以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る運転支援装置を示す構成図である。本実施形態に係る運転支援装置100は、図1に示すように、体圧分布センサー110と、制御装置120と、記憶装置130と、ディスプレイ140と、スピーカー150とを備える。
体圧分布センサー110は、運転席のシート内に設けられており、運転者の臀部が接する座面と、運転者の背部が接するシートの背もたれ面に設けられた複数の圧電素子から構成されている。体圧分布センサー110を構成する各圧電素子は、運転者の運転姿勢に応じた圧力を電圧信号に変換することで、運転者の体圧分布を検出する。なお、体圧分布センサー110により検出された運転者の体圧分布は、制御装置120に出力される。
図2は、本実施形態に係る体圧分布センサー110の設置例を示す図である。体圧分布センサー110は、複数の圧電素子を被覆材で被覆したシート状に形成されており、運転席21の着座部22および背もたれ部23のシート面の内側に設けられている。本実施形態では、図2に示すように、体圧分布センサー110を構成する電圧素子を着座部22および背もたれ部23に8点ずつ配設している。これにより、体圧分布センサー110は、運転者の運転姿勢に応じた各圧電素子の電圧信号を、運転者の運転姿勢に応じた運転者の身体信号として検出することができる。
制御装置120は、運転者に適切な経路を案内するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成される。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
制御装置120は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、運転者の現在の運転姿勢を検出する運転姿勢検出機能と、運転者の運転姿勢に基づいて運転者の身体状態を推定する身体状態推定機能と、運転者の身体状態の時系列データを走行履歴として記憶する走行履歴記憶機能と、運転者の将来の身体状態を予測し、身体状態が悪化する兆候があるか否かを判断する身体状態予測機能と、運転者の身体状態に基づいて運転者の身体状態に適した誘導経路を探索する経路探索機能と、探索した誘導経路を運転者に提示する提示機能とを実現する。以下において、制御装置120が備える各機能について説明する。
制御装置120の運転姿勢検出機能は、体圧分布センサー110により検出された運転者の体圧分布に基づいて、運転者の運転姿勢を検出する。ここで、図3は、体圧分布と運転姿勢との関係を示す図である。本実施形態において、運転姿勢検出機能は、図3に示すように、運転者の前後方向の運転姿勢を前傾、中位、後傾の中から特定するとともに、運転者の左右方向における運転姿勢を左傾、中位、右傾の中から特定することで、運転者の運転姿勢を、図3に示す9種類の運転姿勢の中から検出する。以下に、図4および図5を参照して、運転者の運転姿勢の検出方法について説明する。なお、図4は、運転者の前後方向の運転姿勢を検出する方法を説明するための図であり、図5は、運転者の左右方向の運転姿勢の検出方法を説明するための図である。
具体的には、運転姿勢検出機能は、まず、図4に示すように、運転者の臀部の体圧分布と、運転者の背部の体圧分布とに基づいて、運転者の前後方向の運転姿勢を判定するための判定値を算出する。図4に示す判定値は、運転者の前後方向の運転姿勢を判定するための判定値であり、この判定値の値が高いほど、運転者の運転姿勢は前傾姿勢であると判定することができ、この判定値が低いほど、運転者の運転姿勢は後傾姿勢であると判定することができる。
たとえば、運転者の運転姿勢が後傾姿勢となるほど、運転者の臀部の重心位置は前方に移動する。そのため、運転姿勢検出機能は、運転者の臀部の体圧分布に基づいて、運転者の臀部の重心位置を算出し、運転者の臀部の重心位置が前方に移動しているほど、運転者の運転姿勢が後傾姿勢と判定されるように、前後方向の運転姿勢に対応する判定値を大きくする。
また、運転者の運転姿勢が前傾姿勢となるほど、運転者の背部の重心位置は下方に移動する。そのため、運転姿勢検出機能は、運転者の背部の体圧分布に基づいて、運転者の背部の重心位置を算出し、運転者の背部の重心位置が下方に移動するほど、運転者の運転姿勢が前傾姿勢と判定されるように、前後方向の運転姿勢に対応する判定値を小さくする。さらに、運転者の運転姿勢が前傾姿勢となるほど、運転者の背部の荷重は小さくなる。そこで、運転姿勢検出機能は、運転者の背部の荷重が小さいほど、運転者の運転姿勢が前傾姿勢と判定されるように、前後方向の運転姿勢に対応する判定値を小さくする。なお、運転姿勢検出機能は、運転者の背部の重心位置および運転者の背部の荷重の両方を用いて、前後方向の運転姿勢に対応する判定値を算出してもよいし、運転者の背部の重心位置および運転者の背部の荷重のうち一方を用いて、前後方向の運転姿勢に対応する判定値を算出してもよい。
