JP4588758B2 - 経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム及び記録媒体 - Google Patents

経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

技術分野
[0001]
本発明は、出発地点から目的地点までの経路を探索する経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム及び記録媒体に関する。
背景技術
[0002]
従来、目的地点までの経路を探索する経路探索において、ユーザの目的に合わせた経路を探索する技術が考案されている。このような経路探索においては、あらかじめ設定された経路評価項目、たとえば、距離優先、料金優先などの評価項目から、ユーザが選択した探索条件に最も適合する経路が探索される。具体的には、標準リンクコストデータ、距離優先リンクコストデータ、道路幅員優先リンクコストデータをそれぞれ記憶部に記録しておき、これらのリンクコストデータを選択することによって、目的地点までの、時間優先の経路探索、距離優先の経路探索、道路幅員優先の経路探索をおこなう(たとえば、下記特許文献1参照。)。
[0003]
特許文献1:特開平07−091971号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0004]
しかしながら、上述した従来技術によれば、ユーザは、あらかじめ設定された探索条件から、最も重要視するものを1つ選択して経路探索をおこなわなければならない。このため、複数の探索条件を重要視することや、それぞれの探索条件をどの程度優先させるか(以下、優先度という)を決めることができず、経路探索に際して、ユーザの微細な要望を反映することができないという問題点がある。
課題を解決するための手段
[0005]
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる経路探索装置は、複数の探索指標項目の優先度の合計値が所定値となるように、各々の前記探索指標項目の優先度をユーザに選択させる優先度設定手段と、各々の前記探索指標項目の優先度が前記合計値に対して占める割合に基づいて、経路を探索するためのリンクコストを設定するコスト設定手段と、前記コスト設定手段によって設定されたリンクコストを用いて出発地点から目的地点までの最適経路を探索する探索手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項11の発明にかかる経路探索方法は、出発地点から目的地点までの経路を探索する経路探索装置における経路探索方法であって、ユーザの入力情報に基づいて、複数の探索指標項目の優先度の合計値が所定値となるように、各々の前記探索指標項目の優先度を設定する第1設定工程と、設定された各々の前記探索指標項目の優先度が前記合計値に対して占める割合に基づいて、経路を探索するためのリンクコストを設定する第2設定工程と、設定された前記リンクコストを用いて出発地点から目的地点までの経路を探索する探索工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項12の発明にかかる経路探索プログラムは、請求項11に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項13の発明にかかる記録媒体は、請求項12に記載の経路探索プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、経路探索装置がおこなう経路探索処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、ナビゲーション装置がおこなうナビゲーション処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、探索指標項目に対する優先度の設定画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、探索指標項目に対する優先度の設定画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、探索指標項目に対する優先度の設定画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、探索指標項目に対する優先度の設定画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、リンクのコスト値算出に用いられる情報の例を示す図表である。
【図10】図10は、図9に示す情報に基づいて算出したコスト値の図表である。
【図11】図11は、経路探索部がおこなう経路探索処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、経路履歴情報から推測されたユーザの経路選択特性を用いて経路探索をおこなう際の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、パターンデータベースの内容の一例を示す図である。
【図14】図14は、ステップS1206で表示されるパターンを示す画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0012】
100 経路探索装置
101 入力部
102 優先度設定部
103 コスト設定部
104 探索部
105 パターン記憶部
106 コスト記憶部
106a リンクコスト記憶部
106b ノードコスト記憶部
107 履歴記憶部
108 取得部
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる経路探索装置、経路探索方法、経路探索プログラム及び記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる経路探索装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態にかかる経路探索装置100は、入力部101、優先度設定部102、コスト設定部103、探索部104、パターン記憶部105、コスト記憶部106、履歴記憶部107、取得部108、によって構成される。また、コスト記憶部106は、リンクコスト記憶部106a及びノードコスト記憶部106bによって構成される。
【0015】
入力部101は、ユーザの入力情報を受け付ける。入力部101は、たとえば、ユーザがリモコンやスイッチ、タッチパネル等の操作手段を操作して入力した情報を取得するユーザインターフェースである。優先度設定部102は、ユーザの入力情報に基づいて、複数の探索指標項目に対して優先度を設定する。探索指標項目とは、最適経路を探索するために、経路を探索する際に指標となる項目である。たとえば、目的地点までの所要時間をなるべく短いものにする「時間優先」、走行距離をなるべく短いものにする「距離優先」などがある。探索指標項目は、複数(すくなくとも2つ以上)存在する。また、優先度とは、これら複数の探索条件のそれぞれを、どの程度優先させるかを示す度合いである。
【0016】
コスト設定部103は、複数の探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのリンクコストを設定する。コスト設定部103は、たとえば、各々のリンクに対して複数の探索指標項目に対応する複数のリンクコストを算出し、当該算出した複数のリンクコスト及び複数の探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのリンクコストを設定する。
【0017】
また、コスト設定部103は、複数の探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのリンクコスト及びリンク同士が接続するノードのノードコストを設定する。このとき、コスト設定部103は、各々のノードに対して複数の探索指標項目に対応する複数のノードコストを算出し、算出した複数のノードコスト及び複数の探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのノードコストを設定することとしてもよい。
