JP2001163977A - 有機絶縁膜及びその有機絶縁膜材料 - Google Patents

有機絶縁膜及びその有機絶縁膜材料

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JP2001163977A
JP2001163977A JP35004099A JP35004099A JP2001163977A JP 2001163977 A JP2001163977 A JP 2001163977A JP 35004099 A JP35004099 A JP 35004099A JP 35004099 A JP35004099 A JP 35004099A JP 2001163977 A JP2001163977 A JP 2001163977A
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JP
Japan
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compound
insulating film
reacting
acid
film material
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JP35004099A
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English (en)
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Hisafumi Enoki
尚史 榎
Yoko Hase
陽子 長谷
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電気特性、熱特性、低吸水性に優れ
た有機絶縁膜材料、有機絶縁膜及び製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリベンゾオキサゾール前駆体のアミノ
基末端と、該前駆それと反応しうるd価以上の有機基を
有する化合物(dは3以上)を反応させた反応物からな
る有機絶縁膜材料、これを用いた一般式(4)で表され
る構造を主構造とするポリベンゾオキサゾール樹脂層が
d価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)の添加
により密度が低下していることを特徴とする有機絶縁
膜。 【化1】 (但し、一般式(2)中のnは2〜1000までの整数
を示す。X、Yは式(2)より選ばれる構造を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気特性、熱特
性、機械特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料及び
有機絶縁膜に関するものであり、半導体用の層間絶縁
膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張
板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜な
どとして適用できる。
【0002】
【従来の技術】半導体用材料には、必要とされる特性に
応じて無機系材料、有機系材料などの材料が、様々な部
分で用いられている。例えば、半導体用の層間絶縁膜と
しては、化学気相で作製した二酸化シリコン等の無機の
絶縁膜が使用されている。しかしながら、近年の半導体
の高機能化、高性能化に伴い、二酸化シリコン等の無機
絶縁膜では、誘電率、吸水率が高いこと等が問題となっ
ている。この改良手段のひとつとして、有機材料の適用
が検討されつつある。
【0003】半導体用途の有機材料としては、耐熱性、
機械特性などの優れたポリイミド樹脂が挙げられ、ソル
ダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜などに用いられ
ている。しかしながら、一般にポリイミド樹脂は、イミ
ド環にカルボニル基を2個有していることから、電気特
性、耐吸水性に問題がある。これらの問題に対して、フ
ッ素ならびにトリフルオロメチル基を高分子内に導入す
ることにより、電気特性と耐吸水性、耐熱性を改良する
ことも試みられているが、現時点での要求に対応し得な
い。
【0004】このような事から、ポリイミド樹脂に比べ
て、電気特性、耐吸水性に関して優れた性能を示すポリ
ベンゾオキサゾール樹脂を、半導体用途の絶縁材料に適
用することが試みられている。ポリベンゾオキサゾール
樹脂は、電気特性、熱特性、物理特性のいずれかの特性
のみを満足することは容易であり、例えば、ビス(4−
アミノ−3−ヒドロキシベンゼン)とテレフタル酸から
なるポリベンゾオキサゾール樹脂は、非常に優れた耐熱
分解性、高Tg等の耐熱性を有するが、一方、誘電率、
誘電正接等の電気特性は、満足していない。また、2,
2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパンとテレフタル酸からなるポリベンゾ
オキサゾール樹脂は、低誘電率等の良好な電気特性を示
すが、耐熱性等は好ましくない。近年、さらに誘電率が
2.5を下回るような低誘電率材料が期待されており、
この要求を満たし、かつ他の電気特性、熱特性、及び物
理特性もすぐれた樹脂は、得られていないのが現状であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気特性、
熱特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料、有機絶縁
膜を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)
で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体と、該前駆体
のアミノ基と反応しうるd価以上の有機基を有する化合
物(dは3以上)とを反応させて合成された枝分かれ構
造を有する重合体からなる有機絶縁膜材料と、これを用
いた一般式(4)で表される構造を主構造とするポリベ
ンゾオキサゾール樹脂層からなることを特徴とする有機
