JP4591992B2 - 二軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装用途、工業用途など広範な用途に好適な二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物や資源の削減という社会的要請に基づき、特に包装用途では材料の薄膜化への期待が大きくなっている。現在、例えば包装用では、20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が用いられており、その大半は、汎用の縦−横逐次二軸延伸法で製造されている。ここでいう汎用の縦−横逐次二軸延伸法とは、ポリマーを押出機で融解させ濾過フィルターを経た後、スリット状口金から押し出し金属ドラムに巻き付けてシート状に冷却・固化せしめた未延伸フィルムを得、該未延伸フィルムを周速差が設けられたロール間で長手方向に延伸し、次いでテンターに導いて幅方向に延伸、熱固定し、冷却後に巻き取り延伸フィルムを得る、逐次二軸延伸ポリプロピレンフィルムの代表的な製造方法のことである。
【0003】
ここで例示した20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムに対し、15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムで同等の性能や加工適性が得られる場合は25%のゴミおよび資源の削減となる。
【0004】
かかる要求を満足するためには、まず二軸延伸ポリプロピレンフィルムを強力化して、加工工程での張力に対する伸びを抑える必要がある。この際、加工工程の張力はフィルムの長手方向に掛かるため、主に長手方向に二軸延伸ポリプロピレンフィルムを強力化する必要がある。
【0005】
また、一般的にポリプロピレンフィルムを強力化することにより、ポリプロピレンフィルムの熱収縮率は上昇する傾向にある。高温におけるフィルムの寸法安定性が悪化すると、印刷、コーティング、ラミネート加工などの二次加工時にフィルムが収縮してフィルムの商品価値が極度に低下することがある。したがって、熱収縮率を汎用の二軸延伸ポリプロピレンフィルムとほぼ同等またはそれ以下に抑える必要がある。
【0006】
特公昭41−21790号公報、特公昭45−37879号公報および特公昭49−18628号公報などにより、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを強力化するために長手方向、幅方向に延伸した後、引き続き長手方向に再延伸して、長手方向に強いフィルムを作る方法は、公知である。さらに、これら長手方向に強いフィルムの幅方向の弱さを解消する目的で、特開昭56−51329号公報には、特定の溶融結晶化温度を有するポリプロピレンシートを二軸延伸後、長手方向に再延伸する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、汎用の縦−横逐次二軸延伸法では、長手方向に強力化したフィルムを得ることは困難であった。すなわち、汎用の縦−横逐次二軸延伸法では、縦延伸で生成した配向結晶を横延伸で延伸するため、温度を半融解状態にする必要がある。このため、横延伸後には結晶の大半は幅方向に再配列し、得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、剛性が幅方向に偏ったものとなった。
【0008】
また、特公昭41−21790号公報や特開昭56−51329号公報等に記載の長手方向に再延伸する方法は、工程が煩雑であり、設備費がかさむだけでなく、主に長手方向の熱収縮率が汎用の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに比べ高くなるという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解消すべくなされたものであり、汎用の縦−横逐次二軸延伸法でフィルムの長手方向の剛性が高く、熱収縮率、防湿性などが汎用の二軸延伸ポリプロピレンフィルムとほぼ同等もしくはそれ以下である二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成できることを見出した。
【0011】
即ち、本発明は、ポリプロピレンが、230℃で測定したときの溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係が、次式(1)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.82 (1)
を満たすポリプロピレンと当該ポリプロピレンとは異なるポリプロピレンとの混合体からなり、当該混合体が、230℃で測定したときの溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係が、次式(2)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.52 (2)
を満たし、かつ、ポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤が1種以上混合されてなり、25℃での長手方向のヤング率(Y(MD))が2.5GPa以上であり、長手方向のヤング率(Y(MD))と幅方向のヤング率(Y(TD))により表されるm値
m=Y(MD)/(Y(MD)+Y(TD))
が25℃において、0.4〜0.7の範囲であり、120℃での長手方向の熱収縮率が5%以下であり、前記添加剤が、極性基を実質的に含まない石油樹脂および/または極性基を実質的に含まないテルペン樹脂であることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
また、別の構成として、230℃で測定したときの溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係が、次式(2)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.52 (2)
を満たすポリプロピレンに、ポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤が1種以上混合されてなり、25℃での長手方向のヤング率(Y(MD))が2.5GPa以上であり、長手方向のヤング率(Y(MD))と幅方向のヤング率(Y(TD))により表されるm値
m=Y(MD)/(Y(MD)+Y(TD))
が25℃において、0.4〜0.7の範囲であり、120℃での長手方向の熱収縮率が5%以下であり、前記添加剤が、極性基を実質的に含まない石油樹脂および/または極性基を実質的に含まないテルペン樹脂であることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
さらに、好ましい態様として、またポリプロピレンのメソペンタッド分率(mmmm)が90〜99.5%であること、また少なくとも片面に、金属蒸着層を設けたフィルムであること、また少なくとも片面に、厚さが0.05〜2μmのポリエステルウレタン系樹脂のコーティング層、金属蒸着層を順次設けたフィルムであって、基層と被覆層との接着強度が0.6N/cm以上であることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、230℃で測定したときの溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)が、下記式(1)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.82 (1)
を満たす高溶融張力ポリプロピレンを含む。このようなポリプロピレンは、通例、MSが高い高溶融張力ポリプロピレン(igh elt trength−PP;以下HMS−PPと記す)と言われる。
【0013】
ここで、230℃で測定したときのMSとは、東洋精機製メルトテンションテスターを用いて、ポリプロピレンを230℃に加熱し、溶融ポリプロピレンを押出速度15mm/分で吐出しストランドとし、このストランドを6.5m/分の速度で引き取る際の張力を測定し、MS(単位:cN)とした。
【0014】
また、230℃で測定したときのMFRとは、JIS K6758に従って2.16kgの荷重下で測定されたもの(単位:g/10分)である。
【0015】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに用いるポリプロピレン樹脂は、式(1)を満たすポリプロピレンを含むことにより、汎用の縦−横逐次二軸延伸法において、これまで困難であった長手方向の剛性が高い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造することができる。即ち、式(1)を満たすポリプロピレンが横延伸時の縦配向結晶の幅方向への再配列を抑制する。
【0016】
式(1)を満たすポリプロピレンを得る方法として、高分子量成分を多く含むポリプロピレンをブレンドする方法、分岐構造を持つオリゴマーやポリマーをブレンドする方法、特開昭62−121704号公報に記載されているようにポリプロピレン分子中に長鎖分岐構造を導入する方法、あるいは特許第2869606号公報に記載されているように長鎖分岐を導入せずに溶融張力と固有粘度、結晶化温度と融点とがそれぞれ特定の関係を満たし、かつ沸騰キシレン抽出残率が特定の範囲にある直鎖状の結晶性ポリプロピレンとする方法等が好ましく用いられる。
【0017】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、ポリプロピレン分子中に長鎖分岐を導入して溶融張力を高めたHMS−PPを用いることが特に好ましい。長鎖分岐を導入して溶融張力を高めたHMS−PPの具体例としては、Basell社製HMS−PP(タイプ名:PF−814など)、Borealis社製HMS−PP(タイプ名:WB130HMSなど)、Dow社製HMS−PP(タイプ名:D201など)などが挙げられる。
【0018】
ポリプロピレンの長鎖分岐の程度を示す指標値として、下記式で表される分岐指数gが挙げられる。
【0019】
g=[η]LB/[η]Lin
ここで、[η]LBは長鎖分岐を有するポリプロピレンの固有粘度であり、[η]Linは長鎖分岐を有するポリプロピレンと実質的に同一の重量平均分子量を有する直鎖状の結晶性ポリプロピレンの固有粘度である。ここに示した固有粘度はテトラリンに溶解した試料を公知の方法で135℃で測定する。また、重量平均分子量は、M.L.McConnellによってAmerican Laboratory、May、63−75(1978)に発表されている方法、すなわち低角度レーザー光散乱光度測定法で測定する。
【0020】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに含まれる式(1)を満たすポリプロピレンの分岐指数gは、0.95以下であることが好ましく、より好ましくは0.9以下である。分岐指数が0.95を超えると、式(1)を満たすポリプロピレンの添加効果が低下し、フィルムとしたときの長手方向のヤング率が不十分となる場合がある。
【0021】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに含まれる式(1)を満たすポリプロピレンの溶融張力(MS)は、3〜100cNの範囲にあることが好ましい。MSが3cN未満であると、フィルムとしたときの長手方向のヤング率が不十分となる場合がある。MSが大きいほど長手方向のヤング率は高くなる傾向にあるが、MSが100cNを超えると製膜性が悪化する場合がある。式(1)を満たすポリプロピレンのMSは、より好ましくは4〜80cN、さらに好ましくは5〜40cN、最も好ましくは5〜20cNである。