【0018】
探索部104は、コスト設定部103によって設定されたリンクコストを用いて出発地点から目的地点までの最適経路を探索する。探索部104は、具体的には、たとえば、候補リンクのコストとしてコスト設定部103で設定した経路を探索するためのリンクコストを用いて、候補リンクのコストの総和が最小の経路を最適経路とする。また、探索部104は、コスト設定部103によってノードコストが設定された場合は、リンクコスト及びノードコストを用いて最適経路を探索する。
【0019】
パターン記憶部105は、複数の探索指標項目の優先度があらかじめ設定されたパターンを複数記憶する。パターン記憶部105に記憶されている複数のパターンは、ユーザの入力情報に基づいて一のパターンが選択される。この場合、優先度設定部102は、選択されたパターンに基づいて複数の探索指標項目に対して優先度を設定する。また、パターン記憶部105は、優先度が一番高い探索指標項目の優先度が異なった複数のパターンを記憶するようにしてもよい。
【0020】
コスト記憶部106は、リンクコスト記憶部106a及びノードコスト記憶部106bによって構成される。リンクコスト記憶部106aは、各々のリンクに対して複数の探索指標項目に対応する複数のリンクコストを記憶する。リンクコスト記憶部106aに記憶されている複数のリンクコストは、複数の探索指標項目の優先度とともに、コスト設定部103が、経路を探索するためのリンクコストを設定する際に用いられる。また、ノードコスト記憶部106bは、各々のノードに対して複数の探索指標項目に対応する複数のノードコストを記憶する。ノードコスト記憶部106bに記憶されている複数のノードコストは、複数の探索指標項目の優先度とともに、コスト設定部103が経路を探索するためのノードコストを設定する際に用いられる。
【0021】
履歴記憶部107は、経路探索部104によって過去に探索された経路に関する情報を経路履歴情報として記憶する。履歴記憶部107に記憶されている経路履歴情報は、優先度設定部102が複数の探索指標項目に対する優先度を設定する際に用いられる。また、履歴記憶部107は、過去に探索された経路を探索する際に用いられたコストの設定に関与した複数の探索指標項目の優先度のパターンを経路履歴情報として記憶するようにしてもよい。
【0022】
取得部108は、探索部104によって過去に探索された経路に関する情報を取得する。取得部108によって取得された経路に関する情報は、優先度設定部102が複数の探索指標項目に対して優先度を設定する際に用いられる。また、コスト設定部103は、複数の探索指標項目の優先度に基づいて、経路探索用のリンクコストを設定する。さらに、探索部104は、コスト設定部103によって設定されたリンクコストを用いて出発地点から目的地点までの経路を探索する。
【0023】
図2は、経路探索装置がおこなう経路探索処理の手順を示すフローチャートである。まず、ユーザが操作手段を操作して入力した探索指標項目に対する優先度の値の情報が入力部101によって取得されたかを判断する(ステップS201)。優先度の値の情報が取得された場合は(ステップS201:Yes)、優先度設定部102は、ステップS201で取得された情報が示す優先度の値を探索指標項目の優先度に設定し(ステップS202)、ステップS209に移行する。
【0024】
一方、優先度の値の情報が取得されなかった場合は(ステップS201:No)、ユーザが操作手段を操作して選択した探索指標項目に対する優先度のパターンの情報が入力部101によって取得されたかを判断する(ステップS203)。優先度パターンの情報が取得された場合は(ステップS203:Yes)、優先度設定部102は、この優先度のパターンに基づいて探索指標項目の優先度を設定して(ステップS204)、ステップS209に移行する。
【0025】
また、優先度パターンの情報が取得されなかった場合は(ステップS203:No)、ユーザが操作手段を操作して指令した履歴記憶部107に記憶されている経路履歴情報による優先度自動設定の指令情報が入力部101によって取得されたかを判断する(ステップS205)。指令情報が取得された場合は(ステップS205:Yes)、取得部108は経路履歴情報を取得する(ステップS206)。そして、優先度設定部102は、取得された経路履歴情報に基づいて探索指標項目の各々に対する優先度を設定して(ステップS207)、ステップS209に移行する。
【0026】
このステップS207における探索指標項目に対する優先度の設定方法としては以下の方法が挙げられる。まず、探索部104が、取得部108によって取得された経路履歴情報が示す経路の出発地点及び目的地点について、探索指標項目に対する優先度の値が異なる複数の仮想経路を探索する。そして、優先度設定部102が、経路履歴情報が示す経路と仮想経路とを比較することでユーザの経路選択特性を推測し、経路選択特性に基づいて探索指標項目に対して優先度を設定する。
【0027】
また、過去に探索された経路を探索する際に用いられたコストの設定に関与した探索指標項目に対する優先度のパターンを経路履歴情報として履歴記憶部107に記憶し、優先度設定部102が、取得部108によって取得された経路履歴情報が示す優先度のパターンに基づいて優先度を設定する方法も挙がられる。
【0028】
一方、指令情報が取得されなかった場合は(ステップS205:No)、標準コストを経路探索用コストに設定して(ステップS208)、ステップS210に移行する。ここで、標準コストとは、各探索指標項目に対して優先度を設定しない場合のコストであり、あらかじめコスト記憶部106に記憶されている。また、経路探索用コストとは、探索部104が経路探索をおこなう際に用いるコストである。
【0029】
ステップS202、ステップS204またはステップS207において優先度設定部102によって各探索指標項目に対する優先度が設定されると、コスト設定部103は、設定された各探索指標項目に対する優先度に基づいて、経路探索用コストを設定する(ステップS209)。ここで、経路探索用コストの設定は、たとえば、コスト設定部103が、道路情報など各種情報から複数の探索指標項目のそれぞれに対応するコストを算出し、算出したコスト及び優先度に基づいて経路探索用コストを設定する。このときに、コスト記憶部106に記憶されている標準コストと、各種情報から複数の探索指標項目のそれぞれに対応するコストを算出するようにしてもよい。また、コスト記憶部106に複数の探索指標項目のそれぞれに対応するコストがあらかじめ記憶されており、コスト設定部103が、記憶されているコスト及び優先度に基づいて経路探索用コストを算出するようにしてもよい。
【0030】
そして、ステップS208またはステップS209で設定された経路探索用コストに基づいて最適経路を探索して(ステップS210)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態にかかる経路探索装置100によれば、複数の探索指標項目に対する優先度に基づいたコストを用いて最適経路を探索する。これにより、複数の探索指標項目を考慮することができ、さらに、それぞれの探索指標項目に対する優先度を設定することができるため、よりユーザの要望に合わせた経路探索をおこなうことができる。
【0032】
また、入力部101によってユーザから優先度の値の入力を直接受け付けたり、経路履歴情報を用いて優先度を自動設定したりするなどによって、ユーザの経路選択時における嗜好を的確にとらえることができる。
【実施例】
【0033】
(ナビゲーション装置300のハードウェア構成)
図3は、実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。はじめに、実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。ナビゲーション装置300は、出発地点から目的地点までの経路を探索し、探索された経路に沿ってユーザを誘導する。本実施例において、実施の形態にかかる経路探索装置100は、ナビゲーション装置300によって実現される。
【0034】