絶縁膜を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
【化5】
【0008】(但し、一般式(1)中のnは2〜100
0までの整数を示す。X、Yは式(2)より選ばれる構
造を示す。)
【0009】
【化6】
【0010】(式(2)中、Zは式(3)より選ばれる
構造を示し、これらの構造中のベンゼン環上の水素原子
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フッ素原
子、およびトリフルオロメチル基からなる群から選ばれ
る少なくとも1個の基で置換されていてもよい。)
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】(但し、一般式(4)中のnは2〜100
0までの整数を示す。X、Yは式(2)より選ばれる構
造を示す。)
【0014】すなわち、本発明は、(a)〜(i)項に
記載の通りである。
【0015】(a) 一般式(1)で表されるアミノ基
のポリベンゾオキサゾール前駆体と、該前駆体のアミノ
基と反応しうるd価以上の有機基を有する化合物(dは
3以上)とを反応させて、枝分かれ構造を有する重合体
を合成し、更に、得られた重合体を閉環させることによ
り得られる低密度化された一般式(4)で表される構造
単位を主構造とする樹脂層からなることを特徴とする有
機絶縁膜。
【0016】(b) 一般式(1)で表されるポリベン
ゾオキサゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応し
うるd価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)と
を反応させて得られる反応物からなることを特徴とする
有機絶縁膜材料。
【0017】(c) ジアミノフェノール化合物(M)
とジカルボン酸(N)との反応モル比(N/M)が、
0.5から0.99の範囲で合成されたポリベンゾオキ
サゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応しうるd
価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)とを反応
させて合成される枝分かれ構造を有する重合体からなる
ことを特徴とする有機絶縁膜材料。
【0018】(d) d価以上の有機基を有する化合物
(dは3以上)が、トリメシン酸、トリメリック酸、及
び1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸の酸クロ
リド化合物並びに活性エステル化合物からなる群から選
ばれる(b)又は(c)項に記載の有機絶縁膜材料。
【0019】(e) ポリベンゾオキサゾール前駆体の
末端アミノ基と反応しているd価以上の有機基を有する
化合物のモル数が、{0.5x(M−N)x2/d}モ
ルから{0.99x(M−N)x2/d}モルの範囲に
あることを特徴とする(b)〜(d)項のいずれかに記
載の有機絶縁膜材料。但し、Mはジアミノフェノール化
合物の反応モル数を、Nはジカルボン酸の反応モル数を
示す。
【0020】(f) 一般式(1)で表されるポリベン
ゾオキサゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応し
うるd価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)と
を、酸クロリド化合物により反応させる際に、更に、1
価のカルボン酸のクロリド化合物を用いてポリベンゾオ
キサゾール前駆体の末端を封止させて得られる反応物か
らなることを特徴とする有機絶縁膜材料。
【0021】(g) 一般式(1)で表されるポリベン
ゾオキサゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応し
うるd価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)と
を、活性エステル化合物により反応させる際に、更に、
1価のカルボン酸の活性エステル化合物を用いてポリベ
ンゾオキサゾール前駆体の末端を封止させて得られる反
応物からなることを特徴とする有機絶縁膜材料。
【0022】(h) 1価のカルボン酸が、シクロヘキ
サンカルボン酸、4−トリフルオロメチル−安息香酸、
安息香酸から選ばれることを特徴とする(f)又は
(g)項に記載の有機絶縁膜材料。
【0023】(i) 前記(b)〜(h)項のいずれか
に記載の有機絶縁膜材料から得られる有機絶縁膜であっ
て、一般式(4)で表される構造を主構造とするポリベ
ンゾオキサゾール樹脂層からなることを特徴とする有機
絶縁膜。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の有機絶縁膜材料は、ポリ
ベンゾオキサゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反
応しうるd価以上の有機基を有する化合物(dは3以
上)とを、反応させて合成される枝分かれ構造を有する
重合体からなるものであり、これより得られる本発明の
有機絶縁膜は、一般式(4)で表される構造を主構造と
するポリベンゾオキサゾール樹脂層からなり、該樹脂が
枝分かれ構造を示すことから、得られる樹脂層の密度が
低下することにより、樹脂層全体の誘電率を低減させる
ものである。
【0025】本発明の有機絶縁膜材料は、ジアミノフェ
ノール化合物(Mモル)とジカルボン酸(Nモル)との
反応モル比(N/M)が、0.5から0.99の範囲で
合成されるポリベンゾオキサゾール前駆体を用いること
が好ましい。モル比(N/M)が0.99よりも大きい
と、得られるポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量が
増大することにより、d価以上の有機基を有する化合物
(dは3以上)との反応が起こりにくくなり、この場
合、有機絶縁膜において、密度の低下および誘電率の低
下が発現しなくなる。モル比(N/M)が0.5よりも
小さいと、得られるポリベンゾオキサゾール前駆体の分
子量が上がらず、未反応のジアミノフェノール化合物が