【0022】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに含まれる式(1)を満たすポリプロピレンの混合量は、特に制限されないが、1〜60重量%であることが好ましく、少量添加でも効果がみられるのが特徴である。混合量が1重量%未満では長手方向の剛性向上効果が小さくなる場合があり、60重量%を超えると、縦延伸性が悪化したり、フィルムの耐衝撃性、ヘイズなどが悪化する場合がある。式(1)を満たすポリプロピレンの混合量は、より好ましくは2〜50重量%、さらに好ましくは3〜40重量%である。
【0023】
本発明の他の構成として、本発明に使用するポリプロピレンの溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係が下記式(2)を満たすことが挙げられる。log(MS)>−0.61log(MFR)+0.52 (2)
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに用いるポリプロピレンは、式(2)を満たすポリプロピレンからなることにより、汎用の縦−横逐次二軸延伸法において、これまで困難であった長手方向の剛性が高い二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造することができる。
【0024】
本発明に使用するポリプロピレンは、より好ましくは(2’)式を満たし、特に好ましくは(2’’)式を満たす。これらは、例えばHMS−PPの添加量により調製が可能であり、長手方向の剛性をさらに向上させることができる。
【0025】
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.56 (2’)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.62 (2’’)
上記式(2)を満たすポリプロピレンは、例えば溶融張力(MS)が高い、いわゆる高溶融張力ポリプロピレン(High Melt Strength−PP;以下HMS−PPと記す)と汎用ポリプロピレンを混合したり、汎用ポリプロピレンの主鎖骨格中に長鎖分岐成分を共重合、グラフト重合などで導入してポリプロピレンの溶融張力を高くすることによって得ることができる。このようなHMS−PPを混合することにより、横延伸時の縦配向結晶の幅方向への再配列を抑制することができる。
【0026】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに用いるポリプロピレンのメルトフローレイト(MFR)は、製膜性の観点から1〜30g/10分の範囲にあることが好ましい。MFRが1g/10分未満であると、溶融押出時に濾圧が上昇したり、押出原料の置換に長時間を要するなどの問題点が生じる場合がある。MFRが30g/10分を超えると、製膜されたフィルムの厚み斑が大きくなるなどの問題点が生じる場合がある。MFRは、より好ましくは1〜20g/10分である。
【0027】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに用いるポリプロピレンのメソペンタッド分率(mmmm)は、90〜99.5%であることが好ましく、94〜99.5%であることがより好ましい。ここで、mmmmとは、ポリプロピレンのにおけるアイソタクチックの立体構造を直接反映する指標である。mmmmを90〜99.5%とすることで、寸法安定性に優れ、耐熱性、剛性、防湿性、耐薬品性などが著しく向上したフィルムを安定製造することができるので、印刷、コーティング、蒸着、製袋、ラミネート加工などのフィルム加工工程において、高い二次加工性を有するフィルムを提供することができる。mmmmが90%未満であると、フィルムとしたときの腰が低下し、熱収縮率が大きくなる傾向にあるため、印刷やコーティングや蒸着や製袋およびラミネート加工などの二次加工性が低下することがあり、水蒸気透過率も高くなることがある。mmmmが99.5%を超えると、製膜性が低下することがある。mmmmは、さらに好ましくは95〜99%、最も好ましくは96〜98.5%である。
【0028】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに用いるポリプロピレンのアイソタクチックインデックス(II)は、92〜99.8%の範囲にあることが好ましい。IIが92%未満であると、フィルムとしたときの腰が低下する、熱収縮率が大きくなる、防湿性が悪化するなどの問題点が生じることがある。また、IIが99.8%を超えると、製膜性が悪化する場合がある。IIは、より好ましくは94〜99.5%である。
【0029】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに用いるポリプロピレンは、経済性の観点等から、本発明の特性を損なわない範囲で、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造する際に生じた屑フィルムや、他のフィルムを製造する際に生じた屑フィルム、その他の樹脂をブレンド使用してもかまわない。
【0030】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに用いるポリプロピレンは、主としてプロピレンの単独重合体からなり、本発明の目的を損なわない範囲で、他の不飽和炭化水素の単量体成分が共重合された重合体であってもよいし、プロピレンとプロピレン以外の単量体成分が共重合された重合体がブレンドされてもよい。このような共重合成分やブレンド物を構成する単量体成分として、例えば、エチレン、プロピレン(共重合されたブレンド物の場合)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルペンテン−1、3−メチルブテン−1、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、5−エチルヘキセン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
【0031】
ここで、上記した溶融張力(MS)、メルトフローレイト(MFR)、g値、メソペンタッド分率(mmmm)、アイソタクチックインデックス(II)などのポリプロピレンの特性値は、製膜前の原料チップを用いて判定することが望ましいが、製膜後のフィルムを60℃以下の温度のn−ヘプタンで2時間程度抽出し、不純物・添加物を除去後、130℃で2時間以上真空乾燥したものをサンプルとして用いて測定することもできる。
【0032】
次に、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、強力化、製膜性向上の観点からポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤が1種以上混合される。ここでいう可塑化効果を具備させうる添加剤とは、安定な高倍率延伸を可能にする可塑剤をいう。かかる添加剤が混合されないと、本発明の目的が十分に発揮できず、製膜性も劣ったものとなる。かかる添加剤としては、極性基を実質的に含まない石油樹脂および/または極性基を実質的に含まないテルペン樹脂の1種以上が、高倍率延伸、バリア性向上の観点から好ましく用いられる。
【0033】
ここで、極性基を実質的に含まない石油樹脂とは、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、スルホン基またはそれらの変成体などからなる極性基を有さない石油樹脂であり、具体的には石油系不飽和炭化水素を原料とするシクロペンタジエン系、あるいは高級オレフィン系炭化水素を主原料とする樹脂である。
【0034】
さらに、かかる極性基を実質的に含まない石油樹脂のガラス転移点温度(以下、Tgと略すことがある)は60℃以上であることが好ましい。Tgが60℃未満では、剛性の向上効果が小さくなることがある。
【0035】
また、かかる石油樹脂に水素を添加し、その水素添加率を90%以上、好ましくは99%以上とした水素添加(以下、水添と略すことがある)石油樹脂が、特に好ましく用いられる。代表的な水添石油樹脂としては、例えばTgが70℃以上で水添率99%以上のポリジシクロペンタジエン等の脂環族石油樹脂を挙げることができる。
【0036】
また、極性基を実質的に含まないテルペン樹脂とは、水酸基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、ハロゲン基、スルホン基またはそれらの変成体などからなる極性基を有さないテルペン樹脂、即ち(C58)nの組成の炭化水素およびこれから導かれる変性化合物である。ここで、nは2〜20の自然数である。
【0037】
テルペン樹脂はテルペノイドと呼ばれることもあり、代表的な化合物としては、ピネン、ジペンテン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テレピノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ビサボレン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレン等があり、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフイルムの場合、水素を添加し、その水素添加率を90%以上とするのが好ましく、特に99%以上とするのが好ましい。なかでも、水添β−ピネン、水添β−ジペンテン等が特に好ましく用いられる。
【0038】
該石油樹脂またはテルペン樹脂の臭素価としては、10以下が好ましく、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは1以下のものがよい。
【0039】
添加剤の添加量は、その可塑化効果が発揮される量でよいが、前記石油樹脂およびテルペン樹脂の添加量を合わせて0.1〜30重量%であることが好ましい。該樹脂の混合量が0.1重量%未満では延伸性、長手方向の剛性の向上効果が小さくなったり、透明性が悪化する場合がある。また、30重量%を越えると、熱寸法安定性が悪くなったり、フィルム表層に該添加剤がブリードアウトして滑り性が悪化する場合がある。添加剤の混合量は石油樹脂およびテルペン樹脂の添加量を合わせて、より好ましくは1〜20重量%であり、さらに好ましくは2〜15重量%である。
【0040】
なお、添加剤として極性基を含有する石油樹脂および/またはテルペン樹脂を使用した場合には、ポリプロピレンとの相溶性に劣ることから、フィルム内部にボイドが形成されやすく、水蒸気透過率が高くなり、また帯電防止剤や滑剤のブリードアウトを悪化させる可能性がある。
【0041】
かかるポリプロピレンに相溶し、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤の具体例としては、例えばトーネックス社製“エスコレッツ”(タイプ名:E5300シリーズなど)、ヤスハラケミカル社製“クリアロン”(タイプ名:P−125など)、荒川化学工業社製“アルコン”(タイプ名:P−125など)などが挙げられる。
【0042】
本発明の第5の形態の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、少なくとも片面に金属蒸着層を設けることにより、ガスバリア性の高い金属蒸着フィルムとすることができる。
【0043】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、少なくとも片面にポリエステルウレタン系樹脂の被覆層、金属蒸着層を設けることにより、上記金属蒸着フィルムに比較して、さらにガスバリア性の高い金属蒸着フィルムとすることができる。
【0044】
金属蒸着後に優れたガスバリア性を得る上で、該被覆層は、水溶性および/または水分散性の、架橋されたポリエステルウレタン系樹脂と水溶性の有機溶剤との混合塗剤を塗布、乾燥することにより形成されたものであることが好ましい。
【0045】
被覆層に用いるポリエステルウレタン系樹脂とは、ジカルボン酸とジオール成分をエステル化したポリエステルポリオールとポリイソシアネート、また必要によって鎖伸張剤から成るものである。