図3において、ナビゲーション装置300は、車両などの移動体に搭載されており、ナビゲーション制御部301と、ユーザインターフェース302と、表示部303と、位置取得部304と、記録媒体305と、記録媒体デコード部306と、音声出力部307と、通信部308と、経路探索部309と、経路誘導部310と、音声生成部311と、スピーカ312と、によって構成される。
【0035】
ナビゲーション制御部301は、ナビゲーション装置300全体を制御する。ナビゲーション制御部301は、たとえば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)や、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、及び、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などによって構成されるマイクロコンピュータなどによって実現することができる。
【0036】
また、ナビゲーション制御部301は、経路誘導に際し、経路探索部309、経路誘導部310、音声生成部311との間で経路誘導に関する情報の入出力をおこない、その結果得られる情報を表示部303及び音声出力部307へ出力する。
【0037】
ユーザインターフェース302は、ユーザがリモコンやスイッチ、タッチパネル等の操作手段を操作して入力した情報を取得してナビゲーション制御部301に対して出力する。
【0038】
表示部303は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを含む。表示部303は、具体的には、たとえば、映像I/Fや映像I/Fに接続された映像表示用のディスプレイ装置によって構成することができる。映像I/Fは、具体的には、たとえば、ディスプレイ装置全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像情報に基づいて、ディスプレイ装置を表示制御する制御ICなどによって構成される。表示部303には、地図情報や経路誘導に関する情報、その他各種情報が表示される。
【0039】
位置取得部304は、GPSレシーバ及び各種センサーから構成され、移動体の現在位置(ナビゲーション装置300の現在位置)の情報を取得する。GPSレシーバは、GPS衛星からの電波を受信し、GPS衛星との幾何学的位置を求める。なお、GPSとは、Global Positioning Systemの略称であり、4つ以上の衛星からの電波を受信することによって地上での位置を正確に求めるシステムである。GPSレシーバは、GPS衛星からの電波を受信するためのアンテナ、受信した電波を復調するチューナー及び復調した情報に基づいて現在位置を算出する演算回路などによって構成される。
【0040】
各種センサーは、車速センサーや角速度センサー、加速度センサーなど移動体又はナビゲーション装置300に搭載された各種センサーであり、これらのセンサーから出力される情報から、移動体の移動変位、移動速度、移動方向を求める。このように、GPSレシーバの受信電波から得られた情報と合わせて、上記各種センサーの出力情報とを用いることによって、より高い精度で移動体の位置の認識をおこなうことができる。
【0041】
記録媒体305には、各種制御プログラムや各種情報をコンピュータに読み取り可能な状態で記録されている。この記録媒体305は、たとえば、HD(Hard Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、CD(Compact Disk)、メモリカードによって実現することができる。なお、記録媒体305は、記録媒体デコード部306による情報の書き込みを受け付けるとともに、書き込まれた情報を不揮発に記録するようにしてもよい。
【0042】
また、記録媒体305には、経路探索及び経路誘導に用いられる地図情報が記録されている。記録媒体305に記憶されている地図情報は、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、表示部303の表示画面において2次元または3次元に描画される。ナビゲーション装置300が経路誘導中の場合は、記録媒体デコード部306によって記録媒体305から読み取られた地図情報と位置取得部304によって取得された移動体の位置を示すマークとが表示部303に表示されることとなる。
【0043】
背景データは、背景の形状をあらわす背景形状データと、背景の種類をあらわす背景種別データとを有する。背景形状データは、たとえば、地物の代表点・ポリライン・ポリゴン・地物の座標などを含んでいる。また、背景種別データは、たとえば、地物の名称や住所・電話番号をあらわすテキストデータ、建物・河川・地表面などの地物の種別データを含んでいる。
【0044】
道路形状データは、複数のノードと、ノード間を連結するリンクとを有する道路ネットワークである。ノードは、T字路などの三叉路、十字路、五叉路などの複数の道路が交差する交差点を示している。リンクは、道路を示している。リンクには形状補間点を有するものもあり、この形状補間点によって曲線道路を表現することができる。
【0045】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、車幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。交通条件データには、過去の渋滞情報を、季節・曜日・大型連休・時刻などを基準に統計処理した過去渋滞情報を記憶している。
【0046】
なお、本実施例では地図情報を記録媒体305に記録するようにしたが、これに限るものではない。地図情報は、ナビゲーション装置300外部のサーバなどに記録されていても良い。その場合、ナビゲーション装置300は、たとえば、通信部308を通じて、ネットワークを介してサーバから地図情報を取得する。取得された地図情報はRAMなどに記憶される。
【0047】
記録媒体デコード部306は、記録媒体305に対する情報の読み取り/書き込みの制御をおこなう。たとえば、記録媒体305としてHDを用いた場合には、記録媒体デコード部306は、HDD(Hard Disk Drive)となる。
【0048】
音声出力部307は、接続されたスピーカ312への出力を制御することによって、案内音などの音声を再生する。スピーカ312は、1つであっても良いし、複数であっても良い。この音声出力部307は、たとえば、音声デジタル情報のD/A変換をおこなうD/Aコンバータと、D/Aコンバータから出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器と、音声アナログ情報のA/D変換をおこなうA/Dコンバータと、から構成することができる。
【0049】
通信部308は、たとえば、FMチューナー、VICS/ビーコンレシーバ、無線通信機器、及びその他の通信機器によって構成され、他の通信機器との通信をおこなう。通信部308によって取得される情報として、たとえば、VICS(Vehicle Information and Communication System)センターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報が挙げられる。また、全国の道路交通情報を蓄積しているサーバに対しネットワークを介して所望の地域の道路交通情報を要求し、要求した道路交通情報を取得するようにしても良い。
【0050】
経路探索部309は、記録媒体305から記録媒体デコード部306を介して取得される地図情報や、通信部308を介して取得されるVICS情報などを利用して、出発地点から目的地点までの最適経路を探索する。ここで、最適経路とは、ユーザの要望に最も合致する経路である。
【0051】
一般に、出発地点から目的地点までの経路は無数に存在する。そこで、本実施例におけるナビゲーション装置300では、最適経路を探索するために、経路を探索する際に指標となる項目(以下、探索指標項目と称する。)に対する優先度の入力をユーザに対して促し、ユーザが操作手段を操作して入力した情報によって、これら複数の探索指標項目の各々に対して優先度を設定する。そしてこの設定した優先度に基づいて後述するような方法で最適経路を探索する。なお、この優先度の設定処理はナビゲーション制御部301で実行する。
