JP4586229B2 - 有機絶縁膜及びその有機絶縁膜材料の製造方法 - Google Patents

有機絶縁膜及びその有機絶縁膜材料の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気特性、熱特性、機械特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料及び有機絶縁膜に関するものであり、半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜などとして適用できる。
【0002】
【従来の技術】
半導体用材料には、必要とされる特性に応じて無機系材料、有機系材料などの材料が、様々な部分で用いられている。例えば、半導体用の層間絶縁膜としては、化学気相で作製した二酸化シリコン等の無機の絶縁膜が使用されている。しかしながら、近年の半導体の高機能化、高性能化に伴い、二酸化シリコン等の無機絶縁膜では、誘電率、吸水率が高いこと等が問題となっている。この改良手段のひとつとして、有機材料の適用が検討されつつある。
【0003】
半導体用途の有機材料としては、耐熱性、機械特性などの優れたポリイミド樹脂が挙げられ、ソルダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜などに用いられている。しかしながら、一般にポリイミド樹脂は、イミド環にカルボニル基を2個有していることから、電気特性、耐吸水性に問題がある。これらの問題に対して、フッ素ならびにトリフルオロメチル基を高分子内に導入することにより、電気特性と耐吸水性、耐熱性を改良することも試みられているが、現時点での要求に対応し得ない。
【0004】
このような事から、ポリイミド樹脂に比べて、電気特性、耐吸水性に関して優れた性能を示すポリベンゾオキサゾール樹脂を、半導体用途の絶縁材料に適用することが試みられている。ポリベンゾオキサゾール樹脂は、電気特性、熱特性、物理特性のいずれかの特性のみを満足することは容易であり、例えば、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシベンゼン)とテレフタル酸からなるポリベンゾオキサゾール樹脂は、非常に優れた耐熱分解性、高Tg等の耐熱性を有するが、一方、誘電率、誘電正接等の電気特性は、満足していない。また、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとテレフタル酸からなるポリベンゾオキサゾール樹脂は、低誘電率等の良好な電気特性を示すが、耐熱性等は好ましくない。近年、さらに誘電率が2.5を下回るような低誘電率材料が期待されており、この要求を満たし、かつ他の電気特性、熱特性、及び物理特性もすぐれた樹脂は、得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電気特性、熱特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料、有機絶縁膜を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物と、該化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)とを反応させて枝分かれ構造とした化合物と、一般式(4)で表されるジカルボン酸化合物とを反応させて合成された一般式(5)で表される構造を主構造とする重合体からなる有機絶縁膜材料と、これを用いた一般式(6)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂層からなることを特徴とする有機絶縁膜を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
【化7】
Figure 0004586229
【0008】
式(1)中、Xは式(2)より選ばれる構造を示す。
【0009】
【化8】
Figure 0004586229
【0010】
式(2)中、Zは式(3)より選ばれる構造を示し、これらの構造中のベンゼン環上の水素原子は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フッ素原子、およびトリフルオロメチル基からなる群から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。
【0011】
【化9】
Figure 0004586229
【0012】
【化10】
Figure 0004586229
【0013】
式(4)中、Yは式(2)より選ばれる構造を示す。
【0014】
【化11】
Figure 0004586229
【0015】
但し、一般式(5)中のnは2〜1000までの整数を示す。X、及びYは式(2)より選ばれる構造を示す。
【0016】
【化12】
Figure 0004586229
【0017】
但し、一般式(6)中のnは2〜1000までの整数を示す。X、及びYは式(2)より選ばれる構造を示す。
【0018】
すなわち、本発明は、(a)〜()項に記載の通りである。
【0019】
(a) 一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物と、該化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)とを反応させ、続けて一般式(4)で表されるジカルボン酸化合物とを反応させて、枝分かれ構造を有する重合体を合成し、更に、前記重合体を閉環させることにより得られる一般式(6)で表される構造単位を主構造とする樹脂層からなることを特徴とする有機絶縁膜であって、前記ジアミノフェノール化合物のアミノ基と反応しているd価の有機基を有する化合物のモル数が、{(M−N)x2/d}モルであることを特徴とする有機絶縁膜。(但し、Mはジアミノフェノール化合物の反応モル数を、Nはジカルボン酸の反応モル数を示す。)