【0046】
被覆層に用いるポリエステルウレタン樹脂のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4’−オキシ安息香酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などを用いることができる。
【0047】
被覆層に用いるポリエステルウレタン樹脂のジオール成分としてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリ(オキシアルキレン)グリコールなどが挙げられる。
【0048】
また、被覆層に用いるポリエステルウレタン系樹脂は、ジカルボン酸成分、ジオール成分の他にp−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等が共重合されていても良く、さらに、これらは線状構造であるが、3価以上のエステル形成成分を用いて分枝状ポリエステルとすることもできる。
【0049】
ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールエタンの付加物などを挙げることができる。
【0050】
また、鎖伸張剤としては、ペンダントカルボキシル基含有ジオール類や例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類、あるいはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシクロヘキシルメタンなどのジアミン類などが挙げられる。
【0051】
ポリエステルウレタン系樹脂の具体例としては大日本インキ化学工業(株)製“ハイドラン”(タイプ名:AP−40Fなど)などが挙げられる。
【0052】
また、該被覆層を形成する際、被覆層の被膜成形性および基層との接着力を向上させるために、塗剤に水溶性の有機溶剤として、N−メチルピロリドン、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミドの少なくとも1種以上を添加することが好ましい。特にN−メチルピロリドンが被膜成形性と基材との密着性を向上させる効果が大きく好ましい。添加量は、該ポリエステルウレタン系樹脂100重量部に対し1〜15重量部が塗剤の引火性および臭気悪化防止の点から好ましく、さらに好ましくは3〜10重量部である。
【0053】
さらに、水分散性ポリエステルウレタン樹脂に架橋構造を導入して、被覆層と基層の接着性を高めることが好ましい。このような塗液を得る手法としては、特開昭63−15816号公報、特開昭63−256651号公報、特開平5−152159号公報の方法が挙げられる。架橋性成分として、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物から選ばれる少なくとも一種の架橋剤を添加することが挙げられる。これら架橋剤は上述のポリエステルウレタン樹脂と架橋して、基層と金属蒸着膜との接着性を高めるものである。
【0054】
架橋剤として用いるイソシアネート系化合物としては、例えば前記した、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシネート、イソホロンジイソシアネートなどが例示されるが、これに限定されるものではない。
【0055】
また、架橋剤として用いるエポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルトフタル酸ジグリシジルエーテル、イソフタル酸ジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテルなどが例示されるが、これに限定されない。
【0056】
架橋剤として用いるアミン系化合物としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン等のアミン化合物および、上記アミノ化合物にホルムアルデヒドや炭素数が1〜6のアルコールを付加縮合させたアミノ樹脂、ヘキサメチレンジアミン、トリエタノールアミンなどが例示されるが、これらに限定されない。
【0057】
食品衛生性および基材との接着性の点から、該被覆層にはアミン系化合物を添加することが好ましい。架橋剤として用いるアミン系化合物の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製“ベッカミン”(タイプ名:APMなど)などが挙げられる。
【0058】
イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物から選択される架橋剤の添加量は、該水溶性ポリエステルウレタン系樹脂と水溶性有機溶剤の混合塗剤100重量部に対し1〜15重量部が耐薬品性向上および耐水性悪化防止の点から好ましく、さらに好ましくは3〜10重量部である。架橋剤の添加量が上記範囲未満であると、接着性の改善効果が得られない場合があり、また15重量部を超えると、未反応で残存する架橋剤によると推定される、被覆層と基層の接着性の低下がみられる場合がある。
【0059】
また、該金属蒸着用フィルムを製膜する時間内で、上述の被覆層組成が完全に架橋して硬化するために、被覆層には少量の架橋促進剤を添加してもよい。
【0060】
被覆層に添加する架橋促進剤としては、架橋促進効果が大きいので、水溶性の酸性化合物が好ましい。架橋促進剤としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、スルホン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4’−オキシ安息香酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などを用いることができる。
【0061】
これらの架橋促進剤の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製“キャタリスト”(タイプ名:PTSなど)などが挙げられる。
【0062】
また、該被覆層には、不活性粒子を添加してもよく、不活性粒子としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどの無機フィラー、および、例えば、架橋ポリスチレン粒子、架橋アクリル粒子、架橋シリコン粒子などの有機高分子粒子が挙げられる。また、不活性粒子以外にもワックス系の滑剤、およびこれらの混合物などを添加しても良い。
【0063】
該被覆層は、基層の少なくとも片面に0.05〜2μmの厚さで設けられることが好ましい。該被覆層が0.05μmより薄いと基層との接着性が悪化して細かな膜抜けを生じ、金属蒸着後のガスバリア性能が悪化することがある。該被覆層が2μmより厚いと被覆層の硬化に時間を要し、上述の架橋反応が未完全でガスバリア性能が悪化する場合があり、また該被覆層をフィルム製膜工程中で該基層上に設けた場合、フィルム屑の基層への回収性が悪化し、被覆層樹脂を核とした内部ボイドが多数でき、機械特性が低下する場合がある。
【0064】
また、被覆層と基層との接着強度は、0.6N/cm以上が好ましい。被覆層と基層の接着強度が0.6N/cm未満であると、加工の工程で被覆層が剥がれやすく使用上の制限が大きくなる場合がある。被覆層と基層の接着強度は、好ましくは0.8N/cm以上であり、より好ましくは1.0N/cm以上である。
【0065】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に被覆層を設けて、金属蒸着用フィルムとして用いる場合、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの中心線平均粗さ(Ra)は、取り扱い性、滑り性、ブロッキング防止性の観点から、0.01〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.02〜0.2μmである。中心線平均粗さ(Ra)が0.02μm未満であると、フィルムの滑り性が悪化し、ハンドリング性が低下する場合があり、中心線平均粗さ(Ra)が0.2μmを越えると、被覆層、金属蒸着層を順次形成した金属蒸着フィルムとした際にアルミ膜にピンホールなどが生じ、ガスバリア性が悪化する場合がある。
【0066】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に被覆層を設けて、金属蒸着用フィルムとして用いる場合、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面光沢は、蒸着後の金属光沢の麗美性のため、135%以上が好ましく、より好ましくは138%以上である。
【0067】
また、本発明において被覆層を設ける手法としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアードクターコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いてポリプロピレンフィルム製造工程外で被覆液を塗布する方法が好ましい。さらに好ましくは、フィルム製造工程内で塗布する方法として、ポリプロピレン未延伸フィルムに被覆液を塗布し、逐次二軸延伸する方法、一軸延伸されたポリプロピレンフィルムに塗布し、更に先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法などがある。このうち一軸延伸されたポリプロピレンフィルムに塗布し、更に先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法が被覆層の厚みを均一にし、かつ生産性が向上することから最も好ましい。
【0068】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを金属蒸着用フィルムとして使用する場合には、基層のポリプロピレンには脂肪酸アミドなどの有機滑剤は添加しない方が被覆層および金属蒸着層の接着性のために好適である。しかし、滑り性を付与し、作業性や巻き取り性を向上させるために、有機架橋性粒子や無機粒子を少量添加することは許容される。基層のポリプロピレンに少量添加される有機架橋性粒子としては、架橋シリコーン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリスチレン粒子などが挙げられ、無機粒子にはゼオライトや炭酸カルシウム、酸化ケイ素、珪酸アルミニウムなどを例示することができる。これら粒子の平均粒径は、本発明のフィルムの透明性を大きく悪化させずに滑り性を付与できるので、0.5〜5μmが好ましい。
【0069】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、上記構成の金属蒸着フィルムとして用いる場合を除き、フィルムの帯電による静電気障害防止のため帯電防止剤が好ましく添加される。本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに含有される帯電防止剤は特に限定されないが、例えば、ベタイン誘導体のエチレンオキサイド付加物、第4級アミン系化合物、アルキルジエタノールアミン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸グリセリドなど、もしくはこれらの混合物を挙げることができる。
【0070】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、上記構成の金属蒸着フィルムとして用いる場合を除き、滑剤を添加することが好ましく、上記耐電防止剤と併用することがより好ましい。これは、JIS用語で表現される熱可塑性樹脂の加熱成形時の流動性、離型性をよくするために添加されるもので、加工機械とフィルム表面、またはフィルム同士の間の摩擦力を調節するために添加される。
