JP4586318B2 - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バインダー樹脂及び感放射線化合物を含有してなるポジ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の微細加工には通常、レジスト組成物を用いたリソグラフィプロセスが採用されている。リソグラフィ用露光光源としては、波長157nmのF2エキシマレーザーが次世代の露光光源として有望視されている。
【0003】
しかしながら、波長248nmのKrFエキシマレーザー露光用や波長193nmのArFエキシマレーザー露光用のレジストに用いられている樹脂は、170nm以下の波長の光、例えば、波長157nmのF2 エキシマレーザーに対して、充分な透過率を有していないため、露光時の解像度が十分満足できるレベルにないという問題があった。
【0004】
例えば、Proc. SPIE vol. 1672 500 (1992)、ドイツ国特許 4207261号には、下式の重合単位を含む樹脂を用いたレジスト組成物が開示されている。しかしながら、得られるレジストは、露光時の解像度が十分満足できるものではなかった。
【0005】
また、J. Photopolym. Sci. Technol. , Vol.13, No.3, 459, (2000)、1996年秋季第57回応用物理学会学術講演会公演予稿集 474ページ、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (1998) 3333、特開平6−16730号公報、特開平7−234511号公報、特開平10−301285号公報、特開平11−258809号公報、特開平11−352694号公報には、ニトリル基を有する重合単位を含む樹脂を用いたレジスト組成物が開示されている。
さらに、特開平9−73173号公報には、メタクリル酸2−メチルー2−アダマンチルおよびアクリロニトリルを重合単位として有する樹脂を用いたレジスト組成物が開示されている。
しかしながら、これらの重合単位を含む樹脂を用いた組成物から得られるレジストは、波長157nmのF2エキシマレーザーに対して、充分な透過率を有していないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、露光時の解像度および170nm以下の波長の光に対する透過率に優れたポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記したような問題点がないポジ型レジスト組成物を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、レジスト組成物を構成する樹脂として、ヒドロキシフルオロアルキル化スチレン誘導体由来の重合単位と、アクリル酸エステル誘導体由来の重合単位とを有する樹脂を含有するレジスト組成物が、露光時の解像度および170nm以下の波長の光に対する透過率に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、バインダー樹脂及び感放射線化合物を含有してなり、該バインダー樹脂が、下式(I)で表される重合単位と下式(II)で表される重合単位を含み、放射線照射後の該感放射線化合物の作用によりアルカリ可溶性となることを特徴とするポジ型レジスト組成物を提供するものである。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す)
(式中、 R4は酸の作用で解裂する基を表し、 R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、バインダー樹脂としては、上記の式(I)で表される重合単位および式(II)で表される重合単位を含む樹脂を用いる。
式(I)で表される重合単位は、下式(III)で表される重合単位であることが好ましい。
【0010】
式(I)及び式(III)中のR1、R2は、それぞれ少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表す。R1、R2としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。
R1、R2で表されるフルオロアルキル基は、炭素数3以上の場合は分岐していてもよい。なかでも、R1及びR2が共にトリフルオロメチル基であることが好ましい。
R3は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル基、又はトリフルオロメチル基などの少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す。
【0011】
式(II)中、R4はアルカリ現像液に対し溶解抑止能を有するが、酸に対して不安定な酸開裂基である。
該酸開裂基としては、例えば、tert−ブチル基、tert−ブトキシカルボニル基又はtert−ブトキシカルボニルメチル基などの4級炭素が酸素原子に結合した基;テトラヒドロ−2−ピラニル基、テトラヒドロ−2−フリル基、1−エトキシエチル基、1−(2−メチルプロポキシ)エチル基、1−(2−メトキシエトキシ)エチル基、1−(2−アセトキシエトキシ)エチル基、1−〔2−(1−アダマンチルオキシ)エトキシ〕エチル基又は1−〔2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)エトキシ〕エチル基などのアセタール型の基;3−オキソシクロヘキシル基、4−メチルテトラヒドロ−2−ピロン−4−イル基(メバロニックラクトンから導かれる)、1−アダマンチル−1−アルキルアルキル基又は2−アルキル−2−アダマンチル基などの非芳香族環状化合物の基などが挙げられる。
