JPH10231369A - ポリプロピレン延伸フィルム - Google Patents

ポリプロピレン延伸フィルム

Info

Publication number
JPH10231369A
JPH10231369A JP5099497A JP5099497A JPH10231369A JP H10231369 A JPH10231369 A JP H10231369A JP 5099497 A JP5099497 A JP 5099497A JP 5099497 A JP5099497 A JP 5099497A JP H10231369 A JPH10231369 A JP H10231369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypropylene
polymerization
propylene
ethylene
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5099497A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Fukazawa
徹 深沢
Yasuhiro Shiraishi
安弘 白石
Jun Saito
純 齋藤
Shingo Kikukawa
伸午 菊川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP5099497A priority Critical patent/JPH10231369A/ja
Publication of JPH10231369A publication Critical patent/JPH10231369A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】製造時に、ネックイン、溶融樹脂のバタツキお
よび厚み精度等が改善されることにより優れた安定生産
性を有するフィルムを提供する。 【解決手段】(a)エチレン単独重合体またはエチレン重
合単位を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン
共重合体からなり、135℃ のテトラリン中で測定し
た固有粘度〔ηE〕が15〜100dl/gであるポリ
エチレン0.01〜5重量部、および(b)プロピレン単
独重合体またはプロピレン重合単位を50重量%以上含
有するプロピレン−オレフィン共重合体からなり、13
5℃ のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP〕が1.
2〜2.4dl/gであるポリプロピレン100重量
部、からなるポリプロピレン樹脂組成物を少なくとも一
軸方向に延伸したポリプロピレン延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定生産性、溶断
シール性に優れたポリプロピレン延伸フィルムおよびホ
ットタック性に優れたポリプロピレン延伸積層フィルム
に関する。さらに詳しくは、ポリプロピレン一軸延伸フ
ィルムおよびポリプロピレン二軸延伸フィルムの製造
時、ネックイン、溶融樹脂のバタツキおよび厚み精度等
が改善されることにより優れた安定生産性を有する。ま
た、得られたポリプロピレン延伸フィルム、特にポリプ
ロピレン二軸延伸フィルムでは、溶断シール法により製
袋した場合、溶断シール部のシール強度が強く、シール
強度のバラツキが少なく、かつ製袋作業性および内容物
の充填作業性に優れた剛性を有する。さらに、ポリプロ
ピレン延伸積層フィルムでは、ヒートシールをした際に
優れたホットタック強度を有する。
【0002】
【従来技術】ポリプロピレンフィルムは、各種包装材と
して広い分野使用されている。特にポリプロピレン一軸
延伸フィルム、ポリプロピレン二軸延伸(積層)フィルム
は、透明性、引張強度、ヤング率等の特性が良好である
ため食品包装、繊維包装等、各種包装材料として広い範
囲で使用されている。
【0003】近年、ポリプロピレン一軸延伸フィルム及
びポリプロピレン二軸延伸フィルム製膜時の生産性を上
げるため製膜速度の高速化が推進されている。製膜速度
の高速化に対応するためには、押出機から押し出される
樹脂の吐出量を高くすることが必要となる。この高吐出
量化には、用いる樹脂のMFRを高くすることが有効で
あるが、樹脂のMFRを上げることによってTダイより
押し出された樹脂の溶融張力が低下し、ネックインやバ
タツキが激しくなり製膜したフィルムの厚み精度が低下
する等、安定生産性には問題があった。
【0004】また、ポリプロピレンフィルムの製袋法の
内、溶断シール法により製袋した場合、溶断シール部の
シール強度が弱く、またバラツキも大きいため内容物の
充填作業時に破袋しやすい、包装物の輸送時や取り扱い
時の振動で破袋しやすい等の欠点がある。これに対し、
ポリプロピレン二軸延伸フィルムにヒートシール層を積
層した多層二軸延伸フィルムが提案されている(特公平
7−17043号公報)。しかし、低融点のヒートシー
ル層を積層したこれらフィルムも溶断シール強度のバラ
ツキが大きく、溶断シール強度の低い部分にピンホール
が生じやすく、気密性を要求される食品用途に用いるた
めには課題を残している。 また、エチレン−プロピレ
ン共重合体やエチレン−プロピレン−ブテン共重合体を
用いた溶断シール用二軸延伸フィルムも提案されている
(特開平7−241906号公報)。しかし、これら共
重合体を用いた二軸延伸フィルムは、従来の二軸延伸フ
ィルムに比べ、剛性が低下し、製袋作業性や内容物の充
填作業性の低下をまねくことが課題として残っている。
【0005】さらに、自動包装機により袋等の容器とし
ての形態付与あるいは包装後の密閉のため、一般的にヒ
ートシールが施される。従来ポリプロピレン単独重合体
フィルムそのものではヒートシール温度が高すぎるため
ポリプロピレン単独重合体より融点の低い樹脂層、すな
わちヒートシール層を基材のポリプロピレン単独重合体
フィルムに積層した積層フィルムが用いられている。こ
のヒートシール可能なフィルムは、ヒートシール強度が
充分大きいものであることが重要であるが、自動包装機
による包装を行う場合、特に縦ピロー型あるいは横ピロ
ー型包装の場合には、ヒートシール直後の接着強度、す
なわちホットタック性が要求される。例えば、縦ピロー
型自動包装機の場合、フラットなフィルムより連続的に
チューブ状フィルムを作り、ヒートシールによりボトム
部のシールを行った直後に被包装物がチューブ状フィル
ム内に落下してくるため、この際に生じる落下物の落下
エネルギーをヒートシール直後に支えなければならい。
従って、ホットタック性が低いと被包装物がヒートシー
ル部を剥離してしまう。このホットタック性を改良する
ため、例えば、特開昭50ー12871号公報ではヒー
トシール層の厚さを0.5μm以下にすることを提案し
ている。また特開昭51ー150560号公報、特開昭
51ー150561号公報ではヒートシール部に使用さ
れるポリオレフィン共重合体に特定のポリマーをブレン
ド添加することが提案されている。しかしながらこれら
の方法でも充分なホットタック性は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリプ
ロピレン延伸フィルムの優れた特性を損なうことなく、
上記課題を解決するべく鋭意研究した。
【0007】(a)エチレン単独重合体またはエチレン重
合単位を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン
共重合体からなり、135℃ のテトラリン中で測定し
た固有粘度〔ηE〕が15〜100dl/gであるポリ
エチレン0.01〜5重量部、および(b)プロピレン単
独重合体またはプロピレン重合単位を50重量%以上含
有するプロピレン−オレフィン共重合体からなり、13
5℃ のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP〕が1.
2〜2.4dl/gであるポリプロピレン樹脂組成物を
用いることによって上述の課題を解決することができる
ことを見いだし、この知見に基づき本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は上述の
課題を解決した安定生産性、溶断シール性に優れたポリ
プロピレン延伸フィルムおよびホットタック性に優れた
ポリプロピレン延伸積層フィルムを提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)(a)エチレン単独重合体またはエチレン重合単位
を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン共重合
体からなり、135℃ のテトラリン中で測定した固有
粘度〔ηE〕が15〜100dl/gであるポリエチレ
ン0.01〜5重量部、および(b)プロピレン単独重合
体またはプロピレン重合単位を50重量%以上含有する
プロピレン−オレフィン共重合体からなり、135℃
のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP〕が1.2〜
2.4dl/gであるポリプロピレン100重量部、か
らなるポリプロピレン樹脂組成物を少なくとも一軸方向
に延伸したポリプロピレン延伸フィルム。 (2)ポリプロピレン樹脂組成物が、その230℃ に
おける溶融張力(MS)と135℃ のテトラリン中で
測定した固有粘度〔ηT〕との間に、 log(MS)>4.24×log〔ηT〕−1.20 で表される関係を有するポリプロピレン樹脂組成物を少
なくとも一軸方向に延伸した(1)記載のポリプロピレ
ン延伸フィルム。 (3)ポリプロピレン樹脂組成物のアイソタクチックイ
ンデックスが93〜99%であるポリプロピレン樹脂組
成物を少なくとも一軸方向に延伸した(2)記載のポリ
プロピレン延伸フィルム。 (4)(a)エチレン単独重合体またはエチレン重合単位
を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン共重合
体からなり、135℃ のテトラリン中で測定した固有
粘度〔ηE〕が15〜100dl/gであるポリエチレ
ン0.01〜5重量部、および(b)プロピレン単独重合
体またはプロピレン重合単位を80重量%以上含有する
プロピレン−オレフィン共重合体からなり、135℃
のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP〕が1.2〜
2.4dl/gであるポリプロピレン100重量部、か
らなるポリプロピレン樹脂組成物をポリプロピレンフィ
ルムの少なくとも片面に積層したポリプロピレン延伸積
層フィルム。 (5)ポリプロピレン樹脂組成物の融点が110℃〜1
50℃であるポリプロピレン樹脂組成物をポリプロピレ
ンフィルムの少なくとも片面に積層した(4)記載のポ
リプロピレン延伸積層フィルム。
【0009】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組
成物の(a)成分を構成するポリエチレンは、135℃
のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηE〕が15〜1
00dl/gのポリエチレンであって、エチレン単独重
合体またはエチレン重合単位を50重量%以上含有する
エチレン−オレフィンランダム共重合体であり、好まし
くはエチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位を7
0重量%以上含有するエチレン−オレフィンランダム共
重合体、さらに好ましくはエチレン単独重合体もしくは
エチレン重合単位を90重量%以上含有するエチレン−
オレフィンランダム共重合体が適しており、これらの
(共)重合体は1種のみならず2種以上が混合してもよ
い。(a)成分のポリエチレンの固有粘度〔ηE〕が1
5dl/g未満であると、得られるポリプロピレン樹脂
組成物の溶融張力の向上効果が不十分となり、また固有
粘度〔ηE〕の上限については特に限定されないが、
(b)成分のポリプロピレンの固有粘度〔ηP〕との差
が大きいと,組成物とした際に(b)成分のポリプロピ
レン中への(a)成分のポリエチレンの分散が悪くな
り、結果として溶融張力が上昇しなくなる。さらに製造
上の効率からも上限は100dl/g程度とするのがよ
い。(a)成分のポリエチレンの固有粘度〔ηE〕は1
5〜100dl/g、好ましくは17〜50dl/gの
範囲である。また(a)成分のポリエチレンは135℃
のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηE〕を15dl
/gにまで高分子量化させる必要があるため、高分子量
化の効率面からエチレン重合単位が50重量%以上であ
ることが好ましい。
【0010】(a)成分のポリエチレンを構成するエチ
レンと共重合されるエチレン以外のオレフィンとして
は、特に限定されないが、炭素数3〜12のオレフィン
が好ましく用いられる。具体的には、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−
1−ペンテン等が挙げられ、これらのオレフィンは1種
のみならず2種以上であってもよい。
【0011】(a)成分のポリエチレンの密度について
は、特に限定されないが、具体的には0.880〜0.
