JP4064878B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザに対して目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に搭載されるナビゲーション装置において、ユーザに対して目的地までの経路案内を行う技術としては、従来より、ユーザから地図上の座標指定及び当該座標の経由地または目的地としての設定操作や、予め複数の地点を登録した地点リスト上での地点の経由地または目的地としての設定操作によって、経由地や目的地を受け付け、受け付けた目的地までの間の経由地を経由する経路を探索して誘導経路として設定し、設定した誘導経路を地図上に表示することにより、誘導経路に沿った走行を案内する技術が広く用いられている(たとえば、特開平7−134798号公報)。
【0003】
一方で、ナビゲーション装置における地図表示の技術としては、地図上にレストランやストアといった施設を表すマークを表示し、表示したマークのユーザの選択に応じて、選択されたマークに対応する施設についての、予め記憶しておいた案内情報を表示する技術が知られている(たとえば、特開2003−157135号公報)。
【0004】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−134798号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2003−157135号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
目的地までの誘導経路が設定されているときに、ユーザが、たとえば前記従来の地図表示によって案内情報を得た施設などの現在の誘導経路上にない地点を新たな経由地として追加するかどうかを判断する場合、その施設を経由した場合に、現在設定されている誘導経路をそのまま進んだ場合に比べ、目的到着までの所用時間などの走行コストが、どのくらい増加するかが重要な判断要素の一つとなる。
【0008】
しかし、前記従来の経由地設定の技術によれば、ユーザが、経由地に設定するかどうかを判断しようとする地点を実際に経由地として設定する煩雑な操作を行って、その地点が経由地として追加された誘導経路を設定してみないと、どのくらい走行コストが増加するかの情報を得ることができない。また、そのようにして得た情報に基づいて、その地点を経由地とすることを取り止めることにした場合には、ユーザ自身が、その地点を経由地から除外する編集操作を行って、元の誘導経路を再設定する必要がある。
【0009】
すなわち、前記従来の技術によれば、ユーザは経由地の選定のために、以上のような煩雑な作業を行う必要があった。
そこで、本発明は、ユーザの経由地の選定作業を容易化することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題達成のために、本発明は、設定された目的地と経由地に従って、前記経由地を経由して前記目的地に至る経路を探索して誘導経路として設定し、表示装置に表示した地図上に、前記設定した誘導経路を表すナビゲーション装置に、
前記地図上にカーソルを表示し、ユーザ操作に応じて前記カーソルを前記表示した地図上で移動するカーソル制御手段と、前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記地図上の同じ地点上に位置づけられた場合に、当該地点を経由地候補地点として、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路と、現在設定されている誘導経路との走行コストの差を求め、ユーザに提示する走行コスト変化提示手段とを備えたものである。
【0011】
このようなナビゲーション装置によれば、ユーザは、所望の地点にカーソルを位置づけるだけで、直ちに、その地点を経由地として追加した場合に、どのくらい目的地到着までの走行コストが増加するのかを知ることができる。したがって、その地点を経由地に追加するかどうかを、煩雑な操作を必要とすることなしに判定することができるようになる。
【0012】
また、前記課題達成のために、本発明は、設定された目的地と経由地に従って、前記経由地を経由して前記目的地に至る経路を探索して誘導経路として設定し、表示装置に表示した地図上に、前記設定した誘導経路を表すナビゲーション装置に、前記地図上に、施設の位置と施設の種別を表す施設マークを表示する施設マーク表示手段と、カーソルを表示し、ユーザ操作に応じて前記カーソルを前記表示した地図上で移動するカーソル制御手段と、前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記施設マーク上に位置づけられた場合に、当該施設マークに対応する施設を経由地候補地点として、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路と、現在設定されている誘導経路との走行コストの差を求め、ユーザに提示する走行コスト変化提示手段とを備えたものである。