【0071】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに添加される滑剤は特に限定されないが、例えば、ステアリン酸アミド、エルシン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミドなどのアミド系化合物など、もしくはこれらの混合物が挙げられる。
【0072】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに添加される帯電防止剤の添加量は、用いるポリプロピレン樹脂100重量部に対して、0.3重量部以上添加されていることが好ましく、より好ましくは0.4〜1.5重量部の範囲である。また、帯電防止剤と滑剤の合計添加量は0.5〜2.0重量部が帯電防止性と滑り性の点でより好ましい。
【0073】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムには滑り性付与のため無機粒子および/または架橋有機粒子が好ましく添加混合される。
【0074】
本発明で、無機粒子とは金属化合物の無機粒子を示し、特に限定されないが、例えば、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪酸アルミニウム、カオリン、カオリナイト、タルク、クレイ、珪藻土、モンモリロナイト、酸化チタンなどの粒子、もしくはこれらの混合物を挙げることができる。
【0075】
また、本発明で、架橋有機粒子は架橋剤を用いて高分子化合物を架橋した粒子である。本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに添加される架橋有機粒子は、特に限定されないが、例えば、ポリメトキシシラン系化合物の架橋粒子、ポリスチレン系化合物の架橋粒子、アクリル系化合物の架橋粒子、ポリウレタン系化合物の架橋粒子、ポリエステル系化合物の架橋粒子、フッソ系化合物の架橋粒子、もしくはこれらの混合物を挙げることができる。
【0076】
また無機粒子および架橋有機粒子の平均粒径は0.5〜6μmの範囲が好ましい。平均粒径が0.5μm未満では滑り性が悪くなることがあり、6μmを越えると粒子の脱落やフィルム同士を擦った時にフィルム表面に傷がつきやすくなることがある。
【0077】
無機粒子および/または架橋有機粒子の添加量は、0.02重量%〜0.5重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.05重量%〜0.2重量%の範囲とすることが、耐ブロッキング防止性、滑り性および透明性の点で好ましい。
【0078】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムには、必要に応じて上記以外の造核剤、熱安定剤、酸化防止剤などを添加せしめてもよい。
【0079】
例えば造核剤としては、ソルビトール系、有機リン酸エステル金属塩系、有機カルボン酸金属塩系、ロジン系造核剤などを0.5重量%以下、熱安定剤としては2,6−ジ−第3−ブチル−4−メチルフェノ−ル(BHT)などを0.5重量%以下、酸化防止剤としてはテトラキス−(メチレン−(3,5−ジ−第3−ブチル−4−ハイドロオキシ−ハイドロシンナメ−ト))ブタン(Irganox 1010)などを0.5重量%以下の範囲で添加してもよい。
【0080】
次に、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面には上記した以外の目的においても、添加剤ブリードアウト・飛散抑制、蒸着膜易接着、易印刷性、ヒートシール性付与、プリントラミネート性付与、光沢付与、ヘイズ低減(透明性付与)、離型性付与、滑り性付与などの種々の目的に応じて、公知のポリオレフィン樹脂を積層することが好ましい。
【0081】
この際の積層厚みは、0.25μm以上であり、かつフィルムの全厚みの1/2以下であることが好ましい。積層厚みが0.25μm未満であると、膜切れなどにより均一な積層が困難となり、全厚みの1/2を越えると、機械特性に及ぼす表層の影響が大きくなり、ヤング率の低下を引き起こし、フィルムの抗張力性もまた低下する。また、この際積層される表層樹脂は必ずしも本発明の範囲を満たす必要はなく、積層方法は共押出、インライン・オフライン押出ラミネート、インライン・オフラインコーティングなどが挙げられるが、これらのうちいずれかに限定されるわけではなく、随時最良の方法を選択すればよい。
【0082】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片方のフィルム表面にコロナ放電処理を施し、フィルム表面の濡れ張力を35mN/m以上とすることは、印刷性、接着性、帯電防止性および滑剤のブリードアウト性を向上させるため好ましく用いることができる。コロナ放電処理時の雰囲気ガスとしては、空気、酸素、窒素、炭酸ガス、あるいは窒素/炭酸ガスの混合系などが好ましく、経済性の観点からは空気中でコロナ放電処理することが特に好ましい。
【0083】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの25℃での長手方向のヤング率(Y(MD))は2.5GPa以上であることが好ましい。25℃でのY(MD)が2.5GPa未満であると長手方向に比較して幅方向の剛性が高くなり、剛性がアンバランスとなる。このため、フィルムの腰が不十分となる場合があり、印刷時にはピッチずれ、ラミネート時にはフィルムの伸び、コーティング・蒸着などを施したフィルムとした場合には膜割れを生じるなど、フィルムの抗張力性が不足する場合がある。25℃でのY(MD)は、溶融状態から冷却固化して未延伸シートを得る際の冷却ドラム温度、縦延伸条件(温度、倍率など)、用いるポリプロピレンの結晶性(メソペンタッド分率(mmmm)、アイソタクチックインデックス(II)などに対応)、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤の混合量などにより制御することができ、本発明の特性を損なわない範囲で適宜最適な製膜条件・原料を選定すればよい。25℃でのY(MD)は、より好ましくは2.7GPa以上、さらに好ましくは3.0GPa以上、最も好ましくは3.2GPa以上である。
【0084】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの80℃での長手方向のヤング率(Y(MD))は、0.4GPa以上であることが好ましい。80℃でのY(MD)が0.4GPa未満であると、フィルム加工時に抗張力性が不十分となることがある。80℃でのY(MD)は、溶融状態から冷却固化して未延伸シートを得る際の冷却ドラム温度、縦延伸条件(温度、倍率など)、用いるポリプロピレンの結晶性(メソペンタッド分率(mmmm)、アイソタクチックインデックス(II)などに対応)、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤の混合量などにより制御することができ、本発明の特性を損なわない範囲で適宜最適な製膜条件・原料を選定すればよい。80℃でのY(MD)は、より好ましくは0.5GPa以上、さらに好ましくは0.6GPa以上である。
【0085】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、長手方向のヤング率(Y(MD))と幅方向のヤング率(Y(TD))により表されるm値
m=Y(MD)/(Y(MD)+Y(TD))
が25℃において0.4〜0.7の範囲にあることが好ましい。ここで、m値は長手方向と幅方向のヤング率の和に占める長手方向のヤング率の比率である。したがって、m値<0.5のフィルムは長手方向に比較して幅方向の剛性が高く、m値=0.5のフィルムは長手方向と幅方向の剛性が実質的にバランスしており、m値>0.5のフィルムは幅方向に比較して長手方向の剛性が高い。m値が0.4〜0.7であることにより、剛性がバランスした非常に腰の強いフィルムとすることができる。25℃でのm値が0.4未満であると、幅方向に比較して長手方向の剛性が劣り、剛性がアンバランスになるため、フィルム加工時の抗張力性が不十分であったり、フィルムの腰が不十分となる場合があるので好ましくない。m値が0.7を超えると、長手方向に比較して幅方向の剛性が著しく低下してフィルムの腰が不十分となる場合があるので好ましくない。
【0086】
25℃におけるm値は、製膜条件(溶融状態から冷却固化して未延伸シートを得る際の冷却ドラム温度、縦・横延伸温度、倍率、縦・横延伸後のフィルムの弛緩など)、用いるポリプロピレンの結晶性(メソペンタッド分率(mmmm)、アイソタクチックインデックス(II)に対応)、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤の混合量などにより制御することができ、本発明の特性を損なわない範囲で適宜最適な製膜条件・原料を選定すればよい。25℃におけるm値は、より好ましくは0.42〜0.68、さらに好ましくは0.44〜0.65、最も好ましくは0.46〜0.62の範囲のものである。また、80℃においても同様にm値が0.4〜0.7を満たすことが好ましい。
【0087】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの25℃での長手方向のF2値は、40MPa以上であることが望ましい。ここで、長手方向のF2値とは、長手方向:15cm、幅方向:1cmのサイズで切り出した試料を、原長50mm、引張り速度300mm/分で伸張した際の伸度2%の時に試料にかかる応力である。25℃での長手方向のF2値が40MPa未満であると、印刷時にはピッチずれ、ラミネート時にはフィルムの伸び、コーティング・蒸着などを施したフィルムとした場合には膜割れを生じるなど、フィルムの抗張力性が不足する場合がある。25℃での長手方向のF2値は、より好ましくは45MPa以上である。
【0088】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの25℃での長手方向のF5値は、50MPa以上であることが好ましい。ここで、長手方向のF5値とは、長手方向:15cm、幅方向:1cmのサイズで切り出した試料を、原長50mm、引張り速度300mm/分で伸張した際の伸度5%の時に試料にかかる応力である。25℃での長手方向のF5値が50MPa未満であると、印刷時にはピッチずれ、ラミネート時にはフィルムの伸び、コーティング・蒸着などを施したフィルムとした場合には膜割れを生じるなど、フィルムの抗張力性が不足する場合がある。25℃での長手方向のF5値は、より好ましくは55MPa以上である。
【0089】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの120℃での長手方向の熱収縮率は、5%以下であることが好ましい。120℃での長手方向の熱収縮率が5%を越えると、印刷、ラミネート、コーティング、蒸着などの加工時に温度を付加した際のフィルムの収縮が大きくなり、膜抜けやピッチずれ、シワ入りなどの工程不良を誘起することがある。120℃での長手方向の熱収縮率は溶融状態から冷却固化して未延伸シートを得る際の冷却ドラム温度、縦延伸条件(延伸温度、倍率、縦延伸後のフィルムの弛緩など)、用いるポリプロピレンの結晶性(mmmm、IIなどに対応)、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤の混合量などにより制御することができ、本発明の特性を損なわない範囲で適宜最適な縦延伸条件・原料を選定すればよい。より好ましくは、120℃での長手方向の熱収縮率は4%以下である。
【0090】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの120℃での長手方向と幅方向のの熱収縮率の和は、好ましくは8%以下、より好ましくは、6%以下である。120℃での長手方向と幅方向の熱収縮率の和が8%を越えると、印刷、ラミネート、コーティング、蒸着などの加工時に温度を付加した際のフィルムの収縮が大きくなり、膜抜けやピッチずれ、しわ入りなどの工程不良を誘起することがある。120℃での長手方向と幅方向の熱収縮率の和は製膜条件(溶融状態から冷却固化して未延伸シートを得る際の冷却ドラム温度、縦・横延伸温度、倍率、縦・横延伸後のフィルムの弛緩など)、用いるポリプロピレンの結晶性(mmmm、IIなどに対応)、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤の混合量などにより制御することができ、本発明の特性を損なわない範囲で適宜最適な製膜条件・原料を選定すればよい。より好ましくは、120℃での長手方向と幅方向の熱収縮率の和は6%以下である。