980g/cm3程度のものが好適である。
【0012】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組
成物を構成する(b)成分のポリプロピレンは、135
℃ のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP〕が1.2
〜2.4dl/gの結晶性ポリプロピレンであって、プ
ロピレン単独重合体またはプロピレン重合単位を50重
量%以上含有するプロピレン−オレフィンランダム共重
合体もしくはプロピレン−オレフィンブロック共重合体
であり、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレン
重合単位を80重量%以上含有するプロピレン−オレフ
ィンランダム共重合体またはプロピレン重合単位を70
重量%以上含有するプロピレン−オレフィンブロック共
重合体である。これらの(共)重合体は1種のみならず
2種以上の混合物であってもよい。
【0013】(b)成分のポリプロピレンの固有粘度
〔ηP〕は1.2〜2.4dl/gの範囲である。この
範囲内で有れば、未延伸シート成形工程において、Tダ
イより押し出された溶融樹脂の冷却ロールへの密着状態
が良好となり、延伸工程での破断も発生し難くなる。得
られるポリプロピレン延伸フィルムについて、ポリプロ
ピレン二軸延伸フィルムおよびポリプロピレン一軸延伸
フィルムでは、透明性や厚み精度が良好となる。また、
ポリプロピレン延伸フィルムを溶断シール法により製袋
した場合、溶断シール強度が強く、シール強度のバラツ
キが少なく、かつ溶断シール部の外観が良好となる。さ
らに、ポリプロピレン延伸積層フィルムを製膜した際、
ヒートシール層の基材層への延展性および製膜性に優
れ、ヒートシールした場合、優れたホットタック性が得
られる。
【0014】(b)成分のポリプロピレンを構成するプ
ロピレンと共重合されるプロピレン以外のオレフィンと
しては、特に限定されないが、炭素数2〜12のオレフ
ィンが好ましく用いられる。具体的には、エチレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチ
ル−1−ペンテン等が挙げられ、これらのオレフィンは
1種のみならず2種以上であってもよい。
【0015】本発明に用いられるポリプロピレン樹脂組
成物は、前記した(a)成分のポリエチレン0.01〜
5重量部、好ましくは0.02〜2重量部、さらに好ま
しくは0.05〜1重量部と(b)成分のポリプロピレ
ン100重量部からなる。(a)成分のポリエチレンが
0.01重量部未満では、得られるポリプロピレン樹脂
の溶融張力の向上効果が少なく、また5重量部を越える
と効果が飽和しこれ以上の効果が望めず、得られるポリ
プロピレン樹脂の均質性が損なわれる場合があるので好
ましくない。本発明に用いられるポリプロピレン樹脂の
溶融張力は230℃ における溶融張力(MS)と13
5℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηT〕とが log(MS)>4.24log〔ηT〕−1.20 で表される関係にあることが好ましい。この関係を満た
すポリプロピレン樹脂では、未延伸シート成形工程にお
いてTダイより押し出された溶融樹脂のネックインやバ
タツキが著しく改善されるためポリプロピレン一軸延伸
及びポリプロピレン二軸延伸フィルムの厚み精度が良好
となる。また、溶断シール時には、シール部の強度が強
く、強度のバラツキが少なく、外観も良好となり、ヒー
トシール時には、良好なホットタック性を示す。さらに
この関係式の上限については特に限定されないが、あま
りにも溶融張力が高いとポリプロピレン延伸フィルム作
成時、製膜性が低下することから、 好ましくは 4.24log〔ηT〕+0.50>log(MS)>4.24log〔ηT〕−1.20 より好ましくは 4.24log〔ηT〕+0.24>log(MS)>4.24log〔ηT〕−1.20 の関係にあることが好ましい。
【0016】また、本発明に用いるオレフィン重合体組
成物の230℃の溶融物の周波数ω=100時の貯蔵弾
性率をG′(ω=100)、周波数ω=10-2時の貯蔵
弾性率をG′(ω=10-2)とする時に、 logG′(ω=100))−log(G′(ω=10
-2))<2 で表される関係を有するのが好ましい。また、本発明に
用いるオレフィン重合体組成物は、190℃、230
℃、250℃での4×10-1(sec-1)のせん断速度
における第一法線能力差N1が、 log(N1)>−log(MFR)+5 (但しMFRはメルトフローレート)で表される関係を
有するのが好ましい。また、本発明に用いるオレフィン
重合体組成物は、190℃、250℃での4×10
-1(sec-1)のせん断速度における第一法線能力差N
1(190℃)と、N1(250℃)とする時に、 [N1(190℃)−N1(250℃)]/N1(190
℃)<0.6 で表される関係を有するものが好ましい。また、本発明
に用いるオレフィン重合体組成物は、190℃、250
℃での3×10-1(sec-1)のせん断速度における溶
融張力MS(190℃)と、MS(250℃)とする時
に、 [MS(190℃)−MS(250℃)]/MS(19
0℃)<3.1 で表される関係を有するものが好ましい。また、本発明
に用いるオレフィン重合体組成物は、230℃の溶融物
の歪み500%の条件におけるt=10(sec)の緩
和弾性率G(t=10)とし、t=300(sec)の緩
和弾性率をG(t=300)とする時に、 [G(t=10)−G(t=300)]/G(t=10)
<1 で表される関係を有するものが好ましい。ここで、23
0℃における溶融張力(MS)はメルトテンションテス
ター2型((株)東洋精機製作所製)を用いて、温度2
30℃で溶融させたポリプロピレン樹脂組成物を直径
2.095mm、長さ20mmの穴の開いたオリフィス
から20mm/分のピストン降下速度で溶融樹脂を23
℃の大気中にストランド状に押し出し、このストランド
を3.14m/分の速度で引き取る際のストランド状ポ
リプロピレン樹脂組成物の張力を測定した値(単位:c
N)である。
【0017】本発明の請求項3に示される少なくとも一
軸方向に延伸されたポリプロピレン延伸フィルムに用い
られるポリプロピレン樹脂組成物のアイソタクチックイ
ンデックスは93〜99%の範囲であることが好まし
い。アイソタクチックインデックスが高いとフィルムの
延伸工程において延伸条件幅が狭くなり延伸破断が発生
し易くなる。またポリプロピレン延伸フィルムの引張強
度、ヤング率等の機械的強度は向上するが、溶断シール
強度は低下してしまう。逆にアイソタクチックインデッ
クスが低いと前述の延伸破断は改善される傾向になる
が、機械的強度が低下してしまう。
【0018】ここでアイソタクチックインデックスは、
23℃キシレンに不溶な樹脂成分の割合を示し、下記の
方法で測定する。キシレン400mlにポリプロピレン
樹脂4gを計り取り、キシレンの沸点(約140℃)で
数分間煮沸し全溶解させた後、23℃で24時間放置
し、ろ過により析出物とろ液を分離する。分離したろ液
をエバポレーターで溶媒のキシレンのほぼ全量を蒸発さ
せた後、メタノールを添加しキシレン中の溶解物を析出
させる。この析出物を乾燥させた後、重量を測定し下記
式により値を算出した。アイソタクチックインテ゛ックス (%)=[(40(g)−キシレン溶解物量
(g))/40(g)]×100
【0019】本発明の請求項4および請求項5に示され
るポリプロピレン延伸積層フィルムに用いられるポリプ
ロピレン樹脂組成物の融点は110〜150℃の範囲で
あることが好ましい。融点が150℃より高くなるとヒ
ートシール温度が高くなり過ぎ、好ましくない。逆に融
点が110℃より低くなると、一般的に用いられるテン
ター延伸法では、縦延伸工程で予熱ロールや延伸ロール
に巻き付いてしまう等、生産性が低下する。
【0020】ここで融点は、DSC7型(パーキンエル
マー社製)示差走査型熱量計を用いて窒素雰囲気中で1
0mgの試料を20℃から230℃まで20℃/min
の条件で昇温する。次いで、230℃で10min間保
持した後、5℃/minの条件で−20℃まで降温す
る。さらに−20℃で10min間保持した後、20℃
/minの速度で昇温させて得られる吸熱カーブのピー
ク温度を測定した値である。
【0021】本発明のポリプロピレン樹脂組成物の製造
方法としては、ポリプロピレン樹脂組成物の溶融張力が
前記範囲に入っていれば、どのような製造方法を採用し
てもよいが、以下に詳述するエチレンまたはエチレンと
その他のオレフィンにより予備活性化された触媒の存在
下に、プロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィ
ンを本(共)重合させる本方法を採用することにより容
易に製造することができる。
【0022】本明細書中において「予備活性化」との用
語は、ポリオレフィン製造用触媒の高分子量活性を、プ
ロピレン又はプロピレンと他のオレフィンとの本(共)
重合を実施するに先立って、予め活性化することを意味
し、ポリオレフィン製造用触媒の存在下にエチレンまた
はエチレンとその他のオレフィンとを予備活性化(共)
重合して触媒に担持させることにより行う。
【0023】本発明で好適に使用する予備活性化触媒
は、少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触媒
成分、遷移金属原子1モルに対し0.01〜1,000
モルの周期表(1991年版)第1族、第2族、第12
族および第13族に属する金属よりなる群から選択され
た金属の有機金属化合物(AL1)、および遷移金属原
子1モルに対し0〜500モルの電子供与体(E1)、
の組み合わせからなるポリオレフィン製造用触媒、なら
びに、この触媒に担持した遷移金属化合物成分1g当た
り0.01〜100gの135℃のテトラリン中で測定
した固有粘度〔ηB〕が15dl/gより小さい本
(共)重合目的のポリプロピレン(B)、および遷移金
属化合物触媒成分1g当たり0.01〜5,000gの
135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηA〕が
15〜100dl/gであるポリエチレン(A)、から
なる
【0024】前記予備活性化触媒において、遷移金属化
合物触媒成分として、ポリオレフィン製造用として提案
されている少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合
物触媒成分を主成分とする公知の触媒成分のいずれをも
使用することができ、中でも工業生産上、チタン含有固
体触媒が好適に使用される。
【0025】チタン含有固体触媒成分としては、三塩化
チタン組成物を主成分とするチタン含有固体触媒成分
(特公昭56−3356号公報、特公昭59−2857
3号公報、特公昭63−66323号公報等)、マグネ
シウム化合物に四塩化チタンを担持した、チタン、マグ
ネシウム、ハロゲン、および電子供与体を必須成分とす
るチタン含有担持型触媒成分(特開昭62-10481
0号公報、特開昭62-104811号公報、特開昭6
2-104812号公報、特開昭57-63310号公
報、特開昭57-63311号公報、特開昭58-830
06号公報、特開昭58-138712号公報等)など
が提案されており、これらのいずれをも使用することが
できる。
【0026】有機金属化合物(AL1)として、周期表
(1991年版)第1族、第2族、第12族および第1
3族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機
基を有する化合物、たとえば、有機リチウム化合物、有
機ナトリウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜
鉛化合物、有機アルミニウム化合物などを、前記遷移金
属化合物触媒成分と組み合わせて使用することができ
る。
【0027】特に、一般式がAlR1 p2 q
3-(p+q)(式中、R1およびR2は、アルキル基、シクロ
アルキル基、アリ−ル基等の炭化水素基およびアルコキ
シ基の同種または異種を、Xはハロゲン原子を表わし、
pおよびqは、0<p+q≦3の正数を表わす)で表わ
される有機アルミニウム化合物を好適に使用することが
できる。
【0028】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアル
ミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−
ブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジ
エチルアルミニウムクロライド、ジ−i−ブチルアルミ
ニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、
ジエチルアルミニウムアイオダイド等のジアルキルアル
ミニウムモノハライド、ジエチルアルミニウムハイドラ
イド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、エチル
アルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロライド等
のモノアルキルアルミニウムジハライドなどの他ジエト
キシモノエチルアルミニウム等のアルコキシアルキルア
ルミニウムを挙げることができ、好ましくは、トリアル
キルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムモノハ
ライドを使用する。これらの有機アルミニウム化合物
は、1種だけでなく2種類以上を混合して用いることも
できる。
【0029】電子供与体(E1)は、ポリオレフィンの
生成速度および/または立体規則性を制御することを目
的として必要に応じて使用される。電子供与体(E1)
として、たとえば、エーテル類、アルコール類、エステ
ル類、硫化水素および分子中にSi−O−C結合を有す
る有機ケイ素化合物などが挙げられる。
【0030】エーテル類としては、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n
−ブチルエーテル、ジ−i−アミルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等が、アルコー
ル類としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ぺントノール、ヘキサノール、エチレ