そして、運転姿勢検出機能は、図4に示すように、前後方向の運転姿勢に対応する判定値が適正姿勢範囲にあるか否かを判断し、前後方向の運転姿勢に対応する判定値が適正姿勢範囲にある場合には、運転者の前後方向の運転姿勢を「中位」として検出する。また、運転姿勢検出機能は、前後方向の運転姿勢に対応する判定値が適正姿勢範囲よりも大きい後傾姿勢範囲にある場合には、運転者の前後方向の運転姿勢を「後傾」として検出する。さらに、運転姿勢検出機能は、前後方向の運転姿勢に対応する判定値が適正姿勢範囲よりも小さい前傾姿勢範囲にある場合には、運転者の前後方向の運転姿勢を「前傾」として検出する。
なお、適正姿勢範囲は、運転者の運転姿勢の評価値が適正姿勢範囲にある場合に、運転者が腰痛や疲労を生じにくい運転姿勢(適正姿勢)となるように、実験などにより統計的に設定された範囲である。本実施形態では、記憶装置130に、このような適正姿勢範囲が記憶されている。
また、運転姿勢検出機能は、運転者の前後方向の運転姿勢の検出方法と同様に、運転者の左右方向の運転姿勢を検出する。具体的には、運転姿勢検出機能は、まず、図5に示すように、運転者の臀部の体圧分布と、運転者の背部の体圧分布とに基づいて、運転者の左右方向の運転姿勢を判定するための判定値を算出する。図5に示す判定値は、運転者の左右方向の運転姿勢を判定するための判定値であり、この判定値が高いほど運転者の運転姿勢は左傾姿勢であると判定することができ、この判定値が低いほど運転者の運転姿勢は右傾姿勢であると判定することができる。
たとえば、運転者の運転姿勢が左傾姿勢となるほど、運転者の臀部の重心位置および背部の重心位置は左方向に移動する。そのため、運転姿勢検出機能は、運転者の臀部の体圧分布に基づいて、運転者の臀部の重心位置を算出するとともに、運転者の背部の体圧分布に基づいて、運転者の背部の重心位置を算出する。そして、運転姿勢検出機能は、運転者の臀部の重心位置、および、運転者の背部の重心位置が左方向に移動しているほど、運転者の運転姿勢が左傾姿勢と判定されるように、左右方向の運転姿勢に対応する判定値を大きくする。
また、運転者の運転姿勢が右傾姿勢となるほど、運転者の臀部の重心位置および背部の重心位置は右方向に移動する。そこで、運転姿勢検出機能は、運転者の臀部の重心位置、および、運転者の背部の重心位置が右方向に移動しているほど、運転者の運転姿勢が右傾姿勢と判定されるように、左右方向の運転姿勢に対応する判定値を小さくする。
そして、運転姿勢検出機能は、左右方向の運転姿勢に対応する判定値が適正姿勢範囲にあるか否かを判断し、図3に示すように、左右方向の運転姿勢に対応する判定値が適正姿勢範囲にある場合には、運転者の左右方向の運転姿勢を「中位」として検出する。また、運転姿勢検出機能は、左右方向の運転姿勢に対応する判定値が適正姿勢範囲よりも大きい左傾姿勢範囲にある場合には、運転者の左右方向の運転姿勢を「左傾」として検出し、左右方向の運転姿勢に対応する判定値が適正姿勢範囲よりも小さい右傾姿勢範囲にある場合には、運転者の左右方向の運転姿勢を「右傾」として検出する。
そして、運転姿勢検出機能は、運転者の前後方向の運転姿勢の検出結果と、運転者の左右方向の運転姿勢の検出結果とに基づいて、運転者の運転姿勢が、図3に示す9つの運転姿勢のうち、いずれの運転姿勢に該当するかを判定することで、運転者の運転姿勢を検出する。すなわち、運転姿勢検出機能は、運転者の前後方向の運転姿勢が「中位」であり、運転者の左右方向の運転姿勢も「中位」である場合には、運転者の運転姿勢は適正姿勢であると検出し、また、運転者の前後方向の運転姿勢が「前傾」であり、運転者の左右方向の運転姿勢が「中位」である場合には、運転者の運転姿勢は適正姿勢ではなく、図3において「2」で示す前傾姿勢であると検出する。他の運転姿勢についても同様である。
身体状態推定機能は、運転姿勢検出機能により検出された運転者の運転姿勢に基づいて、運転者の身体状態を推定する。具体的には、身体状態推定機能は、運転者の運転姿勢と腰部の負荷との関係を示すテーブルを参照することで、運転姿勢検出機能により検出された運転姿勢から、運転者の現在の腰部の負荷を算出し、この腰部の負荷の時間的な累積値を、運転者の腰部の負荷状態を推定するための身体状態評価値として算出する。また、身体状態推定機能は、運転姿勢と筋疲労との関係を示すテーブルを参照することで、運転姿勢検出機能により検出された運転姿勢から、現在の筋疲労の値を算出し、この筋疲労の時間的な累積値を、運転者の疲労の状態を推定するための身体状態評価値として算出する。なお、腰部への負荷とは、主に腰椎(L1〜L5)の偏心圧力であり、筋疲労とは、主に体幹筋の筋緊張度合である。さらに、身体状態推定機能は、自車両の走行状態(たとえば、旋回、急制動、渋滞など)を加味して、身体状態評価値を算出する構成としてもよい。
なお、運転姿勢と腰部への負荷との関係を示すテーブル、および、運転姿勢と筋疲労との関係を示すテーブルは、逆動力学モデルに基づいて、実験等により予め設定することができる。また、このテーブルは、運転者の体型や性別などに応じて設定されることが望ましく、この場合には、運転者を認証するシステムが必要である。運転者の認証システムには、所有物認証、知識認証、生体認証等がある。所有物認証としては、例えば免許証に内蔵されたユーザIDから運転者を認証する。また、知識認証としては、例えばパスワードの入力から運転者を認証することができる。また、生体認証としては、指紋、虹彩、声紋、顔、静脈等から運転者を認証することができる。