【0052】
本実施例における探索指標項目は、目的地点まで最も短い時間で到達する経路を探索する「時間優先」、最も道のり距離が短い距離を探索する「距離優先」、料金が最も低い経路を探索する「料金優先」、幅員が広い道など走行しやすい道路を優先する「幹線優先」、過去の走行履歴から走行歴のある道路を優先する「学習優先」の5つの項目とする。なお、探索指標項目は、この5つに限らず、複数であればよい。つまり、上記5つの探索指標項目に他の探索指標項目を追加するなどして探索指標項目の数を多くしても良いし、また、探索指標項目の数を少なくしても良い。
【0053】
経路誘導部310は、経路探索部309によって探索された最適経路情報、位置取得部304によって取得された移動体の位置情報、記録媒体305から記録媒体デコード部306を経由して得られた地図情報に基づいて、ユーザを目的地まで誘導するための経路誘導情報の生成をおこなう。このとき生成される経路誘導情報は、通信部308によって受信した渋滞情報を考慮したものであっても良い。経路誘導部310で生成された経路誘導情報は、ナビゲーション制御部301を介して表示部303へ出力される。
【0054】
案内音生成部311は、案内音などの各種音声の情報を生成する。すなわち、経路誘導部310で生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこない、これをナビゲーション制御部301を介して音声出力部307へ出力する。
【0055】
なお、実施の形態にかかる経路探索装置100の機能的構成である入力部101はユーザインターフェース302によって、優先度設定部102及びコスト設定部103はナビゲーション制御部301によって、探索部104は経路探索部309によって、パターン記憶部105、コスト記憶部106及び履歴記憶部107は記録媒体305や図示しないメモリ等の記憶手段によって、取得部108はナビゲーション制御部301によって、それぞれその機能を実現する。
【0056】
(ナビゲーション装置300のナビゲーション処理)
図4は、ナビゲーション装置がおこなうナビゲーション処理の手順を示すフローチャートである。ナビゲーション装置300は、出発地点から目的地点までの経路を探索し、探索された経路に沿ってユーザを目的地まで誘導する。これら一連のナビゲーション処理の概要について説明する。まず、出発地点及び目的地点の設定画面を表示部303に表示し、ユーザインターフェース302によって取得されたユーザの入力情報に基づいて、出発地点及び目的地点の設定がおこなわれる(ステップS401)。なお、探索処理を開始する際の移動体の現在位置を位置取得部304で取得してこの現在位置を出発地点としてもよい。
【0057】
次に、複数の探索指標項目のそれぞれに対する優先度の設定画面を表示し、ユーザインターフェース302によって取得されたユーザの入力情報に基づいて、複数の探索指標項目のそれぞれに対する優先度の設定がおこなわれる(ステップS402)。さらに、ステップS402において設定された探索指標項目に対する優先度に基づいて、経路探索に用いる経路探索用コストの設定がおこなわれる(ステップS403)。
【0058】
そして、ステップS403において設定された設定された経路探索用コストに基づいて、経路探索部309は出発地点から目的地点までの最適経路を探索する(ステップS404)。そして、ステップS404において探索された経路を表示部303に表示する(ステップS405)。このとき、ステップS404において得られた最適経路と、単一の探索指標項目のみを考慮して探索された経路とをあわせて表示部303に表示し、ユーザが比較できるようにしてもよい。そして、経路選択画面を表示部303に表示し、ユーザインターフェース302によって取得されたユーザの入力情報に基づいて、走行経路の選択がおこなわれる(ステップS406)。このとき、探索された経路が1つのみであれば、経路の選択をおこなう必要はない。経路誘導部310は、ステップS406において選択された経路に沿って誘導をおこない(ステップS407)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0059】
以上説明したように、ナビゲーション装置300は、ユーザの入力情報に基づいて設定された探索指標項目の優先度に基づいて経路探索をおこなう(ステップS402〜S404)。これにより、各探索指標項目をユーザが指定した優先度から得られる割合で考慮し、よりユーザの希望に即した最適経路を探索することができる。以下、ステップS402〜S404に対応する処理の詳細について説明する。
【0060】
(探索指標項目に対する優先度の設定処理)
図5〜図8は、探索指標項目に対する優先度の設定画面の一例を示す図である。ユーザは、ナビゲーション装置300の表示部303に表示される設定画面を確認し、操作手段を操作して情報を入力する。この入力情報をユーザインターフェース302で取得することにより、ナビゲーション制御部301は各探索指標項目に対する優先度を設定する。ここでは、探索指標項目に対する優先度の設定画面の例として、ユーザが任意に各探索指標項目の優先度の値を指示する場合、及び、あらかじめ設定されている各探索指標項目の優先度のパターンを利用する場合について説明する。なお、本実施例のナビゲーション装置300は操作手段としてタッチパネルを採用しており、ユーザが表示部303に表示されているボタンを押下するとユーザインターフェース302がそのボタンに対応した情報を取得する。
【0061】
図5及び図6は、ユーザが任意に探索指標項目のそれぞれに対して優先度の値を指示する場合である。ナビゲーション装置300の表示部303には、探索指標項目に対する優先度の設定画面が表示されている。図示の例において、探索指標項目は、「時間優先」「距離優先」「料金優先」「幹線優先」「学習優先」の5つが設定されている。
【0062】
それぞれの探索指標項目の優先度は、グラフ511a〜511eに示される。グラフ511a〜511eは、それぞれ10個のマス目からなり、1マスが10ポイントを示す。これは、その探索指標項目に対する優先度をポイントで示したものである。ポイントを高く設定する程、その探索指標項目の優先度を上げることとなる。それぞれのグラフに対応した「+」ボタン512a〜512eが押下されると、1つのマス目の色が変化し、対応する探索指標項目に10ポイントが加算される。同様に、それぞれのグラフに対応した「−」ボタン513a〜513eが押下されると、1つのマス目の色が変化し、対応する探索指標項目から10ポイントが減算される。
【0063】
ユーザは、「+」ボタン512a〜512e及び「−」ボタン513a〜513eを押下して、5つの探索指標項目に設定されるポイントの合計が100となるようにする。残りポイント表示514は、振り分け可能な残りのポイントを示す。残りポイント表示514は、探索指標項目にポイントが振り分けられるごとに減っていく。たとえば、残りポイント表示514が「80」であるときに、いずれかの探索指標項目の「+」ボタン512が押下されれば、その探索指標項目に10ポイントが加算され、残りポイント表示は「70」となる。なお、マス目の数を増やして、1マスあたりのポイント数を減らし、より詳細にポイントの振り分けをおこなえるようにしても良い。
【0064】
たとえば、図5においては、どの探索指標項目にもポイントは振り分けられていないため、残りポイント表示514には「100」と表示されている。一方、図6においては、「時間優先」に対応するグラフ511aに40ポイント、「距離優先」に対応するグラフ511bに0ポイント、「料金優先」に対応するグラフ511cに10ポイント、「幹線優先」に対応するグラフ511dに30ポイント、「学習優先」に対応するグラフ511eに20ポイントがそれぞれ振り分けられている。これらの合計は100であるため、残りポイント表示514には「0」と表示されている。
【0065】
上記のようなポイントの振り分けから、ユーザは目的地点までの時間は短縮したいが、狭い道路は避けることを望んでいることがわかる。また、そのような経路を得られるのであれば、距離が長さや料金の高さは問わないことがわかる。図6において、探索開始ボタン521が押下されると、設定されたポイントの設定値によって経路の探索が開始される。また、リセットボタン522が押下されると、設定されたポイントの振り分けがリセットされ、図5のような画面に戻る。