ングリコール、グリセリン等が、またフェノール類とし
て、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフ
ェノール、ナフトール等が挙げられる。
【0031】エステル類としては、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、ト
ルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、
アニス酸エチル、アニス酸プロピル等のモノカルボン酸
エステル類、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジ
エチル等の脂肪族多価カルボン酸エステル類、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸モノ−
n−ブチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−i
−ブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−2
−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、i−フ
タル酸ジエチル、i−フタル酸ジプロピル、i−フタル
酸ジブチル等の芳香族多価カルボン酸エステル類が挙げ
られる。
【0032】分子中にSi−O−C結合を有する有機ケ
イ素化合物として、トリメチルシラノール、トリエチル
シラノール、トリフェニルシラノール等のシラノール
類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ−
i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−ブチルジメト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルト
リエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シク
ロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメ
チルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシ
ラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン等が挙げられ
る。これらの電子供与体は、1種の単独あるいは2種類
以上を混合して使用することができる。
【0033】予備活性化触媒において、ポリエチレン
(A)は、135℃のテトラリン中で測定した固有粘度
〔ηA〕が15〜100dl/g、好ましくは17〜5
0dl/gの範囲のエチレン単独重合体またはエチレン
重合単位が50重量%以上、好ましくは70重量%以
上、さらに好ましくは90重量%以下であるエチレンと
炭素数3〜12のオレフィンとの共重合体であり、最終
的には本発明に用いるポリプロピレン樹脂組成物の
(a)成分のポリエチレンを構成する。したがって、
(a)成分のポリエチレンの固有粘度〔ηE〕とポリエ
チレン(A)の固有粘度〔ηA〕とは、〔ηE〕=
〔ηA〕の関係にある。
【0034】ポリプロピレン(A)の遷移金属化合物触
媒成分1g当たりの担持量は0.01〜5,000g、
好ましくは0.05〜2,000g、さらに好ましくは
0.1〜1,000gである。遷移金属化合物触媒成分
1g当たりの担持量が0.01g未満では、本(共)重
合で最終的に得られるポリプロピレン樹脂組成物の溶融
張力の向上効果が不十分であり、また5,000gを越
える場合にはその効果の向上が顕著でなくなるばかりで
なく、最終的に得られるポリプロピレン樹脂組成物の均
質性が悪化する場合があるので好ましくない。
【0035】一方、ポリプロピレン(B)は、135℃
のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηB〕が15dl
/gより小さい本(共)重合目的の(b)成分のポリプ
ロピレンと同一組成のポリプロピレンであり、最終的に
は本発明に用いるポリプロピレン樹脂組成物の(b)成
分のポリプロピレンの一部として組み入られる。ポリプ
ロピレン(B)は、ポリエチレン(A)の最終的に得ら
れるポリプロピレン樹脂組成物への分散性を付与する成
分であり、その意味からもその固有粘度〔ηB〕は、ポ
リエチレン(A)の固有粘度〔ηA〕より小さく、最終
的に得られるポリプロピレン樹脂の固有粘度〔ηT〕よ
り大きいことが好ましい。
【0036】一方、ポリプロピレン(B)の遷移金属化
合物触媒成分1g当たりの担持量は0.01〜100
g、換言すれば最終的に得られるポリプロピレン樹脂組
成物基準で0.001〜1重量%の範囲が好適である。
ポリプロピレン(B)の担持量が小さいと目的とするポ
リプロピレン樹脂組成物へのポリエチレン(A)の分散
性が不十分となり、また大きすぎるとポリエチレン
(A)のポリプロピレン樹脂組成物への分散性が飽和し
てしまうばかりでなく、予備活性化触媒の製造効率の低
下を招く。
【0037】本発明で、好適に使用される予備活性化触
媒は、前記少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合
物触媒成分、有機金属化合物(AL1)および所望によ
り使用される電子供与体(E1)の組み合わせからなる
ポリオレフィン製造用触媒の存在下に、本(共)重合目
的のプロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィン
を予備(共)重合させてポリプロピレン(B)を生成さ
せ、次いでエチレンまたはエチレンとその他のオレフィ
ンを予備活性化(共)重合させてポリエチレン(A)を
生成させて、遷移金属化合物触媒成分にポリプロピレン
(B)およびポリエチレン(A)を担持させる予備活性
化処理により製造する。
【0038】この予備活性化処理において、チタン化合
物を含む遷移金属化合物触媒成分、触媒成分中の遷移金
属1モルに対し0.01〜1,000モル、好ましくは
0.05〜500モルの有機金属化合物(AL1)、お
よび触媒成分中の遷移金属1モルに対し0〜500モ
ル、好ましくは0〜100モルの電子供与体(E1)を
組み合わせてポリオレフィン製造用触媒として使用す
る。
【0039】このポリオレフィン製造用触媒を、エチレ
ンまたはエチレンとその他のオレフィンの(共)重合容
積1リットル当たり、触媒成分中の遷移金属原子に換算
して0.001〜5,000ミリモル、好ましくは0.
01〜1,000ミリモル存在させ、溶媒の不存在下ま
たは遷移金属化合物触媒成分1gに対し100リットル
までの溶媒中において、本(共)重合目的のプロピレン
またはプロピレンとその他のオレフィンとの混合物0.
01〜500gを供給して予備(共)重合させて遷移金
属化合物触媒成分1gに対し0.01〜100gのポリ
プロピレン(B)を生成させ、次いでエチレンまたはエ
チレンとその他のオレフィンとの混合物0.01g〜1
0,000gを供給して予備活性化(共)重合させて遷
移金属化合物触媒成分1gに対し0.01〜5,000
gのポリエチレン(A)を生成させることにより、遷移
金属化合物触媒成分にポリプロピレン(B)およびポリ
エチレン(A)が被覆担持される。
【0040】本明細書中において、「重合容積」の用語
は、液層重合の場合には重合器内の液相部分の容積を、
気相重合の場合には重合器内の気相部分の容積を意味す
る。
【0041】遷移金属化合物触媒成分の使用量は、プロ
ピレンの効率的、かつ制御された(共)重合反応速度を
維持する上で、前記範囲であることが好ましい。また、
有機金属化合物(AL1)の使用量が、少なすぎると
(共)重合反応速度が遅くなりすぎ、また大きくしても
(共)重合反応速度のそれに見合う上昇が期待できない
ばかりか、最終的に得られるポリプロピレン組成物中に
有機金属化合物(AL1)の残さが多くなるので好まし
くない。さらに、電子供与体(E1)の使用量が大きす
ぎると、(共)重合反応速度が低下する。溶媒使用量が
大きすぎると、大きな反応容器を必要とするばかりでな
く、効率的な(共)重合反応速度の制御及び維持が困難
となる。
【0042】予備活性化処理は、たとえば、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタ
ン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環
族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素、他にガソリン留分や水素化ジーゼル油
留分等の不活性溶媒、オレフィン自身を溶媒とした液相
中で行うことができ、また溶媒を用いずに気相中で行う
ことも可能である。
【0043】予備活性化処理は、水素の存在下において
も実施してもよいが、固有粘度〔ηA〕が15〜100
dl/gの高分子量のポリエチレン(A)を生成させる
ためには、水素は用いないほうが好適である。
【0044】予備活性化処理においては、本(共)重合
目的のプロピレンまたはプロピレンとその他のオレフィ
ンとの混合物の予備(共)重合条件は、ポリプロピレン
(B)が遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01g
〜100g生成する条件であればよく、通常、−40℃
〜100℃の温度下、0.1MPa〜5MPaの圧力下
で、1分〜24時間実施する。またエチレンまたはエチ
レンとその他のオレフィンとの混合物の予備活性化
(共)重合条件は、ポリエチレン(A)が遷移金属化合
物触媒成分1g当たり0.01〜5,000g、好まし
くは0.05〜2、000g、さらに好ましくは0.1
〜1,000gの量で生成するような条件であれば特に
制限はなく、通常、−40℃〜40℃、好ましくは−4
0℃〜30℃、さらに好ましくは−40℃〜20℃程度
の比較的低温度下、0.1MPa〜5MPa、好ましく
は0.2MPa〜5MPa、特に好ましくは0.3MP
a〜5MPaの圧力下で、1分〜24時間、好ましくは
5分〜18時間、特に好ましくは10分〜12時間であ
る。
【0045】また、前記予備活性化処理後に、予備活性
化処理による本(共)重合活性の低下を抑制することを
目的として、本(共)重合目的のプロピレンまたはプロ
ピレンとその他のオレフィンとの混合物による付加重合
を、遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01〜10
0gのポリプロピレン(C)の反応量で行ってもよい。
この場合、有機金属化合物(AL1)、電子供与体(E
1)、溶媒、およびプロピレンまたはプロピレンとその
他のオレフィンとの混合物の使用量はエチレンまたはエ
チレンとその他のオレフィンとの混合物による予備活性
化重合と同様な範囲で行うことができるが、遷移金属原
子1モル当たり0.005〜10モル、好ましくは0.
01〜5モルの電子供与体の存在下に行うのが好まし
い。また、反応条件については−40〜100℃の温度
下、0.1〜5MPaの圧力下で、1分から24時間実
施する。
【0046】付加重合に使用される有機金属化合物(A
L1)、電子供与体(E1)、溶媒の種類については、
エチレンまたはエチレンとその他のオレフィンとの混合
物による予備活性化重合と同様なものを使用でき、プロ
ピレンまたはプロピレンとその他のオレフィンとの混合
物については本(共)重合目的と同様の組成のものを使
用する。付加重合で生成するポリプロピレンの固有粘度
〔ηC〕は、ポリエチレン(A)の固有粘度〔ηA〕より
小さな範囲であり、最終的には本(共)重合後の(b)
成分のポリプロピレンの一部として組み入れられる。
【0047】予備活性化触媒は、そのまま、または追加
の有機金属化合物(AL2)及び電子供与体(E2)を
さらに含有させたオレフィン本(共)重合触媒として、
目的のポリプロピレン樹脂を得るための炭素数2〜12
のオレフィンの本(共)重合に用いることができる。
【0048】前記オレフィン本(共)重合用触媒は、前
記予備活性化触媒、予備活性化触媒中の遷移金属原子1
モルに対し有機金属化合物(AL2)を活性化触媒中の
有機金属化合物(AL1)との合計(AL1+AL2)
で0.05〜3,000モル、好ましくは0.1〜1,
000モルおよび活性化触媒中の遷移金属原子1モルに
対し電子供与体(E2)を予備活性化触媒中の電子供与
体(E1)との合計(E1+E2)で0〜5,000モ
ル、好ましくは0〜3,000モルからなる。
【0049】有機金属化合物の含有量(AL1+AL
2)が小さすぎると、プロピレンまたはプロピレンとそ
の他のオレフィンの本(共)重合における(共)重合反
応速度が遅すぎ、一方過剰に大きくしても(共)重合反
応速度の期待されるほどの上昇は認められず非効率的で
あるばかりではなく、最終的に得られるポリプロピレン
組成物中に残留する有機金属化合物残さが多くなるので
好ましくない。さらに電子供与体の含有量(E1+E
2)が過大になると(共)重合反応速度が著しく低下す
る。
【0050】オレフィン本(共)重合用触媒に必要に応
じて追加使用される有機金属化合物(AL2)および電
子供与体(E2)の種類については既述の有機金属化合
物(AL1)および電子供与体(E1)と同様なものを
使用することができる。また、1種の単独使用でもよく
2種以上を混合使用してもよい。また予備活性化処理の
際に使用したものと同種でも異なっていてもよい。
【0051】オレフィン本(共)重合用触媒は、前記予
備活性化触媒中に存在する溶媒、未反応のオレフィン、
有機金属化合物(AL1)、および電子供与体(E1)
等を濾別またはデカンテーションして除去して得られた
粉粒体またはこの粉粒体に溶媒を添加した懸濁液と、追
加の有機金属化合物(AL2)および所望により電子供
与体(E2)とを組み合わせてもよく、また、存在する
溶媒および未反応のオレフィンを減圧蒸留または不活性
ガス流等により蒸発させて除去して得た粉粒体または粉
粒体に溶媒を添加した懸濁液と、所望により有機金属化
合物(AL2)及び電子供与体(E2)とを組み合わせ
てもよい。
【0052】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組
成物の製造方法として、前記予備活性化触媒またはオレ
フィン本(共)重合用触媒の使用量は、重合容積1リッ
トルあたり、予備活性化触媒中の遷移金属原子に換算し
て、0.001〜1,000ミリモル、好ましくは0.
