するには有効である。低酸素気体導入器15は像担持体11の帯電領域幅以上の幅となるような長手方向長さを有し、放電領域全体に低酸素気体を導入可能であるように設けられている。
次に、低酸素気体の導入動作について説明する。
画像形成開始のための信号がコントローラ1000に入るまでは低酸素導入器15は停止している。画像形成開始のための信号がコントローラ1000に入ると、所定のタイミングで像担持体11および帯電部材12が回転を開始する。この回転開始時には帯電部材12に電圧は印加されていない。低酸素気体が放電領域にある程度供給されるまでは帯電電圧を印加しない事により、低酸素気体のない状態で放電が開始されて像担持体11が劣化する事態を避けられる。
次いで低酸素気体導入器15から低酸素気体が像担持体11とカバー12cとの間に供給される。
低酸素気体がカバー12c内部に導入されると、すでに帯電部材12は回転を開始しているので、その回転に伴う連れまわり気流Cがカバー12c内部に発生している。低酸素気体は気流Cにのることで帯電部材12の周囲を巡って、領域Aから領域Bへと容易に運ばれる。
領域Bにおいて帯電部材12の連れまわり気流Cと像担持体11の連れまわり気流Dとにのって低酸素気体は放電領域に突入する。しかし50μm程度の間隔では低酸素気体が容易に帯電部材12と像担持体11との間を通過することはできず、このため領域Bに達した低酸素気体は放電領域に長く留まって放電による像担持体11の劣化を効果的に防止する。その後低酸素気体は徐々に帯電部材12と像担持体11との間を通過し(気流E)、低酸素気体導入器15から導入された低酸素気体と衝突して領域A付近の放電領域に留まる。
低酸素気体の導入が開始されてから所定の時間が経過した後、例えば、本実施例では帯電部材12が5周以上回転する時間が経過した後に、帯電部材12に電圧が印加されて帯電が開始される。帯電開始時には領域A、Bの両放電領域ともに低酸素気体が導入されているので、放電によって発生するオゾン、NOxの量は低減され、像担持体11の放電劣化は効果的に防止される。本実施例の低酸素気体導入器15を用いて、カバー12c内部に低酸素気体である窒素ガスを導入した場合と通常の大気を導入した場合とを比較したところ、前者の方が像担持体11の劣化が少ない事が確認された。
本実施例では、帯電部材12は像担持体11に非接触であるが、接触していても良い。この場合には、低酸素気体は、帯電部材と像担持体との間を通り抜けることは困難となるが、低酸素気体はこの場合も放電領域に長く留まる事となる。このように帯電部材12と像担持体11とは接触または近接していれば良い。より具体的には、帯電領域における帯電部材と像担持体との最近接距離が1mm以下の近接状態であれば像担持体の分子鎖切断を抑制できる。
次に、上述の発明を適用した実施例について説明する。
本実施例では、像担持体11表面の分子鎖切断を促進するために、所定のタイミングで低酸素気体の導入を停止して画像形成を実施する。低酸素気体が存在しない状態では、上述のような像担持体の分子鎖切断抑制効果が発現されず、通常の帯電動作時に比較して像担持体の磨耗が促進される事となる。したがって所定のタイミングで低酸素気体の導入を停止する事によって像担持体11上の異物を像担持体表面の分子ごと除去する事ができ、像担持体11表面をリフレッシュできる。
本実施例における低酸素気体の導入を停止する方法を説明する。上述したようにコントローラ1000からの信号によって低酸素気体導入器15内部のシャッターが開閉するように構成されているので、像担持体11上の異物を除去しようとする場合には、帯電部材12に電圧を印加しつつ、シャッターは開かないようにコントローラが制御を実施すればよい。
また、分子鎖切断を促進させる「所定のタイミング」としては、例えば所定枚数の画像形成を行なったら低酸素気体の導入を停止する、あるいは、累積画像面積が所定値以上に達したら低酸素気体の導入を停止する、というように、あらかじめタイミングが一義的に定められていても良い。または、像担持体上の濃度をセンサで検知して濃度が所定以上変化した場合に低酸素気体の導入を停止する、あるいは、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知しクリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合に低酸素気体の導入を停止するというように、状況に応じて適応的にタイミングを決定しても良い。本実施例では、画像形成枚数が累積で200枚を越えた場合、または累積画像面積がA4画像10枚分の面積に達した場合に低酸素気体の導入を停止する。
本発明の効果を得るためには、画像形成動作中に低酸素気体の導入を停止しても良いし、画像形成動作とは別に分子鎖切断促進のための時間を取っても良い。前者の場合には画像形成動作を行ないつつ分子鎖切断を実施できるのでダウンタイムが低減できるが、本実施例では画像形成動作とは別に分子鎖切断促進のための時間を取る。その理由は、像担持体上にトナー粒子を存在させない状態で低酸素気体の導入を停止すると、像担持体の表面が一様に分子鎖の切断を起こし、像担持体表面がより一様にリフレッシュできるからである。
低酸素気体の導入を停止して画像形成を実施した場合、帯電部材12の周囲では図10における気流C、D、Eが発生するが、これら気流には低酸素気体が含まれていないためにオゾン、NOx等の活性酸素が発生し、これら活性酸素が気流C、D、Eにのって放電領域に侵入するために、像担持体11表面の分子鎖切断が促進される。
コントローラ1000は、上記所定のタイミングで像担持体11表面をリフレッシュさせるべきと判断すると、画像形成動作を休止させてリフレッシュモードに入る。リフレッシュモードでは帯電部材12に交流電圧を印加した状態で低酸素気体の導入を停止させ、像担持体11を回転させる。リフレッシュモードは、あらかじめ定めた所定時間が経過した後に自動的に終了するように設定されている。リフレッシュモードが終了すると、再び画像形成動作可能となる。