【0066】
図7及び図8は、各探索指標項目に対する優先度があらかじめ設定されたパターンが複数あり、その複数のパターンから一つ選択することで各探索指標項目に対する優先度を設定する場合である。表示部303には、各探索指標項目に対する優先度のパターンの一つを示すグラフ701が表示されている。グラフ701の横軸は、探索指標項目であり、時間優先を「時間」、距離優先を「距離」、料金優先を「料金」、幹線優先を「幹線」、学習優先を「学習」と示した。グラフ701の縦軸は、各探索指標項目に対する優先度であり、レベル0〜レベル5のように、段階的にレベル分けされている。
【0067】
また、表示部303には、各探索指標項目に対応して設けられた探索指標項目ボタン711a〜711eが表示されている。探索指標項目ボタン711a〜711eのいずれかが押下されると、押下されたボタンに対応した探索指標項目の優先度を一番高い値にして各探索指標項目に優先度を振り分けたパターンを示すパターンカーブがグラフ701上に表示される。たとえば、「時間優先」に対応した探索指標項目ボタン711aが押下されると、目的地点までの所要時間を最も重要視し、「時間優先」の優先度を一番高い値をにして各探索指標項目に優先度を振り分けたパターンを示すパターンカーブが表示される。また、「距離優先」に対応した探索指標項目ボタン711bが押下されると、目的地点までの走行距離を最も重要視し、「距離優先」の優先度を一番高い値にして各探索指標項目に優先度を振り分けたパターンを示すパターンカーブが表示される。
【0068】
図7には、時間優先のパターンカーブPが表示されている。レベル表示部721には、表示されたパターンカーブPの一番優先度が高い探索指標項目、及び、この探索指標項目をどれくらい重要視するかを示すレベルが表示される。図示の例では、選択されたパターンの一番優先度が高い探索指標項目は「時間優先」のためレベル表示部721には「時間優先」と表示されている。また、時間優先に対する優先度レベルが「レベル5」と表示されている。さらに、メッセージ表示722には、「所要時間が短くなります。距離や料金は増加しやすくなります。」と、時間優先で経路探索した場合に探索される経路の特性が表示される。
【0069】
ユーザは、レベル調整ボタン723a,723bによって、各探索指標項目の優先度のレベルを指示することができる。レベル調整ボタン723a,723bは、項目選択バー725によって示される項目のレベルを調整するためのボタンである。項目選択バー725は、レベル調整ボタン723a,723bによってレベル調整が可能な探索指標項目を示す。レベル調整ボタン723aが押下されると項目選択バー725によって示される探索指標項目の優先度のレベルが上がる。また、レベル調整ボタン723bが押下されると項目選択バー725によって示される探索指標項目の優先度のレベルが下がる。項目選択バー725は、選択バー移動ボタン727a,727bによって移動することができる。
【0070】
レベル調整ボタン723a,723bによって探索指標項目の優先度を調整すると、調整された値に伴って、他の項目のレベルが自動的に調整される。図8は、図7に示したパターンカーブPの時間優先に対する優先度のレベルをレベル5からレベル3に下げた場合を示している。レベル表示721には、現在の時間優先に対する優先度レベルが「レベル3」と表示されている。時間優先に対する優先度のレベルが引き下げられたことによって、他の項目の優先度レベルが相対的に上昇し、パターンカーブPの形状が変化している。さらに、他の探索指標項目のレベルを調整する場合は、選択バー移動ボタン727a,727bによって項目選択バー725を移動させ、レベル調整ボタン723a,723bによってレベル調整をおこなう。
【0071】
探索開始ボタン731が押下されると、グラフ701に表示されたパターンカーブPが示す優先度の割合で、各探索指標項目を考慮した経路探索がおこなわれる。また、リセットボタン732が押下されると、レベル調整ボタン723a,723bによっておこなった調整がリセットされる。
【0072】
なお、探索指標項目の優先度の設定は、上述した方法に限らず、それぞれの探索指標項目の優先度の割合を決めるものであれば良い。たとえば、円グラフ上でそれぞれの探索指標項目が占める面積を変更するものや、優先度の割合を数値で入力するものであっても良い。
【0073】
このように、ナビゲーション装置300は、ユーザの入力情報によって各探索指標項目の優先度を任意に設定することができる。これにより、経路探索におけるユーザの要望を把握することができる。つぎに、ナビゲーション装置300は、設定された各探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのコストを設定する。
【0074】
(コスト設定処理)
つぎに、探索指標項目の優先度に基づいたコスト設定処理について説明する。リンクのコスト(以下、リンクコストと称す)の設定にあたっては、まず、経路の探索指標項目である「時間」「距離」「料金」「幹線」「学習」の5つの指標によって、各リンクを評価する。そして、探索指標項目の各々に対応するリンクコストを、図5〜図8に示すような設定画面において設定した優先度の割合によってそれぞれ重み付けして加算することで、経路探索用リンクコストを設定する。
【0075】
まず、探索指標項目ごとのリンクコスト算出について説明する。「時間」を指標としたリンクコスト(以下、時間リンクコストと称す)は、通信部308によってVICS情報中のリンク旅行時間(リンクを通過するのにかかる時間)が得られる場合は、リンク旅行時間を秒に変換した値を時間リンクコストとする。VICS情報中のリンク旅行時間が得られない場合は、記録媒体305に記録されている地図情報から得られる道路種別、幅員、車線数、制限速度などの情報から推測速度を算出し、リンクの長さ/推測速度で時間リンクコストを算出する。
【0076】
「距離」を指標としたリンクコスト(以下、距離リンクコストと称す)は、リンクに対応する道路の長さそのものとするが、時間リンクコストと単位を揃えるため、一定の係数を乗じても良い。
【0077】
「料金」を指標としたリンクコスト(以下、料金リンクコストと称す)は、時間リンクコストに対して、高速道路や有料道路の場合はよりリンクコストが大きくなるような係数を乗じたものとする。また、距離に対して通行料金の高い高速道路ほど係数を高める。たとえば、2000円で20km走行できる有料道路と、3000円で10km走行できる道路とでは、後者の方が係数を高くする。
【0078】
「幹線」を指標としたリンクコスト(以下、幹線リンクコストと称す)は、時間リンクコストに対して、道幅が狭い道路はリンクコストが大きくなるような係数を乗じる。また道幅が広い道路はリンクコストが小さくなるような係数を乗じる。
【0079】
「学習」を指標としたリンクコスト(以下、学習コストと称す)は、時間コストに対して、以前通行した道路の回数をカウントしておき、回数が多い道路を示すリンクのコストが小さくなるような係数を乗じる。
【0080】
図9は、リンクコスト算出に用いられる情報の例を示す図表である。表900の各行は、それぞれリンクC1〜C3に関する情報を示している。また、表900の各列は、VICS情報中のリンク旅行時間(A)、リンクの長さ(B)、道路種別(C)、幅員(D)、過去通行回数(E)を示している。たとえば、リンクC1は、リンク旅行時間は50秒、長さは1000m、道路種別は一般道路、幅員は太い、過去の通行回数は0回である。
【0081】
図10は、図9に示す情報に基づいて算出したリンクコストの図表である。表1000の各行は、それぞれリンクC1〜C3のコスト値を示している。また、表1000の各列は、各探索指標項目のリンクコスト(時間リンクコスト(F)、距離リンクコスト(G)、料金リンクコスト(H)、幹線リンクコスト(I)、学習リンクコスト(J))を示す。たとえば、リンクC1の時間リンクコストはリンク旅行時間である50となっている。一方、リンクC3は、リンク旅行時間が取得できないため、リンク旅行時間の概算値を算出した値となっている。この場合、リンクC3は幅員が細いため20km/hで走行するものと想定し、長さ500mを20km/hで走行した場合にかかる時間90秒を時間リンクコストとしている。