【0091】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの水蒸気透過率は、1.5g/m2/d/0.1mm以下であることが好ましい。水蒸気透過率が1.5g/m2/d/0.1mmを越えると、例えば本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを内容物を外気と遮断する包装体として用いた際の防湿性に劣る場合がある。水蒸気透過率は、製膜条件(溶融状態から冷却固化して未延伸シートを得る際の冷却ドラム温度、縦・横延伸温度、倍率など)、用いるポリプロピレンの結晶性(mmmm、IIなどに対応)、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤の混合量などにより制御することができ、本発明の特性を損なわない範囲で適宜最適な製膜条件、原料を選定すればよい。より好ましくは、1.2g/m2/d/0.1mm以下である。
【0092】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造には、公知の方法が使用できる。例えば、前記式(1)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.82 (1)
を満たすポリプロピレンを含むポリプロピレンあるいは前記式(2)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.52 (2)
を満たすポリプロピレンに、極性基を実質的に含まない石油樹脂および/または極性基を実質的に含まないテルペン樹脂の1種以上を混合した樹脂を押出機に供給して200〜290℃の温度で溶融させ、濾過フィルターを経た後、スリット状口金から押し出し、冷却用ドラムに巻き付けてシート状に冷却固化せしめ未延伸フィルムとする。冷却用ドラムの温度は20〜100℃とし、フィルムを適度に結晶化させることが長手方向の剛性向上の観点から好ましい。
【0093】
次に、得られた未延伸フィルムを、公知の縦−横逐次二軸延伸法を用いて二軸延伸する。長手方向に高度に強力化された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造する重要なポイントとして、縦方向(=長手方向)の延伸倍率が挙げられる。通常の縦−横逐次二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製膜する際の縦方向の実効延伸倍率は、4.5〜5.5倍の範囲であり、6倍を越えると安定な製膜が困難になり、横延伸でフィルムが破れてしまうのに対して、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムでは、縦方向の実効延伸倍率を6倍以上とすることが好ましい。縦方向の実効延伸倍率が6倍未満であると、得られるフィルムの長手方向の剛性が不足する場合があり、薄膜化を行った際のフィルムの腰が不十分となることがある。縦方向の実効延伸倍率は、より好ましくは7倍以上、さらに好ましくは8倍以上である。この際、縦延伸を少なくとも2段階以上に分けて行うことは、長手方向の強力化などの観点から好ましいことがある。縦延伸温度は、安定製膜性と長手方向の強力化などの観点から適宜最適な温度条件を選定すればよく、120〜150℃であることが好ましい。また、縦延伸後の冷却過程において、フィルムの厚みムラが悪化しない程度に縦方向に弛緩を与えることは、長手方向の寸法安定性の観点から好ましい。
【0094】
幅方向の実効延伸倍率は、10倍以下であることが好ましい。幅方向の実効延伸倍率が10倍を越えると、得られるフィルムの長手方向の剛性が不足したり、製膜が不安定になる場合がある。横延伸温度は、安定製膜、厚みムラ、長手方向の強力化などの観点から適宜最適な温度条件を選定すればよく、150〜180℃であることが好ましい。
【0095】
幅方向に延伸したのち、さらに幅方向に1%以上の弛緩を与えつつ150〜180℃で熱固定し、冷却して巻き取ることで、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られる。
【0096】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを金属蒸着用フィルムとする際の製造方法の一例について説明するが、本発明は下記製造方法により限定されるものではない。
【0097】
例えば、前記式(1)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.82 (1)
を満たすポリプロピレンを含むポリプロピレン、または前記式(2)
log(MS)>−0.61log(MFR)+0.52 (2)
を満たすポリプロピレンに、極性基を実質的に含まない石油樹脂および/または極性基を実質的に含まないテルペン樹脂の1種以上を混合した樹脂および/または第3の層の樹脂を準備し、これらを別々の押出機に供給して200〜290℃の温度で溶融させ、濾過フィルターを経た後、短管あるいは口金内で合流せしめ、目的とするそれぞれの積層厚みでスリット状口金から押し出し、冷却用ドラムに巻き付けてシート状に冷却固化せしめ未延伸積層フィルムとする。冷却用ドラムの温度は20〜90℃とし、フィルムを適度に結晶化させることが長手方向の剛性向上の観点から好ましい。
【0098】
この未延伸積層フィルムを120〜150℃の温度に加熱し、長手方向に6倍以上に延伸し、次いでテンター式延伸機に導入し150〜180℃で幅方向に10倍以下に延伸した後、150〜180℃で弛緩熱処理し、冷却する。さらに、必要に応じ、基層の金属蒸着層を設ける面および/または反対側の第3の面に、空気あるいは窒素あるいは炭酸ガスと窒素の混合雰囲気中で、コロナ放電処理する。この際、第3層としてヒートシール層を積層した場合には、高い接着強度を得るためには、コロナ放電処理はしない方が好ましい。次いで、該フィルムを巻き取り、金属蒸着用二軸延伸ポリプロピレンフィルムとする。
【0099】
また、さらにガスバリア性を高めたフィルムとする場合には、上記未延伸積層フィルムを120〜150℃の温度に加熱し、長手方向に6倍以上に延伸した後、冷却し、一軸延伸されたフィルム基層上に前述の被覆層塗剤をコート(必要により基層表面をコロナ放電処理を行い)し、次いでテンター式延伸機に導入し150〜180℃で幅方向に10倍以下に延伸した後、150〜180℃で弛緩熱処理し冷却する。さらに、必要に応じ基層の被覆層を設けた面および/または反対側の第3層の面に、空気あるいは窒素あるいは炭酸ガスと窒素の混合雰囲気中で、コロナ放電処理する。この際、第3層としてヒートシール層を積層した場合には、高い接着強度を得るためには、コロナ放電処理はしない方が好ましい。次いで、該フィルムを巻き取り、金属蒸着用二軸延伸ポリプロピレンフィルムとする。
【0100】
本発明において得られた金属蒸着用二軸延伸ポリプロピレンフィルムを40〜60℃でエージングを行うことが、被覆層の反応が促進することにより、基層との接着強度が向上し、また金属蒸着層との接着強度も向上して、ガスバリア性能が向上するため好ましい。エージングを行う時間は、12時間以上が耐薬品性向上の効果の点から好ましく、さらに好ましくは24時間以上である。
【0101】
次に、金属蒸着は、金属の真空蒸着によって行い、蒸発源から金属を蒸着させ、本発明において得られた金属蒸着用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの被覆層面上に蒸着層を形成する。
【0102】
この蒸発源としては抵抗加熱方式のボート形式や、輻射あるいは高周波加熱によるルツボ形式や、電子ビーム加熱による方式などがあるが、特に限定されない。
【0103】
この蒸着に用いる金属としては、Al,Zn,Mg,Sn,Siなどの金属が好ましいが、Ti,In,Cr,Ni,Cu,Pb,Feなども使用できる。これらの金属はその純度が99%以上、望ましくは99.5%以上の粒状、ロッド状、タブレット状、ワイヤー状あるいはルツボの形状に加工したものが好ましい。
【0104】
また、この蒸着金属の中で特に、金属蒸着層の耐久性、生産性、コスト面から、アルミニウムの蒸着層を少なくとも片面に設けることが好ましい。このときアルミニウムと同時あるいは逐次に、例えばニッケル、銅、金、銀、クロム、亜鉛などの他の金属成分も蒸着することができる。
【0105】
金属蒸着層の厚さは10nm以上であることが高度なガスバリア性能を発現するために好ましい。さらに好ましくは20nm以上である。蒸着層の上限は特に設けないが、経済性、生産性の点から50nm未満がより好ましい。
【0106】
金属蒸着層の光沢度は、600%以上が好ましく、700%以上がさらに好ましい。
【0107】
また、金属酸化物の蒸着層を付設して、ガスバリア性に優れた透明ガスバリアフィルムとして、透明包装用フィルムなどに好適に用いられる。ここで、金属酸化物の蒸着膜とは、不完全酸化アルミニウム、不完全酸化珪素素などの金属酸化物の被膜であり、特に不完全酸化アルミニウムが蒸着層の耐久性、生産性、コスト面から好ましい。これらの蒸着方法は公知の方法で行うことができ、例えば、不完全酸化アルミニウム膜の場合は、真空度10−4Torr以下の高度の真空装置内でフィルムを走行させ、アルミニウム金属を加熱溶融して蒸発させ、蒸発箇所に少量の酸素ガスを供給し、アルミニウムを酸化させながらフィルム表面に凝集堆積させ、蒸着層を付設する。金属酸化物の蒸着層の厚さは10〜50nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜30nmの範囲である。金属酸化物の蒸着層の不完全度は、蒸着した後に酸化が進み金属酸化物蒸着フィルムの光線透過率が変化し、光線透過率は好ましくは70〜90%の範囲である。光線透過率が70%未満では包装袋とした場合に、内容物が透視しにくいので好ましくない。また光線透過率が90%を超える場合は、包装袋とした場合にガスバリア性能が不足しやすくなるので好ましくない。
【0108】
本発明において得られた金属蒸着二軸延伸ポリプロピレンフィルムの被覆層と金属蒸着層および金属酸化物蒸着膜との接着強度は、0.6N/cm以上が好ましく、0.8N/cm以上がさらに好ましい。接着強度が上記範囲未満であると、蒸着したフィルムをロール状に長尺に巻き取り、二次加工時に巻き出す際に蒸着層が剥ぎ取られ、ガスバリア性能が悪化する場合がある。
【0109】
また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、金属蒸着膜および金属酸化物蒸着を付設したフィルムのガスバリア性能は、水蒸気透過率が4g/m2/d以下、好ましくは1g/m2/d以下であり、酸素透過率が200ml/m2/d/MPa以下、好ましくは100ml/m2/d/MPaであることが食品包装袋として用いた場合に好ましい。
【0110】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、従来の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに比較して寸法安定性・防湿性などの重要特性を悪化させることなく、長手方向の剛性が高められており、これによりフィルムのハンドリング性に優れるだけでなく、印刷、ラミネート、コーティング、蒸着、製袋などのフィルム加工時に、加工張力に対する優れた抗張力性を示し、膜割れや印刷ピッチずれなどのベースフィルム起因のトラブルを解消することができる。また、従来のポリプロピレンに比較して同じ厚みでも長手方向の剛性が高く、抗張力性に優れることから、従来の二軸延伸ポリプロピレンフィルムより薄くしても加工特性を保持することができる。以上のことから、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは包装用、工業用などに好ましく用いることができる。