ただし、本実施例と異なり、状況に応じて適応的にリフレッシュモードを終了させても良い。適応的な終了タイミングとしては、例えば、像担持体上、現像ローラ上、転写ベルト上、あるいは転写材上のトナー濃度をセンサで検知し、濃度が所定以上変化した場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。また、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知しクリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。
<実施例3>
本発明の実施例3について説明する。
本実施例の画像形成装置は実施例2とほとんど等しいが、低酸素気体格納部15aと、低酸素気体導入器15は有さない。
また、本実施例では実施例2と異なりカバー12cと像担持体11の表面とを非接触にする手段として、両者の間隔を調整可能なカム部材を使用する。カバー12cの内部で像担持体11を帯電させると、実施例2と異なり低酸素気体が導入されていないために、カバー内部でオゾンやNOxが発生して像担持体11表面の分子鎖が切断される。しかし帯電を続けるうちにカバー内部の酸素が消費され、像担持体11表面の分子鎖切断量は低下する。すなわちカバー12cを設けると、カバー12cを設けない場合に比べて像担持体11表面の分子鎖切断量が低減される。これはカバー12c内部の酸素が消費されたためであり、カバー12cの外部から新たな酸素が供給されれば再び像担持体11表面の分子鎖切断量が増加する。
ここで、カバー12cと像担持体11とが近接しているほどカバー12c内部への新たな酸素の供給量が低くなるので、カバー12cと像担持体11との距離を調節する事で像担持体11の分子鎖切断量を調節することができる。
そこで、本実施例では、所定のタイミングでカバー12cと像担持体11との間隔を調整するカム部材を回転させ、カバー12c内部への酸素の供給量を調整する構成とした。かかる構成において、実施例1、2と同様なタイミングで像担持体11表面の分子鎖切断量を増加させることで、像担持体11表面の異物を、像担持体11を構成する分子ごと除去させることができる。
<実施例4>
本発明の実施例4について説明する。
図11は、実施例4のプロセスカートリッジを示す図である。
本実施例の画像形成装置は実施例1とほとんど等しいが、図11(a)に示すように、プロセスカートリッジ内部に帯電部材とは別体の被電圧印加部材16を設けている。
被電圧印加部材16は、帯電部材12と同様の構成を有し、芯金16a上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層16bをローラ状に形成した可撓性のローラである。芯金上に形成される中抵抗層の材質としては、上記に限定するものではなく、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることができる。被電圧印加部材16は被帯電体である像担持体11との最近接距離が約50μmとなるように配設されており、被電圧印加部材16の長手方向両端に巻かれたテープによって像担持体11との距離を規制されつつ、像担持体11の回転に伴い連れ回りさせられる。
また、帯電部材12の構成は実施例1と同様であるが、被帯電体である像担持体11と接触するように配設されている点が実施例1とは異なる。
本実施例のプロセスカートリッジの動作を以下説明する。
画像形成に先駆けて、像担持体11は、表面の移動速度vが113[mm/s]になるように、図11(a)に示すように、反時計回り方向に回転を始める。また、帯電部材12は像担持体11に対してつれまわり回転させられる。このとき帯電部材12の芯金には帯電バイアス印加電源から−1500Vの直流電圧が印加され、これにより、像担持体11の表面が約−600Vに帯電させられる。放電開始電圧があるために、像担持体は印加電圧と同じ電位には帯電されない。
帯電した像担持体11上に、書込装置4(4C、4M、4Y、4K)、現像装置13によって実施例1と同様にトナー像が形成される。像担持体11上に形成されたトナー像が転写ローラ2bと像担持体11との対向部である転写部に到達するのとタイミングを合わせて給紙装置5から転写材が搬送され、像担持体11上のトナー像は転写ローラに印加された電圧により転写材へと転写される。転写されたトナー像は、定着装置3によって転写材に定着され画像が出力される。一方、転写されずに像担持体11上に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置14によって清掃され、清掃後の像担持体表面は次回の画像形成のために使用される。
本実施例では、像担持体11の表面に付着した異物を除去するためにクリーニング装置14を設けているが、クリーニングブレードによってトナー粒子や外添剤などを完全に除去することは困難であり、これら異物が像担持体11表面に残留することがある。また、外添剤や金属片が像担持体11上に存在すると、クリーニングブレードの当接圧によって像担持体表面にこれら異物が埋め込まれる事があり、像担持体11を傷つけ、性能を低下させることがある。クリーニングブレードの当接圧を100g重/cm以上に高めて小粒径の球形トナーを含めた異物の除去能力を高めようとする検討も行なわれているが、当接圧を高めれば像担持体に異物が埋め込まれるおそれが増加する。
そこで、本実施例の画像形成装置では、クリーニングブレードの当接圧を10〜80g重/cm程度に抑え、かつ、所定のタイミングで被電圧印加部材16に電圧を印加して像担持体11との間で近接放電を発生させる。具体的には、コントローラ1000は所定のタイミングで被電圧印加部材16に周波数f=900[Hz]、AC電圧のピークツーピーク電圧値Vpp=2.2[kV]の交流電圧(交流電圧の平均値=0V)が印加されるように制御を行なう。これにより一時的に像担持体表面の分子鎖切断が実施され、クリーニングブレードでは除去しきれない異物が像担持体の表面ごと削られる。