【0082】
また、距離リンクコストは、リンクの長さに単位を揃える係数として、0.1を乗じた数とする。たとえば、リンクC1の距離リンクコストは、リンクの長さ1000mに0.1を乗じた100となっている。料金リンクコストは、道路種別が高速道路の場合は、時間コスト値に係数10をかけたものとする。一方、一般道路の場合は、係数をかけず時間リンクコストそのものとする。たとえば、リンクC1の料金リンクコストは一般道路であるため時間リンクコストそのものである50となっている。一方、リンクC2は高速道路であるため、時間リンクコスト30を10倍した300が料金リンクコスト値となっている。
【0083】
幹線リンクコストは、幅員が太い場合は時間リンクコストに係数0.5を乗じた値とし、細い場合は時間リンクコストに係数2を乗じた値とする。たとえば、幅員が太いリンクC1は時間リンクコスト50に係数0.5を乗じた25、幅員が細いリンクC3は時間リンクコスト90に係数2を乗じた180が幹線リンクコストとなる。
【0084】
学習リンクコストは、1回通行するごとに時間リンクコストから5%減じるようにする。たとえば、過去一度も通行したことがないリンクC1は、時間リンクコストそのものである50が学習リンクコストとなっている。一方、過去10回通行したことがあるリンクC3は、時間リンクコスト90を5%×10=50%減じた45が学習リンクコストとなっている。
【0085】
なお、時間リンクコスト、距離リンクコスト、料金リンクコスト、幹線リンクコスト、学習リンクコストを記録媒体305等にあらかじめ記録しておき、経路を探索する際に記録媒体305から時間リンクコスト等を取得するようにしてもよい。
【0086】
つぎに、探索指標項目ごとの優先度の割合による経路を探索するための経路探索用リンクコストの算出について説明する。上述のように算出された探索指標項目ごとのリンクコストは、それぞれの探索指標項目に設定された優先度に応じて、下記式(1)のような演算がおこなわれる。
【0087】
経路探索用リンクコスト = (時間リンクコスト×時間の優先度(%))+(距離リンクコスト×距離の優先度(%))+(料金リンクコスト×料金の優先度(%))+(幹線リンクコスト×幹線の優先度(%))+(学習リンクコスト×学習の優先度(%)) ・・・(1)
【0088】
たとえば、「時間」の優先度が60%、「距離」の優先度が14%、「料金」の優先度が4%、「幹線」の優先度が14%、「学習」の優先度が8%だった場合、リンクC2の経路探索用リンクコストは下記式(2)のようになる。
【0089】
44.8= 30×0.6 + 75×0.14 + 300×0.04 + 15×0.14 + 27×0.08 ・・・(2)
【0090】
つぎに、「時間」の優先度が30%、「距離」の優先度が14%、「料金」の優先度が30%、「幹線」の優先度が14%、「学習」の優先度が8%のように、「料金」の優先度を上げた場合、リンクC2の経路探索用リンクコストは下記式(3)のようになる。
【0091】
125.8= 30×0.3 + 75×0.14 + 300×0.34 + 15×0.14 + 27×0.08 ・・・(3)
【0092】
上記式(2)及び(3)から、「料金」の優先度を変化させることによって経路探索用リンクコストが大きく変化することがわかる。これは、リンクC2が高速道路のためであり、「料金」を重要視する設定の場合は、リンクC2は経路中に含まれにくくなる。このように、優先度を上げた探索指標項目が、他の探索指標項目よりも反映されたリンクコストがリンクの経路探索用リンクコストとなる。そして、経路探索用リンクコストを最適化するようにダイクストラ法で経路を計算することによって、ユーザの要望に即した最適経路を探索することができる。
【0093】
なお、経路を探索するためのコストとして、上記の経路探索用リンクコストだけではなく、リンクどうしの接続点であるノードのコスト(ノードコスト)を設定しても良い。この場合、リンクコストと同じように各探索指標項目ごとにノードコストを計算し、優先度の割合によって優先度の割合によってそれぞれ重み付けして加算することで、経路探索用ノードコストを設定する。
【0094】
ノードコストの算出方法の例を以下に挙げる。たとえば、「時間」を指標としたノードコスト(以下、時間ノードコストと称す)は、右折の場合は対向車の通過待ちなどの時間がかかるのでコストを高める。また、信号がある場合は、信号待ちの時間がかかるので、コストを高める。「距離」を指標としたノードコスト(以下、距離ノードコストと称す)は、ノードは距離に対して影響がないため、常に0とする。「料金」を指標としたノードコスト(以下、料金ノードコストと称す)は、一般道路から高速道路に乗る場合はコストを高める。「幹線」を指標としたノードコスト(以下、幹線ノードコストと称す)は、時間ノードコストをもとに、右左折がある場合は一定の係数をかけてコストを高める。また、信号のないノードで太い道への右折をおこなう場合や右左折後走行するリンクの幅員が細い場合もコストを高める。「学習」を指標としたノードコスト(以下、学習ノードコストと称す)は、時間ノードコストをもとに、走行歴があるリンクどうしを接続するノードはコストを下げる。このように、リンクのみならずノードのコストを考慮することによって、より適切な経路を探索することができる。
【0095】
なお、リンクコストの場合と同様に、時間ノードコスト、距離ノードコスト、料金ノードコスト、幹線ノードコスト、学習ノードコストを記録媒体305等にあらかじめ記録しておき、経路を探索する際に記録媒体305等から時間ノードコスト等を取得するようにしてもよい。
【0096】
そして、ナビゲーション装置300は、設定された経路を探索するためのコストに基づいて出発地から目的地までの最適経路の探索処理を実行する。
【0097】
(最適経路の探索処理)
次に、最適経路の探索処理について説明する。図11は、経路探索処理の一例を示すフローチャートである。以下に示す処理は、一般にダイクストラ法と呼ばれる経路探索方法である。ユーザが出発地点及び目的地点を指定するなどして経路探索を開始すると、図11に示す最適経路の探索処理が開始される。なお、以下の説明においては、表記の便宜上、出発地点からの経路探索のみを示しているが、並行して目的地点からも同様の処理をおこない、経路探索の処理にかかる時間の短縮を図っている。
【0098】
まず、出発地点に一番近いリンク(道路)を候補に加える(ステップS1101)。ここで、候補とは、最終的に探索される経路の一部となるリンクの候補を示す。また、一番近いとは、出発地点が面しているリンクの他、指定された出発地点を中心とする一定の範囲内に存在するリンクがある場合、そのリンクを候補に加えるということである。
【0099】
つぎに、候補となっているリンクが1つ以上あるかどうかを判断する(ステップS1102)。候補が1つ以上ある場合(ステップS1102:Yes)、すなわち、出発地点の周辺にリンクが存在する場合は、候補の中で積算コストが一番小さいリンク(以下、リンクLという)を選択する(ステップS1103)。積算コストとは、後述するステップS1108において算出した各リンクのリンクコストの積算値である。
【0100】
一方、ステップS1102において、候補が1つもない場合(ステップS1102:No)、すなわち、周辺に道路がない場合(たとえば、海洋上を出発地点として指定した場合など)は、探索失敗として(ステップS1104)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0101】
つぎに、ステップS1103において、リンクLを選択し、リンクLが目的地点に到達すると(ステップS1105:Yes)、探索終了として(ステップS1106)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、リンクLが目的地点に到達しなかった場合は(ステップS1105:No)、リンクLに接続する他のリンクのうちの1つ(以下、リンクCn(n=1,2,3・・)という)を候補に加えるかを判断する(ステップS1107)。リンクCnを候補に加えるか否かは、リンクCnが通行止めや時間規制などの道路交通状況や、道路種別や料金などの探索指標項目に適合しているかなどによって判断する。