005〜500ミリモル使用する。遷移金属化合物触媒
成分の使用量を上記範囲とすることにより、プロピレン
またはプロピレンと組成オレフィンとの混合物の効率的
かつ制御された(共)重合反応速度を維持することがで
きる。
【0053】本発明に用いられるポリプロピレン樹脂組
成物の本(共)重合は、その重合プロセスとして公知の
オレフィン(共)重合プロセスが使用可能であり、具体
的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、他にガソ
リン留分や水素化ジーゼル油留分等の不活性溶媒中で、
オレフィンの(共)重合を実施するスラリー重合法、オ
レフィン自身を溶媒として用いるバルク重合法、オレフ
ィンの(共)重合を気相中で実施する気相重合法、さら
に(共)重合して生成するポリオレフィンが液状である
液相重合、あるいはこれらのプロセスの2以上を組み合
わせた重合プロセスを使用することができる。
【0054】上記のいずれの重合プロセスを使用する場
合も、重合条件として、重合温度は20〜120℃、好
ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜100
℃の範囲、重合圧力は0.1〜5MPa、好ましくは
0.3〜5MPaの範囲において、連続的、半連続的、
若しくはバッチ的に重合時間は5分間〜24時間程度の
範囲が採用される。上記の重合条件を採用することによ
り、(b)成分のポリプロピレンを高効率かつ制御され
た反応速度で生成させることができる。
【0055】本発明に用いられるポリプロピレン樹脂組
成物の製造方法により好ましい態様においては、本
(共)重合において生成する(b)成分のポリプロピレ
ンの固有粘度が1.4〜2.4dl/gの範囲にあれ
ば、特にフィルム用途で好適となり、かつ得られるポリ
プロピレン組成物中に、使用した予備活性化触媒に由来
するポリエチレン(A)が0.01〜5重量%の範囲と
なるように重合条件を選定する。また、公知のオレフィ
ンの重合方法と同様に、重合時に水素を用いることによ
り得られる(共)重合体の分子量を調整することができ
る。
【0056】本(共)重合の終了後、必要に応じて公知
の触媒失活処理工程、触媒残さ除去工程、乾燥工程等の
後処理工程を経て、目的とする高溶融張力および高結晶
化温度を有するポリプロピレン樹脂組成物が最終的に得
られる。
【0057】本発明のポリプロピレン延伸フィルムを作
成するにあたって、本発明に用いられるポリプロピレン
樹脂組成物に、通常、熱可塑性樹脂に添加される各種添
加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、アンチブロッ
キング剤、滑剤、中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を
適宜配合することができる。
【0058】また本発明におけるポリプロピレン延伸フ
ィルムを製造する方法は、通常、工業的に用いられる方
法、例えば、一軸延伸フィルムでは、公知のTダイ法、
インフレーション法等により未延伸フィルムを得た後、
ロール延伸法等により製造することができる。二軸延伸
フィルムでは、テンター延伸、チューブラー延伸等の延
伸方法により二軸延伸することにより製造することがで
きる。なお、二軸延伸の際、二方向に同時、逐次または
多段延伸のいずれの方法も適用できる。ポリプロピレン
延伸積層フィルムでは、基材層とヒートシール層を別々
の押出機から押出し、溶融状態で複合流を作りTダイよ
り共押出し後に延伸する方法、未延伸の基材層にヒート
シール層を溶融押出ししてラミネートした後に延伸する
方法、縦延伸を施した基材層にヒートシール層を溶融押
出ししてラミネートした後に延伸する方法等により製造
することができる。また、これらフィルムは、延伸後に
緊張化または数パーセント緩和しつつ熱処理をするのが
一般的であり、その後、空気中または不活性ガス中でコ
ロナ放電等の表面処理をしてもよい。さらに本発明にお
けるヒートシール層の厚みは、特に限定されないが、一
般的に0.5〜20μm程度であり、フィルム全体の厚
みの0.2〜50%であることが好ましく、ヒートシー
ル層の厚みが薄すぎると充分なヒートシール性及びホッ
トタック性が得られなくなり、厚すぎるとフィルムの剛
性が低下し、包装作業性等に悪影響を与える。このヒー
トシール層は用途に応じ基材層の片面または両面に積層
することができる。
【0059】
【実施例】以下に、実施例および比較例を用いて本発明
を具体的に説明するが,本発明はこれに限定されるもの
ではない。実施例、比較例において用いた評価法は次の
方法によった。 固有粘度〔η〕:135℃のテトラリン中で測定した極
限粘度を、オストヴァルト粘度計(三井東圧化学(株)
製)により測定した値(単位:dl/g)。 溶融張力(MS):メルトテンションテスター2型
((株)東洋精機製作所製)により測定した値(単位:
cN) MFR:JIS K6758に準拠した。 融点:DSC7型(パーキンエルマー社製)示差走査型
熱量計を用いて窒素雰囲気中で10mgの試料を20℃
から230℃ まで20℃ /minの条件で昇温す
る。次いで230℃ で10min間保持した後、5℃
/minの条件で−20℃ まで降温する。さらに−2
0℃ で10min間保持した後、20℃/minの速
度で昇温させて得られる吸熱カーブのピーク温度を測定
した値である。
【0060】押出機吐出量 :未延伸シート成形時、1
分間に吐出された樹脂量を測定し、この値をから1時間
当たりの吐出量を算出した。 アイソタクチック:沸騰キシレンに全溶解後、23℃
に冷却し析出したポリマーインデックス(I.I) の量
を%表示した。 ネックイン:未延伸シート成形時、Tダイのスリット長
に対し、作成された未延伸シート巾が、どの程度減少し
たかを下記の式により算出した。(1−シート巾/スリ
ット長)×100 (単位:%) バタツキ:未延伸シート成形時、Tダイとキャスティン
グロール間の溶融樹脂のバタツキ(揺れ)を目視にて観察
し、以下の判定を行った。 ○;殆どバタツキ無し △;バタツキ有り ×;バタツキが激しい
【0061】厚み精度:二軸延伸フィルムの中央部20
cm(MD)×50cm(TD)の厚みを54箇所測定
し、下記式により値を算出した。 厚み精度(%)=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]
×100 ヘイズ :ASTM D1003に準拠した。 ヤング率 :ASTM D882に準拠した。 引張強度 :ASTM D882に準拠した。 線加熱収縮率 :100mm(長さ)×10mm(幅)の試験片
を長さ方向がフィルムの押出方向に対し平行な試験片と
垂直な試験片をそれぞれ切り出し、所定の温度に調整さ
れたオイルバス中に10分間浸漬させる。試験片を取り
出し、長さを測定し下記式により収縮率を算出した。 (1−熱処理後の長さ(mm)/100(mm))×100
(単位:%) ヒートシール性:60mm(長さ)×15mm(幅)の試験
片のシーラント面どうしを重ね合わせ、この状態で試験
片の端部を所定の温度に調整されたシールバーにより
0.1MPaの圧力で0.8秒間ヒートシールを施し、
重ね合わせた2枚のフィルムを熱溶着させた。この試験
片を用い引張試験機によりヒートシール部の剥離強度を
測定した。この操作をシールバーの温度を変更して行っ
た。 ホットタック性:幅75mmのスプリング板を両端が接
するようにU字型に手で曲げ、その周りに270mm
(長さ)×75mm(幅)のフィルムをシーラント面が内側
になるように覆い、スプリングよりはみ出たフィルム端
部を重ね合わせた。この状態でスプリング端部のフィル
ムを所定の温度に調整されたシールバーにより0.1M
Paの圧力で0.8秒間シールし、シールバーが上がる
と同時にスプリングから手を離し、スプリングの力を解
放し、シール部に力を与える。シール部の剥離が3mm
以内の場合、ホットタック性は合格と判断した。以上の
操作をシールバーの温度およびスプリングの力を変更し
て行った。
【0062】実施例1 (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 攪拌機付きステンレス製反応器中において、デカン0.