ここで所定のタイミングとしては、例えば所定枚数の画像形成を行なったら被電圧印加部材16に電圧を印加する、あるいは、累積画像面積が所定値以上に達したら被電圧印加部材16に電圧を印加する、というように、あらかじめタイミングが一義的に定められていても良い。または、像担持体上の濃度をセンサで検知して濃度が所定以上変化した場合に被電圧印加部材16に電圧を印加する、あるいは、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知しクリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合に被電圧印加部材16に電圧を印加するというように、状況に応じて適応的にタイミングを決定しても良い。本実施例では、画像形成枚数が累積で200枚を越えた場合、または累積画像面積がA4画像10枚分の面積に達した場合に被電圧印加部材16に電圧を印加する。
また、画像形成動作中に被電圧印加部材16に電圧を印加しても良いし、画像形成動作とは別に分子鎖切断促進のための時間を取っても良い。前者の場合には画像形成動作を行ないつつ分子鎖切断を実施できるのでダウンタイムが低減できるが、本実施例では画像形成動作とは別に分子鎖切断促進のための時間を取る。その理由は、像担持体上にトナー粒子を存在させない状態で被電圧印加部材16に電圧を印加すると、像担持体の表面が一様に分子鎖の切断を起こし、像担持体表面がより一様にリフレッシュできるからである。
本実施例では、帯電部材12には直流電圧のみを印加しているために、帯電部材12と像担持体11との間の放電領域においては交流電圧に起因する双方向放電が起こらず、像担持体の分子鎖切断量は低く抑えられる。したがって、被電圧印加部材16に印加された電圧による分子鎖切断量のみに注目することで、簡易に像担持体11の膜厚調節を実施することができるという利点がある。また、像担持体11の膜厚減少を最低量に抑えることができる。
なお、本実施例においては、図8に示す実施例1で設けられた電流測定回路及び制御回路は、帯電部材12ではなく被電圧印加部材16に印加された電圧に起因する電流を測定し、被電圧印加部材16による分子鎖切断量を算出するために用いられる。なお、本実施例と異なり帯電部材12に交流電圧を印加する場合には、図8に示す電流測定回路、制御回路を帯電部材12と被電圧印加部材16の両方に付属させてそれぞれ設けると正確に分子鎖切断量を評価できる。
また、本発明は、被電圧印加部材16と像担持体11とが接触する構成においても適用可能であるが、本実施例のように、クリーニング装置14の上流側に被電圧印加部材16を設け、かつ、被電圧印加部材16を像担持体11に対して非接触とすることは望ましい。その理由は、まずクリーニング装置14の上流側に被電圧印加部材16を設けることは、分子鎖を切断された像担持体表面がすぐにクリーニングブレードによって削られるために、像担持体から遊離した低分子量物質が現像装置などに混入する恐れが少なく望ましい。その一方で、被電圧印加部材16をクリーニングブレード上流に設けると、転写残トナーが清掃されていない像担持体面が被電圧印加部材16と対向することになるので、この際に被電圧印加部材16が転写残トナー付着によって汚染されることを抑制するためには、被電圧印加部材16を像担持体11に対して非接触となっていることが望ましい。
コントローラ1000は、上記所定のタイミングで像担持体11表面をリフレッシュさせるべきと判断すると、画像形成動作を休止させてリフレッシュモードに入る。リフレッシュモードでは被電圧印加部材16に交流電圧を印加した状態で像担持体11を回転させる。リフレッシュモードは、あらかじめ定めた所定時間が経過した後に自動的に終了するように設定されている。リフレッシュモードが終了すると、再び画像形成動作可能となる。
但し、本実施例と異なり、状況に応じて適応的にリフレッシュモードを終了させても良い。適応的な終了タイミングとしては、例えば、像担持体上、現像ローラ上、転写ベルト上、あるいは転写材上のトナー濃度をセンサで検知し、濃度が所定以上変化した場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。また、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知しクリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。
<実施例4−1>
本発明の実施例4の変形例について説明する。
図11(b)に示すように、本変形例では実施例4とほぼ同じシステムを使用するが、クリーニング装置14を使用しない点が異なる。
通常の画像形成時には、被電圧印加部材16には−300Vの直流電圧が印加されている。これによって、その多くがプラスに帯電している転写残トナーはいったん被電圧印加部材16に吸着させられる。
その後、所定のタイミングで被電圧印加部材16に周波数f=900[Hz]、AC電圧のピークツーピーク電圧値Vpp=2.2[kV]の交流電圧と、−500Vの直流電圧が印加される。交流電圧による双方向放電によって被電圧印加部材16に吸着していたトナーは負帯電されて像担持体11上に自動的に戻され、現像装置13に回収される。以上のように本実施例では、被電圧印加部材16が像担持体11の分子鎖切断機能とともに転写残トナーの一次回収機能を兼ねるので、像担持体11のリフレッシュモード以外のときには転写残トナーが帯電部材12に付着したり書込光を遮ったりすることのない高画質なクリーナレスシステムが構築できる。
なお、本変形例の場合には、転写残トナーを回収しやすいように、被電圧印加部材16を磁気ブラシ形状、またはファーブラシ形状としても良い。
<実施例5>
本発明の実施例5について説明する。
本実施例の画像形成装置は実施例1とほとんど等しいが、本実施例のプロセスカートリッジはさらに、保護物質17bを像担持体11表面に供給するための保護物質供給手段として、保護物質塗布装置17を有する。
図12は、実施例5のプロセスカートリッジの構成を示す図である。
保護物質塗布装置は、塗布部材としてのファーブラシ17a 、保護物質17b 、保護物質をファーブラシ方向に押圧するための加圧バネ17c を有している。保護物質17b はバー状に成型された固体保護物質である。ファーブラシ17aは像担持体表面にブラシ先端が当接しており、軸を中心に回転することによって保護物質17bを一端ブラシに汲み上げ、像担持体表面との当接位置までブラシ上に担持搬送して像担持体表面に塗布する。