中でも、2−アルキル−2−アダマンチル基が好ましい。
【0012】
R5は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、シアノ基、メチル基、エチル基、n−プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル基、又はトリフルオロメチル基などの少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す。
【0013】
バインダー樹脂は、例えば、下式(VI)で表されるモノマーとアクリル酸エステルモノマー CH2=CR5COOR4(式中、 R4、 R5は式(II)における定義と同じである)とを重合することにより得られる。式(VI)の化合物は、例えば、J. Macromol. Sci. Chem., A21, 1181 (1984)に記載の方法により製造することができる。
(R1、R2、R3は、前記と同じ意味を表す。)
式(VI)において、R1及びR2が共にトリフルオロメチル基である化合物は、市場から容易に入手できるヘキサフルオロアセトンより誘導できるため、工業生産の観点から好ましい。
【0014】
また、アクリル酸エステルモノマーのR4、R5は、式(II)と同じ意味を表すアクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルが好ましい。アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルは、下式(VII)で表され、下式(VIIa)の重合単位を形成することができる。
【0015】
【0016】
式(VII)、式(VIIa)中、R9はアルキル基を表し、該アルキル基としては、炭素数1〜8であることが好ましく、通常は直鎖が有利であるが、炭素数3以上の場合は分岐していてもよい。
具体的なR9としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などが挙げられる。
【0017】
本発明に用いるバインダー樹脂は、それ自身アルカリ不溶性であるが、放射線照射後に感放射線化合物の作用により化学変化を起こしてアルカリ可溶性となるものである。
当該バインダー樹脂を含むレジスト膜の放射線照射部がアルカリ可溶性になっているのでアルカリによって除去されて(以後、アルカリ現像と呼ぶ場合がある)、ポジ型レジストとなる。すなわち、化学増幅型のポジ型レジストは、放射線照射部で感放射線化合物から発生した酸が、その後の熱処理(post exposure bake)によって拡散し、樹脂等の保護基を解裂させて、その放射線照射部をアルカリ可溶化する。
【0018】
例えば、式(VIIa)で示されるメタクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルの重合単位を有する樹脂は、感放射線化合物から発生した酸により2−アルキル−2−アダマンチル基が解裂して、アルカリ可溶性となるのでポジ型レジストとして好ましい。
【0019】
また、本発明のバインダー樹脂には、式(I)及び式(II)の重合単位に加えて、さらに下式(IV)で表されるアクリロニトリルから導かれる重合単位を含む樹脂を使用することもできる。
式中、R6は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す。
炭素数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられるが、重合の容易さからメチル基が好ましい。
炭素数1〜3のフルオロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。
具体的には、式(IV)で表される重合単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルに由来する重合単位がなど挙げられる。
【0020】
また、本発明のバインダー樹脂には、式(I)及び式(II)の重合単位に加えて、さらに下式(V)で表されるビニルフェノールから導かれる重合単位を含む樹脂を使用することもできる。
式中、R7は前記R4と同じ意味を表し、R8は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す。
炭素数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
炭素数1〜3のフルオロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。
【0021】
さらに、本発明のバインダー樹脂には、式(I)及び式(II)の重合単位に加えて、さらに上記の式(IV)及び式(V)で表される重合単位を含む樹脂を使用することもできる。
【0022】
本発明で用いるバインダー樹脂において、式(I)で表される重合単位はアルカリ可溶性部位として機能するが、他のアルカリ可溶性の重合単位を加えてもよく、該重合単位としては、例えば、フェノール骨格を有する重合単位、(メタ)アクリル酸エステル骨格を有し、エステルのアルコール側に脂環式環及びカルボキシル基を有する重合単位、不飽和カルボン酸の重合単位、式(I)で表される以外の−C(CF3)2OHを有する重合単位などが挙げられる。
【0023】
具体的には、ビニルフェノール単位、イソプロペニルフェノール単位、(メタ)アクリル酸単位、J.photopolym.Sci.Technol.Vol13 p451に記載の−CH2−C(CF3)OH−で表される重合単位、同書p657に記載の3−(5−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプテン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−プロパノールから導かれる重合単位などが挙げられる。