【0013】
ここで、このナビゲーション装置には、各施設についての案内情報を記憶した施設情報記憶手段と、前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記施設マーク上に位置づけられた場合に、当該施設マークが表す施設の案内情報を前記施設情報記憶手段から読み出して、ユーザに提示する施設情報提示手段とを備えることも望ましい。
【0014】
このようなナビゲーション装置によれば、ユーザは、所望の施設マークにカーソルを位置づけるだけで、直ちに、その施設マークが表す施設を経由地として追加した場合に、どのくらい目的地到着までの走行コストが増加するのかを知ることができる。したがって、その施設を経由地に追加するかどうかを、煩雑な操作を必要とすることなしに判定することができるようになる。また、上述のように案内情報を合わせて提示するようにすれば、ユーザは、施設マークが表す施設が、ユーザが施設に対して必要とする又は所望する条件を満たす施設であるかどうかも、併せて判断することができるようになる。
【0015】
また、以上の各ナビゲーション装置には、前記経由地候補地点の経由地としての選択をユーザより受け付ける経由地選定受付手段と、前経由地選定記受付手段が前記選択をユーザより受け付けた場合に、前記経由地候補地点を経由地に追加した上で、各経由地を経由して現在設定されている目的地に至る経路に、前記誘導経路を更新する誘導経路更新手段とを備えることが好ましい。
【0016】
このようにすることにより、ユーザは、経由地候補地点とされた地点や施設を経由地にすると定めた場合には、そのまま、その地点や施設を経由地に追加して、当該経由地を経由する経路に誘導経路を更新することができるようになる。
ここで、以上の各ナビゲーション装置において、前記走行コストの差は、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路を進んだ場合に予想される目的地到達までの所要時間と、現在設定されている誘導経路を進んだ場合に予想される目的地到達までの所要時間との差でとしてよい。また、前記走行コストの差を、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路の目的地までの道のり距離と、現在設定されている誘導経路の目的地までの道のり距離との差とするようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に本実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す。
図示するように、本ナビゲーション装置は、制御装置1、地図データを格納したDVD−ROMやハードディスク等の記憶媒体21にアクセスするための記録媒体ドライブ2、GPS受信機3、角加速度センサや車速センサなどの車両の走行状態を検知する走行状態センサ4、ユーザよりの入力を受け付けるリモコン5(リモートコントローラ)、表示装置6、スピーカ7を備えている。
【0018】
また、制御装置1は、地図データバッファ101、地図データ読出処理部102、現在状態算出部103、ルート探索部104、ナビゲート画像生成部105、音声出力部106、パラメータメモリ107、主制御部108、GUI制御部109を備えている。ここで、図1における制御装置1の内部の点線121は地図データバッファ101に格納される地図データへの各部のアクセス経路を示し、太線122は各部間の制御情報や各種データの各部の経路を、GUI制御部109に接続する細線はユーザとの間でリモコン5や表示装置6を用いて入出力する操作情報や画像情報の経路を示す。
【0019】
但し、以上の制御装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示した制御装置1の各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであってよい。また、この場合、このようなプログラムは、記憶媒体21や適当な通信路を介して、制御装置1に提供されるものであってよい。
【0020】
次に、記憶媒体21に記憶される地図データの構成を示す。
ここで、地図データは、所定の地理的区域毎に図葉と呼ばれる単位で管理されており、各図葉は地図の詳細度に応じた複数のレベルで構成されている。そして、各図葉の各レベルの地図は、1つまたは複数のユニットよりなり、各ユニットは、自身が属する図葉の地理的区域またはこれを分割した区域に対応し、対応する区域の地図を、自身が属するレベルで表現したものである。
【0021】
そして、図2に示すように、地図データは、各ユニットと図葉や対応区域やレベルとの関係を記述した管理データ、地図を表す基本地図データ、路線データと、各施設についての詳細な情報を示す施設データと、住所と地理的座標との対応を示す住所データとを含んで構成される。
【0022】