また、経時で保護物質17bがファーブラシ17aに掻き削られて減少してもファーブラシ17aに接触しなくならないように、加圧バネ17cによって所定の圧力で保護物質17bがファーブラシ17a側に押圧されている。これによって、微量の保護物質17bでも常に均一にファーブラシ17aに汲み上げられる。なお、保護物質17bをトナーに内添、外添するなどして像担持体表面に移行させる方法もあるが、その場合には画像濃度や画像パターンによって像担持体表面上の保護物質17bの存在量にムラが生じやすくなり、これを補うために必要以上の保護物質を塗布する必要が生じる。本実施例のように、像担持体表面に保護物質17bを直接塗布するために、画像濃度や画像パターンなど種々の条件によって変化することなく、像担持体表面に安定して保護物質を分布させることができる。
なお、本実施例のように保護物質によって像担持体表面の分子鎖切断を抑制しようとする場合、保護物質が像担持体表面に適切な状態で存在することが重要であり、保護物質を像担持体表面に移行させる手段は塗布に限るものではない。
画像形成時には、実施例1と同様にコントローラ1000の指揮の元に各部材が機能してカラー画像が形成されるが、本実施例においてはさらに、帯電部材12に電圧が印加される前にコントローラ1000はファーブラシ17aを回転させるよう制御を行なう。これによって帯電部材12と像担持体11との対向部に保護物質17bが供給され、帯電部の放電による像担持体の分子鎖切断を抑制する。
次に、保護物質17bが放電による像担持体の劣化を抑制する作用を果たすことを示す実験結果について説明する。
予め帯電ローラ2aと保護物質塗布装置17以外の部材を全て取り払い、保護物質塗布装置17は像担持体1の軸方向半分の表面領域に保護物質17bを塗布するよう構成した。以下、本実施例においては、保護物質塗布装置17によって保護物質を塗布される像担持体表面を保護物質存在部A、保護物質塗布装置17によって保護物質を塗布される像担持体表面を非存在部Bとに記す。
像担持体11と共に帯電部材2への電圧印加と保護物質塗布装置30の駆動を継続して行い、像担持体表面の劣化状態を調べた。実験条件は以下の通りである。
・帯電条件:
Vpp(AC電圧のピークツーピーク電圧値)=2.12[kV]
f(AC電圧の周波数)=877.2[Hz]
DC電圧値=−660[V]
・像担持体表面の移動速度v=125[mm/s]
・保護物質:ステアリン酸亜鉛
・ファーブラシ17aの線速=216[mm/sec]
図13は、上記実験1を200時間の継続して行った結果を示す図ある。
保護物質17bがない領域Bでは、時間の経過とともに膜削れ量が増加していき、200時間経過後には膜厚が約2.5[μm]減少した。これに対して、保護物質17bのある領域Aでは、膜厚の減少は8分の1以下に抑制されていた。さらに、200時間経過後に実験に使用した像担持体表面を目視観察したところ、保護物質17bのない領域Bでは像担持体表面が白く変色し変質していたのに対して、保護物質17bのある領域Aでは新品の像担持体と同様に鏡面を保っていた。
以上の実験結果から、保護物質17bが存在することによって、放電による像担持体表面の劣化が抑制されることが明らかになった。
本実施例では、像担持体11の表面に付着した異物を除去するためにクリーニング装置14を設けているが、クリーニングブレードによってトナー粒子や外添剤などを完全に除去することは困難であり、これら異物が像担持体11表面に残留することがある。また、外添剤や金属片が像担持体11上に存在すると、クリーニングブレードの当接圧によって像担持体表面にこれら異物が埋め込まれることがあり、像担持体11を傷つけ、性能を低下させることがある。クリーニングブレードの当接圧を100g重/cm以上に高めて小粒径の球形トナーを含めた異物の除去能力を高めようとする検討も行なわれているが、当接圧を高めれば像担持体に異物が埋め込まれるおそれが増加する。
そこで、本実施例の画像形成装置では、クリーニングブレードの当接圧を10〜80g重/cm程度に抑え、かつ、所定のタイミングで帯電部材12と像担持体11との間に存在する保護物質17bの存在量を低下させる。具体的には、コントローラ1000は所定のタイミングでファーブラシ17aの回転を停止させた状態で、帯電部材12に電圧が印加されるように制御を行なう。これにより一時的に帯電部材12と像担持体11との間に保護物質17bが供給されなくなり、この結果、像担持体表面の分子鎖切断が促進されてクリーニングブレードでは除去しきれない異物が像担持体の表面ごと削られる。
ここで、帯電部材12に電圧を印加しつつファーブラシ17aの回転を停止させる「所定のタイミング」としては、例えば、所定枚数の画像形成を行なったらファーブラシ17aの回転を停止させる、あるいは、累積画像面積が所定値以上に達したらファーブラシ17aの回転を停止させる、というように、あらかじめタイミングが一義的に定められていても良い。または、像担持体上の濃度をセンサで検知して濃度が所定以上変化した場合にファーブラシ17aの回転を停止させる、あるいは、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知しクリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合にファーブラシ17aの回転を停止させるというように、状況に応じて適応的にタイミングを決定しても良い。本実施例では、画像形成枚数が累積で200枚を越えた場合、または累積画像面積がA4画像10枚分の面積に達した場合にファーブラシ17aの回転を停止させる。
また、画像形成動作中にファーブラシ17aの回転を停止させても良いし、画像形成動作とは別に、分子鎖切断促進のための時間を取っても良い。前者の場合には、画像形成動作を行ないつつ分子鎖切断を実施できるのでダウンタイムが低減できるが、本実施例では、画像形成動作とは別に分子鎖切断促進のための時間を取る。その理由は、像担持体上にトナー粒子を存在させない状態でファーブラシ17aの回転を停止させると、像担持体の表面が一様に分子鎖の切断を起こし、像担持体表面がより一様にリフレッシュできるからである。