【0024】
また、上記で示されるアルカリ可溶性部位のうち、その一部が酸の作用で解裂する基で保護されているものを使用してもよい。
アルカリ可溶性部位を保護する基としては、前記R4と同じものが挙げられる。
【0025】
さらに、バインダー樹脂全体として放射線照射後に感放射線化合物の作用による化学変化によりアルカリ可溶性となってさえいれば、アルカリ不溶性の重合単位が存在していてもよい。バインダー樹脂中のアルカリ不溶性の重合単位は、それ自体は放射線照射後に感放射線化合物の作用により化学変化を起こさないものであるが、放射線照射後のバインダー樹脂全体のアルカリ可溶性を損なわないものであれば特に限定されない。
具体例としては、例えば、ビニルフェノール単位又はイソプロペニルフェノール単位の水酸基の一部がアルキルエーテル化された重合単位、(メタ)アクリル酸の脂環式エステルによって得られる重合単位、ノルボルネン等のシクロオレフィンまたはその誘導体の重合単位(メタ)アクリル酸のアルキルエステルのうち一部もしくは全部の水素原子がフッ素に置換された重合単位、アルケンの一部もしくは全部の水素原子がフッ素で置換された重合単位などが挙げられる。
【0026】
本発明では、バインダー樹脂中に、前記式(I)で示される重合単位、式(II)で示される重合単位に加えて、式(IV)で示される重合単位、式(V)で示される重合単位、及び前記のアルカリ可溶性基を有する重合単位、該アルカリ可溶性部位の一部が酸の作用で開裂する基で保護されている重合単位、アルカリ不溶性の重合単位を存在させることができる。
該バインダー樹脂は、例えば、通常、式(I)で表される重合単位と、式(II)で示される重合単位を有する重合性不飽和化合物を含み、更に、必要に応じて、式(IV)で示される重合単位を導く重合性不飽和化合物、式(V)で示される重合単位を導く重合性不飽和化合物、アルカリ可溶性基、該アルカリ可溶性部位の一部が酸の作用で開裂する基で保護されている重合単位、アルカリ不溶性基などを含む重合単位を導く重合性不飽和化合物と共重合を行うことにより製造することができる。共重合反応は、常法に従って行うことができ、例えば、適当な溶媒中に各モノマーを溶解し、重合開始剤の存在下に重合を開始して、反応を開始する方法などが挙げられる。
【0027】
式(I)及び式(II)の重合単位をバインダー樹脂中に組み込むことにより、バインダー樹脂は、170nm以下の波長の光、例えば、波長157nmのF2エキシマレーザーに対する透過率に優れたものとなる。
式(I)及び式(II)の重合単位の割合は、バインダー樹脂自身はアルカリ現像液に不溶または難溶であるが、放射線照射後に感放射線化合物の作用によりアルカリ可溶性となる範囲とすることが好ましい。
【0028】
レジストの種類やタイプにもよるが、一般的には、式(I)で表される重合単位と式(II)で表される重合単位とを5/95〜95/5の割合で含むことが好ましく、より好ましくは50/50〜90/10、さらに好ましくは60/40〜85/15である。式(I)で表される重合単位が、式(III)で表される重合単位である場合も、式(III)と式(II)との割合は、上記と同じであることが好ましい。
また、バインダー樹脂は、式(IV)で表される重合単位、式(V)であらわされる重合単位、前記した式(I)以外のアルカリ可溶性の重合単位、アルカリ不溶性の重合単位を含有してもよく、これらの重合単位の割合は、バインダー樹脂全体のうち、合計で0〜50モル%が好ましく、より好ましくは0〜40モル%である。
【0029】
式(I)及び式(II)の重合単位が組み込まれ、放射線照射後の感放射線化合物の作用により化学変化を起こしてアルカリ可溶性となるバインダー樹脂としては、具体例として以下のものなどが挙げられる。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
本発明のポジ型レジストは、上記のアルカリ可溶性となりうる樹脂をバインダー樹脂、及び放射線の作用により分解する感放射線化合物を含有してなる。
バインダー樹脂は、酸の作用により解裂する基を有し、それ自身はアルカリに不溶又は難溶であるが、酸の作用により解裂する基が解裂した後はアルカリ可溶性となる。
感放射線化合物としては、放射線の作用により酸を発生する酸発生剤が用いられる。
【0051】
感放射線化合物としては、例えば、オニウム塩、ハロゲン化アルキルトリアジン系化合物、ジスルホン系化合物、ジアゾメタンスルホニル骨格を有する化合物、スルホン酸エステル系化合物などが挙げられる。
【0052】
具体的には、オニウム塩としては、例えば、
ジフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
【0053】
ハロゲン化アルキルトリアジン系化合物としては、例えば、
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0054】
ジスルホン系化合物としては、例えば、ジフェニルジスルホン、ジ−p−トリルジスルホン、フェニルp−トリルジスルホン、フェニルp−メトキシフェニルジスルホンなどが挙げられる。
【0055】
ジアゾメタンスルホニル骨格を有する化合物としては、例えば、
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタンなどが挙げられる。
【0056】
スルホン酸エステル系化合物としては、例えば、
1−ベンゾイル−1−フェニルメチル p−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、
2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、
1,2,3−ベンゼントリイル トリスメタンスルホネート、