残存し、有機絶縁膜の成膜において問題が生じるか、或
いは脆い有機絶縁膜になってしまう。
【0026】本発明に用いる一般式(1)で表されるポ
リベンゾオキサゾール前駆体の末端アミノ基と反応しう
るd価以上の有機基を有する化合物のモル数は、ジアミ
ノフェノール化合物(Mモル)とジカルボン酸(Nモ
ル)のモル比(N/M)に対して、{0.5x(M−
N)x2/d}モルから{0.99x(M−N)x2/
d}モルの範囲にあることが好ましい。d価以上の有機
基を有する化合物のモル数が、{0.5x(M−N)x
2/d}モルよりも少ないと、アミノ基と反応するd価
以上の有機基を有する化合物の導入量が少なくなり、こ
の場合、得られる化合物において、枝分かれ構造を形成
し難くなり、密度の低下及び誘電率の低下が発現しなく
なる。d価以上の有機基を有する化合物のモル数が
{0.99x(M−N)x2/d}よりも多いと、前駆
体の架橋反応が進行することがあり、その際、溶剤不溶
となり、均一なワニスが得られず絶縁膜形成において、
影響する。
【0027】本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前
駆体の合成に用いるジアミノフェノール化合物は、一般
式(5)で表される通りであり、例えば1,1’−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシベンゼン)、1,1’−
ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシベンゼン)、2,2
−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオ
ロベンゼン、ビス(3−アミノ−5,6−ジフルオロ−
4−ヒドロキシベンゼン)、2,2−ビス(3−アミノ
−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−
3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2−(3−アミノ−4−ヒドロ
キシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−(3−
アミノ−4−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることがで
きるが、必ずしもこれらに限られるものではない。ま
た、2種以上のジアミノフェノール化合物を組み合わせ
て使用することも可能である。
【0028】
【化9】
【0029】(式(5)中、Xは式(2)より選ばれる
構造を示す。)
【0030】本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前
駆体の合成に用いるジカルボン酸については、一般式
(6)で表される通りであり、例えば、イソフタル酸、
テレフタル酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオ
ロイソフタル酸、3−フルオロフタル酸、2−フルオロ
フタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6
−テトラフルオロイソフタル酸、3,4,5,6−テト
ラフルオロフタル酸、4,4’−ヘキサフルオロイソプ
ロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸、パー
フルオロスベリン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメ
チル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、4,
4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸など
が挙げられるが、必ずしもこれらに限られるものではな
い。また2種以上のジカルボン酸を組み合わせて使用す
ることも可能である。
【0031】
【化10】
【0032】(式(6)中、Yは式(2)より選ばれる
構造を示す。)
【0033】本発明で用いるポリベンゾオキサゾール前
駆体のアミノ基と反応しうるd価の有機基を有する化合
物(dは3以上)は、一般的な方法でクロリド化した化
合物または活性エステル化した化合物を用いるのが好ま
しいが、一般式(1)で表されるポリベンゾオキサゾー
ル前駆体の末端アミノ基に反応するものであれば良い。
例えば、該化合物が、トリメシン酸、トリメリック酸、
1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、
3,3’,4,4’−(1,1’−ヘキサフルオロイソ
プロピリデンビフェニル)テトラカルボン酸無水物、
1,2,3,4,5,6−ベンゼンヘキサカルボン酸な
どの酸クロリド化合物や活性エステル化合物等が挙げら
れる。中でも、トリメシン酸、トリメリック酸、1,
3,5−シクロヘキサントリカルボン酸が、好ましい。
これらは、2種以上同時に使用してもかまわない。
【0034】本発明の有機絶縁膜材料の製造は、前記ポ
リベンゾオキサゾール前駆体とd価(dは3価以上)の
有機基を有する化合物との反応により行われるが、ま
ず、一般式(5)で表されるジアミノフェノール化合物
と、一般式(6)で表されるジカルボン酸とを、活性エ
ステル法や酸クロリド法等の方法により反応させて、ポ
リベンゾオキサゾール前駆体を合成し、次いで、活性エ
ステル法で合成したポリベンゾオキサゾール前駆体と反
応させる場合は、d価(dは3価以上)の有機基を有す
る化合物の活性エステル化合物と、酸クロリド法による
前駆体と反応させる場合は、d価(dは3価以上)の有
機基を有する化合物の酸クロリド化合物と、該前駆体の
アミノ基とを反応させることで、枝分かれ構造を有する
重合体からなる有機絶縁膜材料を得ることができる。
【0035】必要により本発明の有機絶縁膜材料に、各
種添加剤として、界面活性剤やカップリング剤等を添加
し、半導体用層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁
膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジ
スト膜、液晶配向膜等として用いることができる。
【0036】本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前
駆体の合成で用いられる酸クロリド化合物は、一般式
(7)で表される。
【0037】
【化11】
【0038】(式(7)中、Yは式(2)より選ばれる
構造を示す。)
【0039】本発明の有機絶縁膜材料の製造方法の中
で、酸クロリド法による合成の例を挙げると、まず、
4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル
−1,1’−ジカルボン酸を、過剰量の塩化チオニルと
混合し、N,N−ジメチルホルムアミドを添加して、室
温から75℃で反応させることにより、酸クロリド化合
物である4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジ
フェニル−1,1’−ジカルボン酸クロリドを得る。次
いで、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパンを、乾燥窒素雰囲気下
で、乾燥したN−メチル−2−ピロリドンに溶解して、
10℃以下に冷却した後、γ−ブチロラクトンに4,
4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−
1,1’−ジカルボン酸クロリドを溶解したものを滴下
する。その後、γ−ブチロラクトンにピリジンを溶解し
たものを滴下し、続けて、d価の有機基を有する化合物
(dは3以上)を前記同様の方法で、酸クロリド化した
したものを添加する。滴下終了後、室温まで戻し、攪拌
する。反応液を濾過して、ピリジン塩酸塩を除去し、反
応液を、蒸留水とエタノールの混合溶液に滴下し、沈殿
物を集め、乾燥することにより、ポリベンゾオキサゾー
ル前駆体とd価の有機基を有する化合物(dは3以上)
との反応物である有機絶縁膜材料を得る。
【0040】また、前記酸クロリド化合物の代わりに、
ジカルボン酸の活性エステル化合物を用いて、ポリベン
ゾオキサゾール前駆体を合成し、続けて、d価以上の有
機基を有する化合物(dは3以上)の活性エステル化合
物を用いて、ポリベンゾオキサゾール前駆体とd価以上
の有機基を有する化合物との反応物を得ることができ
る。
【0041】更に、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体
とd価以上の有機基を有する化合物との反応物を得る工
程において、d価以上の有機基を有する化合物を添加し
た後、得られた反応生成物を安定化させるため、反応に
おいて、酸クロリド化合物を用いる場合、1価のカルボ
ン酸のクロリド化合物を添加して、ポリベンゾオキサゾ
ール前駆体の末端を封止することができる。ここで用い
られる1価のカルボン酸のクロリド化合物の例として
は、シクロヘキサンカルボン酸、4−トリフルオロメチ
ル−安息香酸、安息香酸の酸クロライド、などが挙げら
れる。もちろん、反応において、活性エステル化合物を
用いる場合、これら1価のカルボン酸の活性エステル化
合物を用いて、活性エステル法で末端封止してもかまわ
ない。
【0042】本発明の有機絶縁膜材料は、通常、これを
溶剤に溶解し、ワニス状にして使用するのが好ましい。
溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチ
ロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル
−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブ
チレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン
酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプ
ロピオネート等を1種、または2種以上混合して用いる
ことが出来る。
【0043】本発明の有機絶縁膜の製造方法としては、
本発明の有機絶縁膜材料を、上記溶剤に溶解してワニス
として、適当な支持体、例えば、ガラス、金属、シリコ
ーンウエハーやセラミック基盤等に塗布する。塗布方法
としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコー
ターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティン
グ等が挙げられる。このようにして、塗膜を形成した
後、加熱処理をして、ポリベンゾオキサゾール樹脂に変
換して、一般式(4)で表される構造を主構造とする樹
脂層からなる有機絶縁膜を得るのが好ましい。
【0044】本発明の有機絶縁膜材料は、感光剤として
のナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、
感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0045】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、実施例の内容になんら限定されるもの
ではない。以下、部は重量部を示す。
【0046】(ジカルボン酸クロリド化合物の合成) 「合成例1」4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデ
ンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸25部、塩化チ
オニル45ml及び乾燥N,N−ジメチルホルムアミド
(以下DMFと略す。)0.5mlを反応容器に入れ、
75℃で2時間反応させた。反応終了後、過剰の塩化チ
オニルを加熱及び減圧により留去した。残査は、300
mLのヘキサンを用いて再結晶させて、4,4’−ヘキ
サフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジ
カルボン酸ジクロリドを得た。
【0047】(トリメシン酸クロリド化合物の合成) 「合成例2」トリメシン酸18部、塩化チオニル56m