【0111】
[特性値の測定法]
本発明で用いられている用語および測定法を以下にまとめて説明する。
(ア)溶融張力(MS)
JIS K7210に従って溶融張力(MS)を測定した。東洋精機製メルトテンションテスターを用いて、ポリプロピレンを230℃に加熱し、溶融ポリプロピレンを押出速度15mm/分で吐出し、ストランドとし、このストランドを6.5m/分の速度で引き取る際の張力を測定し、MSとした。
(イ)(MFR)
JIS K6758に示されるポリプロピレン試験方法(230℃、2.16kgf)に従って測定した。
(ウ)メソペンタッド分率(mmmm)
ポリプロピレンをo−ジクロロベンゼン−D6に溶解させ、JEOL製JNM−GX270装置を用い、共鳴周波数67.93MHzで13C−NMRを測定した。得られたスペクトルの帰属、およびメソペンタッド分率の計算については、T.Hayashiらが行った方法(Polymer、29、138〜143(1988))に基づき、メチル基由来のスペクトルについて、mmmmピークを21.855ppmとして各ピークの帰属を行い、ピーク面積を求めてメチル基由来全ピーク面積に対する比率を百分率で表示した。詳細な測定条件は以下のとおりである。
【0112】
測定濃度:15〜20wt%
測定溶媒:o−ジクロロベンゼン(90wt%)/ベンゼン−D6(10wt%)
測定温度:120〜130℃
共鳴周波数:67.93MHz
パルス幅:10μ秒(45°パルス)
パルス繰り返し時間:7.091秒
データ点:32K
積算回数:8168
測定モード:ノイズデカップリング
(エ)アイソタクチックインデックス(II)
ポリプロピレンを60℃以下の温度のn−ヘプタンで2時間抽出し、ポリプロピレン樹脂中の添加物を除去する。その後130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W(mg)の試料を取り、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n−ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料を取り出し、アセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真空乾燥し、その後常温まで冷却し、重量W’(mg)を測定し、次式で求めた。
【0113】
II=(W’/W)×100(%)
(オ)固有粘度([η])
135℃のテトラリン中に溶解したポリプロピレンについて、三井東圧化学(株)製のオストワルド粘度計を用いて測定した。
(カ)ガラス転移温度(Tg)
Seiko Instruments社製熱分析装置RDC220型に、サンプル重量5mgとしてアルミニウムパンに封入して装填し、20℃/分の速度で昇温し、得られた熱量曲線から同社製熱分析システムSSC5200の内蔵プログラムを用い、ガラス転移の開始点をガラス転移温度(Tg)とした。
(キ)臭素価
JIS K−2543−1979に準じて測定した。試料油100g中の不飽和成分に付加される臭素のg数で表される。
(ク)長手方向のヤング率、F2値、F5値
25℃でのヤング率、F2値、F5値は、(株)オリエンテック社製フィルム強伸度測定装置(AMF/RTA−100)を用いて、65%RHにて測定した。サンプルを測定方向:15cm、測定方向と直角の方向:1cmのサイズに切り出し、原長50mm、引張り速度300mm/分で伸張して、ヤング率はJIS−Z1702に規定された方法に従い測定した。また、F2値、F5値は、それぞれ伸度2%、5%に対する試料にかかる応力を測定した。また、80℃などの高温で測定を行う際は、ゴンドー科学(株)社製高低温度恒温槽を装着し、上記と同様の条件にて測定した。
(ケ)熱収縮率
測定方向を長手方向および幅方向として、フィルムから試長260mm、幅10mmにサンプリングし、原寸(L0)として200mmの位置にマークを入れる。このサンプルの下端に3gの荷重をかけ、120℃の熱風循環オーブン中で15分間熱処理した後室温中に取り出し、サンプルにマークした長さ(L1)を測定する。この際、熱収縮率は次式により求められる。各方向(長さ方向、幅方向)について上記操作を行い、長さ方向と幅方向の熱収縮率の和を求めた。
【0114】
熱収縮率(%)=100×(L0-L1)/L0
(コ)中心線平均表面粗さ(Ra)
JIS B0601に従って、触針式表面粗さ計を用いて測定した。なお、小坂研究所(株)製、高精度薄膜段差測定器(型式:ET−30HK)を使用し、触針径円錐型0.5μmR、荷重16mg、カットオフは0.08mmとした。
【0115】
この時、中心線平均表面粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取部分の中心線をX軸、縦方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表した時、次の式によって求められる値をμmで表したものをいう。
(サ)被覆層厚み、金属蒸着層および金属酸化物状着層の厚み
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、フィルム断面構成観察を行い、積層厚みおよび厚み構成を測定した。
(シ)フィルムの表面光沢度
JIS Z8741法に基づき、スガ試験機製ディジタル変角光沢度計UGV−5Dを用い、60°鏡面光沢度として求めた。
(ス)金属蒸着フィルムの表面光沢
金属蒸着二軸延伸ポリプロピレンフィルムを連続式真空蒸着装置に装填し、電子ビーム加熱方式の蒸発源からアルミニウムを蒸発させ、フィルムを連続的に走行させながら、Macbeth社製光学濃度計(TR927)を用いて測定した光学濃度(−log(光線透過率))が1.9〜2.1の範囲でアルミニウムを蒸着した。この金属蒸着フィルムの金属蒸着面をJIS Z8741に基づき測定し、表面光沢を求めた。
(セ)接着強度
金属蒸着された二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表層と被覆層との接着強度は、被覆層面に、20μm厚の二軸配向ポリプロピレンフィルム(東レ製S645)をポリウレタン系接着剤を用いて貼り合わせ、40℃で48時間放置後、15mm幅で東洋ボールドウィン製テンシロンを用い、剥離速度10cm/分で90°剥離により測定した。また、金属蒸着層および金属酸化物蒸着層と金属蒸着用ポリプロピレンフィルムとの接着強度は、金属蒸着層および金属酸化物蒸着層面に、上記と同じく20μm厚の二軸配向ポリプロピレンフィルム(東レ製S645)をポリウレタン系接着剤を用いて貼り合わせて上記と同じ方法で測定した。
(ソ)酸素透過率
金属蒸着二軸延伸ポリプロピレンフィルムの金属蒸着を行った面に、ポリプロピレン製の粘着フィルム(3M社製、Scotchmark、40μm厚み)を貼り合わせ、MOCON/Modern Controls社製の酸素透過率測定装置Oxtran2/20を用いて、温度23℃、湿度0%RHの条件で測定した。
(タ)水蒸気透過率
二軸延伸ポリプロピレンフィルム単体については、MOCON/ModernControls社製の水蒸気透過率測定装置PERMATRAN−W3/30を用いて、温度40℃、湿度90%RHの条件で測定した。金属蒸着二軸延伸ポリプロピレンフィルムについては、金属蒸着を行った面に、ポリプロピレン製の粘着フィルム(3M社製、Scotchmark、40μm厚み)を貼り合わせ、上記条件で測定した。
(チ)実効延伸倍率
スリット状口金から押し出し、金属ドラムに巻き付けてシート上に冷却固化せしめた未延伸フィルムに、長さ1cm四方の升目をそれぞれの辺がフィルムの長手方向、幅方向に平行になるように刻印した後、延伸・巻き取りを行い、得られたフィルムの升目の長さ(cm)を測定し、これを長手方向・横方向の実効延伸倍率とした。
(ツ)二次加工性
長さ1000m、厚さ15μmの本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム、もしくは金属蒸着二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、厚さ20μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを(金属蒸着二軸延伸ポリプロピレンフィルムの場合は金属蒸着を行った面の反対の面に)ラミネートして食品包装用フィルムとした。該フィルムを未延伸ポリプロピレンフィルム層が内側になるようにして、(株)フジキカイ製の縦型ピロー包装機(FUJI FW−77)を用いて、フィルムを筒状に挿入し、製袋した。
【0116】
その際、フィルムにシワや伸びなどが入らず、製袋品の形状がよいものを○とし、フィルムの長手方向のヤング率が低かったり腰が低いために伸びたり、滑りが悪かったり、熱収縮率が大きいためにシワが入ったりして製袋品の形状が悪くなったものを×として評価した。
【0117】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて説明する。なお、所望の厚みのフィルムを得るためには、特に断りのない限り、押出機の回転数と冷却ドラムの周速を所定の値に調節した。
【0118】
実施例1
溶融張力(MS)が1.5cN、メルトフローレイト(MFR)が2.3g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が92%、アイソタクチックインデックス(II)が96%である公知のポリプロピレンに、MSが20cN、MFRが3g/10分、mmmmが97%、IIが96.5%であって、前記式(1)のMSとMFRの関係を満たす長鎖分岐を有する高溶融張力ポリプロピレン(HMS−PP)を10重量%の比率で添加混合したポリプロピレン90重量%に、ポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤として、極性基を実質的に含まない石油樹脂である、Tg80℃、臭素価3cg/g、水添率99%のポリジシクロペンタジエンを10重量%添加混合した樹脂100重量部に、架橋有機粒子として平均粒径2μmのポリメタクリル酸系重合体の架橋粒子(架橋PMMA)を0.15重量部添加し、帯電防止剤としてグリセリン脂肪酸エステルとアルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルを1:1の割合に混合して0.8重量部添加し、二軸押出機に供給して240℃でガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥したチップを一軸押出機に供給して260℃で溶融させ、濾過フィルターを経た後にスリット状口金から押出し、25℃の金属ドラムに巻き付けてシート状に成形した。
【0119】
このシートを135℃に保たれたロールに通して予熱し、140℃に保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に8倍延伸して直ちに室温に冷却する。引き続きこの延伸フィルムをテンターに導入して165℃で予熱し、160℃で幅方向に7倍に延伸し、次いで幅方向に6%の弛緩を与えつつ、160℃で熱固定した後、冷却して巻き取り、厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
【0120】
得られたフィルムの原料組成とフィルム特性の評価結果をまとめて表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0121】
実施例2
実施例1において、延伸倍率を10倍に上げた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例2とした。