2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
4−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(p−トリルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(イソプロピルスルホニルオキシ)スクシンイミド
N−(n−ブチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(n−ヘキシルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミドなどが挙げられる。
【0057】
また、本願のポジ型レジスト組成物には、塩基性化合物、特にアミン類などの塩基性含窒素有機化合物をクェンチャーとして添加することが好ましい。
該塩基性化合物の具体的な例としては、以下の各式で表される化合物が挙げられる。
【0058】
【0059】
式中、R11及びR12は互いに独立に、水素原子、水酸基で置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、R13、R14及びR15は互いに独立に、水素原子、水酸基で置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表し、R16は水酸基で置換されていてもよいアルキル基又はシクロアルキル基を表し、Aはアルキレン基、カルボニル基又はイミノ基を表す。
R11〜R16で表されるアルキル基及びR11〜R15で表されるアルコキシ基は、それぞれ炭素数1〜6、R11〜R16で表されるシクロアルキル基は、炭素数5〜10、R11〜R15で表されるアリール基は、炭素数6〜10であることが好ましい。
また、Aで表されるアルキレン基は、炭素数1〜6であることが好ましく、直鎖であっても分岐していてもよい。
【0060】
さらに、本願のポジ型レジスト組成物には、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとして添加してもよい。該ヒンダードアミン化合物としては、特開平11−52575号公報に開示されている化合物などが挙げられる。
【0061】
本発明のポジ型レジスト組成物は、その全固形分量を基準として、バインダー成分を好ましくは60〜99.9重量%、より好ましくは80〜99.9重量%、感放射線化合物を好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.1〜20重量%程度含有してなる。
【0062】
また、本願のように感放射線化合物が酸発生剤で、クェンチャーとして塩基性化合物を用いる場合には、同じくレジスト組成物の全固形分重量を基準として、塩基性化合物を0.01〜1重量%程度含有することが好ましい。
該レジスト組成物はまた、必要に応じて、増感剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を本願の目的を損ねない範囲で少量含有してもよい。
【0063】
本発明のレジスト組成物は、通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態でレジスト液となり、シリコンウェハーなどの基体上に、スピンコーティングなどの常法に従って塗布される。
ここで用いられる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で一般に用いられている溶剤を使用し得る。
【0064】
該溶剤としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ピルビン酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独でも、又は2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0065】
基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理を行った後、アルカリ現像液で現像される。アルカリ現像液は、この分野で通常用いられる各種のアルカリ性水溶液を用いることができる。
アルカリ現像液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)などの水溶液が好ましく使用される。
このようにして得られたレジスト膜は、露光時の解像度および170nm以下の波長の光に対する透過率に優れ、特にF2エキシマレーザーリソグラフィに適している。
【0066】
【実施例】
次に実施例に基いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明が実施例により限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例中に記載の「部」は、特記しないかぎり重量基準である。
また重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
【0067】
単量体製造例1
磁気攪拌子、ドライアイス/アセトン冷却管、温度計、窒素導入管を備えた300mL三つ口フラスコに、マグネシウム6.8g、テトラヒドロフラン(THF)25mlを加え窒素雰囲気下にした。この溶液を攪拌しながら、p−ブロモスチレン6.8gを溶解したTHF20mlをゆっくり滴下した。続いてp−ブロモスチレン29.8gを溶解したTHF90mlを反応温度35℃を保つようにゆっくり滴下した。滴下終了後1時間還流し、次に反応溶液にヘキサフルオロアセトンガス66gを6時間かけてゆっくり通じた。反応終了後大量の氷水にあけ、得られた個景物を5%塩酸水溶液で洗い、5%水酸化ナトリウム水溶液に抽出し、5%塩酸水溶液で中和し、乾燥後減圧蒸留によりp−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)スチレンを得た。得量35.2g。この化合物を単量体Aとする。