コントローラ1000は、上記所定のタイミングで像担持体11表面をリフレッシュさせるべきと判断すると、画像形成動作を休止させてリフレッシュモードに入る。リフレッシュモードでは帯電部材12に交流電圧を印加し、また、ファーブラシ17aの回転を停止させた状態で像担持体11を回転させる。リフレッシュモードは、あらかじめ定めた所定時間が経過した後に自動的に終了するように設定されている。リフレッシュモードが終了すると、再び画像形成動作可能となる。
但し、本実施例と異なり、状況に応じて適応的にリフレッシュモードを終了させても良い。適応的な終了タイミングとしては、例えば、像担持体上、現像ローラ上、転写ベルト上、あるいは転写材上のトナー濃度をセンサで検知し、濃度が所定以上変化した場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。また、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知しクリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。
本発明における保護物質塗布装置17は、クリーニングブレードの上流に設けても下流に設けても良い。さらに言えば、保護物質17bが帯電部材12と像担持体11との対向部に供給されるのであればどこに設けても良い。しかし望ましくは、転写部とクリーニング装置14との間、または、クリーニング装置14と帯電部材12との間に設けることが望ましい。
本実施例では、保護物質塗布装置17をクリーニングブレードの上流側に設けているとともに保護物質17bとして摩擦係数低減物質であるステアリン酸亜鉛を使用しているため、像担持体11の分子鎖切断を抑制する効果とともに、クリーニングブレードと像担持体11との摩擦を低減させる効果も得ることができ(クリーニング性、転写効率が上昇する)、さらにクリーニングブレードによる引き伸ばし効果によって保護物質17bを像担持体上で均一化する事ができる。しかし、その一方で、像担持体11上に供給された保護物質17bの一部がクリーニングブレードで掻き取られるので、帯電部材12と像担持体11との対向部に供給される保護物質17bの量が減少する。
クリーニング装置14と帯電部材12との間に保護物質塗布装置17を設ければ、像担持体11表面の摩擦量を低減させる効果は得られなくなるが、少量の保護物質を無駄なく帯電部材12と像担持体11との対向部に供給する事ができる。さらに、本発明のように保護物質17bの供給量を低減して像担持体表面の分子鎖切断を促進する場合には、クリーニング装置14と帯電部材12との間に保護物質塗布装置17を設ければ帯電部材12と像担持体11との対向部に供給される保護物質17bの量を精度良く調整することができ望ましい。
一方、保護物質塗布装置17を帯電部材12と転写部との間に設けた場合には、現像装置や転写部で掻き取られる保護物質の量が多くなって分子鎖切断低減効果が薄くなり、また像担持体表面の分子鎖切断を促進しようとした場合には帯電部材12と像担持体11との対向部に供給される保護物質17bの量を精度良く調整する事ができないので好ましくない。
なお、本実施例の画像形成装置においては、ステアリン酸亜鉛を保護物質17bとして用いているが、ステアリン酸亜鉛は保護物質の一例であり、各種の脂肪酸塩、ワックス、シリコンオイル等他の物質を保護物質として用いることも可能である。
脂肪酸塩のうちでも脂肪酸金属塩は、金属元素がXPSによって測定される特徴的な元素となりやすく、塗布量などの条件を設定する上で測定が行いやすい。したがって本実施例のように保護物質の量によって像担持体表面の分子鎖切断量を制御する装置の条件設定を行いやすいという利点がある。
脂肪酸としてはウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンダデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、アラキドン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸などが挙げられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの金属との塩が挙げられる。
保護物質としてはステアリン酸亜鉛のようなラメラ結晶紛体を使用すると好適である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。この作用が低摩擦係数化に効果があるのであるが、放電からの像担持体表面保護の観点から見た場合にも、せん断力を受けて均一に像担持体表面を覆っていくラメラ結晶の特性は少量の保護物質によって効果的に像担持体表面を覆うことが出来るので保護物質として望ましい。
ラメラ結晶の性質を充分に利用して放電から像担持体表面を保護するためには、保護物質塗布装置17は像担持体表面との間で線速差を有し、せん断力を作用させつつ保護物質を塗布する事が望ましい。
<実施例6>
本発明の実施例6について説明する。
本実施例の画像形成装置は実施例5と等しいが、像担持体11表面の分子鎖を切断するためではなく、像担持体11表面に供給された保護物質17bの分子鎖を切断するために放電を利用する点が異なる。
像担持体11表面に保護物質17bを供給すると実施例5で述べたような種々の利点があるが、その一方で過剰に供給された保護物質17bによる不具合が発生する事がある。
具体的には、過剰な保護物質は現像装置に混入してトナー粒子やキャリア粒子に付着し、トナーの帯電量や流動性を変化させてしまう場合がある。その結果、画像濃度が低減したり、像担持体11の長手方向に濃度ムラが発生するおそれがある。
かかる観点からは、像担持体表面から劣化した保護物質32を除去することが望ましい。