【0122】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0123】
実施例3
実施例1において、長鎖分岐を有するHMS−PPの混合比率を5重量%、ポリジシクロペンタジエンの添加量を3重量%とし、長手方向に8倍、幅方向に8倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例3とした。
【0124】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0125】
実施例4
実施例3において、長鎖分岐を有するHMS−PPの混合比率を3重量%とした以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例4とした。
【0126】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0127】
実施例5
実施例1において、ポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤として、極性基を実質的に含まないテルペン樹脂である、Tg75℃、臭素価4cg/g、水添率99%のβ−ピネンを5重量%混合し、長手方向に9倍、幅方向に7倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例5とした。
【0128】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0129】
実施例6
溶融張力(MS)が20cN、メルトフローレート(MFR)が3g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が97%、アイソタクチックインデックス(II)が96.5%であって、前記式(1)の溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係を満たす長鎖分岐を有するHMS−PP 85重量%に、ポリプロピレンに相溶し、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤として、極性基を実質的に含まないテルペン樹脂である、Tg75℃、臭素価3cg/g、水添率99%の水添β−ジペンテンを15重量%混合した樹脂組成物100重量部に、架橋有機粒子として平均粒径1μmのポリスチレン系重合体の架橋粒子(架橋PS)を0.15重量部添加し、帯電防止剤としてグリセリン脂肪酸エステルとアルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルを1:1の割合に混合して0.8重量部添加し、二軸押出機に供給して240℃でガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥したチップを一軸押出機に供給して260℃で溶融させ、濾過フィルターを経た後にスリット状口金から押出し、30℃の金属ドラムに巻き付けてシート状に成形した。
【0130】
このシートを133℃に保たれたロールに通して予熱し、138℃に保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に8倍延伸して直ちに室温に冷却した。引き続きこの延伸フィルムをテンターに導入して163℃で予熱し、160℃で幅方向に8倍に延伸し、次いで幅方向に8%の弛緩を与えつつ、160℃で熱固定をした後、冷却して巻き取り、厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
【0131】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0132】
実施例7
溶融張力(MS)が1.5cN、メルトフローレイト(MFR)が2.3g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が92%、アイソタクチックインデックス(II)が96%である、公知のポリプロピレンに、溶融張力(MS)が20cN、メルトフローレート(MFR)が3g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が97%、アイソタクチックインデックス(II)が96.5%であって、前記式(1)の溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係式を満たす、長鎖分岐を有するHMS−PPを5重量%の比率で添加混合したポリプロピレン80重量%に、ポリプロピレンに相溶し、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤として、極性基を実質的に含まないテルペン樹脂である、Tg75℃、臭素価4cg/g、水添率99%のβ−ピネンとTg75℃、臭素価3cg/g、水添率99%の水添β−ジペンテンレジンの混合物を20重量%混合し、長手方向に11倍、幅方向に6倍延伸した以外は、実施例6と同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
【0133】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0134】
実施例8
実施例3において、HMS−PPとして、溶融張力(MS)が15cN、メルトフローレート(MFR)が2.0g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が96.5%、アイソタクチックインデックス(II)が97%であって、前記式(1)の溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係を満たす、長鎖分岐を有するHMS−PPを用いた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例8とした。
【0135】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0136】
実施例9
実施例3において、HMS−PPとして、溶融張力(MS)が30cN、メルトフローレート(MFR)が2.1g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が97%、アイソタクチックインデックス(II)が97%であって、前記式(1)の溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係を満たす、長鎖分岐を有するHMS−PPを用いた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例9とした。
【0137】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0138】
実施例10
実施例5において、長鎖分岐を有するHMS−PPの混合比率を20重量%とし、ポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤として、極性基を実質的に含まない石油樹脂である、Tg80℃、臭素価3cg/g、水添率99%のポリジシクロペンタジエンを用いた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例10とした。
【0139】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0140】
実施例11
実施例10において、HMS−PPの混合比率を30重量%とした以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例11とした。
【0141】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0142】
実施例12
実施例10において、HMS−PPの混合比率を50重量%とした以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例12とした。
【0143】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0144】
実施例13
実施例1において、HMS−PPとして、溶融張力(MS)が1cN、メルトフローレート(MFR)が10g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が98%、アイソタクチックインデックス(II)が98.5%である長鎖分岐を有するHMS−PPを用いた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例13とした。
【0145】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0146】
実施例14
実施例1において、溶融張力(MS)が1.1cN、メルトフローレイト(MFR)が3g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が97.5%、アイソタクチックインデックス(II)が99%である公知のポリプロピレンにHMS−PPを10重量%添加したポリプロピレンを用い、長手方向に9倍、幅方向に9倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例14とした。
【0147】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0148】
実施例15
実施例3において、溶融張力(MS)が1.2cN、メルトフローレイト(MFR)が2.7g/分、メソペンタッド分率(mmmm)が96%、アイソタクチックインデックス(II)が98%である公知のポリプロピレンにHMS−PPを5重量%添加したポリプロピレンを用いた以外は同様の条件で製膜した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例15とした。
【0149】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0150】
実施例16
実施例3において、冷却ドラムの温度を80℃に上げて未延伸シートを得た以外は同様の条件で作成した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを実施例16とした。
【0151】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0152】
実施例17
実施例3において、長手方向の延伸を2段に分けて、135℃で予熱した後、1段目で137℃にて1.5倍、2段目で142℃にて5.3倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例17とした。
【0153】
結果を表1、2に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が高く、抗張力性に優れるとともに寸法安定性、防湿性、二次加工性に優れていた。
【0154】
比較例1
溶融張力(MS)が1.5cN、メルトフローレート(MFR)が2.3g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が92%、アイソタクチックインデックス(II)が96%であって、前記式(2)の溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係式を満たさない、公知のポリプロピレン単体100重量部に、架橋有機粒子として平均粒径2μmのポリメタクリル酸系重合体の架橋粒子(架橋PMMA)を0.15重量部添加し、帯電防止剤としてグリセリン脂肪酸エステルとアルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルを1:1の割合に混合して0.8重量部添加したものを一軸押出機に供給して260℃で溶融させ、濾過フィルターを経た後にスリット状口金から押出し、25℃の金属ドラムに巻き付けてシート状に成形した。