ここで、基本地図データは、前述したユニット毎のユニットデータと、各ユニットデータと図葉や対応区域やレベルとの関係を記述したユニット管理データを含む。そして、各ユニットデータはユニット内の道路ネットワークを表す道路ユニットと、ユニット内の表示地図を規定する描画ユニットとを有する。
【0023】
そして、道路ユニットは、ノードリストと、リンクテーブルと、他ユニットとのノードやリンクの接続、対応関係を記述した接続データとを有する。
ここで、道路ユニットでは、道路を直線であるリンクの集合として表現しており、この各リンクの端点がノードである。このようなノードは、交差点等の道路の接続点に必ず設けられる他、隣接するユニットの境界に必ず設けられる。また、各リンクは方向を持ち、リンクを介して隣接する二つのノードの間には、その道路が一方通行である場合には通行方向の一つのリンクのみが設けられるが、その道路が双方向である場合には基本的には相互に逆方向の二つのリンクが設けられる。
【0024】
さて、ノードリストは、各ノード毎のノードレコードを含み、各ノードレコードは、ノード番号、ノードの座標、当該ノードが交差点や高速道路の出入口に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクのリンク番号のリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リストが記述される。
【0025】
次に、リンクテーブルは、各リンク毎のリンクレコードを含み、各リンクレコードには、リンク番号、リンクの始点となるノードのノード番号を示す始点ノード番号、リンクの終点となるノードのノード番号を示す終点ノード番号、リンクに対応する道路の区間についての各種情報を表す道路属性、リンクの距離、リンクの方位、リンクに与えた経路探索用のコストであるリンクコスト、リンクの属する路線の路線番号等が記述される。ここで、道路属性としては、リンクが属する道路の有料道路や国道や県道などの種別を表す道路種別等が記述される。
【0026】
次に、描画ユニットは、地形図形や道路図形や施設図形などの地図の地理的な表示要素を表す背景データと、地域名称や施設名称などの地図上に表示する文字情報を表す文字データと、地図上にガソリンスタンド等の施設の存在を施設の種別と共に表すために表示するアイコンまたはマークである施設マークを規定する施設マークデータとを有する。
【0027】
そして、施設マークデータは、施設毎に設けた施設マークレコードを有し、各施設マークレコードには、個々の施設マークの識別子である施設マークID、施設マークとして用いる図形を示す施設マーク種別、施設マークを地図上に表示する座標を示す表示座標、施設マークに対応する施設の施設情報レコードを指し示す施設情報レコードポインタを示す。なお、この施設情報レコードについては後に述べる。
【0028】
さて、地図データに含まれる路線データは、各道路毎に設けられた路線レコードを有し、各路線レコードには、道路の識別子である路線番号や、各道路の高速道路、国道、県道などの路線種別や、各道路の路線名称が記述される。
そして、最後に、施設データは、施設毎に設けた施設情報レコードを有する。そして、各施設情報レコードは、施設の識別子である施設ID、施設のガソリンスタンドやレストランといった種別を表す施設種別、その施設の店名などの名称を表す施設名称、施設の出入り口となる道路上の地点の座標を当該地点を含むリンクと当該リンク上の始点/終点ノードに対する相対位置により表す施設位置情報、施設の利用案内などの詳細情報を表す施設案内情報、施設の利用案内音声の音声データである施設音声データ、対応する施設の施設マークレコードを指し示す施設マークレコードポインタを有する。
【0029】
次に、図1の制御装置1のパラメータメモリ107に格納されるパラメータについて説明する。
図3に示すように、パラメータメモリ107には、現在状態情報301、目的地データ302、誘導経路データ303、誘導経路データ304、仮経由地リスト305、仮誘導経路データ306を格納する。
現在状態情報301は、現在位置データ3011、現在走行方位データ3012、走行中リンクデータ3013を含み、現在位置データ3011は、車両の現在位置座標を表すデータであり、現在走行方位データ3012は、車両の現在の走行方位を表すデータであり、走行中リンクデータ3013は、現在走行しているリンクのリンク番号を示すデータである。また、目的地データ302は、目的地の座標を表す。また、経由地リスト303は、経由地の座標を経由順に格納したリストである。
【0030】
そして、誘導経路データ304は、誘導経路を表すデータであり、誘導経路が経由するリンクのリンク番号を経由順に記述したルートリンクリスト3041と、誘導経路が経由するノードのノード番号を経由順に記述したルートノードリスト3042とを有する。
【0031】
また、仮経由地リスト305は、仮の経由地のリストであり誘導経路データ303と同様に経由地の座標が経由順に格納される。そして、仮誘導経路データ306は仮の誘導経路のデータであり、誘導経路データ304と同様に仮の誘導経路が経由するリンクのリストとノードのリストを格納する。
【0032】