【0068】
単量体製造例2
磁気攪拌子、単蒸留装置を備えた100mL三ツ口フラスコに、α-トリフルオロメチルアクリル酸16.0g、フタル酸クロリド34.8gを加え、130℃〜150℃に加熱しながら蒸留を行ない、溜出液を乾燥THF10mLで希釈した。別の磁気攪拌子、冷却管、滴下漏斗を備えた200mL三ツ口フラスコに、2-エチル-2-アダマンタノール18.0g、乾燥THF100mL、ピリジン7.9gを仕込み-40℃に冷却し、先の反応で得られた溜出液のTHF溶液を3分間掛けて滴下した。その後2時間かけて5℃まで昇温した。反応液をヘキサンで希釈し、水洗、濃縮を行い、カラム精製により2-エチルアダマンチル α-トリフルオロメチルアクリル酸を得た。得量9.5g この化合物を単量体Bとする。
【0069】
樹脂製造例1
磁気攪拌子、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた100mL三つ口フラスコに、単量体A4.4g、スチレン0.5g、メタクリル酸 2−メチル−2−アダマンチル2.1g、1,4−ジオキサン7gを加え75℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.2gを1,4−ジオキサン2gに溶解した溶液を30分かけて滴下した。その後75℃に保ったまま8時間保温した。その後メタノール100g、水350gの混合溶液に反応液を注ぎ、析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い樹脂を得た。得量5.1g。重量平均分子量40000。この樹脂を樹脂1とする。
【0070】
樹脂製造例2
磁気攪拌子、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた100mL三つ口フラスコに、単量体A4.7g、メタクリル酸 2−メチル−2−アダマンチル1.8g、1,4−ジオキサン7gを加え75℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.16gを1,4−ジオキサン2gに溶解した溶液を30分かけて滴下した。その後75℃に保ったまま8時間保温した。その後メタノール100g、水350gの混合溶液に反応液を注ぎ、析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い樹脂を得た。得量5.1g。重量平均分子量20000。この樹脂を樹脂2とする。
【0071】
樹脂製造例3
磁気攪拌子、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた100mL三つ口フラスコに、単量体A5.4g、メタクリル酸 2−メチル−2−アダマンチル1.2g、1,4−ジオキサン7gを加え75℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.16gを1,4−ジオキサン2gに溶解した溶液を30分かけて滴下した。その後75℃に保ったまま8時間保温した。その後メタノール100g、水350gの混合溶液に反応液を注ぎ、析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い樹脂を得た。得量5.1g。重量平均分子量15000。この樹脂を樹脂3とする。
【0072】
樹脂製造例4
磁気攪拌子、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた100mL三つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン5.3gを仕込み75℃に昇温し、単量体A3.4g、メタクリロニトリル0.4g、メタクリル酸 2−メチル−2−アダマンチル1.5g、アゾビスイソブチロニトリル0.25g、メチルイソブチルケトン5.3gを混合した溶液を30分かけて滴下した。その後75℃に保ったまま8時間保温した。その後ヘキサン500mLに反応液を注ぎ、析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い樹脂を得た。得量3.8g。重量平均分子量6900。この樹脂を樹脂4とする。
【0073】
樹脂製造例5
磁気攪拌子、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた100mL三つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン6.4gを仕込み75℃に昇温し、単量体A4.1g、メタクリロニトリル0.5g、メタクリル酸 2−エチル−2−アダマンチル1.9g、アゾビスイソブチロニトリル0.30g、メチルイソブチルケトン6.4gを混合した溶液を30分かけて滴下した。その後75℃に保ったまま8時間保温した。その後ヘキサン500mLに反応液を注ぎ、析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い樹脂を得た。得量4.9g。重量平均分子量9400。この樹脂を樹脂5とする。
【0074】
樹脂製造例6
磁気攪拌子、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた100mL三つ口フラスコに、2−プロパノール5.3gを仕込み75℃に昇温し、単量体A6.5g、メタクリル酸 2−エチル−2−アダマンチル1.5g、アゾビスイソブチロニトリル0.12g、2−プロパノール2.7gを混合した溶液を30分かけて滴下した。その後75℃に保ったまま8時間保温した。その後水500mLに反応液を注ぎ、析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い樹脂を得た。得量7.7g。重量平均分子量26400。この樹脂を樹脂6とする。