たとえば、運転者がステアリングホイールにしがみついているような場合、骨格負荷としては、足関節の負荷は低下するが腰椎負荷は大きくなり、また筋負荷としては、やはり足の筋負荷は低下するが体幹、肩、腕の筋負荷が大きくなる。また、運転者が突っ張り背もたれ部23に体重をかけるような場合、骨格負荷としては、腰椎負荷が下がり、筋負荷としては、足の筋負荷は若干大きくなるが、体幹の筋負荷は低くなる。また、アームレスト等に肩肘をつくような場合、骨格負荷としては、左右非対称となることで全体的に負荷が大きくなり、筋負荷としても、やはり左右非対称となることで全体的に負荷が大きくなる。
さらに、身体状態推定機能は、運転姿勢検出機能により検出された運転姿勢に基づいて、運転者の重心値の変動量(または変化率)を、運転者の眠気の状態を示す身体状態評価値として算出することができる。たとえば、運転者の重心の変動量が大きいほど、運転者の眠気が強いものと判断することができ、運転者の眠気の状態を示す身体状態評価値を大きく算出することができる。
走行履歴記憶機能は、自車両の走行に伴う運転者の身体状態の変化を、走行履歴として記憶装置130に記憶する。本実施形態において、走行履歴記憶機能は、走行履歴として、運転者の疲労の状態を示す走行履歴と、運転者の腰部の負荷状態を示す走行履歴と、運転者の眠気の状態を示す走行履歴とをそれぞれ記憶する。ここで、図6は、走行履歴記憶機能により記憶された運転者の疲労の状態を示す走行履歴の一例を示す図であり、図7は、走行履歴記憶機能により記憶された運転者の腰部の負荷状態を示す走行履歴の一例を示す図であり、図8は、走行履歴記憶機能により記憶された運転者の眠気の状態を示す走行履歴の一例を示す図である。
また、本実施形態において、記憶装置130は、車両の走行に伴う一般的な運転者の身体状態評価値の時間的な変化を、運転者の身体状態を示す走行履歴として予め記憶している。そして、走行履歴記憶機能は、記憶装置130に予め記憶されている一般的な運転者の身体状態評価値のうち、現在の走行時間に対応する身体状態評価値と、身体状態推定機能により推定された自車両の運転者の身体状態評価値とを比較し、その差が所定の閾値dよりも大きい場合には、走行履歴として予め記憶されている一般的な運転者の身体状態評価値を、自車両の運転者の身体状態評価値で更新する。これにより、記憶装置130に予め記憶されている一般的な運転者の走行履歴を、運転者の身体状態で更新することができ、その結果、運転者に個有の走行履歴を記憶することができる。さらに、走行履歴記憶機能は、更新された走行履歴における現在の走行時間に対応する身体状態評価値と、運転者の現在の身体状態評価値とを逐次比較し、走行履歴の身体状態を更新していくことで、運転者の現在の身体状態により適合した走行履歴を記憶することができる。
たとえば、走行履歴記憶機能は、記憶装置130に走行履歴として予め記憶されている一般の運転者の疲労の状態を示す身体状態評価値を、身体状態推定機能により推定された運転者の疲労の状態を示す身体状態評価値で更新することで、図6に示すように、運転者の疲労の状態を示す走行履歴を記憶装置130に記憶することができる。また、同様に、走行履歴記憶機能は、記憶装置130に走行履歴として記憶されている一般の運転者の腰部の負荷状態を示す身体状態評価値を、身体状態推定機能により推定された運転者の腰部の負荷状態を示す身体状態評価値で更新することで、図7に示すように、運転者の腰部の負荷状態を示す走行履歴を記憶装置130に記憶することができ、記憶装置130に走行履歴として記憶されている一般の運転者の眠気の状態を示す身体状態評価値を、身体状態推定機能により推定された運転者の眠気の状態を示す身体状態評価値で更新することで、図8に示すように、運転者の眠気の状態を示す走行履歴を記憶装置130に記憶することができる。
なお、車両の走行に伴う一般的な運転者の身体状態評価値の時間的な変化を、走行履歴として予め記憶しておく際に、体型や性別ごとに異なる複数の走行履歴を記憶装置130に予め記憶しておき、これら複数の走行履歴のうち、運転者の体型や性別に応じた、走行履歴を使用する構成とすることが好適である。また、走行履歴記憶機能による走行履歴の記憶方法は、上述した方法に限定されず、たとえば、過去に推定された運転者の身体状態評価値の平均値を走行時間ごとに算出することで、身体状態評価値の平均値の時間的な変化を、運転者の身体状態の変化を示す走行履歴として記憶する構成としてもよい。
さらに、走行履歴記憶機能は、GPSユニット(不図示)により検出された位置情報に基づいて、身体状態推定機能により算出された身体状態評価値と、身体状態評価値が算出された道路地図上の位置とを対応付けて記憶装置130に記憶することで、走行履歴を道路地図情報に対応付けて記憶する。これにより、走行履歴記憶機能は、地図上の経路ごとに、走行履歴を記憶装置130に記憶することができる。さらに、走行履歴記憶機能は、身体状態推定機能により算出された身体状態評価値と、身体状態評価値が算出された道路地図上の位置に関連付けて、走行時刻、天候情報、運転者の体型、運転者の性別などの情報を記憶することで、時刻ごと、天候ごと、運転者の体型ごと、運転者の性別ごとに、走行履歴を記憶することができる。