【0020】
(b) 一般式(5)で表される構造単位を主構造とする重合体であって、一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物と、該化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)とを反応させて得られた反応物を構造に含むことにより、該重合体が枝分かれ構造を有することを特徴とする有機絶縁膜材料であって、前記重合体が、ジアミノフェノール化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)とジアミノフェノール化合物(M)とを反応させ、さらにジカルボン酸(N)と反応させた反応モル比(N/M)が、0.5から0.99の範囲で合成されたものであり、前記ジアミノフェノール化合物のアミノ基と反応しているd価の有機基を有する化合物のモル数が、{(M−N)x2/d}モルであることを特徴とする有機絶縁膜材料。(但し、Mはジアミノフェノール化合物の反応モル数を、Nはジカルボン酸の反応モル数を示す。)
【0022】
(c)前記有機絶縁膜材料から得られる有機絶縁膜であって、一般式(6)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂層からなることを特徴とする有機絶縁膜。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の有機絶縁膜材料は、ジアミノフェノール化合物と該化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)とを反応させ、更にジカルボン酸とを反応させて合成される枝分かれ構造を有する重合体からなるものであり、これより得られる本発明の有機絶縁膜は、一般式(6)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂層からなり、該樹脂が枝分かれ構造を示すことから、得られる樹脂層の密度が、枝分かれ構造ではない樹脂層よりも0.5%以上低下することにより、樹脂層全体の誘電率を低減させるものである。
【0024】
本発明の有機絶縁膜材料は、ジアミノフェノール化合物(Mモル)とジカルボン酸(Nモル)との反応モル比(N/M)が、0.5から0.99の範囲で合成される枝分かれ構造を有する重合体からなることが好ましい。モル比(N/M)が0.99よりも大きいと、ジアミノフェノール化合物と該化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)との反応物の樹脂中における含有率が低くなり、この場合、有機絶縁膜において、密度の低下および誘電率の低下が発現しなくなる。モル比(N/M)が0.5よりも小さいと、得られる重合体の分子量が上がらず、未反応のジアミノフェノール化合物が残存し、有機絶縁膜の成膜において問題が生じるか、或いは脆い有機絶縁膜になってしまう。
【0025】
本発明に用いる一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物のモル数は、ジアミノフェノール化合物(Mモル)とジカルボン酸(Nモル)のモル比(N/M)に対して、{(M−N)x2/d}モルであることが好ましい。d価以上の有機基を有する化合物のモル数が{ (M−N)x2/d}モルよりも少ないと、アミノ基と反応するd価の有機基を有する化合物の導入量が少なくなり、この場合、得られる化合物において、未反応のアミノ基が残存することにより誘電率の低下が発現しなくなる。d価の有機基を有する化合物のモル数が{(M−N)x2/d}よりも多いと、前駆体の架橋反応が進行することがあり、その際、溶剤不溶となり、均一なワニスが得られず絶縁膜形成において、影響する。
【0026】
本発明に用いるジアミノフェノール化合物としては、一般式(1)で表される通りであり、例えば3−アミノ−4−ヒドロキシビフェニル、4−アミノ−3−ヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロベンゼン、3−アミノ−5,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができるが、必ずしもこれらに限られるものではない。また、2種以上のジアミノフェノール化合物を組み合わせて使用することも可能である。
【0027】
本発明に用いるジカルボン酸については、一般式(4)で表される通りであり、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、3−フルオロフタル酸、2−フルオロフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸、パーフルオロスベリン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、4,4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸などが挙げられるが、必ずしもこれらに限られるものではない。また2種以上のジカルボン酸を組み合わせて使用することも可能である。
【0028】
本発明で用いるジアミノフェノール化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)は、一般的な方法でクロリド化した化合物または活性エステル化した化合物を用いるのが好ましいが、一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物のアミノ基に反応するものであれば良い。例えば、該化合物が、トリメシン酸、トリメリック酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、5,5’−ビステレフタル酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−(1,1’−ヘキサフルオロイソプロピリデンビフェニル)テトラカルボン酸無水物、1,2,3,4,5,6−ベンゼンヘキサカルボン酸などの酸クロリド化合物や活性エステル化合物等が挙げられる。中でも、トリメシン酸、トリメリック酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、5,5’−ビステレフタル酸が、好ましい。これらは、2種以上同時に使用してもかまわない。