【0075】
樹脂製造例7
磁気攪拌子、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた100mL三つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン8.0gを仕込み75℃に昇温し、単量体A5.7g、メタクリル酸 2−エチル−2−アダマンチル2.3g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g、メチルイソブチルケトン8.0gを混合した溶液を30分かけて滴下した。その後75℃に保ったまま8時間保温した。その後ヘキサン500mLに反応液を注ぎ、析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い樹脂を得た。得量7.0g。重量平均分子量8800。この樹脂を樹脂7とする。
【0076】
樹脂製造例8
磁気攪拌子、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた100mL三つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン7.8gを仕込み75℃に昇温し、単量体A5.0g、単量体B2.2g、アゾビスイソブチロニトリル0.4g、メチルイソブチルケトン7.8gを混合した溶液を30分かけて滴下した。その後75℃に保ったまま8時間保温した。その後ヘキサン500mLに反応液を注ぎ、析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い樹脂を得た。得量6.0g。重量平均分子量7000。この樹脂を樹脂8とする。
【0077】
樹脂Xの製造
(1) フラスコに、 メタクリル酸2−アダマンチル−2−メチル24.6g(0.105モル)とp−アセトキシスチレン39.7g(0.245モル)とイソプロパノール128.6gを仕込んで窒素置換をし、75℃まで昇温した。その溶液に、ジメチル2、2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.84g(0.021モル)をイソプロパノール9.7gに溶かしてから滴下した。75℃で約0.5時間、還流下で約11時間熟成した後、アセトンで希釈し、ヘプタンにチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出し、得られた結晶を乾燥した。得られたメタクリル酸2−アダマンチル−2−メチルとp−アセトキシスチレン共重合体の結晶は54.1gであった。
【0078】
(2) フラスコに、上記で得られたメタクリル酸2−アダマンチル−2−メチルとp−アセトキシスチレン共重合体(30:70)53.2g(モノマー単位として0.29モル)と4−ジメチルアミノピリジン5.3g(0.043 モル)とメタノール159.5gを仕込んで、還流下、20時間熟成した。冷却後、氷酢酸3.92g(0.065モル)で中和し、水にチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出した。その後、結晶をアセトンに溶かし、水にチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出し、この一連の操作を計3回繰り返した後、得られた結晶を乾燥した。得られたメタクリル酸2−アダマンチル−2−メチルとp−ヒドロキシスチレン共重合体の結晶は41.2gであった。また、重量平均分子量は約8100、分散度1.68(GPC法:ポリスチレン換算)であり、共重合比は核磁気共鳴(13C−NMR)分光計により、約30:70と求められた。この樹脂を樹脂Xとする。
【0079】
樹脂Yの製造
(1) フラスコに、メタクリル酸2−アダマンチル−2−メチル16.4g(0.07モル)とp−アセトキシスチレン45.4g(0.28モル)とイソプロパノール123.6gを仕込んで窒素置換をし、75℃まで昇温した。その溶液に、ジメチル2‘2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.84g(0.021モル)をイソプロパノール9.7gに溶かしてから滴下した。75℃で約0.5時間、還流下で約11時間熟成した後、アセトンで希釈し、ヘプタンにチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出し、得られた結晶を乾燥した。得られたメタクリル酸2−アダマンチル−2−メチルとp−アセトキシスチレン共重合体の結晶は54.2gであった。
【0080】
(2)フラスコに、上記で得られたメタクリル酸2−アダマンチル−2−メチルとp−アセトキシスチレン共重合体(20:80)53.0g(モノマー単位として0.30モル)と4−ジメチルアミノピリジン5.3g(0.043 モル)とメタノール159.0gを仕込んで、還流下、20時間熟成した。冷却後、氷酢酸3.13g(0.052モル)で中和し、水にチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出した。その後、結晶をアセトンに溶かし、水にチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出し、この一連の操作を計3回繰り返した後、得られた結晶を乾燥した。得られたメタクリル酸2−アダマンチル−2−メチルとp−ヒドロキシスチレン共重合体の結晶は37.8gであった。また、重量平均分子量は約7900、分散度1.72(GPC法:ポリスチレン換算)であり、共重合比は核磁気共鳴(13C−NMR)分光計により、約20:80と求められた。 この樹脂を樹脂Yとする。