過剰に供給された保護物質はクリーニングブレードによって除去される事が望ましいが、像担持体11の表面に付着した、トナー粒子よりも小さな保護物質をクリーニングブレードによって完全に除去する事は困難である。特に摩擦係数低減効果を有する保護物質を用いる場合、摩擦低減効果によって保護物質とクリーニングブレードとが滑ってしまい、機械的にクリーニングすることは困難であった。
そこで本実施例では、放電によって保護物質の有する分子構造(ラメラ構造等)を破壊(分子鎖切断)して保護物質を除去することにより、保護物質の量を適正に制御する。
具体的には、コントローラ1000は、像担持体11上に存在する保護物質17bの全部または一部を除去するべき所定のタイミングでVpp×f/vの値が通常の帯電動作時よりも大きくなるように制御を行なう。これにより一時的に像担持体表面に存在する保護物質17bの分子鎖切断が促進され、過剰に供給された保護物質が除去される。この除去メカニズムは、切断されて低分子化された分子鎖が放電時の衝撃によって像担持体表面から放出される、または、切断されて低分子化された分子鎖がクリーニングブレードによって容易に除去されるものと予想される。
ここで「保護物質17bの全部または一部を除去するべき所定のタイミング」の判断方法としては、例えば所定枚数の画像形成を行なったらVpp×f/vの値を大きくする、あるいは、累積画像面積が所定値以上に達したらVpp×f/vの値を大きくする、というように、あらかじめタイミングが一義的に定められていても良い。または状況に応じて適応的にタイミングを決定しても良い。適応的な処理としては、例えば、像担持体上、現像ローラ上、転写ベルト上、あるいは転写材上のトナー濃度をセンサで検知し、濃度が所定以上変化した場合にVpp×f/vの値を大きくする方法が考えられる。また、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知し、クリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合にVpp×f/vの値を大きくする方法が考えられる。
本実施例では、画像形成枚数が累積で200枚を越えた場合、または累積画像面積がA4画像10枚分の面積に達した場合にVpp×f/vの値を大きくする。
また、画像形成動作中にVpp×f/vの値を大きくしても良いし、画像形成動作とは別に、分子鎖切断促進のための時間を取っても良い。前者の場合には、画像形成動作を行ないつつ分子鎖切断を実施できるのでダウンタイムが低減できるが、本実施例では画像形成動作とは別に分子鎖切断促進のための時間を取る。その理由は、像担持体上にトナー粒子を存在させない状態でVpp×f/vの値を大きくすると、像担持体の表面が一様に分子鎖の切断を起こし、像担持体表面がより一様にリフレッシュできるからである。
Vpp×f/vの値を大きくする方法としては、Vppを大きくする、fを大きくする、vを小さくする方法がある。いずれを採用しても良いが、本実施例では実施例1と同様にVppを大きくするものとする。
コントローラ1000は、上記所定のタイミングで像担持体11上に存在する保護物質17bを除去するべきと判断すると、画像形成動作を休止させてリフレッシュモードに入る。リフレッシュモードでは帯電部材12に印加する交流電圧のVppを通常の帯電時よりも高くし、像担持体11を回転させて保護物質の除去動作を行なう。本実施例においては、このときファーブラシ17aの回転は停止させられている。こうすれば、過剰な保護物質を除去する際に新たな保護物質が供給される事がなく効率的である。さらに、保護物質の除去動作の際にはファーブラシ17aを像担持体11から離間させておいても良い。なお、保護物質の除去動作の際にはファーブラシ17aを回転させたままでも、Vppの値を大きくすれば保護物質の除去は促進される。
リフレッシュモードは、あらかじめ定めた所定時間が経過した後に自動的に終了するように設定されている。リフレッシュモードが終了すると、再び画像形成動作可能となる。
但し、本実施例と異なり、状況に応じて適応的にリフレッシュモードを終了させても良い。適応的な終了タイミングとしては、例えば、像担持体上、現像ローラ上、転写ベルト上、あるいは転写材上のトナー濃度をセンサで検知し、濃度が所定以上変化した場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。また、クリーニングブレードの振動検知により外添剤の固着を検知しクリーニングブレードの振動に所定の変化が現れた場合にリフレッシュモードを終了させる方法が考えられる。
なお、本実施例ではVpp×f/vの値を大きくすることで保護物質の分子鎖切断を促進したが、実施例2のように低酸素気体の供給量を制御する事によって保護物質の分子鎖切断を促進しても良いし、実施例3のように帯電部材と像担持体との対向部における酸素量を制御する事によって保護物質の分子鎖切断を促進しても良いし、実施例4のように専用の被電圧印加部材16を設けて保護物質の分子鎖切断を促進しても良い。
<実施例7>
本発明の実施例7について説明する。
図14は、実施例7に係る加工装置を示す図である。
本実施例では、分子鎖切断により対象物の表面を除去する加工装置2000について説明する。
加工装置2000は、芯金2001上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層2002をローラ状に形成した可撓性の帯電部材を有す。芯金2001上に形成される中抵抗層の材質としては、上記に限定するものではなく、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることができる。
芯金2001は、絶縁性の保持部材2003に回転可能に固定されており、保持部材側部に設けられた電源2004から電圧を印加されることができるように構成されている。さらに芯金2001を回転させる駆動部を設け、この駆動部に電源2004から駆動電圧を供給するようにしても良い。具体的に本実施例では、芯金2001の同軸上にモータ2006を設け、このモータ2006に電源2004から電圧を印加して回転させる。本例のように芯金2001を回転させることにより、中抵抗層2002内部にリークしやすい部分が存在したとしても回転によってその影響は低減され、加工対象物の分子鎖を均一に切断することが可能となる。