さて、図1に戻り、このような構成において、地図データ読出処理部102は、主制御部108の制御下で、記録媒体ドライブ2を介して記憶媒体21から地図データの所要範囲を読み出し地図データバッファ101に格納する。
また、現在状態算出部103は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部103は、走行状態センサ4やGPS受信機3の出力から推定される現在位置に対して、地図データバッファ101から読み出した前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしいリンク上の座標と、現在の走行方向として最も確からしいリンク方向と、現在の走行中のリンクとして最も確からしいリンクとを、それぞれ現在位置座標、現在走行方位、走行中リンクとして決定し、パラメータメモリ107の現在位置データ3011と現在走行方位データ3012と走行中リンクデータ3013に設定する。
【0033】
また、主制御部108は、ユーザからリモコン5、GUI制御部109を介して、地図上の座標指定操作及び当該座標の目的地や経由地としての設定操作を受け付け、受け付けた目的地や経由地を目的地データ302や経由地リスト303にセットする。または、予め複数の地点を登録した地点リストを用意しておき、地点リスト上での地点の目的地や経由地としての設定操作を受け付け、受け付けた目的地や経由地を目的地データ302や経由地リスト303にセットする。
【0034】
そして、目的地データ302が示す目的地までの経由地リスト303にセットされた経由地を経由する誘導経路をルート探索部104に探索させる。ルート探索部104は、必要地理的範囲の道路ユニットの道路データを地図データバッファ101から読み出し、パラメータメモリ107の現在位置データ3011が示す現在位置座標から目的地データ302が示す目的地座標までの、走行中リンクデータ3013が示すリンクを最初に辿る、経由地リスト303にセットされた各経由地を経由する誘導経路を、リンクレコードのリンクコストを用いた所定のコストモデルに基づいて算出し、算出した誘導経路の経路データを、誘導経路データ304のルートリンクリスト3041とルートノードリスト3042にそれぞれ格納する。
【0035】
また、主制御部108は、以下のナビゲート画像生成処理を繰り返す。
すなわち、主制御部108は、現在走行方位データ3012が示す走行方位に応じた方位を表示方位に決定し、予め成されたユーザ設定や初期設定に応じて縮尺を決定し、現在位置データ3011から読み出した現在位置周辺の、決定した表示方位と決定した縮尺とに応じて定まる所定範囲を表示範囲として決定する。ここで表示方位は、現在走行方位が常に上となるように算出する。
【0036】
そして、ナビゲート画像生成部105に、決定した表示範囲中の描画ユニットに基づいた、描画ユニットが表す地図表示要素や文字列や施設マークの描画と、現在走行方位データ3012が示す方位に対応する方向を向いた現在位置マークの、現在位置データ3011が示す現在位置に対応する位置への描画とを、各々決定した表示方位が示す方位を上として行わせる。また、主制御部108は、誘導経路データ304が設定されている場合には、ナビゲート画像生成部105に、決定した表示範囲中の、誘導経路データ304が示す現在位置より目的地側の誘導経路を表す誘導経路図形を、決定した表示方位が示す方位を上として描画させる。また、主制御部108は、経路誘導中であって、目的地や経由地が表示範囲に含まれる場合、目的地の位置を示す目的地マークや経由地の位置を示す経由地マークをナビゲート画像生成部105に描画させる。
【0037】
ナビゲート画像生成部105は、主制御部108の制御に従って、以上の各描画を行ってナビゲート画像を生成し、GUI制御部109を介して表示装置6に表示する。また、ナビゲート画像生成部105は、各施設マークを表示しているナビゲート画像上の表示範囲を、GUI制御部109に、その施設マークの施設マークレコードに記述された施設情報レコードポインタと共に登録する。
図5aは、このようにして表示されたナビゲート画像の例を示すものであり、図示するようにナビゲート画像は、地図表示要素や各種文字列が表された地図画像501上に、施設マーク510と、現在位置マーク502と、誘導経路図形503や、目的地マーク504や、経由地マーク505が表されたものとなる。ただし、誘導経路データ304が設定されておらず経路誘導中でない場合には、誘導経路図形503や目的地マーク504や経由地マーク505は描画されない。また、経路誘導中であっても、表示範囲に目的地や経由地が含まれない場合には、目的地マーク504や経由地マーク505は表示に含まれない。また、このナビゲート画像上には、ユーザから地図上のオペレーションを受け付けるためのカーソル511がGUI制御部109によって表示される。そして、GUI制御部109は、このカーソル511を、ユーザのリモコン5のカーソル移動操作に応じてナビゲート画像上で移動する。
【0038】