【0029】
本発明の有機絶縁膜材料の製造は、一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物とd価(dは3以上10以下)の有機基を有する化合物との反応により得られた化合物と、一般式(4)で表されるジカルボン酸との反応により行われるが、前記ジアミノフェノール化合物と、一般式(4)で表されるジカルボン酸とを、活性エステル法により反応させて、有機絶縁膜材料を合成する場合は、d価(dは3価以上10以下)の有機基を有する化合物の活性エステル化合物と、酸クロリド法により前駆体を合成する場合は、d価(dは3価以上10以下)の有機基を有する化合物の酸クロリド化合物と、該アミノフェノール化合物のアミノ基とを反応させることで、枝分かれ構造を有する重合体からなる有機絶縁膜材料を得ることができる。
【0030】
必要により本発明の有機絶縁膜材料に、各種添加剤として、界面活性剤やカップリング剤等を添加し、半導体用層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として用いることができる。
【0031】
本発明に用いる有機絶縁膜材料の合成で用いられる酸クロリド化合物は、一般式(7)で表される。
【0032】
【化13】
Figure 0004586229
【0033】
(式(7)中、Yは式(2)より選ばれる構造を示す。)
【0034】
本発明の有機絶縁膜材料の製造方法の中で、酸クロリド法による合成の例を挙げると、まず、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸を、過剰量の塩化チオニルと混合し、 N,N−ジメチルホルムアミドを添加して、室温から75℃で反応させることにより、酸クロリド化合物である4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸クロリドを得る。次いで、2,2−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを、乾燥窒素雰囲気下で、乾燥したN−メチル−2−ピロリドンに溶解して、10℃以下に冷却した後、γ−ブチロラクトンにd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)を前記同様の方法で、酸クロリド化したしたものを溶解したものを滴下する。その後、上記で得た4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸クロリドの溶液を滴下し、続けてγ−ブチロラクトンにピリジンを溶解したものを滴下する。滴下終了後、室温まで戻し、攪拌する。反応液を濾過して、ピリジン塩酸塩を除去し、反応液を、蒸留水とエタノールの混合溶液に滴下し、沈殿物を集め、乾燥することにより、ジアミノフェノール化合物とd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)との反応物を含有する有機絶縁膜材料を得る。
【0035】
また、ジアミノフェノール化合物と、前記酸クロリド化合物の代わりに、d価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)の活性エステル化合物を反応させ、続けてジカルボン酸化合物の活性エステルと反応させることにより有機絶縁膜材料を合成し、ジアミノフェノール化合物とd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)との反応物を含有する反応物を得ることができる。
【0036】
本発明の有機絶縁膜材料は、通常、これを溶剤に溶解し、ワニス状にして使用するのが好ましい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を1種、または2種以上混合して用いることが出来る。
【0037】
本発明の有機絶縁膜の製造方法としては、本発明の有機絶縁膜材料を、上記溶剤に溶解してワニスとして、適当な支持体、例えば、ガラス、金属、シリコーンウエハーやセラミック基盤等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等が挙げられる。このようにして、塗膜を形成した後、加熱処理をして、ポリベンゾオキサゾール樹脂に変換して、一般式(6)で表される構造を主構造とする樹脂層からなる有機絶縁膜を得るのが好ましい。
【0038】
本発明の有機絶縁膜材料は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0039】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例の内容になんら限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
【0040】
(ジカルボン酸クロリド化合物の合成)
「合成例1」
4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸25部、塩化チオニル45ml及び乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す。)0.5mlを反応容器に入れ、75℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。残査は、300mLのヘキサンを用いて再結晶させて、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリド26.0部を得た。