加工時には、ユーザーが電源2004の図示せぬスイッチをONして芯金2001に所定の交流電圧(例えばピークツーピーク電圧値Vppが20[kV]、AC電圧の周波数fが30[kHz])を印加しつつ中抵抗層2002を加工対象物2005に押し当てる。すると中抵抗層2002と加工対象物2005との間に発生する放電によって加工対象物2005表面の分子鎖が切断され、加工対象物2005が削れていく。このとき、加工対象物2005を回転させながら削っても良い。
この加工装置によれば、従来の機械研磨では加工対象物と研磨部材との間に異物が挟まった場合に研磨部材に傷がつき均一な研磨が達成できなかったという欠点がなく、より均一な研磨が可能となる。
像担持体表面の膜圧の変化を示す図である。 近接放電によって像担持体11表面が劣化する状態を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す図である。 プロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yの概略構成図である。 プロセスカートリッジの脱着を示す図である。 Vppと像担持体の膜厚減少量との関係を示す図である。 周波数と像担持体の膜厚減少量との関係を示す図である。 帯電部材に対するバイアス印加手段のブロック回路図を示す図である。 実施例2のプロセスカートリッジの構成を示す図である。 実施例2の帯電部材と像担持体との対向部を示す図である。 実施例4のプロセスカートリッジの構成を示す図である。 実施例5のプロセスカートリッジの構成を示す図である。 像担持体表面の削れ量と時間の関係を示す図である。 実施例7の加工装置を示す図である。
符号の説明
1K、1M、1C、1Y プロセスカートリッジ
11 像担持体(感光体)
1a 電荷輸送層
12 帯電部材(帯電ローラ)
12a 芯金
12b 発泡ウレタン層
12c カバー
13 現像手段(現像装置)
13a 現像ローラ
13b 供給ローラ
13c 弾性ブレード
13d 攪拌部材
14 クリーニング装置
14a クリーニングブレード
14b 廃トナーボックス
15 低酸素気体導入路
15a 低酸素気体格納部
16 被電圧印加部材
17 保護物質塗布装置
17a ファーブラシ
17b 保護物質
17c 加圧バネ
2 転写ベルト
2a 吸着ローラ
2b 転写ローラ
3 定着装置
3a 加熱ローラ
3b 加圧ローラ
4K、4M、4C、4Y 書き込み装置
5 給紙装置
1000 コントローラ
2000 加工装置
2001 芯金
2002 発泡ウレタン
2003 保持部材
2004 電源
2005 加工対象物

Claims (18)

  1. 被放電体に対して接触または非接触に設けられた被電圧印加部材と、
    被電圧印加部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、を有し、
    被電圧印加部材と被放電体との間に発生する放電を利用して被放電体の分子鎖切断を制御する
    ことを特徴とする分子鎖切断装置。
  2. 請求項1に記載の分子鎖切断装置において、
    分子鎖切断時には、被電圧印加部材の表面が被放電体との対向部分で移動する
    ことを特徴とする分子鎖切断装置。
  3. 請求項1または2に記載の分子鎖切断装置において、
    被帯電体または帯電部材内部に流れる電流を測定する電流測定回路と、
    電流測定回路が測定した電流値またはその累計値に応じて分子鎖切断量を制御する制御回路とを有する
    ことを特徴とする分子鎖切断装置。
  4. 移動する被帯電体と、
    被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、
    帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、を有し、
    帯電部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体を帯電させる帯電装置において、
    被帯電体の移動速度をv[mm/sec]、電圧印加手段により印加される交流電圧の周波数をf[Hz]、電圧印加手段により印加される交流電圧のピークツーピーク電圧値をVpp[V]としたとき、通常の帯電時と比較してVpp×f/vの値が大きくなるように制御を行なう制御手段を有する
    ことを特徴とする帯電装置。
  5. 移動する被帯電体と、
    被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、
    帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、を有し、
    帯電部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体を帯電させる帯電装置において、
    通常の帯電動作時以外の時間に、帯電部材に交流電圧を印加させつつ被帯電体を移動させることで被帯電体表面の分子鎖切断を促進させる制御を行なう制御手段を有する
    ことを特徴とする帯電装置。
  6. 請求項5に記載の帯電装置において、
    前記制御手段は、通常の帯電動作時以外の時間に、帯電部材に交流電圧を印加させつつ被帯電体を移動させることで被帯電体表面の分子鎖切断を促進させる制御を行なう際に、帯電部材に通常の帯電動作時と同じピークツーピーク電圧値で同じ周波数の交流電圧を印加する
    ことを特徴とする帯電装置。
  7. 移動する被帯電体と、
    被帯電体を帯電させる帯電部材と、
    被帯電体に対して接触または非接触に設けられた被電圧印加部材と、
    被電圧印加部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、を有し、
    被電圧印加部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体の分子鎖切断を実施する
    ことを特徴とする帯電装置。