そして、主制御部108は、以上のような経路誘導中、現在位置データ3011が示す現在地座標と目的地データ302が示す目的地座標との距離が、所定距離(たとえば、数十m)以下となったかどうかを監視し、所定距離以下となったならば、目的地に到着したものと見なして、誘導経路データ304と目的地データ302と経由地リスト303とをクリアし、経路誘導を終了する。
【0039】
さて、このようなナビゲーション装置において、主制御部108は、以下に示す施設案内処理を併せて行う。
図4に、この施設案内処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、GUI制御部109に問い合わせることにより、カーソル511が図5bに示すように施設マーク510上に位置しているかどうかを判定する(ステップ402)。GUI制御部109は、主制御部108から問い合わせを受けると、ナビゲート画像生成部105から登録された各施設マーク510の表示範囲のうち、その表示範囲中にカーソル511の中心の表示座標を含むものが存在するかどうかを判定し、存在する場合には、その表示範囲と共にナビゲート画像生成部105から登録された施設情報レコードポインタを、主制御部108に応答する。
【0040】
さて、図4に戻り、カーソル511が施設マーク510上に位置するようになったならば(ステップ402)、タイマをスタートし(ステップ404)、その表示範囲内にカーソル511が位置していた施設マーク510の表示範囲外へユーザによってカーソル511が移動されたかどうかの監視(ステップ406)と、タイマスタート後の所定の時間(たとえば、2秒)経過によるタイムアウトが発生したかどうかの監視(ステップ408)を行う。そして、タイムアウト前に、カーソル511が施設マーク510の表示範囲外へ移動したならば(ステップ406)、タイマをリセットして(ステップ430)、ステップ402に戻り、次にカーソル511がいずれかの施設マーク510の表示範囲内に位置するようになるのを待つ。
【0041】
一方、カーソル511が施設マーク510の表示範囲外へ移動する前にタイムアウトが発生したならば(ステップ408)、GUI制御部109に、表示装置6の表示画面上に施設情報ウインドウ520を設定させると共に、先にGUI制御部109から応答された施設情報レコードポインタが示す施設情報レコードを読み出す。そして、図5cに示すように、読み出した施設情報レコードに記述されている施設案内情報を、GUI制御部109に施設情報ウインドウ520に表示させる。また、読み出した施設情報レコードに格納されている施設案内音声データを音声出力部106に供給し、スピーカ7から施設案内音声を出力させる(ステップ410)。
【0042】
そして、現在経路誘導中であるかどうか、すなわち、有効な誘導経路データ304が設定されている状態であるかどうかを調べ(ステップ412)、経路誘導中でなければ、現在位置から、読み出した施設情報レコードの施設位置情報が示す座標までの経路をルート探索部104に探索させ(ステップ432)、探索された経路に沿った、経路終点までの現在位置からの道のり距離と推定所要走行時間を算出する。ここで、推定所要走行時間は、経路の道のり距離と経路が経由する各リンクの道路属性が示す道路種別などに応じて算出する。そして、GUI制御部109に表示装置6の表示画面上に経路情報ウインドウを設定させると共に、算出した道のり距離と推定所要走行時間を施設到達コスト表示ウインドウ中に表示させる(ステップ434)。
【0043】
そして、カーソル511がユーザによって施設マーク510外に移動されるのを待ち(ステップ436)、施設マーク510外に移動されたならば、施設情報ウインドウ520と施設到達コスト表示ウインドウの表示をクリアし(ステップ438)、ステップ402に戻る。
【0044】
一方、ステップ412において現在経路誘導中であると判定された場合には、誘導経路データ303を仮経由地リスト305にコピーした上で、仮経由地リスト305に読み出した施設情報レコードの施設位置情報が示す座標を経由地として追加し、仮経由地リスト305に登録された各経由地を現在位置に近接する順に並び変える。そして、目的地データ302が示す目的地までの仮経由地リスト305にセットされた各経由地を経由する経路を、仮誘導経路としてルート探索部104に探索させる(ステップ414)。ルート探索部104は、前述の誘導経路の探索と同様に、たとえば、図5dに示すように、現在位置から目的地までの仮経由地リスト305にセットされた各経由地を経由する経路530を探索し、探索した経路の経路データを仮誘導経路データ306に設定する。ただし、この仮誘導経路の探索では、仮経由地リスト305に登録された各経由地を最もトータルコストが小さくなる順に経由する経路を仮誘導経路として探索するようしてもよい。また、この場合には、前述した仮経由地リスト305に登録された各経由地の並び替えは不要である。
【0045】