【0041】
(トリメシン酸クロリド化合物の合成)
「合成例2」
トリメシン酸18部、塩化チオニル56ml及び乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す。)0.63部を反応容器に入れ、75℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した。残査は200mLのヘキサンを用いて再結晶させて、トリメシン酸トリクロリド21.6部を得た。
【0042】
(トリメリック酸クロリド化合物の合成)
「合成例3」
合成例2に用いたトリメシン酸18部に代えトリメリック酸18部を用いた以外は、合成例2と同様にして、トリメリック酸トリクロリド21.6部を得た。
【0043】
(1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸クロリド化合物の合成)
「合成例4」
合成例2に用いたトリメシン酸18部に代え1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸18部を用いた以外は、合成例2と同様にして、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリクロリド21.5部を得た。
【0044】
(5、5'−ビスイソフタル酸クロリド化合物の合成)
「合成例5」
合成例2に用いたトリメシン酸18部に代え5,5'−ビスイソフタル酸18部を用いた以外は、合成例2と同様にして、5、5'−ビスイソフタル酸クロリド20.9部を得た。
【0045】
「実施例1」
(1)絶縁膜材料の合成
2,2−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.70部(10.10mmol)を、乾燥窒素雰囲気下で、乾燥した10部のN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、5℃で、10部のγ−ブチロラクトンに、合成例2で得たトリメシン酸トリクロリド0.089部(0.34mmol)を溶解したものを、30分かけて滴下した。続いて、室温まで戻し、室温で1時間攪拌した。その後、5℃で、40部のγ−ブチロラクトンに、合成例1で得た4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリド4.12部(9.60mmol)を溶解したものを、30分かけて滴下した。続いて、室温まで戻し、室温で1時間攪拌した。その後、5℃で、10部のγ−ブチロラクトンに、ピリジン1.60部を溶解したものを、30分かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で3時間攪拌して反応させることにより、絶縁膜材料を得た。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算で、数平均分子量(Mn)が7.1x103、重量平均分子量(Mw)が1.38x105であった。
【0046】
(2)絶縁膜材料とそのワニスの調整
次いで、反応液を濾過して、ピリジン塩酸塩を除去し、反応液を蒸留水0.30リットルとメタノール0.20リットルの混合溶液に滴下し、沈殿物を集め、乾燥することにより絶縁膜材料を得た。これをN−メチル−2−ピロリドンに溶解して混合し、20%の溶液とした。0.2μmのテフロンフィルターで濾過しワニスを得た。
【0047】
(3)絶縁膜の製造
上記調整により得られたワニスを、スピンコーターを用いて、アルミニウムを蒸着したシリコンウエハー上に塗布した。このとき、熱処理後の膜厚が、約1μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後、100℃のホットプレート上で、240秒間乾燥した後、窒素を流入して、酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、150℃で30分間で加熱して溶剤を蒸発させ、さらに、400℃で30分間加熱して脱水閉環反応させることで、絶縁膜を得た。この絶縁膜上に、アルミニウムを蒸着して、パターンニングを行い、所定の大きさの電極を形成した。シリコンウエハー側のアルミニウムと、この電極による容量を測定し、測定後に、皮膜の電極隣接部を、酸素プラズマによりエッチングして、表面粗さ計により、膜厚を測定することにより、周波数1MHzにおける誘電率を算出したところ2.45であった。この絶縁膜のIRスペクトルを、FT−IRにより、測定したところ、1656cm-1にオキサゾールのアミドによる吸収は見られず1053cm-1、1625cm-1にオキサゾールによる吸収が観察され、ポリベンゾオキサゾール樹脂が生成していることが確認された。TG−DTAにより、耐熱性を評価したところ、窒素雰囲気での、5%重量減少温度は、515℃であった。
また、この絶縁膜と、前記で得たポリベンゾオキサゾール前駆体より、同様の方法で形成した皮膜について、密度を測定すると、得られた絶縁膜は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも0.8%の密度の低下がみられた。密度は密度勾配管により測定した。
【0048】
「実施例2」
実施例1のにおいて、トリメシン酸クロリドの0.089部(0.34mmol)を0.036部(0.135mmol)に、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリド4.12部(9.60mmol)を4.25部(9.90mmol)とする以外は、全て実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが7.5x103、Mwが1.65x105であった。その後、実施例1と同様にして、ワニスを得た。ここで得たワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製し、評価を行った。