また、本実施形態において、走行履歴記憶機能は、運転者の身体状態が悪化状態であると判定することが可能な身体状態評価値を、判定基準値として、走行履歴に関連付けて記憶する。たとえば、走行履歴記憶機能は、図6に示すように、運転者が疲労した状態であると判定することが可能な身体状態評価値を、判定基準値S1として特定し、この判定基準値S1を、運転者の疲労の状態を示す走行履歴に関連付けて記憶する。なお、判定基準値の特定方法は、特に限定されず、たとえば、経路、天候、運転者の体型、運転者の性別などを考慮して、一般的に運転者の身体状態が悪化したものと判断できる身体状態評価値を、判定基準値として予め記憶しておく構成としてもよいし、あるいは、以下に説明するように、判定基準値を特定する構成としてもよい。
たとえば、走行履歴記憶機能は、疲労したか否かを問うメッセージを運転者に提示し、これに対して、運転者が疲労した旨の回答を入力した場合に、そのときの身体状態評価値を、運転者が疲労した状態であると判定するための判定基準値S1として記憶装置130に記憶することができる。なお、この場合において、疲労したか否かを問うメッセージに対して運転者が回答しない場合には、運転者は疲労していないものと判断することができる。
また、走行履歴記憶機能は、運転者の現在の身体状態評価値が、既に設定されている判定基準値S1よりも低い場合において、運転者が高速道路のサービスエリアに入った場合や、運転負荷の低い道路を迂回して走行した場合などには、運転者が疲労しているものと判断して、現在設定されている判定基準値S1を低い値に補正する構成としてもよい。あるいは、走行履歴記憶機能は、運転者の現在の身体状態評価値が、既に設定されている判定基準値S1以上である場合において、運転者を運転負荷の低い経路に誘導したにもかかわらず、運転者がその経路を走行しない場合には、運転者は疲労していないものと判断して、現在設定されている判定基準値S1を高い値に補正する構成としてもよい。
同様に、走行履歴記憶機能は、図7に示すように、運転者の腰部の負荷状態を示す走行履歴とともに、運転者が腰痛を発症しているか否かを判定するための判定基準値S2を設定する。たとえば、走行履歴記憶機能は、運転者が腰痛を発症しているか否かを問うメッセージを運転者に提示し、これに対して運転者が腰痛を発症している旨の回答を入力した場合に、このときの身体状態評価値を、運転者が腰痛を発症しているか否かを判定するための判定基準値S2として設定することができる。
さらに、走行履歴記憶機能は、図8に示すように、運転者の眠気の状態を示す走行履歴とともに、運転者が居眠りしているか否かを判定するための判定基準値S3を設定する。たとえば、走行履歴記憶機能は、運転者の顔画像から運転者が居眠りしているか否かを判断し、運転者が居眠りしていると判断された場合の身体状態評価値を、運転者が居眠りしているか否かを判定するための判定基準値S3として設定することができる。
次に、制御装置120の身体状態予測機能について説明する。身体状態予測機能は、自車両の走行に伴う運転者の身体状態の時間的な変化を示す走行履歴と、身体状態推定機能で算出した運転者の現在の身体状態評価値とに基づいて、運転者の将来の身体状態を予測することで、運転者の身体状態に悪化の兆候があるか否かを判断する。
ここで、図9は、図6に示す運転者の疲労の状態を示す走行履歴に基づいて、運転者の将来の疲労の状態を予測する方法を説明するための図である。身体状態予測機能は、たとえば、図9に示すように、身体状態推定機能により推定された、運転者の現在の疲労を示す身体状態評価値がS1’である場合には、運転者の疲労の状態を示す走行履歴において、身体状態評価値がS1’となる走行時間t1’を算出する。なお、図9においては、走行履歴における身体状態評価値を白丸で示しており、身体状態推定機能により推定された運転者の現在の身体状態評価値S1’を黒丸で示している。
そして、身体状態予測機能は、図9に示すように、運転者の疲労の状態を示す走行履歴において、現在の身体状態評価値S1’に対応する走行時間t1’と、身体状態評価値が判定基準値S1に達する走行時間t1との差分(走行時間t1−走行時間t1’)を、運転者が疲労するまでの事前予測時間T1として算出する。
そして、身体状態予測機能は、予測した事前予測時間T1と、所定の判定時間(たとえば10分)とを比較し、事前予測時間T1が所定の判定時間よりも短い場合に、運転者に疲労の兆候があるものと判断する。なお、所定の判定時間は、特に限定されず、運転時間、走行距離、時刻、場所、道路形状などに応じて、適宜決定することができる。