3リットル、無水塩化マグネシウム48g、オルトチタ
ン酸−n−ブチル170gおよび2−エチル−1−ヘキ
サノール195gを混合し、攪拌しながら130℃に1
時間加熱して溶解させ均一な溶液とした。この均一溶液
を70℃に加温し、攪拌しながらフタル酸ジ−i−ブチ
ル18gを加え1時間経過後四塩化ケイ素520gを
2.5時間かけて添加し固体を析出させ、さらに70℃
に1時間加熱保持した。固体を溶液から分離し、ヘキサ
ンで洗浄して固体生成物を得た。
【0063】固体生成物の全量を1,2−ジクロルエタ
ン1.5リットルに溶解した四塩化チタン1.5リット
ルと混合し、次いでフタル酸ジ−i−ブチル36g加
え、攪拌しながら100℃に2時間反応させた後、同温
度においてデカンテーションにより液相部を除き、再
び、1,2−ジクロルエタン1.5リットルおよび四塩
化チタン1.5リットルを加え、100℃に2時間攪拌
保持し、ヘキサンで洗浄し乾燥してチタン2.8重量%
を含有するチタン含有担持型触媒成分(遷移金属化合物
触媒成分)を得た。
【0064】(2)予備活性化触媒の調製 内容積5リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器を
窒素ガスで置換した後、n−ヘキサン2.8リットル、
トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))
4ミリモルおよび前項で調整したチタン含有担持型触媒
成分を9.0g(チタン原子換算で5.26ミリモル)
加えた後、プロピレン20g供給し、−2℃で10分
間、予備重合を行った。
【0065】別途、同一の条件で行った予備重合により
生成したポリマーを分析したところ、チタン含有担持型
触媒成分1g当たり、プロピレン2gがポリプロピレン
(B)となり、ポリプロピレン(B)の135℃のテト
ラリン中で測定した固有粘度〔ηB〕が2.8dl/g
であった。
【0066】反応時間終了後、未反応のプロピレンを反
応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内の温度を−1℃に保ちつつ、反応器内の圧
力が0.59MPaを維持するようにエチレンを反応器
に連続的に2時間供給し、予備活性化を行った。
【0067】別途、同一の条件で行った予備活性化重合
により生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担
持型触媒成分1g当たり、ポリマーが24g存在し、か
つポリマーの135℃のテトラリン中で測定した固有粘
度〔ηT2〕が31.4dl/gであった。
【0068】エチレンによる予備活性化重合で生成した
チタン含有担持型触媒成分1g当たりのポリエチレン
(A)量(W2)は、予備活性化処理後のチタン含有担
持型触媒成分1g当たりのポリマー生成量(WT2)と予
備重合後のチタン含有担持型触媒成分1g当たりのポリ
プロピレン(B)生成量(W1)との差として次式で求
められる。 W2=WT2−W1
【0069】また、エチレンによる予備活性化重合で生
成したポリエチレン(A)の固有粘度〔ηA〕は、予備
重合で生成したポリプロピレン(B)の固有粘度
〔ηB〕および予備活性化処理で生成したポリマーの固
有粘度〔ηT2〕から次式により求められる。 〔ηA〕=(〔ηT2〕×WT2−〔ηB〕×W1 )/(WT2
−W1 )=〔ηE〕 上記式に従ってエチレンによる予備活性化重合で生成し
たポリエチレン(A)量は、チタン含有担持型触媒成分
1g当たり22g、固有粘度〔ηE〕は34.0dl/
gであった。
【0070】反応時間終了後、未反応のエチレンを反応
器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内にジイソプロピルジメトキシシラン(電子
供与体(E1))1.6ミリモルを加えた後、プロピレ
ン20gを供給し、1℃で10分間保持し、予備活性化
処理後の付加重合を行った。別途、同一の条件で行った
付加重合で生成したポリマーの分析結果は、チタン含有
担持型触媒成分1g当たり、ポリマーが26g存在し、
かつポリマーの135℃のテトラリン中で測定した固有
粘度〔ηT3〕が29.2dl/gであり、上記と同様に
して算出した付加重合により生成したポリプロピレンの
生成量(W3)は、チタン含有担持型触媒成分1g当た
り2g、固有粘度〔ηC〕は2.8dl/gであった。
【0071】反応時間終了後、未反応のプロピレンを反
応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換し、
本(共)重合用の予備活性化触媒スラリーとした。
【0072】(3)ポリプロピレン組成物の製造(プロ
ピレンの本(共)重合) 内容積500リットルの攪拌機付き、ステンレス製重合
器を窒素置換した後、20℃においてn−ヘキサン24
0リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物
(AL2))780ミリモル、ジイソプロピルジメトキ
シシラン(電子供与体(E2))78ミリモルおよび前
記で得た予備活性化触媒スラリーの1/2量を重合器内
に投入した。引き続いて、水素55リットルを重合器内
に導入し、70℃に昇温した後、重合温度70℃の条件
下、重合器内の気相部圧力が0.79MPaを保持しな
がらプロピレンを連続的に2時間、重合器内に供給しプ
ロピレンの本重合を実施した。
【0073】重合時間経過後、メタノール1リットルを
重合器内に導入し、触媒失活反応を70℃にて15分間
実施し、引き続き未反応ガスを排出後、溶媒分離、重合
体の乾燥を行い、固有粘度〔ηT〕が1.97dl/g
のポリマー40.1kgを得た。得られたポリマーは
(a)成分に該当する予備活性化重合によるポリエチレ
ン(A)含有率0.25重量%のポリプロピレン樹脂組
成物であり、(b)成分のポリプロピレンの固有粘度
〔ηT〕は1.89dl/gであった。
【0074】(4)ポリプロピレン樹脂の造粒 得られたポリプロピレン樹脂100重量部に対して、酸
化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重
量部を配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で1分間
攪拌混合した。得られた混合物をスクリュー径40mm
の押出機を用いて溶融混練温度230℃にて溶融混練押
出し、ペレットを得た。得られたペレットの各種物性を
測定したところ、MFRは3.5g/10分、溶融張力
は4.9cN、アイソタクチックインデックスは、96
%であった。
【0075】(5)一軸延伸フィルムの製造 得られたペレットをスクリュー径65mm押出機にて押
出温度250℃、スクリュー回転数13rpmにて溶融
押出を行い、温度90℃、引取速度2.1m/分の冷却
ロールにて冷却固化することにより厚さ約175μmの
未延伸フィルムを得た。このフィルム製造時、ネックイ
ン、バタツキを評価し、その結果を第2表に示した。得
られた未延伸フィルムを温度130℃の予熱ロールで加
熱し、速度15m/分の延伸ロールで7倍の延伸を行い
厚さ25μmの一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸
延伸フィルムの幅を測定し、幅落ち率を算出し、さらに
所定の試験片を切り出しフィルム物性を測定し、その結
果を第2表に示した。
【0076】比較例1 チタン含有担持型触媒成分のエチレンによる予備活性化
重合を実施しなかったことを除き、実施例1と同一の条
件で処理してポリプロピレン樹脂の製造を行った。得ら
れたポリプロピレン樹脂を用いて実施例1に準拠して評
価を行った。得られたポリプロピレン樹脂組成物の諸物
性を第1表に、一軸延伸フィルムの物性測定結果等を第
2表に示した。
【0077】実施例2 実施例1において、エチレンによる予備活性化重合条件
を変化させてポリエチレン(A)の生成量を変えたこと
を除いては実施例1と同一の条件でポリプロピレン樹脂
組成物の製造を行った。得られたポリプロピレン樹脂組
成物を用いて実施例1に準拠して評価を行った。得られ
たポリプロピレン樹脂組成物の諸物性を第1表に、一軸
延伸フィルムの物性測定結果等を第2表に示した。
【0078】比較例2 実施例1において、エチレンによる予備活性化重合条件
を変化させてポリエチレン(A)の生成量を変えたこと
を除いては実施例1と同一の条件でポリプロピレン樹脂
組成物の製造を行った。得られたポリプロピレン樹脂組
成物を用いて実施例1に準拠して評価を行った。得られ
たポリプロピレン樹脂組成物の諸物性を第1表に、一軸
延伸フィルムの物性測定結果等を第2表に示した。
【0079】実施例3 (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 攪拌機付きステンレス製反応器中において、デカン3
7.5リットル、無水塩化マグネシウム7.14kg、
および2−エチル−1−ヘキサノール35.1リットル
を混合し、攪拌しながら140℃に4時間加熱反応を行
って均一な溶液とした。この均一溶液中に無水フタル酸
1.67kgを添加し、さらに130℃にて1時間攪拌
混合を行い、無水フタル酸をこの均一溶液に溶解した。
【0080】得られた均一溶液を室温(23℃)に冷却
した後、この均一溶液を−20℃に保持した四塩化チタ
ン200リットル中に3時間かけて全量滴下した。滴下
後、4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達した
ところでフタル酸ジ−i−ブチル5.03リットルを添
加し、2時間110℃にて攪拌保持して反応を行った。
2時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、固体
部を275リットルの四塩化チタンにて再懸濁させた
後、再び110℃で2時間、反応を持続した。
【0081】反応終了後、再び熱濾過により固体部を採
取し、n−ヘキサンにて、洗浄液中に遊離のチタンが検
出されなくなるまで充分洗浄した。続いて、濾過により
溶媒を分離し、固体部を減圧乾燥してチタン2.4重量
%を含有するチタン含有担持型触媒成分(遷移金属化合
物触媒成分)を得た。
【0082】(2)予備活性化触媒の調製 内容積30リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器
を窒素ガスで置換後、n−ヘキサン18リットル、トリ
エチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))60
ミリモルおよび前項で調整したチタン含有担持型触媒成
分を150g(チタン原子換算で75.16ミリモル)
を添加した後、プロピレン210gを供給し、−1℃で
20分間、予備重合を行った。
【0083】別途、同一の条件で行った予備重合後に生
成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒
成分1g当たり、1.2gのポリプロピレンと(B)が
生成し、このポリプロピレン(B)の135℃のテトラ
リン中で測定した固有粘度〔ηB〕が2.7dl/gで
あった。
【0084】反応時間終了後、未反応のプロピレンを反
応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内の温度を−1℃に保持しながら、圧反応器
内の圧力を0.59MPaに維持するようにエチレンを
反応器に連続的に3時間供給し、予備活性化重合を行っ
た。別途、同一の条件で行った予備活性化重合後に生成
したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成
分1g当たり、ポリマーが33.2g存在し、かつポリ
マーの135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔η
T2〕が29.2dl/gであった。これらの結果からエ
チレンによる予備活性化重合により新たに生成したポリ
エチレン(A)の量はチタン含有担持型触媒成分1g当
たり32g、固有粘度〔ηA〕は30.2dl/gであ
った。
【0085】反応時間終了後、未反応のエチレンを反応
器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内にジイソプロピルジメトキシシラン(電子
供与体(E1)22.5ミリモルを加えた後、プロピレ
ン385gを供給し、0℃で20分間保持し、予備活性
化処理後の付加重合を行った。反応時間終了後、未反応
のプロピレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1
回、窒素置換し、本(共)重合用の予備活性化触媒スラ
リーとした。別途、同一の条件で行った付加重合により
生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触
媒成分1g当たり、ポリマーが35g存在し、かつポリ
マーの135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔η
T3〕が27.8dl/gであった。この結果から、付加
重合により新たに生成したポリプロピレンの量はチタン
含有担持型触媒成分1g当たり2.2g、また固有粘度
〔ηC〕は2.8dl/gであった。
【0086】(3)ポリプロピレン組成物の製造(プロ
ピレンの本(共)重合) 窒素置換された、内容積110リットルの攪拌機を備え
た連続式横型気相重合器(長さ/直径=3.7)に、ポ
リプロピレンパウダーを25kg導入し、さらに予備活
性化触媒スラリーをチタン含有担持型触媒成分として
0.61g/h、トリエチルアルミニウム(有機金属化
合物(AL2))およびジイソプロピルジメトキシシラ
ン(電子供与体(E2))の15重量%n−ヘキサン溶
液をチタン含有担持型触媒成分中のチタン原子に対し、
それぞれモル比が90および15となるように連続的に
供給した。
【0087】さらに、重合温度70℃の条件下、重合器
内の水素濃度のプロピレン濃度に対する比が0.006
となるように水素を、重合器内の圧力が2.15MPa
を保持するようにプロピレンをそれぞれ重合器内に供給
して、プロピレンの気相重合を150時間連続して行っ
た。重合期間中は重合器内の重合体の保有レベルが60
容積%となるように重合器からポリマーを11kg/h
の速度で抜き出した。抜き出したポリマーを、水蒸気を
5容積%含む窒素ガスにより100℃にて30分間接触
処理し、固有粘度〔ηT〕が1.80dl/gであるポ
リマーを得た。ポリマー中の予備活性化処理により生成
したポリエチレン(A)含有率は0.18重量%および
ポリプロピレンの固有粘度〔ηP〕は1.75dl/g
であった。
【0088】引き続いて、実施例1と同様の条件で、造
粒しペレットを得た。得られたペレットについて各種物
性を評価測定した結果、MFRは6.0g/10分、溶
融張力(MS)は2.5cN、アイソタクチックインデ
ックスは98%であった。得られたポリプロピレン樹脂
組成物を用いて実施例1に準拠して評価を行い、得られ
たポリプロピレン樹脂組成物の諸物性を第1表に、一軸
延伸フィルムの物性測定結果等を第2表に示した。
【0089】比較例3 実施例3において、エチレンによる予備活性化重合を実
施しなかったことを除いては実施例3と同一の条件でポ
リプロピレン樹脂組成物を製造を行った。得られたポリ
プロピレン樹脂組成物を用いて実施例1に準拠して評価
を行った。得られたポリプロピレン樹脂組成物の諸物性
を第1表に、一軸延伸フィルムの物性測定結果等を第2
表に示した。
【0090】実施例4 (1)遷移金属化合物触媒成分の調整 実施例3と同一の条件で、チタン含有担持型触媒成分を
得た。 (2)予備活性化触媒の調整 実施例3におけるエチレンによる予備活性化重合条件の
反応温度を0℃に、エチレン以外にプロピレンを30g
供給したこと、および反応時間を45分間としたこと以
外は実施例3と同一の条件で予備活性化触媒スラリーを
得た。
【0091】別途、同一条件で行った予備活性化処理を
経た触媒の分析結果、チタン含有担持型触媒成分1g当
たり、ポリマーが23.2g存在し、かつポリマーの1
35℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηT2〕は2
1.5dl/gであり、予備活性化処理により、固有粘
度〔ηA〕が22.5dl/g、プロピレン重合単位含
有量が0.7重量%(13C−NMRにて定量)である。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)がチタン
含有担持型触媒成分1g当たり22g生成していた。
【0092】さらに別途、同一条件で行った予備活性化
処理後の付加重合により得られたポリマーの分析結果
は、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、ポリマーが
25.3g存在し、かつポリマーの135℃のテトラリ
ン中で測定した固有粘度〔ηT3〕は19.9dl/gで
あり、付加重合により、新たに固有粘度〔ηC〕が2.