その結果、誘電率は、2.48であった。5%重量減少温度は、512℃であった。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも0.5%の低下がみられることを確認した。
【0049】
「実施例3」
実施例1において、トリメシン酸クロリドの0.089部(0.34mmol)を0.14部(0.54mmol)に、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリドの4.12部(9.60mmol)を4.00部(9.29mmol)とする以外は、全て実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが6.7x103、Mwが9.8x104であった。その後、実施例1と同様にして、ワニスを得た。ここで得たワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製し、評価を行った。
その結果、誘電率は、2.43であった。5%重量減少温度は520℃であった。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも1.0%の低下がみられることを確認した。
【0050】
「実施例4」
実施例1において、トリメシン酸クロリドの0.089部(0.34mmol)を0.536部(2.02mmol)に、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリドの4.12部(9.60mmol)を3.03部(7.07mmol)とする以外は、全て実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが5.2x103、Mwが9.0x104であった。その後、実施例1と同様にして、ワニスを得た。ここで得たワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製し、評価を行った。
その結果、誘電率は、2.48であった。5%重量減少温度は525℃であった。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも1.4%の低下がみられることを確認した。
【0051】
「実施例5」
実施例1において、用いたトリメシン酸トリクロリド0.089部(0.34mmol)を合成例3で得たトリメリック酸クロリド0.089部(0.34mmol)に代えた以外は、実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが7.1x103、Mwが1.38x105であった。その後、実施例1と同様にして、ワニスを得た。ここで得たワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製し、評価を行った。
その結果、誘電率は、2.45であった。5%重量減少温度は515℃であった。また、この絶縁膜は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも0.8%の低下がみられることを確認した。
【0052】
「実施例6」
実施例1において、用いたトリメシン酸トリクロリド0.089部(0.34mmol)を合成例4で得た1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸クロリド0.092部(0.34mmol)に代えた以外は、実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが7.1x103、Mwが1.38x105であった。その後、実施例1と同様にして、ワニスを得た。ここで得たワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製し、評価を行った。
その結果、誘電率は、2.41であった。5%重量減少温度は515℃であった。また、この絶縁膜は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも1.1%の低下がみられることを確認した。
【0053】
「実施例7」
実施例1において、用いたトリメシン酸トリクロリド0.089部(0.34mmol)を合成例5で得た5、5'−ビスイソフタル酸クロリド0.158部(0.34mmol)に代えた以外は、実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが7.1x103、Mwが1.65x105であった。その後、実施例1と同様にして、ワニスを得た。ここで得たワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製し、評価を行った。
その結果、誘電率は、2.40であった。5%重量減少温度は515℃であった。また、この絶縁膜は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも1.2%の低下がみられることを確認した。
【0054】
「比較例1」
(1)ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成とそのワニスの調整