さて、このようにして仮誘導経路が設定されたならば、次に、仮誘導経路に沿った、先に読み出した施設情報レコードの施設位置情報が示す座標(追加した経由地)までの現在位置からの道のり距離と、推定所要走行時間を算出する(ステップ416)。そして、次に、仮誘導経路に沿った現在位置から目的地までの推定所要走行時間と、誘導経路データ304が示す誘導経路に沿った現在位置から目的地までの推定所要走行時間を求めた上で、両者の時間差を算出する(ステップ418)。
【0046】
そして、図5cに示すように、GUI制御部109に表示装置6の表示画面上に経由地設定ウインドウ521を設定させると共に、ステップで算出した距離と推定所要走行時間とステップで算出した時間差を、経由地設定ウインドウ521に表示させる(ステップ420)。
【0047】
そして、この経由地設定ウインドウ521中に設けた、「はい」ボタン522と、「いいえ」ボタン523により、施設案内情報を表示した施設を経由地として設定するか否かの選択をユーザより受け付け、「いいえ」ボタン523により経由地として設定しないことが選択されたならば(ステップ422)、施設情報ウインドウ520と経由地設定ウインドウ521の表示をクリアし(ステップ440)、カーソル511がユーザによって施設マーク510外に移動されるのを待ち(ステップ428)、カーソル511が施設マーク510外に移動されたならば、ステップ402に戻る。
【0048】
一方、図5eに示すように「はい」ボタン522により経由地として設定することがユーザによって選択されたならば(ステップ422)、施設情報ウインドウ520と経由地設定ウインドウ521の表示をクリアする(ステップ424)。そして、誘導経路データ304を仮誘導経路データ306で置き換え、誘導経路データ303を仮経由地リスト305で置き換えることにより、誘導経路をユーザがカーソル511を位置づけた施設を経由する誘導経路に更新する(ステップ426)。この結果、図5fに示すように、ナビゲート画像は、ユーザがカーソル511を位置づけた施設を経由する新たな誘導経路を示す誘導経路図形503と、カーソル511を位置づけた施設が経由地であることを示す経由地マーク505を含むものに変化し、以降、この新たな誘導経路に従った経路誘導が行われることになる。
【0049】
さて、このようにして誘導経路を更新したならば、カーソル511がユーザによって施設マーク510外に移動されるのを待ち(ステップ428)、カーソル511が施設マーク510外に移動されたならば、ステップ402に戻る。
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態においては、ステップ418、420において、仮誘導経路に沿った現在位置から目的地までの推定所要走行時間と、誘導経路データ304が示す誘導経路に沿った現在位置から目的地までの推定所要走行時間との時間差を求め、これを、経由地設定ウインドウ521に表示するようにしたが、これらのステップでは、仮誘導経路に沿った現在位置から目的地までの道のり距離と、誘導経路データ304が示す誘導経路に沿った現在位置から目的地までの道のり距離の差を求め、これを以上の時間差と共に、または、単独で経由地設定ウインドウ521に表示するようにしてもよい。または、これらの所要走行時間や道のり距離以外の、たとえば道路利用料金等の任意の走行コストの差を求め、これを表示するようにしてもよい。
【0050】
以上のように本実施形態によれば、ユーザは、所望の施設マーク510にカーソル511を位置づけるだけで、直ちに、その施設マーク510が表す施設を経由地として追加した場合に、どのくらい目的地到着までの道のり距離や所要走行時間などの走行コストが増加するのかを知ることができる。したがって、その施設を経由地に追加するかどうかを、煩雑な操作を必要とすることなしに判定することができるようになる。また、施設案内情報が合わせて提示されるので、ユーザは、施設マーク510が表す施設が、ユーザが施設に対して必要とする又は所望する条件を満たす施設であるかどうかも、併せて判断することができるようになる。そして、その施設を経由地に設定すると判断した場合には、そのまま、その施設を経由地に追加して、当該経由地を経由する経路に誘導経路を更新することができるようになる。
【0051】
さて、以上の実施形態では、施設マーク510の上にカーソル511が所定時間以上、ユーザによって位置づけられたときに、その施設を経由する仮誘導経路を設定し、仮誘導経路を進んだ場合の、現在の誘導経路を進んだ場合に対する、目的地到着までの所要走行時間や道のり距離等の走行コストの変化を表示すると共に、その施設の経由地としての設定を受け付けるようにしたが、これはナビゲート画像が表す地図上の任意の地点上にカーソル511が所定時間以上、ユーザによって位置づけられたときに、その地点最寄りの道路上の地点を経由する仮誘導経路を設定し、仮誘導経路を進んだ場合の、現在の誘導経路を進んだ場合に対する、目的地到着までの所要走行時間や道のり距離等の走行コストの変化を表示すると共に、その地点の経由地としての設定の受け付けを行うようにしてもよい。また、この場合には、施設情報ウインドウ520に、カーソル位置とナビゲート画像の地図表示範囲に応じて地図データの住所データを参照して求めた、当該地点の住所を表示などするようにしてよい。