l及び乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMF
と略す。)0.63部を反応容器に入れ、75℃で2時
間反応させた。反応終了後、過剰の塩化チオニルを加熱
及び減圧により留去した。残査は200mLのヘキサン
を用いて再結晶させて、トリメシン酸トリクロリドを得
た。
【0048】(トリメリック酸クロリド化合物の合成) 「合成例3」合成例2に用いたトリメシン酸18部に代
えトリメリック酸18部を用いた以外は、合成例2と同
様にして、トリメリック酸トリクロリドを得た。
【0049】(1,3,5−シクロヘキサントリカルボ
ン酸クロリド化合物の合成) 「合成例4」合成例2に用いたトリメシン酸18部に代
え1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸18.5
部を用いた以外は、合成例2と同様にして、1,3,5
−シクロヘキサントリカルボン酸トリクロリドを得た。
【0050】「実施例1」 (1)絶縁膜材料の合成 2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン3.70部(10.10mmo
l)を、乾燥窒素雰囲気下で、乾燥した10部のN−メ
チル−2−ピロリドンに溶解し、5℃で、40部のγ−
ブチロラクトンに、合成例1で得た4,4'−ヘキサフ
ルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカル
ボン酸ジクロリド4.25部(9.90mmol)を溶
解したものを、30分かけて滴下した。続いて、室温ま
で戻し、室温で1時間攪拌した。その後、5℃で、10
部のγ−ブチロラクトンに、ピリジン1.60部を溶解
したものを、30分かけて滴下した。滴下終了後、室温
まで戻し、室温で3時間攪拌して、ポリベンゾオキサゾ
ール前駆体を得た。その後、5℃で、10部のγ−ブチ
ロラクトンに、合成例2で得たトリメシン酸トリクロリ
ド0.033部(0.12mmol)を溶解したもの
を、滴下して反応させることにより、絶縁膜材料を得
た。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測定した
ところ、スチレン換算で、数平均分子量(Mn)が2.
0x104、重量平均分子量(Mw)が11.2x104
であった。
【0051】(2)絶縁膜材料とそのワニスの調整 次いで、反応液を濾過して、ピリジン塩酸塩を除去し、
反応液を蒸留水0.30リットルとメタノール0.20
リットルの混合溶液に滴下し、沈殿物を集め、乾燥する
ことにより絶縁膜材料を得た。これをN−メチル−2−
ピロリドンに溶解して混合し、20%の溶液とした。
0.2μmのテフロンフィルターで濾過しワニスを得
た。
【0052】(3)絶縁膜の製造 上記調整により得られたワニスを、スピンコーターを用
いて、アルミニウムを蒸着したシリコンウエハー上に塗
布した。このとき、熱処理後の膜厚が、約1μmとなる
ように、スピンコーターの回転数と時間を設定した。塗
布後、100℃のホットプレート上で、240秒間乾燥
した後、窒素を流入して、酸素濃度を100ppm以下
に制御したオーブンを用いて、150℃で30分間で加
熱して溶剤を蒸発させ、さらに、400℃で30分間加
熱して脱水閉環反応させることで、絶縁膜を得た。この
絶縁膜上に、アルミニウムを蒸着して、パターンニング
を行い、所定の大きさの電極を形成した。シリコンウエ
ハー側のアルミニウムと、この電極による容量を測定
し、測定後に、皮膜の電極隣接部を、酸素プラズマによ
りエッチングして、表面粗さ計により、膜厚を測定する
ことにより、周波数1MHzにおける誘電率を算出した
ところ2.5であった。この絶縁膜のIRスペクトル
を、FT−IRにより、測定したところ、1656cm
-1にオキサゾールのアミドによる吸収は見られず105
3cm-1、1625cm-1にオキサゾールによる吸収が
観察され、ポリベンゾオキサゾール樹脂が生成している
ことが確認された。TG−DTAにより、耐熱性を評価
したところ、窒素雰囲気での、5%重量減少温度は、5
15℃であった。また、この絶縁膜と、前記で得たポリ
ベンゾオキサゾール前駆体より、同様の方法で形成した
皮膜について、密度を測定すると、得られた絶縁膜は、
ポリベンゾオキサゾール単独よりも0.5%の密度の低
下がみられた。密度は密度勾配管により測定した。
【0053】「実施例2」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体の合成において、4,4'−ヘキサフルオ
ロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン
酸ジクロリド4.25部(9.90mmol)を4.1
2部(9.60mmol)に、トリメシン酸クロリドの
0.033部(0.12mmol)を0.086部
(0.31mmol)とする以外は、全て実施例1と同
様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成及び絶
縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材
料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが
1.9x104、Mwが11.9x104であった。その
後、実施例1と同様にして、ワニスを得た。ここで得た
ワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製
し、評価を行った。その結果、誘電率は、2.4であっ
た。5%重量減少温度は、518℃であった。また、こ
の絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも
0.8%の低下がみられることを確認した。
【0054】「実施例3」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体の合成において、4,4'−ヘキサフルオ
ロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン
酸ジクロリドの4.25部(9.90mmol)を4.