また、身体状態予測機能は、図10に示すように、運転者の現在の腰部の負荷状態を示す身体状態評価値がS2’である場合には、運転者の腰部の負荷状態を示す走行履歴において、身体状態評価値がS2’となる走行時間t2’を算出し、身体状態評価値がS2’となる走行時間t2’と、走行履歴において身体状態評価値が判定基準値S2に達する走行時間t2との差分(走行時間t2−走行時間t2’)を、運転者が腰痛を発症するまでの事前予測時間T2として算出する。そして、身体状態予測機能は、予測した事前予測時間T2と、所定の判定時間(たとえば10分)とを比較し、事前予測時間T2が所定の判定時間よりも短い場合に、運転者が腰痛を発症する兆候があるものと判断する。
さらに、身体状態予測機能は、図11に示すように、運転者の現在の眠気の状態を示す身体状態評価値がS3’である場合には、運転者の眠気の状態を示す走行履歴において、身体状態評価値がS3’となる走行時間t3’を算出し、身体状態評価値がS3’となる走行時間t3’と、身体状態評価値が判定基準値S3に達する走行時間t3との差分(走行時間t3−走行時間t3’)を、運転者が居眠りするまでの事前予測時間T3として算出する。そして、身体状態予測機能は、予測した事前予測時間T3と、所定の判定時間(たとえば10分)とを比較し、所定の判定時間よりも事前予測時間T3の方が短い場合に、運転者が居眠りする兆候があるものと判断する。
このように、本実施形態では、運転者の身体状態を身体状態評価値で評価することで、運転者の身体状態を適切に推定することができる。また、本実施形態では、走行履歴と運転者の現在の身体状態に基づいて、運転者の身体状態が悪化するまでの事前予測時間を予測し、予測した事前予測時間が所定の判定時間よりも短い場合に、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判定することで、運転者の身体状態を高い精度で予測することができ、運転者の身体状態に悪化の兆候があるか否かを高い精度で判定することができる。
また、上述したように、本実施形態では、運転者の走行履歴が道路地図情報に対応付けて記憶されており、身体状態予測機能は、自車両が走行する経路に対応する走行履歴に基づいて、運転者の将来の身体状態を予測することができる。このように、自車両が走行する経路に対応する走行履歴に基づいて、運転者の将来の身体状態を予測することで、運転者の将来の身体状態をより高い精度で予測することができる。
次に、制御装置120の経路探索機能について説明する。経路探索機能は、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判断された場合に、運転者の身体状態の悪化を抑制するための誘導経路を探索する。たとえば、経路探索機能は、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判断された場合において、現在位置から目的地までの所要時間が所定時間以上かかる場合には、運転者に休息を取らせるために、自車両周辺において駐車可能位置を探索し、探索した駐車可能位置までの経路を、運転者の身体状態の悪化を抑制するための誘導経路として探索する。なお、駐車可能位置は、特に限定されないが、たとえば、サービスエリアなどが挙げられる。
さらに、経路探索機能は、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判断された場合において、現在位置から目的地までの所要時間が所定時間以上かかる場合には、自車両が現在走行している経路よりも運転負荷の低い経路(すなわち、運転者の身体に係る負荷の低い経路)を、運転者の身体状態の悪化を抑制するための誘導経路として探索することもできる。たとえば、経路探索機能は、狭路や頻繁な右左折を伴う経路を含まないように、目的地までの経路を探索し、探索した経路の運転負荷と、運転者に現在提示されている経路の運転負荷とを比較することで、自車両が現在走行している経路よりも運転負荷の低い経路を、運転者の身体状態の悪化を抑制するための誘導経路として探索することができる。
また、本実施形態では、経路探索機能により誘導経路の探索が行われた場合に、走行履歴記憶機能により、経路探索機能が誘導経路の探索を行った地図上の位置と、誘導経路の探索後に自車両が実際に走行した経路とが関連付けられて記憶装置130に記憶される。これにより、経路探索機能は、誘導経路の探索が行われた位置ごとに、運転者の嗜好の応じた誘導経路を探索することが可能となる。すなわち、経路探索機能は、記憶装置130を参照して、現在の走行位置の周辺で、過去に、誘導経路の探索が行われたか否かを判断し、現在の走行位置の周辺で、過去に、誘導経路の探索が行われている場合には、過去に誘導経路を探索した際に運転者が実際に走行した経路を、誘導経路として探索することができる。これにより、運転者の嗜好に応じた誘導経路を探索することが可能となる。
また、本実施形態において、走行履歴記憶機能は、経路探索機能が探索を行った地図上の位置と、誘導経路の探索後に自車両が実際に走行した経路とに関連付けて、目的地および道路状況を、記憶装置130に記憶することができる。これにより、経路探索機能は、経路探索機能が探索を行った位置ごと、目的地ごと、道路状況ごとに、運転者の嗜好に応じた誘導経路を探索することができる。