【0052】
このようにすることにより、ユーザは、所望の地点にカーソル511を位置づけるだけで、直ちに、その地点を経由地として追加した場合に、どのくらい目的地到着までの道のり距離や所要走行時間などの走行コストが増加するのかを知ることができる。したがって、その地点を経由地に追加するかどうかを、煩雑な操作を必要とすることなしに判定することができるようになる。また、その地点を経由地に設定すると判断した場合には、そのまま、その地点を経由地に追加して、当該経由地を経由する経路に誘導経路を更新することができるようになる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ユーザの経由地の選定作業を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る地図データの内容を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るパラメータメモリの内容を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る施設案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
1:制御装置、2:記録媒体ドライブ、3:GPS受信機、4:走行状態センサ、5:リモコン、6:表示装置、7:スピーカ、21:記憶媒体、101:地図データバッファ、102:地図データ読出処理部、103:現在状態算出部、104:ルート探索部、105:ナビゲート画像生成部、106:音声出力部、107:パラメータメモリ、108:主制御部、109:GUI制御部。
Claims (10)
- 設定された目的地と経由地に従って、前記経由地を経由して前記目的地に至る経路を探索して誘導経路として設定し、表示装置に表示した地図上に、前記設定した誘導経路を表すナビゲーション装置であって、
前記地図上にカーソルを表示し、ユーザ操作に応じて前記カーソルを前記表示した地図上で移動するカーソル制御手段と、
前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記地図上の同じ地点上に位置づけられた場合に、当該地点を経由地候補地点として、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路と、現在設定されている誘導経路との走行コストの差を求め、ユーザに提示する走行コスト変化提示手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。 - 設定された目的地と経由地に従って、前記経由地を経由して前記目的地に至る経路を探索して誘導経路として設定し、表示装置に表示した地図上に、前記設定した誘導経路を表すナビゲーション装置であって、
前記地図上に、施設の位置と施設の種別を表す施設マークを表示する施設マーク表示手段と、
カーソルを表示し、ユーザ操作に応じて前記カーソルを前記表示した地図上で移動するカーソル制御手段と、
前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記施設マーク上に位置づけられた場合に、当該施設マークに対応する施設を経由地候補地点として、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路と、現在設定されている誘導経路との走行コストの差を求め、ユーザに提示する走行コスト変化提示手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項2記載のナビゲーション装置であって、
各施設についての案内情報を記憶した施設情報記憶手段と、
前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記施設マーク上に位置づけられた場合に、当該施設マークが表す施設の案内情報を前記施設情報記憶手段から読み出して、ユーザに提示する施設情報提示手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項1、2または3記載のナビゲーション装置であって、
前記経由地候補地点の経由地としての選択をユーザより受け付ける経由地選定受付手段と、
前経由地選定記受付手段が前記選択をユーザより受け付けた場合に、前記経由地候補地点を経由地に追加した上で、各経由地を経由して現在設定されている目的地に至る経路に、前記誘導経路を更新する誘導経路更新手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項1、2、4または4記載のナビゲーション装置であって、
前記走行コストの差は、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路を進んだ場合に予想される目的地到達までの所要時間と、現在設定されている誘導経路を進んだ場合に予想される目的地到達までの所要時間との差であることを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項1、2、3、4または5記載のナビゲーション装置であって、