00部(9.29mmol)に、トリメシン酸クロリド
の0.033部(0.12mmol)を0.14部
(0.51mmol)とする以外は、全て実施例1と同
様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成及び絶
縁膜材料の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材
料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが
1.8x104、Mwが9.8x104であった。その
後、実施例1と同様にして、ワニスを得た。ここで得た
ワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製
し、評価を行った。その結果、誘電率は、2.3であっ
た。5%重量減少温度は520℃であった。また、この
絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独よりも
1.0%の低下がみられることを確認した。
【0055】「実施例4」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体の合成において、2,2−ビス(3−アミ
ノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
3.70部(10.10mmol)を2,2−ビス(3
−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン5.07部(10.1
0mmol)に、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピ
リデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸ジクロリド
の4.25部(9.90mmol)を4.00部(9.
29mmol)に、トリメシン酸クロリドの0.033
部(0.12mmol)を0.13部(0.51mmo
l)として用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリ
ベンゾオキサゾール前駆体の合成及び絶縁膜材料の合成
を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を測
定したところ、スチレン換算でMnが2.1x104
Mwが9.0x104であった。その後、実施例1と同
様にして、ワニスを得た。ここで得たワニスを用いて、
実施例1と同様にして、絶縁膜を作製し、評価を行っ
た。その結果、誘電率は、2.2であった。5%重量減
少温度は520℃であった。また、この絶縁膜は、ポリ
ベンゾオキサゾール単独よりも1.0%の低下がみられ
ることを確認した。
【0056】「実施例5」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体の合成において、用いたトリメシン酸トリ
クロリド0.033部(0.12mmol)を合成例3
で得たトリメリック酸クロリド0.033部(0.12
mmol)に代えた以外は、実施例1と同様にして、ポ
リベンゾオキサゾール前駆体の合成及び絶縁膜材料の合
成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の分子量を
測定したところ、スチレン換算でMnが2.0x1
4、Mwが11.2x104であった。その後、実施例
1と同様にして、ワニスを得た。ここで得たワニスを用
いて、実施例1と同様にして、絶縁膜を作製し、評価を
行った。その結果、誘電率は、2.5であった。5%重
量減少温度は515℃であった。また、この絶縁膜は、
ポリベンゾオキサゾール単独よりも0.5%の低下がみ
られることを確認した。
【0057】「実施例6」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体の合成において、4,4'−ヘキサフルオ
ロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン
酸ジクロリドの4.25部(9.90mmol)を4.
00部(9.29mmol)に、トリメシン酸クロリド
の0.033部(0.12mmol)を0.13部
(0.49mmol)とする以外は、全て実施例1と同
様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成を行
い、その後続けて、安息香酸のクロリド化合物であるベ
ンゾイルクロリド0.023部(0.162mmol)
を添加して、前駆体の末端と反応させた後、実施例1と
同様にして、絶縁膜材料の合成を行った。GPCによ
り、前記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレ
ン換算でMnが1.8x104、Mwが9.8x104
あった。その後実施例1と同様にしてワニスを得た。こ
こで得たワニスを用いて、実施例1と同様にして、絶縁
膜を作製し、評価を行った。その結果、誘電率は、2.