次に、制御装置120の提示機能について説明する。提示機能は、経路探索機能により誘導経路が探索された場合に、ディスプレイ140やスピーカー150を介して、経路探索機能により探索された誘導経路を運転者に提示する。
また、本実施形態において、提示機能は、運転者の身体状態に悪化の兆候があると推定された場合において、現在位置から目的地までの所要時間が所定時間未満である場合には、運転者の心理的な負担を軽減するために、誘導経路の提示とともに、目的地への到着時刻、または、現在位置から目的地までの所要時間を運転者に提示する。
さらに、本実施形態において、提示機能は、運転者の身体状態を運転者に把握させるために、ディスプレイ140やスピーカー150を介して、身体状態推定機能により推定された運転者の身体状態を運転者に提示する。たとえば、提示機能は、図9〜図11に示すグラフのように、運転者の疲労の状態を示す身体状態評価値の推移、運転者の腰部の負荷を示す身体状態評価値の推移、および、運転者の眠気の状態を示す身体状態評価値の推移を、運転者に提示することができる。
次に、図12を参照して、本実施形態に係る運転支援処理を説明する。図12は、本実施形態に係る運転支援処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る運転支援処理は、たとえば、イグニッションがオンとなった場合に、制御装置120により実行される。
まず、ステップS101では、運転姿勢検出機能により、体圧分布センサー110により検出された体圧分布に基づいて、運転者の運転姿勢の検出が行われる。具体的には、運転姿勢検出機能は、体圧分布センサー110から出力された圧電素子の電圧信号をA/D変換し、着座部22及び背もたれ部23に対する荷重中心を算出する。そして、運転姿勢検出機能は、図3に示すように、着座部22及び背もたれ部23のそれぞれに対する荷重中心から運転者の運転姿勢を検出する。
ステップS102では、身体状態推定機能により、ステップS101で検出された運転者の運転姿勢に基づいて、運転者の身体状態の推定が行われる。上述したように、身体状態推定機能は、運転者の腰部の負荷状態として、運転者の腰部の負荷状態を示す身体状態評価値を、運転者の疲労の状態として、運転者の疲労の状態を示す身体状態評価値を、運転者の眠気の状態として、運転者の眠気の状態を示す身体状態評価値をそれぞれ算出する。
なお、本実施形態では、ステップS102以降においても、身体状態評価値の算出が繰り返し実行され、算出された身体状態評価値に基づいて、走行履歴の更新が行われる。このように、本実施形態では、図12に示す運転支援処理と並行して、走行履歴の更新処理が繰り返し実行される。
ステップS103では、身体状態予測機能により、ステップS102で算出した運転者の現在の身体状態評価値に基づいて、運転者の身体状態に悪化の兆候があるか否かの判断が行われる。たとえば、図9に示す例において、身体状態予測機能は、運転者の走行履歴を参照して、ステップS102で算出した運転者の現在の身体状態評価値S1’に対応する走行時間t1’と、走行履歴において、運転者の身体状態評価値が判定基準値S1に達する走行時間t1との差分(走行時間t1−走行時間t1’)を、運転者の身体状態が悪化するまでの事前予測時間T1として算出する。そして、身体状態予測機能は、予測した事前予測時間T1と、所定の判定時間(たとえば10分)とを比較し、事前予測時間T1が所定の判定時間よりも短い場合には、運転者に身体状態の悪化の兆候があるものと推定する。
ステップS104では、経路探索機能により、ステップS103において、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判定されたか否かの判断が行われる。ステップS103において、運転者の身体状態に悪化の兆候がないと判定された場合には、ステップS101に戻り、運転者の身体状態に悪化の兆候が生じるまで、運転者の身体状態の推定と、運転者の身体状態に悪化の兆候があるか否かの判定とが繰り返される。一方、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判定された場合には、運転者の身体状態の悪化を抑制するために、ステップS105に進む。
ステップS105では、経路探索機能により、現在位置から目的地までの所要時間が所定時間以上かかるか否かの判断が行われる。現在位置から目的地までの所要時間が所定時間以上かかる場合には、ステップS106に進み、一方、現在位置から目的地までの所要時間が所定時間未満となる場合には、ステップS116に進む。
ステップS106では、経路探索機能により、現在位置から自車両周辺の駐車可能位置までの誘導経路が探索される。具体的には、経路探索機能は、今回、運転者の身体状態に悪化の兆候があると推定された位置と共通する位置が記憶装置130に記憶されている場合には、該位置において、運転者が選択した自車両周辺の駐車可能位置までの誘導経路を、運転者の身体状態の悪化を抑制するための誘導経路として探索する。一方、経路探索機能は、今回、運転者の身体状態に悪化の兆候があると推定された位置と共通する位置が記憶装置130に記憶されていない場合には、記憶装置130に記憶されている地図情報に基づいて、現在位置から自車両周辺の駐車可能位置まで経路を、運転者の身体状態の悪化を抑制するための誘導経路として探索する。