2dl/gのポリマーがチタン含有担持型触媒成分1当
たり2.1g生成していた。
【0093】(3)ポリプロピレン組成物の製造(プロ
ピレンの本(共)重合) 実施例3の(3)において、予備活性化触媒スラリーと
して、上記(2)で得た予備活性化触媒スラリーを使用
したこと、重合器内の水素濃度のプロピレン濃度に対す
る比を0.012としたこと、および重合器中にプロピ
レン以外にエチレンを重合器内のプロピレン濃度に対す
る比が0.003を保つように連続的に供給したことを
除いては、実施例3と同一の条件で気相重合を150時
間連続して行い、1.54dl/gの固有粘度〔ηT
を有し、エチレン重合単位を0.8重量%含有するポリ
プロピレン樹脂を11.6Kg/hの速度で得た。ポリ
プロピレン樹脂中の予備活性化処理により生成したエチ
レン−プロピレンランダム共重合体(A)の含有率は
0.12重量%およびプロピレン−エチレン共重合体の
固有粘度〔ηP〕は1.54dl/gであった。
【0094】引き続いて、実施例1と同様の条件で、造
粒しペレットを得た。得られたペレットについて各種物
性を評価測定した結果、MFRは15.4g/10分、
溶融張力(MS)は1.4cN、アイソタクチックイン
デックスは94%であった。得られたポリプロピレン樹
脂組成物を用いて実施例1に準拠して評価を行い、得ら
れたポリプロピレン樹脂組成物の諸物性を第1表に、一
軸延伸フィルムの物性測定結果等を第2表に示した。
【0095】比較例4 実施例4において、エチレンおよびプロピレンによる予
備活性化処理を実施しなかったことを除いては、実施例
4と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製造を行
い、得られたポリプロピレン樹脂組成物を用いて実施例
1に準拠して評価を行い、得られたポリプロピレン樹脂
組成物の諸物性を第1表に、一軸延伸フィルムの物性測
定結果等を第2表に示した。
【0096】実施例5 実施例1と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製
造を行い、ペレットを得た。得られたペレットをスクリ
ュー径65mm押出機にて押出温度250℃、スクリュ
ー回転数60rpmにて溶融押出を行い、温度30℃、
引取速度20rpmの冷却ロールにて冷却固化すること
により厚さ1mmの未延伸シートを得た。このシート作
成時、吐出量、ネックイン、バタツキを評価し、その結
果を第3表に示した。得られたシートをバッチ式延伸機
にて温度162℃で縦方向に5倍延伸を行い、引き続い
て横方向に8倍延伸を行い厚さ25μmの二軸延伸フィ
ルムを得た。得られたフィルムより所定の試験片を切り
出しフィルム物性を測定し、その結果を第3表に示し
た。
【0097】比較例5 比較例1と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製
造を行い、ペレットを得た。得られたペレットを用いて
実施例5に準拠して評価を行った。二軸延伸フィルムの
物性測定結果等を第3表に示した。
【0098】実施例6 実施例2と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製
造を行い、ペレットを得た。得られたペレットを用いて
実施例5に準拠して評価を行った。二軸延伸フィルムの
物性測定結果等を第3表に示した。
【0099】比較例6 比較例2と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製
造を行い、ペレットを得た。得られたペレットを用いて
実施例5に準拠して評価を行った。二軸延伸フィルムの
物性測定結果等を第3表に示した。
【0100】実施例7 実施例3と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製
造を行い、ペレットを得た。得られたペレットを用いて
実施例5に準拠して評価を行った。二軸延伸フィルムの
物性測定結果等を第3表に示した。
【0101】比較例7 比較例3と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製
造を行い、ペレットを得た。得られたペレットを用いて
実施例5に準拠して評価を行った。二軸延伸フィルムの
物性測定結果等を第3表に示した。
【0102】実施例8 実施例4と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製
造を行い、ペレットを得た。得られたペレットを用いて
実施例5に準拠して評価を行った。二軸延伸フィルムの
物性測定結果等を第3表に示した。
【0103】比較例8 比較例8と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製
造を行い、ペレットを得た。得られたペレットを用いて
実施例5に準拠して評価を行った。二軸延伸フィルムの
物性測定結果等を第3表に示した。
【0104】実施例9 (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 攪拌機付きステンレス製反応器中において、デカン3
7.5リットル、無水塩化マグネシウム7.14kg、
および2−エチル−1−ヘキサノール35.1リットル
を混合し、攪拌しながら140℃に4時間加熱反応を行
って均一な溶液とした。この均一溶液中に無水フタル酸
1.67kgを添加し、さらに130℃にて1時間攪拌
混合を行い、無水フタル酸をこの均一溶液に溶解した。
【0105】得られた均一溶液を室温(23℃)に冷却
した後、この均一溶液を−20℃に保持した四塩化チタ
ン200リットル中に3時間かけて全量滴下した。滴下
後、4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達した
ところでフタル酸ジ−i−ブチル5.03リットルを添
加し、2時間110℃にて攪拌保持して反応を行った。
2時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、固体
部を275リットルの四塩化チタンにて再懸濁させた
後、再び110℃で2時間、反応を持続した。
【0106】反応終了後、再び熱濾過により固体部を採
取し、n−ヘキサンにて、洗浄液中に遊離のチタンが検
出されなくなるまで充分洗浄した。続いて、濾過により
溶媒を分離し、固体部を減圧乾燥してチタン2.4重量
%を含有するチタン含有担持型触媒成分(遷移金属化合
物触媒成分)を得た。
【0107】(2)予備活性化触媒の調製 内容積30リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器
を窒素ガスで置換後、n−ヘキサン18リットル、トリ
エチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))60
ミリモルおよび前項で調整したチタン含有担持型触媒成
分を150g(チタン原子換算で75.16ミリモル)
を添加した後、プロピレン210gを供給し、−1℃で
20分間、予備重合を行った。
【0108】別途、同一の条件で行った予備重合後に生
成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒
成分1g当たり、1.2gのポリプロピレンと(B)が
生成し、このポリプロピレン(B)の135℃のテトラ
リン中で測定した固有粘度〔ηB〕が2.7dl/gで
あった。
【0109】反応時間終了後、未反応のプロピレンを反
応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内の温度を−1℃に保持しながら、圧反応器
内の圧力を0.59MPaに維持するようにエチレンを
反応器に連続的に3時間供給し、予備活性化重合を行っ
た。別途、同一の条件で行った予備活性化重合後に生成
したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成
分1g当たり、ポリマーが33.2g存在し、かつポリ
マーの135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔η
T2〕が29.2dl/gであった。従ってエチレンによ
る予備活性化重合で生成したポリエチレン(A)量は、
チタン含有担持型触媒成分1g当たり32g、固有粘度
〔ηA〕は30.2dl/gであった。
【0110】反応時間終了後、未反応のエチレンを反応
器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内にジイソプロピルジメトキシシラン(電子
供与体(E1)22.5ミリモルを加えた後、プロピレ
ン385gを供給し、0℃で20分間保持し、予備活性
化処理後の付加重合を行った。反応時間終了後、未反応
のプロピレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1
回、窒素置換し、本(共)重合用の予備活性化触媒スラ
リーとした。別途、同一の条件で行った付加重合により
生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触
媒成分1g当たり、ポリマーが35g存在し、かつポリ
マーの135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔η
T3〕が27.8dl/gであった。この結果から、付加
重合により新たに生成したポリプロピレンの量はチタン
含有担持型触媒成分1g当たり2.2g、また固有粘度
〔ηC〕は2.8dl/gであった。
【0111】(3)ポリプロピレン組成物の製造(プロ
ピレンの本(共)重合) 窒素置換された、内容積110リットルの攪拌機を備え
た連続式横型気相重合器(長さ/直径=3.7)に、ポ
リプロピレンパウダーを25kg導入し、さらに予備活
性化触媒スラリーをチタン含有担持型触媒成分として
0.61g/h、トリエチルアルミニウム(有機金属化
合物(AL2))およびジイソプロピルジメトキシシラ
ン(電子供与体(E2))の15重量%n−ヘキサン溶
液をチタン含有担持型触媒成分中のチタン原子に対し、
それぞれモル比が90および15となるように連続的に
供給した。
【0112】さらに、重合温度70℃の条件下、重合器
内の水素濃度のプロピレン濃度に対する比が0.006
となるように水素を、重合器内の圧力が2.15MPa
を保持するようにプロピレンをそれぞれ重合器内に供給
して、プロピレンの気相重合を150時間連続して行っ
た。重合期間中は重合器内の重合体の保有レベルが60
容積%となるように重合器からポリマーを11kg/h
の速度で抜き出した。抜き出したポリマーを、水蒸気を
5容積%含む窒素ガスにより100℃にて30分間接触
処理し、固有粘度〔ηT〕が1.80dl/gであるポ
リマーを得た。ポリマー中の予備活性化処理により生成
したポリエチレン(A)含有率は0.18重量%および
ポリプロピレンの固有粘度〔ηP〕は1.75dl/g
であった。この得られたポリプロピレン樹脂組成物の詳
細な諸特性を第4表に示した。
【0113】(4)ポリプロピレン樹脂の造粒 得られたポリプロピレン樹脂100重量部に対して、酸
化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル0.1重量部およびステアリン酸カルシウム0.1重
量部を配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で1分間
攪拌混合した。得られた混合物をスクリュー径60mm
の押出機を用いて溶融混練温度230℃にて溶融混練押
出し、ペレットを得た。得られたペレットについて各種
物性を評価測定した結果、MFRは6.0g/10分、
溶融張力(MS)は2.5cN、アイソタクチックイン
デックスは98%であった。
【0114】(5)二軸延伸フィルムの作成 得られたペレットを押出温度250℃で未延伸フィルム
を製造した。得られた未延伸フィルムを押出方向に14
3℃で4.5倍延伸し、幅方向に165℃で9.0倍延
伸し、二軸延伸フィルムを製造した。得られた二軸延伸
フィルムを用いて、溶断シール強度および所定の試験片
を切り出しフィルム物性を測定し、その結果を第5表に
示した。
【0115】比較例9 実施例9において、エチレンによる予備活性化重合を実
施しなかったことを除いては実施例9と同一の条件でポ
リプロピレン樹脂の製造を行った。得られたポリプロピ
レン樹脂を用いて実施例9に準拠して評価を行った。得
られたポリプロピレン樹脂の諸物性を第4表に、二軸延
伸フィルムの物性測定結果等を第5表に示した。
【0116】実施例10から実施例12 実施例9において、エチレンによる予備活性化重合条件
を変化させてポリエチレン(A)の生成量を変えたこ
と、ポリプロピレンの製造(本重合)条件を変化させてア
イソタクチックインデックスを変えたことを除いては実
施例9と同一の条件でポリプロピレン樹脂の製造を行っ
た。得られたポリプロピレン樹脂組成物を用いて実施例
9に準拠して評価を行った。得られたポリプロピレン樹
脂組成物の諸物性を第4表に、二軸延伸フィルムの物性
測定結果等を第5表に示した。
【0117】比較例10 実施例10において、エチレンによる予備活性化重合を
実施しなかったことを除いては実施例10と同一の条件
でポリプロピレン樹脂組成物の製造を行った。得られた
ポリプロピレン樹脂を用いて実施例9に準拠して評価を
行った。得られたポリプロピレン樹脂組成物の諸物性を
第4表に、二軸延伸フィルムの物性測定結果等を第5表
に示した。
【0118】比較例11 実施例9において、エチレンによる予備活性化重合条件
を変化させてポリエチレン(A)の生成量を変えたこ
と、ポリプロピレンの製造(本重合)条件を変化させてア
イソタクチックインデックスを変えたことを除いては実
施例9と同一の条件でポリプロピレン樹脂組成物の製造
を行った。得られたポリプロピレン樹脂組成物を用いて
実施例9に準拠して評価を行った。得られたポリプロピ
レン樹脂組成物の諸物性を第4表に、二軸延伸フィルム
の物性測定結果等を第5表に示した。
【0119】実施例13 (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 攪拌機付きステンレス製反応器中において、デカン0.