【0102】
リンクCnを候補に加えない場合は(ステップS1107:No)、ステップS1109に移行する。一方、候補に加える場合は(ステップS1107:Yes)、リンクCnのリンクコストを算出し、候補に加える(ステップS1108)。
【0103】
つぎに、リンクLに接続する他のリンクCn+1があるかを判断する(ステップS1109)。他のリンクCn+1がある場合は(ステップS1109:Yes)、リンクCn+1をリンクCnと読み替えて(ステップS1110)、ステップS1105に戻り、以降の処理を繰り返す。一方、他のリンクCn+1がない場合は(ステップS1109:No)、候補となっているリンクCnをリンクLと読み替えて(ステップS1111)、ステップS1102に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0104】
以上のような処理を繰り返し、出発地点から目的地点に至る最適経路が探索される。また、上記の処理は、出発地点及び目的地点から並行しておこなわれており、候補となるリンクが際限なく広がることを防ぎ、経路探索にかかる時間の短縮を図っている。本実施例においては、各探索指標項目の優先度に基づいた経路探索用リンクコストを上記ステップS1108におけるリンクCnのリンクコストとして算出することによって、ユーザの要望に即した最適経路を探索する。
【0105】
なお、上記の処理ではリンクコストのみを用いて最適経路を探索しているが、ノードコストも用いるようにしてもよい。すなわち、ステップS1108においてリンクCnとリンクLとの間のノードのノードコストも算出し、リンクコストとともにノードコストも積算コストに加算する。本実施例においては、各探索指標項目の優先度に基づいた経路探索用ノードコストをステップS1108におけるノードコストとして算出する。
【0106】
(探索指標項目に対する優先度の自動設定)
つぎに、探索指標項目の優先度の設定を、経路探索部309によって過去に探索された経路に関する情報(以下、経路履歴情報と称す)から推測されるユーザの経路選択特性を用いておこなう場合について説明する。上述した例では、探索指標項目の優先度は、ユーザの入力情報によって決定していた。一方で、経路履歴情報を統計処理することによって、ユーザの経路選択特性を推測することができる。これを利用して、ユーザの経路選択特性に合わせた各探索指標項目の優先度を自動設定することができる。
【0107】
図12は、経路履歴情報から推測されたユーザの経路選択特性を用いて経路探索をおこなう際の処理手順を示すフローチャートである。まず、ナビゲーション装置300は、経路探索部309によって過去に探索された経路の経路履歴情報を記録媒体305やメモリ等に記録する(ステップS1201)。経路履歴情報とは、たとえば、探索された経路の出発地点及び目的地点、出発地点から目的地点までの経路についてのリンクやノードの情報などである。
【0108】
なお、経路探索部309によって過去に探索された経路のうち移動体が実際に走行した経路の経路履歴情報のみを記録対象にするようにしてもよい。このようにすることでより適格にユーザの経路選択特性を推測することができる。
【0109】
また、出発地から目的地までの移動体の走行軌跡を保存し、この走行軌跡を経路とした経路履歴情報を記録するようにしてもよい。このようにすることで、移動体が探索された経路から外れて走行して目的地に到着した場合のユーザの経路選択特性をより適格に推測することができる。
【0110】
つぎに、ナビゲーション装置300は、経路探索部309において、ステップS1201で記録されている経路履歴情報の経路の出発地点及び目的地点の情報を取得し、この出発地と目的地とをつなぐ経路を、各探索指標項目に対する優先度のパターンN個の各々のパターンに基づいてN個の仮想経路を探索する(ステップS1202)。ここで、ナビゲーション装置300は、各探索指標項目の優先度のパターンをN個分記録したデータベース(以下、パターンデータベースと称す)を有している。
【0111】
図13は、パターンデータベースの内容の一例を示す図である。パターンデータベース1300は、各探索指標項目に対する優先度のパターンが、番号1〜番号NまでのN個記録されている。たとえば、番号1のパターンは、「時間」、「距離」、「料金」、「幹線」、「学習」をそれぞれ20%ずつ考慮する設定となっている。また、番号2のパターンは、「時間」を60%、「距離」、「料金」、「幹線」、「学習」をそれぞれ10%ずつ考慮する組合せとなっている。ステップS1202において、経路探索部309は、これらの探索指標項目を考慮した仮想経路の探索を、パターンデータベース1300に記録されている優先度のパターンすべてについておこなう。
【0112】
また、パターンデータベース1300には、類似率の1位回数(以下、単に1位回数という)が記録されている。類似率とは、それぞれのパターンに基づいて探索された仮想経路と、実際に探索された経路との類似率である。実際に探索された経路との類似率が、N個の組合せのうち類似率が最も高かった場合は、1位回数に1が加算される。
【0113】
図12の説明に戻り、ステップS1202で探索されたN個の仮想経路と、実際に探索された経路との類似率を算出する(ステップS1203)。類似率の評価は、たとえば、ステップS1202で探索された仮想経路を構成するリンク及び実際に探索された経路を構成するリンクを比較し、一致するリンクがあった場合は、そのリンクのリンク長を加算していく。そして、加算されたリンク長(一致するリンクの長さの総和)を実際に探索された経路の全体のリンク長で割った割合を類似率とする。たとえば、100kmの経路中、60kmが一致する場合、60/100=60%の類似率となる。
【0114】
N個の仮想経路すべてについて類似率を算出すると、類似率が最も高い仮想経路に対応するパターンの1位回数に1を加算する(ステップS1204)。類似率が最も高い仮想経路が複数存在する場合には、これら類似率が最も高い仮想経路に対応するパターンすべてについて1位回数に1を加算する。このように、実際に探索された経路と優先度のパターンから探索された仮想経路とを比較して類似度を算出することによって、ユーザの経路選択特性を推測することができる。そして、探索指標項目の設定画面の表示指令がなされるまでは(ステップS1205:No)、ステップS1201に戻り、上述の処理を繰り返す。
【0115】
探索指標項目の設定画面の表示指令がなされると(ステップS1205:Yes)、1位回数が最も多い優先度のパターンに対応する優先度の設定画面を表示部303に表示する(ステップS1206)。ユーザは、表示部303に表示された優先度に基づいて最適経路の探索をおこなうかを選択する(ステップS1207)。表示された優先度に基づいて最適経路の探索をおこなう場合は(ステップS1207:Yes)、表示された優先度に基づいて経路探索用コストを設定して最適経路の探索をおこない(ステップS1208)、本フローチャートによる処理を終了する。表示された優先度に基づいて経路探索をおこなわない場合は(ステップS1207:No)、ユーザの優先度入力による最適経路の探索をおこない(ステップS1209)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0116】
なお、ステップS1206において、1位回数が最も多いパターンが複数ある場合には、このパターンに対応する優先度を表示せずにステップS1209に移行してユーザの優先度入力による最適経路の探索をおこなうようにしてもよい。また、この複数のパターンからランダムに1つ選択したパターンに対応する優先度を表示するようにしてもよい。また、この複数のパターンに対応する優先度を表示してユーザにいずれかを選択させるようにしてもよい。
【0117】