  8. 請求項7に記載の帯電装置において、
    被帯電体上の異物を除去する清掃手段をさらに有し、
    被電圧印加部材は清掃手段の上流に設けられており、かつ、被電圧印加部材は被帯電体に対して非接触に設けられている
    ことを特徴とする帯電装置。
  9. 請求項4ないし8のいずれかに記載の帯電装置において、
    被帯電体または帯電部材内部に流れる電流を測定する電流測定回路と、
    電流測定回路が測定した電流値またはその累計値に応じて分子鎖切断量を制御する制御回路とを有する
    ことを特徴とする帯電装置。
  10. 移動する被帯電体と、
    被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、
    帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、
    帯電部材と被帯電体との間の放電領域の酸素濃度を低減させる酸素濃度低減手段と、を有する帯電装置において、
    酸素濃度低減手段による酸素濃度の低減を行なわない状態、又は、通常の帯電時に比べ酸素濃度低減手段による酸素濃度の低減を抑制させた状態で電圧印加手段に電圧を印加する制御を行う制御手段を有する
    ことを特徴とする帯電装置。
  11. 移動する被帯電体と、
    被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、
    帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、
    帯電部材と被帯電体との間の放電領域を囲い込むことにより放電領域と放電領域外部との大気の交換を抑制するケーシング手段と、を有する帯電装置において、
    放電領域と放電領域外部との大気交換の抑制を停止させた状態、又は、通常の帯電時に比べ放電領域と放電領域外部との大気の交換を増加させた状態で電圧印加手段に電圧を印加させる制御手段を有することを特徴とする帯電装置。
  12. 移動する被帯電体と、
    被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、
    帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、を有し、
    帯電部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体を帯電させる帯電装置において、
    帯電部材と被帯電体とが対向する領域に、放電による被帯電体の分子鎖切断を抑制する保護物質を供給する保護物質供給手段と、
    保護物質供給手段による保護物質の供給を停止させた状態、又は、通常の帯電時と比べ保護物質供給手段による保護物質の供給量を低減させた状態で電圧印加手段に電圧を印加させる制御手段を有する
    ことを特徴とする帯電装置。
  13. 請求項12に記載の帯電装置において、
    帯電部材によって帯電させられた被帯電体を画像情報に応じて選択的に除電する静電潜像形成手段と、
    静電潜像を帯電したトナー粒子によって現像する現像手段と、
    現像された像担持体上のトナー像を像担持体上から転写体上に転写させる転写手段と、を有し、
    保護物質供給手段は、被帯電体と転写手段との対向部と、被帯電体と帯電部材との対向部との間に設けられている
    ことを特徴とする帯電装置。
  14. 移動する被帯電体と、
    被帯電体に対して接触または非接触に設けられた帯電部材と、
    帯電部材に交流電圧を印加する電圧印加手段と、を有し、帯電部材と被帯電体との間に発生する放電を利用して被帯電体を帯電させる帯電装置において、
    放電による被帯電体の分子鎖切断を抑制するために帯電部材と被帯電体とが対向する領域に供給された保護物質の分子鎖の切断を促進させる制御手段を有することを特徴とする帯電装置。
  15. 潜像を担持する像担持体と、
    像担持体を帯電する帯電装置と、
    像担持体に潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体の潜像にトナーを付着させて現像する現像装置と、像担持体とこれに接触しつつ表面移動する表面移動部材との間に転写電界を形成して、像担持体に形成されたトナー像を、表面移動部材との間に挟持される記録材上又は表面移動部材上に転写する転写装置と、潜像担持体上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング装置とを備える画像形成装置において、
    前記帯電装置は、請求項3ないし14のいずれかに記載の帯電装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  16. 被放電体に対して接触または非接触に設けられた被電圧印加部材に交流電圧を印加し、
    被電圧印加部材と被放電体との間に発生する放電を利用して被放電体の分子鎖切断を制御する被放電体の分子鎖切断方法。
  17. 被帯電体と、
    被帯電体を帯電させる帯電部材と、
    被帯電体に対して接触または非接触に設けられた、被帯電体とは別体の被電圧印加部材と、
    を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 請求項17に記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。
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JP2012042818A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Canon Inc 画像形成装置
JP2019144442A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置

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