【0155】
このシートを130℃に保たれたロールに通して予熱し、135℃に保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に5倍延伸して直ちに室温に冷却する。引き続きこの延伸フィルムをテンターに導入して165℃で予熱し、160℃で幅方向に10倍に延伸し、次いで幅方向に7%の弛緩を与えつつ、160℃で熱固定をした後、冷却して巻き取った厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
【0156】
結果を表3、4に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が低く、抗張力性が不十分であり、防湿性、二次加工性に劣っていた。
【0157】
比較例2
比較例1において、縦方向の延伸倍率を7倍に上げた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例2とした。
【0158】
結果を表3、4に示す。横延伸の際に破れが多発したため、満足なフィルムが得られなかった。
【0159】
比較例3
比較例1において、溶融張力(MS)が1.1cN、メルトフローレイト(MFR)が3g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が97.5%、アイソタクチックインデックス(II)が99%である公知のポリプロピレン単体を用いた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例3とした。
【0160】
結果を表3、4に示す。得られたフィルムは、溶融状態から冷却ドラムに巻き付ける際にエッジがまくれ上がるため、縦延伸でシートがしばしば切れた。また、横延伸の際にも破れが生じ、横延伸の際に破れが散発し、全体として製膜性が悪く、工業的に生産できないフィルムであった。
【0161】
比較例4
比較例1において、溶融張力(MS)が0.6cN、メルトフローレイト(MFR)が6g/10分、メソペンタッド分率(mmmm)が99.8%、アイソタクチックインデックス(II)が99.5%である公知のポリプロピレン単体を用いた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例4とした。
【0162】
結果を表3、4に示す。横延伸の際に破れが多発したため、満足なフィルムが得られなかった。
【0163】
比較例5
比較例1において、ポリプロピレン単体97重量%に、ポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤として、極性基を実質的に含まない石油樹脂である、Tg80℃、臭素価3cg/g、水添率99%のポリジシクロペンタジエンを3重量%混合し、長手方向に5倍、幅方向に9倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例5とした。
【0164】
結果を表3、4に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が低く、抗張力性が不十分であり、二次加工性に劣っていた。
【0165】
比較例6
比較例5において、長手方向に7倍、幅方向に8倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例6とした。
【0166】
結果を表3、4に示す。横延伸の際に破れが散発し、十分な長さのフィルムを採取することができず、工業的に生産できないフィルムであった。
【0167】
比較例7
比較例5において、長手方向の延伸倍率をさらに8倍に上げた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例7とした。
【0168】
結果を表3、4に示す。横延伸の際に破れが多発したため、満足なフィルムが得られなかった。
【0169】
比較例8
比較例5において、ポリジシクロペンタジエンの添加量を10重量%とした以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例8とした。
【0170】
結果を表3、4に示す。得られたフィルムは、80℃での長手方向のヤング率が低く、抗張力性が不十分であり、寸法安定性、二次加工性にも劣っていた。
【0171】
比較例9
比較例8において、長手方向に8倍、幅方向に7倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例9とした。
【0172】
結果を表3、4に示す。横延伸の際に破れが散発し、十分な長さのフィルムを採取することができず、工業的に生産できないフィルムであった。
【0173】
比較例10
比較例8において、長手方向の延伸倍率をさらに9倍に上げた以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例10とした。
【0174】
結果を表3、4に示す。横延伸の際に破れが多発したため、満足なフィルムが得られなかった。
【0175】
比較例11
実施例6において、前記式(1)の溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係式を満たす長鎖分岐を有するHMS−PP単体を用いて、長手方向に5倍、幅方向に12倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例11とした。
【0176】
結果を表3、4に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が低く、抗張力性が不十分となり、二次加工性に劣っていた。
【0177】
比較例12
実施例5において、極性基を実質的に含まない石油樹脂の代わりに、ポリプロピレンとの相溶性が悪い極性基としてカルボキシル基を含んだTg39℃で、臭素価15cg/gの未水添のガムロジンを添加し、長手方向に5倍、幅方向に11倍延伸した以外は同様の条件で作製した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例12とした。
【0178】
結果を表3、4に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が低く、抗張力性が不十分であり、二次加工性に劣っていた。
【0179】
比較例13
比較例1において、長手方向に8倍延伸し、冷却後そのまま巻き取った厚さ15μmの縦一軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例13とした。
【0180】
結果を表3、4に示す。得られたフィルムは、長手方向に裂けやすく、フィルムのハンドリング性に著しく劣っていることから、二次加工性に劣っていた。
【0181】
比較例14
比較例1において、冷却ドラムの温度を80℃に上げて未延伸シートを得た以外は同様の条件で作成した厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを比較例14とした。
【0182】
結果を表3、4に示す。得られたフィルムは、長手方向のヤング率が低く、抗張力性が不十分であり、防湿性、二次加工性に劣っていた。
【0183】
【表1】
Figure 0004591992
【0184】
【表2】
Figure 0004591992
【0185】
【表3】
Figure 0004591992
【0186】
【表4】
Figure 0004591992
【0187】
【発明の効果】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、従来の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに比較して寸法安定性・防湿性などの重要特性を悪化させることなく、長手方向の剛性が高められており、これによりフィルムのハンドリング性に優れるだけでなく、印刷、ラミネート、コーティング、蒸着、製袋などのフィルム加工時に、加工張力に対する優れた抗張力性を示し、膜割れや印刷ピッチずれなどのベースフィルム起因のトラブルを解消することができる。また、従来のポリプロピレンフィルムに比較して同じ厚みでも長手方向の剛性が高く、抗張力性に優れることから、従来の二軸延伸ポリプロピレンフィルムより薄くしても加工特性を保持することができる。
【0188】
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは包装用、工業用などに好ましく用いることができる。

Claims (5)

  1. ポリプロピレンが、230℃で測定したときの溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係が、次式(1)
    log(MS)>−0.61log(MFR)+0.82 (1)
    を満たすポリプロピレンと当該ポリプロピレンとは異なるポリプロピレンとの混合体からなり、当該混合体が、230℃で測定したときの溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係が、次式(2)
    log(MS)>−0.61log(MFR)+0.52 (2)
    を満たし、かつ、ポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤が1種以上混合されてなり、25℃での長手方向のヤング率(Y(MD))が2.5GPa以上であり、長手方向のヤング率(Y(MD))と幅方向のヤング率(Y(TD))により表されるm値
    m=Y(MD)/(Y(MD)+Y(TD))
    が25℃において、0.4〜0.7の範囲であり、120℃での長手方向の熱収縮率が5%以下であり、前記添加剤が、極性基を実質的に含まない石油樹脂および/または極性基を実質的に含まないテルペン樹脂であることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  2. 230℃で測定したときの溶融張力(MS)とメルトフローレイト(MFR)の関係が、次式(2)
    log(MS)>−0.61log(MFR)+0.52 (2)
    を満たすポリプロピレンに、ポリプロピレンに相溶して、延伸時に可塑化効果を具備させうる添加剤が1種以上混合されてなり、25℃での長手方向のヤング率(Y(MD))が2.5GPa以上であり、長手方向のヤング率(Y(MD))と幅方向のヤング率(Y(TD))により表されるm値
    m=Y(MD)/(Y(MD)+Y(TD))
    が25℃において、0.4〜0.7の範囲であり、120℃での長手方向の熱収縮率が5%以下であり、前記添加剤が、極性基を実質的に含まない石油樹脂および/または極性基を実質的に含まないテルペン樹脂であることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  3. ポリプロピレンのメソペンタッド分率(mmmm)が90〜99.5%の範囲である請求項1または2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. 少なくとも片面に、金属蒸着層を設けたフィルムである請求項1〜のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  5. 少なくとも片面に、厚さが0.05〜2μmのポリエステルウレタン系樹脂のコーティング剤、金属蒸着層を順次設けたフィルムであって、基層と被覆層との接着強度が0.6N/cm以上である請求項1〜のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
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