そして、ステップS107では、提示機能により、ステップS106において、自車両周辺の駐車可能位置までの経路が探索されたか否かの判断が行われる。自車両周辺の駐車可能位置までの経路が探索された場合には、探索した駐車可能位置までの経路を運転者に提示するために、ステップS108に進む。一方、自車両周辺の駐車可能位置までの経路が探索されなかった場合には、自車両が走行している経路よりも運転負荷の低い経路を運転者に提示するために、ステップS111に進む。
ステップS108では、経路探索機能により、運転者に対して、休息を取るか否かの確認メッセージの提示が行われる。そして、ステップS109では、経路探索機能により、ステップS108で提示された確認メッセージに対して、運転者が休息を取る旨の情報を入力したか否かの判断が行われる。運転者により休息を取る旨の情報が入力された場合には、ステップS110に進み、一方、運転者により運転を継続する旨の情報が入力された場合には、ステップS111に進む。
ステップS110では、運転者により休息を取る旨の情報が入力されているため、経路探索機能により、ステップS106で探索された、現在位置から自車両周辺の駐車可能位置までの誘導経路が運転者に対して提示される。これにより、運転者を駐車可能位置まで適切に誘導することでき、駐車可能位置において、運転者に休息を取らせることができる。
また、続くステップS117では、提示機能により、運転者の身体状態の提示が行われる。たとえば、提示機能は、図9〜図11に示すグラフのように、運転者の疲労の状態を示す身体状態評価値の推移、運転者の腰部の負荷を示す身体状態評価値の推移、および、運転者の眠気の状態を示す身体状態評価値の推移を、ディスプレイ140やスピーカー150を介して、運転者に提示する。これにより、運転者の身体状態を運転者に適切に把握させることができる。
さらに、ステップS118では、走行履歴記憶機能により、誘導経路の探索が行なわれた地図上の位置と、誘導経路の提示後に自車両が実際に走行した経路とが関連付けられて、記憶装置130に記憶される。これにより、次回以降の処理において、今回、運転者が実際に走行した経路を、運転者の嗜好に応じた誘導経路として、運転者に提示することが可能となる。
一方、ステップS107において、現在位置から自車両周辺の駐車可能位置までの経路を探索できなかった場合、または、ステップS109において、運転者により休息を取る旨の情報が入力されなかった場合には、ステップS111に進む。ステップS111では、経路探索機能により、自車両の現在の走行経路よりも運転負荷の低い経路が、運転者の身体状態の悪化を抑制するための誘導経路として探索される。
たとえば、経路探索機能は、狭路や頻繁な右左折を伴う経路を含まないように、目的地までの経路を探索し、探索した経路の運転負荷と、運転者に現在提示されている経路の運転負荷とを比較することで、自車両が現在走行している経路よりも運転負荷が低い経路を、運転者の身体状態の悪化を抑制するための誘導経路として探索することができる。また、本実施形態において、経路探索機能は、記憶装置130を参照して、現在の走行位置の周辺で、過去に誘導経路の探索が行われたか否かを判断し、現在の走行位置の周辺で、過去に誘導経路の探索が行われている場合には、過去に誘導経路を探索した際に運転者が実際に走行した経路を、運転者に提示するための誘導経路として探索することもできる。
そして、ステップS112では、経路探索機能により、ステップS111において、自車両の現在の走行経路よりも運転負荷の低い誘導経路が探索されたか否かの判断が行われる。自車両の現在の走行経路よりも運転負荷の低い誘導経路が探索された場合には、ステップS113に進む。一方、自車両の現在の走行経路よりも運転負荷の低い誘導経路が探索できなかった場合には、ステップS117に進み、運転者の身体状態の提示が行われた後に、ステップS118で、誘導経路の探索が行なわれた地図上の位置と、誘導経路の提示後に自車両が実際に走行した経路とが関連付けられて、記憶装置130に記憶される。
ステップS113では、自車両の現在の走行経路よりも運転負荷の低い誘導経路が探索されているため、提示機能により、運転者に現在提示している誘導経路を、ステップS111で探索した誘導経路に変更してよいか否かの確認メッセージが、運転者に対して提示される。
ステップS114では、提示機能により、ステップS113の確認メッセージに対して、運転者が誘導経路の変更を許可したか否かの判断が行われる。たとえば、図示しない入力装置を介して、運転者が誘導経路の変更を許可する旨の情報を入力した場合には、運転者が誘導経路の変更を許可したと判断し、ステップS115に進む。ステップS115では、提示機能により、ステップS111で探索された、自車両の現在の走行経路よりも運転負荷の低い誘導経路が、運転者に対して提示される。一方、運転者により誘導経路の変更が許可されなかった場合には、ステップS117に進み、運転者の身体状態の提示が行われた後に、ステップS118で、誘導経路の探索が行なわれた地図上の位置と、誘導経路の提示後に自車両が実際に走行した経路とが関連付けられて、記憶装置130に記憶される。