撹拌装置、窒素導入管、滴下漏斗を付けたセパラブルフラスコ中、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン14.65部(40mmol)を、乾燥したジメチルアセトアミド200部に溶解し、ピリジン7.92部(200mmol)を添加後、乾燥窒素導入下、−15℃で、ジメチルアセトアミド100gに、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸クロリド16.92g(40mmol)を溶解したものを、30分かけて滴下し、沈殿物を回収し、乾燥して、ポリベンゾオキサゾール前駆体の粉末を得た。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが3.8x104、Mwが8.03x104であった。これをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、20%の溶液とした。0.2μmのテフロンフィルターで濾過して、ワニスを得た。
【0055】
(2)ポリベンゾオキサゾール樹脂膜の製造
このワニスを、スピンコーターを用いて、アルミニウムを蒸着したシリコンウエハー上に塗布した。このとき、熱処理後の膜厚が約1μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後、100℃のホットプレート上で、120秒間乾燥した後、窒素を流入して、酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、150℃/30分、400℃/30分の順で加熱して、ポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。皮膜上にアルミニウムを蒸着して、パターンニングを行い、所定の大きさの電極を形成した。シリコンウエハー側のアルミニウムと、この電極による容量を測定し、測定後に、皮膜の電極隣接部を、酸素プラズマによりエッチングして、表面粗さ計により膜厚を測定することにより、周波数1MHzにおける誘電率を算出したところ2.6であった。この皮膜のIRスペクトルをFT−IRにより測定したところ、1656cm-1にオキサゾールのアミドによる吸収は見られず1053cm-1、1625cm-1にオキサゾールによる吸収が観察され、ポリベンゾオキサゾール樹脂が生成していることが確認された。TG−DTAにより、耐熱性を評価したところ、窒素雰囲気での5%重量減少温度は510℃であった。
【0056】
「比較例2」
2,2−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.70部(10.10mmol)を、乾燥窒素雰囲気下で、乾燥した10部のN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、5℃で、40部のγ−ブチロラクトンに、合成例1で得た4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリド4.25部(9.90mmol)を溶解したものを、30分かけて滴下した。続いて、室温まで戻し、室温で1時間攪拌した。その後、5℃で、10部のγ−ブチロラクトンに、ピリジン1.60部を溶解したものを、30分かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で3時間攪拌して、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得た。その後、5℃で、10部のγ−ブチロラクトンに、合成例2で得たトリメシン酸トリクロリド0.089部(0.34mmol)を溶解したものを、滴下して反応したところ、分子量が急激に増大し、反応溶液はゲル化した。
【0057】
「比較例3」
実施例1のポリベンゾオキサゾール前駆体の合成において、トリメシン酸クロリド0.089部(0.34mmol)を添加しない以外は、全て実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが9.8x103、Mwが2.3x104であった。誘電率は、2.6であった。5%重量減少温度は510℃であった。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独と同じであることを確認した。
【0058】
「比較例4」
実施例1において、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリド4.12部(9.60mmol)を4.25部(9.90mmol)とし、トリメシン酸クロリド0.036部(0.135mmol)を添加しない以外は、全て実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが1.0x104、Mwが10.0x104であった。誘電率は、2.6であった。5%重量減少温度は500℃であった。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独と同じであることを確認した。
【0059】
「比較例5」
実施例1において、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリドの4.12部(9.60mmol)を4.00部(9.29mmol)とし、トリメシン酸クロリド0.14部(0.54mmol)を添加しない以外は、全て実施例1と同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが8.9x103、Mwが1.9x104であった。誘電率は、2.6であった。5%重量減少温度は510℃であった。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独と同じであることを確認した。
【0060】
実施例1〜7の本発明の絶縁膜は、いずれも誘電率が低く2.40〜2.48であり、さらに耐熱性が高いという良好な特性が得られた。
【0061】
比較例1および3〜4では、ポリベンゾオキサゾール樹脂が低密度化していないため耐熱性は同等で良好であるが、誘電率は実施例1〜6より高い2.6であった。
【0062】
比較例2では、ポリベンゾオキサゾール前駆体とトリメシン酸が不均一に反応し、反応が一部で急激に進行したため、反応溶液がゲル化した。