図14は、ステップS1206で表示されるパターンを示す画面の一例を示す図である。グラフ1411a〜1411eは、1位回数が最も多いパターンによって示される優先度を示している。メッセージ表示1431には、「過去の探索履歴から自動設定した優先度を表示しました。」と表示され、グラフ1411a〜1411eに表示された優先度が自動設定によるものであることを示している。ユーザによって探索開始ボタン1421が押下され、表示された優先度で経路探索をおこなうと判断した場合は、表示された優先度で最適経路の探索をおこなう。また、ユーザによってリセットボタン1422が押下されるなどして、表示された優先度で経路探索を行わないと場合は、ユーザの優先度入力による最適経路の探索をおこなう。
【0118】
上述の優先度自動設定処理において、経路履歴情報やパターンデータベースをナビゲーション装置300内に保有するように構成されているが、この経路履歴情報やパターンデータベースを外部のサーバに保有し、通信部308を用いてネットワークを介して経路履歴情報やパターンの情報の送受信をおこなう構成にしてもよい。
【0119】
また、上述の優先度自動設定処理において、仮想経路と実際に探索された経路との類似率によりユーザの経路選択特性を推測して各探索指標項目に対応する優先度を自動設定しているが、この処理以外の優先度自動設定処理としては以下のような方法も考えられる。実際に探索された経路が優先度を設定して探索されている場合には、この優先度のパターンを経路履歴情報として記録する。そして、経路探索の際に、経路履歴情報を用いてユーザが一番多く設定した優先度のパターンを検出し、この検出したパターンに対応する優先度を自動設定して最適経路の探索をおこなう。このようにすることで類似率を算出しなくても優先度を自動設定することができる。
【0120】
このように、過去に探索された経路の経路履歴情報からユーザの経路選択特性を推測して各探索指標項目に対応する優先度を自動設定することによって、煩雑な優先度設定作業をおこなうことなくユーザの好みに合わせた最適経路を探索することができる。
【0121】
以上説明したように、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、ユーザが各探索指標項目の優先度を指定することができる。これにより、ユーザの走行経路に対する要望をより詳細にくみ取ることができる。また、指定された優先度で各探索指標項目を考慮して経路探索をおこなうことによって、ユーザの走行経路に対する要望にきめ細かく対応し、より適切な走行経路を提供することができる。
【0122】
過去に探索された経路の経路情報からユーザの経路選択特性を推測することによって、煩雑な優先度設定作業をユーザにおこなわせることなく、ユーザの嗜好に合わせた走行経路を提供することができる。
【0123】
なお、本実施の形態で説明した経路探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であっても良い。

Claims (13)

  1. 複数の探索指標項目の優先度の合計値が所定値となるように、各々の前記探索指標項目の優先度をユーザに選択させる優先度設定手段と、
    各々の前記探索指標項目の優先度が前記合計値に対して占める割合に基づいて、経路を探索するためのリンクコストを設定するコスト設定手段と、
    前記コスト設定手段によって設定されたリンクコストを用いて出発地点から目的地点までの最適経路を探索する探索手段と、
    を備えることを特徴とする経路探索装置。
  2. 各々の前記探索指標項目の優先度があらかじめ設定された複数のパターンを記憶するパターン記憶手段を備え、
    前記優先度設定手段は、前記ユーザの入力情報に基づいて、前記パターン記憶手段に記憶されている複数のパターンから一のパターンを選択し、当該選択したパターンに基づいて各々の前記探索指標項目の優先度を設定することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
  3. 前記パターン記憶手段は、優先度が一番高い前記探索指標項目の優先度が異なった複数のパターンの各々をレベルと対応付けて記憶し、
    前記優先度設定手段は、優先度を一番高くする探索指標項目及び優先度のレベルの指定を示すユーザの入力情報に基づいて、複数のパターンから一のパターンを選択し、当該選択したパターンに基づいて各々の前記探索指標項目に対して優先度を設定することを特徴とする請求項2に記載の経路探索装置。
  4. 前記コスト設定手段は、各々のリンクに対して各々の前記探索指標項目に対応する複数のリンクコストを算出し、当該算出した複数のリンクコスト及び各々の前記探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのリンクコストを設定することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
  5. 各々のリンクに対して各々の前記探索指標項目に対応する複数のリンクコストを記憶するリンクコスト記憶手段を備え、
    前記コスト設定手段は、前記リンクコスト記憶手段に記憶されている複数のリンクコスト及び各々の前記探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのリンクコストを設定することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
  6. 前記コスト設定手段は、各々の前記探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのリンクコスト及び前記リンク同士が接続するノードのノードコストを設定し、
    前記探索手段は、前記コスト設定手段によって設定されたリンクコスト及びノードコストに基づいて、前記最適経路を探索することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
  7. 前記コスト設定手段は、各々のノードに対して各々の前記探索指標項目に対応する複数のノードコストを算出し、当該算出した複数のノードコスト及び各々の前記探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのノードコストを設定することを特徴とする請求項6に記載の経路探索装置。
  8. 各々のノードに対して各々の前記探索指標項目に対応する複数のノードコストを記憶するノードコスト記憶手段を備え、
    前記コスト設定手段は、前記ノードコスト記憶手段に記憶されている複数の前記ノードコスト及び各々の前記探索指標項目の優先度に基づいて、経路を探索するためのノードコストを設定することを特徴とする請求項6に記載の経路探索装置。
  9. 前記探索手段によって過去に探索された経路に関する情報を経路履歴情報として記憶する履歴記憶手段を備え、
    前記優先度設定手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている前記経路履歴情報に基づいて、各々の前記探索指標項目に対する優先度を設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の経路探索装置。
  10. 前記履歴記憶手段は、前記過去に探索された経路を探索する際に用いられたコストの設定に関与した前記探索指標項目に対応する優先度のパターンを前記経路履歴情報として記憶することを特徴とする請求項9に記載の経路探索装置。
  11. 出発地点から目的地点までの経路を探索する経路探索装置における経路探索方法であって、
    ユーザの入力情報に基づいて、複数の探索指標項目の優先度の合計値が所定値となるように、各々の前記探索指標項目の優先度を設定する第1設定工程と、
    設定された各々の前記探索指標項目の優先度が前記合計値に対して占める割合に基づいて、経路を探索するためのリンクコストを設定する第2設定工程と、
    設定された前記リンクコストを用いて出発地点から目的地点までの経路を探索する探索工程と、
    を含むことを特徴とする経路探索方法。
  12. 請求項11に記載の経路探索方法をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。
  13. 請求項12に記載の経路探索プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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