また、ステップS105において、現在位置から目的地までの所要時間が所定時間未満であると判断された場合には、ステップS116に進む。ステップS116では、提示機能により、ディスプレイ140やスピーカー150を介して、目的地までの到着時間、または、現在位置から目的地までの所要時間が運転者に提示される。そして、目的地までの到着時間、または、現在位置から目的地までの所要時間を運転者に提示した後は、ステップS111に進み、自車両の現在の走行経路よりも運転負荷の低い誘導経路が運転者に提示される。
以上のように、本実施形態では、運転者の運転姿勢に基づいて、運転者の身体状態を推定し、自車両の走行に伴う運転者の身体状態の変化を示す走行履歴と、運転者の現在の身体状態とに基づいて、運転者の身体状態に悪化の兆候があるか否かを判断する。そして、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判断された場合において、現在地から目的地までの所要時間が所定時間以上かかる場合には、自車両周辺の駐車可能位置までの経路を運転者に提示することで、運転者を駐車可能位置まで誘導することができ、この駐車可能位置において、運転者に休息を取らせることができる。これにより、運転者の身体状態が悪化状態となる前に、運転者の身体状態の悪化を抑制することができる。
また、本実施形態では、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判断された場合において、現在地から目的地までの所要時間が所定時間以上かかる場合に、自車両の現在の走行経路よりも運転負荷の低い経路を運転者に提示する。これにより、運転者の身体状態が悪化状態となる前に、自車両の走行に伴う運転者の身体負荷を軽減することができ、その結果、運転者の身体状態の悪化を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、運転者の身体状態に悪化の兆候があると判断された場合において、現在地から目的地までの所要時間が所定時間未満である場合には、目的地の到着時刻、または、現在位置から目的地までの所要時間を運転者に提示することで、運転者の心理的な負荷を軽減することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
さらに、上述した実施形態では、運転者の腰部の負荷状態、運転者の疲労の状態、および、運転者の眠気の状態を、運転者の身体状態として推定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、運転者の心的ストレス、自律神経系の活性度、および、運転者の気分を、運転者の身体状態として推定する構成とすることができる。
たとえば、身体状態推定機能は、運転者の身体と接している背もたれ部23の荷重の変化から運転者の脈波を算出し、算出した脈波に基づいて運転者の心拍を推定することができる。そして、身体状態推定機能は、たとえば、運転者の心拍に所定の係数を掛けることで、運転者の心的ストレスを示す身体状態評価値を算出することができ、これにより、運転者の心的ストレスの悪化の兆候を推定することができる。
また、身体状態推定機能は、たとえば、運転者の荷重の変化から推定した脈派を長期的なスパンで計測し、長期的なスパンで計測した脈派の変動周波数から、運転者の自律神経系の活性度を推定することができる。さらに、身体状態推定機能は、推定した自律神経系の活性度の時間変化に基づいて、さらに運転者の気分(Mood)を推定することができる。そして、このように推定された運転者の心的ストレス、自律神経系の活性度、運転者の気分を組み合わせることで、運転者の気分が悪化する兆候を推定し、たとえば、運転者の気分が悪化する前に、運動負荷の小さい経路を案内することで、運転者に安全に運転を行わせることができる。
さらに、上述した実施形態では、体圧センサー110により検出した運転者の体圧分布に基づいて、運転者の運転姿勢を検出する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、カメラで撮像した運転者の運転姿勢の画像信号に基づいて、運転者の運転姿勢を検出する構成としてもよい。
なお、上述した実施形態の体圧分布センサー110および制御装置120の運転姿勢検出機能は本発明の運転姿勢検出手段に、制御装置120の身体状態推定機能は本発明の身体状態推定手段に、記憶装置130および制御装置120の走行履歴記憶機能は本発明の記憶手段に、制御装置120の身体状態予測機能は本発明の身体状態予測手段に、制御装置120の経路探索機能は本発明の探索手段に、制御装置120の提示機能は本発明の提示手段にそれぞれ対応する。