3リットル、無水塩化マグネシウム48g、オルトチタ
ン酸−n−ブチル170gおよび2−エチル−1−ヘキ
サノール195gを混合し、攪拌しながら130℃に1
時間加熱して溶解させ均一な溶液とした。この均一溶液
を70℃に加温し、攪拌しながらフタル酸ジ−i−ブチ
ル18gを加え1時間経過後四塩化ケイ素520gを
2.5時間かけて添加し固体を析出させ、さらに70℃
に1時間加熱保持した。固体を溶液から分離し、ヘキサ
ンで洗浄して固体生成物を得た。
【0120】固体生成物の全量を1,2−ジクロルエタ
ン1.5リットルに溶解した四塩化チタン1.5リット
ルと混合し、次いでフタル酸ジ−i−ブチル36g加
え、攪拌しながら100℃に2時間反応させた後、同温
度においてデカンテーションにより液相部を除き、再
び、1,2−ジクロルエタン1.5リットルおよび四塩
化チタン1.5リットルを加え、100℃に2時間攪拌
保持し、ヘキサンで洗浄し乾燥してチタン2.8重量%
を含有するチタン含有担持型触媒成分(遷移金属化合物
触媒成分)を得た。
【0121】(2)予備活性化触媒の調製 内容積5リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器を
窒素ガスで置換した後、n−ヘキサン2.8リットル、
トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))
4ミリモルおよび前項で調整したチタン含有担持型触媒
成分を9.0g(チタン原子換算で5.26ミリモル)
加えた後、プロピレン20g供給し、−2℃で10分
間、予備重合を行った。
【0122】別途、同一の条件で行った予備重合により
生成したポリマーを分析したところ、チタン含有担持型
触媒成分1g当たり、プロピレン2gがポリプロピレン
(B)となり、ポリプロピレン(B)の135℃のテト
ラリン中で測定した固有粘度〔ηB〕が2.8dl/g
であった。
【0123】反応時間終了後、未反応のプロピレンを反
応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内の温度を−1℃に保ちつつ、反応器内の圧
力が0.59MPaを維持するようにエチレンを反応器
に連続的に2時間供給し、予備活性化を行った。
【0124】別途、同一の条件で行った予備活性化重合
により生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担
持型触媒成分1g当たり、ポリマーが24g存在し、か
つポリマーの135℃のテトラリン中で測定した固有粘
度〔ηT2〕が31.4dl/gであった。従ってエチレ
ンによる予備活性化重合で生成したポリエチレン(A)
量は、チタン含有担持型触媒成分1g当たり22g、固
有粘度〔ηE〕は34.0dl/gであった。
【0125】反応時間終了後、未反応のエチレンを反応
器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内にジイソプロピルジメトキシシラン(電子
供与体(E1))1.6ミリモルを加えた後、プロピレ
ン20gを供給し、1℃で10分間保持し、予備活性化
処理後の付加重合を行った。別途、同一の条件で行った
付加重合で生成したポリマーの分析結果は、チタン含有
担持型触媒成分1g当たり、ポリマーが26g存在し、
かつポリマーの135℃のテトラリン中で測定した固有
粘度〔ηT3〕が29.2dl/gであり、上記と同様に
して算出した付加重合により生成したポリプロピレンの
生成量(W3)は、チタン含有担持型触媒成分1g当た
り2g、固有粘度〔ηC〕は2.8dl/gであった。
【0126】反応時間終了後、未反応のプロピレンを反
応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換し、
本(共)重合用の予備活性化触媒スラリーとした。
【0127】(3)ポリプロピレン組成物の製造(プロ
ピレンの本(共)重合) 内容積500リットルの攪拌機付き、ステンレス製重合
器を窒素置換した後、20℃においてn−ヘキサン24
0リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物
(AL2))780ミリモル、ジイソプロピルジメトキ
シシラン(電子供与体(E2))78ミリモルおよび前
記で得た予備活性化触媒スラリーの1/2量を重合器内
に投入した。引き続いて、プロピレン濃度に対する水素
濃度およびエチレン濃度を各々0.04および0.03
になるように供給し、60℃に昇温した後、重合器内の
気相部圧力が、0.79MPaを保持しながらプロピレ
ン、水素およびエチレンを連続的に2時間、重合器内に
供給しプロピレン−α−オレフィンの共重合を実施し
た。
【0128】重合時間経過後、メタノール1リットルを
重合器内に導入し、触媒失活反応を60℃にて15分間
実施し、引き続き未反応ガスを排出後、溶媒分離、重合
体の乾燥を行い、固有粘度〔ηT〕が1.91dl/g
のポリマー41.0kgを得た。得られたポリマーは
(a)成分に該当する予備活性化重合によるポリエチレ
ン(A)含有率0.25重量%のポリプロピレン樹脂で
あり、(b)成分のプロピレン−α−オレフィン共重合
体の固有粘度〔ηP〕は1.83dl/gであった。こ
の得られたポリプロピレン樹脂組成物の詳細な諸特性を
第6表に示した。
【0129】(4)ポリプロピレン樹脂の造粒 実施例1と同一の条件で溶融混練し、ペレットを得た。
得られたペレットの各種物性を測定したところ、MFR
は3.7g/10分、溶融張力は1.8cN、融点は1
48℃であった。
【0130】(5)二軸延伸フィルムの作成 スクリュー径65mm押出機とスクリュー径40mm押
出機および二種二層Tダイからなる多層押出機を用いて
基材層にホモポリプロピレン(MFR;1.8g/10
分、融点;163℃)、ヒートシール層に前述のペレッ
トを温度250℃で溶融共押出しし、温度20℃、引取
速度3m/分の冷却ロールにて冷却固化することにより
厚さ1mmの未延伸積層シートを得た。得られた未延伸
積層シートをバッチ式延伸機にて温度160℃で縦方向
に5倍延伸を行い、引き続いて横方向に8倍延伸を行い
厚さ約25μmの二軸延伸積層フィルムを得た。得られ
たフィルムより所定の試験片を切り出しフィルム物性を
測定し、その結果を第7表に示した。
【0131】実施例14 (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 攪拌機付きステンレス製反応器中において、デカン3
7.5リットル、無水塩化マグネシウム7.14kg、
および2−エチル−1−ヘキサノール35.1リットル
を混合し、攪拌しながら140℃に4時間加熱反応を行
って均一な溶液とした。この均一溶液中に無水フタル酸
1.67kgを添加し、さらに130℃にて1時間攪拌
混合を行い、無水フタル酸をこの均一溶液に溶解した。
【0132】得られた均一溶液を室温(23℃)に冷却
した後、この均一溶液を−20℃に保持した四塩化チタ
ン200リットル中に3時間かけて全量滴下した。滴下
後、4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達した
ところでフタル酸ジ−i−ブチル5.03リットルを添
加し、2時間110℃にて攪拌保持して反応を行った。
2時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、固体
部を275リットルの四塩化チタンにて再懸濁させた
後、再び110℃で2時間、反応を持続した。
【0133】反応終了後、再び熱濾過により固体部を採
取し、n−ヘキサンにて、洗浄液中に遊離のチタンが検
出されなくなるまで充分洗浄した。続いて、濾過により
溶媒を分離し、固体部を減圧乾燥してチタン2.4重量
%を含有するチタン含有担持型触媒成分(遷移金属化合
物触媒成分)を得た。
【0134】(2)予備活性化触媒の調製 内容積30リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器
を窒素ガスで置換後、n−ヘキサン18リットル、トリ
エチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))60
ミリモルおよび前項で調整したチタン含有担持型触媒成
分を150g(チタン原子換算で75.16ミリモル)
を添加した後、プロピレン210gを供給し、−1℃で
20分間、予備重合を行った。
【0135】別途、同一の条件で行った予備重合後に生
成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒
成分1g当たり、1.2gのポリプロピレンと(B)が
生成し、このポリプロピレン(B)の135℃のテトラ
リン中で測定した固有粘度〔ηB〕が2.7dl/gで
あった。
【0136】反応時間終了後、未反応のプロピレンを反
応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内の温度を−1℃に保持しながら、圧反応器
内の圧力を0.59MPaに維持するようにエチレンを
反応器に連続的に3時間供給し、予備活性化重合を行っ
た。別途、同一の条件で行った予備活性化重合後に生成
したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成
分1g当たり、ポリマーが33.2g存在し、かつポリ
マーの135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔η
T2〕が29.2dl/gであった。これらの結果からエ
チレンによる予備活性化重合により新たに生成したポリ
エチレン(A)の量はチタン含有担持型触媒成分1g当
たり32g、固有粘度〔ηA〕は30.2dl/gであ
った。
【0137】反応時間終了後、未反応のエチレンを反応
器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した
後、反応器内にジイソプロピルジメトキシシラン(電子
供与体(E1)22.5ミリモルを加えた後、プロピレ
ン385gを供給し、0℃で20分間保持し、予備活性
化処理後の付加重合を行った。反応時間終了後、未反応
のプロピレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1
回、窒素置換し、本(共)重合用の予備活性化触媒スラ
リーとした。別途、同一の条件で行った付加重合により
生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触
媒成分1g当たり、ポリマーが35g存在し、かつポリ
マーの135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔η
T3〕が27.8dl/gであった。この結果から、付加
重合により新たに生成したポリプロピレンの量はチタン
含有担持型触媒成分1g当たり2.2g、また固有粘度
〔ηC〕は2.8dl/gであった。
【0138】(3)ポリプロピレン組成物の製造(プロ
ピレンの本(共)重合) 窒素置換された、内容積110リットルの攪拌機を備え
た連続式横型気相重合器(長さ/直径=3.7)に、ポ
リプロピレンパウダーを25kg導入し、さらに予備活
性化触媒スラリーをチタン含有担持型触媒成分として
0.81g/h、トリエチルアルミニウム(有機金属化
合物(AL2))およびジイソプロピルジメトキシシラ
ン(電子供与体(E2))の15重量%n−ヘキサン溶
液をチタン含有担持型触媒成分中のチタン原子に対し、
それぞれモル比が90および15となるように連続的に
供給した。
【0139】さらに、重合温度60℃の条件下、重合器
内の水素濃度のプロピレン濃度に対する水素濃度および
エチレン濃度の比を各々0.02となるように水素およ
びエチレンを供給し、重合器内の圧力が1.77MPa
を保持するようにプロピレンをそれぞれ重合器内に供給
して、プロピレンの気相重合を150時間連続して行っ
た。重合期間中は重合器内の重合体の保有レベルが60
容積%となるように重合器からポリマーを12kg/h
の速度で抜き出した。抜き出したポリマーを、水蒸気を
5容積%含む窒素ガスにより100℃にて30分間接触
処理し、固有粘度〔ηT〕が1.95dl/gであるポ
リマーを得た。ポリマー中の予備活性化処理により生成
したポリエチレン(A)含有率は0.22重量%および
(b)成分のプロピレン−α−オレフィン共重合体の固
有粘度〔ηP〕は1.89dl/gであった。
【0140】引き続いて、実施例1と同様の条件で、溶
融混練しペレットを得た。このペレットについて各種物
性を評価測定した結果、MFRは3.2g/10分、溶
融張力(MS)は1.9cN、融点は140℃ であっ
た。得られたペレットを用いて実施例13に準拠して評
価を行い、得られたポリプロピレン樹脂組成物の諸物性
を第6表に、フィルム物性の測定結果等を第7表に示し
た。
【0141】実施例15 (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 実施例13と同一条件で、チタン含有担持型触媒成分を
得た。 (2)予備活性化触媒の調整 実施例13と同一条件で、予備活性化触媒スラリーを得
た。 (3)ポリプロピレン組成物の製造(プロピレンの本
(共)重合) 内容積500リットルの攪拌機付き、ステンレス製重合
器を窒素置換した後、20℃においてn−ヘキサン24
0リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物
(AL2))780ミリモル、ジイソプロピルジメトキ
シシラン(電子供与体(E2))78ミリモルおよび前
記で得た予備活性化触媒スラリーの1/2量を重合器内
に投入した。引き続いて、プロピレン濃度に対する水素
濃度、エチレン濃度およびブテン−1濃度を各々0.0
8、0.025および0.038になるように供給し、
60℃に昇温した後、重合器内の気相部圧力が、0.7
9MPaを保持しながらプロピレン、水素、エチレンお