【0063】
【発明の効果】
本発明により、電気特性、熱特性、機械特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料及び有機絶縁膜を得ることができる。従って、本発明の有機絶縁膜材料は、電気特性、熱特性、機械特性及び物理特性が要求される様々な分野、例えば半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜などとして適用できる。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物と、該化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)とを反応させ、続けて一般式(4)で表されるジカルボン酸化合物とを反応させて、枝分かれ構造を有する一般式(5)で表される構造単位を主構造とする重合体を合成し、更に、前記重合体を閉環させることにより得られる一般式(6)で表される構造単位を主構造とする樹脂層からなることを特徴とする有機絶縁膜であって、前記ジアミノフェノール化合物のアミノ基と反応しているd価の有機基を有する化合物のモル数が、{(M−N)x2/d}モルであることを特徴とする有機絶縁膜。(但し、Mはジアミノフェノール化合物の反応モル数を、Nはジカルボン酸の反応モル数を示す。)
    Figure 0004586229
    (式(1)中、Xは式(2)より選ばれる構造を示す。)
    Figure 0004586229
    (式(2)中、Zは式(3)より選ばれる構造を示し、これらの構造中のベンゼン環上の水素原子は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フッ素原子、およびトリフルオロメチル基からなる群から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。)
    Figure 0004586229
    Figure 0004586229
    (式(4)中、Yは式(2)より選ばれる構造を示す。)
    Figure 0004586229
    (但し、一般式(5)中のnは2〜1000までの整数を示す。X、及びYは式(2)より選ばれる構造を示す。)
    Figure 0004586229
    (一般式(6)中のnは2〜1000までの整数を示す。X、及びYは式(2)より選ばれる構造を示す。)
  2. 一般式(5)で表される構造単位を主構造とする重合体であって、一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物と、該化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)とを反応させて得られた反応物を構造に含むことにより、該重合体が枝分かれ構造を有することを特徴とする有機絶縁膜材料であって、前記重合体が、ジアミノフェノール化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)とジアミノフェノール化合物(M)とを反応させ、さらにジカルボン酸(N)と反応させた反応モル比(N/M)が、0.5から0.99の範囲で合成されたものであり、前記ジアミノフェノール化合物のアミノ基と反応しているd価の有機基を有する化合物のモル数が、{(M−N)x2/d}モルであることを特徴とする有機絶縁膜材料。(但し、Mはジアミノフェノール化合物の反応モル数を、Nはジカルボン酸の反応モル数を示す。)
    Figure 0004586229
    (式(1)中、Xは式(2)より選ばれる構造を示す。)
    Figure 0004586229
    (式(2)中、Zは式(3)より選ばれる構造を示し、これらの構造中のベンゼン環上の水素原子は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フッ素原子、およびトリフルオロメチル基からなる群から選ばれる少なくとも1個の基で置換されていてもよい。)
    Figure 0004586229
    Figure 0004586229
    (但し、一般式(5)中のnは2〜1000までの整数を示す。X、及びYは式(2)より選ばれる構造を示す。)
  3. d価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)が、トリメシン酸、トリメリック酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、および5,5'−ビスイソフタル酸の酸クロリド化合物並びに活性エステル化合物からなる群から選ばれる請求項2に記載の有機絶縁膜材料。
  4. 一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物と、該化合物のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)の酸クロリド化合物とを、ジカルボン酸の酸クロリド化合物により反応させたことを特徴とする請求項2又は3に記載の有機絶縁膜材料。
  5. 一般式(1)で表されるジアミノフェノール化合物と、該化合物のアミノ基と反応しうるd価以上の有機基を有する化合物(dは3以上10以下)の活性エステル化合物とを、活性エステル化合物により反応させたことを特徴とする請求項2又は3に記載の有機絶縁膜材料。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の有機絶縁膜材料から得られる有機絶縁膜であって、一般式(6)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂層からなることを特徴とする有機絶縁膜。
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