【0081】
次に、以上の樹脂製造例で得られた各樹脂のほか、以下に示す酸発生剤及びクェンチャーを用いてレジスト組成物を調製した。
【0082】
<酸発生剤>
B1:ビス(4-t-ブチルフェニルヨードニウム カンファースルホネート、
<クェンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン、
【0083】
実施例1〜7及び比較例1〜3
以下の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0084】
樹脂(種類は表1記載) 10重量部
酸発生剤(B1) 0.52重量部
クェンチャー(C1) (量は表1記載)
溶剤:メチルアミルケトン 50重量部
【0085】
透過率の測定
一方、フッ化マグネシウムウエハーに、先に調整したレジスト液を乾燥後の膜厚が0.1μmとなるよう塗布し、130℃60秒の条件で、ダイレクトホットプレート上にてプリベークして、レジスト膜を形成させた。こうして形成されたレジスト膜の波長157nmにおける透過率を、真空紫外分光光度計((株)日本分光社製)を用いて測定し、表1に示す結果を得た。
【0086】
KrF露光 膜抜け感度の測定
Brewer社製の有機反射防止膜用組成物である“DUV−42”を塗布して215℃、60秒の条件でベークしてすることによって厚さ600Åの有機反射防止膜を形成させたシリコンウェハーに、上で調製したレジスト液を乾燥後の膜厚が0.523μmとなるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表1に記載の温度で60秒間プリベーク(PB)した。こうしてレジスト膜を形成したウェハーに、KrFエキシマステッパー〔(株)ニコン製の“NSR 2205EX−12B”、NA=0.55、σ=0.8〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後は、ホットプレート上にて表1に記載の温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク(PEB)を行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。現像後のウェハーを目視観察して、レジストが膜抜けする最少露光量(膜抜け感度)を求め、表1の結果を得た。
【0087】
F2露光 膜抜け感度、γ値の測定
ヘキサメチルジシラザンを用いて23℃で20秒間処理したシリコンウェハーに、上で調製したレジスト液を乾燥後の膜厚が0.1μmとなるよう塗布した。表1に記載の温度で60秒間のプリベークを、ダイレクトホットプレート上にて行った。こうしてレジスト膜を形成したウェハーに、簡易型F2 エキシマレーザー露光機〔リソテックジャパン(株)から入手した“VUVES−4500”〕を用い、露光量を段階的に変化させてオープンフレーム露光した。露光後は、ダイレクトホットプレート上にて、表1の温度で60秒間のポストエキスポジャーベーク(PEB)を行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。現像後のウェハーを目視観察して、レジストが膜抜けする最少露光量(膜抜け感度)を求めた。結果を表1示す。
【0088】
また、露光量に対する残膜厚をラムダエース膜厚測定計(大日本スクリーン製造(株)社製)にて測定し、横軸を露光量の対数、縦軸をPEB後の膜厚に対して規格化した値をプロットした。得られた感度曲線の斜面部の傾き(tanθ)をγ値とする。γ値は、解像度の指標となり、値が大きいほど未露光部と露光部のコントラストが高く、解像度が良いことを意味する。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、露光時の解像度および170nm以下の波長の光、例えば波長157nmのF2エキシマレーザーに対する透過率に優れたポジ型レジスト組成物を提供することが可能となる
Claims (9)
- バインダー樹脂及び感放射線化合物を含有してなり、該バインダー樹脂が、下式(I)で表される重合単位と下式(II)で表される重合単位を含み、放射線照射後の該感放射線化合物の作用によりアルカリ可溶性となることを特徴とするポジ型レジスト組成物。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す)
(式中、 R4は酸の作用で解裂する基を表し、 R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基、又は少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す) - バインダー樹脂が、式(I)で表される重合単位と式(II)で表される重合単位とを5/95〜95/5の割合で含む請求項1記載の組成物。
- バインダー樹脂が、式(III)で表される重合単位と式(II)で表される重合単位とを5/95〜95/5の割合で含む請求項3記載の組成物。
- R1、R2がいずれもトリフルオロメチル基である請求項1または3記載の組成物。
- 感放射線化合物が、放射線の作用により酸を発生する活性化合物であって、ポジ型に作用する請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- R4が2−アルキル−2−アダマンチル基である請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
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