よびブテン−1を連続的に2時間、重合器内に供給しプ
ロピレン−α−オレフィンの共重合を実施した。
【0142】重合時間経過後、メタノール1リットルを
重合器内に導入し、触媒失活反応を60℃にて15分間
実施し、引き続き未反応ガスを排出後、溶媒分離、重合
体の乾燥を行い、固有粘度〔ηT〕が1.67dl/g
のポリマー39.6kgを得た。得られたポリマーは
(a)成分に該当する予備活性化重合によるポリエチレ
ン(A)含有率0.25重量%のポリプロピレン樹脂で
あり、(b)成分のプロピレン−α−オレフィン共重合
体の固有粘度〔ηP〕は1.59dl/gであった。
【0143】引き続いて、実施例1と同様の条件で、溶
融混練しペレットを得た。このペレットについて各種物
性を評価測定した結果、MFRは7.6g/10分、溶
融張力(MS)は1.3cN、融点は140℃ であっ
た。得られたペレットを用いて実施例13に準拠して評
価を行い、得られたポリプロピレン樹脂の諸物性を第6
表に、フィルム物性の測定結果等を第7表に示した。
【0144】比較例12 実施例14と同一の条件で、チタン含有担持型触媒成分
を得た後、エチレンによる予備活性化重合を実施せず
に、実施例13の(3)と同一条件でプロピレン−α−
オレフィン共重合体を重合し、ポリプロピレン樹脂を得
た。得られたポリプロピレン樹脂組成物を用いて実施例
13に準拠して評価を行った。得られたポリプロピレン
樹脂組成物の諸物性を第6表に、フィルム物性の評価結
果を第7表に示した。
【0145】比較例13 実施例14と同一の条件で、チタン含有担持型触媒成分
を得た後、エチレンによる予備活性化重合を実施せず
に、実施例14の(3)と同一条件でプロピレン−α−
オレフィン共重合体を重合し、ポリプロピレン樹脂組成
物を得た。得られたポリプロピレン樹脂組成物を用いて
実施例13に準拠して評価を行った。得られたポリプロ
ピレン樹脂組成物の諸物性を第6表に、フィルム物性の
評価結果を第7表に示した。
【0146】比較例14 実施例14と同一の条件で、チタン含有担持型触媒成分
を得た後、エチレンによる予備活性化重合を実施せず
に、実施例15の(3)と同一条件でプロピレン−α−
オレフィン共重合体を重合し、ポリプロピレン樹脂組成
物を得た。得られたポリプロピレン樹脂組成物を用いて
実施例13に準拠して評価を行った。得られたポリプロ
ピレン樹脂組成物の諸物性を第6表に、フィルム物性の
評価結果を第7表に示した。
【0147】第2表および第3表から明らかなように、
実施例1から実施例8と比較例1から比較例8を比較す
るとネックイン、バタツキ、厚み精度が改善され生産性
に優れていることが明らかである。また、実施例8と比
較例8の比較から高MFRでのネックイン、バタツキ、
厚み精度の低下が少なく、製膜時、押出機の樹脂吐出量
を著しく改善することが可能となり高速生産化へも対応
することができる。また、第5表から明らかなように、
実施例9から実施例12では、比較例9から比較例11
に比べ、溶断シール強度も強く、溶断シール強度のバラ
ツキも少なく溶断シール特性に優れた延伸フィルムであ
ることが明かである。さらに第7表から明らかなよう
に、実施例13から実施例15では、比較例12から比
較例14に比べ、ホットタック性に有効な温度域が広
く、優れたホットタック強度を有することが明らかであ
る。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】
【表3】
【0151】
【表4】
【0152】
【表6】
【0153】
【表7】
【0154】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン延伸フィルム
は、ポリプロピレン延伸フィルムの優れた特性を損なう
ことなく、安定生産性に優れるため生産コスト削減に寄
与するのみならず、優れた溶断シール特性およびホット
タック性を有している。従って、食品包装、繊維包装等
の各種包装材料の分野で好適に使用することができる。
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 B29L 7:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレン単独重合体またはエチレン重
    合単位を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン
    共重合体からなり、135℃ のテトラリン中で測定し
    た固有粘度〔ηE〕が15〜100dl/gであるポリ
    エチレン0.01〜5重量部、および(b)プロピレン単
    独重合体またはプロピレン重合単位を50重量%以上含
    有するプロピレン−オレフィン共重合体からなり、13
    5℃ のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP〕が1.
    2〜2.4dl/gであるポリプロピレン100重量
    部、からなるポリプロピレン樹脂組成物を少なくとも一
    軸方向に延伸したポリプロピレン延伸フィルム。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン樹脂組成物が、その230
    ℃ における溶融張力(MS)と135℃ のテトラリン
    中で測定した固有粘度〔ηT〕との間に、 log(MS)>4.24×log〔ηT〕−1.20 で表される関係を有するポリプロピレン樹脂組成物を少
    なくとも一軸方向に延伸した請求項1記載のポリプロピ
    レン延伸フィルム。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン樹脂組成物のアイソタクチ
    ックインデックスが93〜99%であるポリプロピレン
    樹脂組成物を少なくとも一軸方向に延伸した請求項2記
    載のポリプロピレン延伸フィルム。
  4. 【請求項4】(a)エチレン単独重合体またはエチレン重
    合単位を50重量%以上含有するエチレン−オレフィン
    共重合体からなり、135℃ のテトラリン中で測定し
    た固有粘度〔ηE〕が15〜100dl/gであるポリ
    エチレン0.01〜5重量部、および(b)プロピレン単
    独重合体またはプロピレン重合単位を80重量%以上含
    有するプロピレン−オレフィン共重合体からなり、13
    5℃ のテトラリン中で測定した固有粘度〔ηP〕が1.
    2〜2.4dl/gであるポリプロピレン100重量
    部、からなるポリプロピレン樹脂組成物をポリプロピレ
    ンフィルムの少なくとも片面に積層したポリプロピレン
    延伸積層フィルム。
  5. 【請求項5】ポリプロピレン樹脂組成物の融点が110
    ℃〜150℃であるポリプロピレン樹脂組成物をポリプ
    ロピレンフィルムの少なくとも片面に積層した請求項4
    記載のポリプロピレン延伸積層フィルム。
JP5099497A 1997-02-19 1997-02-19 ポリプロピレン延伸フィルム Pending JPH10231369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5099497A JPH10231369A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 ポリプロピレン延伸フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5099497A JPH10231369A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 ポリプロピレン延伸フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10231369A true JPH10231369A (ja) 1998-09-02

Family

ID=12874353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5099497A Pending JPH10231369A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 ポリプロピレン延伸フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10231369A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002154187A (ja) * 2000-09-05 2002-05-28 Toray Ind Inc ポリプロピレンフィルムおよびフィルムコンデンサー
SG93930A1 (en) * 2001-03-22 2003-01-21 Sumitomo Chemical Co Polypropylene-based resin composition for stretched film, process for producing the same and stretched film
JP2003025425A (ja) * 2001-05-11 2003-01-29 Toray Ind Inc 二軸延伸ポリプロピレンフィルム
WO2015129851A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 東レ株式会社 二軸配向ポリプロピレンフィルム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002154187A (ja) * 2000-09-05 2002-05-28 Toray Ind Inc ポリプロピレンフィルムおよびフィルムコンデンサー
SG93930A1 (en) * 2001-03-22 2003-01-21 Sumitomo Chemical Co Polypropylene-based resin composition for stretched film, process for producing the same and stretched film
JP2003025425A (ja) * 2001-05-11 2003-01-29 Toray Ind Inc 二軸延伸ポリプロピレンフィルム
WO2015129851A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 東レ株式会社 二軸配向ポリプロピレンフィルム
JPWO2015129851A1 (ja) * 2014-02-28 2017-03-30 東レ株式会社 二軸配向ポリプロピレンフィルム
JP2019147953A (ja) * 2014-02-28 2019-09-05 東レ株式会社 二軸配向ポリプロピレンフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0863183B1 (en) Propylene composition, process for preparing the same, polypropylene composition, and molded articles
US6437048B1 (en) Molded resin articles
KR920000173B1 (ko) 저결정성 프로필렌계 랜덤 공중합체 조성물, 그 제조방법 및 폴리프로필렌 복합 적층체
CN102869718B (zh) 具有较宽密封窗口的丙烯/1-己烯共聚物组合物
US5948547A (en) Composition based on statistical propylene copolymers, process for their manufacture and multilayer heat-sealable sheets containing them
KR20010023057A (ko) 프로필렌계 중합체 조성물 및 이로부터 제조된 필름
JP2006161033A (ja) プロピレン系樹脂組成物およびそのフィルム
WO1998006781A1 (fr) Composition a base de polypropylene, procede de production et catalyseur permettant sa polymerisation
JP2002518229A (ja) プロペンターポリマーから構成されるヒートシールが可能な同時押出フィルム
JPH09324022A (ja) ポリプロピレンブロック共重合体
JP4211895B2 (ja) 高遮断性ポリプロピレン組成物及びそれらの包装用途における使用
US20160159996A1 (en) Heat-sealable polyolefin films and sheets
JP2002249626A (ja) プロピレン系組成物およびその製造方法ならびにポリプロピレン系組成物および成型品
JPH10231369A (ja) ポリプロピレン延伸フィルム
JP3569737B2 (ja) プロピレン系ランダム共重合体の製造方法
JP4759235B2 (ja) ポリプロピレン系積層フィルム
JP7257522B2 (ja) 非発泡シートおよび容器
JP3580639B2 (ja) ポリプロピレン樹脂
JP2000204175A (ja) プロピレン系樹脂シ―トおよびそれを用いた成形体
JP3569740B2 (ja) プロピレン系ランダム共重合体並びにそれを用いたフィルム及び積層体
JP2000136274A (ja) ポリプロピレン系フィルム
JP3569738B2 (ja) プロピレン系ランダム共重合体の製造方法
JP2010053341A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルム
JPH08325414A (ja) 安定化されたポリオレフィン組成物
JP3195429B2 (ja) 延伸フィルム