前記走行コストの差は、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路の目的地までの道のり距離と、現在設定されている誘導経路の目的地までの道のり距離との差であることを特徴とするナビゲーション装置。 - 設定された目的地と経由地に従って、前記経由地を経由して前記目的地に至る経路を探索して誘導経路として設定し、表示装置に表示した地図上に、前記設定した誘導経路を表すナビゲーション装置において経由地の選定を受け付ける方法であって、
ユーザ操作に応じてカーソルを前記表示した地図上で移動するステップと、
前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記地図上の同じ地点上に位置づけられた場合に、当該地点を経由地候補地点として、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路と、現在設定されている誘導経路との走行コストの差を求め、ユーザに提示するステップと、
前記経由地候補地点の経由地としての選択をユーザより受け付けた場合に、前記経由地候補地点を経由地に追加した上で、各経由地を経由して現在設定されている目的地に至る経路に、前記誘導経路を更新するステップとを有することを特徴とする経由地選定受付方法。 - 設定された目的地と経由地に従って、前記経由地を経由して前記目的地に至る経路を探索して誘導経路として設定し、表示装置に表示した地図上に、前記設定した誘導経路を表すナビゲーション装置において経由地の選定を受け付ける方法であって、
前記地図上に、施設の位置と施設の種別を表す施設マークを表示するステップと、
ユーザ操作に応じてカーソルを前記表示した地図上で移動するステップと、
前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記施設マーク上に位置づけられた場合に、当該施設マークに対応する施設を経由地候補地点として、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路と、現在設定されている誘導経路との走行コストの差を求め、ユーザに提示するステップと、
前記経由地候補地点の経由地としての選択をユーザより受け付けた場合に、前記経由地候補地点を経由地に追加した上で、各経由地を経由して現在設定されている目的地に至る経路に、前記誘導経路を更新するステップとを有することを特徴とする経由地選定受付方法。 - コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、
設定された目的地と経由地に従って、前記経由地を経由して前記目的地に至る経路を探索して誘導経路として設定し、表示装置に表示した地図上に、前記設定した誘導経路を表すステップと、
ユーザ操作に応じてカーソルを前記表示した地図上で移動するステップと、
前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記地図上の同じ地点上に位置づけられた場合に、当該地点を経由地候補地点として、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路と、現在設定されている誘導経路との走行コストの差を求め、ユーザに提示するステップと、
前記経由地候補地点の経由地としての選択をユーザより受け付けた場合に、前記経由地候補地点を経由地に追加した上で、各経由地を経由して現在設定されている目的地に至る経路に、前記誘導経路を更新するステップとを実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、
設定された目的地と経由地に従って、前記経由地を経由して前記目的地に至る経路を探索して誘導経路として設定し、表示装置に表示した地図上に、前記設定した誘導経路を表すステップと、
前記地図上に、施設の位置と施設の種別を表す施設マークを表示するステップと、
ユーザ操作に応じてカーソルを前記表示した地図上で移動するステップと、
前記誘導経路が設定されているときに、前記カーソルが、所定時間以上、前記施設マーク上に位置づけられた場合に、当該施設マークに対応する施設を経由地候補地点として、現在設定されている経由地と前記経由地候補地点とを経由して現在設定されている目的地に至る経路と、現在設定されている誘導経路との走行コストの差を求め、ユーザに提示するステップと、
前記経由地候補地点の経由地としての選択をユーザより受け付けた場合に、前記経由地候補地点を経由地に追加した上で、各経由地を経由して現在設定されている目的地に至る経路に、前記誘導経路を更新するステップとを実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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