2であった。5%重量減少温度は520℃であった。ま
た、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾール単独
よりも1.0%の低下がみられることを確認した。
【0058】「比較例1」 (1)ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成とそのワニ
スの調整 撹拌装置、窒素導入管、滴下漏斗を付けたセパラブルフ
ラスコ中、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン14.65部(40
mmol)を、乾燥したジメチルアセトアミド200部
に溶解し、ピリジン7.92部(200mmol)を添
加後、乾燥窒素導入下、−15℃で、ジメチルアセトア
ミド100gに、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピ
リデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸クロリド1
6.92g(0.04mol)を溶解したものを、30
分かけて滴下し、沈殿物を回収し、乾燥して、ポリベン
ゾオキサゾール前駆体の粉末を得た。GPCにより、前
記絶縁膜材料の分子量を測定したところ、スチレン換算
でMnが3.8x104、Mwが8.03x104であっ
た。これをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、20
%の溶液とした。0.2mmのテフロンフィルターで濾過
して、ワニスを得た。
【0059】(2)ポリベンゾオキサゾール樹脂膜の製
造 このワニスを、スピンコーターを用いて、アルミニウム
を蒸着したシリコンウエハー上に塗布した。このとき、
熱処理後の膜厚が約1μmとなるように、スピンコータ
ーの回転数と時間を設定した。塗布後、100℃のホッ
トプレート上で、120秒間乾燥した後、窒素を流入し
て、酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを
用いて、150℃/30分、400℃/30分の順で加
熱して、ポリベンゾオキサゾール樹脂の皮膜を得た。皮
膜上にアルミニウムを蒸着して、パターンニングを行
い、所定の大きさの電極を形成した。シリコンウエハー
側のアルミニウムと、この電極による容量を測定し、測
定後に、皮膜の電極隣接部を、酸素プラズマによりエッ
チングして、表面粗さ計により膜厚を測定することによ
り、周波数1MHzにおける誘電率を算出したところ
2.6であった。この皮膜のIRスペクトルをFT−I
Rにより測定したところ、1656cm-1にオキサゾー
ルのアミドによる吸収は見られず1053cm-1、16
25cm-1にオキサゾールによる吸収が観察され、ポリ
ベンゾオキサゾール樹脂が生成していることが確認され
た。TG−DTAにより、耐熱性を評価したところ、窒
素雰囲気での5%重量減少温度は510℃であった。
【0060】「比較例2」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体の合成において、トリメシン酸クロリド
0.033部(0.12mmol)を添加しない以外
は、全て実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾー
ル前駆体の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材
料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが
1.0x104、Mwが10.0x104であった。誘電
率は、2.6であった。5%重量減少温度は500℃で
あった。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサ
ゾール単独と同じであることを確認した。
【0061】「比較例3」実施例2のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体の合成において、トリメシン酸クロリド
0.086部(0.31mmol)を添加しない以外
は、全て実施例2と同様にして、ポリベンゾオキサゾー
ル前駆体の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材
料の分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが
9.8x103、Mwが2.3x104であった。誘電率
は、2.6であった。5%重量減少温度は510℃であ
った。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾ
ール単独と同じであることを確認した。
【0062】「比較例4」実施例3のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体の合成において、トリメシン酸クロリド
0.14部(0.51mmol)を添加しない以外は、
全て実施例3と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前
駆体の合成を行った。GPCにより、前記絶縁膜材料の
分子量を測定したところ、スチレン換算でMnが8.9
x103、Mwが1.9x104であった。誘電率は、
2.6であった。5%重量減少温度は510℃であっ
た。また、この絶縁膜の密度は、ポリベンゾオキサゾー
ル単独と同じであることを確認した。
【0063】実施例1〜6の本発明の絶縁膜は、いずれ
も誘電率が低く2.2〜2.5であり、さらに耐熱性が
高いという良好な特性が得られた。
【0064】比較例1〜4では、ポリベンゾオキサゾー
ル樹脂が低密度化していないため耐熱性は同等で良好で
あるが、誘電率は実施例1〜6より高い2.6であっ
た。
【0065】
【発明の効果】本発明により、電気特性、熱特性、機械
特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料及び有機絶縁
膜を得ることができる。従って、本発明の有機絶縁膜材
料は、電気特性、熱特性、機械特性及び物理特性が要求
される様々な分野、例えば半導体用の層間絶縁膜、保護
膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバ
ーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜などとして
適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA58 AH12 BA02 BB02 BC02 4J043 PA09 PA13 PA19 QB15 QB34 RA52 SA06 SA42 SA47 SA54 SA71 SB01 SB02 TA12 TA47 TA66 TA71 TB01 TB02 UA122 UA131 UA132 UB011 UB061 UB062 UB122 VA042 VA052 YB08 YB24 ZA46 ZB50 5F058 AA10 AC10 AF04 AH02 AH03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるポリベンゾオキ
    サゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応しうるd
    価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)とを反応
    させて、枝分かれ構造を有する重合体を合成し、更に、
    前記重合体を閉環させることにより得られる低密度化さ
    れた一般式(4)で表される構造単位を主構造とする樹
    脂層からなることを特徴とする有機絶縁膜。 【化1】 (但し、一般式(1)中のnは2〜1000までの整数
    を示す。X、Yは式(2)より選ばれる構造を示す。) 【化2】 (式(2)中、Zは式(3)より選ばれる構造を示し、
    これらの構造中のベンゼン環上の水素原子は、メチル
    基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
    基、イソブチル基、t−ブチル基、フッ素原子、および
    トリフルオロメチル基からなる群から選ばれる少なくと
    も1個の基で置換されていてもよい。) 【化3】 【化4】 (但し、一般式(4)中のnは2〜1000までの整数
    を示す。X、Yは式(2)より選ばれる構造を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるポリベンゾオキ
    サゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応しうるd
    価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)とを反応
    させて得られる反応物からなることを特徴とする有機絶
    縁膜材料。
  3. 【請求項3】 ジアミノフェノール化合物(M)とジカ
    ルボン酸(N)との反応モル比(N/M)が、0.5か
    ら0.99の範囲で合成されたポリベンゾオキサゾール
    前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応しうるd価以上の
    有機基を有する化合物(dは3以上)とを反応させて合
    成される枝分かれ構造を有する重合体からなることを特
    徴とする有機絶縁膜材料。
  4. 【請求項4】 d価以上の有機基を有する化合物(dは
    3以上)が、トリメシン酸、トリメリック酸、及び1,
    3,5−シクロヘキサントリカルボン酸の酸クロリド化
    合物並びに活性エステル化合物からなる群から選ばれる
    請求項2又は3に記載の有機絶縁膜材料。
  5. 【請求項5】 ポリベンゾオキサゾール前駆体の末端ア
    ミノ基と反応しているd価以上の有機基を有する化合物
    のモル数が、{0.5x(M−N)x2/d}モルから
    {0.99x(M−N)x2/d}モルの範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の有機絶
    縁膜材料。(但し、Mはジアミノフェノール化合物の反
    応モル数を、Nはジカルボン酸の反応モル数を示す。)
  6. 【請求項6】 一般式(1)で表されるポリベンゾオキ
    サゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応しうるd
    価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)とを、酸
    クロリド化合物により反応させた後に、更に、1価のカ
    ルボン酸のクロリド化合物を用いてポリベンゾオキサゾ
    ール前駆体の末端を封止させて得られる反応物からなる
    ことを特徴とする有機絶縁膜材料。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で表されるポリベンゾオキ
    サゾール前駆体と、該前駆体のアミノ基と反応しうるd
    価以上の有機基を有する化合物(dは3以上)とを、活
    性エステル化合物により反応させた後に、更に、1価の
    カルボン酸の活性エステル化合物を用いてポリベンゾオ
    キサゾール前駆体の末端を封止させて得られる反応物か
    らなることを特徴とする有機絶縁膜材料。
  8. 【請求項8】 1価のカルボン酸が、シクロヘキサンカ
    ルボン酸、4−トリフルオロメチル−安息香酸、安息香
    酸から選ばれることを特徴とする請求項6または7に記
    載の有機絶縁膜材料。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8のいずれかに記載の有機絶
    縁膜材料から得られる有機絶縁膜であって、一般式
    (4)で表される構造を主構造とするポリベンゾオキサ
    ゾール樹脂層からなることを特徴とする有機絶縁膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007016223A (ja) * 2005-06-08 2007-01-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd ベンゾオキサゾール前駆体、樹脂組成物およびそれを用いたコーティングワニス、樹脂膜並びに半導体装置

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JP2007016223A (ja) * 2005-06-08 2007-01-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd ベンゾオキサゾール前駆体、樹脂組成物およびそれを用いたコーティングワニス、樹脂膜並びに半導体装置

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